JPH07122023B2 - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

導電性樹脂組成物

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JPH07122023B2
JPH07122023B2 JP8391887A JP8391887A JPH07122023B2 JP H07122023 B2 JPH07122023 B2 JP H07122023B2 JP 8391887 A JP8391887 A JP 8391887A JP 8391887 A JP8391887 A JP 8391887A JP H07122023 B2 JPH07122023 B2 JP H07122023B2
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英裕 岩瀬
圭一 幅田
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東芝ケミカル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、優れた導電性を有し、環境温度の変化や経時
変化においても導電性が劣化することがない、信頼性の
高い導電性樹脂組成物に関する。
(従来の技術) 近年、外部の電子回路に発生する電磁波から電子機器を
保護し、あるいはその電子機器から外部に電磁波漏洩す
ることを防止するため、電子機器の筐体を電磁波シール
ド材料で形成することが要請されている。この電磁波シ
ールド用の材料には、従来の炭素繊維を充填した材料以
上の高い導電性と同時に、筐体として優れた機械的強度
とが要求され、そのため合成樹脂に金属系の導電性充填
材を長繊維状のまま充填することが不可欠となってい
る。
しかし、金属系の導電性充填材を長繊維状のまま充填し
た材料は、優れた機械的強度と導電性が得られるが、使
用環境に制約を受ける欠点がある。すなわち、導電性充
填材として活性の強い金属を使用すると、合成樹脂の劣
化が速くなるため、高温度或いは外光を直接受ける場所
には使用できないという問題であり、また導電性充填材
と導電性充填材との結合が単なる接触であることから環
境の温度変化によってその接触が変化し、導電性が低下
して行く問題がある。これらのことから長繊維の金属充
填材を充填した従来材料は著しく信頼性を損なう欠点が
あり、実用化の大きな障害となっていた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記の欠点を解決するためになされたもの
で、優れた導電性を有し、環境温度の変化や経時の変化
等においても導電性が劣化することなく、また樹脂の機
械的特性の劣化を押さえた、信頼性の高い導電性樹脂組
成物を提供しようとするものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明は、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた
結果、導電性繊維をフラックスを含む低融点金属で被覆
収束したペレットを用いることによって、優れた導電性
を有し、環境の温度変化や経時変化等においても導電性
が劣化することなく、樹脂の物性のよい導電性樹脂組成
物が得られることを見いだし、本発明を完成させたもの
である。すなわち、本発明は、長繊維状の導電性繊維を
フラックスを含む低融点金属で被覆収束し、ペレット状
に切断してなるマスターペレットと、熱可塑性樹脂から
なるナチュラルペレットとを配合することを特徴とする
導電性樹脂組成物である。
本発明に用いる長繊維城の導電性繊維としては、銅繊
維、銅合金繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、
ニッケル繊維等の金属繊維、銅、アルミニウム、ニッケ
ル等の金属層を有する有機繊維又は無機繊維等が挙げら
れる。導電性繊維の直径は8〜100μm程度が好まし
く、100〜10,000本収束したものを使用する。導電性繊
維の配合割合は、全体の組成物に対して1〜80重量%で
あることが好ましい。1重量%未満では導電性が低く、
また80重量%を超えると組成物の流動性、樹脂の物性が
低下し好ましくないからである。
本発明に用いるフラックスとしては、有機酸系、樹脂系
のフラックスが好ましく、具体的には有機酸系のステア
リン酸、乳酸、オレイン酸、グルタミン酸等、樹脂系の
ロジン、活性ロジン等が挙げられ、これらは低融点金属
に応じて1種で又は2種以上混合して用いる。フラック
スのうちでもハロゲンやアミン系のものは、導電性繊維
や成形用金型を腐食させるのでその使用は好ましくな
い。フラックスの配合割合は、低融点金属に対し0.1〜
