JP2020085468A - 光学式内周面表面気孔測定装置及び気孔率の測定方法 - Google Patents

光学式内周面表面気孔測定装置及び気孔率の測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020085468A
JP2020085468A JP2018214860A JP2018214860A JP2020085468A JP 2020085468 A JP2020085468 A JP 2020085468A JP 2018214860 A JP2018214860 A JP 2018214860A JP 2018214860 A JP2018214860 A JP 2018214860A JP 2020085468 A JP2020085468 A JP 2020085468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner peripheral
peripheral surface
optical
measured
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018214860A
Other languages
English (en)
Inventor
大志 山崎
Hiroshi Yamazaki
大志 山崎
拓也 舘山
Takuya Tateyama
拓也 舘山
憲士 成田
Kenji Narita
憲士 成田
正人 森本
Masato Morimoto
正人 森本
隆文 淺田
Takafumi Asada
隆文 淺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adamant Namiki Precision Jewel Co Ltd
Original Assignee
Adamant Namiki Precision Jewel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adamant Namiki Precision Jewel Co Ltd filed Critical Adamant Namiki Precision Jewel Co Ltd
Priority to JP2018214860A priority Critical patent/JP2020085468A/ja
Publication of JP2020085468A publication Critical patent/JP2020085468A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】焼結体からなる被測定物の内周面の表面気孔率を被測定物を切断せずに表面気孔率を正しく測定する。【解決手段】プローブ7を被測定物100の穴に進入した状態で、プローブの内部から、光線を回転放射しながら透光性部材の部分を通過させて、プローブの外部に位置する前記穴の内周面に向かって照射し、内周面からの反射光を収集して解析することで、内周面の表面気孔を測定する。プローブの構成として、パイプに内蔵された光ファイバー1と、光ファイバーの先端側において、透光性パイプ4の内部に内蔵された少なくとも1つの光路変換手段と、光ファイバーと光路変換手段との一方または両方を回転駆動させるモータを有し、光路変換手段から光線を回転放射し、被測定物の内周面からの反射光を得ることを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、被測定物の穴または深穴内径に、プローブを進入させ、穴の内周面に光線を放射し、反射光または干渉光を立体的に取り込んで内周面の形状を把握し、焼結材料や多孔体の内周表面の気孔の有無および表面気孔率を測定する光学式内周面表面気孔測定装置及び測定方法に関するものである。
例えば各種ディスク装置等の電子機器の回転主軸部に用いられる焼結含油軸受、および自動車エンジンの吸排気バルブの往復摺動をガイドする為に用いられる焼結金属製ガイドブッシュ等は、鉄、銅、その他の粉体を材料として製造されているが、その性能と信頼性を保証するために内周面の表面気孔率(面積%)が一定範囲内になるよう管理され製造されている。
これら焼結部品は第1行程では、粉体を金型内に入れ、次にプレス機械で粉体を押し固めるが、この時、焼結軸受またはガイドブッシュの両端部近傍にはプレス圧がよく伝わり、高密度に固められるが、中央近傍にはプレス圧力が行き届かず、低密度(疎)にしか固められない。そこで、中央部の内周面には多くの表面気孔が残りがちであった。
表面気孔は、例えば非特許文献1「NTN ベアファイト焼結含油軸受標準シリーズ:カタログNo.5206/J」〔NTN(登録商標)、ベアファイト(登録商標)〕に「軸受内部の無数の空孔(ポーラス)」として示されているように、粒子間に生じる隙間を定義している。また、一般に粒子表面の表面粗さは表面気孔率には含まれない。
