JPH0764218A - 放射線画像読取装置 - Google Patents

放射線画像読取装置

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JPH0764218A
JPH0764218A JP5216509A JP21650993A JPH0764218A JP H0764218 A JPH0764218 A JP H0764218A JP 5216509 A JP5216509 A JP 5216509A JP 21650993 A JP21650993 A JP 21650993A JP H0764218 A JPH0764218 A JP H0764218A
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light
radiation image
semiconductor laser
laser
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JP5216509A
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Fumihiro Namiki
文博 並木
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被写体の放射線画像が蓄積記録された輝尽蛍光
体から該放射線画像を読み取る放射線画像読取装置に関
し、輝尽蛍光体に蓄積記録された画像情報を読み取り
後、この画像情報を短時間で十分に消去できる放射線画
像読取装置を提供する。 【構成】スリットが形成された光抑制手段44を半導体
レーザ40のビーム出射面近傍に移動自在に設置し、放
射線画像の読み取り及び消去に応じて光抑制手段44の
移動を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被写体の放射線画像が
蓄積記録された輝尽蛍光体から該放射線画像を読み取る
放射線画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、X線画像等の放射線画像が病
気診断用等に多用されている。例えばX線画像を例にと
ると、被写体を透過したX線を蛍光体層(蛍光スクリー
ン)に照射し、これによりX線を可視光に変換し、この
可視光を銀塩フィルムに照射して潜像を形成し、これを
現像することによりX線画像を得、このようにして得ら
れたX線画像が病気診断等に用いられている。また近年
では上記のように銀塩フィルム上に得られたX線画像を
いわゆるフィルムディジタイザにより光電的に読み取っ
て画像信号を得、この画像信号に画像処理を施すことに
より、鮮鋭度、ダイナミックレンジ、粒状性等画質を定
める種々の画像性能の改善が図られた後、高画質の再生
画像を得るシステムも用いられてきている。
【0003】また上記銀塩フィルムを用いるシステムに
代わり、蓄積性蛍光体(輝尽蛍光体)を用いるシステム
が利用され始めている。この輝尽蛍光体を用いるシステ
ムとは、輝尽蛍光体をシート状もしくはパネル状に形成
した輝尽蛍光体パネル(シートを含む)に被写体を透過
したX線を照射して該輝尽蛍光体パネルにX線画像を蓄
積記録し、その後このX線画像を光電的に読み取って画
像信号を得、該画像信号に画像処理を施した後再生画像
を得るシステムであり、このシステムの基本的な方式と
しては、米国特許公報第5,859,527号に記載さ
れている。ここで輝尽蛍光体とは、X線、α線、β線、
γ線等の放射線が照射されると、その放射線のエネルギ
ーの一部をしばらくの間あるいは長時間内部に蓄積し、
その間に赤外光、可視光、紫外光等の励起光が照射され
ると蓄積されたエネルギーを輝尽発光光として放出する
蛍光体をいい、その蛍光体の種類によりエネルギーを蓄
積し易い放射線の種類、輝尽発光光を放出し易い励起光
の波長、放出される輝尽発光光の波長はそれぞれ異なっ
ている。
【0004】この輝尽蛍光体を用いたシステムは、この
輝尽蛍光体に照射される放射線のエネルギーと励起光の
照射により放出される輝尽発光光の光量とが広いエネル
ギー範囲に亘って比例することが認められており、また
励起光の光量によりこの比率を代えることができ、した
がって、放射線露光量の変動に影響されない放射線画像
を得ることができる。また人体のX線画像を得るシステ
ムにおいてはX線撮影における人体の被爆線量を低減化
