JPH07647B2 - ブロツク共重合体 - Google Patents

ブロツク共重合体

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JPH07647B2
JPH07647B2 JP7784487A JP7784487A JPH07647B2 JP H07647 B2 JPH07647 B2 JP H07647B2 JP 7784487 A JP7784487 A JP 7784487A JP 7784487 A JP7784487 A JP 7784487A JP H07647 B2 JPH07647 B2 JP H07647B2
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明正 青山
健 守谷
潔 米津
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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は溶融成形可能で、他の熱可塑性樹脂との積層成
形性が良好で、しかも柔軟性、耐屈曲疲労性、耐気体透
過性に優れた、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
(以下EVOHと記す)成分とポリエーテル成分とを有する
ブロツク共重合体に関する。
B.従来の技術 EVOHは耐気体透過性、耐油性、耐溶剤性、保香性等に優
れた溶融成形可能な熱可塑性樹脂として広く知られ、種
々の包装分野でフイルム、シート、容器等に用いられ、
特に他の熱可塑性樹脂との積層体として広く用いられて
いる。
しかしながら、EVOHは硬くて脆く、柔軟性に欠ける欠点
を有しており、EVOH層を有する積層包装材に対する、例
えば輸送による強度の振動、屈曲疲労等で、EVOH層にク
ラツク、ピンホールを生じ、優れた耐気体透過性を保持
することができない。
また、EVOHは他の熱可塑性樹脂と共押出などにより積層
し、これを延伸成形した場合、EVOH層にクラツクや延伸
ムラが生じるという欠点がある。
C.発明が解決しようとする問題点 本発明は柔軟性に優れ、しかも耐屈曲疲労性、耐気体透
過性に優れた、EVOH成分を有するブロツク共重合体を得
んとするものである。
D.問題を解決するための手段 本発明はエチレン含量20〜60モル%、酢酸ビニル成分の
けん化度95モル%以上のEVOH成分10〜98重量%と該成分
の末端にポリエーテル成分2〜90重量%を有し、かつメ
ルトインデツクス0.1〜250g/10分であるブロツク共重合
体。
E.発明のより詳細な説明 本発明に使用されるEVOHはエチレン含量20〜60モル%、
好適には25〜55モル%、酢酸ビニル成分のけん化度95%
以上、好適には98%以上である。エチレン含量が20モル
%以下では成形性が悪化するばかりでなく、高湿度下で
の耐気体透過性が悪化する。エチレン含量が60モル%以
上になると耐気体透過性が大きく悪化する。またけん化
度が95%未満では柔軟性が増すものの耐気体透過性が悪
化し好ましくない。またEVOHの特性を損わない範囲で、
共重合可能な他の不飽和単量体を含んでも何ら差しつか
えはない。なおここでエチレン含量20〜60モル%とはポ
リエーテル成分を除いたEVOH中に占めるエチレンの含有
量を示す。
本発明に使用されるポリエーテルは、オキシエチレン単
位、オキシプロピレン単位、オキシエチレン−オキシプ
ロピレン単位、オキシテトラメチレン単位等のオキシア
ルキレン単位を主体として構成されるものがあげられる
が、特にオキシプロピレン単位を主体とするものが好適
である。ポリエーテルの分子中には、例えば、ポリメチ
レン単位、アミド基、ウレタン基、エステル基、フエニ
ル基等を含有してもよい。
本発明におけるブロツク共重合体のEVOH成分とポリエー
テル成分の重量比によつて、その性質は大きく変化す
る。柔軟性の付与から、ポリエーテル成分は2重量%以
上、好ましくは5重量%以上必要であり、一方耐気体透
過性の面からポリエーテル成分は90重量%以下、とくに
50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。したが
つてEVOH成分は10〜98重量%、とくに50〜98重量%、好
ましくは80〜95重量%である。
ポリエーテル成分をEVOHの末端に付加するには、いくつ
かの方法が考えられる。例えば末端(片末端または両末
端)にメルカプト基を有するポリエーテルの存在下に酢
酸ビニル、エチレンを共重合し、これをけん化する方
法、あるいは末端(片末端)にメルカプト基を有するEV
OHの存在下に末端(片末端または両末端)に重合性の二
重結合を有するポリエーテルを重合する等の方法があげ
られる。かくして、ポリエーテルをP、EVOHをEで表わ
すとして、P−EあるいはE−P−Eで示されるブロツ
ク共重合体が得られる。
