JPH076310A - 磁気テープ再生装置 - Google Patents

磁気テープ再生装置

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JPH076310A
JPH076310A JP14956593A JP14956593A JPH076310A JP H076310 A JPH076310 A JP H076310A JP 14956593 A JP14956593 A JP 14956593A JP 14956593 A JP14956593 A JP 14956593A JP H076310 A JPH076310 A JP H076310A
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JP
Japan
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signal
speed
mode
circuit
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Application number
JP14956593A
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English (en)
Inventor
Koji Okamura
孝治 岡村
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Publication of JPH076310A publication Critical patent/JPH076310A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハードウェアを大幅に変更することなく、か
つ低価格で実現することができる高速サーチ機能を持つ
磁気テープ再生装置を提供する。 【構成】 停止モードの場合、倍速再生モードに切換
え、かつ前のモードが高速サーチモードのとき、一定時
間サブコードの読取りを禁止する。(a6)。また、高
速サーチモードの場合、前のモードが倍速再生モードの
とき、一定時間サブコードの読取りを禁止する(e
4)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転ヘッド方式のデジ
タル・テープレコーダシステムに好適に実施される磁気
テープ再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、本発明の前提となる回転ヘッド
方式のデジタル・テープレコーダシステム(以下「R−
DAT」と略称する。)の電気的構成を示すブロック図
である。このR−DATは、オーディオ信号などのアナ
ログ信号を「1」と「0」で表されるデジタル信号に変
換し、磁気テープに記録し、磁気テープから再生するシ
ステムである。
【0003】R−DATの記録時における信号の流れを
以下に説明する。入力されたアナログ信号は、アンプ1
で増幅され、アナログ/デジタル信号変換回路(以下
「A/Dコンバータ」と略称する。)2によって、デジ
タルデータに変換され、信号処理回路3に入力される。
この信号処理回路3では、入力されたデジタル信号は、
記録するための信号にフォーマット化され、たとえば誤
り訂正用パリティが生成され、8ビットデータ毎にヘッ
ド8a,8bでの記録に適したデータに変換(8−10
変調)される。また、このデジタル信号には、1ブロッ
ク毎のデータの区切りを判断するための同期信号、各ブ
ロックデータのアドレスを表すアドレス信号、記録され
た磁気テープ4を再生するとき、その記録部分であるト
ラックを走査するためのATF信号などが付加される。
さらに、サブコート処理回路12は、たとえばオーディ
オ信号では、曲の番号、演奏時間などの高速サーチに必
要なデータを含むサブコート信号を生成し、前述のデジ
タル信号に付加する。
【0004】信号処理回路3において、フォーマット化
されたデジタル信号は、記録アンプ回路6において増幅
され、録音/再生切換回路7を介して、ヘッド8a,8
b(以下総称するときは「ヘッド8」)に与えられる。
ヘッド8は、与えられた信号に基づいて、磁気テープ4
上に磁気記録を行う。磁気テープ4への記録は、ドラム
5が1回転する毎に2つのヘッド8a,8bによって、
図2で示されるように磁気テープ4上に、+アジマスト
ラック24,−アジマストラック25にアジマス角20
°で記録される。ヘッド8が正確に記録するために通常
時はドラム5の回転数はドラムモータ10を制御するこ
とによって2000/rpmに設定され、磁気テープ4
の送り速度(以下「テープ送り速度」と略称する。)は
キャプスタンモータ11を制御することによって8.1
5mm/sに設定され、サーボ回路9によってそれらの
モータ10,11は速度サーボ、位相サーボがかけられ
る。
【0005】次に、R−DATの再生時における信号の
流れを以下に説明する。まず通常時は、ドラム5は、正
確に2000/rpmで回転され、テープ送り速度は
8.15mm/sに設定されて、磁気テープ4の再生が
行われる。ヘッド8によって再生された信号は、録音/
再生切換回路7を介して、再生アンプ/イコライザ回路
13に入力され、増幅および等化されて、「0」と
「1」の判定が可能なデジタル信号に変換され、RF復
調回路14へ入力される。
【0006】再生フェーズロックドループ(以下「PL
L」と略称する)回路15は、入力されたデジタル信号
の「0」と「1」を判定する基準信号である再生クロッ
ク信号をRF復調回路14に出力する。デジタル信号
は、再生クロック信号によって1ビット毎にデータの値
が判断される。次に、RF復調回路14はデジタル信号
から同期信号を検出して、10ビット毎のデータを8ビ
ットに戻して信号処理回路3へ出力する。また、RF復
調回路14は、ATF信号を検出して、ヘッド8が正確
に磁気テープ4のトラックを走査するように、サーボ回
路9を介してキャプスタンモータ11を制御し、テープ
送り速度の調整を行う。
【0007】RF復調回路14によって復調されたデジ
タル信号は、信号処理回路3,サブコード処理回路12
において、誤り訂正パリティなどによって誤り訂正が行
われ、元のデジタル信号に再生され、デジタル/アナロ
グ信号変換回路(以下、「D/Aコンバータ」と略称す
る)16、アンプ17を介してアナログ信号が再現され
る。
【0008】次にR−DATの高速サーチについて以下
に説明する。高速サーチを実現するには、磁気テープ4
を高速で無理なく送っている状態で、スタートIDなど
の高速サーチに必要なサブコードを読取る必要がある。
したがって、たとえば所望のスタートIDを読取ること
ができれば、そこから磁気テープ4を再生することがで
きる。磁気テープ4の通常の送り速度は、前述のように
8.15mm/sであり、標準の仕様によって最大20
0倍まで送り速度を増加させることができる。そのと
き、ドラム回転速度を200倍にし、信号処理速度も2
00倍にすれば、磁気テープ4のすべてのトラックを走
査することができるけれども、実現不可能である。
