JP2020187052A - 光学式測定装置及び光学式測定方法 - Google Patents

光学式測定装置及び光学式測定方法 Download PDF

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大志 山崎
Hiroshi Yamazaki
大志 山崎
拓也 舘山
Takuya Tateyama
拓也 舘山
憲士 成田
Kenji Narita
憲士 成田
正人 森本
Masato Morimoto
正人 森本
隆文 淺田
Takafumi Asada
隆文 淺田
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Abstract

【課題】円筒状端面の直角度を高精度に計測する。【解決手段】チューブ6に内蔵される光ファイバー1から放射された光線を光路変換手段3をとおし被測定物61の内周面61aに回転放射する。このとき被測定物6の端部近傍の測定においては中心軸方向の送りピッチを5μm以下に、また透光性パイプ4を通して放射される光線13のスポット径は5〜20μmとする。反射光を捉えて、透光性パイプ内周面または外周表面から被測定物の内周面までの半径距離ΔRと、予めコンピュータに記憶させておいた透光性パイプ内径寸法D0から直径寸法Dを計算することで、光路変換手段の回転振れおよび回転振動の影響を除外した補正後の略円筒形状の三次元データを収集し、被測定物の内径に対する端面61b、61cの直角度を計算する。【選択図】図2

Description

本発明は、被測定物の穴部にプローブを進入させ穴の内周面に向けて光線を放射し、反射光を立体的に取り込んで内部形状および両端部の観察、及び寸法及び幾何学精度を測定するための光学式測定装置と測定方法に関するものである。
例えば自動車用エンジンのシリンダーの加工仕上がり寸法や幾何学精度の良否は自動車の動力性能と燃料消費効率に大きく影響するが、これらの検査は一般には内径測長機、真円度測定機、等の接触式測定機を用いて検査されていた。
しかし近年、被測定物に傷を付けない目的から光学式の非接触式測定機が登場しており、光線を照射し反射光を光センサで捉え、反射光の到達時間や波長、または光干渉縞の発生状態の計測データを取得し、コンピュータで演算して、内周面の三次元形状を自動検査する方法が採用されている。
機械装置や機械部品の内周面に光線を照射して内周面の観察または測定を行う技術を適用した観察装置の代表的な構造は、例えば、特許文献1と2に示す通りである。
特許文献1に示す内径形状計測センサでは、該文献中第1図に示すように、フレキチューブ(29)の先端側に中空モータ(26)が反射ミラー(20)を回転させ光線を放射している。また、第4図に示される4枚の歪ゲージ(5)が被測定物の内径のXY方向の長さ寸法(直径)を測定し、光学的測定値の曖昧さを補正し、内周面の形状寸法を正しく画面表示している。
しかしながら、一般に被測定物の内径形状幾何学精度は0.05μm(マイクロメートル)程度の高精度が要求されるが、この構成では中空モータ(26)が高速回転すると、回転軸に振れ(Run Out)または非再現振れ(Non Repeatable Run Out)が内径形状計測センサに要求される精度以上に多く(例えば0.1μm程度の大きな機械的振れ振動)生じるため、採集された被測定物の内周面の断面形状データに歪みやノイズが乗ってしまい、真の三次元形状データが取得できなかった。
また、特許文献2に記載される発明では、管内に光ビームを螺旋状に走査し、非接触で管の内径寸法と、該文献中図7に示されるように三次元の形状データを取り込んで表示している。
しかしながら該文献には光ビームを回転放射する機構が記載されておらず、放射ビームの回転モータが高速回転すると回転軸に振れまたは非再現振れが生じて採集された被測定物の内周面の断面形状データにノイズが乗っていたり、またはデータに歪みが生じていたりするため、正しい三次元形状データが取得できなかった。
また、特許文献3に記載される発明では、被測定物(軸受9)の内周面を計測するために、パイプ状の透光部材(21)の内部に光線(26)を放射および集光するレンズ(24)と回転ミラーからなる第1光路変換部材(3)を内蔵している。そして図5と図6に示すように回転時の振動を検出し補正して計測を行っている。
しかしながら、特許文献3に記載される発明では、略円筒状被測定物(9)の端面の直角度を高精度に計測することができなかった。
