JP2020051813A - 測定装置及び測定方法 - Google Patents

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善弘 大瀧
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Abstract

【課題】潤滑剤に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法により、潤滑剤の厚さを求める技術において、迷光の影響を低減し、潤滑剤の厚さの測定精度を高める。【解決手段】測定装置22は、蛍光物質の励起光を出力する光源32と、潤滑剤42の厚さを求める対象の領域Qに対向して設けられ当該対象の領域Qを撮影するカメラ34と、前記対象の領域Qとカメラ34との間に設けられ当該対象の領域Qからカメラ34に向かう方向の光を通過させるルーバー構造体50と備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、潤滑剤の厚さを求める測定装置及び測定方法に関する。
例えば二つの部材が滑り接触する場合、オイルやグリースのような潤滑剤が用いられる。これにより二つの部材の接触面間に潤滑剤による油膜が形成され、焼き付き等の損傷を防ぐことが可能となる。二つの部材間の油膜厚さを適切な値とすることにより、好ましい潤滑状態が得られることから、潤滑剤の研究では、二つの部材が接触する部分(接触部)における油膜厚さを測定する取り組みが行われている。特許文献1には、潤滑剤による油膜厚さを測定する装置が開示されている。
特開2010−025671号公報
潤滑剤の厚さ(油膜厚さ)の測定方法としてレーザー誘起蛍光法が知られている。レーザー誘起蛍光法は、蛍光物質を含む潤滑剤を例えば二つの部材間に塗布し、レーザー光を照射することで蛍光物質から発せられる蛍光の輝度を測定する方法である。これは、油膜が厚くなるにしたがって、蛍光物質の量が増大することから、油膜厚さに比例して蛍光(光励起)による輝度が高くなることを利用した測定方法である。なお、一つの部材が他の部材と接触して前記のように油膜を形成する機械要素として、例えば密封装置(シール)がある。
図7は、潤滑剤の厚さを測定する従来の測定装置の概略構成図である。この測定装置は、レーザー誘起蛍光法を用い、第一部材としての板部材97と、第二部材としてのシール部材98との間の接触部99における潤滑剤95の厚さ(油膜厚さ)を測定するための装置である。測定装置は、レーザー光Lを照射するレーザー光源90と、接触部99を撮影するカメラ91とを備える。板部材97は、ガラス板により構成され、レーザー光L及び潤滑剤95に含まれている蛍光物質の蛍光を透過させる。レーザー光源90は、板部材97を通じて接触部99及びその周囲にレーザー光Lを照射する。このレーザー光Lにより潤滑剤95に含まれる蛍光物質が励起し発光する。カメラ91は接触部99及びその周囲を撮影し、撮影画像から接触部99における輝度(蛍光強度)が求められる。輝度と油膜厚さとには相関があることから、求めた輝度を換算することで接触部99における油膜厚さが求められる。
前記測定装置を用いて求められた接触部99及びその周囲の輝度を、図8(A)(B)により説明する。図8(A)は、接触部99及びその周囲を示す断面図であり、図8(B)は、接触部99及びその周囲の各位置での輝度の値を示すグラフである。蛍光物質を含む潤滑剤95が多い第一の領域K1では輝度が高く、潤滑剤95が少ない(薄い)接触部99では輝度が低い。図8(A)(B)に示されるように、接触部99における潤滑剤95の厚さは一定であるにもかかわらず、輝度の値は一定ではない。また、潤滑剤95が存在していない第二の領域K2でも、輝度の値が出力されている。これは、潤滑剤95に含まれる蛍光物質から、あらゆる方向に蛍光が放出されるためであり、迷光が原因であると考えられる。図8(B)に示される輝度の値に基づいて接触部99における油膜厚さを換算により求めると、実際とは異なる結果となることが考えられる。
