JP2546320B2 - 潤滑油用増粘剤および潤滑油 - Google Patents

潤滑油用増粘剤および潤滑油

Info

Publication number
JP2546320B2
JP2546320B2 JP63043515A JP4351588A JP2546320B2 JP 2546320 B2 JP2546320 B2 JP 2546320B2 JP 63043515 A JP63043515 A JP 63043515A JP 4351588 A JP4351588 A JP 4351588A JP 2546320 B2 JP2546320 B2 JP 2546320B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating oil
ethylene
olefin
acid
thickener
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63043515A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01217098A (ja
Inventor
良輔 金重
公也 水井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP63043515A priority Critical patent/JP2546320B2/ja
Publication of JPH01217098A publication Critical patent/JPH01217098A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2546320B2 publication Critical patent/JP2546320B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は潤滑油用増粘剤、およびこれを含む潤滑油
に関するものである。
〔従来の技術〕
粘度指数が高く、せん断安定性および耐酸化性に優れ
た潤滑油として、100℃における動粘度が40〜1000cSt
のポリα−オレフィン、100℃における動粘度が1〜1
0cStの合成炭化水素、100℃における動粘度が1〜10c
Stのエステル、および本質的に、分散剤、酸化防止
剤、腐食防止剤、耐摩耗剤、流動点降下剤、防錆剤、抑
泡剤および極圧剤からなる群から選ばれる少なくとも1
種の添加剤を含む添加剤パッケージからなる潤滑油が提
案されている(特開昭59−89397号公報)。
この潤滑油は上記、をベースオイルとし、これに
の増粘剤との添加剤を配合したものである。の増
粘剤としては、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン等の比較的長鎖のα−オレフィンオリゴマーが使用さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来の潤滑油は、なお粘度
指数が高くなく、粘度の温度依存性が大きいため、高温
粘度をある値に維持するように設計すると、低温粘度は
高くなるとともに、増粘性も小さいという問題点があっ
た。
また上記従来の潤滑油は、耐荷重性能が十分でないた
め、極圧剤を使用する必要があるとともに、分散性が悪
いため、極圧剤を使用すると白濁するという問題点があ
った。
この発明の目的は、上記問題点を解決するための潤滑
油用増粘剤および潤滑油を提供することである。
本発明の他の目的は、増粘性の優れた潤滑油用増粘剤
を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、粘度指数が高くて、低温
粘度が低く、せん断安定性、耐熱性および耐酸化性に優
れ、かつ耐荷重性能および分散性に優れた潤滑油を得る
ことが可能な潤滑剤用増粘剤およびこれを含む潤滑油を
提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、次の潤滑油用増粘剤および潤滑油であ
る。
(1)100℃における動粘度が40〜10000cSt、数平均分
子量が1000〜5000、かつ酸価が0.1〜50mgKOH/gをカルボ
キシル基または酸無水基含有エチレン/α−オレフィン
コオリゴマーからなる潤滑油用増粘剤。
(2)(A)100℃における動粘度が40〜10000cSt、数
平均分子量が1000〜5000、かつ酸価が0.1〜50mgKOH/gの
カルボキシル基または酸無水基含有エチレン/α−オレ
フィンコオリゴマーから選ばれる1種以上の増粘剤と、 (B)100℃における動粘度が1〜20cStの鉱物油、合成
炭化水素油およびエステルから選ばれる1種以上のベー
スオイルと を含有する潤滑油。
本発明の潤滑油用増粘剤は、100℃における動粘度が4
0〜10000cSt、好ましくは100〜8000cSt、特に好ましく
は200〜5000cSt、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定した数平均分子量(n)が1000〜5
000、好ましくは1500〜4500、特に好ましくは2000〜400
0、かつ酸価が0.1〜50mgKOH/g、好ましくは0.2〜40mgKO
H/g、特に好ましくは0.5〜35mgKOH/gのカルボキシル基
または酸無水基含有エチレン/α−オレフィンコオリゴ
マーからなるものである。
