JP2001338529A - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

導電性樹脂組成物

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JP2001338529A
JP2001338529A JP2000160066A JP2000160066A JP2001338529A JP 2001338529 A JP2001338529 A JP 2001338529A JP 2000160066 A JP2000160066 A JP 2000160066A JP 2000160066 A JP2000160066 A JP 2000160066A JP 2001338529 A JP2001338529 A JP 2001338529A
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aluminum
resin composition
conductive resin
based metal
antioxidant
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JP2000160066A
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Kazutoshi Sakakibara
和利 榊原
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Togo Seisakusho Corp
Original Assignee
Togo Seisakusho Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウムを用いた高性能な導電性樹脂組成
物を提供すること。 【解決手段】本発明の導電性樹脂組成物は、アルミニウ
ム系金属分散体と、成型時に溶融する低融点金属と、合
成樹脂材料と、イオウ系酸化防止剤、ビタミンE系酸化
防止剤、および融点が200℃以上のフェノール系酸化
防止剤のうち少なくとも1つからなる酸化防止剤とを含
有することを特徴とする。つまり、導電性を阻害するア
ルミニウム系金属分散体表面の高抵抗な酸化皮膜が上述
の酸化防止剤の作用により効果的に除去できるので、ア
ルミニウム系金属分散体とマトリックスとしての低融点
金属との電気的接合が阻害されないと考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気配線用樹脂組
成物または電磁波シールド用樹脂組成物として使用でき
る導電性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の導電性樹脂組成物として、特開2
000−86886号公報には、炭素繊維と、金属繊維
または金属を被覆した炭素繊維との混合物を充填した樹
脂組成物が開示されている。また、特開平10−204
305号公報には、炭素繊維、金属繊維等を充填した樹
脂組成物を開示している。そして、特許第252309
7号公報には金属繊維等にリン酸系酸化防止剤とフラッ
クスとの混合物を充填した樹脂組成物が開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】導電性樹脂組成物を用
いる利点の一つとして、軽量化を図ることができること
が挙げられる。そこで、本発明者は、さらなる軽量化の
目的で導電性樹脂組成物に導電性を付与する金属として
低比重で、電気伝導性が高く、熱伝導性も高いアルミニ
ウムを用いることとした。
【0004】しかしながら、従来技術の導電性樹脂組成
物に金属としてアルミニウムを用いると充分な性能を有
する導電性樹脂を得ることができなかった。
【0005】そこで、本発明ではアルミニウムを用いた
高性能な導電性樹脂組成物を提供することを解決すべき
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する目的
で本発明者は鋭意研究を行った結果、アルミニウムを用
いた導電性樹脂組成物が充分な性能を発揮できない要因
として、アルミニウム表面の強固な酸化皮膜にあること
を発見した。この酸化皮膜は抵抗が高く導電性を阻害す
る。そこで、表面の高抵抗な酸化皮膜を除去する目的で
種々の酸化防止剤について試験を行ったところ、イオウ
系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤、および融点が
200℃以上のフェノール系酸化防止剤を用いることで
