JPH076766B2 - 角度検出装置 - Google Patents

角度検出装置

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JPH076766B2
JPH076766B2 JP61297284A JP29728486A JPH076766B2 JP H076766 B2 JPH076766 B2 JP H076766B2 JP 61297284 A JP61297284 A JP 61297284A JP 29728486 A JP29728486 A JP 29728486A JP H076766 B2 JPH076766 B2 JP H076766B2
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piezoelectricity
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亨 土田
貞夫 川村
貞裕 松浦
純 西田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高分子圧電材料を用いて回転角及び回転速度
を検出する角度検出装置に関するものである。
(従来の技術) 一般に、各種回転体の回転角や回転速度を検出する角度
検出装置にはタコジェネレータやエンコーダなどがよく
知られている。このタコジェネレータは回転体に同期し
て回転子を磁界内で回転し、これにより誘起された電圧
が回転速度に比例することを利用して回転角や回転速度
を検出している。また、エンコーダは回転体に同期した
デジタル信号をカウンタで処理し、回転角や回転速度を
検出している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した角度検出装置において、タコジ
ェネレータでは回転する磁石やコイルなどが必要とな
り、また、エンコーダではデジタル信号の導出手段など
が必要となり、何れも大型大重量となるという問題があ
った。
特に、近年、作業用ロボットの開発及び改良が盛んとな
っており、その際、ロボットの指などの多関節構造物に
おいて、高速な協調動作を実現する必要がある。しか
し、この多関節構造物に上述したタコジェネレータやエ
ンコーダを適用すると、全体が大型となり、しかも、大
重量になるという問題がある。そこで、小型、軽量の角
度検出装置の出現が切望されていた。
本発明は、斯かる点に鑑み、高分子圧電材料が曲げに比
例した圧電気を出力する点を利用して回転角及び回転速
度を検出することにより、小型、軽量化を図ることを目
的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するために、第1図及び第2図に示すよ
うに、第1の発明が講じた手段は、先ず、高分子圧電材
料を主成分とする2枚の圧電フィルム(8,8)を中央電
極(11)を介して重合わせると共に、前記圧電フィルム
(8,8)の両外側に側部電極(11,11)を設けてバイモル
フ型に構成され、一端が固定端(7a)に、他端が曲げ力
の作用する自由端(7b)に構成され、前記曲げ力の作用
によって曲率に比例する圧電気が前記中央電極(11)と
前記各側部電極(11,11)との間に生じる圧電シート
(2)が設けられている。そして、前記圧電シート
(2)に生じる前記圧電気を取出し、前記圧電気の時間
変化量の微分信号を出力する変化量出力手段(21)が設
けられている。更に、前記変化量出力手段(21)が出力
する前記微分信号より前記圧電気の時間変化量を積分し
て前記曲率1/ρを演算し、且つ回転角をθとして、1/ρ
∝tanθの関数式に基づき、正接の逆関数より前記回転
角θを演算する回転角演算手段(22)が設けられた構成
としている。
また、第2の発明が講じた手段は、第1の発明におい
て、前記回転角演算手段(22)が出力する回転角信号と
前記変化量出力手段(21)の前記微分信号とを受け、前
記回転角信号より前記回転角θの余弦関数を演算すると
共に、前記余弦関数の二乗値と前記圧電気の時間変化量
とに基づいて回転速度ωを演算する回転速度演算手段
(23)が設けられた構成としている。
