JPH0765683B2 - シリンダとピストンリングとの組合わせ - Google Patents

シリンダとピストンリングとの組合わせ

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JPH0765683B2
JPH0765683B2 JP25238387A JP25238387A JPH0765683B2 JP H0765683 B2 JPH0765683 B2 JP H0765683B2 JP 25238387 A JP25238387 A JP 25238387A JP 25238387 A JP25238387 A JP 25238387A JP H0765683 B2 JPH0765683 B2 JP H0765683B2
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章 原山
道生 岡本
武 榎本
正輝 八木
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帝国ピストンリング株式会社
イズミ工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関等に用いられるシリンダ(シリンダス
リーブ、シリンダライナ及びシリンダブロック等を含
む、以下同じ)とピストンリングの組合わせに関するも
のである。
さらに、詳しく述べるならば、本発明は、出願人の先願
である特願59−274551号(特開61−157875号)の「シリ
ンダとシールリングとの組合わせ」の改良に関するもの
である。
〔従来の技術〕
内燃機関は近年とみに高性能化されるとともに一方では
公害対策や省エネルギー対策のために、ピストンリング
やシリンダなど機能部品に対する負荷は益々増大し要求
品質もより高度なものとなっている。即ちこれらの機能
部品に対しては、高温高負荷の条件下における潤滑油消
費量(LOC)の低減に耐え得る耐摩耗性、保油性、耐ス
カッフィンフ性と同時に軽量化や摩擦損失の低減等が強
く希求され、この要請に対応する摺動面間の性状、換言
すればシリンダとピストンリングのより望ましい組合わ
せ或いは相性のよいシリンダとピストンリングの組合わ
せが追求されている。
前記要請に対応する一方のシリンダライナ摺動面の耐摩
耗処理方法が特開昭52−138797号公報に開示されてい
る。この方法によると、SiCを含むスラリー又はペース
トを用いてラッピング工具によりシリンダの摺動面に螺
旋溝を形成するとともにSiC粒子を埋め込む工程、前工
程よりも細かい粒度のSiC粒子によって各溝の間のピー
クを削り取り、微粒子の鋭い角部を除去するとともに突
出している微粒子を押し込む工程、更に必要があれば前
工程よりも微粒子を含ませたスラリー又はペーストを用
いてラッピングを施す工程よりなる耐摩耗処理が行われ
る。この処理方法は、鋳鉄又は鋼製のシリンダライナー
に一部実用化され、シリンダ自身の耐摩耗性において優
れた性能を発揮し、又コスト面においても特殊耐摩耗鋳
鉄或いはクロムめっきシリンダに較べ大幅な低減を可能
とするとともに鋼製薄肉シリンダに適用した場合には軽
量化及び既製エンジンブロック使用範囲でボアアップを
可能にすることから夫れなりの評価を受けているもので
ある。
然しながら、この処理を施したシリンダの場合にはシリ
ンダ自身の耐摩耗性において抜群の性能を示すものの一
方では相手ピストンリングを甚だしく摩耗させてしまう
と云う欠陥があり、近時の高性能機関の苛酷な運転条件
の下では自ら適用範囲に制約を受けざるを得ない。
そこで、先願発明は、前述の要求に対応し、かつ在来の
問題点を解消して前記SiC粒子を埋設したシリンダ摺動
面の利点を十二分に活用する摺動面対構造、就中、微細
なSiC粒子を特定パターンの油溜り溝部の内部及び該溝
部によって囲まれたプラトー部の表面に特定の面積率で
分散埋設した鉄鋼又は鋳鉄からなる改良されたシリンダ
と特定組成のFe−C−Cr合金粉末とMo粉末とを特定割合
で混合した混合粉末をプラズマ溶射したシールリングと
の組合わせを提供しようとしたものである。