アルミニウムを用いた導電性樹脂組成物の性能が向上す
ることを発見した。
【0007】本発明は上記発見に基づいて完成されたも
のであり、本発明の導電性樹脂組成物は、アルミニウム
系金属分散体と、成型時に溶融する低融点金属と、合成
樹脂材料と、イオウ系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防
止剤、および融点が200℃以上のフェノール系酸化防
止剤のうち少なくとも1つからなる酸化防止剤とを含有
することを特徴とする。
【0008】つまり、導電性を阻害するアルミニウム系
金属分散体表面の高抵抗な酸化皮膜が上述の酸化防止剤
の作用により効果的に除去できるので、アルミニウム系
金属分散体とマトリックスとしての低融点金属との電気
的接合が阻害されないものと考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の導電性樹脂組成物は、ア
ルミニウム系金属分散体と、成型時に溶融する低融点金
属と、合成樹脂材料と、イオウ系酸化防止剤、ビタミン
E系酸化防止剤、および融点が200℃以上のフェノー
ル系酸化防止剤のうち少なくとも1つからなる酸化防止
剤とを含有する。
【0010】アルミニウム系金属分散体は、導電性を担
保する基本成分である。アルミニウム系金属としては、
金属アルミニウム単体、公知のアルミニウム合金、たと
えばAl−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Cu系
等を挙げることができる。アルミニウムは、導電性を有
する金属元素の中でも低密度であり、また電気伝導性、
熱伝導性が比較的高い。アルミニウム系金属分散体は凹
凸の多い比表面積の大きいものが好ましい。比表面積を
大きくすることにより溶融した低融点金属の捕捉が強く
なり、溶融した低融点金属の相分離をより効果的に阻止
できる。
【0011】アルミニウム系金属分散体の形態として
は、粉末状、繊維状、薄板状等の公知の形態をとること
が可能であり特に限定しない。なお、アルミニウム系金
属分散体の形態を繊維状とすると高周波でのインピーダ
ンスが低下して電磁波の吸収損失を増大でき導電性樹脂
組成物の電磁波シールド材としての性能が向上するので
好ましい。また、反対にアルミニウム系金属分散体の形
態を球状に近づけると導電性樹脂組成物内でのアルミニ
ウム系金属分散体の分散性が良くなり、結果として内部
抵抗が低下する。
【0012】アルミニウム系金属分散体の大きさは形態
が繊維状の場合には直径が20〜200μm、より好ま
しくは50〜100μm程度であり、アスペクト比が5
〜100、より好ましくは7〜60程度である。アスペ
クト比をこれ以上大きくすると導電性樹脂組成物内での
分散性が悪くなり、これ以上小さくすると同様の電磁波
シールド効果を得るためにはより多くのアルミニウム系
金属分散体を必要とするからである。
【0013】また、その他の形態の場合には粒径で1〜
400μm、より好ましくは3〜100μm程度であ
る。なお、粒径が小さくなるほど、酸化皮膜が多くなつ
て、通電性が悪くなる。また粒径が小さくても、逆に粒
径が大きくても分散性が低下し、成形性および強度が低
下する。
【0014】アルミニウム系金属分散体の配合量は導電
性樹脂組成物全体を100体積%としたとき、10〜6
5体積%程度が好ましい。アルミニウム系金属分散体の
配合量を多くすると導電性が向上し、配合量を少なくす
ると強度が上昇するので、導電性樹脂組成物の用途に応
じて配合量を決定する。良好な通電性を必要とする場合
には35体積%以上、さらには45体積%以上が好まし
い。また、本実施形態の導電性樹脂組成物を成形して得
られる成形体の強度を必要とする場合には、アルミニウ
ム系金属分散体の配合量は35体積%以下であるのが好
ましい。本発明の導電性樹脂組成物を電磁波シールド材
として用いる場合には、アルミニウム系金属分散体を1
00重量%として繊維状のものの占める割合が25〜1
00重量%より好ましくは50〜100重量%程度とす
る。
【0015】低融点金属としては通常ハンダとして知ら
れているスズ合金を例示できる。具体的にはスズ、スズ
−亜鉛、スズ−銅、スズ−インジウム、スズ−銀等を使
用できる。低融点金属は通常微粉末として樹脂に配合さ
れる。低融点金属の好ましい粒径は20〜100μm程
度である。低融点金属は、本実施形態の導電性樹脂組成
物を溶融成型するときに同時に溶融してアルミニウム系
金属分散体の間を電気的に接続し導電性を付与する成分
である。したがって、本発明の導電性樹脂組成物を溶融