【0009】そこで、R−DATでは、図3で示される
ように、磁気テープ4に対するヘッドの相対速度が一定
になるように制御されている。たとえば、通常再生時に
おいて、テープ送り速度がVtであり、ヘッド8の走査
方向の速度がVh0のとき、実際にトラックを走査する
前述の相対速度はVr1になる。次に、高速サーチ時に
テープ送り速度Vtをn倍にし、ヘッド8の走査方向の
速度をVhosにしたとき、相対速度はVrisにな
る。このとき、相対速度Vrisにおけるトラック方向
の走査速度成分Vr2sが、相対速度Vr1に一致すれ
ば、通常再生時および高速サーチ時において磁気テープ
4に対するヘッドの相対速度が一定になる。
【0010】実際には、通常再生時において磁気テープ
4の送り速度はヘッド8の走査方向の速度の1/400
である。したがって、図4で示されるように、高速サー
チ時FF(正方向)方向にテープ送り速度を200倍し
たとき、ドラムの回転速度を3000rpmに設定し、
REW(逆方向)方向にテープ送り速度を200倍した
とき、ドラム5の回転速度を800rpmに設定すれ
ば、前述の相対速度は一定になる。相対速度が一定であ
れば、読出される再生信号の周波数も一定になるので、
標準再生時と同一のハードウェアが使用できる。
【0011】図5は、高速サーチ時の+アジマス用ヘッ
ドの走査軌跡とその再生信号を示す。ヘッドは、記録済
みトラックを横切って、アジマス角の一致するトラック
の斜線方向のデータを読出す。しかし、このときヘッド
がトラックと違う方向の速度成分を持つと、+アジマス
トラックと−アジマストラックとでは、相対速度が変化
する。この相対速度は、テープ送り速度に比例して変化
し、テープ送り速度は±200倍の高速サーチ時では、
全体の約2%変化する。
【0012】図12は、従来のR−DATの高速サーチ
時における磁気テープ4に対するヘッドの相対速度(以
下、単に「相対速度」と称する。)を通常再生時の相対
速度と同一にするための制御回路の電気的構成を示すブ
ロック図である。ヘッド8の走査方向の速度は、ドラム
5aからの周波数基準信号(略称「FG」)から検出す
ることが可能であるけれども、テープ送り速度を正確に
検出することは困難である。これは、テープ送り速度を
決定する要因が多く、テープの送り速度を正確に制御す
ることができないためである。
【0013】したがって、従来のR−DATでは、相対
速度を検出するために、再生PLL回路15aによって
前述のように再生信号の再生クロック信号を生成し、そ
の周波数を判断する。次に、再生クロック信号の周波数
が、常に通常再生時の周波数9.408MHzになるよ
うに制御され、高速サーチ時における相対速度を通常再
生時の相対速度と同一になるように設定する。
【0014】図12における信号の流れを以下に説明す
る。システムコントローラ20aは、説明は後述するけ
れども、再生PLL回路15aの初期状態の再生クロッ
ク信号の周波数を通常再生時の周波数である9.408
MHzに設定し、再生PLL回路15aを高速サーチモ
ードに設定する。たとえば、FF方向の高速サーチ時に
おいて、ドラム5aの回転数を3000rpmに設定
し、テープ送り速度を通常再生時の200倍に設定す
る。この場合、ドラム5aから出力される再生信号がア
ンプ/イコライザ13aを介して再生PLL回路15a
に入力される。再生PLL回路15aは、入力された再
生信号と位相が一致するように、再生クロック信号を生
成する。この再生クロック信号は、1/N分周回路30
aを介してドラム位相サーボ回路31aに出力される。
ドラム位相サーボ回路31aは、その入力された信号に
基づいて再生クロック信号の周波数を検出し、その周波
数が通常再生時の周波数でなければ、その周波数に設定
するため、ドラム5aの回転速度を制御するために制御
信号を出力する。
【0015】この制御信号は、ドラムモータドライブ出
力回路32aを介して、ドラム5aへ出力され、ドラム
5aの回転速度を制御する。これによって、再生PLL
回路15aから再生される再生クロック信号の周波数
は、ドラム5aの回転速度に対応した再生信号に追随し
て、通常再生時の周波数となり、この状態で安定し、い
わゆるロックした状態になる。これによって相対速度
は、通常再生時と同一になるように設定される。このよ
うにして、再生PLL回路15aが1度ロックした状態
になると、テープ送り速度が変化しても、相対速度は一
定になるようにドラム5aの回転速度はこれに追随して
制御される。
【0016】ドラム5aから再生信号が出力されないと
きは、前述の周波数基準信号(FG)信号に基づいて、
速度サーボ回路33aはドラム5aの回転が常に設定値
になるように制御する。
【0017】再生信号に含まれるサブコード信号は、サ
ブコード処理回路12aにおいて、高速サーチ時、通常
再生時の周波数9.408MHzの再生クロック信号に
同期して、1ビット毎にデータの値が判断される。次
に、そのサブコードの信号は、システム・クロックを基
準に、元のサブコードのデータに戻され、高速サーチを
するためのアドレスデータとしてシステムコントローラ
20aに読み込まれる。
【0018】図13は、図12で示される再生PLL回
路15aの電気的構成を示す。再生PLL回路15a
は、再生信号と再生PLL回路15aのVCO回路42
で生成した再生クロックとの位相の比較が再生信号の
「0」から「1」(または「1」から「0」)への変化
点を情報として位相比較器40で行われる。この位相の
ずれに応じた位相制御電圧が、ローパスフィルタ(略称
「LPF」)41を介して電圧制御発振器(以下「VC
O」と略称する。)回路42に入力され、VCO回路4
2は、再生信号の位相に一致するように追随して再生ク
ロックを出力する。VCO回路42の発振周波数は、高
速サーチ時において、最初は通常再生時の周波数9.4
03MHzに設定され、9.403MHzの再生クロッ
ク信号を出力する。再生信号は、Dフリップフロップ回
路43を介して、再生クロック信号に同期して、「1」
と「0」の値に判別され、出力される。
【0019】また、PLL回路15aは、前述のように
高速サーチ時には、ヘッドが+アジマストラックと、−
アジマストラックとでは相対速度が変化するので、+ア
ジマストラックを走査するヘッド8aからの再生信号の
再生クロック信号と−アジマストラックを走査するヘッ
ド8bからの再生信号の再生クロック信号との間で位相
の差が生じる。このため、VCO回路42への制御信号
によって、ヘッド8aとヘッド8bとの切換毎に、その
位相の差を補正する必要がある。したがって、PLL回
路15aの動作モードを、システムコントローラ20a
によって通常再生時と高速サーチとで切換えている。
【0020】図14(a)は、従来のR−DATの通常
再生時におけるドラムの回転を制御するための処理内容
を示すフローチャートである。ステップa1で処理をス
タートさせる。ステップa2では、前述のようにPLL
再生回路15aを通常再生モードに設定し、そのVCO
回路42の発振周波数は9.408MHzに設定し、V
CO回路42から通常再生時の再生クロック信号を出力
