JPH0764741B2 - 栄養組成物 - Google Patents

栄養組成物

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JPH0764741B2
JPH0764741B2 JP61184859A JP18485986A JPH0764741B2 JP H0764741 B2 JPH0764741 B2 JP H0764741B2 JP 61184859 A JP61184859 A JP 61184859A JP 18485986 A JP18485986 A JP 18485986A JP H0764741 B2 JPH0764741 B2 JP H0764741B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば輸液に用いられる哺乳動物のための栄
養組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来、経静脈的に窒素源を投与する場合、アミノ酸を他
の栄養素と共に投与する完全静脈栄養法が患者の栄養改
善、補給に広く使用されている。アミノ酸液には、蛋白
水解物と結晶アミノ酸混合液の二つがあるが、配合比を
自由に調整することができ、副作用が少ないことから、
わが国では専ら後者が用いられている。
しかしながら、結晶アミノ酸のなかには、滅菌条件下で
不安定なものや溶解性の低いものがあり、その配合時に
種々の製剤学的制約を受ける。とくに、近年病態におけ
るアミノ酸代謝の著しい変化が明らかになるにつれて、
外科侵襲におけるグルタミン(Roth.E,et al,Clinical
Nutrition.,,25−1(1982))、外科侵襲時や肝臓病
における分鎖アミノ酸(ロイシン、バリン、イソロイシ
ン)(Adibi,S.A.(eds)Branched chain amino and ke
to acids in Health and disase(Karger,Basel 198
4)、尿毒症におけるチロシン(Alverstrand.A.et,Clin
ical Nephralogy 18,297−305(1982))、未熟児、新
生児におけるシスチン(またはシステイン)とチロシン
(Sturman.J.A.et al.Science.,169,74−75(1970))
の重要性が指摘されている。しかし、例えばグルタミン
はpH6.5、120℃、10分間の滅菌条件下で、残存率が13.6
%と不安定であり、チロシンとシスチンは溶解度が25℃
でそれぞれ0.045、0.011g/dlに過ぎず、輸液として必要
量を十分に供給することが困難であった。また、ロイシ
ン、バリン、イソロイシンの溶解度も25℃でそれぞれ、
2.19、8.85、4.12g/dlと比較的低く、高濃度の輸液を調
製する場合、問題になる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
不安定なアミノ酸や溶解性の低いアミノ酸による製剤学
的制約を受けずに、必要なアミノ酸を必要なだけ含有し
た栄養組成物を随意に調製する技術の開発が望まれてい
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意研究した
結果、L−グルタミンをα−L−アスパルチル−L−グ
ルタミン、L−チロシンをα−L−アスパルチル−L−
チロシン、L−シスチンをN,N′−ビス−α−L−アス
パルチル−L−シスチン、L−ロイシンをα−L−アス
パルチル−L−ロイシン、L−バリンをα−L−アスパ
ルチル−L−バリン、L−イソロイシンをα−L−アス
パルチル−L−イソロイシン、L−トリプトフアンをα
−L−アスパルチル−L−トリプトフアンに置き換える
ことにより、結晶アミノ酸の不安定性や低溶解性といっ
た製剤学的欠点を解消し、かつ生体にも有効に利用され
ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は必須アミノ酸を含有する栄養組成物
において、α−L−アスパチル−L−チロシン、N,N′
−ビス−α−アスパルチル−L−シスチン、α−L−ア
スパルチル−L−グルタミン、α−L−アスパルチル−
L−ロイシン、α−L−アスパルチル−L−バリン、α
−L−アスパルチル−L−イソロイシン、α−L−アス
パルチル−L−トリプトファンからなる群から選ばれる
ジペプチドを少なくとも一種含有することを特徴とする
栄養組成物に関するものである。
本発明に用いられるL−アスパラギン酸残基をN−末端
に有するジペプチドを合成するには、アミノ基およびβ