本願図面の図1に示す焼結軸受の表面気孔説明図において、101はシャフトの断面、102は焼結軸受の断面、105はオイルでありこれらによってすべり軸受を構成しており、この中で102a、102bが表面気孔である。焼結軸受102の内部に含油されたオイル105はこの表面気孔102a、102bから軸受隙間に長時間かけて供給されるが、この時、表面気孔率が小さいと摺動面に油量不足が生じて焼け付きを起こす危険性がある。一方、表面気孔が大き過ぎると短時間にオイル105の供給が終了し、やがて焼け付きを起こす危険性があった。
これら内周面における表面気孔を観察または検出し、表面気孔率を求める。従来の測定方法は、試料(焼結軸受やガイドブッシュ)を長手方向に回転式カッター等で切断しないと内周面が観察できない為、同様に表面気孔率の測定も行うことができなかった。
そして、表面気孔率の数値化方法には、主に2種類があり、第1の測定方法は、切断した試料を光学式顕微鏡にセットし、測定したい内周面にファイバーランプ等で斜めから照明することで、表面気孔が暗い影になるよう照明を調整し、内周面のモノクロ写真を撮影して求めていた。本願図面の図2は、内周表面を撮影した写真の一例であり、図3は図2の写真画像をコンピュータで二値化し白と黒の二色に変換した画像である。図3の二値化後の画像はコンピュータ解析により、黒色部分の面積率計算することが容易であり、黒色部分の面積率を表面気孔率(面積%)と称していた。
また、第2の測定方法として示す従来の表面気孔率測定方法は切断した試料の内周面の凹凸状態をレーザ顕微鏡等で形状測定する方法であるが、例えば特許文献1に示す気孔率測定装置では、該文献中、図4の取得した表面粗さデータに示されるように、非接触光学測定機により表面粗さ形状データ102eを収集し、表面の凹部102、103の面積および体積をコンピュータで計算することで表面気孔率を求めていた。
しかしながら、これら従来の2種類の測定方法はいずれも、試料を切断しないと長い試料の内周面が観察できない為、測定は必ず破壊試験になってしまう為、全数検査を行うことが不可能であった。また、第1のモノクロ写真法は粒子間の隙間からなる表面気孔のみを検出するのに比べ、第2の表面粗さ形状データ取得式は、粒子自身の表面粗さも加えて計測してしまうため、表面気孔率は現物より大きく測定されてしまう問題点があった。
特開2018−31735号
「NTN(登録商標) ベアファイト焼結含油軸受標準シリーズ CAT.No.5206/J」 NTN株式会社
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、被測定物の穴または深穴に、測定用プローブを進入させ内周面に光線を回転放射し、反射させた光線を立体的に収集してコンピュータ処理することで、内周表面の凹凸形状データを取得し、このデータから表面気孔率(面積%)を算出するものである。さらにその測定値は、表面粗さの影響を排除して粒子間の隙間に生じる表面気孔のみを検出することで正確な測定が行える光学式内周面表面気孔率測定装置を提供することである。
下表(1)は本発明と従来例の性能を比較した表である。
上記課題を解決するための一手段は、干渉光学法を用いて被測定物の穴の内周面の状態を測定する光学式の測定装置であって、パイプに内蔵された光ファイバーと、前記光ファイバーの先端側において、透光性パイプの内部に内蔵された少なくとも1つの回転自在な光路変換手段を有し、前記光ファイバーと前記光路変換手段との一方または両方を回転駆動させるモータを有し、被測定物の穴部に前記透光性パイプと光路変換手段とを挿入し、前記光路変換手段から光線を回転放射し、その反射光を解析して、前記穴部の内周面表面の気孔を測定する光学式内周面表面気孔測定装置である。
また、この光学式内周面表面気孔測定装置にも対応する穴の内周面の表面気孔率の測定方法であって、プローブを被測定物の穴に進入した状態で、前記プローブの内部から、光線を回転放射しながら透光性部材の部分を通過させて、前記プローブの外部に位置する前記穴の内周面に向かって照射し、前記内周面からの反射光を収集して解析することで、前記内周面の表面気孔率を求める測定方法である。
本発明によれば、被測定物を切断せずに、その内周面の表面気孔率を、微細な表面粗さを除外して表面気孔を検出し、内周面の表面率を正しく測定することができる。
焼結軸受の表面気孔説明図 従来のモノクロ写真法による表面気孔率説明図 従来のモノクロ写真二値化法による表面気孔率測定方法説明図 従来の表面粗さ取得法による表面気孔率測定方法説明図 本発明実施の形態に係る光学式内周面表面気孔測定装置 同光学式内周面表面気孔測定装置の光プローブ構成図 同光学式内周面表面気孔測定装置の断面形状測定データの図 同断面形状測定データの表面気孔説明図 同内周面表面気孔測定データの相関説明図 同光学式内周面表面気孔測定データの半径深さ説明図 同光学式内周面表面気孔測定データのパイプ基準有無の説明図 同パイプ基準有無の相関説明図 同光学式内周面表面気孔測定装置のスポット径と走査ピッチ説明図 同光学式内周面表面気孔測定装置のスポット径の影響説明図 同光学式内周面表面気孔測定装置の走査ピッチ影響説明図 同光学式内周面表面気孔測定装置による測定結果事例
