JP2004047470A - 導電性樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成型品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形性に優れかつ導電性に優れさらに安価な導電性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】この導電性樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と成形時に溶融する低融点金属と熱可塑性樹脂またはゴム材料とを含むことを特徴とする。亜鉛系金属粉末の大きな表面積により溶融した低融点金属を捉え、低融点金属が樹脂及び亜鉛系金属粉末より相分離するのを阻止すると考えられる。また、粉末は繊維に比較し丸いため樹脂の流動性を大きく阻害することが無く、成形性に優れている。さらに安価であるという利点をもつ。
【選択図】 なし
【解決手段】この導電性樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と成形時に溶融する低融点金属と熱可塑性樹脂またはゴム材料とを含むことを特徴とする。亜鉛系金属粉末の大きな表面積により溶融した低融点金属を捉え、低融点金属が樹脂及び亜鉛系金属粉末より相分離するのを阻止すると考えられる。また、粉末は繊維に比較し丸いため樹脂の流動性を大きく阻害することが無く、成形性に優れている。さらに安価であるという利点をもつ。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気配線用樹脂組成物として使用できる導電性樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成型品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形時の温度で溶融する低融点金属が配合された導電性樹脂組成物としては特公平7−49491号公報とか特開平5−325637号公報に見られるように、金属繊維と低融点金属および合成樹脂からなる導電性樹脂組成物がある。かかる導電性樹脂組成物は射出成形等で所定形状に成形され、その構成成分である金属繊維及び低融点金属が互いに当接した状態で樹脂中に埋設される。このため成形体は導電性をもつ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の導電性樹脂組成物は金属繊維を導電性を付与するための主要構成成分として使用しているため、流動性が乏しく成形性が悪いという問題がある。この成形性を改善するため金属繊維の配合量を少なくし、その分低融点金属の配合量を増加させると低融点金属が成形時に相分離し、均一な導電性をもつ成形体が得られないという問題がある。また、金属繊維は価格が高く産業上利用されにくいという問題もある。
【0004】
本発明はかかる問題を解決するもので、成形性に優れかつ導電性に優れさらに安価な導電性樹脂組成物及びれを用いた樹脂成型品の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者等は導電材料として使用する金属繊維が成形性を悪化することであると考え、金属繊維に代えて金属粉末を活用することに思い至った。そして、亜鉛金属粉末と錫を主成分とする半田合金の組み合わせが優れた成形性と耐相分離性を兼ね備えることを見つけ、本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明の導電性樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と成形時に溶融する低融点金属と熱可塑性樹脂又はゴム材料である合成樹脂材料とを含むことを特徴とする。また、本発明の樹脂成型品の製造方法は、樹脂組成物を溶融混練しペレットとし、そのペレットを射出成形して樹脂成型品を得る樹脂成型品の製造方法において、前記樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と成形時に溶融する低融点金属と熱可塑性樹脂又はゴム材料であることを特徴とする
本発明においては、亜鉛系金属粉末の大きな表面積により溶融した低融点金属を捉え、低融点金属が樹脂及び亜鉛系金属粉末より相分離するのを阻止すると考えられる。また、粉末は繊維に比較し丸いため樹脂の流動性を大きく阻害することが無く、成形性に優れている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と低融点金属と熱可塑性樹脂又はゴム材料である合成樹脂材料とを含む。
【0008】