実開平4−55504号公報 特開平5−180627号公報 特許第6232550号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、被測定物の内周面に、測定用プローブを進入させ内面に光線を回転放射し、反射させた光線を立体的に収集してコンピュータ処理し三次元形状データを取得、及び、寸法測定及び幾何学精度を測定する。そして、三次元形状データの取得において、内周面に回転放射する回転軸または回転部の振れまたは非再現振れを原因とする機械的回転振動やノイズを完全に除去する手段を講じる。さらに被測定物の端部近傍の測定によって得られた内周面の三次元形状データを用いて、略円筒状の穴である被測定物の端面の直角度を計測可能にすることである。
上記課題を解決するための一手段は、光干渉を利用して被測定物の穴の端部近傍の状態を三次元測定し、取得した三次元データから、被測定物の穴部と端面との直角度、傾斜角度等を求めることにある。
また、被測定物の穴部に光プローブを挿入し、観察および測定を行う光学式測定装置において、光プローブは、チューブに内蔵された光ファイバーと、光ファイバーの先端側に配置された光路変換手段と、光路変換手段を内蔵する透光性パイプと、光路変換手段を回転駆動させるモータとで構成する。そして、光路変換手段の回転の中心軸方向に、5μm以下の送りピッチで前記光線を動かす手段を備えるとともに、スポット径がφ5μm以上φ20μm以下となる光線を、透光性パイプを通して回転放射するようにしたものである。
本発明によれば、被測定物内周面の精密な三次元データが取得できるとともに、内径に対する端面の直角度または傾斜角度を高精度に計算することが可能になる。
本発明光学式測定装置の全体構成図 本発明光学式測定装置の光プローブの構成図 同光学式測定装置の被測定物の下端面近傍計測中の図 同光学式測定装置の透光性パイプ無し時の取得データ図 同光学式測定装置の透光性パイプ有り時の取得データ図 同光学式測定装置の三次元取得データ図 同光学式測定装置の二次元取得データ図 同光学式測定装置の端面の角度計算説明図 同光学式測定装置の直角度測定データの繰り返し再現精度 同光学式測定装置のプリズムによる光路変換装置の説明図 同光学式測定装置の軸方向送りピッチとスポット径説明図
本実施の形態に係わる光学式測定装置の第1の特徴は、チューブに内蔵された光ファイバーと、光ファイバーの先端側に配置された光路変換手段と、光路変換手段を内蔵する透光性パイプと、光路変換手段を回転駆動させるモータとで光プローブを構成している。そして、光路変換手段の回転の中心軸方向に、5μm以下の送りピッチで前記光線を動かす手段を備えるとともに、スポット径がφ5μm以上φ20μm以下となる光線を、透光性パイプを通して、被測定物の穴の内周面等に向けて回転放射するようにしたものである。
この構成により、例えば、測定対象である穴の内周面の状態を測定する際に、光線を基準となる透光性パイプを介して、内周面の表面粗さの影響を受けにくい状態で、広範囲に照射できるので、高精度な内周面の三次元形状データが取得できる。
第2の特徴としては、スポット径の径方向であって光路変換手段の回転中心軸方向に直交する方向における、光線の送りピッチを10μm以下に設定して測定できる構成したことにある。
この構成によれば、測定対象である穴の端部近傍の状態を高い分解能により高精度に測定することができる。
第3の特徴としては、予めコンピュータに記憶させた透光性パイプの直径(D1)のデータと、回転放射した光線の反射光を捉えて測定した、透光性パイプの内周面または外周表面から被測定物の穴の内周面までの半径距離(ΔR1〜ΔRn、n=0deg〜360deg)の測定データとから距離(D=D1+ΔRn+ΔR(n+180deg))を計算して求める。そして、光路変換手段の回転振れおよび回転振動の影響を除外した補正後の三次元データを収集し、当該補正後の三次元データから、被測定物の内径に対する端面の直角度または傾斜角度を求めることにある。
この構成によれば、三次元形状データの取得において、内周面に回転放射する回転軸または回転部の振れまたは非再現振れが引き起こしている機械的回転振動やノイズを完全に除去することで、正しく精密な内周面の三次元形状データが取得できる。そして、略円筒状被測定物の端面の傾斜角または直角度を高精度で計測可能にした光学式測定装置を提供できる。
第4の特徴としては、光路変換手段は先端に傾斜する略平面を有するミラーまたは、プリズムとした。
この構成によれば、光線の集光性が高く、光学的損失を減らして高精度な精度測定が可能である。