具体的には、鉄鋼又は鋳鉄からなるシリンダの摺動面に
特定パターンの油溜り溝が配設されるとともに面積率で
3〜12%該溝の内部及びプラトー部に平均粒径5〜20μ
mの硬質粒子が均一に分散埋設されておりかつ上面が平
滑化されている摺動面を有するシリンダと、重量比でC
3.0〜9.0%、Cr55〜70%を含有し残部が実質的にFeとし
た粒度が74μmより粗粒でないFe−C−Cr合金粉末65〜
85重量%と粒度が74μmより粗粒でないMo粉末15〜35重
量%とを混合した混合粉末をプラズマ溶射してなる溶射
層を摺動面に形成したシールリングとからなるシリンダ
とシールリングの組合わせを先願で提案した。
〔発明が解決しようとする問題点〕
先願発明は、シリンダ自身の耐摩耗性を損ずることなく
充分その特性を発揮させるようにシリンダを構成したた
め、シリンダライナの摩耗は少ないもののピストンリン
グの摩耗は、従来実用化されているクロマードライナ
(硬質クロムめっき表面を研摩処理ライナ)の水準に比
較すると、依然として満足すべき水準に至らず、尚、一
層の改善が望まれる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、重量比でC0.35〜0.55%、Si0.40以下、Mn0.4
0〜1.00%、残部実質的にFeからなる組成を有するシリ
ンダの摺動面に特定パターンの油溜り溝部が配設される
とともに該溝の内部及びプラトー部に平均粒径3〜20μ
mの硬質粒子が面積率で5〜15%均一に分散埋設されて
おりかつ上面が平滑化されている摺動面を有するシリン
ダと、重量比でC8.5〜9.5%、Cr65〜70%、Si1.0%以下
を含有し、残部が実質的にFeからなる粒度が74μmより
粗粒でない高炭素低珪素Fe−C−Si−Cr合金粉末70〜85
重量%及び粒度が74μmより粗粒でないMo粉末15〜30重
量%の混合粉末をプラズマ溶射してなる溶射層を摺動面
に形成したピストンリングとからなるシリンダとピスト
ンリングの組合わせを提供する。本発明の構成の最大の
特徴は、シリンダの組成を、C0.35〜0.55%。Si0.40%
以下、Mn0.40〜1.00%を含有する鋼としたこと、および
Mo粉末と共にピストンリング母材に溶射されるクロム合
金粉末の組成を、C8.5〜9.5%、Cr65〜70%、Si1%以
下、残部Feの高炭素低珪素Fe−C−Si−Crとしたこと、
にあり、これらによって先願発明に係るシリンダとピス
トンリングの組合わせのシリンダ摩耗およびリング摩耗
を大幅に凌駕する性能を得ることができた。
以下、本発明の具体的構成について述べる。第1図はシ
リンダライナの縦断面図であって、(1)はシリンダラ
イナ、(2)はシリンダライナの内周面である摺動面、
第2図は本発明を適用したシリンダライナ(1)の摺動
面を示す第1図のA部の拡大断面図であって、(3)は
その内周面の略々全周に亘って施された連続及び不連続
の螺旋状交叉溝からなる油溜り溝部、(4)は該油溜り
溝部(3)によって囲まれた平滑な摺動面部(以下プラ
トー部と云う)、(5)は該油溜り溝部の内部及び前記
プラトー部に埋設された硬質粒子、第3図(a)は硬質
粒子(5)が該油溜り溝部の内部及びプラトー部に埋設
された直後のシリンダライナ摺動面(A)の表面状況を
模型的に示す一部拡大断面図、第3図(b)は仕上加工
後の第3図(a)に対応する一部拡大断面図、第4図
は、触針をシリンダライナ内周面の軸方向に移動させて
得られる断面曲線又はカットオフ値2.5m/m以上の粗らさ
曲線(6)(JIS−B0601−1970)の一部を説明する図面
であり、ここで断面曲線(6)の平均線に平行な任意の
直線即ち基線(7)がある一定の基準となる長さL(例
えば2.5m/m)の間で該曲線(6)の実体部を切断する長
さをl1,l2,l3,l4,l5とすると、該曲線(6)の基線
(7)におけるプラトー率(プラトー部の占有比率)は
次式によって求められる。
而して本発明に係るシリンダライナを得るためには、Si
C等の硬質粒子を含むスラリー又はパースト状物を混入