ここで末端に重合性の二重結合を有するポリエーテルと
は、 一般式 〔ただし、Rは水素またはメチル基、R1、R2は水素また
は炭素数1〜10のアルキル基、R3は水素、炭素数1〜10
のアルキル基、アルキルエステル(アルキル中の炭素数
1〜10)基、アルキルアミド(アルキル中の炭素数1〜
10)基等を示し、nは1〜100の整数を示す。〕で示さ
れる(メタ)アリルエーテル型のもの(例:ポリオキシ
エチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレ
ン(メタ)アリルエーテル等)、あるいは 一般式 〔ただし、R、R1、R2、R3は前記と同様〕で示される
(メタ)アリルエーテル型のもの、あるいは、 一般式 〔ただし、R4は水素、炭素数1〜10のアルキル基または Xは炭素数1〜10のアルキレン基、置換アルキレン基、
フエニレン基、置換フエニレン基、mは0または1〜20
の整数を、n、pは1〜100の整数をそれぞれ示す。
R1、R2、R3は前記と同様〕で示される片末端に二重結合
を有する(メタ)アクリルアミド型のもの(例:ポリオ
キシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプ
ロピレン(メタ)アクリル酸アミド等)、あるいは、 一般式 〔ただし、R、R1、R2、R3、X、m、nは前記と同様〕
で示される(メタ)アクリル酸エステル型のもの(例:
ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシ
プロピレン(メタ)アクリレート等)、あるいは、 一般式 〔ただし、R1、R2、R3、X、m、nは前記と同様〕で示
されるビニルエーテル型のもの(例:ポリオキシエチレ
ンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテ
ル等)である。
このようにして得られたEVOH系ポリマーのメルトインデ
ツクス(MI)は0.1〜250g/10分、とくに0.1〜50g/10
分、好ましくは0.3〜25g/10分に調節される。(ASTMD−
1238−65Tにより190℃で測定;ただし、融点が190℃付
近あるいは190℃を越えるものは2160g荷重下、融点以上
の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数
を横軸、メルトインデツクスを縦軸としてプロツトし、
190℃に外挿した値)MIの調節はEVOH成分、ポリエーテ
ル成分の重合度、EVOH成分とポリエーテル成分の重量比
によつて行われる。
このようにして得られた本発明のブロツク共重合体は通
常のEVOHと比較して、ヤング率が2/3〜1/10になり、柔
軟で、溶融成形性、他の熱可塑性樹脂の積層性が良好で
あり、さらに耐気体透過性も優れているので、包装材
料、とくに食品包装材料、積層包装材料として優れてい
る。
以下実施例により本発明をさらに説明する。
F.実施例 実施例1 片末端に重合性の二重結合をもつ分子量1500のポリオキ
シプロピレンアリルエーテル(日本油脂(株)製ユニセ
ーフPKA−5014)1000gおよびベンゾイルパーオキサイド
0.065gを容量2lの攪拌機付き反応槽に仕込み、内温を40
℃に保ち、チオ酢酸を47g/時間の速度で3時間、攪拌し
ながら連続的に添加した。ついで未反応のチオ酢酸を35
〜40℃で減圧下に反応系から除去した。次に、メタノー
ル200g、水酸化ナトリウム0.55gを加え、窒素気流下60
℃で2時間攪拌してから、酢酸を加えて過剰の水酸化ナ
トリウムを中和した。かくして得られたメルカプト化ポ
リオキシプロピレンのメルカプト基はI2による滴定の結
果、6.45×10-4eq/gであり、二重結合を有する末端はほ
ぼ定量的にメルカプト化された。
次に容量50lで内部に冷却用コイルをもつ、攪拌機付き
重合槽に、酢酸ビニル27.6kg、メルカプト化ポリオキシ
プロピレン11gを仕込み、重合槽内の空気を窒素で置換
した後、60℃に昇温し、エチレンを仕込んで圧力を43kg
/cm2とした。ついで重合開始剤2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル31gをメタノール400mlに溶解して添加し、
以後メルカプト化ポリオキシプロピレンを147g/時間の
速度で5時間添加して重合反応を実施した。酢酸ビニル
の重合率は39%であつた。ついで該共重合反応液を追出
塔に供給し、塔下部からのメタノールの導入により、未
反応酢酸ビニルを塔頂から除去した後、常法により水酸
化ナトリウムを触媒としてけん化反応を実施した。つい
で十分に水洗した後、希薄酢酸水溶液中で浸漬処理して
から、窒素気流下60〜105℃で乾燥した。かしくて得ら
れたEVOH系共重合体はポリオキシプロピレンがEVOHの片
末端に付加したブロツク共重合体であり、その組成はNM
