JPH076271Y2 - 屋根パネルの端部接合構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、屋根パネルを建物屋根の基礎面上に複数枚並
べて取付固定する際に適用される屋根パネルの端部接合
構造に関するものである。

従来の技術 一般に、薄平板状を呈する板かわら等の屋根板は建築現
場で屋根の基礎面に一枚一枚敷き込んで取り付けられて
いるのが通常である。然し、この作業には極めて手間が
掛かるばかりでなく、熟練した技術が必要とされること
から、複数枚の屋根板を一つのパネル枠に工場内で取り
付けてパネル全体を予め組み立て、それを建築現場で屋
根の基礎面に施工することが検討されている。

この屋根パネルを複数枚施工する場合、屋根の棟や斜面
の稜線部分等においてはパネル枠の対接箇所を棟包の如
きカバー部材で被包すれば確実に雨仕舞処理することが
できる。然し、屋根勾配の平坦面部分においてはパネル
枠の対接個所をカバー部材で唯単に被包するのだけで体
裁上や雨仕舞の点から好ましくない。

考案が解決しようとする課題 本考案は、殊に、屋根の平坦面部分におけるパネル枠の
対接個所を余り目立たせずしかも良好な雨仕舞を行い得
るよう工夫した屋根パネルの端部接合構造を提供するこ
とを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案に係る屋根パネルの端部接合構造においては、屋
根パネルの構成材であるパネル枠と屋根板との間に防水
シートを敷き込んでパネル全体を組み立て、相隣接する
屋根パネルをパネル枠の側端面で相互に対接し、複数枚
を並べて建物屋根の基礎面上に取付固定するのに際し、
各パネル枠には側端面の上部寄りを切欠いて段部を設
け、その各段部には略Ｚ字状の取付金具を相対接される
パネル枠の相互間で左右逆向きに嵌込み固定すると共
に、各取付金具の上部側で相対する折曲縁の間には防水
シートの各端末を挾み込み、且つ、下部側の間隔内には
略溝形の雨仕舞枠を嵌込み配置することにより構成され
ている。

作用 この屋根パネルの端部接合構造では、屋根パネルの屋根
板とパネル枠との間に敷込み配置される防水シートの各
端末を取付金具の上部側で相対する折曲縁で挾み込むこ
とから、多少の隙間がパネル枠の対接面間にあっても、
該隙間を埋められることにより雨水が侵入するのを防げ
る。また、雨水がたとえ防水シートの端末間から内側に
侵入することがあっても雨仕舞枠で受け止められるか
ら、その雨水が屋根の基礎面側にまで浸透するのを確実
に防止することができる。

実施例 以下、添付図面を参照して説明すれば、次の通りであ
る。

この屋根パネルの端末接合構造は、第１図で示すように
屋根パネル１を建物屋根の基礎面２に複数枚並べて取付
固定する際に適用されている。殊に、その屋根パネル１
を屋根勾配の平坦な部分の基礎面２上に取付固定する際
に適用されている。

屋根パネル１は、第２図で示すように四辺形に枠組され
た木製のパネル枠10と、そのパネル枠10の上部側に複数
枚敷込み固定される薄平板状を呈する板かわら等の屋根
板11と、パネル枠10と屋根板11との間に敷き込まれるル
ーフィング等の防水シート12とから組み立てられてい
る。このパネル枠10と屋根板11との間を緊密に接合する
べく、カラー鋼板等の端部被包板13をパネル枠10の上面
から屋根板11の上縁までに介装させて屋根板11をパネル
枠10に釘着等で固定するとよい。また、そのパネル枠10
には側端面の上部寄りを所望幅に亘ってＬ字状に切欠く
ことにより段部14が設けられている。この段部14には、
略Ｚ字状の横断面形状を有する取付金具３が嵌込み固定
されている。

その取付金具３としては、第３図で示すように亜鉛引鋼
板等の金属板材を所定形状に折曲成形したものが用いら
れている。この取付金具３は上部側3aを略フ字状に折り
曲げ、その上部側3aの折曲縁3bを防水シート12の端末を
挾み込む部分とするよう形成されている。この上部側3a
からは下部側3cを略Ｌ字状に連続させて折り曲げること
により、全体が略Ｚ字状の横断面形状を呈するよう折曲
形成されている。また、全長はパネル枠10の側辺に相応
する長さの長尺なものに形成されている。

