JPH0765821A - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池

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JPH0765821A
JPH0765821A JP5227959A JP22795993A JPH0765821A JP H0765821 A JPH0765821 A JP H0765821A JP 5227959 A JP5227959 A JP 5227959A JP 22795993 A JP22795993 A JP 22795993A JP H0765821 A JPH0765821 A JP H0765821A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量かつ長寿命の鉛蓄電池を提供する。 【構成】 チタン叉はチタン合金からなる基体上に、導
電性酸化物層、緻密なPbO2 層および正極活物質層を
設けた正極板を用いた鉛蓄電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛蓄電池の改良に関
し、更に詳述すれば軽量かつ長寿命の鉛蓄電池を提案す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在、鉛蓄電池は自動車用、産業用、コ
ンシューマー用など広く用いられており、最近では電気
自動車用の電池としても注目されている。
【0003】一般的な鉛蓄電池では、正、負極集電体に
鉛−カルシウム系合金や鉛−アンチモン系合金などが用
いられている。鉛合金の比重は約11g/cm3 と大き
いために電池重量が重くなってしまうという欠点があ
る。さらに鉛合金は正極電位におかれた場合、徐々に鉛
が二酸化鉛となる反応が起こり腐食される。実用化され
ている長寿命型の鉛蓄電池は、この腐食分をみこしてあ
らかじめ正極集電体を大きくしている。従って、長寿命
型の鉛蓄電池では重量が重くなり、軽量化を図った鉛蓄
電池は短寿命であるという問題点がある。
【0004】このため、集電体に鉛合金以外のものを用
いることが検討されている。例えば、負極集電体として
は銅が使用可能である。これは鉛蓄電池の負極電位が、
銅の溶出電位よりも卑であるためである。銅は電気抵抗
が鉛より小さく、比重も小さいことから、高率放電性能
の向上や軽量化のために、特殊用途の鉛蓄電池に既に使
用されている。
【0005】正極集電体についても、導電性高分子や導
電性酸化物をはじめ種々の材料が検討されている。しか
し、これらは耐食性が悪かったり、電気抵抗が大きかっ
たりと実用化されているものは皆無である。負極集電体
には使用可能な銅も、正極では溶出してしまうので使う
ことができない。
【0006】そこでチタンの正極集電体への適用を検討
した。表1に鉛とチタンの物性を示す。
【0007】
【表1】
【0008】チタンの比重は4.5と鉛の11.3に比
べ約0.4倍となり、大幅な正極集電体の軽量化が図れ
る。チタンのビッカース硬度は、鉛3に対して120と
約40倍であることから強度的に優れた集電体が得られ
る。また、鉛電池正極電位におかれた場合、鉛は徐々に
酸化され腐食が発生するが、チタンは金属表面に不働態
被膜が生成するため、ほとんど腐食しない。すなわちチ
タンを鉛蓄電池正極集電体に用いることで上述した鉛蓄
電池の問題点が解消される。しかし、電極として使用す
る場合、不働態被膜があると抵抗が大きくなり通電でき
なくなるという問題がででくるため、チタン表面に不働
態被膜の代わりに導電性のある被膜を何層か形成させる
処理が必要となる。
【0009】チタンが優れた特徴を有していることか
ら、工業電解用のチタン電極については、昔から数多く
の研究がなされている。例えば特開昭52−8268
0、特開昭58−30957、特開昭58−3139
6、特開昭59−34235、特開昭63−57792
などである。これらは、いずれもチタン表面に導電性の
被膜を形成し、その上に二酸化鉛(PbO2 )を形成す
るというものである。
【0010】しかし、これらの電極をそのまま鉛蓄電池
正極集電体に用いた場合、早期に電極が破壊されてしま
うという欠点があった。この理由を説明する。工業電解
用と鉛蓄電池との最も大きな違いは、工業電解では電流
の向きが一方向であるのに対して、鉛蓄電池では充電時
と放電時で電流の向きが逆になるという点である。鉛蓄
電池正極の充放電は次式で示される。