−カルボキシル基を保護したアスパラギン酸と、カルボ
キシル基を保護した所望のアミノ酸、例えばチロシン、
グルタミンとを縮合した後、保護基を脱離することによ
って達成される。
アミノ基の保護基としては、ベンジルオキシカルボニル
基、t−ブチルオキシカルボニル基、ホルミル基、フタ
リル基などが、また、カルボキシル基の保護基として
は、メチル基、ベンジル基、t−ブチル基などの通常の
ペプチド合成に用いる保護基が採用される。
縮合は、クロルギ酸エステル等を用いる混合酸無水物
法、ジシクロヘキシルカーボジイミド等の縮合剤を用い
る方法、さらにp−ニトロフェニルエステル、N−ヒド
ロキシコハク酸イミドエステル、N−ヒドロキシベンゾ
トリアゾールエステル等の活性エステルを経由する方法
等、ペプチド合成に慣用されている方法で行なうことが
できる。
活性エステル法の場合には、縮合するアミノ酸はカルボ
キシル基を無保護状態で塩基の存在下に縮合できる利点
がある。別の方法として、アミノ基を保護したアスパラ
ギン酸の無水物にチロシン、グルタミン等のアミノ酸の
塩基の存在下に反応させた後、脱保護し、α−ペプチド
を分離することによっても合成することができる。
なお、本実施例で合成したAsp−Gln、Asp−Tyr、 Asp−Leu、Asp−Val Asp−IleおよびAsp−Trpの物性値
は次のとおりである。
Asp−Gln ▲〔α〕25 D▼:+11.6゜(C=2,水) マススペクトル:262〔M+H〕(分子量261) 薄層クロマトグラフィー(シリカゲル): Rf=0.31(展開液 BuOH:酢酸:水=2:1:1、検出 ニン
ヒドリン発色) Asp−Try ▲〔α〕25 D▼:+19.5゜(C=2,水) マススペクトル:297〔M+H〕(分子量296) 薄層クロマトグラフィー(シリカゲル): Rf=0.57(展開液 BuOH:酢酸:水=2:1:1検出 ニンヒ
ドリン発色) ▲〔α〕20 D▼:−95.9゜(C=2,水) マススペクトル:471〔M+H〕(分子量470) 薄層クロマトグラフィー(シリカゲル): Rf=0.18(展開液 BuOH:酢酸:水=2:1:1、検出 ニン
ヒドリン発色) Asp−Leu ▲[α]25 D▼:−11.1゜(C=2、水) マススペクトル:247[M+H](分子量246) 薄層クロマトグラフィー(シリカゲル): Rf=0.55(展開液 BuOH:酢酸:水=2:1:1、検出 ニン
ヒドリン発色) Asp−Val ▲[α]20 D▼:+8.0゜(C=1、水) マススペクトル:233[M+H](分子量232) 薄層クロマトグラフィー(シリカゲル): Rf=0.38(展開液 BuOH:酢酸:水=2:1:1、検出 ニン
ヒドリン発色) Asp−Ile ▲[α]25 D▼:+9.1゜(C=2、水) マススペクトル:247[M+H](分子量246) Asp−Trp ▲[α]20 D▼:+7.3゜(C=1、水) マススペクトル:320[M+H](分子量319) 薄層クロマトグラフィー(シリカゲル): Rf=0.55(展開液 BuOH:酢酸:水=2:1:1、検出 ニン
ヒドリン発色) 本発明の栄養組成物を構成するアミノ酸は、L−アルギ
ニン(Arg)、ヒスチジン(His)、イソロ イシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メ
チオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、スレオニ
ン(Thr)、トリプトファン(Try)、バリン(Val)等
の必須アミノ酸のほか、L−アラニ(Ala)、アスパラ
ギン酸(Asp)、シスチン(Cys)、グルタミン(Gl
n)、グリシン(Gly)、プロリン(Pro)、セリン(Se
r)、チロシン(Tyr)等があり、患者の病状によって所
望のアミノ酸を配合して調製する。
これらのアミノ酸のうち、結晶アミノ酸の形では不安定
であったり、溶解性の低いグルタミン、シスチン、チロ
シン、ロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファ
ンのうち少なくとも一種はN−末端にアスパラギン酸残
基を有するジペプチドの形で配合する。
このようなグルタミン、シスチンなどの不足しやすいア
ミノ酸を補給するうえで好ましい栄養組成物の一例を上
げると、水溶液中にα−L−アスパルチル−L−チロシ
ンが0.045〜5重量%、N,N′−ビス−α−L−アスパル
チル−L−シスチンが0.011〜5重量%、α−L−アス
パルチル−L−グルタミンが0.35〜5重量%、α−L−