した研摩液を用いラッピング工具或いはホーニングシュ
ーにより該シリンダライナ(1)の内周面を回転及び往
復運動させることによって得られる。即ち、この加工に
より硬質粒子(5)は工具の運動により特定されるパタ
ーン、例えば交叉する螺旋軌道に沿って菱形模様を形成
するように油溜り溝部(3)を刻み込むと同時に該油溜
り溝部(3)の内部及びプラトー部(4)に埋設され、
又同時に該油溜り溝部によって囲まれた略菱形のプラト
ー部(4)が形成される(第2図〜第3図(a)(b)
参照)。この場合、初期工程で比較的低い工具圧力によ
って油溜り溝部(3)のみを形成し、次工程で圧力を増
し、油溜り溝部(3)の深さ及び幅を増大させると同時
に硬質粒子を該油溜り溝部(3)の内部及びプラトー部
(4)に埋込むようにする公知の手法を用いることも出
来る。上記のように2工程の操作を用いるとき、第2工
程では各溝の間のシリンダライナ内周面の凸起部が削り
取られ硬質粒子の鋭いエッヂが除去されると共に突出し
ている硬質粒子が更に溝の内部及びプラトー部に押し込
まれる。前記何れの手法の場合においてもプラトー部
(4)及び硬質微粒子(5)により構成される摺動面
(2)の上面が平滑化されたシリンダライナ(第3図
(b))を得るために、前記工程の後シリンダライナ内
周面は細かい粒度の硬質粒子を含むスラリー等を混入し
た研摩液を用いてラッピング又はホーニング仕上げする
か、或いは細かい粒度の砥石をもったホーニングシュー
によって研摩仕上げされてそれ以前の工程の凹凸が取除
かれる。その後洗滌及び脱脂される。ここで該油溜り溝
部(3)の深さ、幅、硬質粒子(5)の埋込み面積率、
プラトー部(4)の占有面積率等は母材の材質、硬質粒
子のサイズ、工具圧力、回転数、加工速度及び時間等の
因子によって支配される。これらの因子の選定について
は後述する。
本発明に係る組合わせの一方であるシリンダにおいて硬
質粒子としてはSiC,Al2O3,Cr2O3,Si3N4よりなる群か
ら選ばれた単一粒子を用いることが出来るが、母材に対
して強固に保持されるように硬質粒子が埋込まれる性
質、すなわち埋込み性、加工中に硬質粒子が破砕されな
い性質すなわち耐破砕性等からSiC粒子を用いることが
望ましい。SiC等の硬質粒子はなるべく鋭い角部をもっ
たものが埋込効率(すなわち加工圧力に対する埋込深さ
比率)の面で好ましく、その粒子サイズは埋込むべき母
材の材質、工具圧力等にも関係するがシリンダの耐摩耗
性、耐スカッフィング性を損うことなく、しかも相手ピ
ストンリングの摩耗を低減するためには埋め込まれた後
の平均粒径を3〜20μmに限定することが必要である。
即ち、平均粒径が3μm未満ではシリンダ自身の耐摩耗
性に不足を来たし20μmを越える硬質粒子を埋込むと分
散性(密度)に欠け、相対的に軟質である母材が漸次摩
耗すると、硬質粒子の局部的面圧が高くなってスカッフ
ィングを誘発し相手ピストンリングの摩耗を促進するお
それがある。より好ましい範囲は7〜15μmである。従
って硬質粒子はその埋込み面積率(5〜15%)を維持し
つつ適正粒度で微細かつ均一にシリンダ摺動面に対して
埋込まれていることが重要である。
硬質微粒子のシリンダ摺動面に対する埋込み面積率の限
定理由は5%未満ではシリンダ自身の耐摩耗性、耐スカ
ッフィング性が不充分であり、15%を越えると相手ピス
トンリングの摩耗を増大させ摺動面対構造としてバラン
スされた摩耗が実現されないので5〜15%の範囲とす
る。より好ましい範囲は5〜10%である。螺旋状交叉溝
に囲まれたプラトー部の占有面積率(プラトー率)につ
いては、プラトー率1.0%の基線(8)から2μm
(h)の深さにおいて75〜95%とすることが好ましい。
その限定理由は、プラトー率75%未満では必然的に油溜
り溝部が増加してL.O.C上昇を来たすので好ましくな
く、一方、95%を越えると逆に油溜り溝部が減少してス
カッフィングの傾向が増大するからである。より好まし
い範囲は80〜90%である。又、プラトー率をプラトー率
1.0%の基線(8)から2μmとしたのはエンジンの馴
らし運転初期のシリンダ摺動面の保油量が適正化されL.
