JPH07665B2 - オレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィンの重合方法

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JPH07665B2
JPH07665B2 JP63247477A JP24747788A JPH07665B2 JP H07665 B2 JPH07665 B2 JP H07665B2 JP 63247477 A JP63247477 A JP 63247477A JP 24747788 A JP24747788 A JP 24747788A JP H07665 B2 JPH07665 B2 JP H07665B2
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春美 渡辺
重雄 津山
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、α−オレフィンの重合方法の改良に関するも
のである。さらに詳しくいえば、本発明は、高温で、か
つ長時間の重合においても、立体規則性の高いα−オレ
フィン重合体を、効率よく製造する方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来、オレフィンの立体規則性重合用触媒として、例え
ば、ハロゲン化チタンとトリエチルアルミニウムまたは
ジエチルアルミニウムクロライドのような有機アルミニ
ウム化合物を組合せたものが、工業的に使用されている
ことはよく知られている。また高活性高立体規則性重合
触媒として無機または有機マグネシウム化合物、ハロゲ
ン化チタン及びカルボン酸エステルから成る固体成分と
トリエチルアルミニウム、電子供与体とから成る触媒系
が数多く提案されている。本発明者らは、先に特公昭57
-9567号、同60-11924号、同62-5925号公報及び、特開昭
58-104903号公報等において有機マグネシウム成分とSi-
H結合を含むクロルシラン化合物を反応させて得られる
ハロゲン含有マグネシウム固体とチタンのハロゲン化合
物、芳香族カルボン酸エステル及び有機アルミニウム化
合物からなる触媒系を提案し、高活性で高立体規則性を
有する重合物が得られることを見出した。
更に上記ハロゲン含有マグネシウム固体とチタンのハロ
ゲン化物、カルボン酸エステルを反応および/または粉
砕し、あるいは更に四価のチタン化合物で処理して得ら
れる固体成分とアルコキシシラン及び有機アルミニウム
化合物と組合せて得られる触媒が重合において触媒の活
性が時間とともに減衰する傾向が少ないことを見出し
た。(特公昭60-11924号公報参照) (発明が解決しようとする問題点) 本発明は特公昭60-11924号公報に提案したα−オレフィ
ンの重合用触媒の改良に関するものである。本発明者ら
が先に提案した前記先行技術を用いて合成した触媒は、
すでに充分高い活性および立体規則性を有する重合体を
製造することが可能であったが、しかしながら近年さら
に高活性で立体規則性の高い触媒の開発が望まれてお
り、特に重合熱除熱効率の向上、気相重合プロセスへの
適用等のため、より高温における重合においても高活性
高立体規則性を有することが要求されている。更に加え
て比較的重合機内滞留時間の長いいわゆるブロック重合
への適用等の為重合時間の経過に伴う活性低下の少ない
触媒の開発が必要とされている。
これらの要求に対し、前記先行技術の触媒では高温重合
(例えばプロピレン重合における75℃以上)での重合パ
ウダーの粒子特性、立体規則性、及び長時間重合での活
性維持の点で不十分であるという問題点があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らはこれらの諸点につき鋭意検討した結果、ア
ルコキシ基を含む有機マグネシウム成分とH−Si結合を
有するクロルシラン化合物とを反応させてマグネシウム
含有固体を形成させ、この固体とチタンのハロゲン化
物、及び芳香族カルボン酸エステルとを接触させて得ら
れる固体成分、又は更にチタンのハロゲン化物で処理し
て得られる固体成分と有機アルミニウム化合物及びアル
コキシシランからなる触媒系を用いることにより、より
高い重合温度、更にはより長時間の重合においても、高
い立体規則性を有する重合体を効率よく製造できること
を見出し、更に検討を続けた結果、炭化水素溶媒に可溶
でかつ、特定範囲のアルコキシ基を含有する有機マグネ
シウム成分を用いた場合により高い性能を得ることがで
きることを見出し、本発明に到達した。前記先行技術
(特公昭60-11924号公報)においては、本発明の特定範
囲のアルコキシ基を含有する有機マグネシウム成分を用
いた場合に、その効果が特に顕著であることについては
全く開示されておらず、錯化合物としてアルコールを用
いて有機マグネシウム成分と反応させる場合について
も、有機マグネシウム成分1モルに対して錯化合物1モ
ル以下、好ましくは0.05〜0.8モルの範囲であると記載
されているのみである。(特公昭60-11924号公報13ペー
ジ,8〜11行目) すなわち本発明は、(A)(イ)(i)一般式 (M)α(Mg)β(R1)p(R2)q(OR3)r (式中、Mは周期律表第I族ないし第II族に属する金属
原子、R1、R2及びR3は炭素数2〜20の炭化水素基であ
り、α,β,p,q及びrは次の関係を満たす数である。
0≦α,0<β,0≦p,0≦q 1.0<r/(α+β)<3.5,kα+2β=p+q+r(ただ
し、kはMの原子価) で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム成
分、 (ii)一般式 HaSiClbR4 4-(a+b) (式中、R4は炭素数1〜20の炭化水素基であり、aとb
とは次の関係を満たす数である。
0<a,0<b,a+b≦4) で示されるSi−H結合を有するクロルシラン化合物とを
反応させて得られる固体成分に (ロ)一般式 Ti(OR5)mD4-m (式中、R5は炭素数2〜10の炭化水素基、Dはハロゲン