本実施形態の第1の特徴は、干渉光学法を用いて被測定物の穴の内周面の状態を測定する光学式の測定装置であって、パイプに内蔵された光ファイバーと、前記光ファイバーの先端側において、透光性パイプの内部に内蔵された少なくとも1つの回転自在な光路変換手段を有し、前記光ファイバーと前記光路変換手段との一方または両方を回転駆動させるモータを有する。そして、被測定物の穴部に前記透光性パイプと光路変換手段とを挿入し、前記光路変換手段から光線を回転放射し、反射光を解析して、前記穴部の内周面表面の気孔を測定することができる光学式内周面表面気孔測定装置としたことにある。
この構成により、被測定物の内周面で光路変換手段から光線を略直角方向に放出し、光学式距離測定法により内周面の形状の観察と表面気孔率の測定を行うことができる。
第2の特徴としては、前記透光性パイプの内周または外周のいずれか一方の円筒面の基準形状データを予めコンピュータに記憶しておき、被測定物内周面から前記透光性パイプまでの半径距離を光学式距離測定法により測定し、これに記憶しておいた透光性パイプの基準形状データをコンピュータが加算して被測定物内周面の形状を測定するものである。
この構成により、透光性パイプを基準にして被測定物内周面の測定が行える為、光路変換手段の回転に多くの軸振れ(非再現性振れ:NRROと称する)が生じていることによる高周波な振動ノイズが測定値から排除され、装置の振動の影響を受けない正確な表面気孔率の測定が行える。
第3の特徴としては、計測した被測定物内周面の表面から半径で0.1μm〜0.5μm(マイクロメートル)入った仮想円筒面における全円筒面積中の気孔の面積率をコンピュータで算出し表示するものである。
この構成により、内周面を撮影したモノクロ写真の全体の中で照明の陰になることで黒色に撮影された凹部の面積率を測定する従来測定法の数値と、本発明による干渉光学法による測定値をほぼ同じ数値に合わせることができるものである。
第4の特徴としては、前記光路変換手段から放出される光線はその直径が10μm〜25μm(マイクロメートル)としているものである。
この構成により、取得する干渉光学法の半径距離データが、被測定物内周面において直径10μm〜25μm(マイクロメートル)の円内の平均距離として取得できる為、これより明らかに微細な表面粗さは自動的に除外され、表面気孔のみを正しく検出できるものである。
第5の特徴としては、前記光路変換手段から光線を回転放射し、干渉光学法を取得して被測定物の表面気孔を測定するとき、データを取得する円周面上のピッチは5μm(マイクロメートル)以下にするものである。
この構成によって、被測定物内周面の表面気孔をもれなく検出し、より正しい内周表面気孔率を測定できる光学式内周表面気孔測定装置が提供できる。
本実施形態の他の特徴は、穴の内周面の表面気孔率の測定方法であって、プローブを被測定物の穴に進入した状態で、前記プローブの内部から、光線を回転放射しながら透光性部材の部分を通過させて、前記プローブの外部に位置する前記穴の内周面に向かって照射し、前記内周面からの反射光を収集して解析することで、前記内周面の表面気孔率を求めることにある。
この方法により、焼結材料や多孔体の内周表面の気孔の有無および表面気孔率の測定を、試料を切断することなく高精度に行うことができる。
次に本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図5〜図16は本発明に係る光学式内周面表面気孔測定装置の実施形態を示している。
図5は本発明の実施形態に係る光学式内周面表面気孔測定装置である。ベース80にスタンド81が固定され、スライダ用モータ83によりスライダ82が光プローブ7と共に上下に移動する。被測定物100はベース80上にセットされており、光プローブ7は被測定物100の深穴に出入りする。光プローブ7に入光した光線は延長パイプ6内の光ファイバー1を通過し、さらに測定機本体85の接続部84を通過して、光干渉解析部88に入り、コンピュータ89で解析してモニタ90に取得画像と測定数値を表示する。
図6は本発明実施の形態に係る光学式内周表面気孔測定装置の光プローブ7の構成図である。延長パイプ6の内部に固定された光ファイバー1とその先端側に例えばボールレンズ等の集光レンズ5を一体に有し、光ファイバー1の先端近傍に略同軸上に中空回転軸2aを有するモータ2を配置している。図中86は第1モータドライバ回路、87は第2モータドライバ回路である。中空回転軸2aの中に光ファイバー1が相対回転自在に貫通され、中空回転軸2aの先端側には、前記集光レンズ24より先端側に例えばミラーやプリズムからなる第1光路変換手段3を取付け回転させている。
