JPH076411Y2 - 手回品盗難防止器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、手回品盗難防止器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来手回品盗難防止器には、錠本体にワイヤの基端を連
結し、このワイヤの先端には、上記錠本体に施錠する鍵
を連結してなるものがあるけれども、錠本体に設けた一
対のダイヤルを、それらの頭部に表示されている数字群
から使用者によって一つずつ選び出された一対の数字が
向かい合う位置に回すと、錠本体に施錠されている鍵を
解錠できるように構成されたものは未だ見られない。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、そのように構成された手回品盗難防止器を提
供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案は、錠本体の内空
部に、分離自在に接合する一対のロック片を設置し、こ
の一対のロック片の接合面には、それらの接合時に鍵孔
を形成する凹部を設け、上記一対のロック片には、それ
らを常時接合させるように付勢するスプリングを懸架
し、上記一対のロック片の接合面の反対側の側面には、
係合溝を設け、上記錠本体には、ダイヤル操作板を取り
はずし可能に結合し、上記錠本体の適当箇所には、ワイ
ヤ巻付部を設け、このワイヤ巻付部には、ワイヤの基端
を連結し、このワイヤの先端には、上記鍵孔に係止する
形状に成形された鍵を連結してなる手回品盗難防止器に
おいて、上記ダイヤル操作板は、数字群が円周方向に並
ぶように表示されている一対のダイヤル頭部を基板の上
面に配置し、この各ダイヤル頭部に設けたダイヤル軸を
上記基板に回転自在に挿通し、それらの軸端には、上記
各係合溝に係合する円形の係止縁と、この各係止縁の一
部を切欠した切欠部と、上記数字群の各数字と対応する
ように穿設した小孔群とを有する掛け金を当てがい、上
記数字群から選び出された一対の数字が向かい合う位置
に上記各ダイヤル頭部を回すとともに、上記各切欠部が
上記各係合溝に向かい合う位置に上記各掛け金を回し
て、上記小孔群のうち、上記向かい合った各数字と対応
する小孔にピンを挿通して、上記各掛け金を上記ダイヤ
ル軸の軸端に位置決め固定することを特徴とするもので
ある。