させる。ドラム5aを回転させ、その回転数は2000
rpmに設定される。また、ドラム5aの回転速度が2
000rpmに設定されるとともに、テープ送り速度も
通常再生時の速度に設定される。ステップa3では、再
生PLL回路15aに再生信号が入力されているか否か
を判断する。再生信号が再生PLL回路15aに入力さ
れいないとき、ドラム5aから出力される周波数基準
(略称「FG」)信号に基づいて、速度サーボ回路33
aから、ドラムモータの回転を制御するための制御信号
を出力し、その回転数が常に2000rpmになるよう
に制御する。
【0021】ステップa3において、再生信号が再生P
LL回路15aに入力されているとき、ステップa5に
おいて、再生PLL回路15aは、再生信号の位相と生
成した再生クロック信号との位相が一致している状態、
すなわちロックしているか否かを判断する。前述のよう
に、再生クロック信号の周波数は、最初は9.408M
Hzに設定される。
【0022】ステップa5において、再生PLL回路1
5aがロックしている状態のとき、ステップa6におい
て、その再生クロック信号が常に通常再生時の周波数に
なるように、図12で示されるようにドラム位相サーボ
回路31aからドラム制御信号をドラム5aに出力し、
ドラム回転数を制御する。ステップa6の処理が終了す
ると、ステップa3以下の処理を繰り返す。
【0023】また、ステップa5において、再生PLL
回路15aがロックしていない状態のとき、ステップa
7において、再生PLL回路15aがロックするために
ドラム5aの回転数を変化させ、すなわち再生信号の周
波数を変化させ、ステップa7において再生PLL回路
15aがロックした後、前述のステップa6の処理を行
う。また、ステップa8においても再生PLL回路15
aがロックしないとき、ステップa9において警告処理
を行う。
【0024】図14(b)は、従来のR−DATの高速
サーチ時におけるドラムの回転を制御するための処理内
容を示すフローチャートである。ステップb1で処理を
スタートさせる。ステップb2では、高速サーチを行う
ため、前述のように再生PLL回路15aを高速サーチ
モードに設定し、前述のようにテープ送り速度を通常再
生時の200倍にして、FF方向に高速サーチを行う場
合はドラム5aの回転数を3000rpmに設定し、R
EW方向に高速サーチを行う場合は800rpmに設定
する。
【0025】ステップb3では、再生PLL回路15a
に再生信号が入力されているか否かを判断する。再生信
号が再生PLL回路15aに入力されていないとき、ス
テップb4においてシステムコントローラ20aは、図
12で示されるようにドラム5aから出力される周波数
基準(FG)信号に基づいて、速度サーボ回路33a
は、ドラムモータの回転を制御するための制御信号を出
力し、その回転数を前述の設定値になるように制御す
る。
【0026】ステップb3において、再生信号が再生P
LL回路15aに入力されているとき、ステップb5に
おいてドラム5aの回転数を変化させ、再生PLL回路
15aがロックするように、再生信号の周波数を調整し
て、ステップb6に移る。このとき、再生クロック信号
の周波数は、通常再生時の基準周波数である9.403
MHzに設定される。
【0027】ステップb6において、再生PLL回路1
5aがロックしているか否かを判断する。ステップb6
において、再生PLL回路15aがロックしていると
き、ステップb7において、その再生クロック信号の周
波数が常に通常再生時の周波数になるように、図12で
示されるようにドラム位相サーボ回路31aから制御信
号をドラム5aへ出力し、ドラム5aの回転数を制御す
る。ステップb7の処理が終了すると、ステップb6に
移り、前述の処理を行う。ステップb6においても、再
生PLL回路15aがロックしないとき、ステップb2
に移り、ドラム5aの回転数を初期状態に再設定を行
い、ステップb2以下の処理を繰り返す。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来のR−DATは、
オーディオ信号などのデジタル記録/再生用として一般
に用いられているけれども、アナログ信号の記録/再生
が従来のR−DATの通常の速度の2倍の速度で行うこ
とができ、高速で記録/再生を行うことができる倍速R
−DATの開発されている。この倍速R−DATは、通
常の速度でも記録再生できるように切換えることができ
る。この倍速R−DATでは、たとえばアナログ・テー
プレコーダとして、各種センサからのアナログ信号を複
数のチャンネルで記録/再生を行う装置として、産業
用、研究用などに用いられている。
【0029】しかし、この倍速R−DATには、従来の
R−DATのように高速サーチ機能がなく、従来のR−
DATのように高速サーチを実現する場合、以下の技術
的課題がある。倍速R−DATが通常の2倍の速度モー
ドのとき(以下「倍速時」と略称する)、記録した磁気
テープを高速サーチする場合、約400倍の速度で磁気
テープを安定して送ることができるテープ走行系の機構
を開発する必要がある。
【0030】また、テープ送り速度が400倍のとき、
前述のように相対速度を倍速再生時と合わせるため、ド
ラムの回転数を最大6000rpmに設定する必要があ
り、しかもこの状態で倍速R−DATは、テープのサブ
コードを安定して読取ることが必要である。
【0031】したがって、倍速R−DATのハードウェ
アの大幅な変更が必要であり、技術的な課題も実現する
ことが困難である。
【0032】また、従来のR−DATでも、高速サーチ
の所要時間はいわゆる120分テープにおいてサーチ時
間が約140秒と充分高速であり、仮に倍速R−DAT
の高速サーチが実現できたとしても、コンパクトディス
ク(略称「CD」)のように1〜2秒でサーチすること
ができない。したがって、前述のように倍速R−DAT
のハードウェアの大幅な変更を敢えて行う価値はほとん
どない。
【0033】したがって、以上述べた技術的課題を解決
するために、本発明の目的は、ハードウェアを大幅に変
更することなく、かつ低価格で実現することができる高
速検索機能を持つ磁気テープ再生装置を提供することで
ある。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気記録され
た磁気テープから回転ヘッドを用いて読み取った信号を
電気的なデジタル信号として再生信号に変換する読取手
段と、前記再生信号と予め定められた値の周波数に設定
された再生同期信号との位相を比較して、再生信号に含
まれる最小単位のデータに同期した再生同期信号を生成
する再生同期信号発生手段と、前記再生信号に含まれる
データの値が、前記再生同期信号に同期して判断され、
予め定められた値の周波数に設定されたシステム同期信
号に基づいて、磁気テープに記録されたデジタルデータ
を再生する再生手段と、前記回転ヘッドの回転数、磁気
テープの送り速度、再生同期信号の周波数およびシステ
ム同期信号の周波数を含むシステム設定値をそれぞれ予
め定める基準値に設定する第1再生モードと、前記シス
テム設定値をそれぞれ前記予め定める基準値の2倍の値