第5の特徴としては、被測定物の上下端からそれぞれ0.5mm以下の位置の断面の重心点の座標を求め、この2点を結ぶ仮想中心線を基準として、端面の傾斜角度または直角度を計算することとした。
この計算方法を採用することで、計算結果の繰り返し再現性が向上する。
第6の特徴としては、モータの回転軸部を中空形状とし、回転軸の中空穴には光ファイバーを、該回転軸に対して相対回転自在に挿通した。
この構成によれば、モータの回転により光線を三次元的に放射し、三次元的の形状データが収集でき、光線を放射して走査する範囲内に、モータの通電線が存在しないので光線に陰ができない為、収集データに欠落がないためコンピュータによる高精度な計算が可能である。
本実施の形態に係わる光学式測定方法の特徴の一つは、光干渉を利用して被測定物の穴の端部近傍の状態を三次元測定し、取得した三次元データから、穴と端面の直角度、傾斜角度等を求めることにある。
この方法により、従来では測定が困難であったサイズの細穴とその端面との直角度等を精度よく計測できる。
また、より高精度に測定できる具体的な測定方法の態様として、光線を基準となる透光性の部材(パイプ等)を通して、穴の内周面に向けて回転放射する。そして、予めコンピュータに記憶させた透光性パイプの直径(D1)のデータと、回転放射した光線の反射光を捉えて測定した、透光性パイプの内周面または外周表面から被測定物の穴の内周面までの半径距離(ΔR1〜ΔRn、n=0deg〜360deg)の測定データとから、距離(D=D1+ΔRn+ΔR(n+180deg))を計算して求める。これにより、光路変換手段の回転振れおよび回転振動の影響を除外した三次元データを収集して直角度または傾斜角度を求めることを特徴とする。
同じく、より高精度に測定できる具体的な測定方法の態様として、透光性パイプを通して放射される光線のスポット径をφ5μm以上φ20μm以下とする。更に、回転の軸方向における光線の送りピッチを5μm以下とし、このスポット径の径方向であって前記中心軸方向に直交する方向における、光線の送りピッチを10μm以下とすることを特徴とする。
次に本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に関わる光学式測定装置の第1の実施形態について説明する。
図1〜図10は本発明に係る光学式測定装置の実施形態を示している。
図1は本発明の実施の形態に係る光学式測定装置である。ベース80にスタンド81が固定され、スライダ用モータ83によりスライダ82が光プローブ11と共に上下に移動する。被測定物61はベース80に固定された芯合わせ冶具91にセットされており、光プローブ11は被測定物61の深穴61aに出入りする。
図2は本発明光学式測定装置の光プローブの構成図を示している。
モータ10は、軸受9a、9b、モータコイル7、中空回転軸5に固定されたロータ磁石8からなり、モータドライバ回路87から電線12を通して電力が供給され回転する。
チューブ6に内蔵された光ファイバー1の先端からは光線13が放射される。光ファイバー1の先端側にはモータ10により回転駆動され光路変換手段3を有し、光路変換手段3は、透光性のパイプ4に内蔵され、この透光性のパイプ4と光路変換手段3は略円筒形状の被測定物61の内周面61aに挿入される。なお、光ファイバー1の先端には、必要に応じて、球形状のレンズ等からなる集光レンズ2が設けられる。
プローブ11の光路変換手段3(ミラー又はプリズム)に入光した光線は、チューブ6内を通過し、さらに測定機本体85の接続部84を通過して、光干渉解析部88に入り、コンピュータ89で解析して計算結果をモニタ90に表示する。
この種の光学式測定装置は、例えば5種類の機能を有しており、それらは、以下のとおりである。
(1)図2に示す内周面61aの三次元形状の表示を行う機能、及び、バリ、キズ等の外観観察機能
(2)図2の内周面61aのDに示される直径の測定機能
(3)図2の内周面61aの真円度の測定機能
(4)図2の内周面61aの円筒度の測定機能
(5)図2の内周面61aを基準とした端面61bまたは61cの直角度または傾斜角の測定機能
これらの中で(1)から(4)の測定項目は、全て内面61aの精度だけを求めるものであるのに対し、(5)直角度の測定だけは、(1)〜(4)で求めた内面61aの精度を一旦求め、これを基準とし、端面61bまたは61cの精度を計算するものであるため、測定精度が2倍多くばらつく測定項目である。従来は、(1)〜(4)の内面61aの取得精度が多くばらつくことによって(5)直角度は正しく求められないケースが非常に多かった。本発明においては、以下に説明する構造と作用により、(1)〜(4)の内面61aの取得精度に誤差がでないため端面61cと61bに示す(5)直角度の計算が正確に行える測定機が得られる。
