JPH0763970B2 - 導電性樹脂成形品 - Google Patents

導電性樹脂成形品

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JPH0763970B2
JPH0763970B2 JP34145293A JP34145293A JPH0763970B2 JP H0763970 B2 JPH0763970 B2 JP H0763970B2 JP 34145293 A JP34145293 A JP 34145293A JP 34145293 A JP34145293 A JP 34145293A JP H0763970 B2 JPH0763970 B2 JP H0763970B2
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英裕 岩瀬
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東芝ケミカル株式会社
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性、特にその経時
安定性に優れた、信頼性の高い導電性樹脂成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂に導電性繊維を
配合して導電性樹脂組成物とし、該組成物は導電性樹脂
成形品の材料に利用されてきた。これらには主に炭素系
の導電性繊維が配合されてきたが、その用途は静電気防
止が主で、近年問題になっている電磁波シールドに対し
ては導電性が低くあまり有効でない。そこで電磁波シー
ルド用には金属系の導電性繊維(以下単に金属繊維とい
う)を使用して導電性を向上させることが行われてい
る。
【0003】しかし、金属繊維を配合すると比重が大き
くなり、また樹脂がもつ本来の特性を大きく損なうとい
う問題があり、その配合量を最小限にすることが要求さ
れている。ところが、これらの金属繊維の配合量を減少
させると、導電性が低下し、更には使用環境についても
大きな制約を受ける。すなわち、使用する樹脂と金属繊
維との熱膨張の差により、高温になると導電性が劣化す
るという問題が生ずる。そのため、現状では金属繊維の
配合量を多くして導電性の低下・劣化を防止し、かつ使
用環境を限定することによって実用化されている。その
ように従来の金属繊維の導電性樹脂組成物及び成形品は
用途に制約を受け、かつ特性が不安定で信頼性も低いと
いう問題点があった。
【0004】また低融点金属と熱可塑性樹脂とを混合す
ることにより導電性の得られることが知られているが、
低融点金属は樹脂との密着性が悪く、樹脂から分離して
樹脂の物性を低下させ、また成形機の材料色替えの際に
空打等で樹脂と低融点金属とが分離し、金属のみが飛散
する等の成形加工上きわめて危険であるなどの問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたもので、高温においても成形
品の導電性が劣化せず、特にその経時安定性に優れ、成
形加工時においても樹脂低融点金属との分離、飛散など
がなく、成形加工性のよい、信頼性の高い導電性樹脂成
形品を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、導電性充填材と
して、銅繊維と、通常熱可塑性樹脂より高い融点を有す
る低融点金属とを併用することによって、高温において
も成形品の導電性の劣化がなく、成形加工時においても
熱可塑性樹脂と低融点金属との分離・飛散のない導電性
樹脂成形品が得られることを見いだし本発明を完成した
ものである。
【0007】すなわち、本発明は、(A)銅繊維及び
(B)低融点金属からなる導電性充填材の表面に(C)
熱可塑性樹脂層を被覆形成一体化したペレット状のマス
ターペレットと、(D)熱可塑性樹脂ペレットとを配合
した導電性樹脂組成物を、低融点金属の融点以上の温度
で射出成形してなることを特徴とする導電性樹脂成形品
である。
【0008】本発明に用いる(A)銅繊維としては、長
繊維状の銅繊維、銅層を有する有機繊維、炭素繊維など
が挙げられる。銅繊維の直径は5 〜100 μm 程度のもの
が望ましく、この銅繊維は、後述する(B)低融点金属
と集合させて導電性充填材とし、次いで(C)熱可塑性
樹脂層で被覆形成一体化し、長さ5 〜8mm に切断してマ
スターペレットとする。銅繊維の含有量は、全体の導電
性組成物に対して0.5〜30重量%含有することが望まし
い。0.5 重量%未満では導電性が低く、また30重量%を
超えると組成物の流動性や物性が低下し好ましくない。
【0009】本発明に用いる(B)低融点金属としては
Sn 又はSn −Pb を主成分とする一般のハンダ合金、
Sn −Pb −Ag を主成分とする高温ハンダ合金、さら
にはSn −Pb −Bi を主成分とする低温ハンダ合金等
が挙げられる。低融点金属は、繊維状、線状、棒状、そ
のいずれでもよく、特にその形状に限定されるものでは
ない。前述の銅繊維はこの低融点金属と集合させるが、
銅繊維と繊維状の低融点金属とを単に集合させても、銅
繊維の表面に低融点金属の層を形成したものでもよい。
また、銅繊維に粒状の低融点金属をサイジングしてもよ
く、その集合の方法を限定するものではない。こうして
銅繊維と低融点金属とからなる導電性充填材をつくる。
これらの低融点金属の融点は、混合する熱可塑性樹脂の
成形加工温度によって選定すること、すなわち、熱可塑
性樹脂の融点より高い融点を有することが望ましく、そ
のような低融点金属を選定使用することである。低融点
金属の含有量は銅繊維に対して5 〜30重量%含有するこ
とが望ましい。その含有量が5 重量%未満では銅繊維を
結合、被覆することが不充分となり、また30重量%を超