Rで分析した結果、エチレン含量31.9モル%、ポリオキ
シプロピレン含量9.4重量%、酢酸ビニル成分のけん化
度99.4%であつた。また、190℃、2160g荷重の条件下、
ASTM D−1238−65Tの方法で測定したMIは6.7g/10分であ
つた。
次に、該共重合体(以下共重合体Aと記す)単品のヤン
グ率および該共重合体を中間層に配した積層フイルムの
耐屈曲疲労性および酸素透過量を測定した。
ヤング率は、該共重合体を押出機とTダイを有する製膜
機を用い、押出機温度180〜220℃、Tダイ温度225℃の
条件で押圧製膜したフイルムを20℃、65%RHの条件下、
7日間調湿したものを試料とし、ASTM D−638に準じて
オートグラフにより、引張速度200%/minの条件で測定
した。
耐屈曲性および酸素透過量は、次の方法で製膜した3種
5層の積層フイルム(内層/接着剤層/中間層/接着剤
層/外層)を試料として測定した。製膜機は内外層用押
出機、中間層用押出機、接着剤層用押出機各1基と5層
用Tダイとからなり、成形温度は内外層用押出機160〜2
20℃、中間層用押出機180〜220℃、接着剤層用押出機12
0〜220℃、Tダイ225℃であつた。中間層は前記共重合
体A、内外層は4−メチル−1−ペンテンを共重合成分
とし、該共重合成分を2.6モル%含む、MI2.1g/10分の直
鎖状低密度ポリエチレン、接着剤層は酢酸ビニル含量33
重量%、無水マレイン酸変性度1.5重量%の変性エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(MI2.0g/10分)である。該積
層フイルムの厚み構成は、中間層12μ、内外層各30μ、
接着剤層各5μであつた。
耐屈曲疲労性の試験は、ゲルボフレツクステスター(理
学工業(株)製)を使用し、12in×8inの試料片を の円筒状となし、両端を把持し、初期把持間隔7in、最
大屈曲時の把持間隔1in、ストロークの最初の で440℃の角度のひねりを加え、その後の は直線水平動である動作をくり返し往復動を40回/分の
速さで、20℃、65%RHの条件下に実施した。
酸素ガス透過量の測定は、Modern Control社製OX−TRAN
100を使用し、20℃、65%RHおよび20℃、85%RHの条件
下、7日間調湿後に実施した。該測定に供した試料は、
前記耐屈曲疲労性の試験においてくり返し往復動の回数
を種々変えた試料である。
ピンホール数の測定は、吸取紙の上に試料を重ねその上
に染料(赤色)塗り、ローラーでこすったあと、試料を
はがし、吸取紙上の着色個数を調べることにより、行な
われた。
これらの測定結果を第1表、第2表に示す。
対照例1 実施例1においてエチレン含量31.9モル%、ポリオキシ
プロピレン含量9.4重量%、酢酸ビニル成分のけん化度9
9.4%、MI6.7g/10分のEVOH系共重合体に代えて、エチレ
ン含量32.0モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.4%、
MI6.4g/10分のEVOHを用いたほかは同例と同様にして評
価した結果を第1表、第2表に示す。
実施例2 実施例1において、4−メチル−1−ペンテン変性直鎖
状低密度ポリエチレンに代えて、1−オクテンを共重合
成分とし、該共重合成分を3.3モル%含む、MI1.6g/10分
の直鎖状低密度ポリエチレンを内外層に用いたほかは同
例と同様にして積層フイルムを得て、耐屈曲疲労性およ
び酸素透過量を測定した。結果を第3表に示す。
対照例2 実施例2において、エチレン含量32.0モル%、酢酸ビニ
ル成分のけん化度99.4%、MI6.4g/10分のEVOHを中間層
に用いたほかは同例と同様にして積層フイルムを得て、
耐屈曲疲労性および酸素透過量を測定した。結果を第3
表に示す。
実施例3 実施例1と同様の方法で、前記メルカプト化ポリオキシ
プロピレンを連続的に添加しながら、酢酸ビニルとエチ
レンを共重合し、ついで未反応酢酸ビニルの除去、けん
化、洗浄、乾燥を行い、ポリオキシプロピレンがEVOHの
片末端に付加したブロツク共重合体を得た。その組成は
NMRで分析した結果、エチレン含量37.9モル%、ポリオ
キシプロピレン含量13.1重量%、酢酸ビニル成分のけん
化度99.6%であつた。また該共重合体のMIは10.1g/10分
であつた。
次に実施例1と同様にして、該共重合体(以下共重合体
Bと記す)単品フイルムのヤング率を測定するととも
に、中間層を共重合体Bとしたほかは実施例1と同一構
成の積層フイルムを製膜して、その耐屈曲疲労性および
酸素透過量を測定した。結果を第4表および第5表に示
す。
対照例3 実施例3において共重合体Bに代えて、エチレン含量3
8.2モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5%、MI9.6g/
10分のEVOHを用いたほかは同例と同様にして評価した結
果を第4表、第5表に示す。