原子、mは0≦m<4の関係を満たす数を表わす) で示されるチタン化合物 (ハ)芳香族カルボン酸エステル とを塩素化炭化水素溶媒を除く炭化水素溶媒の存在下又
は非存在下に接触させて得られる固体触媒成分、又は更
に前記(ロ)成分で処理した固体触媒成分、 (B)一般式 AlR6 nZ3-n (式中、R6は炭素数1〜20の炭化水素基、Zは水素原
子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基又はシロキ
シ基、nは0<n≦3の関係を満たす数である) で示される有機アルミニウム化合物、 (C)一般式 R7 sSi(OR84-s (式中、R7、R8は炭素数1〜20の炭化水素基、sは0≦
s<4の関係を満たす数である) で示されるアルコキシシラン化合物 であって(A)、(B)及び(C)からなる触媒を用い
ることを特徴とするα−オレフィンの重合方法に関する
ものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明(A)(イ)(i)に用いられる一般式 (M)α(Mg)β(R1)p(R2)q(OR3)r(式中、α、β、
p、q、r、M、R1、R2、R3、は前述の意味である)の
有機マグネシウム成分(i)について説明する。
記号α、β、p、q、rの関係式p+q+r=mα+2
βは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示し
ている。
この化合物は、炭化水素溶媒に可溶なアルコキシ基を含
有する有機マグネシウムの錯化合物であり、炭化水素溶
媒に可溶な有機マグネシウム錯化合物と上記R3で表され
る炭化水素基を有するアルコールとを反応させる方法ま
たは、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム錯化合物
と炭化水素溶媒に可溶な上記R3で表される炭化水素基を
有するヒドロカルビルオキシマグネシウム化合物及び/
又はヒドロカルビルオキシアルミニウム化合物と混合す
る方法、のいずれの方法を用いても調製できる。
ここで用いられる炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウ
ム錯化合物について説明する。
一般式(M)α(Mg)β(R1)p(R2)qで表される炭化水素
溶媒に可溶な有機マグネシウム錯化合物におけるR1ない
しR2で表わされる炭化水素基は、アルキル基、シクロア
ルキル基またはアリル基であり、たとえば、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、デシル、
シクロヘキシル、フェニル基等が挙げられ、好ましくは
R1はアルキル基である。
α>0の場合、金属原子Mとしては、周期律表第I族な
いし第III族に属する金属元素が使用でき、たとえば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、亜鉛、
ホウ素、アルミニウム等が挙げられるが、特にアルミニ
ウム、亜鉛が好ましい。
金属原子Mに対するマグネシウムの比β/αは、任意に
設定可能であるが、好ましくは0.1〜30、特に1〜20の
範囲が好ましい。
記号α、β、p、qの関係は式p+q=kα+2βで示
され、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示し
ている。
これらの有機マグネシウム化合物もしくは有機マグネシ
ウム錯体は、一般式、R1 2Mg(R1は前述の意味である)
で示される有機マグネシウム化合物と、一般式、MR2 k
たはMR2 k-1H(M、R2、kは前述の意味である。)で示
される有機金属化合物とを、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の不活性炭化水素媒
体中、室温〜150℃の間で反応させることにより得られ
る。
また、α=0でもある種の有機マグネシウム化合物を用
いる場合、例えばR1がsec-ブチル等であり、かつR3が2
の位置に側鎖を有するアルキル基の場合は炭化水素溶媒
に可溶であり、このような化合物も本発明に用いて好ま
しい結果を与える。
本発明に用いる、一般式(M)α(Mg)β(R1)p(R2)q(O
R3)rにおいて、α=0の場合のR1、R2の関係及びアルコ
キシ基であるOR3について以下に示す。まずα=0の場
合のR1とR2の関係については、次に示す三つの群
(1)、(2)、(3)のいずれか一つであることが推
奨される。
(1)R1、R2の少なくとも一方が炭素原子数4〜6であ
る二級または三級のアルキル基であること、好ましくは
R1、R2がともに炭素原子数4〜6であり、少なくとも一
方が二級または三級のアルキル基であること。
(2)R1とR2とが炭素原子数の互いに相異なるアルキル
基であること、好ましくはR1が炭素原子数2または3の
アルキル基であり、R2が炭素原子数4以上のアルキル基
であること。
(3)R1、R2の少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭
化水素基であること、好ましくは、R1、R2がともに炭素
原子数6以上のアルキル基であること。
以下、これらの基を具体的に示す。(1)において炭素
原子数4〜6である二級または三級のアルキル基として
はsec-ブチル、tert-ブチル、2-メチルブチル、2-エチ
ルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルペンチ
ル、2-エチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2-メチル‐
2-エチルプロピル等が用いられ、sec-ブチルは特に好ま
しい。
次に(2)において炭素原子数2または3のアルキル基
としてはエチル基、プロピル基が挙げられ、エチル基は
特に好ましい。また炭素原子数4以上のアルキル基とし