以下に本発明の動作作用について説明する。
図2において、光ファイバー1の後方から送られて、集光レンズ2を経た光線13を、光路変換手段3を通すことにより、軸中心線から角度を約90deg与えて回転放射させ、さらに透光性パイプ4を通過して被測定物61の深穴61a内周面に回転照射する。このとき、図2に示すモータ10の中空回転軸5を中空形状とし、回転軸の中空穴には光ファイバー1を、該回転軸5に対して相対回転自在に挿通した。この構成によれば、モータ10の回転により光線13を三次元的に放射し、三次元的の形状データが収集でき、さらに、光線を放射して走査する範囲内に、モータの通電線が存在しないため、光線に陰ができない為、収集データに欠落がないためコンピュータによる高精度な計算が可能である。
図2において、D0は透光性パイプ内径寸法であり、Dは、光線13が放射されるその直径を示し、その範囲は半径約0.5mm〜20mmである。
また、図1に示すスライダ用モータ83が動作してプローブ11が軸方向にスライドし、光線13は回転放射しつつ図3に示す内周面61aの全体に光線を放射し三次元形状の形状データを収集する事ができる。
透光性パイプ4の内周面または外周面の直径(D)と三次元形状データまたは二次元断面形状データは、校正という操作を行うことで予め計測してコンピュータに記憶させている。被測定物の寸法測定を行う際は、回転放射した反射光を捉えて、透光性パイプ内周面または外周表面から被検査対象物の内周面までの半径距離(ΔR1〜ΔRn、n=0deg〜360deg)と、予めコンピュータに記憶させておいた、透光性パイプ三次元形状データ(D1)から、直径(D=D1+ΔRn+ΔR(n+180deg))を計算することにより、光路変換手段の回転振れおよび回転振動の影響を除外した補正後の三次元データを収集する。
(5)直角度を計算する場合は、この補正後の三次元データが誤差が少ない収集した形状が明確なものであることから、被測定物61の内径に対する端面61b、61cの直角度(ΔZ)または傾斜角度(Δθ)をコンピュータで計算して表示することが可能である。
図2および図3において、回転する中空回転軸10の外周面の振れは通常1μm程度生じており、その振れは1回転当たり1回の周期振れと、周波数が定まらず低周波から高周波まで広域に生じる非再現振れに分離できる。軸受9a、9bにはいくつかの設計の方式と種類があるが、例えばボールベアリング式を採用した場合はボールの転がり振動が多くの非再現振れを発生する。また他方で、軸受9a、9bに焼結含油軸受方式を採用した場合は、振れ周り振動や接触面からの振動による非再現振れが一般に多く発生している。
図4は、従来の透光性パイプを有していない場合の光学式測定装置により被測定物内周面を測定した取得データ、図5は本発明による、透光性パイプ有りの場合の光学式測定装置の取得データ図である。
図4において内周側の太実線データがモータ11の軸受9a、9bにより生じている、中空回転軸5の回転振れの測定データである。一方、外側の細破線のデータは、この測定と同時に取得したもので、被測定物の内周面の形状を取得したデータである。透光性パイプを有していない従来の光プローブにより取得したこのデータでは、中空回転軸5の回転振れ量の影響が被測定物の内周面の取得データに影響しており、正しい測定は行えていないことが読み取れる。
図5は、本発明の実施の形態の光学式測定機の取得したデータである。内側の環状データは、予め事前の校正作業を行うことで、透光性パイプ4の内周面または外周表面の直径を三次元的に取得し予めコンピュータ89にメモリーした二次元の断面形状データである。また、外側のデータは、透光性パイプ4から被測定物61の内周面61aまでの半径距離(ΔR1〜ΔRn、n=0deg〜360deg)を測定し、これに予めコンピュータに記憶させておいた、透光性パイプ三次元形状の直径数値(D1)から、直径(D=D1+ΔRn+ΔR(n+180deg))を計算して求めることにより、光路変換手段3の回転振れ、および回転振動の影響を除外した補正後の正確な円周データを表示したものである。
図6から図8は(5)直角度をコンピュータにより計算する手順を説明している。図6は内周面61aの全体の三次元形状データを表示したものであり、図7はこれを二次元表示したデータである。従来の測定機においては測定データのばらつきが多かったため、直角度(または傾斜角θ)の値は、測定ばらつきが多く、不正確なものであった。一方、本発明の光学式測定装置では、図8に示すように取得データにばらつきが少ないため、直角度(傾斜角θまたは直角度ΔZ)が正確に計算できる。