迷光による従来の課題を図9(A)(B)により更に説明する。図9(A)は、潤滑剤95に含まれる蛍光物質が放つ蛍光の説明図であり、蛍光が放たれる方向の例が矢印で示されている。図9(B)は、この蛍光を撮影したカメラの画像データから取得された輝度(蛍光強度)のグラフである。レーザー光を受けた蛍光物質はあらゆる方向に蛍光を放つ。このため、図9(B)に示されるように、カメラによる取得画像のうちの中央の領域では輝度(蛍光強度)が高く、端の領域では輝度(蛍光強度)が低くなる。この場合、輝度を油膜厚さに換算すると、中央の領域では油膜が厚く端部では油膜が薄いという測定結果になってしまう。しかし、図9(A)に示されるように、実際では、潤滑剤95の油膜厚さは一定である。
以上のように、潤滑剤の厚さは一定であるにもかかわらず、輝度の値が一定にならないなど、迷光の原因によって測定の精度が低下してしまう。
そこで、本発明は、潤滑剤に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法により、潤滑剤の厚さを求める技術において、迷光の影響を低減し、潤滑剤の厚さの測定精度を高めることを目的とする。
本発明は、潤滑剤に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法により、潤滑剤の厚さを求めるための測定装置であって、前記蛍光物質の励起光を出力する光源と、潤滑剤の厚さを求める対象の領域に対向して設けられ当該対象の領域を撮影する撮影装置と、前記対象の領域と前記撮影装置との間に設けられ当該対象の領域から当該撮影装置に向かう方向の光を通過させるルーバー構造体と、備える。
この測定装置によれば、光源からの励起光が対象の領域を照らすと、潤滑剤に含まれる蛍光物質からあらゆる方向に蛍光が放出される。この蛍光のうち、対象の領域から撮影装置に向かう方向の蛍光が、ルーバー構造体により抽出されて、撮影装置により撮影される。前記方向以外のノイズとなる不必要な光の散乱(迷光)は、撮影装置に届きにくくなり、光の散乱(迷光)の影響が低減される。よって、潤滑剤の厚さの測定の精度を高めることが可能となる。
また、前記測定装置は、前記対象の領域を覆い前記励起光及び前記蛍光物質の蛍光を透過させるカバー部材を更に備え、前記ルーバー構造体は、前記カバー部材のうちの前記撮影装置側の面に設けられているのが好ましい。この場合、明瞭な画像が撮影装置によって取得され、測定の精度がより一層高まる。
また、前記測定装置は、前記対象の領域を一方向に横断する方向に沿って潤滑剤の厚さの分布を求めることが可能である測定装置であって、前記ルーバー構造体は、前記横断する方向に直交する方向を長手方向とするルーバーを複数有するのが好ましい。この構成によれば、前記横断する方向に散乱する光が複数のルーバーによって遮られる。このため、前記横断する方向に沿った潤滑剤の厚さの分布を精度良く求めることが可能となる。
また、前記測定装置は、前記対象の領域と前記撮影装置との間に設けられ、前記潤滑剤の蛍光物質の蛍光を透過させかつ前記励起光を反射させるダイクロイックミラーを、更に備え、前記対象の領域と前記撮影装置とを結ぶ直線に交差する方向から前記励起光を前記ダイクロイックミラーに入射させ、当該ダイクロイックミラーにおける当該励起光の反射光が、前記直線に沿って進行して前記対象の領域を照射するのが好ましい。この構成によれば、ダイクロイックミラーによって、対象の領域に対する励起光の入射方向と、対象の領域に存在する蛍光物質を含む潤滑剤から発せられた蛍光が撮影装置に入射する方向とが、同じとなる(同軸となる)。このため、励起光は、ルーバー構造体を通過し、対象の領域に入射することができる。
また、本発明は、潤滑剤に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法により、潤滑剤の厚さを求める方法であって、前記蛍光物質を励起させる励起光によって、潤滑剤の厚さを求める対象の領域を照らす照射工程と、前記対象の領域に対向して設けられた撮影装置が、当該対象の領域を撮影する撮影工程と、を含み、前記撮影工程では、前記対象の領域から前記撮影装置に向かう方向の光を通過させるルーバー構造体が、当該対象の領域と当該撮影装置との間に設けられている。