実施例4 両末端に重合性の二重結合をもつ分子量3000のポリオキ
シプロピレンアリルエーテル(日本油脂(株)製ユニセ
ーフPKA−5018)1000gおよびベンゾイルパーオキサイド
7mgを容量2lの攪拌機付き反応槽に仕込み、内温を30℃
に保ち、チオ酢酸を27g/時間の速度で3時間、攪拌しな
がら連続的に添加した。ついで未反応のチオ酢酸を35〜
40℃で減圧下に反応系から除去した。次に、メタノール
200g、水酸化ナトリウム0.55gを加え、窒素気流下60℃
で2時間攪拌してから、酢酸を加えて過剰の水酸化ナト
リウムを中和した。かくして得られたメルカプト化ポリ
オキシプロピレンのメルカプト基はI2による滴定の結
果、6.56×10-4eq/gであり、二重結合を有する両末端は
ほぼ定量的にメルカプト化された。
次に実施例1と同一の重合槽に、酢酸ビニル26.1kg、上
記メルカプト化ポリオキシプロピレン11gを仕込み、重
合槽内の空気を窒素で置換した後、60℃に昇温し、エチ
レンを仕込んで圧力を44kg/cm2とした。ついで重合開始
剤2,2′−アゾビスイソブチロニトリル50gをメタノール
500mlに溶解して添加し、以後メルカプト化ポリオキシ
プロピレンを230g/時間の速度で3.3時間添加して重合反
応を実施した。酢酸ビニルの重合率は42%であつた。つ
いで該共重合反応液を追出塔に供給し、塔下部からのメ
タノールの導入により、未反応酢酸ビニルを塔頂から除
去した後、常法により水酸化ナトリウムを触媒としてけ
ん化反応を実施した。ついで十分に水洗した後、希薄酢
酸水溶液中で浸漬処理してから、窒素気流下60〜105℃
で乾燥した。かくして得られたEVOH系共重合体はポリオ
キシプロピレンの両末端にEVOHが付加したブロツク共重
合体であり、その組成はNMRで分析した結果、エチレン
含量31.0モル%、ポリオキシプロピレン含量9.7重量
%、酢酸ビニル成分のけん化度99.3%であつた。また、
MIは1.4g/10分であつた。
次に実施例1と同様にして、該共重合体(以下共重合体
Cと記す)単品フイルムのヤング率を測定するととも
に、中間層を共重合体Cとしたほかは実施例2と同一構
成の積層フイルムを製膜して、その耐屈曲疲労性および
酸素透過量を測定した。結果を第6表および第7表に示
す。
対照例4 実施例4において共重合体Cに代えて、エチレン含量3
1.3モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5%、MI1.6g/
10分のEVOHを用いたほかは同例と同様にして評価した結
果を第6表、第7表に示す。
実施例5 実施例4と同様の方法で、実施例4に示したメルカプト
化ポリオキシプロピレンを連続的に添加しながら、酢酸
ビニルとエレチンを共重合し、ついで未反応酢酸ビニル
の除去、けん化、洗浄、乾燥を行い、ポリオキシプロピ
レンの両末端にEVOHが付加したブロツク共重合体を得
た。その組成はNMRで分析した結果、エチレン含量43.8
モル%、ポリオキシプロピレン含量15.2重量%、酢酸ビ
ニル成分のけん化度99.6%であつた。また該共重合体の
MIは6.1g/10分であつた。
次に実施例1と同様にして、該共重合体(以下共重合体
Dと記す)単品フイルムのヤング率を測定するととも
に、中間層を共重合体Dとしたほかは実施例1と同一構
成の積層フイルムを製膜して、その耐屈曲疲労性および
酸素透過量を測定した。結果を第8表および第9表に示
す。
対照例5 実施例5において共重合体Dに代えて、エチレン含量4
4.1モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5%、MI5.8g/
10分のEVOHを用いたほかは同例と同様にして評価した結
果を第8表、第9表に示す。
実施例6 両末端に重合性の二重結合をもつ分子量3000のポリオキ
シプロピレンアリルエーテル(日本油脂(株)製ユニセ
ーフPKA−5018)500gおよびベンゾイルパーオキサイド4
mgを容量1lの攪拌機付き反応槽に仕込み、室温下チオ酢
酸を13g/時間の速度で3時間、攪拌しながら連続的に添
加した。ついで未反応のチオ酢酸を30〜45℃で減圧下に
反応系から除去した。次に、メタノール100g、水酸化ナ
トリウム1.1gを加え、窒素気流下60℃で2時間攪拌して
から、酢酸を加えて過剰の水酸化ナトリウムを中和し
た。かくして得られたメルカプト化ポリオキシプロピレ
ンのメルカプト基はI2による滴定の結果6.56×10-4eq/g
であり、二重結合を有する両末端はほぼ定量的にメルカ
プト化された。
次に、容量50lで内部に冷却用コイルをもつ、攪拌機付
き重合槽に、酢酸ビニル14.5kg、メルカプト化ポリオキ
シプロピレン31gを仕込み、重合槽内の空気を窒素で置
換した後、60℃に昇温し、エチレンを仕込んで圧力を43