(作用) 前記構成により、第1の発明では、圧電シート(2)の
自由端(7b)に荷重が作用し、前記圧電シート(2)が
曲がると、中央電極(11)と各側部電極(11,11)との
間に圧電現象が生起する。この圧電現象で生じた圧電シ
ート(2)の圧電気、つまり圧電電荷量を変化量出力手
段(21)が取出し、前記圧電気の時間変化量の微分信号
を出力する。続いて、前記変化量出力手段(21)が出力
する微分信号より回転角演算手段(22)が前記圧電気の
時間変化量を積分して曲率1/ρを演算し、且つ回転角を
θとして、1/ρ∝tanθの関数式に基づき、前記tanθ
(正接)の逆関数より回転角θを演算して回転角信号を
出力することになる。
また、第2の発明では、前記第1の発明における回転角
演算手段(22)の回転角信号と、前記変化量出力手段
(21)の微分信号とを回転速度演算手段(23)が受け、
前記回転角信号より回転角θの余弦関数を演算すると共
に、前記余弦関数の二乗値と前記圧電気の時間変化量と
に基づいて回転速度ωを演算して回転速度信号を出力す
ることになる。
従って、前記圧電シート(2)が高分子圧電材料を主成
分としていることから、小型化を図ることができると共
に、軽量化を促進することができ、且つ回転角θ及び回
転速度ωを定量的に検出することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図及び第2図に示すように、(1)は、ロボットの
間接などにおける回転角及び回転速度を検出する角度検
出装置であり、圧電シート(2)に信号処理手段(3)
が連繋されて構成されている。
前記圧電シート(2)は、固定部材(4)と可動部材
(5)とに亘って設けられており、前記可動部材(5)
は、固定部材(4)の端部にピン(6)によって回動自
在に枢支されている。更に、前記圧電シート(2)は、
可撓性の支持板(7)の両面に薄膜の圧電フィルム
(8)が設けられてバイモルフ型に形成され、前記支持
板(7)は、アクリル等の合成樹脂やリン青銅、鋼鉄板
などにより湾曲容易に形成されている。そして、前記支
持板(7)の一端は、固定部材(4)に嵌合固着されて
固定端(7a)となる一方、他端は、可動部材(5)に沿
って延長されて自由端(7b)となっている。
前記自由端(7b)は、可動部材(5)に設けられた拘束
部材(9)で拘束され、前記拘束部材(9)は、2本の
棒材が自由端(7b)を両側より挾持するように設けられ
て成り、前記拘束部材(9)は、自由端(7b)を可動部
材(5)の可動方向にのみ拘束し、支持板(7)の長手
方向に対して前記支持板(7)をスライド自在とし、可
動部材(5)の回動により圧電シート(2)は曲げ力の
みが作用するように設けられている。
また、前記ピン(6)には、モータ(10)が連結され、
前記モータ(10)により可動部材(5)が固定部材
(4)に対して回動するように構成されている。
前記圧電フィルム(8)は、第3図に示すように、高分
子圧電材料より成り、前記圧電フィルム(8)の両面に
圧電電荷を取り出す導電性金属薄膜の電極(11,11)が
蒸着されて構成され、前記圧電シート(2)がバイモル
フ型に構成されており、各電極(11,11)が中央電極及
び側部電極となっている。前記圧電フィルム(8)は、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やビニリデン・フルオラ
イド・トリフルオロエチレン共重合体(VDF/Tr FE)な
どの高分子材料で形成される他、第4図に示す圧電フィ
ルム(8a)は、前記高分子圧電材料の母材に圧電セラミ
ック等の粉末固体が添加されて形成されている。
この高分子圧電材料で圧電フィルム(8)を形成したの
は、水晶などの無機質圧電材料とその圧電性を比較する
と表1に示すとおりとなり、圧電性に優れると共に、薄
膜加工等が極めて容易であり、安価に作製できるからで
ある。
また、第3図に示すように、支持板(7)の両面に圧電
フィルム(8)を貼着した理由は、前記圧電フィルム
(8)は薄膜にすればするほど圧電効果が大きくなるこ
とになるが、PVDFなどの高分子材料のみの圧電フィルム
(8)では剛性が低く、たとえば、10μmの厚さの圧電