亜鉛系金属粉末は導電性を担保する基本成分である。亜鉛系金属粉末としては金属亜鉛粉末、黄銅粉末、錫−亜鉛粉末等を挙げることができる。粉末の形態としては球状、楕円状、薄片状等の粉末を使用できる。粉末の表面は凹凸の多い比表面積の大きいものが好ましい。比表面積を大きくすることにより溶融した低融点金属の捕捉が強くなり、溶融した低融点金属の相分離をより効果的に阻止できる。なお、亜鉛は低融点金属、特に錫に対して良く濡れるばかりでなく、錫と合金化が遅い。このため亜鉛の表面に濡れて付着した錫が、亜鉛と合金化して亜鉛に吸収される程度が低く、長く亜鉛表面で溶融した錫あるいは錫合金として存在する。このため亜鉛系金属粉末を互いに接合するのに好都合である。
【0009】
亜鉛系金属粉末の大きさは粒径で1〜100μm、より好ましくは15〜80μm程度である。なお、粒径が小さくなるほど、酸化皮膜が多くなつて、通電性が悪くなる。逆に粒径が大きくなると分散性が低下し、成形性と強度が低下する。
【0010】
亜鉛系金属粉末の配合量は導電性樹脂組成物全体を100体積%としたとき、10〜60体積%程度が好ましい。良好な通電性を必要とする場合には30体積%以上、さらには40体積%以上が良い。また、成形して得られる成形体の強度を必要とする場合には、亜鉛系金属粉末の配合量は40体積%以下であるのが好ましい。
【0011】
なお、亜鉛系金属粉末と樹脂との結合を強化するため亜鉛系金属粉末の表面にシラン系あるいはチタン系等のカップリング剤で処理することも好ましい。
【0012】
低融点金属としては通常半田として知られている錫合金を使用できる。具体的には錫、錫−亜鉛、錫−銅、錫−インジウム、錫−銀等を使用できる。低融点金属は通常微粉末として樹脂に配合される。低融点金属の好ましい粒径は6〜50μm程度である。
【0013】
低融点金属の配合量は導電性樹脂組成物全体を100体積%としたとき、3〜30体積%程度、より好ましくは6〜15体積%である。
【0014】
合成樹脂材料としては熱可塑性樹脂を使用できる。具体的には12ナイロン、6ナイロン、66ナイロン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン共重合樹脂(EVA、EAA、アイオノマー)等の結晶性樹脂、ABS、ポリウレタン、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンオキシド樹脂等の非晶性樹脂、液晶高分子、熱可塑性エラスレマーを使用できる。なお、複数種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイとして使用しても良い。特別な場合には、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等のゴム材料、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0015】
合成樹脂材料の配合量は導電性樹脂組成物全体を100体積%としたとき、30〜80体積%程度、より好ましくは40〜65体積%がよい。
【0016】
なお、亜鉛系金属粉末と低融点金属との相対配合割合は体積率で亜鉛系金属粉末/低融点金属の比率が1〜20程度、より好ましくは4〜10程度がよい。比率が小さくなると低融点金属同士が凝集し易くなり成形性が低下する。逆に比率が大きくなると通電性、電磁シールド性が低下する傾向にある。
【0017】
他の成分として、金属繊維、亜鉛系金属粉末以外の金属粉末、炭酸カルシウム、タルク等の増量材、その他、樹脂組成物に使用される添加剤を配合することができる。
【0018】
金属繊維としてはアルミニウム、アルミニウム合金等で作られたアルミニウム系金属繊維が好ましい。金属繊維の直径は50〜100μm程度、長さは2〜5mm程度が成形性および導通性の観点から好ましい。なお、金属繊維としてアルミニウム系金属繊維を使用する場合、全組成物を100体積%とすると、亜鉛粉末とアルミニウム系金属繊維は20〜50体積%を占める程度が好ましい。
【0019】
亜鉛粉末とアルミニウム系金属繊維との合計体積に対して、低融点金属の比率、すなわち、(亜鉛粉末の体積+アルミニウム系金属繊維の体積)/低融点金属の体積は2〜17が好ましい。比率が大きくなると導電性が悪くなり、逆に比率が小さくなると低融点金属が分離するようになる。
【0020】
導電性樹脂組成物は、前記した成分を押出機等で溶融混練し、ペレットとすることにより調製することができる。そしてこの導電性樹脂組成物を原料として射出成形し、目的の導電性をもつ樹脂成型品を得ることができる。特に本発明の導電性樹脂組成物は電気回路の回路構成材料として好ましい。すなわち、2色成形により、非導電性の樹脂組成物で成形された本体上に本発明の導電性樹脂組成物で形成した電気回路成形品を一体的に成形することにより優れた樹脂成形電気部品を得ることができる。
【0021】
なお、2色成形により電気回路部分のみを導電性樹脂組成物で形成する場合、亜鉛系金属粉末及び低融点金属等の金属成分の配合量を高くし、得られる電気回路部分の導通性をより高めることも好ましい。
【0022】
電磁シールドとか熱伝導を必要とする成形品の場合、必要な強度を得るために合成樹脂材料の配合量を増大させ、金属成分の配合量を少なくすることもできる。また、電磁シールドのガスケット成型品に対しては、合成樹脂材料として、ゴムあるいはエラストマーを用いることができる。