に設定する第2再生モードとを切換える再生モード切換
手段と、磁気テープの送り速度を再生時よりも高速に設
定し、前記再生同期信号発生手段で生成される再生同期
信号の周波数が常に前記予め定める基準値に設定される
ように回転ヘッドの回転数を制御し、再生手段によって
再生されるデジタルデータに基づいて、所望のデジタル
データを検索する検索モードを設定する検索モード設定
手段と、前記再生モード切換手段および検索モード設定
手段の出力に応答して、前記読取手段、再生同期信号発
生手段、および再生手段を制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、再生モードから検索モードに切換える
場合、再生モード切換手段によって第2再生モードが設
定されているときは、予め定められる時間再生手段の処
理を中止することを特徴とする磁気テープ再生装置。で
ある。
【0035】また本発明は、前記制御手段は、検索モー
ドから再生モードに切換える場合、再生モード切換手段
によって第2再生モードが設定されているとき、予め定
められる時間再生手段の処理を中止することを特徴とす
る。
【0036】
【作用】本発明に従えば、再生モード切換手段を切換え
ることによって、第1再生モードと第2再生モードとが
選択的に設定される。第1再生モードは、システム設定
値をそれぞれ予め定める基準値に設定して磁気テープか
らデジタルデータを再生するモードであり、いわゆる通
常再生である。第2再生モードは、システム設定値をそ
れぞれ前記予め定める基準値の2倍の値に設定して磁気
テープからデジタルデータを再生するモードであり、い
わゆる倍速再生である。
【0037】また、検索モードが設定されると、磁気テ
ープの送り速度を再生時よりも高速に設定して磁気テー
プからデジタルデータを再生し、所望のデジタルデータ
を検索する。検索モードでは、再生同期信号の周波数
は、第1再生モードにおける周波数に設定される。その
ため、再生モードから検索モードに切換える場合、再生
モード切換手段によって第2再生モードが設定されてい
るときは、再生同期信号の周波数を切換える必要があ
る。このとき、再生手段による処理は予め定められる時
間中止される。予め定められる時間は、設定周波数の切
換えによって再生同期信号の周波数が変化し、設定周波
数で安定するまでのいわゆる過渡応答期間を含む時間に
選ばれる。これによって、前記過渡応答期間における再
生信号の読取エラーを防止することができる。
【0038】また、本発明に従えば、検索モードから再
生モードに切換える場合、再生モード切換手段によって
第2再生モードが設定されているときは、予め定められ
る期間、再生手段による処理は中止される。
【0039】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である回転ヘッド
方式の倍速デジタル・テープレコーダシステム(以下
「倍速R−DAT」と略称する。)の電気的構成を示す
ブロック図である。この倍速R−DATは、オーディオ
信号などのアナログ信号を「1」と「0」で表されるデ
ジタル信号に変換し、磁気テープに記録、磁気テープか
ら再生するシステムである。
【0040】倍速R−DATの記録時における信号の流
れを以下に説明する。入力されたアナログ信号は、アン
プ1で増幅され、A/Dコンバータ2によって、デジタ
ルデータに変換され、信号処理回路3に入力される。こ
の信号処理回路3では、入力されたデジタル信号は、記
録するための信号にフォーマット化され、たとえば誤り
訂正用パリティが生成され、8ビットデータ毎にヘッド
8a,8bでの記録に適したデータに変換(8−10変
調)される。また、このデジタル信号には、1ブロック
毎のデータの区切りを判断するための同期信号、各ブロ
ックデータのアドレスを表すアドレス信号、記録された
磁気テープ4を再生するとき、その記録部分であるトラ
ックを走査するためのATF信号などが付加される。さ
らに、サブコート処理回路12では、たとえばアナログ
信号などのアドレス情報など高速サーチに必要なデータ
を含むサブコート信号を生成し、前述のデジタル信号に
付加する。
【0041】信号処理回路3において、フォーマット化
されたデジタル信号は記録アンプ回路6において増幅さ
れ、録音/再生切換回路7を介して、ヘッド8a,8b
(以下総称するときは「ヘッド8」)に与えられる。ヘ
ッド8は、与えられた信号に基づいて、磁気テープ4上
に磁気記録を行う。磁気テープ4への記録は、ドラム5
が1回転する毎に2つのヘッド8a,8bによって、図
2で示されるように磁気テープ4上に、+アジマストラ
ック24,−アジマストラック25にアジマス角20°
で記録される。ヘッド8が正確に記録するために、通常
時はドラム5の回転数はドラムモータ10を制御するこ
とによって2000/rpmに設定され、テープ送り速
度はキャプスタンモータ11を制御することによって、
8.15mm/sに設定される。また、倍速時は、ドラ
ム回転数が4000/rpm、テープ送り速度は、1
6.30mm/sにそれぞれ設定される。サーボ回路8
によってこれらのモータ10,11は速度サーボ、位相
サーボがかけられる。
【0042】次に、倍速R−DATの再生時における信
号の流れを以下に説明する。まず通常時は、ドラム5
は、正確に2000/rpmで回転され、テープ送り速
度は8.15mm/sに設定されて、磁気テープ4の再
生が行われる。また倍速時は、ドラム5は4000/r
pmで回転し、テープ送り速度は16.30mm/sに
設定され、磁気テープ4の再生が行われる。ヘッド8に
よって再生された信号は、録音/再生切換回路7を介し
て、再生アンプ/イコライザ回路13に入力され、増幅
および等化されて、「0」と「1」の判定が可能なデジ
タル信号に変換され、RF復調回路14へ入力される。
【0043】再生PLL回路15は、入力されたデジタ
ル信号の「0」と「1」を判定する基準信号である再生
クロック信号を生成し、RF復調回路14に出力する。
RF復調回路14は、同期信号を検出して10ビット毎
のデータを8ビットに戻して信号処理回路3へ出力す
る。また、RF復調回路14はATF信号を検出して、
ヘッド8が正確に磁気テープ4をトラック走査するよう
に、サーボ回路9を介して、キャプスタンモータ11を
制御し、テープ送り速度の調整を行う。
【0044】RF復調回路14で復調されたデジタル信
号は、信号処理回路3、サブコード処理回路12におい
て、誤り訂正パリティなどによって誤り訂正が行われ、
元のデジタル信号に再生され、D/Aコンバータ16、
アンプ17を介してアナログ信号が再現される。
【0045】次に倍速R−DATの高速サーチについて
以下に説明する。この倍速R−DATの高速サーチにお
けるテープ送り速度は、ドラム5の回転数を従来のR−
DATと同一にする。高速サーチを実現するには、磁気
テープ4を高速で無理なく送っている状態で、記録され
たアナログ信号のスタートID、アドレス情報などを読
取る必要がある。たとえば所望のスタートIDを検索す
ることができれば、そのスタートIDが記録された情報