フィルム(8)のみでは使用できないので、支持板
(7)に接着して曲げ剛性を保持させている。一方、第
4図に示すように、圧電セラミック等の固体を添加した
複合物圧電材料を用いた圧電フィルム(8a)において
は、圧電性を低下させることなく、圧電フィルム(8a)
自体に固体で剛性を保持させるようにしており、前記支
持材(7)を省略して薄膜状に加工することができるこ
とになり、電極(11)を介して圧電フィルム(8a)を重
畳してバイモルフ型を構成している。
次に、前記圧電シート(2)は、可動部材(5)の回動
で曲げられると、圧電フィルム(8)が圧電気を生じる
ことになり、この圧電気と曲げとの関係について説明す
る。
第5図に示すように、2枚の圧電フィルム(8,8)がバ
イモルフ型を構成しているので、曲げ力を作用させる
と、中央電極(11)面は引張り及び圧縮が作用しない中
立面となり、上面に引張力が、下面に圧縮力がそれぞれ
作用し、各圧電フィルム(8)の表面に電荷が現われ、
分極が生じることになる。そして、中央電極(11)の電
位と両端面の側部電極(11)の電位との間(ab間)には
電位差(電圧)が生じ、この電位差が曲げ歪み、即ち、
曲率1/ρに対応している。そこで、この電圧と曲率との
関係は次式で与えられ、 v=k・g・m2・(1/ρ) ……(1) v:電圧(V) g:圧電率(C/N) m:圧電フィルムの厚さ(mm) ρ:曲率半径(cm) k:比例定数 となる。この理論結果を検証するための実験結果は、第
6図に示すようになり、電圧vが曲率1/ρに比例してい
ることが明らかとなっている。
尚、前記(1)式及び第6図については、松村雅史及び
藤井克彦による“高分子圧電フィルムを用いた舌の形状
計測装置の開発”(大阪大学 工学部 電気工学科 研
究会論文 2章 高分子圧電フィルム 2−2−1 曲
率と発生電圧との関係)に記載されている。
さらに、第7図に示すように、前記圧電フィルム(8)
の出力信号Pとその積分信号Iを従来のタコジェネレー
タ及びポテンショメータの出力信号G、Mと比較するた
めにサーボ系を用いた実験結果においては、回転角の目
標値(24゜)をステップ関数信号Sで与えると、圧電フ
ィルム(8)の出力信号P及びその積分信号Iはタコジ
ェネレータ等の出力信号G,Mに対応することも明らかと
成っている。
また、前記バイモルフ構造の圧電フィルム(8,8)にお
いて、第8図に示すように、両面より力が作用して圧縮
力が加わると、中央電極(11)と両端面の各側部電極
(11)とで電荷が相殺され、中央電極(11)と側部電極
(11)との間(ab間)で電位差は生じないことになる。
よって、引張及び圧縮に対して出力はなく、補償されて
いる。しかも、温度変化に対しても上述と同じ作用でも
って出力はなく、温度補償がなされている。
次に、上述の圧電シート(2)の曲率1/ρと、自由端
(7b)の回転角θとの関係ついて説明する。
先ず、はりの曲げ応力について説明すると、一般に、第
17図に示すように、横断面が軸方向に一様な真直はりが
縦軸と断面の対称軸とを含む平面内で一様な曲げモーメ
ントのみを受けて対称曲げを起こす場合、断面CDと断面
KLとの延長の交点をOとすると、円弧NN1の曲率半径ON
はρである。円弧NN1から下方yの距離にある縦繊維QR
に生ずる縦歪みεは、2つの扇形ONN1とOQRの相似から QR/NN1=OQ/ON であり、 dx(1+ε)/dx=(ρ+y)/ρ ∴ε=y/ρ となる。この結果、 σ=Eε=Ey/ρ σ:曲げ応力 E:ヤング率 となる。
次に、曲げ応力σが中立軸のまわりに呈するモーメント
の総和は抵抗モーメントとなり、断面が受ける曲げモー
メントMと釣り合わなければならないので、 M=∫σydA=(E/ρ)∫Ay2dA となり、∫Ay2dA=I(断面2次モーメント)とおく
と、 M=EI/ρ又は1/ρ=M/(EI) ……(2) となる。
また、はりのたわみ、つまり、変位について説明する
と、第18図に示すように、真直はりB1B2が曲げモーメン
トMを受けている状態において、円弧QR=dsを曲線上の
微小長さとし、曲線QRの曲率半径をρ、曲率中心をOと
し、角度QORは、Q点とR点とのたわみ角の差diに等し