【0011】放電反応 PbO2 +4H+ +SO4 2-
2e → PbSO4 +2H2 O 充電反応 PbO2 +4H+ +SO4 2-+2e ← P
bSO4 +2H2 O チタン電極表面に形成したPbO2 は、電子を伝導する
のみで電気化学的には反応しないというのが理想である
が、実際には放電反応がおこり硫酸鉛(PbSO4 )へ
と変化してしまう。PbSO4 の分子容はPbO2 の約
1.3倍と大きいことから、この変化がおこるとチタン
電極上のPbO2 被膜にひびわれ等がおこり、ここから
金属チタン表面に電解液である硫酸が浸入し、チタン表
面に不働態被膜が形成される。
【0012】チタン表面に形成させた導電性の被膜は、
不働態被膜の形成を防止する機能を有しているが、直接
硫酸に接しなおかつ鉛蓄電池正極電位におかれた場合に
は、被膜内部に不働態被膜が形成してしまう。不働態被
膜が形成すると電極としての機能が全く損なわれ、集電
体として使用できなくなる。従って、チタン電極を鉛蓄
電池正極に適用するためには、PbO2 被膜の破壊を防
ぐことが第一条件になる。
【0013】以上の理由から、鉛蓄電池の正極集電体に
は現在でも鉛合金が用いられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、鉛蓄
電池の正極集電体に鉛合金を用いた場合には鉛が二酸化
鉛へと酸化されて腐食がおこり、正極集電体の腐食は、
鉛蓄電池の大きな寿命原因の一つとなっている。鉛合金
以外では、チタンが考えられるが、工業用のチタン電極
では集電体としての使用が困難である。従って長寿命の
電池を得るためには、鉛合金を用いてなおかつ集電体を
大きくせねばならず、軽量で長寿命な鉛蓄電池を作製す
るのは困難であった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した問題
点、すなわち正極電位におかれた場合でも腐食せず、軽
量な正極集電体を得るもので、その方法は、チタン叉は
チタン合金からなる基体上に、導電性酸化物層、緻密な
PbO2 層および正極活物質層を設けた正極板を用いる
ことにより、軽量で長寿命な鉛蓄電池を提供するもので
ある。
【0016】鉛合金を正極集電体に用いた時の問題点、
すなわち重いということおよび腐食されるという点を解
消するために、鉛合金の代わりにチタンの正極集電体へ
の適用を検討した。
【0017】チタンを用いた正極板の構造は、チタン叉
はチタン合金からなる基体上に、導電性酸化物層、緻密
なPbO2 層および正極活物質層を設けたものである。
この作製方法を順を追って説明する。
【0018】チタン基体の表面には、空気中で不働態被
膜が形成しているために、前処理として不働態被膜を除
去する必要がある。除去の方法として例えば、ワイヤー
ブラシ等で基体表面を研磨し、次に沸騰塩酸中でエッチ
ング処理を行う方法がある。こうすることでチタン表面
の不働態被膜はほとんど除去できる。
【0019】ついで不働態被膜を取り除いたチタン表面
上に、導電性酸化物層を形成する。チタンの耐食性の高
さは、表面に生成する不働態被膜に起因しているため、
集電体として使用するためには、不働態被膜にかわる被
膜をチタン表面に形成する必要がある。この被膜の役割
は、チタン基体とPbO2 層との電気的接続、およびP
bO2 の酸化作用によるチタン表面への不働態被膜形成
の防止である。
【0020】スズ、アンチモン、チタン、タンタル、パ
ラジウム、白金などの酸化物は、導電性を有しているこ
とから、この被膜として適している。酸化物被膜の種類
は単独でもかまわないが、他種の金属酸化物をドープし
たり、異なる種類の酸化物を重ね合わせたりすること
で、導電性をあげることができる。例えば、アンチモン
をドープしたスズ酸化物、タンタルとチタンとの複合酸
化物、スズ酸化物層とパラジウム酸化物層とをかさねた
ものなどが使用できる。
【0021】酸化物被膜の厚みは0.1から10μm程
度、好ましくは1μm程度が適当である。厚みが薄すぎ
ると不働態被膜が生成し易くなり、厚すぎると導電性が
低下するためである。
【0022】酸化物被膜は、熱分解法などにより作製で
きる。例えば、四塩化スズと三塩化アンチモンを所定量
だけプロパノール等の溶媒に溶かした溶液をチタン基体
に塗布し、500℃程度で焼成することで、チタン表面
にアンチモンをドープしたスズ酸化物(SnO2 −Sb
2 3 )が形成される。酸化物層の厚みは、溶液塗布・
焼成の回数によって制御できる。