O.C.を必要最小限に抑制し得るとともにプラトー率75〜
95%(受圧面積75〜95%)に至るに要する摩耗量は約2
μm以下となるから初期馴染み運転に要する時間も短縮
し得るからである(第5図参照)。シリンダのプラトー
部の最大表面粗らさHはエンジンの馴らし運転初期にお
ける表面性状として重要であり、それが3μm未満では
表面の保油性に欠け初期スカッフィング発生のおそれが
あり、7μmを越えると局部面圧が上昇してこれ又初期
スカッフィング発生の原因となるので3〜7μmの範囲
に限定する。好ましい範囲は3〜5μmである。
そして前記要件を満足するシリンダを得るには、通常、
第1工程(溝入れ及びSiC微粒子の埋込み)において、1
20〜280メッシュの平均粒径のSiC微粒子を含むスリラー
を用いシリンダ摺動面をホーニングシュー圧力0.5〜2.0
kg/cm2、回転数×ストローク×時間:50〜250rpm/min×2
0〜60回/min×1〜3分の条件で、又第2工程(仕上)
において280〜800メッシュの平均粒径のSiC微粒子を含
むスラリーを用いホーニングシュー圧力0.5〜2.0kg/c
m2、回転数×ストローク×時間:50〜250rpm/min×20〜6
0回/min×1〜3分の条件でシリンダ摺動面を仕上ホー
ニングすればよい。
斯くして、第1工程の後では第3図(a)、第2工程の
後では第3図(b)に示したような表面状態が得られる
が第1工程の加工条件及びシリンダ母材の材質殊にその
均質性の如何によっては、第3図(c)に示すようにSi
C微粒子がシリンダ母材中に埋没した表面状態を呈する
場合がある。このような表面状態の場合、シリンダの第
1次摺動面は比較的軟質かつ低融点の母材によってその
殆んどが占められてしまうので境界潤滑等の苛酷な条件
下ではスカッフィングを誘発するおそれがあるが、第3
図(b)図示の表面状態でかつSiC微粒子の全埋込み面
積率5〜15%に対し、30%以下であれば第3図(c)の
表面状態が混在しても実害はない。
次いで、本発明に係る組合わせの他方ピストンリングに
ついて述べる。
ピストンリングの特徴は、高炭素低珪素のFe−C−Si−
Cr合金とMoの混合粉末のプラズマ溶射リングを用いたこ
とにあり、その意義は、Fe−C−Si−Cr合金粉末は従来
のFCrH3(高炭素フエロクロム)に較べSi含有量が低い
ため、α鉄の析出がなく殆んど(CrFe)7C3の粉末とな
り、耐摩耗性を高めたところにある。
又、母材の材質は、C0.35〜0.55%、Si0.40%以下、Mn
0.40〜1.00%、残部実質的にFeからなるものである。炭
素およびマンガンは何れもマトリックスの強化元素であ
り、含有量がそれぞれ0.35%および0.40%未満である
と、硬質粒子の保持能力が低下する。炭素が0.35%未満
ではパーライトの析出が少なく初晶フェライトが多くな
り、マンガンが0.40%未満ではフェライト中の固溶マン
ガンが少なくなり、かつ初析フェライトが多くなり、何
れも強度低下をもたらす。一方、炭素含有量が0.55%を
越えるとパーライトの析出が過多となりSiC等の硬質粒
子が埋め込みにくくなりSiC等の硬質粒子の細粒化とと
もにSiC粒子が脱落しやすくなるし、薄肉ライナの鍔出
しに際し塑性加工性の悪化を招く。
又、マンガン含有量が1.00%を越えると、硬さが必要以
上に高くなり、塑性加工性の悪化をまねく。よって、炭
素含有量は0.35〜0.55%、マンガン含有量は0.40〜1.00
%とするが、より好ましくは炭素含有量0.40〜0.50%、
