JPH0762373A - 潤滑油添加剤および潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤および潤滑油組成物

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JPH0762373A
JPH0762373A JP22817693A JP22817693A JPH0762373A JP H0762373 A JPH0762373 A JP H0762373A JP 22817693 A JP22817693 A JP 22817693A JP 22817693 A JP22817693 A JP 22817693A JP H0762373 A JPH0762373 A JP H0762373A
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oil
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Yoshiro Nakada
義郎 中田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剪断安定性、粘度指数、低温粘度特性におい
て優れた潤滑油を提供する。 【構成】 αーオレフィン共重合体にマレイン酸もしく
はフマール酸のモノもしくはジアルキルエステルをグラ
フトしてなるグラフト重合体組成物からなる潤滑油添加
剤、及び該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は潤滑油添加剤および潤滑
油組成物に関する。さらに詳しくは、自動車等のエンジ
ン油並びに駆動系潤滑油に有効な粘度指数向上剤(VI
I)を与えるグラフト重合体組成物からなる潤滑油添加
剤、およびそれを用いた潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の高出力化にともないエンジン油
並びに駆動系のオートマチックトランスミッション用潤
滑油(ATF)やマニュアルトランスミッション用潤滑
油(MTF)などの駆動系潤滑油は、熱的にも、物理的
にも厳しい条件に曝され、潤滑油の粘度低下等が発生し
易い条件になって来ている。また、潤滑油の長寿命化が
要望されていることから、近年、自動車用の潤滑油には
一層優れた酸化安定性および剪断安定性を付与すること
が必要となっている。更に、自動車の低燃費化が望まれ
ており粘度指数、流動点、並びに−40℃での粘度等低
温での特性(低温特性)が優れた潤滑油が求められてい
る。このため、従来から利用されているポリメタクリレ
ート系粘度指数向上剤の改良、また、α−オレフィン系
の油溶性重合体に不飽和モノカルボン酸アルキルエステ
ルをグラフトしてなる油溶性グラフト重合体(特開昭5
5−66995号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この特開昭55−66
995号公報に記載の技術では、油溶性グラフト重合体
の幹ポリマーであるα−オレフィン共重合体に対し不飽
和モノカルボン酸アルキルエステルからなる枝部分の重
合度のコントロールが難しく、又、不飽和モノカルボン
酸アルキルエステルのホモポリマーの量、並びに重合度
のコントロールが難しいことから、得られた油溶性グラ
フト重合体を含有する潤滑油は剪断安定性、並びに低温
特性に問題があり実用に耐えないものもある。また、グ
ラフト重合体と副生するホモポリマーとの相溶性が不十
分な場合があり鉱物油に溶解したとき完全に溶解しない
で霞んだり、2相に分離したりする等の問題点があり、
鉱物油への溶解性、剪断安定性、粘度指数及び低温粘度
全てにおいて満足できる潤滑油を与える粘度指数向上剤
とは言い難い。
【0004】特公昭49−19112号公報および特公
昭51−28288号公報にはエチレンとプロピレンの
共重合体を少なくとも約100℃以下の温度で、空気又
は酸素存在下、加熱することにより酸化並びに劣化さ
せ、次に、遊離基重合触媒存在下、酸素含有の重合可能
なモノマーと接触させることによりつくられる油溶性ポ
リマーが提案されているが鉱物油への溶解性、剪断安定
性、粘度指数及び低温粘度全てにおいて満足できる潤滑
油を与える粘度指数向上剤とは言い難い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鉱物油へ
の十分な溶解性を示すと共に、十分なる剪断安定性、粘
度指数及び低温粘度特性を有する潤滑油を得るため、O
CP系VIIの長所である優れた剪断安定性を生かし、
その低温特性を改良すべく鋭意検討した結果、OCPか
らなる主鎖に極性モノマーをグラフト重合することによ
り、主鎖のコンフォメーションの温度依存性が高まるこ