することもできる。
【0005】図6は、輝尽蛍光体を用いたシステムにお
ける、従来の放射線画像読取装置の概略構成図である。
先ず、図示しない撮影機において、撮影台の前に被写体
を立たせ、その被写体にX線発生部で発生されたX線を
照射し、この被写体を透過したX線が撮影台に備えられ
た輝尽蛍光体パネルに照射され、これによりこの輝尽蛍
光体パネルに被写体のX線画像が蓄積記録される。
【0006】このようにして撮影が行われた後、撮影台
から輝尽蛍光体パネル12が取出され、図6に示される
ように放射線画像読取装置の精密微動台14上にセット
される。精密微動台14上にセットされた輝尽蛍光体パ
ネル12は、精密微動台14上に載置されたまま図示し
ない搬送手段により矢印Y方向に搬送(副走査)され
る。
【0007】またこの搬送(副走査)の間、半導体レー
ザ16から出射された、例えば波長780nmの励起光
としてのレーザビーム18がガルバノメータミラーもし
くは回転多面鏡(ポリゴンミラ−)等のスキャナ20に
より繰り返し反射偏向され、fθレンズ等のビーム形状
補正用光学系22を経由した後輝尽蛍光体パネル12上
に照射され、これによりこの輝尽蛍光体パネル12がレ
ーザビーム18により矢印X方向に繰り返し走査(主走
査)される。この走査の各点からは輝尽蛍光体パネル1
2に蓄積記録されたX線画像を担持する輝尽発光光が放
出される。この輝尽発光光は、集光体24によって集光
され、励起光をカットするとともに輝尽発光光を通過す
る光学フィルタ(図示せず)を経由して光電子増倍管2
6に導かれ、電気信号に変換される。光電子増倍管26
で得られた電気信号は、初段増幅器28によりA/D変
換器30に最適な信号レベルに増幅された後、A/D変
換器30によりデジタルの画像信号に変換される。この
デジタル信号化された画像信号は、画像メモリ32に蓄
えられる。その後、この画像信号は表示輝度信号に変換
され図示しないCRTに表示されたり、フィルムにハー
ドコピーとして出力される。
【0008】上記輝尽蛍光体を用いるシステムにおい
て、輝尽蛍光体パネルは、強い光が照射されるとその画
像情報が消去され、このため、輝尽蛍光体パネルを放射
線撮影に繰り返し使用することができる。輝尽蛍光体パ
ネルに蓄積記録された画像情報を消去する技術として
は、次の(1)〜(3)の技術が知られている。 (1)画像情報を消去するための消去用光源としてハロ
ゲンランプを使用する技術(特開昭61−219946
号公報、特開昭61−219947号公報、特開昭63
−175848号公報参照)。
【0009】(2)励起用と消去用の異なる2つのレー
ザ光源を用意し、1つの光偏向器に異なる角度でレーザ
を入射させ、輝尽蛍光体パネルの異なる場所を走査させ
ることにより、読み取りと消去を同時に行う技術(特開
昭61−86743号公報参照)。 (3)一つの励起光光源から出たビームを2つに分岐し
て、一方を読取用に使用し、他方を消去用に使用する技
術(特開昭61−86744号公報、特開昭61−12
4937号公報、特開昭61−124938号公報参
照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)のハロゲン
ランプを使用する技術では、次の撮影に影響のないレベ
ルまで画像情報を消去するためには、500W〜100
0Wの大出力のハロゲンランプを輝尽蛍光体パネルに長
時間照射する必要があり、このため消費電力が大きくな
るという問題がある。また、ハロゲンランプを複数回に
分けて輝尽蛍光体パネルに繰り返し照射してもよいが、
画像情報の消去に時間がかかり、処理時間が長くなると
いう問題がある。さらに、ハロゲンランプは大量の熱を
発生するため、ハロゲンランプを冷却するための機構が
必要となり、放射線画像読取装置が大型化し、コストア
ップになるという問題がある。しかも、ハロゲンランプ
は、輝尽蛍光体パネルの温度上昇の原因となる赤外線
や、輝尽蛍光体を再励起させて消去効率を阻害する紫外
線を放出するため、赤外線や紫外線をカットするための
光学フィルタを使用する必要があり、コストアップにな
るという問題がある。
【0011】また、上記(2)の励起用と消去用の2つ
のレーザ光源を用いる技術では、2つの光源を用いるた
め、放射線画像読取装置が大型化し、複雑化し、コスト
アップになるという問題がある。また、上記(3)の一
つの励起光光源から出たビームを2つに分岐する技術で