マンガン含有量0.4〜0.8%である。ケイ素は、脱酸元素
として必要であり、また硬質粒子の埋収性に強い影響を
フェライトの形成元素として必要である。その含有量が
0.40%を越えると、フェライトの量が過剰になりすぎ
て、硬質粒子の脱落が起こり易くなる。
母材の調質状態は、熱間圧延のまま、焼なまし、焼なら
し、焼入れ焼もどし等であるが、初析フェライトとパー
ライトがバランスした組織が得られ易い点で焼ならしお
よび焼なまし、特に焼ならしが好ましい。焼ならしは80
0〜850℃×30〜60分均熱後空冷し、パーライト体積率40
〜60%、残部初析フェライト組織が得られるように行な
うことが好ましい。
次いで、本発明に係る組合わせの他方ピストンリングに
ついて述べる。
ピストンリングの特徴はFe−C−Si−Cr合金粉末とMo粉
末とを混合した混合粉末をプラズマ溶射することにあ
り、その意義はFe−C−Si−Cr合金粉末及びMo粉末とが
夫々相互補完的作用によって、ピストンリングのシリン
ダに対する相性を飛躍的に向上させ、双方の摩耗を適度
にバランスさせると共に耐スカッフィング性を改善し、
以って内燃機関の耐久性信頼性をより高度化するところ
にある。
次いで、Fe−C−Si−Cr合金粉末及びMo粉末の組成限定
理由について述べる。
CはCrとの関係でCrをカーバイドの形(CrFe)7C3とし
て固定するのに不可欠の元素であり、Cが8.5重量%未
満では(CrFe)7C3の絶対量が不足してピストンリング
の耐摩耗性、耐スカッフィング性に不満足を来たし、9.
5重量%を越えると被溶射基材との密着性を阻害する。
遊離炭素(黒鉛)がFe−C−Si−Cr合金中に発生するお
それがあるので9.5%以下に留めるのが望ましい。
CrはFe−C−Si−Cr合金の主要成分であり、強い炭化物
形成作用をもつ元素であって、合金中に含有されるCの
殆んどを(CrFe)7C3等の炭化物として固定する。した
がって、これらの炭化物は、Fe−C−Si−Cr合金の主要
構成要素であり、かつ若干の組成変化は伴うが混合溶射
されたピストンリングの摺動面中にも介在相として含ま
れ、シリンダの硬質粒子に対する耐摩耗性及び耐スカッ
フィング性を付与する重要な作用をもつ。上記組成中、
遊離黒鉛としてFe−C−Si−Cr合金中に存在することが
ある若干量のCは溶射中に燃焼されるので、溶射層には
混入されない。このFe−C−Si−Cr合金粉末中のCr含有
量は65重量%未満ではピストンリング摺動面中の炭化物
の硬度、耐熱性等が不足してピストンリング自身の耐摩
耗性及び耐スカッフィング性が低下し、70重量%を越え
ると炭化物として固定されないCrがピストンリングの耐
摩耗性が劣化する傾向がある反面、相手シリンダの摩耗
を促進する傾向が現われる。従ってCr含有量は65〜70重
量%の範囲とする。
本発明で使用される高炭素低珪素Fe−C−Si−Cr合金粉
末はスタンピング法により製造されている。あるいはJI
S規格フェロクロムではない特殊フェロクロムとして粟
村金属工業株式会社よりQC−クロムの商品名で製造され
ている。JISに規定される高炭素フェロクロム(例:FCrH
3:Si2.0以下、C:8.0%以下)はα鉄と(CrFe)7C3で構
成されるが、Si含有量が高い場合、Siを固溶したα鉄を
多く析出する。然し、本願の場合は1.0%以下とSiを低
位に留めたためα鉄の析出がなく殆んどが(CrFe)7C3
になる。
次にFe−C−Cr合金粉末を74μm以下の粒度に限定した