図8において、被測定物61の上端から僅か(Zu)下の断面を本発明の光学式内周面測定装置により計測し、その面の重心点(Gu)の座標を求め、次に被測定物61の下端からわずか(ZL)だけ上の断面を計測し、その面の重心点(GL)の座標も求めている。(5)直角度の計算はこれら2つの重心点(GuとGL)を結ぶ仮想中心線(Zb)を基準として、傾斜角度(Δθ)または直角度(ΔZ)を計算している。この計算方法を採用することで、計算結果の繰り返し再現性が向上する。なお、Z方向の距離(Zu、ZL)は0.5mm以下または被測定物61の長さの約2〜5%程度が計算誤差が少なく良好である。
図10は光路変換手段にプリズム3bを用いた場合の断面図である。図2および図10において図示される光路変換手段3は平滑な反射面を有するミラーかプリズムからなり、反射率を高め光路の減衰を最小にするため、その表面粗さと平面度は一般の光学部品と同等以上の精度に磨きあげられている。これらの構成によれば、光線の集光性が高く、光学的損失を減らして高精度な精度測定が可能である。
図9は直角度の測定値の繰り返し再現性を求めたものである。従来の測定機では再現性(σ)は1.25μmと大きかったが、本発明の測定機は今まで説明した構成と作用の効果によって、繰り返し再現性が0.06μmと大変少なく良好であり、約20倍高精度であった。
尚、チューブ6はその直径は約1〜10mm(ミリメートル)程度でありその内部に貫通する固定側光ファイバー1は、屈曲自在なグラスファイバーであり直径は0.1〜0.2mm程度のものを使っている。
図11は、本発明光学式測定装置の光プローブの軸方向送りピッチとスポット径説明図である。図中13dは光線13のスポット径、図中Pはスポットの径方向の送りピッチ、ΔSは軸線方向の送りピッチである。本発明においては光線のスポット径φkは5〜20μm、径方向の送りピッチPは10μm以下、軸線方向の送りピッチΔSは5μm以下の範囲を選ぶ必要がある。ここで、スポット径は被測定物である穴の内周面61aへの照射ポイントにおける光線13の径であり、基本的には光線13の焦点である。また、光プローブを軸線方向に送る手段はスライダ82であり、軸線方向の送りピッチの分解能もスライダ82により定まる。
光線のスポット径φkは5μm未満では、被測定物の内周面61aの表面粗さの影響を敏感に受け過ぎるため取得データにノイズが多すぎて計測に支障が生じる。一方φkが20μm以上では1点毎の取得データが平均化された距離データになってしまい、内周面61aの形状が正しく取れない場合がある。
同様に、端面61c近傍(概ね0.5mm以下)の形状を取得するためには、スポットの径方向の送りピッチPは10μm以下であることが必要である。また同様に、軸線方向の送りピッチΔSは5μm以下である必要があり、これらの条件を外れると端面61c近傍の形状が取得できない。
尚、図11において被測定物61の端面(61b、61c)の近傍では軸方向の送りピッチは5μm以下であるが、それ以外の領域では図中Sに示すように十分長い距離に設定することができる。
図2に示される中空回転軸5は、金属またはセラミックスからなり、溶融金属のダイによる引き抜き加工か、金属の電鋳加工か、または焼成前のセラミックスのダイによる押し出し加工で中空に成形され、硬化処理後に研磨加工法等により仕上げ加工される。
図2において、中空回転軸10の穴は直径が0.2〜0.3mmあり、光ファイバー1の直径より十分大きくしているため、光ファイバー1が中空回転軸10に接触することは少なく、仮に軽く接触しても摩耗粉が発生するほどではない。また、回転摩擦トルクが変動する問題もない。
本発明によれば、光線を回転放射するモータの回転軸の振れまたは非再現振れが、収集した被検査対象物の取得データに与えていた影響を除去して、正しく精密な内周面の三次元データが取得でき、これにより、内径に対する端面の直角度または傾斜角度を高精度に計算可能になる。特に、従来は困難であった内径寸法がφ1mm〜φ25mmの小径サイズの穴部に対して、その端部を高精度に測定し、直角度、傾斜角度を求めることができる。
本発明の干渉光学法を用いて被検対象物の観察と測定を行う光学式測定装置は、工業用途では、リングゲージ、焼結軸受、動圧軸受等の高精度な測定を行えるとともに、医療現場での微細な病巣の寸法の数値的な診断装置への活用についても期待される。
1 光ファイバー
2 集光レンズ
3、3b 光路変換手段(ミラーまたはプリズム)
