JPH07646B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の処理方法 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の処理方法

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JPH07646B2
JPH07646B2 JP26279385A JP26279385A JPH07646B2 JP H07646 B2 JPH07646 B2 JP H07646B2 JP 26279385 A JP26279385 A JP 26279385A JP 26279385 A JP26279385 A JP 26279385A JP H07646 B2 JPH07646 B2 JP H07646B2
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哲史 矢野
真治 岡本
政行 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は溶融成型時の熱安定性に優れ、且つフィルム等
に成型した時にフィシュアイ等の発生がない美麗な成型
品を製造するに好適なエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物を提供するものである。
[従来の技術] エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は酸素遮断性、
耐溶剤性、機械的強度等の諸性質に優れていることか
ら、フィルム、シート、容器、繊維等の各種用途に多用
されている。
該共重合体ケン化物は熱安定性に乏しく、溶融成型時、
熱処理、熱延伸、熱接着等の操作時、要するに加熱時に
容易に着色し、しかも著しい場合には溶融時にその溶融
粘度が大きく低下する欠点があることからかかる対策と
して通常、酸による処理を行う必要がある。
従来、種々の酸による熱安定性の向上が試みられてお
り、代表的な例として特公昭55−19242号公報には共重
合体ケン化物をリン酸等の酸によって処理し、樹脂中の
酢酸ナトリウム量、酢酸量を特定の範囲にコントロール
する方法が、又特公昭57−5834号公報には25℃における
pkaが3.5〜5.5の酸基を少くとも1つ有する酸のカルシ
ウム塩による処理方法がそれぞれ示されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、本発明者等の検討によれば、従来公知の
酸処理方法ではエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
の熱安定性は向上出来るものの、該共重合体ケン化物を
溶融成型して得られるフィルムやシート等の着色防止と
フィッシュアイの抑制とを再現性良く両立させることに
は依然として問題が残っている。
高度の機能、品質を有する製品が要求されている昨今に
あたっては、かかるアンバランスの存在はその商品価値
を著しく低下せしめる原因となるので、工業上極めて重
大な問題となるのである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、上記の課題を解決するための鋭意研究を
重ねた結果、 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を (イ)25℃におけるpkaが5.0以下の酸基を有する酸及び (ロ)25℃におけるpkaが3.4以下の酸基を有する多塩基
酸の第1カルシウム塩又はマグネシウム塩で処理するに
当り、前記(イ),(ロ)の酸の少なくとも一方はリン
酸基を含有するものであると共に、該共重合体ケン化物
中において(1)アルカリ金属の含有量を0.001〜0.025
重量%に、(2)リン酸基に対するアルカリ金属のモル
比を0.1〜5に、(3)リン酸基に対するカルシウム又
はマグネシウムのモル比を0.3〜1.3になる様に調整する
場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は熱安定
性が向上し、溶融成型が有利に実施可能であると共に得
られるフィルム、シートにはフィッシュアイの発生数が
極めて少く、又繰返し成型性(ロングラン性)も良好で
商品価値の高い成型品の製造が出来ること等、新規な効
果が得られることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず本発明で対象とするエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物はエチレン含量20〜60モル%、好ましくは25〜
55モル%、酢酸ビニル成分のケン化度90モル%以上、好
ましくは95モル%以上のものである。エチレン含量が20
モル%以下では高湿時の酸素遮断性が低下し、一方60モ
ル%以上では充分な酸素遮断性や印刷適性等の物性が低
下する。又、ケン化度が90モル%以下では酸素遮断性や
耐湿性が低下する。
又、該共重合体ケン化物は更に少量のプロピレン、イソ
ブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセ
ン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩、