は、一つの励起光光源から出たビームを2つに分岐する
ため、各々のビームの光出力を十分大きく確保すること
が不可能であり、読み取り効率および消去効率が劣ると
いう問題がある。
【0012】本発明は、上記事情に鑑み、輝尽蛍光体に
蓄積記録された画像情報を読み取り後、この画像情報を
短時間で十分に消去できる放射線画像読取装置を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の放射線画像読取装置は、レーザ光を出射する半導体
レーザと、被写体の放射線画像が蓄積記録された輝尽蛍
光体に、前記放射線画像の読み取り及び消去のために主
走査方向に繰り返し前記レーザ光を走査する主走査手段
と、前記輝尽蛍光体もしくは前記レーザ光を副走査方向
に相対的に移動させる副走査手段と、前記半導体レーザ
と前記主走査手段との間に移動自在に取り付けられた、
前記放射線画像の読み取り及び消去に応じて前記レーザ
光のビームの断面形状を各所定の形状に変更する光抑制
手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】ここで、上記半導体レーザは、600nm
以上900nm以下の発振波長を有することが好まし
い。また、上記半導体レーザは、光抑制手段を取り外し
た状態で放射線画像を消去する際に輝尽蛍光体に約30
J/m2 以上の励起エネルギを与えることが好ましい。
【0015】さらに、上記半導体レーザは、放射線画像
を消去する際において主走査方向のビーム径よりも副走
査方向のビーム径が大きい楕円状ビームであって、かつ
この楕円状ビームの副走査方向のビーム径が放射線画像
を読み取る際におけるレーザ光の副走査方向のビーム径
よりも大きい形状のビームを有するレーザ光を出射する
ことが好ましい。
【0016】さらにまた、上記光抑制手段が、半導体レ
ーザから出射された励起光が通過するピンホールまたは
スリットを有してなることが好ましい。さらにまた、上
記副走査手段が、放射線画像を読み取る際に比べ放射線
画像を消去する際の方が輝尽蛍光体もしくは励起光を副
走査方向に相対的に速く移動させることが好ましい。
【0017】さらにまた、副走査手段が輝尽蛍光体もし
くはレーザ光を相対的に移動させる際の往路で放射線画
像の読み取りを行い、復路で放射線画像の消去を行うこ
とが好ましい。
【0018】
【作用】本発明の放射線画像読取装置では、放射線画像
の読み取り及び消去のために半導体レーザから出射され
るレーザ光が使用されており、さらに、半導体レーザと
主走査手段との間に光抑制手段が移動自在に設けられて
いる。このため、半導体レーザから出射されたレーザ光
のビームの断面形状を放射線画像の読み取り及び消去に
応じて各所定の形状に変更させることにより、レーザ光
のビームの断面形状を読み取り及び消去それぞれに適し
たものとすることができる。
【0019】ここで、上記半導体レーザが、600nm
以上900nm以下の発振波長を有する場合は、強度が
大きい輝尽発光光を得ることができる。また、上記半導
体レーザが、放射線画像を消去する際に輝尽蛍光体に約
30J/m2 以上の励起エネルギを与える場合は、励起
前の信号強度と励起後の信号強度の比を表す残存信号強
度比を小さくすることができ、次の撮影時に残存信号が
ノイズとならないようにすることができる。
【0020】さらに、上記半導体レーザが、放射線画像
を消去する際において主走査方向のビーム径よりも副走
査方向のビーム径が大きい楕円状ビームであって、かつ
この楕円状ビームの副走査方向のビーム径が放射線画像
を読み取る際におけるレーザ光の副走査方向のビーム径
よりも大きい形状のビームを有するレーザ光を出射する
ようにした場合は、読取時に比べ消去時の副走査方向の
ビーム径が大きいため、走査線の間の放射線画像の消し
残しを防止することができる。
【0021】さらにまた、上記光抑制手段が、半導体レ
ーザから出射された励起光が通過するピンホールまたは
スリットを有してなる場合は、簡便な構造の光抑制手段
を形成することができる。さらにまた、上記副走査手段
が、放射線画像を読み取る際に比べ放射線画像を消去す
る際の方が輝尽蛍光体もしくは励起光を副走査方向に相
対的に速く移動させた場合は、効率的に放射線画像を消
去することができる。
【0022】さらにまた、副走査手段が輝尽蛍光体もし
くはレーザ光を相対的に移動させる際の往路で放射線画
像の読み取りを行い、復路で放射線画像の消去を行う場