アスパルチル−L−ロイシンが0.1〜10重量%、α−L
−アスパルチル−L−バリンが0.1〜10重量%、α−L
−アスパルチル−L−イソロイシンが0.1〜10重量%、
α−L−アスパルチル−L−トリプトファンが1.14〜5
重量%が上記必須アミノ酸などと共に含まれているもの
である。
〔作 用〕
本発明に係る栄養組成物のなかで、ジペプチドの代表例
は、上記のようにα−L−アスパルチル−L−グルタミ
ン(以下、Asp−Glnのように略記する。)、α−L−ア
スパルチル−L−チロシン(Asp−Tyr)、N,N′−ビス
−α−L−アスパルチル−L−シスチン α−L−アスパルチル−L−ロイシン(Asp−Leu)、α
−L−アスパルチル−L−バリン(Asp−Val)、α−L
−アスパルチル−L−イソロイシン(Asp−Ile)、α−
L−アスパルチル−L−トリプトファン(Asp−Trp)で
ある。このうち、Asp−Glnは表1に示すように、121
℃、10分間の滅菌条件下で残存率が82.7%と高く、アス
パラギン酸残基を有しないL−Glnの13.6%に比べて非
常に安定である。
また、L−トリプトファンは121℃、20分間の滅菌条件
下では表2に示すように着色が問題となるが、Asp−Trp
ではほとんど問題なくなる。
また、Asp−TRyr、 Asp−Leu、Asp−ValおよびAsp−Trpは表3に示すように
アミノ酸単体と比較して水に対する溶解性が大巾に向上
する。
また、AdibiはN末端残基としてグリシンを有するオリ
ゴペプチド(ジペプチド、トリペプチド)から成る栄養
組成物を発明し、グリシン末端オリゴペプチドが水溶性
で、熱安定性も良好であると報告しているが(特開昭56
−140923号)、本発明によるジペプチドは溶解性が更に
改善されたものとなっている。
一方、これらのペプチドは、輸液として使用する場合、
生体内でアミノ酸まで加水分解される必要がある。
前記Adibiの発明によれば、経口的に投与されたペプチ
ドは、アミノ酸と異なる輸送系で小腸上皮細胞に取りこ
まれ、細胞内でアミノ酸に加水分解されるという。しか
し、経静脈的に投与されたペプチドが小腸と同様の機構
で、組織に取りこまれてから加水分解されるという証拠
は、腎臓の尿細管(Fonteles.M.C.et al,Life Science
s.,33,431−436(1983)参照)以外には見出されていな
い。
本発明Asp−Tyrと前記Gly−Tyrを経静脈的に投与した後
の血中チロシン濃度一時間曲線から得られ濃度曲線下面
積(Area Under the Curv AUC)をみると、当該アミノ
酸への変換量はそれぞれ790.2±79.4,816.9±17.7(μm
ol/dl×min)であって両者に実質的差が認められない。
従って、グリシン残基をN−末端に有するオリゴペプチ
ドが特に細胞に取りこまれやすいとは言えない。他方、
血中チロシン濃度の増加量に着目すると、経静脈的に投
与されたペプチドは大部分が血中または細胞膜上のペプ
チダーゼの作用によりアミノ酸まで加水分解されてから
組織に同化されるとも考えることができる。
本発明のAsp−Tyrと前記Gly−Tyrの半減期はそれぞれ、
0.55,1.03分、最大血漿チロシン濃度はそれぞれ85.0,6
3.9μmol/dlであって、前者の方が血中で速くアミノ酸
へ変換されて消失するから、輸液用ペプチドに適してい
る。
以上のように、N−末端アミノ酸残基としてアスパラギ
ン酸を有するジペプチドを輸液として用いると、従来の
結晶アミノ酸の製剤学上の問題が解決されるばかりでな
く、生体内での利用性が高いことがわかる。
以下に、本発明の内容および効果を明らかにするため、
ジペプチドの合成例および実施例により具体的に説明す
る。
〔合成例1〕 例中の次の略語はそれぞれ以下の意味を表わす。
EDC エチレンジクロリド Boc 第三ブチルオキシカルボニル基 Z ベンジルオキシカルボニル OBut 第三ブチルオキシ基 OBzl ベンジルオキシ基 DCC ジシクロヘキシルカルボジミド DCU ジシクロヘキシルウレア HOBt 1−オキシベンゾトリアゾール Boc−Asp(OBut)−OHジシクロヘキシルアミン塩49.35g
(105ミリモル) (100ミリモル)をEDC1.0に加え、次にパラトルエン
スルホン酸20.0g(105ミリモル)、HOBt14.2g(105ミリ
モル)を加え溶解した。これに0〜5℃にてDCC21.6g
(105ミリモル)EDC溶液150mlを加え0〜5℃にて4時
間反応後、更に室温(20〜30℃)で18時間反応させた。
生成したDCUを濾別し、濾液を順次水1.0、5%炭酸水