この測定方法によれば、励起光が対象の領域を照らすと、潤滑剤に含まれる蛍光物質からあらゆる方向に蛍光が放出される。この蛍光のうち、対象の領域から撮影装置に向かう方向の蛍光が、ルーバー構造体により抽出されて、撮影装置により撮影される。前記方向以外のノイズとなる不必要な光の散乱(迷光)は、撮影装置に届きにくくなり、光の散乱(迷光)の影響が低減される。よって、潤滑剤の厚さの測定の精度を高めることが可能となる。
本発明によれば、迷光の影響が低減され、潤滑剤の厚さの測定精度を高めることが可能となる。
測定装置の一例を示す構成図である。 (A)は、ルーバー構造体を説明する断面図であり、(B)は、カメラの画像データから取得された輝度のグラフである。 (A)は、対象の領域を示す断面図であり、(B)は、対象の領域の各位置での輝度の値を示すグラフである。 環状であるシール部材を中心線に沿った方向から見た説明図である。 測定装置の概略構成、及び、シール部材の一部及びその周囲に入射させるレーザー光の強度分布を示す説明図である。 ダイクロイックミラーを備えた測定装置の機能を説明する図である。 潤滑剤の厚さを測定する従来の測定装置の概略構成図である。 (A)は、接触部及びその周囲を示す断面図であり、(B)は、接触部及びその周囲の各位置での輝度の値を示すグラフである。 (A)は、潤滑剤に含まれる蛍光物質が放つ蛍光の説明図であり、(B)は、この蛍光を撮影したカメラの画像データから取得された輝度のグラフである。
〔はじめに〕
図1は、測定装置22の一例を示す構成図である。この測定装置22によって行われる測定方法は、潤滑剤に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法により、潤滑剤の厚さを求める方法である。本実施形態では、潤滑剤の厚さを求める対象の領域Qにシール部材26が含まれ、シール部材26の一部に付着する潤滑剤42の厚さが求められる。特に、シール部材26はカバー部材28に接触していて、これらシール部材26とカバー部材28との間に形成される潤滑剤42による油膜厚さが求められる。
前記測定方法で用いられる潤滑剤42には、励起光により発光する蛍光物質が含まれる。潤滑剤42は、オイル(潤滑油)であってもよく、オイルに増ちょう剤を分散させたグリースであってもよい。オイルの種類に関して特に制限はない。蛍光物質は、励起光により発光する物質であれば、その種類に制限はない。蛍光物質の例としては、ローダミンB、ローダミン6G等の蛍光染料が挙げられる。
〔測定装置について〕
測定装置22は、第一部材としてのカバー部材28と、カバー部材28に対向して配置される第二部材としての環状のシール部材26と、シール部材26が取り付けられている板状の取り付けプレート24とを備える。図1において、紙面の上下方向が鉛直線の延在方向である。
測定装置22は、例えば、電動モーターを含む回転機構29を備える。回転機構29は、取り付けプレート24をシール部材26の中心線C回りに回転させる。カバー部材28は、図示されない測定装置22のフレームに固定されている。カバー部材28は回転しない。前述したように、シール部材26は取り付けプレート24に固定されている。このため、シャフト30の回転により、カバー部材28に対してシール部材26が移動する。シール部材26の先端がカバー部材28に所要の締め代で接触する。シール部材26(取り付けプレート24)が回転すると、シール部材26とカバー部材28との間に潤滑剤42による油膜が形成される。測定装置22では、シール部材26がカバー部材28を摺動する状態(滑り接触する状態)が再現される。
シール部材26は、合成ゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)等)を基材ゴムとする弾性材料からなる。なお、転がり軸受の転動体(例えば、鉄等の金属製の玉)を第二部材として用いることもできる。