ては、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基等
が挙げられ、ブチル基、ヘキシル基は特に好ましい。
(3)において炭素原子数6以上のアルキル基として
は、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基等
が挙げられ、アルキル基である方が好ましく、ヘキシル
基は特に好ましい。
一般にアルキル基の炭素原子数を増すと炭化水素溶媒に
溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなる傾向であり、
必要以上に長鎖のアルキル基を用いることは取扱上好ま
しくない。
つぎに本発明に用いる有機マグネシウム成分(M)α
(Mg)β(R1)p(R2)q(OR3)rに含まれるアルコキシ基(OR
3)について説明する。
R3で表される炭化水素基としては、炭素原子数3〜10の
アルキル基またはアリル基が好ましい。具体的には、た
とえば、n-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チル、アミル、ヘキシル、2-メチルペンチル、2-エチル
ブチル、2-エチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−
エチル−4−メチルペンチル、2-プロピルヘプチル、2-
エチル‐5-メチルオクチル、n-オクチル、n-デシル、フ
ェニル基等が挙げられ、好ましくはn-ブチル、sec-ブチ
ル、2-メチルペンチル及び2-エチルヘキシルである。
本発明に用いる有機マグネシウム成分(M)α(Mg)β
(R1)p(R2)q(OR3)rの調製方法について、以下にその一例
を示す。
炭化水素に可溶な有機マグネシウム成分とアルコールと
の反応させる場合は、反応を不活性反応媒体、例えば、
ヘキサン、ヘプタンの如き脂肪族炭化水素、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素あるいは
これらの混合溶媒中で行なうことができる。反応順序に
ついては、有機マグネシウム成分中にアルコールを加え
てゆく方法、アルコール中に有機マグネシウム成分を加
えてゆく方法、又は両者を同時に加えてゆく方法のいず
れの方法も用いることができる。
本発明において、炭化水素に可溶な有機マグネシウム成
分とアルコールとの反応比率については、特に制限はな
いが、反応の結果、得られるアルコキシ基含有有機マグ
ネシウム成分における、全金属原子に対するアルコキシ
基のモル組成比r/(α+β)の範囲が1.0を超え、3.5以
下である。
次に、(ii)一般式HaSiClbR4 4-(a+b)(式中、a、b、
R4は前述の意味である)で示されるH−Si結合含有クロ
ルシラン化合物について説明する。
上記式においてR4で表わされる炭化水素基は、脂肪族炭
化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基であ
り、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミ
ル、ヘキシル、デシル、シクロヘキシル、フェニル基等
が挙げられ、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であ
り、メチル、エチル、プロピル等の低級アルキル基が特
に好ましい。また、a及びbはa+b≦4の関係を満た
す0より大きな数であり、特にbが2又は3であること
が好ましい。
これらの化合物としては、HSiCl3、 HSiCl2CH3、HSiCl2C2H5、 HSiCl2n-C3H7、HSiCl2iso−C3H7、 HSiCl2n−C4H9、HSiCl2C6H5、 HSiCl2(4-Cl-C6H4)、 HSiCl2CH=CH2、 HSiCl2CH2C6H5、 HSiCl2(1-C10H7)、 HSiCl2CH2CH=CH2、 H2SiClCH3、H2SiClC2H5、 HSiCl(CH3)2、HSiCl(C2H5)2、 HSiClCH3(iso-C3H7)、 HSiClCH3(C6H5)、HSiCl(C6H5)2等が挙げられ、これらの
化合物及びこれらの化合物から選ばれた化合物との混合
物からなるクロルシラン化合物が使用され、トリクロル
シラン、モノメチルジクロルシラン、ジメチルクロルシ
ラン、エチルジクロルシラン等が好ましく、トリクロル
シラン、モノメチルジクロルシランが特に好ましい。
次に炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム成分(i)
とクロルシラン化合物(ii)との反応について説明す
る。
反応に際してはクロルシラン化合物を予め不活性反応媒
体、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環
式炭化水素、あるいは、1,2-ジクロルエタン、o-ジクロ
ルベンゼン、ジクロルメタン等の塩素化炭化水素、ある
いはこれらの混合媒体を用いて希釈した後利用すること
が好ましい。反応の温度については特に制限されない
が、反応を促進する上で40℃以上反応媒体の沸点未満の
範囲が好ましい。
反応における両成分の比率としては、有機マグネシウム
化合物1モル(マグネシウムに基づいて)に対してクロ
ルシラン化合物0.01〜100モル、特に好ましくは0.1〜10
モルの範囲が好ましい。
上記反応によつて得られる固体成分はろ別又はデカンテ
ーション法によって分離した後、n-ヘキサン、n-ヘプタ
ン等の不活性溶媒を用いて充分に洗浄し、未反応物ある
いは副生物等を除去することが好ましい。また、塩素化
炭化水素溶媒を用いて1回以上洗浄したのち、ヘキサン
などの不活性溶媒を用いて充分に洗浄する方法も採用で
きる。
次に一般式Ti(OR5)mD4-m(式中、R5、mは前述の意味で
ある。)で示されるチタン化合物について説明する。
上記式においてR5で表わされる炭化水素基は脂肪族炭化
水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、