【0023】つぎに、導電性酸化物層の上にPbO2
を形成する。PbO2 層の形成は、PbO2 粉末とバイ
ンダーとを混合したものをプレスして形成する方法や電
着により形成する方法等があるが、電着で行う方が一般
的である。PbO2 の結晶構造にはα型とβ型がある。
α型は、β型に比べて劣化し易いが電着歪が少ないとい
う特徴をもつ。一方β型は、劣化しにくいが電着歪が大
きいという特徴をもつ。電着歪があると電着層にクラッ
クが入りやすくなり、電極が劣化しやすくなる。
【0024】α−PbO2 の電着は、鉛イオンを含んだ
アルカリ浴中で通電することによって行うことができ
る。β−PbO2 の電着は、例えば硝酸鉛浴中で通電す
ることによって行うことができる。
【0025】PbO2 層に求められる機能としては、電
子伝導性を有しかつ電気化学的に不活性であることであ
る。つまり鉛蓄電池正極において、活物質が放電した場
合でも電着PbO2 層は放電されないことが要求され
る。電着PbO2 層が放電すると前述したように電極の
破壊がおこる。
【0026】PbO2 層の反応性は、PbO2 の結晶化
度や多孔度に影響される。結晶化度は電着により作製し
た場合にはほぼ一定であると考えられる。そこで、多孔
度と反応性との関係を調査した。電着時の電流密度、溶
液濃度、温度等を変えることで各種多孔度のα,β−P
bO2 をスズ酸化物被膜を形成したチタン基体上に作製
し電極とした。一般に電流密度を大きくしたり、溶液濃
度を薄くしたり、温度を下げたりすることで、電析のし
かたが不均一になり多孔度は大きくなる。それぞれのP
bO2 層の厚みは約100μmとした。
【0027】これらの電極について、電位走査を繰り返
し、反応性を調べた。電位走査の範囲は、鉛蓄電池正極
が充放電時に示す電位と同じになるようにしているた
め、鉛蓄電池の充放電サイクル試験をシミュレートした
ものとみなすことができる。反応性の評価は、500サ
イクル目の還元側の電気量の大きさにより行った。還元
電気量が大きいほど、PbO2 がPbSO4 へと変化す
る反応が多い、すなわち放電されやすいといえる。試験
条件を次に示した。
【0028】試験極 :チタン電極 対極 :純鉛板 参照極 :Hg/Hg2 SO4 走査範囲:0.6−1.8V 走査速度:1V/分 電解液 :比重1.30H2 SO4 温度 :25℃ 縦軸に反応性を示す指標として500サイクル目の還元
電気量を、横軸に多孔度をとったものを図1に示す。多
孔度は、その体積に占める直径10μm以下の細孔の割
合を示している。α,β−PbO2 ともに多孔度が10
%以上になると反応性が急激に大きくなり、α−PbO
2 では20%以上、β−PbO2 では25%以上で増加
の割合がほぼ一定となった。また、α,β−PbO2
もに10%以下では反応性が小さくその差は小さかった
が、10%以上ではα−PbO2の方が反応性が高くな
った。PbO2 の反応は、硫酸イオンが関与しているこ
とから硫酸イオンの拡散が起こり易いもの、つまり多孔
度の高いものほど反応性が高くなったものと思われる。
これらの結果から、α,β−PbO2 いずれも多孔度を
10%以下とすれば、反応性が低く、鉛蓄電池正極に用
いても破壊されにくいPbO2 層が得られることがわか
った。
【0029】PbO2 層については、多孔度を10%以
下にすればα,β−PbO2 のいずれを用いてもかまわ
ないが、全体としての電着歪を低減させるために、α−
PbO2 層とβ−PbO2 とを交互に積層するのが好ま
しい。PbO2 層の厚みは、薄すぎると電極の破壊が起
こり易くなり、厚すぎると電気抵抗や内部歪が増大する
ので、α−PbO2 層の厚みは5−100μm程度、β
−PbO2 層の厚みは10−500μm程度が適当であ
る。
【0030】次に、チタン基体上に導電性酸化物層、緻
密なPbO2 層を形成した集電体上に鉛蓄電用正極活物
質を形成して正極板とする。正極活物質は、ペースト式
鉛蓄電池で通常用いられている方法、すなわち鉛粉と硫
酸とを練膏してペースト状としたものを、集電体上に充
填し、通電し化成するという方法で形成することができ
る。このようにして作製したペースト式正極板の一例の
断面構造を図2に示した。またクラッド式鉛蓄電池で通
常用いられている方法、すなわち集電体の周囲にガラス
繊維からなるチューブを取り付け、集電体とチューブと
の間に鉛粉を充填し、通電・化成するという方法によっ
ても正極板を作製できる。クラッド式正極板の断面構造
を図3に示した。
【0031】