部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリ
ル、アミド、無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等の
コモノマーを共重合成分として含有しても差支えない。
上記ケン化物はエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
をメタノール媒体で水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、ナトリウムメチラート、カリウムメチラート等のア
ルカリでケン化し、次いで酢酸等で中和して製造され
る。該ケン化物の形状は粉末、粒状でも又ペレット状、
更に球状等任意であって良い。該ケン化物には副生した
酢酸ナトリウム等の酢酸アルカリ金属塩が混在している
ので本発明の酸処理を行う前に充分水洗しておく必要が
ある。酢酸アルカリ金属塩は可能な限り除去しておくこ
とは熱安定性向上のために望ましいことではあるが、水
による酢酸アルカリ金属塩の除去には限界があるので、
本発明で酸処理の対象とするエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物は通常、アルカリ金属の含有量が0.1〜0.5
重量%、好ましくは0.15〜0.3重量%のものである。
酸処理に当っては、共重合体ケン化物の粉末、粒子やペ
レットに(イ)の酸又は(ロ)の塩を直接付着させる方
法、酸又は塩を適当な溶媒に溶解した溶液として添加す
る方法、該共重合体ケン化物の溶液に酸又は塩を添加す
る方法等、いずれも実施出来るが、本発明の効果をより
顕著に発揮させるためには、前記の範囲内のアルカリ金
属塩を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
を(イ),(ロ)の混合物で処理するか、まず(イ)で
処理し次いで(ロ)で処理するのが望ましい。
上記の処理はバッチ方式、連続方式のいずれによる操作
でも実施可能である。
本発明において用いる(イ)の酸は25℃におけるpkaが
5.0以下の酸基を有する酸及び(ロ)は25℃におけるpka
が3.4以下の酸基を有する多塩基酸の第1カルシウム塩
又はマグネシウム塩であり、(イ),(ロ)の少なくと
も一つはリン酸基をもつことが必須である。
(イ),(ロ)それぞれを単独使用しても、熱安定性の
向上及びフィッシュアイの減少という両者の効果を同時
に得ることは出来ない。
(イ),(ロ)におけるpkaとは、酸の解離定数をKaと
する時、pka=−log Kaで定義したものである。かかる
酸が多塩基酸の時はpkaが5.0以下の酸基を含むものであ
れば、いずれも使用可能である。
(イ)に属する酸としては、酢酸、第1リン酸ナトリウ
ムが好適に使用される。pkaが5.0以上の酸基を含む酸を
用いたのでは熱着色抑制効果が劣る。(イ)に含まれる
酸はいずれか1種または2種以上用いられるが、特に好
ましいのは酢酸/オルトリン酸あるいは酢酸/第1リン
酸ナトリウムによる処理である。
又(ロ)に属する塩としては、第1リン酸カルシウム、
第1リン酸マグネシウム、第1クエン酸カルシウム、第
1酒石酸カルシウム、第1マロン酸カルシウム、第1マ
レイン酸カルシウムが例示され、第1リン酸カルシウム
及び第1リン酸マグネシウムが有利に用いられる。pka
が3.4以下の酸基を有しない多塩基酸の第1塩を用いて
も熱着色制御効果への寄与が乏しくなり、工業的な実施
には不都合である。
上記の如き酸及び塩による処理を行った後、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物は乾燥して製品化される
が、最終製品におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物には(1)アルカリ金属の含量が0.001〜0.025重
量%、好ましくは0.001〜0.020重量%であり、(2)リ
ン酸基に対するアルカリ金属のモル比が0.1〜5、好ま
しくは0.5〜4、(3)リン酸基に対するカルシウム又
はマグネシウムのモル比が0.3〜1.3、好ましく0.4〜1.2
の割合で各薬剤が存在しなければならない。
アルカリ金属の含有量が0.001重量%以下では、フィッ
シュアイ数が増大すると共に、工業的な通常の方法での
調整が困難となり、0.025重量%以上では着色性が増大
する。
リン酸基に対するアルカリ金属のモル比が0.1以下では
フィッシュアイ数が増大し、一方5以上では熱安定性が
低下する点で不利となる。更にリン酸基に対するカルシ
ウム又はマグネシウムのモル比が0.3以下では熱安定性
の低下又はフィッシュアイの増加をもたらし、逆に1.3
以上では微小フィッシュアイの増加が顕著になり、実用
性がなくなる。
[作用] 本発明で得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物は溶融成型を実施する場合にその効果が顕著に発揮さ
れるが、そのほか熱延伸、熱接着等の加熱が伴う操作時
にいずれも効果が得られる。
本発明によって得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物は溶融成型によってフィルム、シート、ボトル
容器、繊維等の形状に成型され、食品、工業薬品、農薬
等の包装材として有用であり、又塗料、接着剤としても
利用可能である。
本発明の共重合体ケン化物には、可塑剤、顔料、着色