4 透光性パイプ
4a 透光性パイプ内周面
5 中空回転軸
5a ホルダー部
6 チューブ
7 モータコイル
8 ロータ磁石
9a、9b 軸受
10 モータ
11 光プローブ
12 電線
13 光線
13d 光線のスポット(スポット径)
14 補正後のデータ
15、105 三次元形状データ
16、106 二次元形状データ
61 被測定物
61a 内周面
61b、61c 端面
80 ベース
81 スタンド
82 スライダ
83 スライダ用モータ
84 接続部
85 測定機本体
87 モータドライバ回路
88 光干渉解析部
89 コンピュータ
90 モニタ
91 芯合わせ冶具
101 モータ
102 光センサ
103 光線
104 被測定物

Claims (9)

  1. 被測定物の穴部に光プローブを挿入し、観察および測定を行う光学式測定装置において、
    前記光プローブは、チューブに内蔵された光ファイバーと、前記光ファイバーの先端側に配置された光路変換手段と、前記光路変換手段を内蔵する透光性パイプと、前記光路変換手段を回転駆動させるモータとで構成され、
    前記光路変換手段の回転の中心軸方向に、5μm以下の送りピッチで前記光線を動かす手段を備え、
    スポット径がφ5μm以上φ20μm以下となる前記光線を、前記透光性パイプを通して回転放射することを特徴とする光学式測定装置。
  2. 前記スポット径の径方向であって前記中心軸方向に直交する方向における、前記光線の送りピッチを10μm以下とする手段を備えることを特徴とする請求項1記載の光学式測定装置。
  3. 予めコンピュータに記憶させた前記透光性パイプの直径(D1)のデータと、
    前記回転放射した光線の反射光を捉えて測定した、前記透光性パイプの内周面または外周表面から前記被測定物の前記穴の内周面までの半径距離(ΔR1〜ΔRn、n=0deg〜360deg)の測定データとから、
    距離(D=D1+ΔRn+ΔR(n+180deg))を計算して求めることにより、前記光路変換手段の回転振れおよび回転振動の影響を除外した補正後の三次元データを収集し、当該補正後の三次元データから、前記被測定物の内径に対する端面の直角度または傾斜角度を求めることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式測定装置。
  4. 前記光路変換手段は先端に傾斜する略平面を有するミラーまたはプリズムであることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の光学式測定装置。
  5. 前記被測定物の上下端からそれぞれ0.5mm以下の位置の断面の重心点の座標を求め、この2点を結ぶ仮想中心線を基準として、端面の傾斜角度または直角度を計算する請求項1〜4何れか1項に記載の光学式測定装置。
  6. 前記モータの回転軸部を中空形状とし、回転軸の中空穴には光ファイバーを、該回転軸に対して相対回転自在に挿通した請求項1〜5何れか1項に記載の光学式測定装置。
  7. 光干渉を利用して被測定物の穴の端部近傍の状態を三次元測定し、
    取得した三次元データから、前記穴と端面の直角度または傾斜角度を求めることを特徴とする光学式測定方法。
  8. 光線を透光性パイプを通して、前記穴の内周面に向けて回転放射し、
    予めコンピュータに記憶させた前記透光性パイプの直径(D1)のデータと、
    前記回転放射した光線の反射光を捉えて測定した、前記透光性パイプの内周面または外周表面から前記被測定物の前記穴の内周面までの半径距離(ΔR1〜ΔRn、n=0deg〜360deg)の測定データとから、
    距離(D=D1+ΔRn+ΔR(n+180deg))を計算して求めることにより、前記光路変換手段の回転振れおよび回転振動の影響を除外した前記三次元データを収集し、直角度または傾斜角度を求めることを特徴とする請求項7に記載の光学式測定方法。
  9. 前記透光性パイプを通して放射される光線のスポット径をφ5μm以上φ20μm以下とし、
    前記回転の軸方向における、前記光線の送りピッチを5μm以下とし、
    前記スポット径の径方向であって前記中心軸方向に直交する方向における、前記光線の送りピッチを10μm以下とすることを特徴とする請求項7または8に記載の光学式測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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