を再生することができる。磁気テープ4の通常の送り速
度は、前述のように8.15mm/sであり、標準の仕
様によって最大200倍まで送り速度を増加させること
ができる。そのとき、ドラム5の回転速度を200倍に
し、信号処理速度も200倍にすれば、磁気テープ4の
すべてのトラックを走査することができるけれども、実
現不可能である。
【0046】そこで、倍速R−DATでは、図3で示さ
れるように、磁気テープ4に対するヘッドの相対速度が
一定になるように制御されている。たとえば、通常再生
時において、テープ送り速度がVtであり、ヘッド8の
走査方向の速度がVh0のとき、実際にトラックを走査
する前述の相対速度はVr1になる。次に、高速サーチ
時にテープ送り速度Vtをn倍にし、ヘッド8の走査方
向の速度をVh0sにしたとき、相対速度はVrisに
なる。このとき、相対速度Vrisにおけるトラック方
向の走査速度成分Vr2sが、相対速度Vr1に一致すれ
ば、通常再生時および高速サーチ時において磁気テープ
4に対するヘッドの相対速度が一定になる。
【0047】実際には、通常再生時におけるテープ送り
速度はヘッド8の走査方向の速度の1/400である。
したがって、図4で示されるように、高速サーチ時FF
(正方向)方向にテープ送り速度を200倍にしたと
き、ドラム5の回転速度を3000rpmに設定し、R
EW(逆方向)方向にテープ送り速度を200倍にした
とき、ドラム5の回転速度を800rpmに設定すれ
ば、前述の相対速度は一定になる。相対速度が一定であ
れば、読出される再生信号の周波数も一定になるので、
標準再生時と同一のハードウェアが使用できる。
【0048】図5は、高速サーチ時の+アジマス用ヘッ
ドの走査軌跡とその再生信号を示す図である。ヘッド
は、記録済みトラックを横切って、アジマス角の一致す
るトラックの斜線方向のデータを読出す。しかし、この
ときヘッドがトラックと違う方向の速度成分を持つと、
+アジマストラックと−アジマストラックとでは、相対
速度が変化する。この相対速度は、テープ送り速度に比
例して変化し、テープ送り速度は±200倍の高速サー
チ時では、全体の約2%変化する。
【0049】図6は、本発明の一実施例である倍速R−
DATの高速サーチ時における相対速度を通常再生時と
同一にするための制御回路の電気的構成を示すブロック
図である。
【0050】ヘッドの走査方向の速度は、ドラム5bか
らの基準周波数基準(略称「FG」)から検出すること
が可能であるけれども、テープ送り速度を正確に検出す
ることは困難である。これは、テープ送り速度を決定す
る要因が多く、テープ送り速度を正確に制御することが
できないためである。
【0051】したがって、倍速R−DATでは、相対速
度を検出するために、従来のR−DATのように再生P
LL回路15bによって前述のように再生信号の再生ク
ロック信号を生成し、その周波数を判断する。次に、再
生クロック信号の周波数が、通常再生時の周波数9.4
08MHzになるように制御され、高速サーチ時におけ
る相対速度を通常再生時の相対速度と同一になるように
設定する。
【0052】次に、図6に示される高速サーチ時の信号
の流れを以下に説明する。倍速R−DATのシステムコ
ントローラ20bは、高速サーチ時において、システム
クロックを通常時の周波数に設定し、再生PLL回路1
5bの初期状態の再生クロック信号の周波数を通常再生
時の周波数である9.408MHzに設定し、再生PL
L回路15bを高速サーチモードに設定する。
【0053】たとえば、FF方向の高速サーチ時におい
て、ドラム5bの回転数を3000rpmに設定し、テ
ープ送り速度を通常再生時の200倍に設定する。この
場合、ドラム5bから出力される再生信号がアンプ/イ
コライザ13bを介して再生PLL回路15bに入力さ
れる。再生PLL回路15bは、入力された再生信号と
位相が一致するように、再生クロック信号を生成する。
この再生クロック信号は、1/N分周回路30bを介し
てドラム位相サーボ回路31bに出力される。ドラム位
相サーボ回路31bは、その入力された信号に基づい
て、再生クロック信号の周波数を検出し、その周波数が
通常再生時の周波数でなければ、その周波数に設定する
ため、ドラム5bの回転速度を制御するための制御信号
を出力する。
【0054】この制御信号は、ドラムモータドライブ出
力回路32bを介して、ドラム5bへ出力され、ドラム
5bの回転速度を制御する。これによって、再生PLL
回路15bから再生される再生クロック信号の周波数
は、ドラム5bの回転速度に対応した再生信号に追従し
て、通常再生時の周波数になり、再生PLL回路15b
はこの状態で安定し、いわゆるロックした状態になる。
このように、PLL回路が1度ロックした状態になる
と、テープ送り速度は変化しても、その変化量にもよる
けれども、相対速度は一定になるようにドラム5bの回
転速度はこれに追従して制御される。
【0055】ドラム5bから再生信号が出力されないと
きは、前述の周波数基準(FG)信号に基づいて、速度
サーボ回路33bは、ドラム5bの回転数が常に設定値
になるように制御する。
【0056】再生信号に含まれるサブコード信号は、サ
ブコード処理回路12bにおいて、高速サーチ時、通常
再生時の周波数9.408MHzの再生クロック信号に
同期して、1ビット毎にデータの値が判断される。次
に、そのサブコード信号は、通常時のシステム・クロッ
ク周波数9.408MHzを基準に、元のサブコードが
読出され、高速サーチをするためのアドレスデータとし
てシステムコントローラ20bに読み込まれる。これ
は、通常再生時の動作と同様である。
【0057】また、倍速再生時においても、再生クロッ
ク信号は通常再生の2倍の周波数18.816MHzに
設定され、2倍の速度で前述のサブコードの信号の処理
が行われ、システムクロックの周波数も2倍の周波数1
8.816MHzに設定され、そのシステムクロックに
基づいてサブコードが元のデータに戻される。
【0058】図7は、図6で示される再生PLL回路1
5bの電気的構成を示す。再生PLL回路15bでは、
再生信号とPLL回路15bで生成した再生クロックと
の位相の比較が、再生信号の「0」から「1」(または
「1」から「0」)への変化点を情報として位相比較器
50で行われる。この位相のずれに応じた位相制御電圧
が、LPF51を介してVCO回路52に入力され、V
CO回路52は再生信号の位相に一致するように追従し
て再生クロック信号を出力する。
【0059】VCO回路52の発振周波数は、高速サー
チ時において、最初は通常再生時の周波数9.403M
Hzに設定され、9.403MHzの再生クロック信号
を出力する。また倍速再生時にはVCO回路52の発振
周波数は通常再生時の2倍の周波数18.816MHz
に設定され、18.816MHzの再生クロック信号を
出力する。再生信号は、Dフリップフロップ回路53を
介して、再生クロック信号に同期して「1」と「0」の
値に判別され、出力される。
【0060】また、PLL回路15bは、前述のように
高速サーチ時には、ヘッドが+アジマストラックと、−
アジマストラックとを走査するとき相対速度が変化する