成形する温度においては少なくとも一部が溶融する必要
がある。
【0016】低融点金属の配合量は導電性樹脂組成物全
体を100体積%としたとき、1〜20体積%程度、よ
り好ましくは3〜15体積%である。これより少なくす
ると導電性、熱伝導性が低下し、これより大きくすると
導電性樹脂組成物の成形品の強度が低下する。したがっ
て、成形品に要求される導電性、熱伝導性、強度に応じ
て配合量を調節する。
【0017】なお、アルミニウム系金属分散体と低融点
金属との相対配合割合は体積比率でアルミニウム系金属
分散体/低融点金属の比率が1〜15程度、より好まし
くは2〜10程度がよい。比率が小さくなると低融点金
属同士が凝集し易くなり成形性が低下する。逆に比率が
大きくなると通電性、電磁シールド性が低下する傾向に
ある。
【0018】合成樹脂材料としては熱可塑性樹脂および
硬化前の熱硬化性樹脂を使用できる。具体的には12ナ
イロン、6ナイロン、66ナイロン、ポリアセタール、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド
(PPS)、ポリスチレン、シンジオタクチックポリス
チレン(SPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチ
レン(PE)、エチレン共重合樹脂(EVA、EAA、
アイオノマー)等の結晶性樹脂、ABS、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンオキシ
ド(PPO)等の非晶性樹脂、液晶高分子、熱可塑性エ
ラスレマー、およびこれらの変性品を使用できる。な
お、複数種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーア
ロイとして使用しても良い。また、シリコンゴム、フッ
素ゴム、アクリルゴム等のゴム材料、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、熱硬化性樹脂を用いることもできる。
【0019】合成樹脂材料の配合量は導電性樹脂組成物
全体を100体積%としたとき、30〜90体積%程
度、より好ましくは40〜80体積%がよい。
【0020】酸化防止剤は、イオウ系酸化防止剤、ビタ
ミンE系酸化防止剤、および融点が200℃以上のフェ
ノール系酸化防止剤のうち少なくとも1つからなる。一
般に用いられることの多いリン酸系酸化防止剤は、効果
が低いので単独では使用できない。
【0021】イオウ系酸化防止剤は、たとえば、チオエ
ーテル系、含硫黄エステル系の酸化防止剤を挙げること
ができる。たとえば、スミライザーMB(住友化学)、
AO−23(旭電化工業)、AO−503A(旭電化工
業)、AO−412S(旭電化工業)、イルガノックス
PS802FL(チバケミカル)等が挙げられる。
【0022】ビタミンE系酸化防止剤は、α、β、γ、
δ−トコフェロール、α、β、γ、δ−トコトリエノー
ルおよびそれぞれの誘導体ならびにこれらの混合物であ
る。
【0023】フェノール系酸化防止剤としては、たとえ
ば、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げること
ができる。本実施形態の導電性樹脂組成物に用いること
ができるフェノール系酸化防止剤としては、さらに、融
点が200℃以上のものである。たとえば、アデカスタ
ブAO−40、アデカスタブAO−18、アデカスタブ
AO−20、アデカスタブAO−330(以上、旭電化
工業)、イルガノックス3114(チバケミカル)、イ
ルガノックス1330(チバケミカル)が挙げられる。
【0024】上述の酸化防止剤の混合割合は、導電性樹
脂組成物全体を100重量%とした場合に0.1〜2重
量%、さらに好ましくは0.5〜1重量%である。
【0025】他の成分として、フラックス、アルミニウ
ム系金属以外の金属からなる金属繊維および金属粉末、
炭素繊維、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク
等の増量材、その他樹脂組成物に使用される添加剤を適
宜配合することができる。
【0026】特にフラックスを配合すると前述の酸化防
止剤および酸化皮膜をさらに除去することができると考
えられるので、低融点金属のアルミニウム系金属分散体
への濡れ性を増加でき、導電性向上が達成できて好まし
い。フラックスとして好ましいものとしては、ロジンが
挙げられる。ロジンを導電性樹脂組成物全体を100重
量%とした場合に0.2〜2重量%混合することにより
導電性樹脂組成物の性能が向上する。ロジンとしては、