【実施例】以下本発明を、自動車用密閉式鉛蓄電池を作
製した実施例を用いて説明する。作製した電池は、36
B20(12V,28Ah/5hR)である。
【0032】正極板に用いるチタン基体は次のようにし
て作製した。材質がJIS2種である0.5mm厚のシ
ートをエキスパンド加工し、メッシュ部分が100mm
×100mmの大きさの格子とした。この格子をワイヤ
ーブラシで金属光沢がでるまで磨いた後、25%沸騰塩
酸中に1時間浸せきしてエッチングを行った。
【0033】チタン基体上への酸化物層の形成は、それ
ぞれ四塩化スズ、三塩化アンチモン、四塩化チタン、五
塩化タンタル、塩化パラジウム、塩化白金酸などの溶液
を、単独あるいは混合してチタン基体上に塗布後、焼成
して行った。また、重ね塗りも行った。
【0034】アンチモンをドープしたスズ酸化物を形成
するために、四塩化スズ0.1モル、三塩化アンチモン
0.03モルおよび少量の塩酸をプロパノールに溶かし
た溶液を用いている。チタン・タンタルの複合酸化物を
形成するためには、それぞれ0.1Mの四塩化チタンと
五塩化タンタルおよび少量の塩酸をプロパノールに溶か
した溶液を用いている。パラジウムや白金の酸化物を形
成するためには、濃度0.1Mで少量の塩酸が入ったプ
ロパノール溶液を用いた。
【0035】チタン基体をそれぞれの溶液に浸漬後、基
体を約200rpmで回転させた。こうすることで余分
な液が飛び散って、薄く均一に基体上に溶液を塗布する
ことができた。その後予備乾燥として、50℃で約1時
間放置した。
【0036】焼成は次のように行った。溶液の塗布・乾
燥が終わった基体を酸化雰囲気の電気炉に入れ、140
℃で10分おいたのち500℃まで昇温し、500℃で
30分おき、その後徐冷した。140℃では水分の除
去、500℃では酸化物の生成がおこっている。酸化物
層の厚みが約1μmとなるまで、溶液塗布・焼成を数回
繰り返した。
【0037】次に、酸化物層を形成したチタン基体上に
PbO2 層を形成した。α−PbO2 の電着は、水酸化
鉛を飽和させた4〜5Nの水酸化ナトリウム溶液中で、
温度40〜50℃、電流密度5〜10mA/cm2 で通
電して行った。β−PbO2の電着は、pHを4付近に
保った30〜40重量%の硝酸鉛溶液中で、温度70〜
80℃、電流密度50〜100mA/cm2 で通電する
ことで行った。これらの条件で形成したαおよびβ−P
bO2 は、その多孔度が10%以下となった。今回は、
αおよびβ−PbO2 層の厚みは約50μmとした。
【0038】その後、PbO2 まで形成したチタン基体
上に、鉛蓄電池用正極ペーストを所定量充填した。そし
て鉛蓄電池で通常用いられている、微細なガラス繊維よ
りなるセパレータ、および鉛合金からなる集電体に負極
用ペーストを充填した負極板とを組み合わせて電池を組
み立てた。
【0039】同一セル内の極板耳同士の接続および隣接
セルとのセル間接続は次のように行った。電池の断面図
を図4に示した。銅製のセル間接続用金属板15を、チ
タン製の正極板7の極板耳18と電気抵抗溶接により接
続し、隣接セルの負極板9の極板耳とセル間接続用金属
板とをはんだ付けにより接続した。その後、セル間接続
用金属板を耐酸性樹脂により封口した。
【0040】こうして作製した電池に、硫酸を注入し通
常の電槽化成を行った後、各種容量試験や寿命試験を行
った。電池内容を表2〜4に示した。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】酸化物層を形成しなかったチタン基体(N
o.1)には、PbO2 の電着ができなかった。これ
は、チタン表面に高抵抗の不働態被膜が形成したためと
思われる。
【0045】また、酸化物被膜のみを形成しPbO2
を形成しなかった正極板を用いた電池は(No.11,
21,31,41,51)、電槽化成のために定電流通
電を行うと電圧が異常に上昇して、化成を行うことがで
きなかった。これも、チタン表面への不働態被膜の形成
が原因と思われる。酸化物被膜のみでは、鉛蓄電池正極
での不働態被膜生成防止には不十分であるといえる。
【0046】酸化物被膜およびPbO2 層を形成した正
極板を用いた電池(No.12〜15,22〜25,3
2〜35,42〜45,52〜55)は、従来品の鉛合
金を正極に用いた電池(No.61)と同様に異常無く
電槽化成を行うことができた。
【0047】初期容量試験として、25℃,0.2CA
放電および−15℃・5CA放電を行った。それぞれの
放電持続時間および5CA放電時の5秒目電圧を、N