図6において、光ファイバー1の後方から送られて、集光レンズ5を経た光線10を軸中心線から角度を与えて(光路を変換して)反射させ、透光性パイプ4を通過して被測定物100の深穴内に照射する。このとき光線10は図6のように360度全周範囲に放射される。図中D2は投光性パイプ4の基準寸法(内径寸法または外径寸法)であり、光線10は図中D1に示す半径2mm〜50mm(ミリメートル)の範囲の被測定物100の内周面に放射しその反射光を収集し干渉光学法により半径距離を計測することができる。
また、図5に示すスライダ用モータ83が光プローブ7を深穴内で軸方向に移動させて、光線10は回転放射しつつ軸方向にスライドするので、図6に示す深穴の内周面全体に光線を放射し三次元形状の形状データを収集する事ができる。
図6において、モータ2は、延長パイプ6、2個のモータ軸受2d、モータコイル2c、中空回転軸2aとこれに固定されたロータ磁石2bからなり、電線8から電力が供給され回転する。モータ2へは図5に示す第1モータドライバ回路86から電力が供給される。
図6において、D2は透光性パイプ4の基準径であり、このD2の寸法は測定前に直径が既知なリングゲージの内径を基準に事前に求めてコンピュータに記憶している。実際の測定においてはミラー等からなる光路変換手段3がモータ2により回転を始め、光線10は透光性パイプ4を透過して被測定物100の表面に到達し、反射光は再び透光性パイプ4を透過して光ファイバー1に戻されるが、本発明の光学式内周表面気孔測定装置においては、図中、(L1−L2)と(L1´−L2´)の距離を干渉光学法等により高精度に求めている。コンピュータは事前に記憶しておいたD2と回転の都度測定する(L1−L2)と(L1´−L2´)の値を合算して断面形状データをコンピュータ内部に構築している。
図7は、被測定物100のある一断面における形状波形である。内側の丸い波形は予めコンピュータに記憶された透光性パイプ4の基準径データ、外側に示される波形は本発明の光学式内周面表面測定装置が内周面の形状を取り込んだデータであり、表面気孔を含めて詳細な形状波形を取得している。
図8は図7の内周面形状波形の一部分を拡大したものである。図中102a、102bは金属粒子間に発生した表面気孔であり、103は金属粒子の表面粗さでありその深さは0.1μm(マイクロメートル)以下の浅いものがその過半数を占める。図中Δr1とΔr2は内周表面からの深さを示している。本発明の光学式内周面表面気孔測定装置は、Δrの深さをある最適な範囲に設定(例えば0.1〜0.5μm)した時、その深さにおける仮想円筒面104における気孔部分と焼結金属粒子部分の比率が表面気孔率に相当する数値になる。
図9は、縦軸が従来、業界で一般に行われてきたモノクロ写真式で求めた表面気孔率(面積%)であり、横軸が本発明の光学式内周面表面気孔測定装置による測定値であり、その関係を示している。図8においてΔr1=0.1〜0.5μm(マイクロメートル)の場合の相関と、Δr2=1〜2μm(マイクロメートル)の場合の相関を示している。図中、Δr1=0.1〜0.5μm(マイクロメートル)であれば縦軸と横軸の関係が明らかに特定されるが、Δr2=1〜2μm(マイクロメートル)では、グラフが横軸寄りに傾いているため縦軸と横軸の関係が特定できない、すなわち相関が弱いことを示している。
図10において、Δr=0.1μm(マイクロメートル)未満ではノイズの影響を受けて測定値がばらつくので問題が生じるという問題がある。一方、Δr=0.5μm(マイクロメートル)を超える場合は、浅い表面気孔や細い表面気孔の一部が排除されてしまうため、従来のモノクロ写真式測定値との相関が弱くなり問題を生じる。本発明光学式内周表面気孔測定装置において、Δr1=0.1〜0.5μm(マイクロメートル)の範囲においてのみ、十分強い相関が得られるものである。
図11は図6における透光性パイプ4の有無の差と効果を示すものでる。被測定物100の内周表面の360度全周の形状を取込んだデータが図11の3重の形状データの内、最も外側に示す形状波形A(パイプなし)である。しかしながらこの波形Aにはモータ2の微細で高周波な磁気振動や振れ(図6における±R3)が含まれている。一方、波形B(パイプ基準測定)は、コンピュータは事前に記憶しておいたD2と測定した(L1−L2)と(L1´−L2´)の値を合算して断面形状データを得るため、モータ2の磁気振動や振れ(図6における±R3)が完全に除外され、正しい形状データが取得できている。
図12は、図9と同様に、従来のモノクロ写真式で求めた表面気孔率(面積%)と、本発明の光学式内周表面気孔測定装置による測定値の相関を示している。図中Bが本発明に基づく透光性パイプ4を基準にした測定方法の場合の相関を示しておりこの有効性が明らかに確認できたものである。