ので、+アジマストラックを走査するヘッド8aからの
再生信号の再生クロック信号と、−アジマストラックを
走査するヘッド8bからの再生信号の再生クロック信号
との間で位相の差が生じる。このため、VCO回路52
への制御信号によって、ヘッド8aとヘッド8bとの切
換毎に、その位相の差を補正する必要がある。したがっ
て、再生PLL回路15bの動作モードを、システムコ
ントローラ20bによって再生時と高速サーチとで切換
えている。
【0061】図8は、本発明の一実施例である高速サー
チ機能を持つ倍速R−DATの処理内容を示すフローチ
ャートである。図8(a)は、倍速R−DATの通常時
/倍速時の再生モード(以下「PLAYモード」と略称
する)の処理内容を示し、図8(b)は、停止モード
(以下「STOPモード」と略称する)の処理内容を示
し、図8(c)はFF方向/REW方向の高速サーチモ
ード(以下「FF/REWサーチモード」と略称する)
の処理内容を示すフローチャートである。
【0062】PLAYモード、STOPモード、FF/
REWサーチモードの設定は、通常は、専用の操作釦を
押下することによって行われ、図9(a)で示されるよ
うに、PLAYモードからFF/REWサーチモードに
切換える場合、FF/REWサーチ用の操作釦を押下す
ることによって、自動的にSTOPモードの処理を行っ
た後、FF/REWサーチモードの処理を行う。また、
図9(b)で示されるように、FF/REWサーチモー
ドからPLAYモードへ切換える場合、PLAYモード
用の操作釦を押下することによって自動的にSTOPモ
ードの処理を行った後、PLAYモードの処理を行う。
また、PLAYモードの再生速度を通常/倍速モードに
切換えるための専用釦も設けられ、STOPモードにお
いてのみ受付けられる。
【0063】図8(b)のフローチャートに示されるP
LAYモードの処理について以下に説明する。ステップ
c1で処理をスタートさせる。ステップc2では、ST
OPモードで受付られた通常/倍速の各モードによって
通常時には、ドラム回転数が2000rpm、テープ送
り速度は8.15mm/s、システムクロックおよびV
CO周波数は9.408MHzに設定され、倍速時に
は、ドラム回転数は4000rpm、テープ送り速度は
16.30mm/s、システムクロックおよびVCO周
波数は16.816MHzに既に設定されている。また
PLL回路15bの動作モードは、前述のように再生時
(通常再生時と倍速再生時とを含む)のモードに設定さ
れている。
【0064】ステップc3において、再生(RF)信号
が再生PLL回路15bに入力されているとき、ステッ
プc5に移り、再生PLL回路15bは、再生信号の位
相と生成した再生クロック信号の位相が一致している状
態、すなわちロックしている状態であるか否かを判断す
る。前述のように、再生クロック信号の周波数は、最初
は9.408MHz(通常時)/18.816(倍速)
MHzに設定されている。
【0065】ステップc3において、再生信号が再生P
LL回路に入力されていないときステップc4におい
て、ドラム5bから出力される周波数基準(FG)信号
に基づいて、速度サーボ回路33bから、ドラムモータ
の回転数を制御するための制御信号を出力し、その回転
数が常に通常時の回転数になるように制御する。
【0066】ステップc5において、再生PLL回路1
5bがロックしている状態のとき、ステップc6におい
て、その再生クロック信号が常に通常再生時の周波数に
なるように、図6で示されるようにドラム位相サーボ3
1bからドラム制御信号をドラム5bに出力し、ドラム
5bの回転数を制御する。ステップc6の処理が終了す
ると、ステップc3以下の処理を繰り返す。
【0067】ステップc5において、再生PLL回路1
5bがロックしていない状態のとき、ステップc7にお
いて、再生PLL回路15bがロックするためにドラム
回転数を変化させ、すなわち再生信号の周波数を変化さ
せ、ステップc8において再生PLL回路15bがロッ
クしたとき、前述のステップc6の処理を行う。また、
ステップc8においても、再生PLL回路15bがロッ
クしないとき、ステップc9において警告処理を行う。
【0068】図8(b)のフローチャートに示されるS
TOPモードの処理について以下に説明する。ステップ
d1で処理をスタートさせる。ステップd2でSTOP
モードの処理を開始するための入力信号が与えられ、ス
テップd3に移る。ステップd3では、倍速R−DAT
のPLYモードが操作釦などによって通常モードまたは
倍速モード、いずれに設定されているかを判断する。倍
速モードに設定されているときは、ステップd4におい
て倍速R−DAT内部での信号処理を通常時の倍で処理
するために、システムクロックを18.816MHzに
設定し、ドラム回転数を通常時の2倍の4000rpm
に設定する。また、PLL回路15bのVCO回路52
の発振周波数は、通常時の2倍の18.816MHzに
設定し、ステップd5に移る。
【0069】ステップd5では、STOPモードに入る
前のモードがFF/REWサーチモードのとき、すなわ
ち高速サーチの立下りのとき、ステップd6においてサ
ブコードの読取を禁止している。これはFF/REWサ
ーチモードでは、通常時のドラムの回転数、システムク
ロックの周波数、VCO回路52の発振周波数が設定さ
れているけれども、ステップd4において倍速モードに
設定するときこれらの値をすべて2倍にするため、PL
L回路15bに過度応答が生じるためである。すなわち
PLL回路15bにおいて入力する信号および内部信号
が急激に変化し、出力信号がこれに応答することができ
ないため、正常な出力信号を得ることができない。
【0070】したがって、PLL回路15bが前述の過
渡状態のとき、FF/REWサーチのためのサブコード
の読取りを行うと、読取りエラーなどが発生するので、
サブコードの読取りを行うことはできない。このため、
過渡状態から定常状態になるまでの間、システムコント
ローラ20bで制御することによって、高速サーチの立
下り時のサブコードの読取りを禁止している。
【0071】この再生PLL回路15bは、前述の過渡
状態から定常状態になるまで、数100mmsecの時
間を要することが実験などで検証されている。また、再
生PLL回路15bは、ある程度の周波数に追従する引
き込み周波数範囲(キャプチヤレンジ)があるけれど
も、前述の過渡応答には追従できない。
【0072】次にステップd7ではサブコードの読取禁
止を設定した状態で、ステップa7において再生PLL
回路15bを前述の高速サーチモードから再生モードに
切換える。これは、再生PLL回路15bの切換えにお
いても前述の過渡応答が生じるためである。この場合、
ステップd4〜ステップd5のように再生PLL回路1
5bにおける信号の変化による過渡応答は集中しないの
で、過渡応答における出力信号の変化は小さい。
【0073】ステップd5において、STOPモードに
入る前のモードはFF/REWサーチモードでないと
き、すなわち前のモードが倍速/PLAYモードである
ので、ドラム回転数、システムクロックの周波数、VC
