JPH076249Y2 - ベランダ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建屋の側部に梁材にて突出的に構設される簡
易なベランダ（バルコニーも含む）構造の改良に関す
る。

（従来の技術） 従来、低層集合住宅や一般住宅等に於いて、金属材或い
は木材等の縦横梁によりベランダ基枠を枠組し、対向梁
間に複数の根太を横架隔設すると共に該根太上に床材を
覆設した簡易なベランダを建屋の上階側部より張出して
構設することが広く行なわれている。

（考案が解決しようとする課題） 上記ベランダは、構造がシンプルで且つ低価格で構設さ
れることから、現代感覚にマッチングすると共に汎用性
が高く、広く賞用されている。しかし、当該ベランダを
下から抑視した時、床材の下面に隔設された根太及び床
材の裏面が露見され、これが外観に違和感を与える原因
となっていた。特に上記集合住宅の下層階の住民にとっ
ては真近に視覚され、上記シンプルな構造にも拘らずア
ンバランスな感覚を受けることは禁じ得なかった。

本考案は上記に鑑みなされたものであり、根太及び床材
の裏面が下方からも視覚されないよう隠蔽し、よりシン
プルにしてその汎用性を高め得る新規なベランダ構造を
提供せんとするにある。

（課題を解決する為の手段） 上記目的を達成する本考案のベランダ構造を添付図面に
基づき説明する。第１図は本考案ベランダ構造の全体斜
視図、第２図は同図に採用されるカバーパネルの斜視
図、第３図は第１図のIII−III線断面図、第４図は第３
図のIV−IV線断面図、第５図及び第６図は他の実施例の
第３図と同様図、第７図乃至第９図は更に他の実施例の
第４図と同様図である。

即ち、本考案のベランダ構造は、建屋の側部Ｗに縦横梁
１（１′）、２にてベランダ基枠10を構設し、対向梁1,
1′間に複数の根太３…を横架隔設すると共に該根太３
…上に床材４を覆設したベランダの構造に於いて、前記
ベランダ基枠10の下面をカバーパネル５により覆い上記
根太３…及び床材４の下面を隠蔽し、カバーパネル５
は、周縁に上記梁１（１′）若しくは根太３に固定する
取付け鍔部51と該鍔部の内側に該鍔部に対して凸状、凹
状若しくは凹凸状のパネル面とを一体に具備して成るも
ので、複数のカバーパネル５…により根太３…による区
画域毎に覆うことを特徴とするものである。

上記ベランダ基枠10は、アルミニウム等の押出型材、軽
量形鋼或いは木材等の梁材を縦横の梁１（１′）、２と
して方形に枠組され、既設・新設を問わず建屋の側部Ｗ
から張出し状に構設される。建屋側部Ｗ側の梁１及びそ
の対向梁１′間には複数の根太３…が平行に横架隔設さ
れ、該根太３…上には床材４が覆設される。また、上記
ベランダ基枠10の３辺部には手摺部６…が立設され、上
記床材４の上面、該手摺部６…及び建屋側部Ｗとにより
囲まれた部分がベランダ空間とされる。上記床材４とし
ては、硬質合成樹脂により成型されたデッキ材その他の
化粧床材が充当され、ベランダ基枠10の上面がこれにて
覆われて建屋側からの人の立ち入りが可能とされる。カ
バーパネル５は、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカー
ボネート樹脂等の合成樹脂による成型体であり、上記梁
１（１′）、２及び根太３…の下面に止着固定される取
付け鍔部51を四周に備え、該カバーパネル５の該鍔部内
側のパネル面は、補強リブを兼ねて凹凸面とするか、る
か、又は凸面又は凹面とし、その凹凸模様の形状は需要
者の好み或いは機能性等を勘案して適宜選択される。

（作用） 上記構成のベランダ構造に於いて、ベランダ基枠10に覆
設された床材４は、根太３…及び梁１（１′）、２によ
って支持されているから、上述の如くその上面に人の立
ち入りが可能とされ、通常のベランダ空間として機能す
る。亦、ベランダ基枠10の下面はカバーパネルによって
覆われているから、各根太３…及び床材４の裏面が露見
されることがない。特に階下の住民にとっては、上階ベ
ランダの下面が軒天井の如く至近位置で視覚されるが、
該下面はカバーパネル５によって覆われているから、そ
の外観が向上し、しかも当該ベランダ空間とバランスし
て違和感を生じさせないのである。