と、又、その極性基はOCPの主鎖の近くに位置するほ
ど、更に、極性の強度を適度にコントロールすることに
よりコンフォメーションの温度依存性が一層増進され、
低温特性が改善されること、並びに、単独では高重合度
化が難しい不飽和ジカルボン酸エステルを利用すること
により枝部分およびホモポリマーの重合度が小さくなる
ことによりOCP系VIIの特徴である高剪断安定性を
阻害しないことを見出し、鉱物油への溶解性に優れ、且
つ、優れた剪断安定性と低温粘度を合わせ持つグラフト
重合体組成物を発明するに至った。すなわち本発明は、
α−オレフィン共重合体(A)にマレイン酸もしくはフ
マール酸のモノもしくはジアルキルエステル(B)[但
し、アルキル基の少なくとも1つは炭素数8〜18の直
鎖アルキルである]の1種以上をグラフトしてなるグラ
フト重合体組成物(C)からなる潤滑油添加剤;および
該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物である。
【0006】本発明において使用するα−オレフィン共
重合体(A)の例としては、エチレンと炭素数が3〜2
0のαーオレフィンとの共重合体が好ましく、より好ま
しくはエチレンとプロピレンの共重合体である。また、
上記同様の構造を持つブタジエンおよび/またはイソプ
レンンの重合物の水添物であっても良い。更に、該α−
オレフィン共重合体には少量のジエンモノマーを共重合
させた三元共重合体であっても良い。エチレン含量は、
油溶性を維持するとともに最大の増粘効果を得るため3
0〜70重量%が好ましい。
【0007】α−オレフィン共重合体(A)は、ポリス
チレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマト
グラフフィー法により測定した数平均分子量が1万〜3
0万、好ましくは1万〜10万、さらに好ましくは1.
5万〜5万であり、重量平均分子量/数平均分子量で表
される分子量分布が3.0以下、好ましくは2.5以下
である。数平均分子量が1万より小さいと低温粘度特性
が悪くなり、30万を超えると、もしくは、分子量分布
が3.0を超えると剪断安定性が悪くなる。また、特公
昭51−28288号公報のように、空気または酸素存
在下加熱することにより酸化並びに劣化させる必要はな
い。逆に、酸化並びに劣化したα−オレフィン重合体で
は鉱物油への溶解性に問題が生じる場合がある。
【0008】マレイン酸もしくはフマール酸のモノもし
くはジアルキルエステル(B)のアルキル基を形成する
アルコールとしては、直鎖脂肪族アルコールが好まし
い。該アルコールを具体的に示せば、n−オクチルアル
コール、n−ノニルアルコール、n−デシルアルコー
ル、n−ウンデシルアルコール、n−トリデシルアルコ
ール、n−テトラデシルアルコール、n−ペンタデシル
アルコール、n−ヘキサデシルアルコール、n−ヘプタ
デシルアルコール、n−オクタデシルアルコール、n−
ノナデシルアルコール、炭素数21〜24の直鎖アルキ
ル基を有する高級アルコール{ナフオール20+および
ナフオール22+(いずれもコンデアヘミー社製)}等
の脂肪族アルコールが挙げられる。アルコールの平均炭
素数は8〜18が好ましく、特に好ましくは10〜16
である。平均炭素数が8未満または18を越えると低温
粘度特性が不十分な場合がある。
【0009】マレイン酸もしくはフマール酸のモノもし
くはジアルキルエステル(B)のアルキル基を形成する
アルコール部分の炭素数7以下が10重量%を超える
と、また、炭素数19以上が20重量%を超えると鉱物
油に対する溶解性が悪くなったり、低温特性が悪くなっ
たりする場合がある。
【0010】(B)は、マレイン酸もしくはフマール酸
のモノアルキルエステルであっても、ジアルキルエステ
ルであっても良いが、(B)の量に基づいてモノアルキ
ルエステルの量が50重量%以下が好ましい。より好ま
しく30重量%以下である。50重量%を超えるとグラ
フト重合体組成物(C)の鉱物油に対する溶解性が低下
することがある。
【0011】(B)には通常50重量%以下、好ましく
は20重量%以下の、(B)と共重合可能な他の単量体
[{スチレン、ビニルトルエン、不飽和モノカルボン酸
のエステル類(例えば、アルキル基の炭素数が20以下
のもので、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘ
キサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メ
タ)アクリレート等)、ビニルエステル類(例えば、ア
ルキル基の炭素数が5以下のもので、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等)、エチレン性不飽和窒素含有単量体
{ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルフ
ォリノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、ビニ
ルイミダゾール、ジメチルアミノプロピルメタクリルア
ミド等}]を含有していても良い。
【0012】グラフト重合体組成物(C)中、(B)の
量は5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%であ
る。5重量%未満、もしくは70重量%を超えると増粘
効果、低温特性が不十分な場合がある。
【0013】本発明のグラフト重合体組成物(C)は、
ラジカル重合連鎖移動剤(D)存在下、有機過酸化物系
ラジカル重合開始剤(E)を用いてグラフト重合させる
ことにより製造できる。このとき、溶剤を使用しても良
いが、グラフト効率を上げるため溶剤を使用しない方が
好ましい。通常α−オレフィン共重合体溶融液が攪拌可
能になる粘度まで加熱しグラフト反応を行なうが、数平
均分子量が約15万以上のようなα−オレフィン共重合
体(A)を利用する場合、溶剤を使用しないと溶融粘度
が高く攪拌が困難になる。この場合、混練押し出し機等
を利用するのが好ましい。
【0014】(D)の例としては、連鎖移動定数の大き
な硫黄含有連鎖移動剤である炭素数4〜18のアルキル
メルカプタン類が好ましい。(D)の具体例としては、
ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、オクチル
メルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタ
ン、ウンデシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、
テトラデシルメルカプタン、ペンタデシルメルカプタ
ン、ヘキサデシルメルカプタン、ヘプタデシルメルカプ
タン、オクタデシルメルカプタン等およびそれらのカル
ボン酸とのエステルが挙げられる。
【0015】(E)の例としては、α−オレフィン共重
合体溶融液の攪拌可能な粘度(通常20万センチポイズ
以下)になる温度以上で重合触媒として有効な半減期を
示す触媒であれば特に規定されるものではないが、半減
期が1時間である温度が80℃以上のものが好ましく、
特に、好ましくは100℃以上である。(E)の具体例
としては、ターシャリーブチルパーオキシラウレート、
ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ターシャリ
ーブチルパーオキシベンゾエイト、ジクミルパーオキサ
イド、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド等の1
官能型、1,1−ビス(ターシャリーパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ビス(タ
ーシャリーブチルパーオキシ)オクタン、2,2−ビス
(ターシャリーブチルパーオキシ)オクタン等の2官能
型が挙げられるが、1官能型が好ましい。
【0016】グラフト反応時の反応温度は、使用する
(A)の数平均分子量および使用するラジカル重合開始
剤によるが100〜200℃が好ましい。より好ましく
は、120〜180℃である。
【0017】本発明の潤滑油組成物作成に使用される鉱
物油は、原油を精製して得られる一般的な鉱物油で良く
特に限定されるものではない。また、合成炭化水素系潤
滑油および/または合成エステル系潤滑油と併用しても
良い。粘度グレードは特に限定されないが100℃での
動粘度が3.0〜6.0cStが好ましい。潤滑油組成
物中の(C)の濃度は使用する鉱物油の粘度並びに、作
成する潤滑油の粘度により異なるが、通常1〜60重量
%、好ましくは2〜30重量%である。また、(C)を
40〜60重量%の鉱物油に一次希釈した溶液を更に希
釈し、潤滑油組成物とするのが好ましい。この場合の1
00℃の粘度がMTFの場合は通常13.5〜41.0
cSt、ATFの場合は、5.0〜10.0cSt、エ
ンジン油の場合は5.6〜21.9cStである。
【0018】本発明の潤滑油組成物には、他の任意成
分、例えば粘度指数向上剤{ポリ(メタ)アクリレート
系、エチレンープロピレン共重合体、スチレンーイソプ
レン共重合体の水添物に代表されるOCP系など}、流
動点降下剤{ポリ(メタ)アクリレート系、スチレン−
フマレート系、ナフタリンと塩素化パラフィンの縮合物
系など}、清浄剤(スルフォネート系、サリチレート
系、フェネート系、ナフテネート系等)、分散剤(イソ
ブテニルコハク酸イミド系、マンニッヒ縮合物系等)、
抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系、ヒ
ンダードフェノール系等)、油性剤(脂肪酸系、脂肪酸
エステル系等)、摩擦摩耗調整剤(モリブデンジチオフ
ォスフェート、モリブデンカーバメイト等)、極圧剤
(硫黄リン系、クロル系等)を含んでいても良い。
【0019】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、剪
断安定性は超音波法により測定した100℃での粘度低
下率であり、−40℃での粘度は−40℃の空気浴に1
5時間放置後の試料の粘度をブルックフィールド回転粘
度計により測定した数値である。また、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフは、東洋ソーダ製装置(HLC−
802R)および東洋ソーダ製カラム(TSKgel)
を用い、テトラハイドロフランを展開溶剤として試料濃
度0.25重量%、室温にて測定した値である。
【0020】実施例1 エチレン−プロピレン共重合体(エチレン含量43%重
量、数平均分子量2.5万、分子量分布=1.7)16
0gを反応容器に仕込み、窒素ガス通気下、120℃に
加熱溶融し、1時間攪拌した後、ジ−n−オクチルフマ
レート160gにt−ブチルパーオキシベンゾエート
2.9g、ドデシルメルカプタン3.7gを溶解した溶
液を1時間で滴下した。滴下終了後130℃で2時間保
持し、グラフト重合体組成物320gを得た。重合体組
成物中、熱アセトンで抽出されるジ−n−オクチルフマ
レートオリゴマーは該組成物中20重量%であった。得
られたグラフト重合体組成物を鉱物油(パラフィン系6
0ニュートラル油)に60重量%の濃度で溶解し均一透
明な粘稠な液体を得た。また、該グラフト重合体組成物
をパラフィン系100ニュートラル油にパッケージ型添
加剤であるアングラモル99(リュブリゾール社製)を
6.5重量%、ポリメタクリレート系流動点降下剤0.
5重量%添加した基油に、100℃の粘度が14.1〜
14.5cStになるよう添加しMTFを作成した。得
られたMTFの潤滑油性能を表3に示す。
【0021】実施例2〜4 フマレートのアルコール成分の炭素数を表1に変更する
以外は実施例1と同じ方法によりグラフト重合体組成物
を作成した。同様に得られた該重合体中フマレートオリ
ゴマー含量は、それぞれ21重量%、20重量%、19
重量%、20重量%であった。また、実施例1と同様に
MTFを作成した。MTFの潤滑油性能を同じく表3に
示す。
【0022】
【表1】 (重量
%)
【0023】実施例5、6 α−オレフィン共重合体をエチレン含量35重量%、数
平均分子量1.5万、分子量分布1.5のエチレン−プ
ロピレン共重合体(実施例5)、エチレン含量57重量
%、数平均分子量4.5万、分子量分布2.3のエチレ
ン−プロピレン共重合体(実施例6)に変更する以外は
実施例1と同じ方法によりグラフト重合体組成物を作成
した。同様に、得られたグラフト重合体組成物中のジ−
n−オクチルフマレートオリゴマ−含量はそれぞれ、1
5重量%、22重量%であった。また、実施例1と同様
にMTFを作成した。得られたMTFの潤滑油性能を同
じく表3に示す。
【0024】比較例1、2 フマレートのアルコール成分の炭素数を表2に変更する
以外は実施例1と同じ方法によりグラフト重合体組成物
を作成した。同様に、得られた該重合体中フマレートオ
リゴマー含量は、それぞれ22重量%、22重量%であ
った。また、実施例1と同様にMTFを作成した。MT
Fの潤滑油性能を同じく表4に示す。
【0025】
【表2】 (重量%)
【0026】比較例3、4 α−オレフィン共重合体をエチレン含量50重量%、数
平均分子量5千、分子量分布1.5のエチレン−プロピ
レン共重合体(比較例3)、エチレン含量52重量%、
数平均分子量6.5万、分子量分布2.5のエチレン−
プロピレン共重合体(実施例4)に変更する以外は実施
例1と同じ方法によりグラフト重合体組成物を作成し
た。同様に、得られたグラフト重合体組成物中のジ−n
−オクチルフマレートオリゴマー含量はそれぞれ、14
重量%、25重量%であった。また、実施例1と同様に
MTFを作成した。得られたMTFの潤滑油性能を同じ
く表4に示す。
【0027】実施例7 ジ−n−オクチルフマレートをジ−n−オクチルマレー
トに変更する以外は実施例1と同じ方法によりグラフト
重合体組成物を作成した。同様に、得られた該重合体中
熱アセトンで抽出されるマレートオリゴマーの含量は2
9重量%であった。また、実施例1と同様にMTFを作
成した。MTFの潤滑油性能を同じく表3に示す。
【0028】実施例8 ジ−n−オクチルフマレートをジ−n−オクチルフマレ