O回路52の発振周波数は同一である。したがって、再
生PLL回路15bにおいて前述の過渡応答が生じない
ので、ステップd6におけるサブコードの読取りを禁止
する必要はない。次に、ステップd7に移り、再生PL
L回路15bを再生モードに切換える。ステップd8に
おいて、システムコントローラ20bからの指示が、タ
イマに設定されている時間n以上無いとき、ヘッドおよ
び磁気テープの消耗を防止するため、ドラム5bの回転
を停止させる。
【0074】またステップd8において、他のモードへ
の切換られる場合は、システムコントローラ20bの指
令に基づいて他のモード(PLAYモードまたはFF/
REWサーチモード)へ移行する。
【0075】ステップd3において、倍速R−DATの
PLAYモードが通常モードに設定されているとき、ス
テップd10に移る。ステップd10においては、倍速
R−DAT内部での信号を通常時に設定するため、シス
テムクロックを9.408MHzに設定し、ドラム回転
数を通常時の2000rpmに設定し、再生PLL回路
15bのVCO回路52の周波数を9.408MHzに
設定する。ステップd11では、再生PLL回路15b
を再生モードに設定し、ステップd12に移る。ステッ
プd12においては、システムコントローラ20bから
の指令が、タイマに設定されている時間m以上ないと
き、ヘッドおよび磁気テープの消耗を防止するためドラ
ム5bの回転を停止させる。
【0076】また、ステップd8において、他のモード
への切換える場合は、システムコントローラ20bの指
令に基づいて他のモード(PLAYモードまたはFF/
REWサーチモード)へ移行する。
【0077】図8(c)のフローチャートに示されるF
F/REWサーチモードの処理について以下に説明す
る。ステップe1で処理をスタートさせる。ステップe
2では、倍速R−DATが操作釦などによって通常モー
ドまたは倍速モード、いずれかに設定されているか判断
する。倍速モードに設定されているときは、ステップe
3において、倍速R−DAT内部での信号処理を倍速時
の処理から通常時の処理に戻すため、システムクロック
を9.408MHzに設定し、ドラム回転数を2000
rpmに設定する。また、再生PLL回路15bのVC
O回路52の発振周波数の通常時の9.408MHzに
設定し、ステップe4に移る。
【0078】この場合、STOPモードにおけるステッ
プd6において説明したように、高速サーチの立上り時
に過渡応答が集中するけれども、高速サーチの立上り時
であるステップe4では、ステップd6とは逆の処理が
行われ、再生PLL回路15bにおける入力信号および
内部の信号に急激な変化が起こり、サブコードの読取り
を行うことができない。そのため、ステップe4におい
て、システムコントローラ20bで制御することによっ
て高速サーチの立上り時のサブコードの読取りを禁止し
ている。ステップe5では、このサブコードの読取りを
禁止した状態で、再生PLL回路15bを再生モードか
ら高速サーチモードへ切換えている。これは、STOP
モードのステップd7で説明したように、再生PLL回
路15bにおいて過渡応答が生じるためである。
【0079】ステップe2において、通常モードの場合
は、再生PLL回路15bにおける信号などを設定値を
代える必要がないので、ステップe5に移り、再生PL
L回路15bをサーチモードに設定する。
【0080】ステップe6では、高速サーチを開始する
ための入力信号が与えられ、ステップe7に移る。ステ
ップe7では、高速サーチにおける相対速度を通常時の
相対速度に一致させるため、前述のようにテープ送り速
度を通常再生時の200倍にして、FF方向の高速サー
チを行う場合、ドラム回転数を3000rpmに設定
し、REW方向の場合には800rpmに設定する。ス
テップe8では、再生PLL回路15bに再生信号が入
力されているか否かを判断する。再生信号が再生PLL
回路15bに入力されていないとき、ステップd4にお
いてシステムコントローラ20bは、図6で示されるよ
うにドラム5bから出力される周波数基準(略称「F
G」)信号に基づいて、速度サーボ回路33aは、ドラ
ムモータの回転を制御するための制御信号を出力し、そ
の回転数を通常時の設定値になるように制御する。ステ
ップe8において、再生信号が再生PLL回路15bに
入力されているとき、ステップe10においてドラム回
転数を変化させ、再生PLL回路15bがロックするよ
うに、再生信号の周波数を調整して、ステップe11に
移る。このとき、再生クロック信号の周波数は、通常再
生時の基準周波数である9.403MHzに設定されて
いる。
【0081】ステップe11において、再生PLL回路
15bがロックしているか否かを判断する。ステップe
11において、再生PLL回路15bがロックしている
とき、ステップe12において、その再生クロック信号
の周波数が常に通常再生時の周波数になるように、図6
で示されるようにドラム位相サーボ回路31bより制御
信号をドラム5bへ出力し、ドラムの回転数を制御す
る。
【0082】ステップe12の処理が終了すると、ステ
ップe11に移り、前述の処理を行う。ステップe11
においても、再生PLL回路15bがロックしないと
き、ステップe7に移り、ドラム回転数を初期状態に再
設定を行い、ステップe7以下の処理を繰り返す。
【0083】以上のように、倍速R−DATにおいて通
常再生時の高速サーチにおける速度で、倍速再生時の高
速サーチを行うことによって、テープ走行機構、ドラム
機構など、従来のR−DATの機構をそのまま使用する
ことができる。また、高速サーチに必要な回路のハード
ウェアにおいても、再生PLL回路のVCO発振周波数
を2倍にして、その発振周波数を1/2分周にするか否
かを切換えるなど、倍速再生/高速サーチの切換えに必
要な簡単な回路を追加すればよい。
【0084】さらに、図8で説明したように通常時の再
生/倍速時の切換、高速サーチと再生の切換および高速
サーチの立上りおよび立下り時においてもサブコードの
読取りが正確に行えるための処理をすべてソフトウェア
で実現することができる。
【0085】図10は、本発明の他の実施例である高速
サーチ機能を持つ倍速R−DATの処理内容を示すフロ
ーチャートである。このフローチャートは、図8で示さ
れるフローチャートに類似し、対応するステップには同
一のステップ番号を付す。
【0086】図10のフローチャートと図8のフローチ
ャートの異なる点は、図8のフローチャートのSTOP
モードにおけるステップd5,ステップd6の処理が、
図10のフローチャートにおいて行われないことであ
る。すなわち、倍速R−DATの高速サーチの立下り
時、再生PLL回路15bにおいて過渡応答が生じるに
もかかわらずサブコードの読取りを禁止しない。このサ
ブコードの読取りを禁止しない理由を以下に説明する。
【0087】倍速R−DATは、前述のようにアナログ
データレコーダとして使われることが多く、この場合通
常図11で示されるようなシステム構成になる。
【0088】8CH(チャネル)のアナログデータは、
8CHのA/Dコンバータに入力され、そのデータは、