素ナトリウム水溶液1.0、5%クエン酸水溶液1.0、
水1.0で洗浄した後EDCを減圧留去し、残渣をジオキサ
ン1.0に溶かし0〜5℃に冷却した。これに0〜5℃
に冷却した4規定塩酸ジオキサン溶液2.0を加え、0
〜5℃で4時間反応させた後、更に室温(20〜30℃)で
20時間反応させた。生成した沈澱を濾別し、水1.0に
溶解させ、1規定水酸化ナトリウム水溶液でpHを29に調
整し減圧下に400mlまで濃縮した。この濃縮液をセファ
デックスG−15(登録商標ファルマシア社)による分子
ふるいクロマトグラフィーで脱塩・精製した後に凍結乾
燥して (68%)が得られた。このものはTLC(展開液ブタノー
ル:酢酸:水=2:1:1)で単一スポットを与えた(Rf=
0.18)。
〔合成例2〕 Asp−Trp Z−Asp(OBzl)−OH35.7g(100ミリモル)、N−ヒド
ロキシスクシンイミド11.5g(100ミリモル)をジオキサ
ン100mlに加えて溶解した。これに0〜5℃にてDCC21.6
g(105ミリモル)ジオキサン溶液100mlを加え0〜5℃
にて4時間反応させた。生成したDCUを濾別し、濾液をT
rp22.4g(110ミリモル)10%炭酸水素ナトリウム溶液40
0mlに0〜5℃にて加え、0〜5℃で3時間、更に室温
(20〜30℃)で18時間反応させた。未反応のTrpを濾別
し、濾液を1規定塩酸でpHを2.0にし、生じた沈殿を濾
別した。この沈殿を酢酸1.5と水500mlの混合液に懸濁
し、2%パラジウム炭素30gを加え水素気流中室温(20
〜30℃)で4時間接触還元を行なった。反応液を濾過
し、濾液を減圧乾固し残渣に水1.0を加え1規定水酸
化ナトリウム水溶液でpHを5.0にし、活性炭2gを加え40
℃で30分かくはんした後濾過し、濾液を減圧下に300ml
まで濃縮した。この液を1規定塩酸でpHを2.9にし0〜
5℃に冷却し、生じた沈殿を濾別乾燥して、Asp−Trp2
2.3g(70%)が得られた。このものはTLC(展開液ブタ
ノール:酢酸:水=2:1:1)で単一スポットを与えた(R
f=0.55)。
〔実施例1〕 表4に示すアミノ酸組成物に、Asp−Tyr6.31g、 を加え、これに注射用蒸留水をを加えて全量を1と
し、NaOH溶液でpHを6.5に調整した。この液を加熱溶解
した後、ミリポアフィルターで過し、ガラスびんに充
填し、窒素ガス置換して密栓した。これを120℃、10分
間加熱滅菌して、輸液を調製した。
〔実施例2〕 表5に示すアミノ酸組成物に、Asp−Gln26.28gを加え、
これを注射用蒸留水に加熱溶解して1とし、NaOH溶液
でpHを6.5に調整した。この液をミリポアフィルタで
過し、200mlずつガラスびんに充填し、無菌窒素ガスを3
0秒吹きこんだ。密栓後、120℃、10分間加熱滅菌して輸
液を調製した。
〔実施例3〕 表6に示すアミノ酸組成物に、 Asp−Gln115.42g、Asp−Tyr5.7gを加え、注射用蒸留水
で加熱溶解後、全量を10とし、NaOH溶液でpHを6.5に
調整した後、実施例1と同様に処理して輸液を調製し
た。
〔実施例4〕 表7に示すアミノ酸組成物に、Asp−Ile25.7g、Asp−Le
u36.3g、Asp−Val41.6g、Asp−Trp12.2gを加え、これに
注射用蒸留水を加えて全量を1とし、NaOH水溶液でpH
を6.5に調整した。この液を加熱、溶解した後、ミリポ
ア・フィルターで過し、ガラスびんに充填し、窒素ガ
ス置換して密栓した。これを120℃、10分間加熱滅菌し
て、輸液を調製した。
〔試験例1〕 SD系ラットから採取調製した血漿1.5mlに基質として75m
Mのジペプチド水溶液0.2mlを加え、37℃で30分間反応さ
せた。
その結果、第1図に示すように、Asp−GlnはGly−Glnに
比ペ、またAsp−TyrはGly−Tyrに比べ、それぞれ加水分
解しやすいことがわかる。
〔試験例2〕 SD系ラット(♂150g)に中心静脈カテーテルを造設し、
一晩絶食後、無麻酔無拘束下でg体重当り0.5μmolのジ
ペプチドを投与し(対照として0.017μmolのL−Tyrを
投与した)、経時的に採血した。その結果を表8および
第2図に示した。
このように、本発明のAsp−TyrはGly−Tyrに比べて血中
からの消失が速いとがわかる。
また、血漿チロシン濃度への反映も表9および第3図か
ら明らかなように、Asp−Tyrは有意の高値を示した。一
方、対照としてL−Tyrを溶解度に相当する量だけ投与
した場合には、血中チロシン濃度はほとんど変動しなか
った。さらに、尿中へのAsp−Tyrの排泄量は投与量の0.