5重量%であることが望ましい。配合量が0.1重量%未
満では導電性繊維の半田ぬれ性が悪く、また、5重量%
を超えると樹脂の物性が低下し、さらに金型の腐食・汚
れの原因となり好ましくない。フラックスの配合方法は
低融点金属に充填させておく。
本発明に用いる低融点金属としては、使用する熱可塑性
樹脂の成形加工温度と同程度の融点を持つ金属であれば
よく、Sn若しくはSn−Pbを主成分とする一般半田合金、
Sn−Pb−Cd−Ag−Znを主成分とする高温半田合金、更に
はSn−Pb−Cd−Biを主成分とする低温半田合金等が挙げ
られる。低融点金属の配合割合は、導電性繊維に対して
5〜30重量%であることが望ましい。配合量が5重量%
未満では導電性繊維を被覆させるに不充分となって導電
性が低下し、また30重量%を超えると低融点金属が遊離
して樹脂の物性が低下し好ましくない。低融点金属は全
体の組成物に対して0.1〜20重量%の割合で含有するこ
とが望ましい。低融点金属は、長尺の導電性繊維を低融
点金属層を通し、かつダイスを通して導電性繊維の外側
を被覆させて使用する。
本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロ
ニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、変性ポリフェニ
レンオキサイド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエー
テルイミド樹脂等が挙げられ、これらは1種又は2種以
上混合して使用する。
本発明の導電性樹脂組成物は通常次のようにして製造す
ることができる。以下図面を用いて説明する。
第1図は、本発明に用いるマスターペレットの断面図
である。導電性繊維2を束ねた表面にフラックスを充填
した低融点金属3が被覆形成一体化され、切断してマス
ターペレットとする。マスターペレットの断面は通
常円形であるが、必ずしも円形である必要がなく、状況
に応じて偏平、楕円形その他の形状でもよく、特に制限
はない。この低融点金属3は第2図に示したように低融
点金属槽を通して被覆形成される。すなわち束ねた長繊
維状の導電性繊維4はロール5を経由して低融点金属槽
6中の溶融した低融点金属7を通し、次いでロール8を
経由して導電性繊維表面に低融点金属を被覆9し、引き
続きカッティング10してマスターペレット11を製造す
る。マスターペレットを製造する工程は連続的に行うこ
とが経済的に有利であるが連続的でなくバッチ方式で行
うこともできる。こうして得られたマスターペレット
に、熱可塑性樹脂のみからなるナチュラルペレットを配
合して導電性樹脂組成物を製造することができる。
こうして製造される本発明の導電性樹脂組成物は熱可塑
性樹脂の融点以上の温度で射出成形して成形品となし、
電磁波シールドを必要とする電子又は電気機器、計測機
器、通信機器等のハウジングや部品として使用すること
ができる。
(作用) 本発明によれば導電性繊維、フラックス、低融点金属お
よび熱可塑性樹脂は次のように作用し、優れた導電性が
得られる。
導電性樹脂組成物は、射出成形機の加熱シリンダー内に
おいて導電性繊維が熱可塑性樹脂に分散するとともに低
融点金属が熱可塑性樹脂と同様に溶けて、導電性繊維と
導電性繊維とが低融点金属の被覆融着によって網目状態
となり、そのまま金型内に注入されて冷却固化する。導
電性繊維と低融点金属とが融着する際、フラックスによ
って導電性繊維にぬれ性を付与させるために、導電性繊
維と低融点金属が強固な網目状態を形成する。もし、導
電性繊維のぬれ性が悪いと、低融点金属が遊離して樹脂
の劣化、樹脂物性の低下、成形品の表面荒れとなり、ま
た導電性も低下する。従って本発明のように、導電性繊
維と導電性繊維が低融点金属と強固に結合して網目状態
となることによって、導電性が著しく向上し、かつ樹脂
の物性を損なうことがなくなる。このことは本発明の導
電性樹脂組成物を用いた成形品の樹脂分を溶剤で溶かし
てみると導電性繊維の結合した網目状態をはっきりと確
認することができる。導電性の向上によって導電性繊維
の配合量を低減できるし、また、低融点金属の分離や飛
散がなくなり作業上安全となる。
(実施例) 次に本発明を実施例によって説明するが、本発明は下記
実施例によって限定されるものではない。
実施例 直径50μmの長尺の銅繊維300本を、フラックス2重量
%含有した低融点金属(Sn60%、Pb40%)槽およびダイ
スを通して銅繊維の表面に低融点金属を被覆形成し、直
径3mmに一体化して冷却後、長さ6mmに切断してマスター
ペレットとした。このマスターペレット50重量部と、ナ
チュラルペレットとしてタフレックス410(三菱モンサ
ント社製ABS樹脂、商品名)500重量部とを機械的に混合
して導電性樹脂組成物を製造した。この組成物を用いて