軟化点が低く、酸価が大きいものが好ましい。
【0027】また、炭素繊維およびカーボンブラックの
うち少なくとも一方を含有させることで本発明の導電性
樹脂組成物を成形した成形品の表面部分にも一様に導電
性を付与することができる。炭素繊維およびカーボンブ
ラックはアルミニウム系金属分散体と比較して成形品の
表面近くにも分散されるからである。したがって、本発
明の導電性樹脂組成物を電磁波シールド材に使用する場
合には炭素繊維およびカーボンブラックのうち少なくと
も一方を含有させることが好ましい。
【0028】導電性樹脂組成物は、前記した成分を押出
機等で溶融混練し、ペレットとすることにより調製する
ことができる。そしてこの導電性樹脂組成物を原料とし
て射出成形し、目的の導電性をもつ樹脂成型品を得るこ
とができる。特に本発明の導電性樹脂組成物は電気回路
の回路構成材料、および電磁波シールド材料として好ま
しい。たとえば、2色成形により、非導電性の樹脂組成
物で成形された本体上に本発明の導電性樹脂組成物で形
成した電気回路成形品を一体的に成形することにより優
れた樹脂成形電気部品を得ることができる。また、携帯
電話、車載コンピュータ、卓上および携帯型コンピュー
タ等の電子機器の筐体に使用することで外部からの電磁
波由来のノイズを防止したり、電子機器から発生する電
磁波の輻射を防止できる。
【0029】なお、2色成形により電気回路部分のみを
導電性樹脂組成物で形成する場合のように導電性樹脂組
成物の強度が問題とならないときには、アルミニウム系
金属分散体及び低融点金属等の金属成分の配合量を高く
し、得られる電気回路部分の導電性をより高めることが
好ましい。
【0030】電磁シールド等の目的で電子機器の筐体に
導電性樹脂組成物を適用する場合等の強度を必要とする
成形品の場合、必要な強度を得るために合成樹脂材料の
配合量を増大させ、金属成分の配合量を少なくすること
もできる。また、電磁シールドのガスケット成型品に対
しては、合成樹脂材料として、合成ゴム等のエラストマ
ーを用いることができる。
【0031】
【作用】本発明の導電性樹脂組成物はアルミニウム系金
属分散体を導電材の主要成分としている。アルミニウム
系金属分散体は金属材料として比重が低く、電気伝導性
および熱伝導性に優れている。
【0032】本発明の導電性樹脂組成物は、成型時に酸
化防止剤がアルミニウム系金属分散体表面の酸化皮膜を
除去することで、アルミニウム系金属分散体は低融点金
属と良く濡れるようになる。このため溶融した低融点金
属はアルミニウム系金属分散体の表面に付着して捕捉さ
れ、溶融した低融点金属が樹脂及びアルミニウム系金属
分散体から相分離することが少ない。
【0033】本発明の導電性樹脂組成物は2色成形によ
る電気回路部分、電磁シールド機能を持つ筐体等の樹脂
成形品、電磁シールド用のガスケット等に使用できる。
【0034】
【実施例】(試験1) 〈試験試料調製〉原料および配合としては、所定の添加
剤(酸化防止剤等)を0.7体積部、低融点金属として
平均粒径40μmのスズ粉末(Sn−325)を21.
2重量部(5体積部)、アルミニウム系金属分散体とし
て直径90μm、長さ3mmのアルミニウム繊維を3
9.2重量部(25体積部)、合成樹脂材料としてPP
OとPPとのポリマーアロイを39.6重量部(70体
積部)混合した。
【0035】この混合した原料を押出機で棒状に押し出
しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレ
ットとした。
【0036】成形は射出成形機を使用し、通常の射出成
形条件で、厚さ3mm、幅13mmで、長さ70mmの
板状の試験試料に成形した。
【0037】〈体積抵抗率(導電性)の測定〉試験試料
に線状の2つの電極を26mm間隔で接触させた後、電
極の上方に500gの重りを載せて両電極間の電気抵抗
をミリオームハイテスターで測定し算出した。
【0038】〈実施例〉添加剤(酸化防止剤)として表
1に示す5種類の化合物を用いて試験試料を作製した。
【0039】〈比較例〉添加剤(酸化防止剤および熱安
定剤)として表2に示す5種類の化合物を用いて試験試
料を作製した。
【0040】〈結果〉実施例および比較例について算出
した体積抵抗率を表1および表2にそれぞれ併せて示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】これより明らかなように実施例の試験試料
は実用的な体積抵抗率を示すのに対し、比較例の試験試
料はすべて測定器の測定範囲外の体積抵抗値(2.0x
10 5以上)であった。したがって、添加剤として有機