本実施形態の測定装置22は、光源としてのレーザー光源32、撮影装置としてのカメラ34、及びダイクロイックミラー33を備える。測定装置22は、更に、コンピュータにより構成されている処理装置48を備える。レーザー光源32は、潤滑剤42に含まれる前記蛍光物質の励起光として、レーザー光Lを出力する。レーザー光源32から出力されたレーザー光Lの照射方向は、ダイクロイックミラー33によって変えられて、潤滑剤42の厚さを求める対象の領域Q、つまり、シール部材26の一部及びその周囲を照射する。なお、本実施形態では、レーザー光源32から出力されたレーザー光Lは、トップハット型ビーム出力拡散板37を介して、ダイクロイックミラー33に入射する。そして、本実施形態の測定装置22は、ルーバー構造体50を備えている。ルーバー構造体50及びトップハット型ビーム出力拡散板37については、後に説明する。
レーザー光Lにより、シール部材26とカバー部材28との間に設けられている潤滑剤42の蛍光物質は励起され、蛍光Fを放つ。つまり、レーザー光Lは、蛍光物質を発光させる。レーザー光源32の例として、YAGレーザーが挙げられる。
ダイクロイックミラー33は、前記対象の領域Q(シール部材26の一部)とカメラ34が有する画像センサ35との間に設けられている。ダイクロイックミラー33は、対象の領域Qに存在する潤滑剤42の蛍光物質の蛍光F(蛍光Fの波長)を透過させ、かつ、レーザー光L(レーザ光Lの波長)を反射させるように構成されている。
カメラ34は、カバー部材28を挟んで接触部36に対向するように配置される。カメラ34は、潤滑剤42の厚さを求める対象の領域Q、つまり、シール部材26の一部及びその周囲を撮影するために、受光部として、面状に広がる多数の受光素子による画像センサ35を有する。画像センサ35は、シール部材26の一部に対向して設けられている。本実施形態では、カメラ34の撮影方向は、環状であるシール部材26の中心線Cに平行な方向である。画像センサ35と、撮影の対象に含まれるシール部材26の一部とを結ぶ直線Jに沿った方向が、カメラ34の撮影方向となる。本実施形態では、シール部材26及びその周囲に対するレーザー光Lの照射範囲は、カメラ34による撮影範囲、つまり、画像センサ35の受光範囲よりも広い。
カバー部材28は、レーザー光L、及び蛍光物質の蛍光Fを透過させる。本実施形態のカバー部材28は、無色透明なアクリル樹脂製のプレートである。無色透明なガラスプレートが、カバー部材28として用いられてもよい。
本実施形態では、カメラ34とカバー部材28との間に、蛍光物質の蛍光Fのみが通過する光学フィルタ38が配置される。後にも説明するが、カメラ34が撮影した画像により、蛍光物質の蛍光に基づく潤滑剤42の輝度(輝度分布)が得られる。処理装置48は、各種の情報処理及び演算処理を行う。
〔ルーバー構造体50について〕
前記のとおりレーザー光Lにより、前記対象の領域Qに存在する潤滑剤42の蛍光物質は発光する。レーザー光Lを受けた蛍光物質はあらゆる方向に蛍光を放出する。そこで、本実施形態の測定装置22は、ルーバー構造体50を備える。ルーバー構造体50は、前記対象の領域Qとカメラ34(画像センサ35)との間に設けられている。図2(A)は、ルーバー構造体50を説明する断面図である。図2(A)において、上側がカメラ34側である。ルーバー構造体50は、複数のルーバー(羽根部材)52を有する。各ルーバー52は、一方向(図2(A)の紙面の直交方向)に長く直線状である微細形状を有する。複数のルーバー52が、間隔をあけて平行に配置されている。前記のとおり、蛍光物質はあらゆる方向に蛍光を放出するが、ルーバー構造体50は、前記対象の領域Qからカメラ34に向かう方向の光(蛍光)を通過させる。これに対して、ルーバー構造体50は、前記対象の領域Qからカメラ34に向かう方向に対して傾斜角度が大きい方向に進む光を遮る。対象の領域Qからカメラ34に向かう方向は、前記直線Jに沿った方向と一致する。