図13において光路変換手段3がモータ2により回転し、光線10を被測定物100の内周面に照射する場合、光線10のスポット径Dはφ10〜φ25マイクロメートルであり、この条件であれば、被測定物100の内周面の粗さや表面気孔はほとんど検出せず、概略の内周面形状を取得するため、表面気孔が高速かつ正確に測定できる。また、被測定物100の内周面の内径や真円度を、同じφ10〜φ25μm(マイクロメートル)のスポット径で高速かつ安定的に測定できる。
一方、図14はスポット径の影響を示している。図中、スポット径が10μm(マイクロメートル)以下では表面粗さを多く検出してしまうため、正しい測定値が得られない。またスポット径がφ30μm(マイクロメートル)以上であり大きい場合には表面気孔までが検出しにくくなる。このように本発明の光学式内周面表面気孔測定装置においては、スポット径はφ10〜φ25μm(マイクロメートル)の範囲内に設計することが必要なのである。
図13において、上半分はモータ2の回転数を例えば500rpm以上の中高速回転させて干渉光を取得する場合の測定条件を示しており、走査ピッチΔZ1は10〜15μm(マイクロメートル)である。このような走査条件であれば、被測定物100の内径と真円度は高速に測定できる。一方、下半分はモータ回転数を上記より遅くして、走査ピッチを3マイクロメートル以下になるような回転走査条件を図示したものである。
図15は走査ピッチの影響を示している。図中、測定ピッチΔZを5μm(マイクロメートル)以下にすれば表面気孔がもれなく測定される。またこれがφ10μm(マイクロメートル)以上では表面気孔を検出できなくなる。このように走査ピッチΔZ=5μm以下の場合に表面気孔率が正しく測定できる。
図16は、本発明学式内周表面気孔測定装置を用いてある焼結軸受の内周面を測定した結果データの一例を示している。図16の左側は被測定物の外観写真、中央の列は、内周面の直径を三次元的に表示したもの、右側は4個の測定サンプルの表面気孔率の測定結果を示している。本発明の光学式内周面表面気孔測定機は従来測定できなかった焼結材料からなる被測定物内周面の表面気孔率を、被測定物を切断せずに、表面粗さを除外して表面気孔率を正しく測定することができる。
尚、図6においてモータ2は中空回転軸2aと光路変換手段3を回転させているが、光ファイバー1の先端にプリズム等の光路変換手段を一体的に持たせる場合は、モータ2は光ファイバー1と光路変換手段を一体的に回転させることで同じ機能と動作を示すものである。
尚、延長パイプ6の直径は約2ミリメートル程度でありその内部に貫通する固定側光ファイバー1は、屈曲自在なグラスファイバーであり直径は0.1〜0.4mm(ミリメートル)程度である。
図6に示される光路変換手段3は平滑な反射面を有するミラーかプリズムからなり、反射率を高めるため、その表面粗さと平面度は一般の光学部品と同等以上の精度に磨きあげられている。
図6に示される中空回転軸2aは、金属またはセラミックスからなり、溶融金属のダイによる引き抜き加工、電鋳加工、または焼成前のセラミックスのダイによる押し出し加工で中空に成形され、硬化処理後に研磨加工法等により仕上げ加工される。
図6において、中空回転軸2aの穴は直径が0.2〜0.5mm(ミリメートル)あり、光ファイバー1の直径より十分大きくしている。
本発明の光学式内周面表面気孔測定装置は、被測定物の内周面または深穴内周に、測定用プローブを進入させ内面光線を回転放射し、反射させた光線を立体的に収集してコンピュータ処理し表面の凹凸形状データを取得し、表面気孔率(面積%)を算出することができる。さらにその測定は、表面粗さの影響を排除して粒子間の隙間に生じる表面気孔のみを検出することで正確な測定を行えるだけでなく、光プローブの回転数を可変し、走査ピッチを粗くすることで被測定物内周面の直径、真円度、円筒度の測定をも、この1台の測定機に集約して行うことが可能である。
本発明の光学式内周面面気孔測定装置は、被測定物の内周面の表面気孔率を切断せずに、表面粗さを除外して表面気孔率を正しく測定することができ、また、被測定物内周面の直径、真円度、円筒度を測定することがこの1台の測定機に集約して行うことが可能である為、今後の内周面測定機の業界スタンダードになるとともに普及することが期待される。
1 光ファイバー
2 モータ
2a 中空回転軸
2b ロータ磁石
2c モータコイル
2d モータ軸受
3 光路変換手段
4 透光性パイプ
5 集光レンズ
6 延長パイプ
7 光プローブ
8 電線
10 光線
80 ベース
81 スタンド
82 スライダ
83 スライダ用モータ
84 接続部
85 測定機本体
86 第1モータドライバ回路
87 第2モータドライバ回路
88 光干渉解析部
89 コンピュータ
90 モニタ
100 被測定物
101 シャフト
102 焼結軸受
102a、102b 表面気孔
102d 軸受内周面白黒二値化画像
102e 表面粗さ計データ