01%と痕跡程度に過ぎなかった。
以上の結果から、本発明に係るAsp−Tyrは生体内で十分
に利用され、しかも従来のGly−Tyrに比べてその利用性
の高いことがわかる。
〔試試験例3〕 試験例2と同様に0.5μmolのAsp−LeuまたはGly−Leuを
中心静脈カテーテルより投与し、経時的に採血した。そ
の結果を第4図と第5図に示した。このように、本発明
のAsp−LeuはGly−Leuに比べて血中からの消失が速く、
血漿ロイシン濃度への反映も1分後に高値を示し、その
後すみやかにロイシンは組織に取りこまれた。
〔発明の効果〕
以上から明らかな如く、本発明は結晶アミノ酸のN−末
端L−アスパラギン酸残基を結合させてジペプチドの形
に置き換えることで、熱安定や溶解性を著しく改善さ
れ、しかも生体内での利用性が高い栄養組成物を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るジペプチドと従来のジペプチドの
血漿における加水分解速度を比較して示すグラフ、第2
図は同じく時間と血漿中のジペプチド濃度との関係を示
すグラフ、第3図は同じく血漿中のチロシン濃度分布を
示すグラフ、第4図は本発明に係る他のジペプチドと従
来のジペプチドの時間と血漿中のジペプチド濃度との関
係を示すグラフ、第5図は同じく血漿中のロイシン濃度
分布を示すグラフでグラフである。 なお、各図において記号、略号の意義は次のとおりであ
る。 第1図 (イ) 血漿中から消失したジ−ペプチド濃度 (ロ) 血漿中に残存しているジ−ペプチド濃度 AGn α−L−アスパルチル−L−グルタミン GGn グリシル−L−グルタミン AT α−L−アスパルチル−L−チロシン GT グリシル−L−チロシン 第2図 ● α−L−アスパルチル−L−チロシン ○ グリシル−L−チロシン 第3図 ● α−L−アスパルチル−L−チロシン ○ グリシル−L−チロシン △ L−チロシン 第4図 ● α−L−アスパルチル−L−ロイシン ○ グリシル−L−ロイシン 第5図 ● α−L−アスパルチル−L−ロイシン ○ グリシル−L−ロイシン
フロントページの続き (72)発明者 神宮 知恵子 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 安田 直彦 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 審査官 松浦 新司 (56)参考文献 特開 昭56−140923(JP,A) 特公 昭38−12728(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須アミノ酸を含有する栄養組成物におい
    て、α−L−アスパルチル−L−チロシン、N,N′−ビ
    ス−α−アスパルチル−L−シスチン、α−L−アスパ
    ルチル−L−グルタミン、α−L−アスパルチル−L−
    ロイシン、α−L−アスパルチル−L−バリン、α−L
    −アスパルチル−L−イソロイシン、α−L−アスパル
    チル−L−トリプトファンからなる群から選ばれるジペ
    プチドを少なくとも一種含有することを特徴とする栄養
    組成物。
  2. 【請求項2】水溶液にα−L−アスパルチル−L−チロ
    シンが0.045〜5重量%、N,N′−ビス−α−アスパルチ
    ル−L−シスチンが0.011〜5重量%、α−L−アスパ
    ルチル−L−グルタミンが0.35〜5重量%、α−L−ア
    スパルチル−L−ロイシンが0.1〜10重量%、α−L−
    アスパルチル−L−バリンが0.1〜10重量%、α−L−
    アスパルチル−L−イソロイシンが0.1〜10重量%、α
    −L−アスパルチル−L−トリプトファンが1.14〜5重
    量%含まれていることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の栄養組成物。
JP61184859A 1985-08-07 1986-08-06 栄養組成物 Expired - Lifetime JPH0764741B2 (ja)

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WO2020262455A1 (ja) 2019-06-25 2020-12-30 味の素株式会社 共非晶質構造を有するアミノ酸混合物

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