〔実施例〕

以下図面にもとづいて本考案の一実施例を説明すると、
１は錠本体で、その上面には、片側の側縁全体から直立
する突出部２と、反対側の側縁の両端部から直立する突
起部３、４とを有する。５は錠本体１の上面中央部から
下面に向けて成形した内空部、６、７はこの内空部５に
設置した一対のロック片で、それらの下端から上端にか
けて分離自在に接合する接合面８、９と、錠本体１の上
面から突出する上端部10、11とを有し、接合面８、９が
ロック片６、７の下端部を支点にして分離するように設
置してあり、接合面８、９の中間部分には、鍵孔12を形
成する凹部12A、12Bを設け、上端部10、11のうち接合面
８、９と反対側の側面には、係合溝13、14を穿設してあ
る。15、16はロック片６、７の中間部分に懸架したスプ
リングで、ロック片６、７をそれらの接合面８、９が常
時接合するように付勢している。17は錠本体１の上面に
取り外し可能に結合したダイヤル操作板で、これは、錠
本体１の上面に重ねる基板18に一対のダイアル19、20を
回転自在に取付け、このダイアル19、20の軸端には、係
合溝13、14に係合させる係止縁21、22と、この係止縁2
1、22の一部を係合溝13、14からはずれる大きさ切欠し
た切欠部23、24とを有する掛け金25、26を固定してな
る。上記ダイアル19、20の頭部27、28には、例えば
「１」〜「10」の10個の数字が円周方向に順に並ぶ数字
群29、30を表示し、この頭部27、28に設けたダイアル軸
31、32は、基板18に穿設した軸孔33、34に回転自在に挿
通し、それらの軸端35、36を係合溝13、14の近傍に到達
させる。上記掛け金25、26には、ダイヤル軸31、32の軸
径より拡大して係合溝13、14にそれぞれ係合させる円形
の係止縁21、22と、この各係止縁21、22の一部を係合溝
13、14からはずれる大きさに切欠した切欠部23、24と、
ダイアル軸31、32の軸径より若干縮小した円周上に並ぶ
10個の小孔からなる小孔群37、38と、中心部孔39、40と
を設けてあり、この掛け金25、26は、次のようにしてダ
イヤル軸31、32の軸端35、36に固定してある。即ち、ダ
イヤル操作板17を錠本体１に結合する直前において、掛
け金25、26を軸端35、36に当てがい、使用者がダイヤル
頭部27、28の数字群29、30から特定の数字を一つずつ、
例えば「２」と「５」を選び出し、この各数字が向かい
合う位置に各ダイヤル頭部27、28を回すとともに、切欠
部23、24が係合溝13、14とそれぞれ向かい合う位置に掛
け金25、26を回し、小孔群37、38のうち、上記「２」と
「５」の数字とそれぞれ対応する２番目の小孔41と５番
目の小孔42にピン43、44を通して、各掛け金25、26の位
置決めをし、各ビス45、46を中心孔39、40へ通した後、
軸端35、36の中心部に穿設されているねじ孔47、48へね
じ込むことにより、掛け金25、26を軸端35、36に固定す
る。この各掛け金25、26の固定が済んだら、ダイヤル頭
部27、28を回すことなく、ダイヤル操作板17を錠本体１
の上面に載せ、基板18の一方の側面から突出させた係止
突起49を、突出部２に穿設した係合溝50に係合させ、基
板18の反対側の側面から突出させた突出部51を突起部
３、４間にはめ込んで、基板18を錠本体１の上面に固定
するとともに、掛け金25、26の切欠部23、24を係合溝1
3、14に対向させる。この状態で、一方の突起部３から
突出部51、他方の突起部４の順に針金状のピン52を挿通
し、かつこのピン52を特殊な道具でないと抜けないよう
に挿通することにより、ダイヤル操作板17を錠本体１に
結合する。なお、ダイヤル操作板17は、上記結合手段に
限らず、各種の結合手段で錠本体１に取はずし可能に結
合することもある。この結合後に、ダイヤル頭部27、28
を回せば、掛け金25、26の係止縁21、22が係合溝13、14
と係合する位置へと回転する。53は錠本体１の適当箇所
に設けたワイヤ巻付部、54はこのワイヤ巻付部53に巻き
付けたワイヤで、その基端部をワイヤ巻付部53に簡単に
外れないように連結してあり、このワイヤ54の先端に
は、鍵孔12に係止する形状に成形された鍵55を簡単に外
れないように連結してある。56は錠本体１において鍵孔
12に連通するように設けた鍵差し込み口である。

上記の構成よりなる手回品盗難防止器では、ダイヤル頭
部19、20をそれらに表示されている数字群29、30のうち
の「２」と「５」が向かい合う位置に回すと、各掛け金
25、26も連動して回転し、それらの各係止縁21、22が各
係合溝13、14からはずれて、各切欠部23、24が各係合溝
13、14と向かい合う位置に到達するので、ロック片６、
７の接合面８、９がそれらの下端部を支点にし、かつス
プリング15、16の弾力に抗して分離自在になり、鍵55を
鍵差し込み口56から鍵孔12にかけて差し込んだり、鍵孔
７から鍵差し込み口56を通して抜き出すことが可能にな
る。そこで本考案品の携帯中には、ワイヤ54が邪魔にな
らないようにワイヤ巻付部53に巻き付けて、鍵55を鍵差
し込み口56から鍵孔12へ差し込み、ダイヤル頭部27、28
を数字「２」と「５」がずれる位置に回して、鍵55をロ
ック片６、７でロックしておき、手回品を置こうとする
場合には、ダイヤル頭部27、28を数字「２」と「５」が
向かい合う位置に回して、鍵55のロックを解除し、鍵55
を鍵差し込み口56から抜き出して、ワイヤ54をワイヤ巻
付部53から巻き戻し、手回品を置こうとする場所の近く
に手摺り、支柱などを探し、それと手回品に付いている
把手などとの間に上記巻き戻したワイヤ54を巻き掛け、
鍵55を鍵孔12へスプリング15、16の弾力に抗して差し込
み、次いでダイヤル頭部27、28をそれまで向かい合って
いた「２」と「５」の数字がずれる位置に回す。する
と、各掛け金25、26も連動して回転し、それらの各係止
縁21、22が各係合溝13、14と係合する位置へ移動して、
ロック片６、７をそれらの接合面８、９が分離しないよ
うにロックするので、鍵55が鍵孔12から抜けなくなり、
鍵55の錠本体１に対する施錠が完了する。