カバーパネル５の内側のパネル面を凹凸状に成形する
か、凸面又は凹面としたので、カバーパネル５に伸縮性
と剛性を付与して、温度変化や基枠の変形により梁や根
太とカバーパネル５との伸縮差が生じた場合のカバーパ
ネルの破損を防止し、機械的強度を高めて耐久性を確保
することができる。

（実施例） 次に実施例について述べる。図に於いて、建屋側部Ｗに
固設される梁１は中空角形の金属型材であり、またその
対向梁１′及びこれに直交する両側梁２、２はＣ形チャ
ンネル鋼に類似の金属型材でその開口部がベランダ基枠
10の内方に向くよう枠組される。また、各梁１、１′、
２、２の内側面には支持片11、11、21、21が連成されて
いる。該梁１、１′、２、２により方形のベランダ基枠
10が枠組され図の如く建屋の側部Ｗより張出して構設さ
れる。３方の梁１′、２、２上には手摺部６が立設され
て建屋側部Ｗとによりベランダ空間が囲繞形成され、建
屋の出入口等Ｄからこのベランダ空間に人の出入りが可
能とされる。図例では、上記手摺部６に側面パネル61が
添設されて外部からの視線を防止するようになされてい
るが、これを格子状にしたりその他の透明或いは凹凸更
には孔あき模様が付された化粧パネルに代替することは
もとより可能である。

上記対向梁１、１′間には支持片11、11を介して金属型
材より成る根太３…が略等間隔で担持架設され、更にこ
の根太３…上には全面を覆うように床材４が覆設されて
いる。該床材４は、硬質合成樹脂の成型によるデッキ材
であり、山部と谷部とを幅方向に平行に形成し且つ側端
部を互いに嵌合して幅方向に連ねるようにした単位部材
41と、谷部の開口部に覆設される蓋パネル42とより成
る。該デッキ材４は適宜着色され、需要者の好みに応じ
て選択可能とされているが、図例に限らず他の形状のも
の、更には他の種類の床材がこれに充当され得ることは
云うまでもない。

上記梁１′の一端若しくは両端部（図例では両端部）下
面が開口され、これに竪樋７、７が連接され、床材４の
表面を伝い梁１′、２、２の中空所内に流入した雨水等
が逐次排出されるようになされている。

第２図乃至第４図に示す合成樹脂カバーパネル５は、四
周に取付鍔部51…を有した方形のバット状をなし、該鍔
部51…の内側は凹凸状のパネル面としてあり、その四周
には一連の凹溝（裏面から見た場合突条）52…が形成さ
れ、更にこの一連の凹溝52…の内側には複数の台形状隆
起部（同凹溝）53…が平行に形成されている。該隆起部
53…間の谷部54…は、上記凹溝52…に同一平面で連通し
ている。この凹溝52…、台形状隆起部53…及び谷部54…
は、凹凸模様を形成すると共にそのリブ効果によりカバ
ーパネル５を補強し、更には熱による伸縮変形乃至ひず
みを吸収すべく機能する。該カバーパネル５の幅寸法は
上記根太３…の間隔に、また長さ寸法は梁１、１′間の
距離に夫々略等しくされ、梁１、１′及び根太３、３に
よる区画面域、梁１、１′、２、２及び根太３による各
区画域（ベランダ基枠10の両側部）に当該カバーパネル
５が１個宛整合するようになされている。従って、各梁
１、１′、２、２の支持片11、21の下面及び根太３…の
下面に上記取付鍔部51…を当てがい、下からタッピング
ネジ等の止具50…にて止着固定すればベランダ基枠10の
下面がカバーパネル５…の一連の連なりにより覆われ、
根太３…及び木材４の裏面が隠蔽される。