マルチプレクサ(略称「MPX」)回路61によって順
次切換えられ、データコントロール回路62を介して倍
速R−DAT63に記録される。したがって8CHのア
ナログデータは、デジタルデータとして同時に記録する
ことができる。ホストコントローラ64は、図11で示
されるシステム全体を統括して制御し、倍速R−DAT
63に記録されたデータを読出して、表示装置65に表
示するなどの処理を行う。したがって、ホストコントロ
ーラ64は、図10のフローチャートで示される倍速R
−DAT63のPLAYモード、STOPモード、FF
/REWモードなどの各モードの設定を行うことができ
る。
【0089】したがって、高速サーチを行っているFF
/REWサーチモードからSTOPモードに入る直前の
サブコードデータをホストコントローラ64が記憶し、
その後入力されたサブコードデータの処理は図10で示
されるステップd8において、再生PLL回路15bが
他のモードへ切換えるまで行わない。
【0090】また、前述の処理方法では、サブコードの
アドレス情報と磁気テープの位置が少しずれるので、さ
らに精度の高い磁気テープの位置出しが必要なときは、
ホストコントローラ64がたとえばSTOPモードのス
テップd7において再生PLL回路15bが再生モード
に切換った後、再度PLAYモードまたはキュー・レビ
ュー(テープ送り速度を2倍〜3倍にする)機能によっ
て、サブコードを検索し、そのサブコードを記憶して、
PLAYモードなどへ移行する。
【0091】したがって、以上の処理を行うことによっ
て、倍速R−DATは高速サーチの立下り時、すなわち
STOPモードにおいてサブコードの読取りを禁止する
処理を省略することができる。
【0092】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、再生モー
ドが第2再生モードに設定されているときでも、過渡応
答時間の再生信号の読取りエラーを防止することができ
る。したがって、検索開始・停止機能再生信号などのい
わゆるサブコード信号を正確に読めるようになり、検索
を正確に行うことができる。またこれによって、ハード
ウェアを大幅に変更することなく、ほぼソフトウェアの
変更だけで低価格の検索機能を持つ磁気テープ再生装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である回転ヘッド方式のデジ
タル・テープレコーダの電気的構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1に示されるデジタル・テープレコーダで再
生する磁気テープ4上の記録トラックを示す図である。
【図3】ヘッドの走査速度とテープ送り速度との関係を
示す図である。
【図4】高速サーチ時のドラム回転数とテープ送り速度
との関係を示す図である。
【図5】高速サーチ時におけるヘッド8の磁気テープ上
の走査方向を示す図である。
【図6】本発明の一実施例である回転ヘッド方式のデジ
タルテープレコーダにおける高速サーチ時の信号の流れ
を示す図である。
【図7】図6で示される再生PLL回路15bの電気的
構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施例である回転ヘッド方式のデジ
タルテープレコーダの処理内容を示すフローチャートで
ある。
【図9】各動作モードの遷移を示す図である。
【図10】本発明の他の実施例である回転ヘッド方式の
デジタルテープレコーダの処理内容を示すフローチャー
トである。
【図11】本発明の他の実施例であるアナログ・データ
レコーダの電気的構成を示すブロック図である。
【図12】従来の回転ヘッド方式のデジタルテープレコ
ーダにおける高速サーチ時の信号の流れを示す図であ
る。
【図13】図12で示される再生PLL回路15aの電
気的構成を示すブロック図である。
【図14】従来の回転ヘッド方式のデジタルテープレコ
ーダの処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,17 アンプ 2 A/Dコンバータ 3 信号処理回路 4 磁気テープ 5 ドラム 6 記録アンプ 8a,8b ヘッド 9 サーボ回路 10 ドラムモータ 11 キャプスタンモータ 12 サブコード処理回路 14 RF復調回路 15a,15b 再生PLL回路 16 D/Aコンバータ 20,20a,20b システムコントローラ 21 クロック発生回路 24,25 トラック 30a,30b 1/N分周回路 31a,31b ドラム位相サーボ回路 32a,32b ドラムモータドライブ出力回路 33a,33b 速度サーボ回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録された磁気テープから回転ヘッ
    ドを用いて読み取った信号を電気的なデジタル信号とし
    て再生信号に変換する読取手段と、 前記再生信号と予め定められた値の周波数に設定された
    再生同期信号との位相を比較して、再生信号に含まれる
    最小単位のデータに同期した再生同期信号を生成する再
    生同期信号発生手段と、 前記再生信号に含まれるデータの値が、前記再生同期信
    号に同期して判断され、予め定められた値の周波数に設
    定されたシステム同期信号に基づいて、磁気テープに記
    録されたデジタルデータを再生する再生手段と、 前記回転ヘッドの回転数、磁気テープの送り速度、再生
    同期信号の周波数およびシステム同期信号の周波数を含
    むシステム設定値をそれぞれ予め定める基準値に設定す
    る第1再生モードと、前記システム設定値をそれぞれ前
    記予め定める基準値の2倍の値に設定する第2再生モー
    ドとを切換える再生モード切換手段と、 磁気テープの送り速度を再生時よりも高速に設定し、前
    記再生同期信号発生手段で生成される再生同期信号の周
    波数が常に前記予め定める基準値に設定されるように回
    転ヘッドの回転数を制御し、再生手段によって再生され
    るデジタルデータに基づいて、所望のデジタルデータを
    検索する検索モードを設定する検索モード設定手段と、 前記再生モード切換手段および検索モード設定手段の出
    力に応答して、前記読取手段、再生同期信号発生手段、
    および再生手段を制御する制御手段とを含み、 前記制御手段は、再生モードから検索モードに切換える
    場合、再生モード切換手段によって第2再生モードが設
    定されているときは、予め定められる時間再生手段の処
    理を中止することを特徴とする磁気テープ再生装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、検索モードから再生モ
    ードに切換える場合、再生モード切換手段によって第2
    再生モードが設定されているとき、予め定められる時間
    再生手段の処理を中止することを特徴とする請求項1記
    載の磁気テープ再生装置。
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