103 表面粗さ
104 仮想円筒面
105 オイル

Claims (6)

  1. 干渉光学法を用いて被測定物の穴の内周面の状態を測定する光学式の測定装置であって、
    パイプに内蔵された光ファイバーと、
    前記光ファイバーの先端側において、透光性パイプの内部に内蔵された少なくとも1つの回転自在な光路変換手段を有し、
    前記光ファイバーと前記光路変換手段との一方または両方を回転駆動させるモータを有し、
    被測定物の穴部に前記透光性パイプと光路変換手段とを挿入し、
    前記光路変換手段から光線を回転放射し、
    反射光を解析して、前記穴部の内周面表面の気孔を測定することを特徴とする光学式内周面表面気孔測定装置。
  2. 前記透光性パイプの内周または外周の円筒面の基準形状データを予めコンピュータに記憶しておき、測定においては被測定物内周面から前記透光性パイプ基準面までの半径距離を光学測定法により測定し、記憶しておいた基準形状データと測定した半径距離をコンピュータが加算して前記被測定物の内周面の形状と表面気孔を測定する請求項1記載の光学式内周面表面気孔測定装置。
  3. 計測した被測定物内周面の表面から半径で0.1〜0.5μm入った仮想円筒面における全面積中の気孔の面積率をコンピュータで算出し表示する、請求項1又は2記載の光学式内周面表面気孔測定装置。
  4. 前記光路変換手段から放出される光線はそのスポット径がφ10〜25μmであることを特徴とする請求項1から3何れか1項記載の光学式内周面表面気孔測定装置。
  5. 前記光路変換手段から光線を回転放射し、干渉光学法を取得して被測定物の表面気孔を測定するとき、データを取得する被測定物内周面上のピッチは5μm以下であることを特徴とする請求項1から4何れか1項記載の光学式内周面表面気孔測定装置。
  6. 穴の内周面の表面気孔率の測定方法であって、
    プローブを被測定物の穴に進入した状態で、
    前記プローブの内部から、光線を回転放射しながら透光性部材の部分を通過させて、前記プローブの外部に位置する前記穴の内周面に向かって照射し、
    前記内周面からの反射光を収集して解析することで、前記内周面の表面気孔率を求めることを特徴とする内周面表面気孔率の測定方法。
JP2018214860A 2018-11-15 2018-11-15 光学式内周面表面気孔測定装置及び気孔率の測定方法 Pending JP2020085468A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018214860A JP2020085468A (ja) 2018-11-15 2018-11-15 光学式内周面表面気孔測定装置及び気孔率の測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018214860A JP2020085468A (ja) 2018-11-15 2018-11-15 光学式内周面表面気孔測定装置及び気孔率の測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020085468A true JP2020085468A (ja) 2020-06-04

Family

ID=70909819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018214860A Pending JP2020085468A (ja) 2018-11-15 2018-11-15 光学式内周面表面気孔測定装置及び気孔率の測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020085468A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110892228A (zh) * 2017-07-27 2020-03-17 横滨橡胶株式会社 软管接头配件的形状测定装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0198764A (ja) * 1987-10-08 1989-04-17 Teikoku Piston Ring Co Ltd シリンダとピストンリングとの組合わせ
JP2005345281A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Topcon Corp 表面検査装置
JP2015232539A (ja) * 2014-05-12 2015-12-24 並木精密宝石株式会社 光学式内面測定装置
JP2017151086A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 株式会社ミツトヨ 測定方法および測定プログラム