理由について述べる。
一般に溶射層を気孔を有し、これが油溜りとなって耐ス
カッフィング性に貢献するが一方気孔が粗大になると溶
射粒子間の自己結合力が不足して摺動中に溶射粒子が脱
落して摺動面間に介在し、シールリング及び相手シリン
ダが摩耗する結果を招く。そこで潤滑油保持及び双方の
摺動面の耐摩耗性の面から気孔率、気孔の大きさ及びそ
の分布状態を適正に制御すべきであり、これは溶射法を
プラズマ溶射と特定した場合主として溶射材料特に溶射
粉末の粒度に大きく影響されるから前記諸点を勘案して
74μm以下の粒度に限定した。更に、溶射の作業性ひい
ては溶射層の性質も溶射粉末粒度によって影響を受け余
りに微粉になると流動性が低下し、溶射ノズルへの粉末
の安定供給が困難になるのでこの面から20μm以上の粒
度が好ましい。
本発明のシールリングにおいては更にMoが混合溶射され
る。Mo単独溶射は耐スカッフィング性に優れているもの
の、耐アブレーシブ摩耗に劣る他、耐酸化性に劣るため
溶射層内のMo粒子相互の結合力が弱く、応々にして層間
剥離を起し易い欠陥がある。
本発明においては、Mo粉末はFe−C−Si−Cr合金粉末と
の混合粉末としてプラズマ溶射法によって混合溶射され
るから、各溶射粒子は溶融状態において共存しMo粒子自
身の低い耐酸化性も緩和される。
Mo粉末は単独粉末でもよいが、Mo微粒子を有機その他の
バインダーで結合したMo造粒粉末を使用すれば、Mo粒子
が微細に分散した溶射層が得られ各溶射粒子間の結合強
度の向上が期待される。しかも単独粉末ではMoの昇華性
故に使用できない超微粉も造粒することによって均一分
布性が良好となるので使用可能となる。Mo粉末を74μ以
下の粒度としたのは、74μmよりも粗粒であると溶射層
の表面気孔率が高くなり耐アブレーシブ摩耗性が劣化す
る他均一分布性が損われるからである。
そしてMo粉末の粒度は好ましくは5μm以上である。Mo
造粒粉末の見掛密度を2.5g/cm3以下、好ましくは2.0〜
2.5g/cm3以下とすれば、溶射段階でFe−C−Si−Cr合金
粉末とMo粉末との均一分布が良好となり、微粉の造粒粉
を使用しても溶射の際の流動性悪化による溶射操作トラ
ブルを解消することが出来る。次にMo粉末混合量の限定
理由については、その混合量が15%未満ではMo独自の耐
スカッフィング性、各溶射粒子間の結合強度の向上によ
る摺動面相互間のアブレーシブな摩耗に対する抵抗性等
の効果が発揮されず、30%を越えると溶射層の耐酸化性
が劣化して、内燃機関運転中に粒子間結合力が急速に低
下する結果を招きアブレーシブ摩耗を促す。従って、Mo
粉末の混合量は15〜30重量%の範囲、好ましくは15〜25
重量%の範囲とする。一方、Fe−C−Cr合金粉末の混合
量はMo粉末混合量に見合って70〜85重量%、好ましくは
75〜85重量%である。
シールリングは、母材としての鋳鉄又は鋼材に直接溶射
した場合でも可成りな密着強度を得られるが、より苛酷
な条件下で使用する場合には下地溶射としてNi−Mo系合
金(Mo70%)等を用いてもよい。
以下、実施例により詳しく説明する。
〔実施例〕
本発明の実施例および比較例としてのシリンダライナと
ピストンリングの組合わせを次表に示す。
比較例1の硬質クロムメッキライナ(クロマードライ
ナ)の作り方は次のとおりである。
加工前熱処理として800〜850℃×30〜60分後、空冷の焼
ならしを行ったSTKMI5Aの管素材の内径を中ぐりしてセ