く、 ds=−ρdi 又は1/ρ=−di/ds ……(3) となる。また、 tani=dy/dx ∴i=tan-1dy/dx となり、また、 tani≒i=dy/dx となり、これより前記(3)は、 1/ρ=−(d2y/dx2)/{1+(dy/dx)3/2 となる。そして、一般に、弾性変形の範囲では、たわみ
y及びたわみ角iは、微小であるので、微少量(dy/d
x)を無視してもさしつかえないので、 1/ρ=−(d2y/dx2) ……(4) となるので、 前記(2)式は、(4)式を代入して、 d2y/dx2=−M/(EI) ……(5) となり、たわみ曲線の基本式が導出される。
そこで、第9図に示すように、前記圧電シート(2)の
自由端(7b)は可動部材(5)のピン(6)を中心に回
転するので、はりAの自由端は、集中荷重Wでδだけ変
位し、ピン(6)を中心にθだけ回転する。そして、は
りAの長さをl1,固定端とピン(6)との長さをl2とす
ると、前記(5)式から上向きに凸に曲げるモーメント
を負とし、自由端からx点における曲げモーメントM=
−Wxであるので、 d2y/dx2=−M/(EI) =Wx/(EI) dy/dx=W{(x2/2)+c1}/(EI) y=W{(x3/6)+c1x+c2}/(EI) ……(6) となり、定数c1、c2は、固定端のたわみ角dy/dx、及び
たわみyが0であるので、 c1=−l1 2/2、c2=l1 3/3 となり、自由端x=0におけるたわみy、すなわち変位
δは、前記(6)式から、 δ=(W・l1 3)/(3・E・I) ……(7) となる。
一方、回転角θは次式で表わされ、 tanθ=δ/(l1+l2) ……(8) となる。
そして、前記(2)式、(7)式及び(8)式を変形す
ると、 1/ρ=3{1+(l2/l1)}tanθ/l1 ……(9) となり、このl1,l2は一定であるので、(9)式は、次
のように表わされる。
1/ρ=k・tanθ ……(10) k:定数 従って、上述したように(1)式から、電圧v、すなわ
ち圧電フィルム(8)が出力する電荷量Qと曲率1/ρと
は次式の関係にあるので、 Q∝1/ρ ……(11) 前記(10)式との関係から、 Q∝1/ρ∝tanθ ……(12) となり、前記圧電フィルム(8)の圧電の電荷量Qは自
由端(7b)の回転角θに比例することになる。
その際、前記圧電フィルム(8)の電荷量Qは、変化量
出力手段であるオペアンプ(21)を介して取出されるの
で、第7図に示すように、微分値となり、(12)式は次
式に示すように、 ΔQ/Δt∝Δ(1/ρ)/Δt ∝sec2θΔθ/Δt ……(13) に変形される。
次に、前記信号処理手段(3)について説明すると、前
記信号処理手段(3)は、前記圧電シート(2)の出力
信号、すなわち2枚の圧電フィルム(8)の圧電気(電
荷量Q)を(13)式の関係に基づいて自由端(7b)の回
転角θ及び回転速度ωを算出するように構成されてい
る。
前記信号処理手段(3)は、第2図に示すように、変化
量出力手段であるオペアンプ(21)に回転角演算回路
(22)と関数演算回路(23)とが連繋されて構成されて
いる。そして、圧電フィルム(8)における支持板
(7)側の中央電極(11)はアースされ、引張力又は圧
縮力が作用する外側の側部電極(11,11)がオペアンプ
(21)の負端子に接続されている。前記オペアンプ(2
1)は正端子がアースされ、前記2枚の圧電フィルム
(8)の外側の電荷を中央電極(11)の電荷を基準とし
て出力する。この際、取出した電荷量は、引張側と圧縮
側とより取出しているので、曲率1/ρに対して2倍とな
っており、しかも、時間に対する微分値Δ(1/ρ)/Δ
tとなっている。
つまり、前記圧電フィルム(8)から発生する電流値
は、前記圧電フィルム(8)とオペアンプ(21)とをRC
回路(抵抗−コンデンサ回路)とすると、次式で表され
る。
i(t):電流 Q(t):電荷 C:容量 R:抵抗 この(14)式において、時定数τ=CRを実験的に測定す
ると、τ=5.6(μs)と成り、角度検出等においては
ほゞ無視することができる。このことから、 i(t)=ΔQ(t)/Δt =kΔ(1/ρ)/Δt k:定数 と成り、曲率1/ρの時間変化が出力されることになる