kg/cm2とした。ついで、重合開始剤2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)14gを300mlのメタノ
ールに溶解して添加し、以後メルカプト化ポリオキシプ
ロピレンを440g/時間の速度で4時間添加して重合反応
を実施した。酢酸ビニルの重合率は42%てあつた。つい
で該共重合反応液を追出塔に供給し、塔下部からのメタ
ノールの導入により、未反応酢酸ビニルを塔頂から除去
した後、常法により水酸化ナトリウムを触媒としてけん
化反応を実施した。ついで十分にアセトン洗浄および水
洗浄をした後、希薄酢酸水溶液中で浸漬処理してから窒
素気流下60〜105℃で乾燥した。かくして得られたEVOH
系共重合体は、ポリオキシプロピレンの両末端にEVOHが
付加したブロツク共重合体であり、その組成はNMRで分
析した結果、エチレン含量30.8モル%、ポリオキシプロ
ピレン含量31重量%、酢酸ビニル成分のけん化度99.1%
であつた。MIは120g/10分であつた。
このようにして得られたEVOH系ブロツク共重合体が、EV
OHがポリオキシプロピレンの両末端に付加されたブロツ
ク共重合体、すなわちEVOH−s−ポリオキシプロピレン
−s−EVOHで構成されるブロツク共重合体(sは硫黄原
子を示す)であることを確認するために、EVOH系ブロツ
ク共重合体を再酢化し、次いで500MHz H−NMRで観察
した。このNMRのスペクルを第1図に示す。2.6ppmに硫
黄原子に隣接しているメチレンプロトンシグナルが確認
され、これによつてこの再酢化物はエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体がポリオキシプロピレンの両末端に付加され
ているブロツク共重合体であることがわかる。したがつ
てまた、再酢化前のEVOH系ブロツク共重合体も、EVOHが
ポリオキシプロピレンの両末端に付加されているブロツ
ク共重合体であることがわかる。
G.発明の作用効果 本発明のブロツク共重合体は溶融成形可能で、他の熱可
塑性樹脂との積層成形性が良好で、しかも柔軟性、耐屈
曲疲労性、耐気体透過性に優れているので、各種包装材
料、とくに食品包装材料ととしてきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は500MHz H−NMRのスペクトルであり、実施例
6のEVOH系ブロツク共重合体の再酢化物を測定したもの
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含量20〜60モル%、酢酸ビニル成
    分のけん化度95モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重
    合体けん化物成分10〜98重量%と該成分の末端にポリエ
    ーテル成分2〜90重量%を有し、かつメルトインデツク
    ス0.1〜250g/10分であるブロツク共重合体。
  2. 【請求項2】ポリエーテル成分がオキシプロピレン単位
    から構成される特許請求の範囲第1項記載のブロツク共
    重合体。
  3. 【請求項3】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物成
    分が50〜98重量%であり、ポリエーテル成分が2〜50重
    量%であり、メルトインデツクスが0.1〜50g/10分であ
    る特許請求の範囲第1項記載のブロツク共重合体。
  4. 【請求項4】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物成
    分が80〜95重量%であり、ポリエーテル成分が5〜20重
    量%であり、メルトインデツクスが0.3〜25g/10分であ
    る特許請求の範囲第1項記載のブロツク共重合体。
  5. 【請求項5】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物が
    エチレン25〜55モル%、酢酸ビニル成分のけん化度98モ
    ル%以上である特許請求の範囲第1項記載のブロツク共
    重合体。
JP7784487A 1986-03-31 1987-03-30 ブロツク共重合体 Expired - Fee Related JPH07647B2 (ja)

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JP61-74934 1986-03-31

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JPS6346202A JPS6346202A (ja) 1988-02-27
JPH07647B2 true JPH07647B2 (ja) 1995-01-11

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