合は、効率的に放射線画像を消去することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の放射線画像読取装置の一実施例を示す概
略構成図である。放射線画像読取装置では、放射線画像
の読み取り及び消去のためにレーザ光が用いられ、この
レーザ光の光源として高出力の半導体レーザ40が使用
される。また、半導体レーザ40としてSONY製のS
LD323が使用され、この半導体レーザ40の最大出
力は1W、ビーム出射面の幅は100μmである。
【0024】輝尽蛍光体パネル42に蓄積記録された放
射線画像を読み取る際は、例えばスリットが形成された
光抑制手段44が半導体レーザ40の出射面近傍に設置
され、半導体レーザ40から出射されたレーザ光は、こ
のスリット、コリメートレンズ系46、ビーム成形手段
48を通った後、ポリゴンスキャナ50によって偏向さ
れ、fθレンズ系52、折り返しミラー56を通り、副
走査方向に移動している輝尽蛍光体パネル42上に収束
される。この時の輝尽蛍光体パネル42上でのビーム径
は、主走査方向及び副走査方向ともに100μm以下で
ある。このレーザ光の走査により輝尽蛍光体パネルから
発生した輝尽発光光は、光ファイバを束ねた集光器58
で集光され、光電子増倍管60によって電気信号に変換
される。なお、集光器58と光電子増倍管60との間に
は、レーザ光の波長は透過しないが輝尽発光光の波長は
透過する干渉フィルタまたは色ガラスフィルタ(図示せ
ず)が設置されている。
【0025】輝尽蛍光体パネル42の画像情報を読み取
った後に行われる、画像情報の消去時においては、光抑
制手段44が半導体レザー40の出射光路上から取り外
される。このため、半導体レーザ40から出射されたレ
ーザ光は、コリメートレンズ系46、ビーム成形手段4
8を通った後、ポリゴンスキャナ50によって偏向さ
れ、fθレンズ4系52、折り返しミラー56を通り、
副走査方向に移動している輝尽蛍光体パネル42上に収
束される。この時の輝尽蛍光体パネル42上でのビーム
径は主走査方向が100μm以下、副走査方向が約50
0μmである。また、このとき、輝尽蛍光体パネルは読
取時とは反対の副走査方向に、読取時の約4倍の速度で
搬送される。この消去の際に輝尽蛍光体パネルに与えら
れた励起エネルギーは約50J/m2 であり、このため
読取によって残存した信号は十分消去される。
【0026】また、上記構成に代えて、半導体レーザ4
0、光抑制手段44、コリメートレンズ系46、ビーム
成形手段48、ポリゴンスキャナ50、fθレンズ系5
2、及び折り返しミラー56等で構成される励起光・消
去光走査系と、集光器58、及び光電子増倍管60で構
成される集光・光電変換系とを1つのユニットとし、固
定された輝尽蛍光体パネルに対してこのユニットを相対
的に往復移動させることにより副走査させる構成として
もよい。また、光偏向器としてはポリゴンミラーの他、
ガルバノメータを使用してもよい。
【0027】次に、図2を参照して、半導体レーザ40
(図1参照)の発振波長について説明する。図2は、輝
尽蛍光体の一種であるBabr2 :Euの励起光波長と
輝尽発光光強度の関係を示すグラフである。図2から半
導体レーザ40の発振波長としては、450nm〜90
0nmの範囲のものが使用可能であることが分かるが、
より強い輝尽発光光強度を得るためには、550nmま
たは750nm近傍の波長を使用した方がよいことが分
かる。同様に消去光として単色のレーザ光を使用する場
合には、450nm〜900nmの範囲のものが、使用
可能であることが分かるが、より効率よく消去するため
には550nmまたは750nmの近傍の波長を使用し
た方がよい。このように、励起に適した波長の光は消去
にも適していることが分かる。
【0028】次に、図3を参照して、半導体レーザ40
(図1参照)の強度について説明する。図3は、波長が
780nmのレーザ光を使用した場合の消去(励起)エ
ネルギに対する残存信号強度比の関係を示すグラフであ
り、S0 は励起(消去)前の信号強度で、S1 は励起
(消去)後の信号強度である。従来は読取に使用するレ
ーザは、出力強度が5mW〜50mW程度のものが用い
られており、このレーザ光は、上述のように、走査のた
めの偏向機構、及び収束のためのレンズ系を経由して輝
尽蛍光体パネル上に直径がφ80μm〜200μmのビ
ームとして収束される。偏向機構およびレンズ系の光伝