o.61(従来品)を100として比較した結果を表5
に示す。
【0048】
【表5】
【0049】本発明電池(No.12〜15,22〜2
5,32〜35,42〜45,52〜55)の25℃・
0.2CA放電容量は、鉛合金を用いた従来電池(N
o.61)とほぼ同じであった。しかし、−15℃・5
CA放電容量は3〜8%少なく、5秒目電圧も5〜10
%小さくなった。本発明電池の5CA放電性能が、従来
電池よりも劣るのは、チタンの電気抵抗が鉛に比べて約
2倍と大きいためと思われる。
【0050】今回は、鉛合金正極板との比較のため、同
一極板枚数、同一構成で電池を作製したが、チタン正極
板は鉛合金正極板よりも薄型化が可能なため、極板を薄
くして極板枚数を増やすことで極板表面積を増やすこと
ができ、そうすることで5CA放電性能も同等以上の電
池を作製することが可能と思われる。
【0051】次にこれらの電池を、JISD5301重
負荷寿命試験に供した。寿命サイクル数を従来品を10
0として比較した結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】α−PbO2 層のみを形成したチタン正極
板を用いた電池(No.22,32,42,52)の寿
命回数は従来品と比べ1.5〜1.85倍、β−PbO
2 層のみを形成したチタン正極板を用いた電池(No.
23,33,43,53)では、1.35〜1.5倍、
α−PbO2 層とβ−PbO2 層を重ねたチタン正極板
を用いた電池(No.24,34,44,54で)は、
3〜3.4倍、α−PbO2 層、β−PbO2 層、α−
PbO2 層と重ねたチタン正極板を用いた電池(No.
25,35,45,55)では、3.3〜3.45倍と
大幅に寿命性能が向上した。
【0054】鉛合金を用いている従来品では、正極集電
体の腐食により寿命となったのに対し、本発明品では正
極集電体の腐食は全くみられなかった。本発明品の寿命
原因は、PbO2 層の破壊によるチタン表面の不働態化
であった。酸化物被膜の種類よりはむしろPbO2 層の
状態の方が、寿命性能に与える影響は大きかった。
【0055】今回は、自動車用鉛蓄電池についてのみ試
験を行ったが、他の用途の鉛蓄電池にももちろん適用可
能である。例えば据置用鉛蓄電池などに本発明を適用し
た場合、これらの電池では放電されることが少ないため
にPbO2 層の破壊がおこりにくく、非常に寿命の長い
電池が得られるものと思われる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、チタン叉はチタン
合金からなる基体上に、導電性酸化物層、緻密なPbO
2 層および正極活物質層を設けた正極板を用いることに
より、軽量で長寿命な鉛蓄電池を得ることができるた
め、本発明は工業的価値が大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】PbO2 層の多孔度と反応性との関係を示した
【図2】本発明鉛蓄電池用ペースト式正極板の一例を示
す断面構造図
【図3】本発明鉛蓄電池用クラッド式正極板の一例を示
す断面構造図
【図4】本発明鉛蓄電池の一例をしめす断面図
【符号の説明】
1 チタン基体 2 酸化物層 3 α−PbO2 層 4 β−PbO2 層 5 正極活物質 6 チューブ 7 正極板 8 セパレータ 9 負極板 10 電槽 11 ふた 12 弁 13 端子 14 セル間隔壁 15 セル間接続用金属板 16 溶接部 17 樹脂 18 極板耳

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン叉はチタン合金からなる基体上
    に、導電性酸化物層、緻密なPbO2 層および正極活物
    質層を設けた正極板を用いたことを特徴とする鉛蓄電
    池。
  2. 【請求項2】 緻密なPbO2 層がα−PbO2 若しく
    はβ−PbO2 、叉はα−PbO2 およびβ−PbO2
    が交互に積層されたものである請求項1に記載の鉛蓄電
    池。
  3. 【請求項3】 緻密なPbO2 層は、その体積に占める
    直径10μm以下の細孔の割合が10%以下である請求
    項1に記載の鉛蓄電池。
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Cited By (7)

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