JPH076422Y2 - 車両のドアロツク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両のドアに設けられ、ドアに車室を閉塞す
る状態を保持させるドアロック装置に関する。

（従来の技術） 車両に装備された複数のドアに夫々設けられるドアロッ
ク装置は、一般に、ドアの車外側に配されるアウトサイ
ドハンドル及びドアの車室側に配されるインサイドハン
ドルに連結されてドアを閉状態から開状態に移行させる
べく操作されるドア開放手段、及び、キーあるいはドア
の車室側に配されるロックレバーの操作により、ドア開
放手段の操作にかかわらずドアに閉状態をとらせる施錠
状態及びドア開放手段の操作に応じてドアに開状態をと
らせる解錠状態を選択的にとる施解錠手段を含んで構成
される。

また、上述の施解錠手段に連結されるロックレバーを、
それが配された複数のドアについて夫々手動操作する煩
わしさを低減するために、例えば、実開昭58−101948号
公報にも記載されている如く、施解錠手段に自動的に施
錠状態及び解錠状態をとらせるべく作動するアクチュエ
ータを備えたドアロック装置が知られている。斯かるア
クチュエータを備えたドアロック装置が複数のドアの夫
々に配設された車両においては、運転席の近傍の位置等
に夫々のアクチュエータに接続されたスイッチを配置
し、このスイッチを操作することにより、複数のドアロ
ック装置に夫々配された施解錠手段に同時に施錠状態及
び解錠状態をとらせることができる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述の如くのアクチュエータは、通常、
ドアロック装置の施解錠手段に関連してドアアウタパネ
ルとドアインナパネルとの間に配設されるので、そこに
昇降可能に配されるドアガラスの挿通口等を通じて侵入
する水及び塵等に晒されることによって故障を生じ易く
なるという問題がある。また、アクチュエータのドアに
対する取付けは、通常、ドアインナパネルに設けられた
作業孔を通じて行われるので、斯かる取付作業が比較的
煩雑なものとなるという不都合がある。

斯かる点に鑑み、本考案は、ドアを閉状態から開状態に
移行させるべく操作されるドア開放手段と、ドア開放手
段の操作にかかわらずドアに閉状態をとらせる施錠状態
及びドア開放手段の操作に応じてドアに開状態をとらせ
る解錠状態を選択的にとり得る施解錠手段と、施解錠手
段に施錠状態もしくは解錠状態をとらせるアクチュエー
タを備え、アクチュエータが雨水及び塵等に晒されるこ
とによって故障等を生じる事態を防止するとともに、ア
クチュエータのドアに対する取付け時における作業性の
向上が図られた、車両のドアロック装置を提供すること
を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上述の目的を達成すべく、本考案に係る車両のドアロッ
ク装置は、車両に装備されたドアに設けられ、ドアを車
両の車室を閉塞する閉状態から車室を開放する開状態に
移行させるべく操作されるドア開放手段と、ドア開放手
段に関連して設けられ、ドアにおける車室側に配設され
たロックレバー部材の操作に応じて、ドア開放手段の操
作にかかわらずドアに閉状態をとらせる施錠状態及びド
ア開放手段の操作に応じてドアに開状態をとらせる解錠
状態とを選択的にとり得る施解錠手段と、ロックレバー
部材を駆動するとともに施解錠手段に施錠状態もしくは
解錠状態をとらせるアクチュエータとを備えて構成さ
れ、アクチュエータが、ドアを形成するドアインナパネ
ルとドアインナパネルにその車室側の面に対向して取り
付けられたドアトリムとの間に形成された収納部に、匣
体内に配されてロックレバー部材に係合せしめられた状
態をもって設置される。

（作用） 上述の如くに構成される本考案に係る車両のドアロック
装置においては、ドア開放手段に関連して設けられた施
解錠手段に施錠状態もしくは解錠状態をとらせるアクチ
ュエータが、ドアインナパネルとその車室側の面に対向
するものとされたドアトリムとの間に形成された収納部
に、匣体内に配されてロックレバー部材に係合せしめら
れた状態をもって設置される。

このため、アクチュエータが、ドアアウタパネルとドア
インナパネルとの間に侵入する水あるいは塵等に晒され
ることにより故障を生じる事態を低減することができる
とともに、アクチュエータのドアに対する取付け時にお
ける作業性を向上させることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は、本考案に係る車両のドアロック装置の一例の
要部を示し、第２図は第１図に示される例が適用された
ドアを、それが装備された自動車の前部車体とともに示
す。