例えば、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシ
ル、デシル、シクロヘキシル、フェニル基等が挙げら
れ、特にアルキル基が好ましい。具体例としては、例え
ば、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、エ
トキシチタントリクロリド、プロポキシチタントリクロ
リド、ブトキシチタントリクロリド、ジブトキシチタン
ジクロリド、トリブトキシチタンクロリド等が挙げら
れ、特に好ましくは四塩化チタンである。
本発明に用いる芳香族カルボン酸エステルとしては芳香
族カルボン酸のモノエステル及びジエステルが好まし
い。好ましい具体例として、例えば、安息香酸、P-トル
イル酸、P-アニス酸等のモノカルボン酸のメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のエステル、及びフタル酸ジメ
チル、ジエチル、ジn-プロピル、ジiso-プロピル、ジn-
ブチル、ジiso-ブチル、ジn-ヘプチル、ジ2-エチルヘキ
シル、ジオクチル等のジカルボン酸ジエステルが挙げら
れる。又これらの芳香族カルボン酸エステルは単独でも
又は混合して用いてもよい。
本発明における固体触媒成分(A)を調製するために用
いられる固体成分(イ)とチタン化合物(ロ)及び芳香
族カルボン酸エステル(ハ)の接触方法としては、
(I)(イ)、(ロ)、及び(ハ)を同時に接触させる
方法、(II)まず(イ)と(ロ)を接触させた後、
(ハ)を接触させる方法、(III)予め(イ)と(ハ)
を接触させた後、(ロ)と接触させる方法、及び(IV)
(ロ)と、(ハ)を接触させた後、(イ)を接触させる
方法のいずれの方法も利用できる。
好ましい接触方法としては(I)、(II)及び(III)
に示す方法が挙げられ、特に(I)の方法が好ましい。
また、接触手段としては、液相又は気相で固体成分
(イ)と接触させる方法、液相又は気相での接触と粉砕
とを組合せて固体成分(イ)接触させる等、のいずれの
手段も用いることができる。
上記いずれかの方法によって調製された固体触媒成分を
さらにチタン化合物(ロ)で処理することにより、本発
明の効果を更に増大させることができる。
次に、上述した好ましい(I)(II)及び(III)の方
法について具体的に説明する。
(I)固体成分(イ)とチタン化合物(ロ)及び芳香族
カルボン酸エステル(ハ)を同時に接触させる方法につ
いて説明する。
液相で接触させる場合は、不活性媒体を用いても、ある
いは不活性媒体を用いないで接触させる方法も可能であ
る。不活性媒体を用いる場合、例えば、n-ヘキサン、n-
ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいはこれらの混
合媒体を用いることができる。
接触時の温度及びチタン化合物の濃度については特に制
限されないが、接触時の反応を促進する上で80℃以上の
温度で、かつチタン化合物濃度が2モル/リットル以上
が好ましい。
接触時の固体成分(イ)に対するチタン化合物及び芳香
族カルボン酸エステルの比率については特に制限はない
が、好ましくは固体成分(イ)に含まれるマグネシウム
1モルに対して、チタン化合物については1モル〜100
モル、特に好ましくは5モル〜50モルの範囲で、芳香族
カルボン酸エステルについては、0.01モル〜1.0モル、
特に好ましくは0.05モル〜0.3モルの範囲が推奨され
る。
又、上述の固体成分(イ)との接触を粉砕を用いて行う
ことも可能である。粉砕方法としては、回転ボールミ
ル、振動ボールミル、衝撃ボールミル等の周知の機械的
粉砕手段を採用することができる。粉砕時間は0.5〜100
時間、好ましくは1〜30時間、粉砕温度としては0〜20
0℃、好ましくは10〜150℃の範囲である。
次に(II)まず固体成分(イ)とチタン化合物(ロ)を
接触させた後、芳香族カルボン酸エステル(ハ)を接触
させる方法について説明する。
固体成分(イ)とチタン化合物(ロ)を接触させる方法
としては、前述の(I)の方法と同じ方法を用いること
ができるが、ここでは特に不活性媒体を用いないで、チ
タン化合物それ自身を媒体として接触させる方法も好ま
しい方法の一つである。
固体成分(イ)に対するチタン化合物(ハ)の比率につ
いては、固体成分(イ)に含まれるマグネシウム1モル
に対して、チタン化合物については1モル〜100モル、
特に好ましくは5モル〜50モルの範囲である。接触の温
度については特に制限されないが、反応を促進する上で
40℃以上反応媒体の沸点未満の範囲が好ましい。上記反
応によつて得られる接触物はろ別又はデカンテーション
法によって分離した後、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の不
活性溶媒を用いて充分に洗浄し、芳香族カルボン酸エス
テル(ハ)と接触させることができるが、固体成分
(イ)とチタン化合物(ロ)とを接触させて後引続い
て、芳香族カルボン酸エステルに対して十分過剰のチタ
ン化合物の存在下芳香族カルボン酸エステルを接触させ
る方法も好ましい。
上記接触物に対する芳香族カルボン酸エステル(ハ)の
比率については特に制限はないが、好ましくは接触前の
固体成分(イ)に含まれるマグネシウム1モルに対し
て、芳香族カルボン酸エステル0.01モル〜1.0モル、特
に好ましくは0.05モル〜0.3モルの範囲が推奨される。
接触の温度については特に制限されないが、反応を促進
する上で40℃以上反応媒体の沸点未満の範囲が好まし
い。
前記接触物を分離後、芳香族カルボン酸エステル(ハ)
と接触させる方法としては、例えば、反応媒体として、
n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あ
るいはこれらの混合媒体を用いることができる。
両成分の接触時の比率としては、前記接触物に含まれる
マグネシウム1モルに対して芳香族カルボン酸エステル
0.01〜1.0モルの範囲が好ましく更に好ましくは0.1〜0.