【0023】
本発明の樹脂成型品の製造方法は、使用する樹脂組成物が異なるもので、樹脂組成物からペレットを得る工程及びペレットから射出成形して樹脂製型品を得る工程は通常の射出成形工程と同じである。
【0024】
【作用】
本発明の導電性樹脂組成物は亜鉛系金属粉末を導電材の主要成分としている。亜鉛系金属は金属材料として比較的軟らかく融点も低い。また、亜鉛系金属粉末は低融点金属の錫合金とも良く濡れる。このため溶融した低融点金属は亜鉛系金属粉末の表面に付着して捕捉され、溶融した低融点金属が樹脂及び亜鉛系金属粉末から相分離することが少ない。また、亜鉛系金属粉末は繊維形状でなく繊維と比較して相対的に丸いため、溶融した樹脂の流動を妨げることが少ない。このため本発明の導電性樹脂組成物は成形性が良い。
【0025】
金属繊維に代えて金属粉末を使用することにより成形体としての導電性が悪化するのではないかと考えられるが、導電性の低下の程度は大きくなく、実用上大きな問題にならない。金属繊維を多量に配合した場合の成形性の悪化に対処するため樹脂成分の配合量を高める必要があるが、亜鉛系金属粉末を使用することにより成形性が高まり、その分亜鉛系金属粉末の配合割合を高く、樹脂成分の配合割合を低くできる。この結果亜鉛系金属粉末を使用することによる導電性の低下をカバーできる。
【0026】
本発明の導電性樹脂組成物は2色成形による電気回路部分、電磁シールド機能を持つ樹脂成形品、電磁シールド用のガスケット等に使用できる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す8種類の導電性樹脂組成物を調製した。原料として低融点金属として平均粒径50μmの無鉛半田(Sn−Cu−Ni、融点225℃)を、亜鉛系金属粉末としてメジアン粒径286(涙滴)65(球)22(フレーク)μmの亜鉛金属粉末を、金属繊維として銅繊維(直径30μm、長さ2.5mm)アルミニウム繊維(直径90μm、長さ3mm)を、樹脂としてABS、PBT、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、12ナイロン、変性ポリフェニレンオキシド(変性PPE)、熱可塑性エラストマー(TPE)を用いた。
【0028】
導電性樹脂組成物は表1に示す配合で混合原料を作り、この混合原料を押出機で棒状に押し出しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレットとした。
【0029】
成形は射出成形機を使用し、通常の射出成形条件で図1に示す、厚さ2mm、幅15mmで、長さ74mmのS字形状に曲がり、両端から10mmの幅方向中央に直径6mmの貫通孔をもつ通電材を成形した。
【0030】
成形性は資料No.8を除いて特に問題は無かった。
【0031】
導電性については通電材の2つの貫通孔に直径12mmの端子をねじ止めし、両端子間の電気抵抗をミリオームハイテスターで測定した。測定結果を表1に合わせて示す。
【0032】
さらに、両端子間に20Aの直流電流を30分間流した時の通電材料表面の温度を測定した。なお、室温は22℃で行った。測定結果を表1に合わせて示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示すように、試料No.1〜No.5の本発明の導電性樹脂組成物で得られた成形品が体積固有抵抗も比較的低く、発熱も少なく、成形性も良かった。試料No.5、No.6の導電性樹脂組成物も体積固有抵抗も比較的低く、発熱も少なく、成形性も良いが高価な銅繊維、アルミニウム繊維を用いているため高価となり、製品としての価値がそれだけ低い。
【0035】
また、亜鉛金属粉末のみで低融点金属を配合しなかった試料No.7及び銅繊維のみで低融点金属を配合しなかった試料No.8の成形品はいずれも体積固有抵抗が高かった。特に試料No.8の成形品は温度上昇による通電不良が発生し通電材料として使用できるものでもなく、また、成形性も問題が有った。
(実施例2)
表2に示す3種類の導電性樹脂組成物を調製した。原料として低融点金属として球状で平均粒径50μmのSn−Cu−Ni半田(融点225℃)および球状で平均粒径40μmのSn半田(融点232℃)を、亜鉛系金属粉末として球状でメジアン粒径3μm及び球状でメジアン粒径70μmの金属亜鉛粉末を用いた。樹脂としてポリフェニレンオキシド(PPE)とポリプロピレン(PP)のポリマーアロイおよびシンジオタクチックポリスチレン(SPS)を用いた。
【0036】
導電性樹脂組成物は表2に示す配合で混合原料を作り、この混合原料を実施例1と同様に、押出機で棒状に押し出しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレットとし、その後、実施例1と同様に射出成形機を使用して通常の射出成形条件で図1に示す通電材を成形した。
【0037】