えると過剰の低融点金属が遊離して、組成物の物性を低
下させ好ましくない。
【0010】本発明で(C)熱可塑性樹脂層を形成する
ものとしては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン
・スチレン樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、
ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等が挙げ
られる。この熱可塑性樹脂は、銅繊維と低融点金属とを
被覆するものである。
【0011】本発明に用いる(D)熱可塑性樹脂ペレッ
ト(以下ナチュラルペレットという)は、前記の(C)
熱可塑性樹脂層と同種又は同一のものでもよい。また
(C)の熱可塑性樹脂層と混合されることによって界面
に形成される第三の合成樹脂が補強効果をもつもの、す
なわちブレンドポリマーとなるものでもよい、例えば、
(C)熱可塑性樹脂層として変性PPO樹脂、ポリカー
ボネート樹脂等を使用するときはナチュラルペレットと
してスチレン系の熱可塑性樹脂を使用すると好結果が得
られる。こうすることによっり界面に形成される第三の
合成樹脂が補強効果をもつものである。これらの組合せ
を用いることによって、特性の優れた成形品を得ること
ができる。
【0012】本発明の導電性樹脂成形品は、通常次のよ
うにして製造することができる。長繊維状の銅繊維と、
低融点金属とを集合させて導電性充填材とし、押出機の
ダイスを通して導電性充填材の表面に熱可塑性樹脂層を
被覆形成し、次いで適当な大きさに切断してペレット状
にしてマスターペレットとする。マスターペレットは通
常断面が円形であるが、円形でなくとも偏平、その他の
形状でもよく特に形状に制限されない。また、マスター
ペレットの製造工程は連続的に行うことが経済的に有利
であるが、必ずしも連続的でなくともバッチ方式で製造
してもよい。このマスターペレットに熱可塑性樹脂のみ
からなるナチュラルペレットを配合して導電性樹脂組成
物とする。配合するナチュラルペレットは、導電性樹脂
組成物やその成形品に要求される特性に応じて、熱可塑
性樹脂およびその量が適切に選択される。
【0013】こうして製造された導電性樹脂組成物を低
融点金属の融点以上の温度で射出成形して、本発明の導
電性樹脂成形品とすることができる。本発明の導電性樹
脂成形品は、電磁波シールドを必要とする電子機器、計
測機器、通信機器等のハウジングや部品に使用して好適
である。
【0014】
【作用】本発明によれば、導電性充填材として銅繊維と
低融点金属を併用したことによって、銅繊維間の接合点
を低融点金属が融着して強固な網目状の結合を形成し、
その結果、導電性の劣化がなくなる。従って、銅繊維配
合量の減少が可能となり、樹脂本来の特性を損なうこと
もない。また熱可塑性樹脂の成形加工温度によって溶融
する低融点金属を選択し、銅繊維と強固に融着するた
め、低融点金属の分離や飛散等がない。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明する。
【0016】実施例 直径50μm の銅繊維を300 本収束し、この銅繊維に直径
300 μm の繊維状の低融点金属(Sn 60%、Pb 40%)
を集合させて束ねて導電性充填材とし、タフレックス4
10(三菱モンサント化成社製、ABS樹脂、商品名)
を用いて押出機のダイスを通し、導電性充填材の表面に
ABS樹脂を溶融被覆した。これを冷却してペレタイザ
ーで繊維方向に6mm の長さに切断してマスターペレット
とした。このマスターペレットに、タフレックス410
(前出)のナチュラルペレットを配合して導電性樹脂組
成物を製造した。この場合の銅繊維の充填率は30重量%
であった。この導電性樹脂組成物を用いて、射出成形を
行い成形品を得た。成形品について体積抵抗率、シール
ド効果の試験を行ったのでその結果を表1に示したが、
本発明の極めて顕著な効果が確認された。
【0017】比較例 実施例において低融点金属を用いない以外はすべて実施
例と同一にしてマスターペレット、導電性樹脂組成物お
よび成形品をつくり、その成形品について実施例と同様
に試験を行ったのでその結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上の説明および表1からも明らかなよ
うに、本発明の導電性樹脂成形品は、導電性充填材とし
て銅繊維と低融点金属を併用したことによって、銅繊維
同士の結合が強固となり、銅繊維の配合量を減少でき、
また成形加工時における低融点金属の分離・飛散がなく
成形加工性が向上した。また本発明の成形品は、高温に
おける環境変化を加えても導電性が低下することなく、
電磁波シールド効果の経時安定性に優れたものである。
この成形品を電子機器、通信機器等に使用すれば極めて
高い信頼性を付与することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 305:10 505:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)銅繊維及び(B)低融点金属から
    なる導電性充填材の表面に(C)熱可塑性樹脂層を被覆
    形成一体化したペレット状のマスターペレットと、
    (D)熱可塑性樹脂ペレットとを配合した導電性樹脂組
    成物を、低融点金属の融点以上の温度で射出成形してな
    ることを特徴とする導電性樹脂成形品。
JP34145293A 1993-12-10 1993-12-10 導電性樹脂成形品 Expired - Fee Related JPH0763970B2 (ja)

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