(第7図P参照)。
前記回転角演算回路(22)は、オペアンプ(21)の微分
信号、つまり、時間に対する微分値Δ(1/ρ)/Δtを
積分して曲率1/ρを演算すると共に、この曲率1/ρの積
分値から(12)式に基づいて逆関数を演算して回転角θ
を算出する回転角演算手段を構成している。
また、前記関数演算回路(23)は、オペアンプ(21)の
微分信号から(9)式に基づいて余弦関数cosθの二乗
値cos2θを演算すると共に、前記余弦関数の二乗値cos2
θと微分値Δ(1/ρ)/Δtとを乗算し、回転速度ω
(=Δθ/Δt)を算出して出力する回転速度演算手段
を構成している。
従って、可動部材(5)を固定部材(4)の延長により
ピン(6)を中心にモータ(10)で回動すると(第2図
鎖線参照)、圧電シート(2)の自由端(7b)は、回動
方向にのみ拘束部材(9)で拘束されて回転する。この
回転により両圧電フィルム(8,8)の表面に電荷が現わ
れる。この電荷量Qが、(1)式及び第6図に示すよう
に曲率1/ρに比例しているので、この電荷量をオペアン
プ(21)で導出する。その後、このオペアンプ(21)の
出力信号(微分値Δ(1/ρ)/Δt)を回転角演算回路
(22)及び関数演算回路(23)で処理し、回転角θ及び
回転速度ωを算出して出力する。これにより、可動部材
(5)の回転角θ及び回転速度ωが検出される。
そして、圧電フィルム(8)が高分子圧電材料等で形成
されているので、軽量小型となり、超軽量、超小型セン
サが実現される。
また、前記オペアンプ(21)、回転角演算回路(22)及
び関数演算回路(23)で信号処理するので、回転角θ及
び回転速度ωを定量的に検出することができる。
次に、上述した角度検出装置(1)をロボットに適用し
た具体例について第10図〜第13図に基づいて説明する。
第10図及び第11図に示すように、(41)は、ロボットの
手、(42,42,…)は、手(41)に設けられた指であっ
て、前記指(42,42)間でIC部品(43)を挾持してい
る。前記指(42)は、基端部位(44)、中間部位(45)
及び先端部位(46)が順に関節(47)を介して連接され
て成り、前記基端部位(44)は中間部位(45)の支持部
位に、中間部位(45)は先端部位(46)の支持部位にな
り、逆に、中間部位(45)は基端部位(44)に対して可
動部位に、先端部位(46)は中間部位(45)に対して可
動部位に成っている。前記関節(47)はピン(6)によ
って各部位(44,45,46)を回動自在に枢支しており、図
示されていないが、前記ピン(6)には、モータ(10)
が連結されて中間部位(45)及び先端部位(46)が回動
するように構成されている。
そして、前記基端部位(44)と中間部位(45)、及び中
間部位(45)と先端部位(46)との間には圧電シート
(2)が設けられている。前記圧電シート(2)は、上
述したように、固定端(7a)が基端部位(44)又は中間
部位(45)に固着され、自由端(7b)が拘束部材(9)
を介して中間部位(45)又は先端部位(46)に回動方向
のみ拘束されて設けられている。
また、前記圧電シート(2)に連繋される信号処理手段
(3)は、第12図及び第13図に示すように、両電圧フィ
ルム(8,8)の外側の側部電極(11)がオペアンプ(2
1)に接続されて圧電気(電荷)を取出している。前記
オペアンプ(21)は、回転角演算回路(22)と関数演算
回路(23)に接続され、前記回転角演算回路(22)は、
積分演算回路(24a)と逆正接関数演算回路(24b)とよ
り構成され、前記積分演算回路(24a)は、オペアンプ
(21)が出力する微分信号Δ(1/ρ)/Δtを時間tで
積分して曲率1/ρを算出して逆正接関数演算回路(24
b)に出力している。そして、前記逆正接関数演算回路
(24b)は、前記(12)式に基づいてtan-1(1/ρ)から
回転角θを算出し、増幅器(25)及び関数演算回路(2
3)に出力している。
前記関数演算回路(23)は、余弦関数回路(26)と乗算
回路(27)とより微分演算回路を構成しており、つま
り、(12)式を微分した(13)式は次のとおり変形さ