JP2017187335A (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 並木精密宝石株式会社 光学式内面測定装置
JP2018031735A (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 新日鐵住金株式会社 気孔率測定装置、気孔率測定プログラム、及びその方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0198764A (ja) * 1987-10-08 1989-04-17 Teikoku Piston Ring Co Ltd シリンダとピストンリングとの組合わせ
JP2005345281A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Topcon Corp 表面検査装置
JP2015232539A (ja) * 2014-05-12 2015-12-24 並木精密宝石株式会社 光学式内面測定装置
JP2017151086A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 株式会社ミツトヨ 測定方法および測定プログラム
JP2017187335A (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 並木精密宝石株式会社 光学式内面測定装置
JP2018031735A (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 新日鐵住金株式会社 気孔率測定装置、気孔率測定プログラム、及びその方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110892228A (zh) * 2017-07-27 2020-03-17 横滨橡胶株式会社 软管接头配件的形状测定装置
CN110892228B (zh) * 2017-07-27 2021-06-22 横滨橡胶株式会社 软管接头配件的形状测定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110080588A1 (en) Non-contact laser inspection system
JP6232550B2 (ja) 光学式内面測定装置
CN108731595B (zh) 光学式转轴多自由度误差检测装置与方法
US10066931B2 (en) Optical inner-surface measurement device
JP6739780B2 (ja) 光学式内面測定装置
CN105486695A (zh) 孔检测装置
US9709388B2 (en) Optical inner surface measuring device
JP2012514193A (ja) 機械部品の非破壊検査の方法
WO2007132776A1 (ja) 表面検査装置及び表面検査ヘッド装置
US20180356288A1 (en) Inspection system for estimating wall friction in combustion engines
WO2018011981A1 (ja) 光学式内面測定装置
JP5043571B2 (ja) 内面検査装置
JP2010223915A (ja) 回転中心線の位置変動測定方法および装置
CN115727781A (zh) 一种深孔圆度及表面形貌实时检测装置及方法
JP2020085468A (ja) 光学式内周面表面気孔測定装置及び気孔率の測定方法
KR20090019930A (ko) 링 기어 내경의 비접촉 측정 장치 및 방법
JP2021156852A (ja) 光学式内面測定装置および光学式内面測定方法
JP6865441B2 (ja) 光学式内面測定装置
JP2020187052A (ja) 光学式測定装置及び光学式測定方法
JP2019522797A (ja) 貫通孔の幾何学的パラメータ測定方法およびシステム
WO2021100792A1 (ja) 光学式内面測定装置及び光学式内面測定方法
JP7058869B2 (ja) 光イメージング用プローブ及び光学式測定装置
CN208012545U (zh) 一种用于制孔质量检测的光谱共焦测量装置
US7115894B2 (en) Method to determine the lubricant filling degree of a fluid dynamic bearing
JP2020051813A (ja) 測定装置及び測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220905

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230307