成形性は全ての組成物共に特に問題は無かった。参考までに溶融指数(MI)および体積固有抵抗を表2に示す。NO.12の材料から得られた通電材の体積抵抗率が高いのは明らかではない。
【0038】
【表2】
【0039】
(実施例3)
低融点金属として球状で平均粒径40μmのSn半田(融点232℃)6体積%、亜鉛系金属粉末として球状でメジアン粒径70μmの金属亜鉛粉末50体積%、合成樹脂としてポリフェニレンオキシド(PPE)とポリプロピレン(PP)のポリマーアロイ44体積%の組成で混合原料を作り、この混合原料を実施例1と同様にペレットおよび通電材を成形した。
【0040】
得られた通電材の体積固有抵抗は1.5x10−4Ω・cm、熱伝導率は14.4W/mk、引っ張り強度18.9MPa、引っ張り伸び6%、比重4.43、荷重たわみ温度ASTM D−648準拠の試験荷重0.451MPa142℃であった。
【0041】
さらにこの通電材を用いて、市販のシールド評価機を用いて磁界のシールド効果および電解のシールド効果を調べた。シールド試験方法の概略を図2に示す。なお、試験片としては本実施例3の通電材とともに、同じ厚さ4mmの金属板(鉄)および厚さ4mmの樹脂板に銀−銅系の金属粉末を混入した導電塗膜をもつものの3試料について試験した。試験結果を図3および図4に示す。
【0042】
図3より明らかなように、本実施例の通電材の磁界シールド効果は、測定周波数10〜1000MHzで金属板と同程度の高いシールド効果を示した。また、電解のシールド効果については、図4より明らかなように、金属板と同程度の電解シールド効果を示した。
(実施例4)
低融点金属として球状で平均粒径40μmのSn半田(融点232℃)を、亜鉛系金属粉末として涙滴状でメジアン粒径18μmの亜鉛金属粉末を、アルミニウム繊維として直径90μm、長さ3mmのものを、合成樹脂としてポリフェニレンオキシド(PPE)とポリプロピレン(PP)のポリマーアロイを用いた。そして、亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維をそれぞれ5体積%と25体積%の組合せ(後で説明する図5の◆印の組合せ)、亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維をそれぞれ10体積%と25体積%の組合せ(後で説明する図5の■印の組合せ)、亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維をそれぞれ15体積%と20体積%の組合せ(後で説明する図5の▲印の組合せ)および亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維をそれぞれ15体積%と25体積%の組合せ(後で説明する図5の●印の組合せ)の4種類の組合せとした。さらに前記Sn半田をそれぞれ3体積%、4体積%および5体積%それぞれ加え、残りを前記合成樹脂とした12種類の導電性樹脂組成物を実施例1と同様にして調製した。
【0043】
これら12種類の導電性樹脂組成物よりそれぞれ熱プレスで120mmx120mmx1mmの12種類の板材を成形した。これらの板材の表面にミリオームハイテスタ(4点式)を用い120mm間隔の抵抗を測定した。得られた結果を図5に示す。図5より亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維との総量が少ない場合には、低融点合金の組成の1体積%の異なりにより板材の抵抗値が大きく変化する。
【0044】
【発明の効果】
本発明の導電性樹脂組成物は成形性が良くかつ導電性および熱伝導性にも優れている。さらに安価な亜鉛金属粉末を用いているため安価であり、導電材、熱伝導材としての価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】通電材の試験に用いた成形品の平面図である。
【図2】通電材のシールド評価試験方法の概略を示す図である。
【図3】実施例3の組成物で成形した通電材の磁界シールド効果を示す線図である。
【図4】実施例3の組成物で成形した通電材の電解シールド効果を示す線図である。
【図5】実施例4の組成物で成形した通電材の低融点金属、亜鉛金属粉末及びアルミニウム繊維の組成割合と得られる導通材の抵抗値の関係を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気配線用樹脂組成物として使用できる導電性樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成型品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形時の温度で溶融する低融点金属が配合された導電性樹脂組成物としては特公平7−49491号公報とか特開平5−325637号公報に見られるように、金属繊維と低融点金属および合成樹脂からなる導電性樹脂組成物がある。かかる導電性樹脂組成物は射出成形等で所定形状に成形され、その構成成分である金属繊維及び低融点金属が互いに当接した状態で樹脂中に埋設される。このため成形体は導電性をもつ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の導電性樹脂組成物は金属繊維を導電性を付与するための主要構成成分として使用しているため、流動性が乏しく成形性が悪いという問題がある。この成形性を改善するため金属繊維の配合量を少なくし、その分低融点金属の配合量を増加させると低融点金属が成形時に相分離し、均一な導電性をもつ成形体が得られないという問題がある。また、金属繊維は価格が高く産業上利用されにくいという問題もある。