本実施形態では、カバー部材28が対象の領域Qを覆っている。ルーバー構造体50(ルーバー52)は、カバー部材28のうちのカメラ34側の面28aに設けられている。ルーバー構造体50は、例えば、複数のルーバー52を有するルーバーフィルムにより構成されていて、このルーバーフィルムがカバー部材28に貼り付けられている。
前記構成を備える測定装置22(図1参照)を用いて求められた前記対象の領域Qの輝度に関して、図3(A)(B)により説明する。図3(A)は、対象の領域Qを示す断面図である。図3(B)が、対象の領域Qの各位置での輝度の値(つまり、輝度の分布)を示すグラフである。カメラ34が対象の領域Qを撮影する。撮影画像から、図3(B)に示されるように各位置における輝度が求められる。蛍光物質を含む潤滑剤42の厚さと、蛍光物質による蛍光の輝度との関係が、予め求められている。そこで、求められた各位置における輝度の値から、前記接触部36における油膜厚さが換算して求められる。また、接触部36以外の各位置における油膜厚さについても、同様に、換算により求めることができる。このように、本実施形態では、対象の領域Qを一方向に横断する方向に沿って潤滑剤42の厚さの分布が求められる。
図4は、環状であるシール部材26を中心線Cに沿った方向から見た説明図である。前記対象の領域Qには、シール部材26の一部26aが含まれる。図3で説明したように、求められる潤滑剤42の厚さの分布は、図4に示されるシール部材26の一部26aを、シール部材26の径方向に横断する方向に沿った分布である。この横断した方向を、以下において「横断方向」と称する。図4では、横断方向が矢印Yで示されている。
そこで、本実施形態では、ルーバー構造体50が有する複数のルーバー52は、前記横断方向に直交する方向を長手方向として設けられる。図4の場合、横断方向(矢印Yの方向)はシール部材26の径方向であることから、各ルーバー52は、シール部材26の径方向に直交する方向(矢印X方向)を長手方向として設けられる。そして、複数のルーバー52が径方向(矢印Yの方向)に間隔をあけて設けられる。複数のルーバー52が設けられている範囲は、前記対象の領域Qのうちのカメラ34による撮影範囲よりも広い。
〔本実施形態の測定装置22について〕
以上のように、本実施形態の測定装置22は、潤滑剤42に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法により、潤滑剤42の厚さを求めるための装置である。潤滑剤42の厚さを求める対象の領域Qからカメラ34に向かう方向が、この対象の領域Qにおける潤滑剤42の厚さ方向と一致する。潤滑剤42の厚さを求めるために、測定装置22は、前記蛍光物質の励起光を出力する光源として機能するレーザー光源32と、前記対象の領域Qに対向して設けられ、この対象の領域Qを撮影するカメラ(撮影装置)34と、ルーバー構造体50とを備える。ルーバー構造体50は、対象の領域Qとカメラ34との間に設けられていて、対象の領域Qからカメラ34に向かう方向の光を通過させる。これに対して、ルーバー構造体50は、前記方向に対して傾斜角度が大きい方向に進む成分の光を遮る。
この測定装置22によれば、レーザー光源32からの励起光としてのレーザー光Lが対象の領域Qを照らすと、潤滑剤42に含まれる蛍光物質からあらゆる方向に蛍光が放出される。しかし、図2(A)に示されるように、この蛍光のうち、対象の領域Qからカメラ34に向かう方向の蛍光が、ルーバー構造体50により抽出されて、カメラ34により撮影される。これに対して、対象の領域Qからカメラ34に向かう方向以外のノイズとなる不必要な光の散乱(迷光)は、カメラ34に届きにくくなり、光の散乱(迷光)の影響が低減される。図2(B)は、カメラ34の画像データから取得された輝度のグラフである。本実施形態によれば、図2(A)に示される範囲では、潤滑剤42の厚さが一定である。ルーバー構造体50によれば、この潤滑剤42に含まれる蛍光物質が発光しカメラ34が受光した輝度は、位置が変わっても一定となる。そして、この輝度が潤滑剤41の厚さに換算される。よって、潤滑剤42の厚さの測定の精度を高めることが可能となる。