射出成形して成形品を得、この成形品について体積抵抗
率、電磁波シールド効果および機械的強度を試験したの
で、その結果を第1表に示した。80℃3000時間の環境試
験後においても、体積抵抗率は変化せず、電磁波シール
ド効果も劣化せず、また機械的強度も初期値の80%以上
保持しており、本発明の顕著な効果が確認された。
比較例 直径約50μmの銅繊維を300本束ね、その表面に、タフ
レックス410(三菱モンサント社製ABS樹脂、商品名)を
被覆形成し、直径3mmに一体化して冷却後、長さ6mmに切
断してマスターペレットをつくった。このマスターペレ
ット50重量部とナチュラルペレットとしてタフレックス
410(前出)500重量部とを機械的に混合して導電性樹脂
組成物を製造した。この組成物を用いた射出成形して成
形品を得、実施例と同様にして諸特性の試験を行ったの
で、その結果を第1表に示した。
[発明の効果] 以上の説明および第1表から明らかなように、本発明の
導電性樹脂組成物は、導電性繊維と低融点金属とを併用
し、かつフラックスを配合したことによって低融点金属
を介して導電性繊維と導電性繊維が強固に結合して優れ
た導電性を有し、環境の温度変化や経時変化等において
も導電性が低下せず、また導電性繊維が強固に結合した
ことによって樹脂の劣化の少ない機械的特性の優れたも
のである。電子又は電気機器にこの組成物を用いること
によって高い信頼性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いるペレットの断面図、第2図は本
発明におけるペレットの製造工程を説明するための概念
図である。11……マスターペレット、2……導電性繊維、3…
…低融点金属、4……長繊維状の導電性繊維、5……ロ
ール、6……低融点金属槽、7……溶融した低融点金
属、8……ロール、9……被覆。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長繊維状の導電性繊維をフラックスを含む
    低融点金属で被覆収束し、ペレット状に切断してなるマ
    スターペレットと、熱可塑性樹脂からなるナチュラルペ
    レットとを配合することを特徴とする導電性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】長繊維状の導電性繊維が、銅繊維、銅合金
    繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、ニッケル繊
    維等の金属繊維、又は表面に銅、アルミニウム、ニッケ
    ル層を有する有機若しくは無機の繊維である特許請求の
    範囲第1項記載の導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】フラックスが、ステアリン酸、乳酸、オレ
    イン酸、グルタミン酸、ロジン又は活性ロジンである特
    許請求の範囲第1項又は第2項記載の導電性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】低融点金属が、Sn若しくはSn−Pbを主成分
    とする半田合金、Sn−Pb−Cd−Ag−Znを主成分とする高
    温半田合金、又はSn−Pb−Cd−Biを主成分とする低温半
    田合金である特許請求の範囲第1項ないし第3項いずれ
    か記載の導電性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】長繊維状の導電性繊維が、全体の組成物に
    対して1〜8重量%の割合で含有する特許請求の範囲第
    1項ないし第4項いずれか記載の導電性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】フラックスが、低融点金属に対して0.1〜
    5重量%の割合で含有する特許請求の範囲第1項ないし
    第5項いずれか記載の導電性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】低融点金属が、全体の組成物に対して0.1
    〜20重量%の割合で、かつ長繊維状の導電性繊維に対し
    て5〜30重量%の割合で含有する特許請求の範囲第1項
    ないし第6項いずれか記載の導電性樹脂組成物。
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JPH04359039A (ja) * 1991-06-04 1992-12-11 Nissei Plastics Ind Co 導電性樹脂材料及びその製造法並びに導電性成形品
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