5モルの範囲が好ましい。上記反応によつて得られる接
触物はろ別又はデカンテーション法によって分離した
後、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の不活性溶媒を用いて充
分に洗浄することが好ましい。
(III)まず固体成分(イ)と芳香族カルボン酸エステ
ル(ハ)を接触させた後、チタン化合物(ロ)を接触さ
せる方法について説明する。
固体成分(イ)と芳香族カルボン酸エステル(ハ)の接
触方法としては、(II)の方法を用いることができる。
両成分の接触時の比率としては、固体成分(イ)に含ま
れるマグネシウム1モルに対して芳香族カルボン酸エス
テル0.01〜1.0モルの範囲が好ましく更に好ましくは0.1
〜0.5モルの範囲が好ましい。
反応の温度については特に制限されないが、反応を促進
する上で40℃以上反応媒体の沸点未満の範囲が好まし
い。上記反応によつて得られる接触物はろ別又はデカン
テーション法によって分離した後、n-ヘキサン、n-ヘプ
タン等の不活性溶媒を用いて充分に洗浄し、未反応物あ
るいは副生物等を除去することが好ましい。
次いでチタン化合物(ロ)と接触させる方法としては、
上述の(I)に示す方法を用いることができる。
また、接触時の比率としては、前記接触物に含まれるマ
グネシウム1モルに対して、チタン化合物(ロ)1〜10
0モルの範囲、特に好ましくは5〜50モルの範囲であ
る。
(I)、(II)、(III)により得られた固体成分を更
にチタン化合物(ロ)で処理する場合も本発明の好まし
い方法の一つである。その接触方法としては前述(II)
の方法を用いることができる。
上記接触または処理した後、n-ヘキサン、n-ヘプタン、
トルエン、シクロヘキサン等の不活性媒体を用いて充分
に洗浄し、未反応物あるいは副生成物等を除去すること
が好ましく、また、1,2-ジクロルエタン等の塩素化炭化
水素を用いて洗浄した後、ヘキサン等の不活性媒体を用
いて充分に洗浄することも好ましい方法である。
これらの接触または処理により得られる本発明における
固体触媒成分(A)の組成、及びその構造については、
出発原料の種類、接触条件によって変化するが、組成分
析値から固体触媒中におよそ1〜10重量%のチタンを含
んだ比表面積50〜300m2/gなる固体触媒であることが判
明した。
(B)成分として用いられる一般式AlR6 nZ3-n(式中、R
6、Z及びnは前述の意味である。)について説明す
る。
まずハロゲン化アルミニウムアルキル化合物としては、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウム
クロリド、ジ‐n-プロピルアルミニウムクロリド、ジ‐
n-ブチルアルミニウムクロリド、ジ‐iso-ブチルアルミ
ニウムクロリド、ジ‐n-ヘキシルアルミニウムクロリ
ド、ジ‐iso-ヘキシルアルミニウムクロリド、ジ(2-エ
チルヘキシル)アルミニウムクロリド、ジ‐n-デシルア
ルミニウムクロリド、メチル‐iso-ブチルアルミニウム
クロリド、エチル‐iso-ブチルアルミニウムクロリド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、iso-ブチルアルミ
ニウムセスキクロリド、メチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、iso-ブチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジ
エチルアルミニウムアイオダイド等及びその混合物が挙
げられる。
次にトリアルキルアルミニウム化合物としては、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ‐n-
プロピルアルミニウム、トリ‐iso-プロピルアルミニウ
ム、トリ‐n-ブチルアルミニウム、トリ‐iso-ブチルア
ルミニウム、トリ‐n-ヘキシルアルミニウム、トリ‐n-
オクチルアルミニウム、トリ‐n-デシルアルミニウム、
トリ‐n-ドデシルアルミニウム、トリ‐n-ヘキサデシル
アルミニウム、等及びその混合物が挙げられる。
次にハイドロカルビルオキシアルミニウムアルキル化合
物としては、通常トリアルキルアルミニウム化合物とカ
ルビノールを反応させて用いることができる。カルビノ
ールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、
n-ないしiso-プロピルアルコール、n-、iso-、sec-ない
しtert-ブチルアルコール、n-、iso-、sec-ないしtert-
アミルアルコール、フェノール、クレゾール等が挙げら
れる。
トリアルキルアルミニウム化合物と反応させるカルビノ
ールの比率は、トリアルキルアルミニウム1モルに対し
て0.1〜1モルであり、好ましくは0.2〜0.9モルの範囲
が推奨される。
シロキシ基含有アルミニウムアルキル化合物としては、
通常トリアルキルアルミニウム化合物とシラノールまた
はシロキサンを反応させて用いることができる。
シラノールとしては、トリメチルシラノール、トリエチ
ルシラノール、トリプロピルシラノール、トリブチルシ
ラノール、トリフェニルシラノール、の他、クロルシラ
ンの加水分解物も使用でき、ポリシラノール類も使用で
きる。
シロキサンとしては、メチルハイドロジェンポリシロキ
サン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、プロピル
ハイドロジェンポリシロキサン、ブチルハイドロジェン
ポリシロキサン、フェニルハイドロジェンポリシロキサ
ン、ジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキ
サン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
トリアルキルアルミニウム化合物と反応させるシラノー
ルもしくはシロキサンの比率は、トリアルキルアルミニ
ウム1モルに対してSi基準で0.1〜2モルであり、好ま
しくは0.2〜1.5モルであり、特に好ましくは0.2〜1.2モ