ミ仕上とし、更にシリンダライナの鍔出しのためプレス
加工を施した管素材に、200#の粗砥石で粗ラッピング、
次いで600#の仕上砥石で仕上ラッピングを施して107φ
(外径)×105φ(内径)×203(長さ)m/mの薄肉ライ
ナを作成した。前記ラッピングの条件としては70〜100r
pm(回転数)×20回/分(ストローク)×1〜3分(時
間)の条件を用いた。
比較例2および実施例におけるライナの作成方法は次の
とおりである。
規定寸法に加工しかつ脱脂洗滌した107φ(外径)m/m×
105φ(内径)m/m×203m/m(長さ)の鋼製シリンダライ
ナ(材質:第1表記載の通り)の内周面を平均粒径220
メッシュのSiC粒子を含むスラリーを用いて、ホーニン
グシュー圧力1.0kg/cm2、回転数×ストローク×時間:80
rpm/min×30回/min×2分の条件で、その内周摺動面に
螺旋状交叉溝を加工すると同時に該溝内及びプラトー部
にSiC粒子を埋め込み、次いで、平均粒径400メッシュの
SiC微粒子を含むスラリーを用い、ホーニングシュー圧
力1.0kg/cm2、回転数×ストローク×時間:80rpm/min×3
0回/min×2分の条件で内周摺動面を研摩仕上し、最後
に灯油で洗滌し常法により脱脂した。
この加工によって得られたシリンダライナの摺動面はSi
C粒子が埋め込み面積率で約6%螺旋状交叉溝及びプラ
トー部に均一に埋め込まれ、該交叉溝によって囲まれた
略菱形のプラトー部の占有面積率(プラトー率)は約80
%、該プラトー部の最大表面粗らさは約3μm、であっ
た。一方、本発明のピストンリングセットとしては、10
5φm/m(外径)×2.5m/m(幅)×3.55m/m(厚)の球状
黒鉛鋳鉄製ピストンリング(TOPリング)の外周面に削
設した溝内にNi−Mo系合金を約20μmの厚さに下地溶射
した後下記に示す組成及び粒度を有するFe−C−Si−Cr
合金粉末及びMo粉末とを混合した混合粉末をMETCO 7MB
ガンを用いてプラズマ溶射し、混合溶射層の厚さが180
μmで該溝が完全に充填され、かつ表面粗らさが0.5〜
1.5μmになるように研摩加工を施し供試ピストンリン
グとした。又、2ndリングには外周面クロムメッキの鋳
鉄製リングを、oilリングには内外周クロムメッキのコ
イルエキスパンダ付鋼製リングを用いた。
各実施例及び比較例に用いた溶射粉末の組成及び粒度は
下記のとおりである。
・FCrH3 63μm以下 64.2%Cr、6.56%C、1.6%Si ・高クロム鋳鉄 63μm以下20μm以上 34.8%Cr、5.74%C ・Fe-C-Si-Cr 63μm以下 66.3%Cr、9.1%C、0.2%Si ・Mo粉末(3−5μmのMo微粉末を有機バインダで造
粒) 99%以上Mo 74μm以下 ・比較例の硬質クロムめっき:めっき厚さ0.3m/m 硬さHv960 尚、第2表に本発明に係るシールリングと比較例として
のシールリングの各溶射粉末の混合割合、Fe−C−Cr合
金粉末との混合粉末のC及びCr含有量、各溶射層の表面
気孔率、仕上面の表面粗らさ及び表面硬さを示す。
前記処理を施した鋼製シリンダライナと第1表の本発明
及び比較例のピストンリングを組付け、台上耐久摩耗比
較テストを行った結果を第6図に示す。
第7図は本発明に係るピストンリングの断面図であっ
て、(8)はピストンリング、(9)は摺動面の溝(1
0)は溶射層を示す。
供試エンジン及びテスト条件は以下のとおりであった。
内径(105φm/m)×工程(125m/m)×6気筒総排気量6.