本実施形態の測定装置22は、前記対象の領域Qを一方向に横断する方向(図4において、矢印Y方向)に沿って潤滑剤42の厚さの分布を求めることができる。そこで、ルーバー構造体50は、前記横断する方向に直交する方向(図4において矢印X方向)を長手方向とするルーバー52を複数有する。この構成によれば、前記横断する方向(矢印Y方向)に散乱する光が複数のルーバー52によって遮られる。このため、前記横断する方向(矢印Y方向)に沿った潤滑剤42の厚さの分布を精度良く求めることが可能となる。
なお、図示しないが、複数のルーバー52を一つの層として形成し、この層を複数重ねてルーバー構造体50としてもよい。この場合、一つの層におけるルーバー52の長手方向と、この一つの層に重ねる他の層におけるルーバー52の長手方向とを直交させる。この場合、ルーバー52の長手方向に関係なく、散乱する光(迷光)が複数のルーバー52によって遮られる。
また、本実施形態では(図2(A)参照)、ルーバー構造体50は、カバー部材28のうちのカメラ側の面28aに設けられている。なお、図示しないが、ルーバー構造体50は、カバー部材28から離れて設けられていてもよい。ルーバー構造体50とカバー部材28との間隔を広くする場合、レーザー光源32からのレーザー光Lを、ルーバー構造体50とカバー部材28との間を通じて、前記直線Jに対して傾斜した方向から照射してもよい。この場合、ダイクロイックミラー33が省略される。しかし、本実施形態のように、ルーバー構造体50が、カバー部材28のうちのカメラ側の面28aに設けられていることにより、明瞭な画像がカメラ34によって取得され、測定の精度がより一層高まる。
〔ダイクロイックミラー33について〕
本実施形態の測定装置22では(図1参照)、シール部材26の一部と画像センサ35とを結ぶ直線Jに直交(交差)する方向から、レーザー光Lがダイクロイックミラー33に入射する。ダイクロイックミラー33におけるレーザー光Lの反射光が、前記直線Jに沿って進行してシール部材26の一部及びその周囲を照射する。
ここで、レーザー光源32が出力するレーザー光Lの強度分布は、正規分布(ガウス分布)となる。本実施形態の測定装置22は、トップハット型ビーム出力拡散板37(以下、「拡散板37」と称する。)を備える。拡散板37は、シール部材26の一部及びその周囲に入射させるレーザー光Lの強度分布を、トップハット分布とする(図5参照)。図5は、測定装置22の概略構成、及び、シール部材26の一部及びその周囲に入射させるレーザー光Lの強度分布を示す説明図である。図5に示されるように、シール部材26の一部及びその周囲に入射するレーザー光Lの強度分布は、トップハット分布となる。
〔測定方法について〕
以上の構成を備える測定装置22(図1参照)によって、潤滑剤42の厚さを求める測定方法が実行される。この測定方法は、潤滑剤42に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法に基づく。測定方法には、準備工程と、照射工程と、撮影工程と、処理工程とが含まれ、この順で各工程が進められる。以下、各工程について説明する。
準備工程では、各機器が所定位置に配置される(図1参照)。つまり、撮影装置としてのカメラ34が、測定の対象の領域Qに含まれるシール部材26の一部に対向して設けられる。シール部材26の一部とカメラ34(画像センサ35)との間に、ダイクロイックミラー33が設置される。
照射工程では、レーザー光源32からダイクロイックミラー33に向かってレーザー光Lが出力される。本実施形態では、前記対象の領域Qに含まれるシール部材26の一部(接触部36)と、カメラ34の画像センサ35とを結ぶ直線Jに直交する方向から、レーザー光Lをダイクロイックミラー33に入射させる。そして、このダイクロイックミラー33におけるレーザー光Lの反射光を、前記直線Jに沿って進行させ、シール部材26の一部及びその周囲に対して照射する。このため、レーザー光Lは、ルーバー構造体50を通過し、つまり、隣り合うルーバー52とルーバー52との間を通過し、対象の領域Qに入射する。