ルの範囲が推奨される。
これらのアルキルアルミニウム化合物を前述の固体触媒
成分(A)及び後述のアルコキシシラン化合物(C)と
組合せて用いることにより、高活性高立体規則性を有す
る触媒系が得られるが、特にトリアルキルアルミニウ
ム、ジアルキルアルミニウムハライドを用いることによ
って、最も高い性能を達成することができる。
次に本発明に用いる成分(C)のアルコキシシラン化合
物について説明する。
この化合物は一般式R7 sSi(OR8)4-s(式中R7、R8及びs
は前述の意味である。)で表わすことができる。
まず、Si(OR8)4としては、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si
(On-C3H7)4、 Si(Oiso-C3H7)4、Si(On-C4H9)4、 Si(Oisec-C4H9)4などが挙げられる。
RSi(OR′)3としては、CH3Si(OCH3)3、 C2H5Si(OC2H5)3、 n-C4H9Si(OC2H3)3、 n-C5H11Si(OCH3)3、 C6H5Si(OCH3)3、 C6H5CH2Si(OCH3)3、 CH2=CHSi(OCH3)3、 CH[Si(OCH3)3]3、 (CH3O)3SiCH2Si(OCH3)3、 (CH3O)3SiCH2CH2Si(OCH3)3、 CF3CH2CH2Si(OCH3)3、 CCl3Si(OCH3)3、 CH3CHClSi(OCH3)3、 CH2ClCH2Si(OCH3)3、 CH3Si(OC2H5)3、C2H5Si(OC2H5)3、n-C3H7Si(OC2H5)3、n
-C4H9Si(OC2H5)3、n-C5H11Si(OC2H5)3、cyclo-C6H11Si
(OC2H5)3、C6H5Si(OC2H5)3、CH2=CHSi(OC2H5)3、 CH3CH=CHSi(OC2H5)3、 CH2=CHCH2Si(OC2H5)3、 (C2H5O)3SiCH2Si(OC2H5)3、 CH[Si(OC2H5)3]3、 CF3C6H4Si(OC2H5)3、 CH2ClSi(OC2H5)3、 CCl3Si(OC2H5)3、 CH2ClCH2Si(OC2H5)3、 CH2ClCHClSi(OC2H5)3、 CH2=CHSi(Oiso-C3H7)3、 (iso-C3H7O)3SiCH2Si(Oiso-C3H7)3、 CH3CHClSi(Oiso-C3H7)3、 CH2ClCH2Si(Oiso-C3H7)3、 CH3Si(O-n-C4H3)3、 C2H5Si(O-n-C4H9)3、 C6H5Si(O-n-C4H9)3、 CH2=CHSi(O-n-C4H9)3、 n-C4H9O)3SiCH2Si(O-n-C4H9)3、 CH3CHClSi(O-n-C4H9)3、CH2=CClSi(O-n-C4H9)3、 CH3Si(Oiso-C4H9)3、 CH2=CHSi(O-iso-C4H9)3、 (iso-C4H9O)3SiCH2Si(O-iso-C4H9)3、 CH3CHClSi(O-iso-C4H9)3、 CH2=CClSi(O-iso-C4H9)3、 CH3Si(Osec-C4H9)3、 CH2=CHSi(O-sec-C4H9)3、 (sec-C4H9O)3SiCH2Si(O-sec-C4H9)3、 CH3CHClSi(O-sec-C4H9)3、 CH2=CClSi(O-sec-C4H9)3、 C6H5Si(O-sec-C4H9)3、 CH3Si(O-tert-C4H9)3、 C6H5Si(O-tert-C4H9)3、 等が挙げられる。
R2Si(OR′)2としては、 (CH3)2Si(OCH3)2、 (C2H5)2Si(OCH3)2、 (n-C3H7)2Si(OCH3)2、 (n-C4H9)2Si(OCH3)2、 (C6H5)2Si(OCH3)2、 (C6H5)2Si(OC2H5)2、 (CH3)2(C2H5)Si(OC2H5)2、 (CH3)(C2H5)Si(OC2H5)2、 (CH3)(C6H5)Si(OC2H5)2、 CH3SiCl(OC2H5)2、 C2H5SiH(OC2H5)2、 (C2H5)2Si(OC2H5)2 等が挙げられる。
R3SiOR′としては、 (CH3)3SiOCH3、(C2H5)3SiOCH3、 (CH3)3SiOC2H5、 (CH3)2(n-C3H7)SiOC2H5、 (CH3)2(C6H5)SiOC2H5、 (C2H5)3SiO-n-C3H7、 (CH3)3SiO-n-C4H9、 等が挙げられるが、好ましいものとしては、 CH3Si(OC2H5)3、C2H5Si(OC2H5)3、C6H5Si(OCH3)3、C6H5
Si(OC2H5)3、n-C3H7Si(OC2H5)3、n-C4H9Si(OC2H5)3、n-
C5H11Si(OC2H5)3、(C6H5)2Si(OCH3)2、Si(OC2H5)4 である。これらのアルコキシシランは単独でも、また混
合物としても利用でき、さらに有機アルミニウム化合物
との反応物ないしは付加物の形でもよく、あるいはエー
テル、エステル、アミン等の錯化合物を併用しても差し
支えない。
本発明における触媒成分(A)、(B)及び(C)の使
用比率は固体成分(A)1gに対して、(B)は(B)中
のアルミニウム原子に換算して1〜3000ミリモル、好ま
しくは5〜1000ミリモルの範囲で、また(C)は(C)
中のケイ素原子に換算して0.01〜1000ミリモル、好まし
くは、0.05〜100ミリモルの範囲で用いることが好まし
い。
これら触媒成分(A)、(B)及び(C)は重合時に三
者を接触させて用いてもよいし、また重合前にあらかじ
め接触させて用いてもよく、三者とも、または任意の二
者のみを自由に選択して接触させてもよい。接触におい
ては不活性ガス雰囲気下あるいはオレフィン雰囲気下で
あっても良い。
本発明はα−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、3−メ
チル−ブテン−1等のオレフィン特にプロピレンをより
高温での立体規則性重合に利用する場合に適する。更に
は重合時間の経過に伴う活性の低下も極めて少なく、該
α−オレフィンをエチレンもしくは他のオレフィンと共