【0004】
本発明はかかる問題を解決するもので、成形性に優れかつ導電性に優れさらに安価な導電性樹脂組成物及びれを用いた樹脂成型品の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者等は導電材料として使用する金属繊維が成形性を悪化することであると考え、金属繊維に代えて金属粉末を活用することに思い至った。そして、亜鉛金属粉末と錫を主成分とする半田合金の組み合わせが優れた成形性と耐相分離性を兼ね備えることを見つけ、本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明の導電性樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と成形時に溶融する低融点金属と熱可塑性樹脂又はゴム材料である合成樹脂材料とを含むことを特徴とする。また、本発明の樹脂成型品の製造方法は、樹脂組成物を溶融混練しペレットとし、そのペレットを射出成形して樹脂成型品を得る樹脂成型品の製造方法において、前記樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と成形時に溶融する低融点金属と熱可塑性樹脂又はゴム材料であることを特徴とする
本発明においては、亜鉛系金属粉末の大きな表面積により溶融した低融点金属を捉え、低融点金属が樹脂及び亜鉛系金属粉末より相分離するのを阻止すると考えられる。また、粉末は繊維に比較し丸いため樹脂の流動性を大きく阻害することが無く、成形性に優れている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と低融点金属と熱可塑性樹脂又はゴム材料である合成樹脂材料とを含む。
【0008】
亜鉛系金属粉末は導電性を担保する基本成分である。亜鉛系金属粉末としては金属亜鉛粉末、黄銅粉末、錫−亜鉛粉末等を挙げることができる。粉末の形態としては球状、楕円状、薄片状等の粉末を使用できる。粉末の表面は凹凸の多い比表面積の大きいものが好ましい。比表面積を大きくすることにより溶融した低融点金属の捕捉が強くなり、溶融した低融点金属の相分離をより効果的に阻止できる。なお、亜鉛は低融点金属、特に錫に対して良く濡れるばかりでなく、錫と合金化が遅い。このため亜鉛の表面に濡れて付着した錫が、亜鉛と合金化して亜鉛に吸収される程度が低く、長く亜鉛表面で溶融した錫あるいは錫合金として存在する。このため亜鉛系金属粉末を互いに接合するのに好都合である。
【0009】
亜鉛系金属粉末の大きさは粒径で1〜100μm、より好ましくは15〜80μm程度である。なお、粒径が小さくなるほど、酸化皮膜が多くなつて、通電性が悪くなる。逆に粒径が大きくなると分散性が低下し、成形性と強度が低下する。
【0010】
亜鉛系金属粉末の配合量は導電性樹脂組成物全体を100体積%としたとき、10〜60体積%程度が好ましい。良好な通電性を必要とする場合には30体積%以上、さらには40体積%以上が良い。また、成形して得られる成形体の強度を必要とする場合には、亜鉛系金属粉末の配合量は40体積%以下であるのが好ましい。
【0011】
なお、亜鉛系金属粉末と樹脂との結合を強化するため亜鉛系金属粉末の表面にシラン系あるいはチタン系等のカップリング剤で処理することも好ましい。
【0012】
低融点金属としては通常半田として知られている錫合金を使用できる。具体的には錫、錫−亜鉛、錫−銅、錫−インジウム、錫−銀等を使用できる。低融点金属は通常微粉末として樹脂に配合される。低融点金属の好ましい粒径は6〜50μm程度である。
【0013】
低融点金属の配合量は導電性樹脂組成物全体を100体積%としたとき、3〜30体積%程度、より好ましくは6〜15体積%である。
【0014】
合成樹脂材料としては熱可塑性樹脂を使用できる。具体的には12ナイロン、6ナイロン、66ナイロン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン共重合樹脂(EVA、EAA、アイオノマー)等の結晶性樹脂、ABS、ポリウレタン、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンオキシド樹脂等の非晶性樹脂、液晶高分子、熱可塑性エラスレマーを使用できる。なお、複数種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイとして使用しても良い。特別な場合には、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等のゴム材料、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0015】