本考案は、上記実施例のほか、第６図示のように錠本体
１の側面にパイプなどの側面をはめ込む形状の凹部57を
有する台座58を設け、この台座58を自転車のフレーム、
その他の手回品に組み込まれているパイプ状の部品に固
着した状態で手回品盗難防止器として使用することもあ
り、また第７図示のようにスキーのストック59のグリッ
プ部60の後端に錠本体１の側面を直接固着した状態でス
キーストック盗難防止器として使用することもあり、ま
た第８図示のようにスキーのストック59のグリップ部60
の前端に接近した部分に錠本体１の台座58をはめ込んで
固着し、ワイヤ54をストック59の空洞部から出し入れす
る状態でスキーストック盗難防止器として使用すること
もある。

〔考案の効果〕

本考案は、叙上のように構成したから、使用者がダイヤ
ル頭部に表示されている数字群から自由に選び出した一
対の数字にあわせて、ダイヤル軸に対する掛け金の位置
決めを簡単に行うことができ、上記一対の数字が向かい
合う位置にダイヤル頭部を回せば、簡単に解錠でき、し
かも一対の数字は使用者本人が決められるので、覚え込
みやすいため、誰にでも使いやすい手回品盗難防止器を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２図はそれ
の断面図、第３図は錠本体からダイヤル支持板をはずし
た状態の断面図、第４図はダイヤル支持板を錠本体から
はずした状態の斜視図、第５図はダイヤル軸の軸端へ掛
け金を固定する例を説明する斜視図、第６図は本考案の
別の実施例を説明する図、第７図は本考案のさらに別の
実施例を説明する図、第８図は本考案のさらに別の実施
例を説明する図である。 １…錠本体、５…内空部、６、７…ロック片、８、９…
接合面、12…鍵孔、13、14…係合溝、15、16…スプリン
グ、17…ダイヤル操作板、18…基板、19、20…ダイヤ
ル、21、22…係止縁、23、24…切欠部、25、26…掛け
金、27、28…ダイヤル頭部、29、30…数字群、31、32…
ダイヤル軸、35、36…軸端、37、38…小孔群、52…ピ
ン、53…ワイヤ巻付部、54…ワイヤ、55…鍵、56…鍵差
し込み口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】錠本体の内空部に、分離自在に接合する一
   対のロック片を設置し、この一対のロック片の接合面に
   は、それらの接合時に鍵孔を形成する凹部を設け、上記
   一対のロック片には、それらを常時接合させるように付
   勢するスプリングを懸架し、上記一対のロック片の接合
   面の反対側の側面には、係合溝を設け、上記錠本体に
   は、ダイヤル操作板を取りはずし可能に結合し、上記錠
   本体の適当箇所には、ワイヤ巻付部を設け、このワイヤ
   巻付部には、ワイヤの基端を連結し、このワイヤの先端
   には、上記鍵孔に係止する形状に成形された鍵を連結し
   てなる手回品盗難防止器において、上記ダイヤル操作板
   は、数字群が円周方向に並ぶように表示されている一対
   のダイヤル頭部を基板の上面に配置し、この各ダイヤル
   頭部に設けたダイヤル軸を上記基板に回転自在に挿通
   し、それらの軸端には、上記各係合溝に係合する円形の
   係止縁と、この各係止縁の一部を切欠した切欠部と、上
   記数字群の各数字と対応するように穿設した小孔群とを
   有する掛け金を当てがい、上記数字群から選び出された
   一対の数字が向かい合う位置に上記各ダイヤル頭部を回
   すとともに、上記各切欠部が上記各係合溝に向かい合う
   位置に上記各掛け金を回して、上記小孔群のうち、上記
   向かい合った各数字と対応する小孔にピンを挿通して、
   上記各掛け金を上記ダイヤル軸の軸端に位置決め固定す
   ることを特徴とする手回品盗難防止器。