第５図のカバーパネル５は、基本的には第２図のものと
ほぼ同形状であるが、底部が長手方向に沿って稍々傾斜
している点で異なる。そして、傾斜側端部の底には水抜
孔55が穿設され、この水抜孔55の穿設側が梁１′に近接
するよう取付けられる。従って、床材４等から漏れ出た
水や結露水がこのカバーパネル５の上面を傾斜に沿って
流れ、水抜孔55から逐次排出されてカバーパネル５の上
面に水が溜るのが防止される。

第６図のカバーパネル５は、パネル面域の凹凸が波形で
ある点で第２図のものと異なるだけである。この場合、
熱伸縮が波形進行方向での弾性変形により吸収され易い
からその変形やひずみがより目立ちにくいと云う利点が
付加される。更に、取付鍔部51を根太３と支持片11、21
との間に介装しており、これにより鍔部51が視覚されず
その外観がより向上すると共にカバーパネル５の取付が
しっかりしたものとなる。このような取付方法は本実施
例に限らず、上記各実施例にも適用され得ることは云う
までもない。

第７図のカバーパネル５は、第２図のものを２個幅方向
に連ねたような形状であり、上記梁１、１′、２及び根
太３による区画面域の隣接２区画毎に隠蔽し得るもので
ある。但し、中央で切断して使用することも可能である
ことは云うまでもない。

第８図のカバーパネル５は、四周の取付鍔部51…が裏面
側に小さな段差をもって形成され、且つ該鍔部51…の内
側のパネル面は、上記のような凹凸のない平坦面56で、
鍔部51…に対して凹面とされている。該鍔部51…に囲繞
された平坦面56は、梁１、１′、２及び根太３による区
画面域の大きさに略等しくされ、これにより取付時の位
置決めが簡易になされる。

第９図のカバーパネル５に於ける両側部の鍔部51、51が
根太３を下から抱持するような凹溝状に形成され、止具
50により根太３の側部に止着固定するようになされてい
る。これにより止具50が視覚されにくくなり更に外観が
良くなる。この場合、梁１、１′に対する止着も側部よ
り行なうようにすれば更に外観が向上する。

尚、カバーパネル５の形状は図例のものにのみに限定さ
れず、設計者のモチーフや需要者の好みに応じて様々な
変更が可能であることは云うまでもない。また、適宜着
色してカラフルなものとしたり、絵模様や他のエンボス
模様を付与してその多様性を高めることも可能であるこ
とは勿論である。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案のベランダ構造は、その下面にカバ
ーパネルが覆設されるから、根太及び床材の裏面が露見
されず、全体の外観が著しく向上する。また、カバーパ
ネルは、そのパネル面を凹状、凸状、又は凹凸条とした
ので、伸縮性と剛性が大きく、梁や根太とカバーパネル
５との間に伸縮差が生じた場合にもカバーパネルの歪や
破損を防止し、カバーパネルの機械的強度を高めて、そ
の耐久性を確保することができる。しかも、該カバーパ
ネルを合成樹脂の成型とすれば、価格の高騰が少なく、
この若干の価格の高騰も外観の向上によって相殺される
結果、全体の商品価値が高くなり、その汎用性がより高
められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ベランダ構造の全体斜視図、第２図は同
図に採用されたカバーパネルの斜視図、第３図は第１図
のIII−III線断面図、第４図は第３図のIV−IV線断面
図、第５図及び第６図は他の実施例の第３図と同様図、
第７図乃至第９図は更に他の実施例の第４図と同様図で
ある。 （符号の説明） １、１′、２…縦横梁、10…ベランダ基枠、３…根太、
４…床材、５…合成樹脂カバーパネル、Ｗ…建屋側部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建屋の側部に縦横梁にてベランダ基枠を構
   成し、対向梁間に複数の根太を横架隔設すると共に該根
   太上に床材を覆設したベランダの構造に於いて、 前記ベランダ基枠の下面を、周縁に上記梁若しくは根太
   に固定する取付け鍔部と該鍔部の内側に該鍔部に対して
   凸状、凹状若しくは凹凸状のパネル面とを一体に具備し
   て成る複数のカバーパネルにより、該根太による区画域
   毎に覆い、上記根太及び床材の下面を隠蔽するようにし
   たことを特徴とするベランダ構造。