達効率を50%程度と仮定すれば、輝尽蛍光体パネル上
でのレーザ強度は最大25mWとなる。ここで14イン
チ×14インチの大きさの輝尽蛍光体パネルを40秒の
時間で読取ると仮定すると、輝尽蛍光体パネルの単位面
積に与えられたレーザ光の励起エネルギは8J/m2
下となる。この励起光のエネルギにより、輝尽性蛍光体
に蓄積された情報が全て消去されるとすれば、その後の
消去動作は不要になり、装置も簡単化されるが、8J/
2 程度の励起エネルギでは蓄積された情報を全て消去
することは不可能である。
【0029】ここで、図3に示されるように、次の撮影
時に残存信号がノイズとならないための残存信号強度比
1 /S0 は0.01以下、望ましくは0.001以下
である。図3から、この条件を満足する励起(消去)エ
ネルギは、約30J/m2 以上であることが分かる。す
なわち、30J/m2 以上の励起(消去)エネルギで読
取動作を行えば、残存信号強度比S1 /S0 は0.01
以下になり、その後の消去動作は不要となる。このよう
な励起(消去)エネルギを得るためには、上記の14イ
ンチ×14インチの大きさの輝尽蛍光体パネルを40秒
の時間で読取る例に当てはめて計算すると、約180m
W以上の出力を有するレーザ光源が必要であることが分
かる。もちろん、この出力は読み取る時間、輝尽蛍光体
パネルの大きさによって異なるが、14インチ×14イ
ンチの大きさの輝尽蛍光体パネルを180mW以下の出
力の励起光で読み取ると、長い時間をかけて走査する必
要があり、このため処理時間が長くなるという問題が発
生する。
【0030】上記のようなレーザ源として、ヘリウムネ
オンレーザ、炭酸ガスレーザ、アルゴンガスレーザなど
の各種ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザ等が使用
できるが、半導体レーザ以外のレーザでは、上記のよう
に180mW以上の出力を得るためには非常に大きなレ
ーザとなり装置が大型化してしまうのに対し、半導体レ
ーザでは、例えばSONY製のSLD301,302,
303,304,及び323などを使用すれば小型であ
るにも拘わらず、最大1W程度の出力のものが得られ
る。そこで、本実施例の放射線画像読取装置では、SO
NY製のSLD323を使用した。
【0031】次に、図4を参照して従来から用いられて
いる低出力の半導体レーザの出射面と、本実施例で用い
た高出力の半導体レーザの出射面を比較する。図4
(a)は従来から用いられている低出力の半導体レーザ
の出射面を示す模式図、図4(b)は本実施例で用いた
高出力の半導体レーザの出射面を示す模式図である。
【0032】図4に示されるように、一般に、高出力の
半導体レーザ40のビーム出射面40aの縦横比は、低
出力の半導体レーザ70のビーム出射面70aの縦横比
に比べ極端に大きく、このため出射されるレーザビーム
40bの楕円率は大きなものとなる。図4(a)に示さ
れる低出力の半導体レーザ70では、接合面70bに垂
直な方向のビーム出射面の大きさが1μm以下、接合面
70bに平行な方向のビーム出射面の大きさが1〜数μ
mであるのに対し、図4(b)に示される高出力の半導
体レーザは、接合面40cに平行な方向のビーム出射面
の大きさが50μm〜200μmもある。このように楕
円率が大きな半導体レーザでは、輝尽蛍光体パネルの画
像情報を読み取る際に十分な分解能を得る大きさにレー
ザビームを収束させることができない。そこで、本実施
例の放射線画像読取装置では、画像情報を読み取る際に
は光抑制手段44を用いてレーザビームを収束させてい
る。一方、輝尽蛍光体パネルの画像情報を消去する際に
は、レーザのエネルギーが十分であれば小さなビームに
収束させる必要はなく、走査線間の消去残しを回避する
ためには読取時のレーザビームの大きさより大きいこと
が望ましい。そこで、光抑制手段44(図1参照)を用
いて、半導体レーザの出射面の大きさを変更することと
した。
【0033】次に、輝尽蛍光体パネルの画像情報を消去
するために適したレーザビーム形状について説明する。
ポリゴンスキャナ50(図1参照)等の光偏光器の回転
速度及び副走査速度が読取時と消去時で同じ場合、すな
わち、輝尽蛍光体パネル上での走査線間隔が同じ場合、
消去時の副走査方向のビーム径が読取時のそれより小さ
いと、走査線の間に消し残しを生じる。また、消去に必
要な時間を短縮するために、読取時に比べ消去時の副走
査速度を速くした場合にも走査線の間に消し残しを生じ