重合させるような比較的重合機内滞留時間の長い、いわ
ゆるブロック重合にも適するものである。
また、ポリマーの分子量調節の為、水素、ハロゲン化炭
化水素あるいは連鎖移動を起こしやすい有機金属化合物
を添加することも可能である。
重合方法としては通常の懸濁重合、液体モノマー中での
重合、気相重合が可能である。特に本発明での重合にお
いては比較的高い重合温度にて実施される液体モノマー
中での重合及び気相重合に好んで採用できる。
懸濁重合は触媒を重合溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン
のごとき脂肪族炭化水素などとともに反応器に導入し、
不活性ガス雰囲気下にプロピレン等のオレフィンを1〜
20kg/cm2に圧入して、室温ないし150℃の温度で重合を
行うことができる。液体モノマー中での重合では触媒を
プロピレン等のオレフィンが液体である条件下で液体の
オレフィンを重合溶媒としてオレフィンの重合を行うこ
とができる。例えばプロピレンの場合、室温ないし90℃
の温度で、10〜45kg/cm2の圧力下で液体プロピレン中で
重合を行うことができる。一方気相重合はプロピレン等
のオレフィンが気体である条件下で、溶媒の不存在下に
1〜50kg/cm2の圧力で、室温ないし120℃の温度条件に
おいて、プロピレン等のオレフィンと触媒の接触が良好
となるような、例えば流動床、移動床あるいは攪拌機に
よって混合を行う等の手段を講じて重合を行うことがで
きる。
実施例 以下本発明を実施例により説明するが、実施例中で用い
る沸騰ヘプタン抽出残分とは、ポリマーを沸騰n-ヘプタ
ンにより6時間抽出した後の抽出残渣の抽出前ポリマー
の重量に対する百分率を意味するものである。
実施例1 (I)アルコキシ基含有有機マグネシウム成分の合成 予めトリエチルアルミニウムとジブチルマグネシウムよ
り合成した組成式AlMg6(C2H5)3(n-C4H9)12で示される有
機マグネシウム錯体成分250ミリモル(マグネシウム基
準で)を含むn-ヘプタン溶液を充分に窒素置換された1
リットルのフラスコに入れ、氷浴中で冷却し攪拌しなが
ら、滴下ロートより2-エチルヘキシルアルコール49.3cc
(320ミリモル)をゆっくりと1時間かけて滴下し反応
させ、更に室温にて攪拌下1時間反応させた。比較的粘
調な無色透明な溶液が得られ、分析したところ、溶液中
にMg1モル当り2-エチルヘキシル基1.25モル含まれてお
り、マグネシウム濃度として1.0モル/リットルであっ
た。
(II)クロルシラン化合物との反応によるマグネシウム
含有固体の合成 充分に窒素置換された1リットルのフラスコにトリクロ
ルシラン(HSiCl3)を1mol/1のn-ヘプタン溶液として500
ミリモル仕込み、攪拌しながら65℃に保ち、上記アルコ
キシ基含有有機マグネシウム成分のn-ヘプタン溶液を全
量1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下反応さ
せた。生成した白色固体を別し、n-ヘキサンにて充分
に洗浄し乾燥することにより白色固体(A-1)31.7gを得
た。この固体物質を分析した結果、固体1g中、Mg7.15ミ
リモル、CL14.6ミリモル、2-エチルヘキシル基2.06ミリ
モルを含有しており、BET法で測定した比表面積は288m2
/gであった。
(III)固体触媒成分の合成 充分に窒素置換された500ccのフラスコに、上記(II)
で得られた固体を10g、四塩化チタン200cc及びトルエン
50ccを加え、更にフタル酸ジn-ブチル2.0cc(7.5ミリモ
ル)を加えて攪拌下100℃にて2時間反応させた。反応
後過にて固体を採取し、この固体を更に200ccの四塩
化チタンに懸濁させ攪拌下120℃にて2時間反応させ
た。反応終了後固体を熱過にて分離し、熱n-ヘプタン
にて充分洗浄し、更にn-ヘキサンにて洗浄後、n-ヘキサ
ンスラリーとして固体触媒成分(B-1)とした。この一部
を採取して分析したところ、固体触媒成分中のTi含量は
3.1重量%であった。
(IV)液体プロピレン中での重合 充分に窒素置換及び真空乾燥した1.5リットルのオート
クレーブに生成ポリマーのMFIが5に合うように水素ガ
スを導入し、更に液化プロピレン350gを導入した後、温
度を80℃に保ち固体触媒成分を含むn-ヘキサンスラリー
(B-1)を固体触媒成分換算で7mg、トリエチルアルミニウ
ム1.2ミリモル及びフェニルトリエトキシシラン0.12ミ
リモルをオートクレーブ中に加え、攪拌下80℃で4時間
重合を行い、ポリマー258gを得た。
固体触媒成分1g当りの活性は36900g-PP/g-Solidであ
り、単位時間当りの活性は9220g-PP/g-Solid・hrであっ
た。このポリマーの沸騰n-ヘプタン抽出残分は96.7%で
あり、重合パウダーの嵩密度は0.35g/ccであった。
実施例2 実施例1においてトルエンを使用しない以外は実施例1
と同様の条件にて合成し、固体触媒成分を含むn-ヘキサ
ンスラリー(B-2)を得た。分析したところ、固体触媒成
分1g当りTi成分を2.5重量%を含んでいた。
(IV)液体プロピレン中での重合 充分に窒素置換及び真空乾燥した1.5リットルのオート
クレーブに生成ポリマーのMFIが5に合うように水素ガ
スを導入し、更に液化プロピレン350gを導入した後、温
度を80℃に保ち固体触媒成分を含むn-ヘキサンスラリー
(B-2)を固体触媒成分換算で7mg、トリエチルアルミニウ
ム1.2ミリモル及びフェニルトリエトキシシラン0.12ミ
リモルをオートクレーブ中に加え、攪拌下80℃で4時間
重合を行い、ポリマー208gを得た。
固体触媒成分1g当りの活性は29700g-PP/g-Solidであ
り、単位時間当りの活性は7420g-PP/g-Solid・hrであっ
た。このポリマーの沸騰n-ヘプタン抽出残分は96.2%で
あり、重合パウダーの嵩密度は0.32g/ccであった。
比較例1 (I)アルコキシ基含有有機マグネシウム成分の合成 実施例1において使用する2-エチルヘキシルアルコール
の量を19.3cc(125ミリモル)に変更した以外は実施例
1と同様の条件にて合成し、溶液中にMg1モルに対して2