494CC 175PSディーゼルエンジン 運転条件 3100rpm×全負荷×100Hr 水温110℃(機関出口) 高水温テスト 第6図において、シリンダライナの摩耗量はTOPリング
上死点位置における100Hr当りの各45゜方向計測値の平
均摩耗量(μm)を示し、ピストンリングの摩耗量はTO
Pリングの平均外周摩耗量(μm)を示す。又、ライナ
とリング摩耗量の合計は比較例1の合計摩耗量(μm/10
0Hr)を100%とした相対値である。
第6図の結果を見ると、現用されているクロマードライ
ナと燐酸塩処理ピストンリングの組合わせである比較例
1はライナ摩耗において極めて優れた性能を示すものの
相手リングを異常に摩耗させ、相性において好ましくな
いことが明瞭に把握される。
比較例2はライナ摩耗およびシリンダ摩耗の両面で比較
例1より劣る性能となっている。
これに対して本発明の実施例ではライナ摩耗およびシリ
ンダ摩耗の最良の結果が得られている。
〔発明の効果〕
本発明は各摺動面の相乗的作用により相互の相性が飛躍
的に改善され、クロマードライナと同等以上の性能が得
られ、しかもクロマードライナのようにめっきのための
湿式工程に起因する廃液公害がないために、本発明に係
るシリンダとピストンリングとの組合わせは理想的なも
のと云うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図はシリンダライナの縦断面図、第2図は本発明に
係るシリンダライナの摺動面を示す第1図のA部拡大断
面図、第3図(a)は本発明に係るシリンダライナ摺動
面の仕上加工前の表面状況を模型的に示す一部拡大断面
図、第3図(b)は仕上加工後の第3図(a)に対応す
る一部拡大断面図、第3図(c)は硬質粒子がシリンダ
ライナ母材中に埋没した表面状態を示す第3図(b)に
準じた一部拡大断面図、第4図はプラトー率計算法の説
明図、第5図はシリンダライナ摺動面の表面粗らさを示
す説明図、第6図は本発明に係る鋼製シリンダライナ
と、本発明及び比較例のピストンリングを組付け台上耐
久摩耗比較テストを行った結果を示すグラフ、第7図は
本発明に係るピストンリングの断面図である。 1:シリンダライナ、2:摺動面、3:油溜り溝部、4:プラト
ー部、5:硬質粒子、6:断面曲線、7:基線、8:ピストンリ
ング、9:外周摺動面の溝、10:溶射層、H:油溜り溝部の
深さ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比でC0.35〜0.55%、Si0.40%以下、M
    n0.40〜1.00%、残部実質的にFeからなる組成を有する
    シリンダの摺動面に特定パターンの油溜り溝部が配設さ
    れるとともに該溝の内部及びプラトー部に平均粒径3〜
    20μmの硬質粒子が面積率で5〜15%均一に分散埋設さ
    れておりかつ上面が平滑化されている摺動面を有するシ
    リンダと、重量比でC8.5〜9.5%、Cr65〜70%、Si1.0%
    以下を含有し、残部が実質的にFeからなる粒度が74μm
    より粗粒でない高炭素低珪素Fe−C−Si−Cr合金粉末70
    〜85重量%及び粒度が74μmより粗粒でないMo粉末15〜
    30重量%の混合粉末をプラズマ溶射してなる溶射層を摺
    動面に形成したピストンリングとからなるシリンダとピ
    ストンリングの組合わせ。
  2. 【請求項2】油溜り溝部の特定パターンが連続及び不連
    続の螺旋状交叉溝状である特許請求の範囲第1項記載の
    シリンダとピストンリングの組合わせ。
  3. 【請求項3】油溜り溝によって囲まれたシリンダ摺動面
    におけるプラトー部の占有面積率(プラトー率)がプラ
    トー率1.0%の基線から2μmの深さにおいて75〜95%
    である特許請求の範囲第1項記載のシリンダとピストン
    リングの組合わせ。
  4. 【請求項4】硬質粒子がSiC,Al2O3,Cr2O3,Si3N4より
    なる群から選ばれた単一粒子である特許請求の範囲第1
    項記載のシリンダとピストンリングの組合わせ。
  5. 【請求項5】シリンダ摺動面のプラトー部の最大表面粗
    らさが3〜7μm、ピストンリング摺動面の表面粗らさ
    が1.0μm以下、気孔の深さが2〜5μmである特許請
    求の範囲第1項記載のシリンダとピストンリングの組合
    わせ。
  6. 【請求項6】ピストンリングの溶射層が高炭素低珪素Fe
    −C−Si−Cr合金粉末75〜85%、Mo粉末15〜25重量%の
    混合粉末をプラズマ溶射してなる特許請求の範囲第1項
    記載のシリンダとピストンリングの組合わせ。
  7. 【請求項7】Mo粉末が10μm以下のMo微粉末を74μmよ
    り粗粒でないようにバインダーで造粒した造粒粉末であ
    る特許請求の範囲第1項記載のシリンダとピストンリン
    グの組合わせ。
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