第２図において、車体に装備されて車室を閉塞する閉状
態及び車室を開放する開状態をとるドア２は、ドアパネ
ル４及びドアガラス６を備えている。ドアパネル４は、
第２図におけるＩ−Ｉ線に沿う断面を表す第１図に示さ
れる如く、車外側に配されるドアアウタパネル4a及び車
室側に配されるドアインナパネル4bから形成されてお
り、ドアインナパネル4bには、その車室側の面に対向し
て室内装飾用のドアトリム７が取り付けられている。ド
アアウタパネル4aとドアインナパネル4bとの間には、図
示されないウインドレギュレータ等の昇降機構に支持さ
れたドアガラス６が昇降可能に配されている。ドアアウ
タパネル4aの上端部、及び、ドアインナパネル4bに取り
付けられたドアトリム７の上端部には、ドアガラス６に
当接するウェザーストリップ８が固着されている。

ドアアウタパネル4aとドアインナパネル4bとの間におけ
る下側部分には、ドア２を第２図に示される如くの閉状
態に保持するドアロック装置の本体部10が配置されてい
る。本体部10は、第１図に示される如くに、車体に固定
されたストライカ12に係合してドア２を閉状態をとらせ
るラッチ14,ストライカ12とラッチ14との係合状態を解
除してドア２に開状態をとらせるべく操作されるドア開
放用レバー16、及び、ドア開放用レバー16の操作にかか
わらずドア２の閉状態をとらせる一点鎖線で示される如
くの施錠位置と、ドア開放用レバー16の操作に応じてド
ア２に開状態をとらせる実線及び破線で示される如く解
錠位置とを選択的にとることができる施解錠用レバー18
等を備えている。なお、これらドアロック装置を構成す
るラッチ14,ドア開放用レバー16及び施解錠用レバー18
等の動作態様は、既存のドアロック装置と同様なものと
されるので、その詳細説明は省略される。

ドアアウタパネル4aにおける所定位置には、透孔20が穿
設された凹部21が形成されており、ドアアウタパネル4a
のドアインナパネル4bに対向する面における凹部21の上
方となる部分には、軸22をその両端部において支持する
一対のブラケット24（図には片側のみ示されている）が
取り付けられている。軸22は、一端部が透孔20を通じて
ドアアウタパネル4aから車室側に突出するアウトサイド
ハンドル25に形成された透孔25aに挿通せしめられてお
り、アウトサイドハンドル25は、軸22を支点として揺動
可能とされている。そして、アウトサイドハンドル25に
おけるドアアウタパネル4aとドアインナパネル4bとの間
に位置する他端部には、リンクロッド26の一端部が回動
可能に取り付けられており、リンクロッド26の他端部
は、ドアロック装置の本体部10に備えられたドア開放用
レバー16に回動可能に取り付けられている。

ドアインナパネル4bの上側部分には凹部27が形成されて
おり、凹部27とドアトリム７との間には、収納空間34が
形成されている。収納空間34における凹部27の側面には
匣体36が設置されており、匣体36の上面及び凹部27と当
接する側面には透孔36a及び36bが形成されている。ドア
トリム７における透孔36aに対応する部位には透孔7aが
形成されており、また、凹部27における透孔36bに対応
する部位には透孔27aが形成されている。そして、匣体3
6における透孔36bの周縁部と、ドアインナパネル4bの凹
部27における透孔27aの周縁部との間には、ラバー等に
よって形成されたブーツ部材40の一端部側における周縁
部が挟持されており、透孔36bと透孔27aはブーツ部材40
によって覆われている。そして、ブーツ部材40の蛇腹状
とされた他端部側は、ドアアウタパネル4aとドアインナ
パネル4bとの間において下方に伸びるものとされてい
る。

匣体36内には屈曲部42aを有したロックレバー42が配さ
れている。ロックレバー42の上端部は、第１図及び第１
図におけるIII−III線に沿う断面を表す第３図に示され
る如く、匣体36の透孔36a及びドアトリム７の透孔7aを
通じてドアトリム７の上端縁部から突出せしめられてい
る。また、ロックレバー42の屈曲部42a及びそれに連な
る下側部分は、ブーツ部材40に覆われた状態で、匣体36
に形成された透孔36b及びドアインナパネル4bの凹部27
に形成された透孔27aを通じて、ドアインナパネル4bと
ドアアウタパネル4aとの間に突出せしめられている。そ
して、蛇腹状とされたブーツ部材40の他端部側から突出
せしめられたロックレバー42の下端部には、リンクロッ
ド44の一端部がクリップ43によって回動可能に取り付け
られており、リンクロッド44の他端部は、ドアロック装
置の本体部10に備えられた施解錠用レバー18に回動可能
に取り付けられている。