イオウ系酸化防止剤または融点が200℃以上のフェノ
ール系酸化防止剤を加えると体積抵抗率を低下させるの
に有効であることがわかった。このように酸化防止剤の
種類および融点の相違によって導電性樹脂組成物の体積
抵抗率が異なる理由については定かではない。
【0044】(試験2) 〈試験試料調製〉原料および配合としては、それぞれ表
3に示す8種類の添加剤を0.7体積部と、低融点金属
として平均粒径40μmのスズ粉末(Sn−325)を
21.1重量部(5体積部)と、アルミニウム系金属分
散体として直径90μm、長さ3mmのアルミニウム繊
維を39.1重量部(25体積部)と、合成樹脂材料と
してPPOとPPとのポリマーアロイを39.8重量部
(70体積部)とを混合した。
【0045】この混合した原料を押出機で棒状に押し出
しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレ
ットとした。
【0046】成形は、試験1と同様の方法で厚さ3m
m、幅13mmで、長さ70mmの板状の試験試料に成
形した。
【0047】〈体積抵抗率(導電性)の測定〉試験1と
同様に行った。
【0048】〈結果〉試験結果を表3に併せて示す。
【0049】
【表3】
【0050】いずれの試験試料についても体積抵抗値は
充分に満足のいく低い値であった。有機イオウ系酸化防
止剤についてはフェノール系酸化防止剤と異なり融点の
高低によって導電性に影響を与えることはなかった。
【0051】(試験3) 〈試験試料調製〉原料および配合としては、低融点金属
としての平均粒径40μmのスズ粉末(Sn−325)
と、アルミニウム系金属分散体としてのアルミ繊維(直
径90μm、長さ3mm、1.5mm、0.7mm)と
平均粒径40μmのアルミニウム粉末と、合成樹脂材料
としてPPOとPPとのポリマーアロイとをそれぞれ表
4に示す9つの組み合わせで試験試料を混合した。各試
験試料には、その各試験試料の混合物100体積部にた
いして0.7体積部のスミライザーMBを酸化防止剤と
してそれぞれ混合した。
【0052】この混合した原料を押出機で棒状に押し出
しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレ
ットとした。
【0053】成形は、試験1と同様の方法で厚さ3m
m、幅13mmで、長さ70mmの板状の試験試料に成
形した。
【0054】〈体積抵抗率(導電性)の測定〉体積抵抗
率の測定は試験1と同様に行った。
【0055】
【表4】
【0056】これより明らかなように、試験試料1〜5
について体積抵抗率の大きな差は認められなかったこと
から、導電性に対する樹脂の種類の影響は少ないことが
わかった。また、試験試料1、6,7の体積抵抗率の値
より、アルミ繊維の長さは、この範囲内では長い方がよ
り高性能となることが明らかとなった。なお、ここには
示さないがアルミニウム繊維の長さをあまりに長くしす
ぎると成形性に劣る結果となった。
【0057】なお、試験試料8の結果より、スズ粉末を
加えなくても酸化防止剤の働きである程度の導電性は得
られるものの、抵抗率を低下させるには多量のアルミニ
ウム系金属分散体を必要とすることが明らかとなった。
試験試料8は体積抵抗率の点では優れるものの機械的強
度など他の性質では劣るものであった。
【0058】(試験4) 〈試験試料調製〉原料および配合としては、それぞれ表
5に示すロジン(すべて荒川化学製)のそれぞれ表5に
示す配合量と、低融点金属として平均粒径40μmのス
ズ粉末(Sn−325)を21.1重量部(5体積部)
と、アルミニウム系金属分散体として直径90μm、長
さ3mmのアルミニウム繊維を39.1重量部(25体
積部)と、合成樹脂材料としてPPOとPPとのポリマ
ーアロイを39.8重量部(70体積部)と、イルガノ
ックスPS802FLを0.7体積部とを混合した。
【0059】この混合した原料を押出機で棒状に押し出
しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレ
ットとした。
【0060】その後、試験1と同様の方法で厚さ3m
m、幅13mmで、長さ70mmの板状に成形した。
【0061】〈体積抵抗率(導電性)の測定〉試験1と
同様に行った。
【0062】〈結果〉結果を表5に併せて示す。
【0063】
【表5】
【0064】フラックスとしてロジンを添加することに
より、体積抵抗率のさらなる低下をはかることができ
た。そしてロジンの軟化点が低い方が、また、酸価が大
きい方が体積抵抗率が低い結果となった。