れ、 Δθ/Δt∝cos2θ・Δ(1/ρ)/Δt ……(15) この(15)式より回転速度ω(=Δθ/Δt)を算出し
ている。
従って、前記余弦関数回路(26)は、逆正接関数演算回
路(24b)の回転角θより余弦関数の二乗値cos2θを算
出し、乗算回路(27)は、前記余弦関数の二乗値cos2θ
とオペアンプ(21)の微分関数Δ(1/ρ)/Δtとを乗
算し、回転速度ωを算出し、増幅器(28)に出力してい
る。
更に、前記各増幅器(25,28)の出力信号θ,ωは、減
算回路(29)で指令値Tと比較され、この比較値が増幅
器(30)を介して前記モータ(10)にフィードバックさ
れ、各部位(45,46)の回動が制御されるように構成さ
れている。
次に、前記指(42)の制御について説明する。例えば、
先端部位(46)をモータ(10)で回動すると、中間部位
(45)との間に設けられた圧電シート(2)の自由端
(7b)は拘束部材(9)で先端部位(46)と共に回動
し、両圧電フィルム(8,8)は曲げ力が作用して曲がる
ことになる。そして、両圧電フィルム(8,8)に曲率1/
ρに比例した電荷量Qが生じることになる。この電荷量
Qはオペアンプ(21)で微分値として取出される。続い
て、前記オペアンプ(21)の微分信号Δ(1/ρ)/Δt
は、積分演算回路(24a)及び逆正接関数演算回路(24
b)で積分及び逆関数処理されて回転角θが算出される
ことになる。
一方、前記逆正接関数演算回路(24b)の角度信号θは
余弦関数回路(26)で余弦関数の二乗値cos2θに変換さ
れた後、乗算回路(27)でオペアンプ(21)の微分信号
Δ(1/ρ)/Δtが乗算されて回転速度ωが算出され
る。
その後、前記角度信号θと速度信号ωは、増幅器(25,2
8)を介して指令値Tと比較され、増幅器(30)を介し
てモータ(10)にフィードバックされ、先端部位(46)
の回動が制御される。
第14図及び第15図は、他の圧電シート(2a)を示し、前
実施例の圧電シート(2)が支持板(7)の両面に圧電
フィルム(8,8)を設けたのに代り、支持板(7)の片
面に2枚の圧電フィルム(8,8)を重畳して設けたもの
であり、2枚の圧電フィルム(8,8)の間に電極(11)
が設けられている。その他は前実施例と同様である。
第16図は、他の実施例を示し、第12図、第13図がアナロ
グ回路で表現したが、第16図に示すように、曲げによる
出力電圧をアナログ・デジタル変換器(31)(A/D Con
verter)でデジタル化し、第16図一点鎖線で示す回路部
(32)をコンピュータで演算処理し、その出力をデジタ
ル・アナログ変換器(33)(D/A Converter)でアナロ
グに戻して増幅器(30)にモータ動作電圧を与えてもよ
く、第13図と同様の動作を実現できる。
なお、各実施例における圧電シート(2)の拘束部材
(9)は2本の棒材で構成したが、1方向にのみ回動す
る場合は1本の棒材でもよく、また、棒材の他、板材や
係合突起と係合溝などで構成してもよく、要するに長手
方向に移動自在で回動方向のみ拘束するものであればよ
い。
また、前記角度検出装置(1)は、ロボットの指(42)
に設けたが、他の各種関節に設けてもよいことは勿論で
あり、更に、人体の運動計測における各種回動部に設け
てもよい。
(発明の効果) 以上のように、本発明の角度検出装置によれば、高分子
圧電材料でバイモルフ型圧電シートを形成したために、
圧電気より回転角及び回転速度等を導出することができ
るから、従来のタコジェネレータのように磁石やコイ
ル、またエンコーダのように回転信号の取出部などが省
略できるので、極めて小型に且つ軽量とすることができ
る。従って、ロボットの指などの狭いスペースにも設け
ることができるから、これら各種の制御を小スペースで
行うことができる。
また、前記圧電シートに生じた圧電気を取出し、変化量
出力手段と回転角演算手段とによって回転角を導出する
一方、回転速度演算手段によって回転速度を導出するよ
うにしたために、前記圧電シートの圧電気によって回転
角と回転速度とを定量的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は圧電シートの取