る。走査線の間に消し残しを生じさせないレーザビーム
形状は、副走査方向のビームの大きさが読取時に用いら
れるビームの大きさよりも大きいことが必要である。レ
ーザ強度が最大値の1/e2 になる幅をレーザビーム径
と定義すれば、通常、読取時に用いられるビーム径は主
走査方向、副走査方向ともに50〜200μm程度であ
る。ここで、読取時に用いられるビーム径を100μm
とした場合、消去に適した副走査方向のビーム径は、1
00〜1000μmとなる。例えば、消去に用いる副走
査方向のビーム径を200μm以上とした場合、消去時
は、読取時よりも副走査速度を2倍以上速くすることが
できる。一方、消去時の主走査方向のビーム径について
は特に制約はなく、読取時のビーム径より大きくても小
さくてもよい。
【0034】上記のような消去に適したビーム形状は、
高出力の半導体レーザを用いれば簡単に実現できる。こ
の理由は、上記のように高出力の半導体レーザは本来出
射光の特性が大きな楕円率を有する楕円ビームであるた
め、輝尽蛍光体パネル上で収束されたビームも大きな楕
円率を有する楕円となるからである。この楕円の長辺が
副走査方向に略平行になるように調整することにより、
副走査方向に大きく主走査方向に小さいビームが実現で
きる。
【0035】次に、図5を参照して光抑制手段について
説明する。図5は、光抑制手段の形状を示す模式図であ
る。半導体レーザ40(図1参照)の接合面40c(図
4参照)に平行な方向に出射されるレーザ光を制御する
光抑制手段をビーム出射面40a(図4参照)の前方に
設けることにより、通常50μm〜200μmの幅を持
つビーム出射面の大きさを数〜数10μm以下にするこ
とができる。具体的には図5(a)に示すように、スリ
ット80aの長手方向が半導体レーザ40の接合面40
cに対して垂直になるように、所定幅のスリット80a
が形成された光抑制手段80を読取時に半導体レーザ4
0のビーム出射面40aの中央近傍に設置するか、又
は、図5(b)に示されるように、所定の大きさのピン
ホール90aが形成された光抑制手段90を読取時に半
導体レーザ40のビーム出射面40aの中央近傍に設置
するという方法が用いられる。これにより、高出力の半
導体レーザ40のビーム出射面40aは見掛け上縦横比
の小さなものとなり、この結果、出射するビームの楕円
率は小さくなり、読取時に十分な分解能を達成するビー
ム径に収束させることが可能となる。もちろん、光抑制
手段を設置したときは、輝尽蛍光体パネル上での光強度
は、光抑制手段を設置しない消去時に比べ小さくなる
が、半導体レーザ40から出射するレーザ光の本来の光
強度が大きいため、読取に必要な光強度は十分確保でき
る。
【0036】上記実施例では高出力の半導体レーザを使
用し、読取時においては、半導体レーザのビーム出射面
近傍に、ピンホールやスリットが形成された光抑制制御
手段を設置することにより読取に必要なビーム形状を得
る一方、消去時においては光抑制手段を光路上から除去
して消去に必要な光強度を得、輝尽蛍光体パネル上の副
走査方向に大きなビーム形状を得る。さらには消去時の
副走査速度を読取時よりも速くすることにより処理時間
の短縮を図ることができる。
【0037】ここで、上記の光抑制手段の切り換え時
に、より精密なビーム形状を達成するために、コリメー
トレンズ系等の収束手段の一部を、読取、消去のそれぞ
れに適したものに切り換えてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の放射線画像
読取装置によれば、励起光の光源として半導体レーザが
使用され、さらに、半導体レーザと主走査手段との間に
光抑制手段が移動自在に取り付けられているため、半導
体レーザから出射されたレーザ光のビームの断面形状を
放射線画像の読み取り及び消去に応じて所定形状に変更
することにより、励起光のビームの断面形状を読み取り
及び消去それぞれに適したものとすることができ、放射
線画像の読み取りを高分解能で行い、しかも消去を十分
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像読取装置の一実施例を示す
概略構成図である。
【図2】輝尽蛍光体の一種であるBabr2 :Euの励
起光波長に対する輝尽発光光強度の関係を示すグラフで
ある。
【図3】波長が780nmのレーザ光を使用した場合の
消去(励起)エネルギに対する残存信号強度比の関係を