材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の通常プラスチ
ック成型品に添加される添加剤を加えてもその効果に何
等影響はない。
[実施例] 次に実施例をあげて本発明の方法を更に詳しく説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは特に断わりのない限
り重量基準である。
尚、以下の実施例及び対照例においてリン酸基及びナト
リウムの定量は次の方法で行った。即ち、温希硫酸を用
いて試料より酸及び塩類を抽出し、該抽出液についてリ
ン酸基PO4はJIS−K−0102に準じて吸光光度法(モリブ
デン青による)で定量し、ナトリウムは炎光分光光度法
により定量した。又、カルシウム、マグネシウムは試料
をルツボに入れ、硫酸を加えて灰化し、灰分を希塩酸に
溶解し、原子吸光法で測定した。
実施例1 エチレン含量30モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
の40%メタノール溶液100部に水酸化ナトリウムの10%
メタノール溶液10部を加え、温度40℃にて3時間混練し
た。この際、反応の途中でペーストは白濁し、系はスラ
リー状となった。この一次ケン化反応終了後酢酸を加え
て中和を行い、酢酸メチル60部を加えて析出を完了させ
てから別して乾燥し、10メッシュより大きい粒子(全
粒子の6%)を篩分けにより除去した。
かくして得られた部分ケン化物100部を水酸化ナトリウ
ム1%水溶液500部中に投入し、温度65℃にてスラリー
状で3時間攪拌して二次ケン化を行い、次いで酢酸で中
和した後粒子を別し、更に1,000部の水を加えて30℃
で1時間攪拌してから別する操作を3度繰返した。該
粒子中の酢酸ナトリウムの含有量は0.22%であった。
次に乾燥該粒子100部を500部の水と混合して再度スラリ
ー化し、5%酢酸水溶液10部、1%第1リン酸カルシウ
ム水溶液18部を加えて30℃,4時間攪拌後、別し乾燥し
た。
かくして得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物はケン化度99.0モル%、ナトリウム含有流0.011%、
リン酸基に対するナトリウムのモル比2.5、リン酸基に
対するカルシウムのモル比0.61であった。
このケン化物を用いて下記の条件に従って射出成形を行
った。
射出成形条件 シリンダー後温 180℃,前温度 230℃ ノズル温度 210℃,金型温度60℃ 射 出 圧 900Kg/cm2 射出速度 2.5ml/mm2/sec 射出時間 7秒 冷却時間 25秒 1ショット目の円板(直径60mm,厚さ3mm)及び10ショッ
ト目の円板のそれぞれの着色度を測定し(日本電色工業
SZ−Σ80)、熱安定性を評価した。(評価方法はJIS−
K−7103によった)結果を第1表に示す。
又、230℃で押出製膜し、厚さ30μのフィルムを製造し
た。フィルム中のフイッシュアイの個数(100cm2あたり
の個数)更に同一粒子を用いて230℃の押出機にてペレ
ット化操作を3回行い、熱覆歴を長時間にわたって受け
たペレットを用いて前記と同様のフィルムを製造し、フ
イッシュアイ数を調べた。
これらの結果を第1表に示す。
実施例2〜14 第1表に示す如き条件で実施例1に準じて酸処理を行っ
た。その結果を第1表に示す。
対照例1〜14 第2表に示す如き本願の規定外の条件で実施例1に準じ
て実験を行った。その結果を第2表に示す。
[発明の効果] 本発明においては、(イ),(ロ)に規定される特定の
酸を組合せることによって、エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物の熱安定性が向上出来ると共に、該ケン化
物を成型して得られるフィルム、シート等の成型品には
フイッシュアイの発生数が極めて少く、又ロングラン性
が良好で商品価値の高い製品が製造可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を (イ)25℃におけるpkaが5.0以下の酸基を有する酸及び (ロ)25℃におけるpkaが3.4以下の酸基を有する多塩基
    酸の第1カルシウム塩又はマグネシウム塩で処理するに
    当り、前記(イ),(ロ)の酸の少くとも一方はリン酸
    基を含有するものであると共に、該共重合体ケン化物中
    において(1)アルカリ金属の含有量を0.001〜0.025重
    量%に、(2)リン酸基に対するアルカリ金属のモル比
    を0.1〜5に、(3)リン酸基に対するカルシウム又は
    マグネシウムのモル比を0.3〜1.3になる様に調整するこ
    とを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    の処理方法。
  2. 【請求項2】25℃におけるpkaが5.0以下の酸を有する酸
    が酢酸及び/又はオルトリン酸である特許請求の範囲第
    1項記載の処理方法。
  3. 【請求項3】25℃におけるpkaが3.4以下の酸基を有する
    多塩基酸の第1カルシウム塩又はマグネシウム塩が第1
    リン酸カルシウム又は第1リン酸マグネシウムである特
    許請求の範囲第1項記載の処理方法。
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