合成樹脂材料の配合量は導電性樹脂組成物全体を100体積%としたとき、30〜80体積%程度、より好ましくは40〜65体積%がよい。
【0016】
なお、亜鉛系金属粉末と低融点金属との相対配合割合は体積率で亜鉛系金属粉末/低融点金属の比率が1〜20程度、より好ましくは4〜10程度がよい。比率が小さくなると低融点金属同士が凝集し易くなり成形性が低下する。逆に比率が大きくなると通電性、電磁シールド性が低下する傾向にある。
【0017】
他の成分として、金属繊維、亜鉛系金属粉末以外の金属粉末、炭酸カルシウム、タルク等の増量材、その他、樹脂組成物に使用される添加剤を配合することができる。
【0018】
金属繊維としてはアルミニウム、アルミニウム合金等で作られたアルミニウム系金属繊維が好ましい。金属繊維の直径は50〜100μm程度、長さは2〜5mm程度が成形性および導通性の観点から好ましい。なお、金属繊維としてアルミニウム系金属繊維を使用する場合、全組成物を100体積%とすると、亜鉛粉末とアルミニウム系金属繊維は20〜50体積%を占める程度が好ましい。
【0019】
亜鉛粉末とアルミニウム系金属繊維との合計体積に対して、低融点金属の比率、すなわち、(亜鉛粉末の体積+アルミニウム系金属繊維の体積)/低融点金属の体積は2〜17が好ましい。比率が大きくなると導電性が悪くなり、逆に比率が小さくなると低融点金属が分離するようになる。
【0020】
導電性樹脂組成物は、前記した成分を押出機等で溶融混練し、ペレットとすることにより調製することができる。そしてこの導電性樹脂組成物を原料として射出成形し、目的の導電性をもつ樹脂成型品を得ることができる。特に本発明の導電性樹脂組成物は電気回路の回路構成材料として好ましい。すなわち、2色成形により、非導電性の樹脂組成物で成形された本体上に本発明の導電性樹脂組成物で形成した電気回路成形品を一体的に成形することにより優れた樹脂成形電気部品を得ることができる。
【0021】
なお、2色成形により電気回路部分のみを導電性樹脂組成物で形成する場合、亜鉛系金属粉末及び低融点金属等の金属成分の配合量を高くし、得られる電気回路部分の導通性をより高めることも好ましい。
【0022】
電磁シールドとか熱伝導を必要とする成形品の場合、必要な強度を得るために合成樹脂材料の配合量を増大させ、金属成分の配合量を少なくすることもできる。また、電磁シールドのガスケット成型品に対しては、合成樹脂材料として、ゴムあるいはエラストマーを用いることができる。
【0023】
本発明の樹脂成型品の製造方法は、使用する樹脂組成物が異なるもので、樹脂組成物からペレットを得る工程及びペレットから射出成形して樹脂製型品を得る工程は通常の射出成形工程と同じである。
【0024】
【作用】
本発明の導電性樹脂組成物は亜鉛系金属粉末を導電材の主要成分としている。亜鉛系金属は金属材料として比較的軟らかく融点も低い。また、亜鉛系金属粉末は低融点金属の錫合金とも良く濡れる。このため溶融した低融点金属は亜鉛系金属粉末の表面に付着して捕捉され、溶融した低融点金属が樹脂及び亜鉛系金属粉末から相分離することが少ない。また、亜鉛系金属粉末は繊維形状でなく繊維と比較して相対的に丸いため、溶融した樹脂の流動を妨げることが少ない。このため本発明の導電性樹脂組成物は成形性が良い。
【0025】
金属繊維に代えて金属粉末を使用することにより成形体としての導電性が悪化するのではないかと考えられるが、導電性の低下の程度は大きくなく、実用上大きな問題にならない。金属繊維を多量に配合した場合の成形性の悪化に対処するため樹脂成分の配合量を高める必要があるが、亜鉛系金属粉末を使用することにより成形性が高まり、その分亜鉛系金属粉末の配合割合を高く、樹脂成分の配合割合を低くできる。この結果亜鉛系金属粉末を使用することによる導電性の低下をカバーできる。
【0026】
本発明の導電性樹脂組成物は2色成形による電気回路部分、電磁シールド機能を持つ樹脂成形品、電磁シールド用のガスケット等に使用できる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す8種類の導電性樹脂組成物を調製した。原料として低融点金属として平均粒径50μmの無鉛半田(Sn−Cu−Ni、融点225℃)を、亜鉛系金属粉末としてメジアン粒径286(涙滴)65(球)22(フレーク)μmの亜鉛金属粉末を、金属繊維として銅繊維(直径30μm、長さ2.5mm)アルミニウム繊維(直径90μm、長さ3mm)を、樹脂としてABS、PBT、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、12ナイロン、変性ポリフェニレンオキシド(変性PPE)、熱可塑性エラストマー(TPE)を用いた。