ート70重量%、モノ−n−オクチルフマレート30重
量%の混合物に変更する以外は実施例1と同じ方法によ
りグラフト重合体組成物を作成した。同様に、得られた
グラフト重合体組成物中のジ−n−オクチルフマレート
とモノ−n−オクチルフマレートからなるオリゴマーの
含量は19重量%であった。また、実施例1と同様にM
TFを作成した。得られたMTFの潤滑油性能を同じく
表3に示す。
【0029】実施例9 ジ−n−オクチルフマレート80g、t−ブチルパーオ
キシド1.5g、ドデシルメルカプタン1.9gに変更
する以外は実施例1と同じ方法によりグラフト重合体組
成物を作成した。同様に、得られたグラフト重合体組成
物中のジ−n−オクチルフマレートのオリゴマー含量は
11重量%であった。また、実施例1と同様にMTFを
作成した。得られたMTFの潤滑油性能を同じく表3に
示す。
【0030】比較例5 ジ−n−オクチルフマレートをドデシルメタクリレート
に変更する以外は実施例1と同じ方法によりグラフト重
合体組成物を作成した。同様に、得られた該重合体中か
ら熱アセトンで抽出されるドデシルメタクリレートオリ
ゴマーの含量は12重量%であった。また、実施例1と
同様にMTFを作成した。得られたMTFの潤滑油性能
を表4に示す。
【0031】比較例6 ジ−n−オクチルフマレートをジ−n−オクチルフマレ
ート30重量%、モノ−n−オクチルフマレート70重
量%の混合物に変更する以外は実施例1と同じ方法によ
りグラフト重合体組成物を作成した。得られたグラフト
重合体組成物は白濁しており、鉱物油に溶解したときも
溶解せず白濁した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】表3および表4から判るように、本発明の
α−オレフィン共重合体(A)にマレイン酸もしくはフ
マール酸のモノもしくはジアルキルエステル(B)[但
し、アルキル基の少なくとも1つは炭素数は8〜18の
直鎖アルキルである]の1種をグラフトしてなるグラフ
ト重合体組成物(C)からなる潤滑油添加剤を鉱物油へ
溶解して得られる潤滑油は、剪断安定性、低温粘度特性
および粘度指数においてバランスが取れ、優れた潤滑油
であることが判る。特に、30〜70重量%のエチレン
含量、1万〜5万の数平均分子量、2.5以下の分子量
分布を持つ(A)を利用し、かつ(C)に対する(B)
の量の比率が特定範囲にあり、モノエステルに対するジ
エステルの比が特定以上である時、特に優れた剪断安定
性、低温粘度特性を示す潤滑油であることが判る。
【0035】
【発明の効果】本発明により、自動車の高出力化に対応
した長寿命で、且つ、低燃費化可能なガソリンエンジン
油およびオートマチックトランスミッション油やギヤ油
などの駆動系潤滑油が得られる。また、高負荷がかかる
大型トラックのトランスミッション油としても利用可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−オレフィン共重合体(A)にマレイ
    ン酸もしくはフマール酸のモノもしくはジアルキルエス
    テル(B)[但し、アルキル基の少なくとも1つは炭素
    数8〜18の直鎖アルキルである]の1種以上をグラフ
    トしてなるグラフト重合体組成物(C)からなる潤滑油
    添加剤。
  2. 【請求項2】 (A)の数平均分子量が1万〜5万であ
    り、重量平均分子量/数平均分子量で表わされる分子量
    分布が3以下である請求項1に記載の潤滑油添加剤。
  3. 【請求項3】 (A)が、エチレン含量30〜70重量
    %のエチレン−プロピレン共重合体である請求項1また
    は2に記載の潤滑油添加剤。
  4. 【請求項4】 (C)の量に基づいて、(B)の量が5
    〜70重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の潤
    滑油添加剤。
  5. 【請求項5】 (B)のアルキル基が、炭素数7以下が
    10重量%以下、炭素数8〜18が70重量%以上、炭
    素数19以上が20重量%以下のアルカノールからなる
    アルキルである請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油
    添加剤。
  6. 【請求項6】 (B)のモノアルキルエステルの量が
    (B)の量の50重量%以下である請求項1〜5のいず
    れかに記載の潤滑油添加剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の潤滑油
    添加剤を1〜60重量%含有する潤滑油組成物。
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