付状態を示す斜視図、第2図は角度検出装置の概略構成
図、第3図は圧電シートの拡大図、第4図は他の圧電フ
ィルムの拡大図、第5図は圧電現象を示す圧電シートの
概略図、第6図は電圧と曲率との関係図、第7図は圧電
シート、タコジェネレータ及びポテンショメータの出力
波形図、第8図は他の圧電現象を示す圧電シートの概略
図、第9図は曲率と回転角との関係を示す片持ばりの平
面図である。 第10図〜第13図はロボットに適用した角度検出装置の実
施例を示し、第10図はロボットの手の側面図、第11図は
指の平面図、第12図は角度検出装置のブロック図、第13
図は同回路ブロック図である。 第14図は他の圧電シートを示す平面図、第15図は第14図
B部の拡大断面図、第16図は角度検出装置の他の例を示
す回路ブロック図である。 第17図は曲げモーメントと曲率との関係を説明するため
の原理図、第18図はたわみ曲線の基本式を説明するため
の原理図である。 (1)……角度検出装置、(2,2a)……圧電シート、
(3)……信号処理手段、(6)……ピン、(7)……
支持板、(7a)……固定端、(7b)……自由端、(8,8
a)……圧電フィルム、(9)……拘束部材、(11)…
…電極、(21)……オペアンプ(変化量出力手段)、
(22)……回転角演算手段(回転角演算手段)、(23)
……関数演算回路(回転速度演算手段)、(24a)……
積分演算回路、(24b)……逆正接関数演算回路、(2
6)……余弦関数回路、(27)……乗算回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子圧電材料を主成分とする2枚の圧電
    フィルム(8,8)を中央電極(11)を介して重合わせる
    と共に、前記圧電フィルム(8,8)の両外側に側部電極
    (11,11)を設けてバイモルフ型に構成され、一端が固
    定端(7a)に、他端が曲げ力の作用する自由端(7b)に
    構成され、前記曲げ力の作用によって曲率に比例する圧
    電気が前記中央電極(11)と前記各側部電極(11,11)
    との間に生じる圧電シート(2)と、 前記圧電シート(2)に生じる前記圧電気を取出し、前
    記圧電気の時間変化量の微分信号を出力する変化量出力
    手段(21)と、 前記変化量出力手段(21)が出力する前記微分信号より
    前記圧電気の時間変化量を積分して前記曲率1/ρを演算
    し、且つ回転角をθとして、 1/ρ∝tanθ の関数式に基づき、正接の逆関数より前記回転角θを演
    算する回転角演算手段(22)と を備えていることを特徴とする角度検出装置。
  2. 【請求項2】高分子圧電材料を主成分とする2枚の圧電
    フィルム(8,8)を中央電極(11)を介して重合わせる
    と共に、前記圧電フィルム(8,8)の両外側に側部電極
    (11,11)を設けてバイモルフ型に構成され、一端が固
    定端(7a)に、他端が曲げ力の作用する自由端(7b)に
    構成され、前記曲げ力の作用によって曲率に比例する圧
    電気が前記中央電極(11)と前記各側部電極(11,11)
    との間に生じる圧電シート(2)と、 前記圧電シート(2)に生じる前記圧電気を取出し、前
    記圧電気の時間変化量の微分信号を出力する変化量出力
    手段(21)と、 前記変化量出力手段(21)が出力する前記微分信号より
    前記圧電気の時間変化量を積分して前記曲率1/ρを演算
    し、且つ回転角をθとして、 1/ρ∝tanθ の関数式に基づき、正接の逆関数より前記回転角θを演
    算する回転角演算手段(22)と、 前記回転角演算手段(22)が出力する回転角信号と前記
    変化量出力手段(21)の前記微分信号とを受け、前記回
    転角信号より前記回転角θの余弦関数を演算すると共
    に、前記余弦関数の二乗値と前記圧電気の時間変化量と
    に基づいて回転速度ωを演算する回転速度演算手段(2
    3)と を備えていることを特徴とする角度検出装置。
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