【0028】
導電性樹脂組成物は表1に示す配合で混合原料を作り、この混合原料を押出機で棒状に押し出しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレットとした。
【0029】
成形は射出成形機を使用し、通常の射出成形条件で図1に示す、厚さ2mm、幅15mmで、長さ74mmのS字形状に曲がり、両端から10mmの幅方向中央に直径6mmの貫通孔をもつ通電材を成形した。
【0030】
成形性は資料No.8を除いて特に問題は無かった。
【0031】
導電性については通電材の2つの貫通孔に直径12mmの端子をねじ止めし、両端子間の電気抵抗をミリオームハイテスターで測定した。測定結果を表1に合わせて示す。
【0032】
さらに、両端子間に20Aの直流電流を30分間流した時の通電材料表面の温度を測定した。なお、室温は22℃で行った。測定結果を表1に合わせて示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示すように、試料No.1〜No.5の本発明の導電性樹脂組成物で得られた成形品が体積固有抵抗も比較的低く、発熱も少なく、成形性も良かった。試料No.5、No.6の導電性樹脂組成物も体積固有抵抗も比較的低く、発熱も少なく、成形性も良いが高価な銅繊維、アルミニウム繊維を用いているため高価となり、製品としての価値がそれだけ低い。
【0035】
また、亜鉛金属粉末のみで低融点金属を配合しなかった試料No.7及び銅繊維のみで低融点金属を配合しなかった試料No.8の成形品はいずれも体積固有抵抗が高かった。特に試料No.8の成形品は温度上昇による通電不良が発生し通電材料として使用できるものでもなく、また、成形性も問題が有った。
(実施例2)
表2に示す3種類の導電性樹脂組成物を調製した。原料として低融点金属として球状で平均粒径50μmのSn−Cu−Ni半田(融点225℃)および球状で平均粒径40μmのSn半田(融点232℃)を、亜鉛系金属粉末として球状でメジアン粒径3μm及び球状でメジアン粒径70μmの金属亜鉛粉末を用いた。樹脂としてポリフェニレンオキシド(PPE)とポリプロピレン(PP)のポリマーアロイおよびシンジオタクチックポリスチレン(SPS)を用いた。
【0036】
導電性樹脂組成物は表2に示す配合で混合原料を作り、この混合原料を実施例1と同様に、押出機で棒状に押し出しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレットとし、その後、実施例1と同様に射出成形機を使用して通常の射出成形条件で図1に示す通電材を成形した。
【0037】
成形性は全ての組成物共に特に問題は無かった。参考までに溶融指数(MI)および体積固有抵抗を表2に示す。NO.12の材料から得られた通電材の体積抵抗率が高いのは明らかではない。
【0038】
【表2】
【0039】
(実施例3)
低融点金属として球状で平均粒径40μmのSn半田(融点232℃)6体積%、亜鉛系金属粉末として球状でメジアン粒径70μmの金属亜鉛粉末50体積%、合成樹脂としてポリフェニレンオキシド(PPE)とポリプロピレン(PP)のポリマーアロイ44体積%の組成で混合原料を作り、この混合原料を実施例1と同様にペレットおよび通電材を成形した。
【0040】
得られた通電材の体積固有抵抗は1.5x10−4Ω・cm、熱伝導率は14.4W/mk、引っ張り強度18.9MPa、引っ張り伸び6%、比重4.43、荷重たわみ温度ASTM D−648準拠の試験荷重0.451MPa142℃であった。
【0041】
さらにこの通電材を用いて、市販のシールド評価機を用いて磁界のシールド効果および電解のシールド効果を調べた。シールド試験方法の概略を図2に示す。なお、試験片としては本実施例3の通電材とともに、同じ厚さ4mmの金属板(鉄)および厚さ4mmの樹脂板に銀−銅系の金属粉末を混入した導電塗膜をもつものの3試料について試験した。試験結果を図3および図4に示す。
【0042】
図3より明らかなように、本実施例の通電材の磁界シールド効果は、測定周波数10〜1000MHzで金属板と同程度の高いシールド効果を示した。また、電解のシールド効果については、図4より明らかなように、金属板と同程度の電解シールド効果を示した。
(実施例4)