【0065】(試験5) 〈試験試料調製〉原料および配合としては、白菊ロジン
を1.0重量部と、低融点金属として平均粒径40μm
のスズ粉末(Sn−325)を21.1重量部(5体積
部)と、合成樹脂材料としてPPOとPPとのポリマー
アロイを39.8重量部(70体積部)と、イルガノッ
クスPS802FLを0.7体積部との混合物と、アル
ミニウム系金属分散体として直径90μmのアルミニウ
ム繊維であって長さ4.0mm、1.5mm、および
0.7mmのものをそれぞれ39.1重量部(25体積
部)づつ混合した3種類とした。
【0066】この混合した原料を押出機で棒状に押し出
しその後切断することで直径5mm、長さ5mmのペレ
ットとした。
【0067】〈体積抵抗率(導電性)の測定〉試験1と
同様に行った。
【0068】〈結果〉結果を表6に併せて示す。
【0069】
【表6】
【0070】表6の結果から明らかなように、アルミニ
ウム繊維の繊維長が長くなる(アスペクト比が大きくな
る)につれて体積抵抗率の低下が認められた。しかしな
がら、アルミニウム繊維の繊維長が長くなるとアルミニ
ウム繊維の分散性が悪くなった。したがって、薄板等を
成形する場合には体積抵抗率が満足できる範囲内でアル
ミニウム繊維の繊維長を短くして分散性を向上させるこ
とが好ましい。
【0071】
【発明の効果】本発明は従来技術では困難であった金属
分散体として軽量なアルミニウムを主成分にした高性能
な導電性樹脂組成物を提供することができるという効果
を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 93/04 C08L 93/04 101/00 101/00 H01B 1/24 H01B 1/24 Z H05K 1/09 H05K 1/09 Z 9/00 9/00 X Fターム(参考) 4E351 BB01 BB24 BB31 BB42 CC11 DD10 DD12 DD21 DD29 DD52 DD53 EE11 EE27 GG06 4J002 AA001 AF022 BB031 BB061 BB071 BB081 BB121 BB231 BC031 BD121 BG041 BN151 CB001 CC031 CD001 CF061 CF071 CG001 CH071 CK021 CL011 CL031 CN011 CP031 DA019 DA039 DA096 DA117 DC006 DC007 EJ028 EL098 EV048 EV068 FA046 FA049 FA087 FD010 FD078 FD116 FD117 FD342 GQ02 5E321 AA21 BB32 BB34 BB60 GG05 5G301 DA04 DA13 DA18 DA20 DA42 DA44 DA55 DA57 DA59 DD01 DD06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム系金属分散体と、成型時に
    溶融する低融点金属と、合成樹脂材料と、イオウ系酸化
    防止剤、ビタミンE系酸化防止剤、および融点が200
    ℃以上のフェノール系酸化防止剤のうち少なくとも1つ
    からなる酸化防止剤とを含有することを特徴とする導電
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム系金属分散体はアルミ
    ニウム系金属繊維である請求項1に記載の導電性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム系金属分散体はアルミ
    ニウム系金属粉末である請求項1に記載の導電性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム系金属分散体はアルミ
    ニウム系金属繊維とアルミニウム系金属粉末とからなる
    請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記低融点金属は、スズまたはスズを含
    む合金である請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 さらにフラックスを含む請求項1に記載
    の導電性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 さらに炭素繊維およびカーボンブラック
    のうち少なくとも一方とフラックスとを含む請求項1に
    記載の導電性樹脂組成物。
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