その取付金具３は屋根パネル１を工場内で組み立てる際
に、パネル枠10の段部14に嵌込み固定することにより予
め装備することができる。また、相隣接する屋根パネル
１のパネル枠10において左右逆向きに位置させる。下部
側3cはパネル枠10の段部14に当てがい、折曲縁3bは他の
屋根パネル１側に向け、上部側3aは上面をパネル枠10の
上面と整合位置させ、下部側3cを皿ビス等で止着固定す
ることにより、この取付金具３はパネル枠10に取り付け
られている。

その取付金具３に加えて、第４図に示すように横断面略
溝形を有する雨仕舞枠４が備え付けられている。この雨
仕舞枠４としては取付金具３と同様に、亜鉛引鋼板等の
金属板材を折曲成形したのを用いることができる。その
雨仕舞枠４は、相対接するパネル枠10に取り付けられた
取付金具３の下部側3cが隔てる間隔と同等の横幅を有
し、パネル枠10の側辺に相当する長さの長尺なものに形
成されている。

その屋根パネル１を建築現場で屋根の基礎面２上に複数
枚並べて取り付けるときには、相対接されるパネル枠10
より側方に垂れ下がる各防水シート12の端末側を取付金
具３の各折曲縁3bで挾込み支持する。この防水シート12
の各端末を取付金具３の折曲縁3bで挾込み支持すること
から、パネル枠10の対接面間は雨水等を侵入させないよ
う緊密に対接することができる。また、屋根パネル１の
取付固定後或いは取付工程中で雨仕舞枠４を各取付金具
３の下部側3cにおける間隔内に差込み乃至は嵌め込んで
組み付ける。この雨仕舞枠４は横断面略溝形のものであ
るから、防水シート12の端末を内側に受け入れ位置でき
る。そのため、取付金具３の折曲縁3bで挾持した防水シ
ート12の端末位置から雨水が侵入しても、雨水を受け止
めできるから屋根の基礎面２にで侵入させないようにで
きる。

なお、雨仕舞枠４の開口側は雨樋に至る軒先において軒
先カバー等で被包すれば外部に露出させないよう覆うこ
とができる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係る屋根パネルの端部接合構造に
依れば、防水シートの端末を取付金具の折曲縁で挾込み
支持することにより屋根パネルの端部間に生ずる隙間を
防げ、また、雨仕舞板を取付金具の下部側における間隔
内に嵌込み配置することから、屋根パネルの端部間から
雨水が侵入しても屋根の基礎面にまで侵入するのを確実
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る屋根パネルの端部接合構造を示す
説明図、第２図は同接合構造を適用する屋根パネルの端
部を示す説明図、第３図は同接合構造を構成するのに用
いられる取付金具の説明図、第４図は同接合構造を構成
するのに用いられる雨仕舞枠の説明図である。 1:屋根パネル、10:パネル枠、11:屋根板、12:防水シー
ト、2:屋根の基礎面、3:取付金具、3a:取付金具の上部
側、3b:取付金具の折曲縁、3c:取付金具の下部側、4:雨
仕舞枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】屋根パネル（１）の構成材であるパネル枠
   （10）と屋根板（11）との間に防水シート（12）を敷き
   込んでパネル全体を組み立て、相隣接する屋根パネル
   （１）をパネル枠（10）の側端面で相互に対接し、複数
   枚を並べて建物屋根の基礎面（２）上に取付固定する屋
   根パネルの端部接合構造において、各パネル枠（10）に
   は側端面の上部寄りを切欠いて段部（14）を設け、その
   各段部（14）には略Ｚ字状の取付金具（３）を相対接さ
   れるパネル枠（10）の相互間で左右逆向きに嵌込み固定
   し、該各取付金具（３）の上部側（3a）で相対する折曲
   縁（3b）の間には防水シート（12）の各端末を挾み込
   み、且つ、下部側（3c）の間隔内には略溝形の雨仕舞枠
   （４）を嵌込み配置したことを特徴とする屋根パネルの
   端部接合構造。