撮影工程では、カメラ34によって、対象の領域Q(シール部材26の一部及びその周囲)の画像を取得する。撮影工程では、ルーバー構造体50が、対象の領域Qとカメラ34との間に設けられている。カメラ34は、画像センサ35を有し、画像センサ35により、撮影範囲の各位置における輝度(輝度値)のデータが取得される。本実施形態では、対象の領域Qに対するレーザー光Lの照射範囲は、カメラ34による撮影範囲よりも広く設定されている。これにより、シール部材26とカバー部材28とは中心線Cを中心とした周方向に連続して接触するが、この連続して接触する範囲(接触部36)が、前記撮影範囲及び前記照射範囲に含まれ、この結果、対象の領域Qに含まれる。
処理工程では、カメラ34により画像が取得されると、その画像に基づいて、処理装置48は画像解析を行う。この画像解析により、撮影範囲(画像の範囲)の輝度分布が得られる。この輝度分布から、シール部材26とカバー部材28とが接触する接触部36における輝度(輝度値)が処理装置48により求められる。
ここで、潤滑剤42の厚さ(油膜)が厚くなるほど、その潤滑剤42(油膜)に含まれる蛍光物質の量は増える。よって、潤滑剤42の厚さ(油膜厚さ)に比例して輝度は変化する。そこで、蛍光物質を含む潤滑剤42の厚さと、蛍光物質による蛍光の輝度との関係が、予め求められている。このため、接触部36における輝度が求められると、その輝度の値から、接触部36における油膜厚さ、つまり、シール部材26とカバー部材28との間の油膜厚さを換算して求めることができる。このように、処理工程では、カメラ34が取得した画像に基づいて、潤滑剤42の厚さを求める対象の領域Qに含まれる接触部36における輝度を求め、この輝度を、接触部36における潤滑剤の厚さ(油膜厚さ)に換算する。
以上より、接触部36における潤滑剤42の厚さ(油膜厚さ)が求められる。なお、接触部36のみならず、その周囲における潤滑剤の輝度も、前記輝度分布から求められる。このため、接触部36の周囲における潤滑剤42の厚さについても、求めることができる。
図6は、ダイクロイックミラー33を備えた測定装置22の機能を説明する図である。図6には、対象の領域Qに対するレーザー光Lの入射方向と、蛍光Fが画像センサ35に入射する方向とが説明されている。図6に示されるように、画像センサ35は、第一位置P1において、図外のダイクロイックミラー33から入射するレーザー光Li1による蛍光F1と、このレーザー光Li1がシール部材26により反射した反射光Lr1による蛍光F2との合計「F1+F2」を受光する。また、画像センサ35は、第一位置P1と異なる第二位置P2において、図外のダイクロイックミラー33から入射するレーザー光Li2による蛍光F1と、このレーザー光Li2がシール部材26により反射した反射光Lr2による蛍光F2との合計「F1+F2」を受光する。このように、画像センサ35において、第一位置P1で受光する蛍光の強度と、第二位置P2で受光する蛍光の強度とは、共に「F1+F2」であり、同じとなる。このため、レーザー光Lが対象の領域Qに対して斜めから照射する場合、補正が必要となるが、本実施形態によれば、補正を行わなく済む。この結果、本実施形態の測定装置22によれば、対象の領域における潤滑剤42の厚さの測定精度をより一層高めることが可能となる。
また、レーザー光源32が出力するレーザー光Lの強度分布は正規分布である。更に、前記のとおり、レーザー光Lの照射範囲が(カメラ34による撮影範囲よりも)広い。この場合、その照射範囲内の位置に応じてレーザー光Lの強度分布が異なる。このため、拡散板37が省略されている場合、測定結果において、レーザー光Lの強度分布(正規分布)に基づく誤差が生じる。この場合、補正の処理(演算)が行われることで、その誤差を解消できる。しかし、本実施形態では、拡散板37が設けられている。つまり、測定装置22は、前記対象の領域Qに入射させるレーザー光Lの強度分布をトップハット分布とする拡散板37を備える。この拡散板37によって、対象の領域Qに入射させるレーザー光Lの強度分布がトップハット分布となる。よって、レーザー光Lの強度分布に基づく誤差が抑制される。つまり、本実施形態では、前記誤差を解消する補正の処理は不要となる。