-エチルヘキシル基を0.5モル含み、Mg濃度として1.0モ
ル/リットルのアルコキシ基含有有機マグネシウム成分
を得た。
以下実施例1と同様の方法にて固体触媒成分を合成した
結果、Ti成分を2.1重量%含む固体触媒成分のn-ヘキサ
ンスラリー(C-1)を得た。
(IV)液体プロピレン中での重合 充分に窒素置換及び真空乾燥した1.5リットルのオート
クレーブに生成ポリマーのMFIが5に合うように水素ガ
スを導入し、更に液化プロピレン350gを導入した後、温
度を80℃に保ち固体触媒成分を含むn-ヘキサンスラリー
(C-1)を固体触媒成分換算で7mg、トリエチルアルミニウ
ム1.2ミリモル及びフェニルトリエトキシシラン0.12ミ
リモルをオートクレーブ中に加え、攪拌下80℃で4時間
重合を行い、ポリマー142gを得た。
固体触媒成分1g当りの活性は20700g-PP/g-Solidであ
り、単位時間当りの活性は4350g-PP/g-Solid・hrであっ
た。このポリマーの沸騰n-ヘプタン抽出残分は94.1%で
あり、重合パウダーの嵩密度は0.27g/ccであった。
実施例3 実施例1で合成した固体触媒成分(B-1)を用いた重合に
おいて、使用するモノマーをブテン−1に変更し、更に
重合温度を50℃に変更した以外は実施例1と同様の条件
にて重合した。その結果ポリブテン−1ポリマー82gを
得、固体触媒成分1g当りの活性は11700g-PP/g-Solidで
あり、単位時間当りの活性は2930g-PP/g-Solid・hrであ
った。このポリマーの沸騰ジエチルエーテル抽出残分は
97.1%であり、重合パウダーの嵩密度は0.37g/ccであっ
た。
実施例4 実施例1の(III)固体触媒の合成を以下の条件で実施
した。
充分に窒素置換された500ccのフラスコに、上記(II)
で得られた固体を10g、四塩化チタン200cc及びトルエン
50ccを加え、更にフタル酸ジn-ブチル2.0cc(7.5ミリモ
ル)を加えて攪拌下100℃にて10時間反応させた。反応
後熱過にて固体を採取し、熱n-ヘプタンにて充分洗浄
し、更にn-ヘキサンにて洗浄後、n-ヘキサンスラリーと
して固体触媒成分(B-4)とした。この一部を採取して分
析したところ、固体触媒成分中のTi含量は2.8重量%で
あった。この固体触媒成分(B-4)を用いて、実施例1と
同様にして重合した結果、ポリマー218gを得た。
固体触媒成分1g当りの活性は30500g-PP/g-Solidであ
り、単位時間当りの活性は7620g-PP/g-Solid・hrであっ
た。このポリマーの沸騰n-ヘプタン抽出残分は96.5%で
あり、重合パウダーの嵩密度は0.32g/ccであった。
実施例5〜7 実施例1において使用するアルコキシ含有有機マグネシ
ウム成分として、表1に示す物質を用いる以外は、実施
例1と同様の方法にて固体触媒成分(B-5〜B-7)を合成
し、実施例1と同様の方法にて重合評価し、表1の結果
を得た。
実施例8〜11 実施例1の固体触媒成分の合成において、芳香族カルボ
ン酸エステルとして、表1に示す物質を用いる以外は、
実施例1と同様にして固体触媒成分(B-8〜B-11)を合成
し、実施例1と同様の方法にて重合を行ない、表2の結
果を得た。
実施例12〜14 実施例1で合成した固体触媒成分(B-1)を用いる液体プ
ロピレン中での重合において、使用する有機アルミニウ
ム化合物及びアルコキシシラン化合物を表3に示す化合
物に変更する以外は同様の条件にて重合を行い、表3の
結果を得た。
(発明の効果) 本発明の触媒を使用することにより、例えばプロピレン
重合において重合温度が80℃のような重合温度の高い重
合においても、高い立体規則性を有し、活性の低下も極
めて少なく、α−オレフィン重合体を高収率で得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の態様を示すフローチャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(イ) (i)一般式 (M)α(Mg)β(R1)p(R2)q(OR3)r (式中、Mは周期律表第I族ないし第III族に属する金
    属原子、R1、R2及びR3は炭素数2から20の炭化水素基で
    あり、α,β,p,q及びrは次の関係を満たす数である。 0≦α,0<β,0≦p,0≦q 1.0<r/(α+β)<3.5 kα+2β=p+q+r(ただし、kはMの原子価)) で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム成分
    と (ii)一般式 HaSiClbR4 4-(a+b) (式中、R4は炭素数1〜20の炭化水素基であり、aとb
    とは次の関係を満たす数である。0<a,0<b,a+b≦
    4) で示されるSi−H結合を有するクロルシラン化合物とを
    反応させて得られる固体成分に、 (ロ)一般式 Ti(OR5mD4-m (式中、R5は炭素数2〜10の炭化水素基、Dはハロゲン
    原子、mは0≦m<4の関係を満たす数である) で示されるチタン化合物、及び (ハ)芳香族カルボン酸エステル とを塩素化炭化水素溶媒を除く炭化水素溶媒の存在下又
    は非存在下に接触させて得られる固体触媒成分、又は更
    に前記(ロ)成分で処理した固体触媒成分、 (B)一般式 AlR6 nZ3-n (式中、R6は炭素数1〜20の炭化水素基、Zは水素原
    子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基又はシロキ
    シ基、nは0<n≦3の関係を満たす数である) で示される有機アルミニウム化合物、及び (C)一般式 R7 sSi(OR84-s (式中、R7、R8は炭素数1〜20の炭化水素基、sは0≦
    s<4の関係を満たす数である) で示されるアルコキシシラン化合物、 であって(A)、(B)及び(C)からなる触媒を用い
    ることを特徴とするオレフィンの重合方法。
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