さらに、匣体36内には、ロックレバー42を駆動するアク
チュエータとしてのモータ46が配されている。モータ46
のトルクは、モータ46の出力軸に固定されたウオーム4
8,匣体36に取り付けられた回動軸50に固定されてウォー
ム48に噛合するウォームホイール52,ウォームホイール5
2にそれと同軸上に固定されたピニオン54を介して、ロ
ックレバー42に形成された、ピニオン54に噛合するラッ
ク56に伝達される。

斯かる構成のもとにモータ46が回転してロックレバー42
及びリンクロッド44が、第１図及び第３図において一点
鎖線で示される如くの位置をとる状態においては、施解
錠用レバー18が一点鎖線で示される如くの施錠位置をと
り、これにより、ドア開放用レバー16の操作にかかわら
ずドア２が閉状態を維持するものとなる。一方、ロック
レバー42が、第１図及び第３図において一点鎖線で示さ
れる如くの位置をとる状態において、モータ46が上述の
場合とは逆方向に回転する場合には、ロックレバー42及
びリンクロッド44が実線で示される位置に移行すること
により、施解錠用レバー18が実線及び破線で示される如
くの解錠位置をとり、これにより、ドア開放用レバー16
の操作に応じてドア２が開状態をとるものとなる。な
お、ロックレバー42が乗員等によって手動操作される場
合には、モータ46は空転するものとされる。

このように、施解錠用レバー18を操作するアクチュエー
タとしてのモータ46が、ドアインナパネル4bと、このド
アインナパネル4bにおける車室側の面に対向して取り付
けられたドアトリム７との間に形成された収納空間34に
匣体36内に配されて設置されることにより、モータ46
が、ドアアウタパネル4aとドアインナパネル4bとの間に
設けられた、ドアガラスの挿通口を通じて侵入する水あ
るいは塵埃に晒されることに起因して故障等を生じる事
態が回避されるとともに、ドア２に対するモータ46の取
付け時における作業性が著しく向上せしめられることに
なる。

（考案の効果） 以上の説明から明らかな如く、本考案に係る車両のドア
ロック装置によれば、ドア開放手段に関連して設けられ
た施解錠手段に、ドア開放手段の操作にかかわらずドア
に閉状態をとらせる施錠状態もしくはドア開放手段の操
作に応じてドアに開状態をとらせる解錠状態をとらせる
アクチュエータが、ドアを形成するドアインナパネルと
ドアインナパネルにその車室側の面に対向して取り付け
られたドアトリムとの間に形成された収納部に、匣体内
に配された状態をもって設置されるのでアクチュエータ
が、ドアアウタパネルとドアインナパネルとの間に侵入
する水あるいは塵等に晒されることに起因して故障等を
生じる事態を回避することができ、また、ドアに対する
アクチュエータの取付け時における作業性を著しく向上
させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両のドアロック装置の一例の要
部を示す部分断面図、第２図は第１図に示される例が適
用されたドアを、それが装備された車両の車体の一部と
ともに示す斜視図、第３図は第１図におけるIII−III線
に沿う断面図である。 図中、4bはドアインナパネル、７はドアトリム、16はド
ア開放用レバー、18は施解錠用レバー、25はアウトサイ
ドハンドル、34は収納空間、42はロックレバー、46はモ
ータである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両に装備されたドアに設けられ、該ドア
   を上記車両の車室を閉塞する閉状態から上記車室を開放
   する開状態に移行させるべく操作されるドア開放手段
   と、 該ドア開放手段に関連して設けられ、上記ドアにおける
   上記車室側に配設されたロックレバー部材の操作に応じ
   て、上記ドア開放手段の操作にかかわらず上記ドアに閉
   状態をとらせる施錠状態及び上記ドア開放手段の操作に
   応じて上記ドアに開状態をとらせる解錠状態とを選択的
   にとる施解錠手段と、 上記ドアを形成するドアインナパネルと該ドアインナパ
   ネルにその車室側の面に対向して取り付けられたドアト
   リムとの間に形成された収納部に、匣体内に配されて上
   記ロックレバー部材に係合せしめられた状態をもって設
   置され、上記ロックレバー部材を駆動するとともに上記
   施解錠手段に施錠状態もしくは解錠状態をとらせるアク
   チュエータと、 を備えて構成される車両のドアロック装置。