〔その他〕
また、本実施形態の測定方法では、輝度分布を取得するための画像が、撮影装置として一眼レフカメラを用いて撮影されているのが好ましい。この構成によれば、画像から輝度に関する高密度な情報を得ることができる。よって、測定精度をさらに向上させることができる。
前記実施形態では、シール部材26に付着する潤滑剤42の厚さ(カバー部材28との間に形成される油膜の厚さ)を測定する場合について説明したが、シール部材26以外における機械要素などの潤滑剤の厚さを測定するために、前記実施形態の測定装置22が用いられてもよい。例えば、歯車に付着する潤滑剤の厚さを測定するために前記測定装置22が用いられてもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
22:測定装置 28:カバー部材 28a:面
32:レーザー光源(光源) 33:ダイクロイックミラー
34:カメラ(撮影装置) 42:潤滑剤 50:ルーバー構造体
52:ルーバー J:直線 Q:対象の領域

Claims (5)

  1. 潤滑剤に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法により、潤滑剤の厚さを求めるための測定装置であって、
    前記蛍光物質の励起光を出力する光源と、
    潤滑剤の厚さを求める対象の領域に対向して設けられ当該対象の領域を撮影する撮影装置と、
    前記対象の領域と前記撮影装置との間に設けられ当該対象の領域から当該撮影装置に向かう方向の光を通過させるルーバー構造体と、
    備える、測定装置。
  2. 前記対象の領域を覆い前記励起光及び前記蛍光物質の蛍光を透過させるカバー部材を更に備え、
    前記ルーバー構造体は、前記カバー部材のうちの前記撮影装置側の面に設けられている、請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記対象の領域を一方向に横断する方向に沿って潤滑剤の厚さの分布を求めることが可能である測定装置であって、
    前記ルーバー構造体は、前記横断する方向に直交する方向を長手方向とするルーバーを複数有する、請求項1又は2に記載の測定装置。
  4. 前記対象の領域と前記撮影装置との間に設けられ、前記潤滑剤の蛍光物質の蛍光を透過させかつ前記励起光を反射させるダイクロイックミラーを、更に備え、
    前記対象の領域と前記撮影装置とを結ぶ直線に交差する方向から前記励起光を前記ダイクロイックミラーに入射させ、当該ダイクロイックミラーにおける当該励起光の反射光が、前記直線に沿って進行して前記対象の領域を照射する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定装置。
  5. 潤滑剤に含まれる蛍光物質を光励起させて行う誘起蛍光法により、潤滑剤の厚さを求める方法であって、
    前記蛍光物質を励起させる励起光によって、潤滑剤の厚さを求める対象の領域を照らす照射工程と、
    前記対象の領域に対向して設けられた撮影装置が、当該対象の領域を撮影する撮影工程と、
    を含み、
    前記撮影工程では、前記対象の領域から前記撮影装置に向かう方向の光を通過させるルーバー構造体が、当該対象の領域と当該撮影装置との間に設けられている、測定方法。
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CN114087998A (zh) * 2021-11-25 2022-02-25 重庆海浦洛自动化科技有限公司 用于空腔注蜡系统的在线膜厚检测系统

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