低融点金属として球状で平均粒径40μmのSn半田(融点232℃)を、亜鉛系金属粉末として涙滴状でメジアン粒径18μmの亜鉛金属粉末を、アルミニウム繊維として直径90μm、長さ3mmのものを、合成樹脂としてポリフェニレンオキシド(PPE)とポリプロピレン(PP)のポリマーアロイを用いた。そして、亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維をそれぞれ5体積%と25体積%の組合せ(後で説明する図5の◆印の組合せ)、亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維をそれぞれ10体積%と25体積%の組合せ(後で説明する図5の■印の組合せ)、亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維をそれぞれ15体積%と20体積%の組合せ(後で説明する図5の▲印の組合せ)および亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維をそれぞれ15体積%と25体積%の組合せ(後で説明する図5の●印の組合せ)の4種類の組合せとした。さらに前記Sn半田をそれぞれ3体積%、4体積%および5体積%それぞれ加え、残りを前記合成樹脂とした12種類の導電性樹脂組成物を実施例1と同様にして調製した。
【0043】
これら12種類の導電性樹脂組成物よりそれぞれ熱プレスで120mmx120mmx1mmの12種類の板材を成形した。これらの板材の表面にミリオームハイテスタ(4点式)を用い120mm間隔の抵抗を測定した。得られた結果を図5に示す。図5より亜鉛金属粉末とアルミニウム繊維との総量が少ない場合には、低融点合金の組成の1体積%の異なりにより板材の抵抗値が大きく変化する。
【0044】
【発明の効果】
本発明の導電性樹脂組成物は成形性が良くかつ導電性および熱伝導性にも優れている。さらに安価な亜鉛金属粉末を用いているため安価であり、導電材、熱伝導材としての価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】通電材の試験に用いた成形品の平面図である。
【図2】通電材のシールド評価試験方法の概略を示す図である。
【図3】実施例3の組成物で成形した通電材の磁界シールド効果を示す線図である。
【図4】実施例3の組成物で成形した通電材の電解シールド効果を示す線図である。
【図5】実施例4の組成物で成形した通電材の低融点金属、亜鉛金属粉末及びアルミニウム繊維の組成割合と得られる導通材の抵抗値の関係を示す図である。
Claims (18)
- 亜鉛系金属粉末と成形時に溶融する低融点金属と熱可塑性樹脂又はゴム材料である合成樹脂材料とを含むことを特徴とする導電性樹脂組成物。
- 前記亜鉛系金属粉末の粒子径が1〜100μmである請求項1記載の導電性樹脂組成物。
- 前記低融点金属は錫または錫を含む合金である請求項1記載の導電性樹脂組成物。
- 前記低融点金属は全組成物の3〜30体積%であり、前記亜鉛系金属粉末は全組成物の10〜60体積%である請求項1記載の導電性樹脂組成物。
- 前記低融点金属は全組成物の6〜15体積%であり、前記亜鉛系金属粉末は全組成物の40体積%以上である請求項4記載の導電性樹脂組成物。
- 前記亜鉛系金属粉末の総体積は前記低融点金属の総体積の1〜20倍である請求項1記載の導電性樹脂組成物。
- 前記亜鉛系金属粉末の総体積は前記低融点金属の総体積の4〜10倍である請求項6記載の導電性樹脂組成物。
- 前記合成樹脂材料はナイロン、PBT、液晶ポリマー、ABS、PPS、熱可塑性エラストマー、SPS、PC、PP、PE、エチレン共重合樹脂、ポリフェニレン樹脂、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エポキシ樹脂の少なくとも1種である請求項1記載の導電性樹脂組成物。
- 金属繊維を含む請求項1記載の導電性樹脂組成物。
- 前記亜鉛系金属粉末および前記金属繊維は全組成物の50体積%以下である請求項9記載の導電性樹脂組成物。
- 前記亜鉛系金属粉末および前記金属繊維の総体積は前記低融点金属の総体積の4〜10倍である請求項9記載の導電性樹脂組成物。
- 前記金属繊維はその直径が50〜100μmである請求項9記載の導電性樹脂組成物。
- 前記金属繊維はその長さが2〜5mmである請求項9記載の導電性樹脂組成物。
- 前記金属繊維はアルミニウム系金属繊維である請求項9記載の導電性樹脂組成物。
- 前記亜鉛系金属粉末と前記アルミニウム系金属繊維との合計体積は全組成物の20〜50体積%である請求項13記載の導電性樹脂組成物。
- 前記亜鉛系金属粉末と前記アルミニウム系金属繊維との合計体積は前記低融点金属の体積の2〜17倍である請求項13記載の導電性樹脂組成物。
- 前記亜鉛系金属粉末と前記アルミニウム系金属繊維との合計体積は全組成物の20〜50体積%である請求項13記載の導電性樹脂組成物。
- 樹脂組成物を溶融混練しペレットとし、そのペレットを射出成形して樹脂成型品を得る樹脂成型品の製造方法において、
前記樹脂組成物は、亜鉛系金属粉末と成形時に溶融する低融点金属と熱可塑性樹脂又はゴム材料であることを特徴とする樹脂成型品の製造方法。
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-
2003
- 2003-07-14 JP JP2003196666A patent/JP2004047470A/ja active Pending
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