示すグラフである。
【図4】(a)は従来から用いられている低出力の半導
体レーザの出射面を示す模式図、(b)は本発明の実施
例で用いた高出力の半導体レーザの出射面を示す模式図
である。
【図5】図1に示された放射線画像読取装置の光抑制手
段の形状を示す模式図である。
【図6】従来の放射線画像読取装置を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
40 半導体レーザ 42 輝尽蛍光体パネル 44,80,90 光抑制手段 46 コリメートレンズ系 48 ビーム成形手段 50 ポリゴンスキャナ 52 fθレンズ系 56 折り返しミラー
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を出射する半導体レーザと、 被写体の放射線画像が蓄積記録された輝尽蛍光体に、前
    記放射線画像の読み取り及び消去のために主走査方向に
    繰り返し前記レーザ光を走査する主走査手段と、 前記輝尽蛍光体もしくは前記レーザ光を副走査方向に相
    対的に移動させる副走査手段と、 前記半導体レーザと前記主走査手段との間に移動自在に
    取り付けられた、前記放射線画像の読み取り及び消去に
    応じて前記レーザ光のビームの断面形状を各所定の形状
    に変更する光抑制手段とを備えたことを特徴とする放射
    線画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体レーザが、600nm以上9
    00nm以下の発振波長を有することを特徴とする請求
    項1記載の放射線画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体レーザが、前記放射線画像を
    消去する際に前記輝尽蛍光体に約30J/m2 以上の励
    起エネルギを与えることを特徴とする請求項1記載の放
    射線画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体レーザが、前記放射線画像を
    消去する際において主走査方向のビーム径よりも副走査
    方向のビーム径が大きい楕円状ビームであって、かつ該
    楕円状ビームの副走査方向のビーム径が前記放射線画像
    を読み取る際におけるレーザ光の副走査方向のビーム径
    よりも大きい形状のビームを有するレーザ光を出射する
    ことを特徴とする請求項1記載の放射線画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記光抑制手段が、前記半導体レーザか
    ら出射されたレーザ光が通過するピンホールまたはスリ
    ットを有してなることを特徴とする請求項1記載の放射
    線画像読取装置。
  6. 【請求項6】 前記副走査手段が、前記放射線画像を読
    み取る際に比べ前記放射線画像を消去する際の方が前記
    輝尽蛍光体もしくは前記レーザ光を副走査方向に相対的
    に速く移動させることを特徴とする請求項1記載の放射
    線画像読取装置。
  7. 【請求項7】 前記副走査手段が前記輝尽蛍光体もしく
    は前記レーザ光を相対的に移動させる際の往路で前記放
    射線画像の読み取りを行い、復路で前記放射線画像の消
    去を行うことを特徴とする請求項1記載の放射線画像読
    取装置。
JP5216509A 1993-08-31 1993-08-31 放射線画像読取装置 Withdrawn JPH0764218A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015069132A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 富士フイルム株式会社 放射線画像読取装置、放射線画像読取プログラム、及び放射線画像読取方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015069132A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 富士フイルム株式会社 放射線画像読取装置、放射線画像読取プログラム、及び放射線画像読取方法

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