このようなカルボキシル基または酸無水基含有エチレ
ン/α−オレフィンオリゴマーは、GPCにより測定した
Q値(重量平均分子量/数平均分子量…分子量分布)が
好ましくは4以下、より好ましくは3.5以下、最も好ま
しくは3以下である。
上記カルボキシル基または酸無水基含有エチレン/α
−オレフィンコオリゴマーは、未変性のエチレン/α−
オレフィンコオリゴマーをカルボン酸またはその無水物
でグラフト変性するか、または酸化変性することによっ
て得られる。
未変性のエチレン/α−オレフィンコオリゴマーとし
ては、エチレン成分単位が通常20〜80モル%、好ましく
は30〜70モル%、特に好ましくは40〜60モル%、α−オ
レフィン成分単位が20〜80モル%、好ましくは30〜70モ
ル%、特に好ましくは40〜60モル%の範囲からなり、GP
Cで測定した数平均分子量(n)が通常1000〜10000、
好ましくは1300〜5000、特に好ましくは1600〜4500の範
囲にあり、GPCで測定したQ値が通常4以下、好ましく
は3.5以下、特に好ましくは3.0以下の範囲の透明な液状
低分子量エチレン/α−オレフィン共重合体が好まし
い。Q値が上記範囲内にあると、せん断安定性が特に良
好となり、かつ組成物の揮発による減量が少なくなる。
このエチレン/α−オレフィンコオリゴマーのエチレ
ン組成の標準偏差値σは通常0〜3、好ましくは0〜
2、特に好ましくは0〜1の範囲にあるのが好ましい。
エチレン/α−オレフィンコオリゴマーのエチレン組成
の標準偏差値σは、前記オリゴマーを混合比の異なるア
セトン/ヘキサン混合溶媒を用いて溶媒抽出し、組成の
異なる5フラクションに分割し、各フラクションのエチ
レン/α−オレフィンコオリゴマーのエチレン組成物を
IR分析によって求め、各フラクションのエチレン組成お
よび重量分率を用いて、次式に従って計算して求められ
る。エチレン組成の標準偏差値σが大きいほど組成分布
が広いことを示している。
上記式中においてEiはiフラクションのエチレン組成
を示し、Wiはiフラクションの重量分率を示し、は共
重合体の平均エチレン組成を示す。エチレン組成の標準
偏差値σが上記範囲にあると、得られる潤滑油が透明で
優れた外観を有し、かつ熱安定性も良好になる。
なお本発明において、動粘度はJIS K2283により測定
される。またエチレン/α−オレフィンコオリゴマー中
のエチレン含有量は13C−NMR分析により測定される。そ
の数平均分子量は、分子量既知の標準物質(単分散ポリ
スチレンおよびスクアラン)を用いて予め較正されたGP
Cによって測定される。またQ値は、分子量既知の標準
物質(単分散ポリスチレン、w500〜840×104、16個)
を使用してGPCカウントを測定し、分子量とEV(Elution
Volume)の相関図(較正曲線)を作成しておく、そし
てGPC法により試料のGPCパターンをとり、分子量を較正
曲線から求めた後Q値を計算する。
前記エチレン/α−オレフィンコオリゴマーの構成成
分であるα−オレフィン成分単位としては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどの炭素原
子数が3〜20のα−オレフィンを例示することができ、
これらのα−オレフィンの2種以上の混合成分であって
もよい。
前記エチレン/α−オレフィンコオリゴマーの製造方
法として、水素の共存下、可溶性バナジウム化合物と有
機アルミニウム化合物とから形成される触媒を用いて、
液相下でエチレンとα−オレフィンを連続的に共重合さ
せ、その際重合系におけるバナジウム化合物濃度を液相
1当り0.3ミリモル以上とし、かつ重合系に供給する
バナジウム化合物は、重合系のバナジウム化合物濃度の
5倍以下の濃度となるように重合媒体に希釈して供給す
る方法がある。
バナジウム化合物としては、VOCl3、VO(OC2H5)C
l2、VO(OC2H51.5Cl1.5、VCl4などの一般式VO(ORn
X3-nまたはVX4(ここでRは脂肪族炭化水素基、Xはハ
ロゲン、0≦n≦3である。)で示される化合物が使用
できる。また有機アルミニウム化合物としては、(C
2H53Al、(C2H52AlCl、(C2H51.5AlCl1.5、(iso
−C4H91.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、これらの混合物
などの一般式R1 mAlX1 3-m(ここでR1は脂肪族炭化水素
基、X1はハロゲン、1≦m≦3である。)で示される化
合物が使用できる。
重合媒体としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
灯油、シクロヘキサン、トルエンのような炭化水素類が
使用できる。液相中のバナジウム化合物濃度は0.3ミリ
モル/以上、好ましくは0.5〜20ミリモル/、また
有機アルミニウム化合物濃度はAl/V(原子比)が2〜5
0、特に3〜20の範囲となるようにすればよい。
共重合温度は0〜100℃、特に20〜80℃、重合圧力は
0〜50kg/cm2(ゲージ圧)、特に0〜30kg/cm2(ゲージ
圧)、平均滞留時間は5〜300分、特に10〜250分とする
ような重合条件を採用すればよい。
本発明のカルボキシル基または酸無水物含有エチレン
/α−オレフィンコオリゴマーは、上記の未変性エチレ
ン/α−オレフィンコオリゴマーをグラフト変性または
酸化変性することによって得られる。
本発明において増粘剤として用いる第1のタイプのグ
ラフト変性エチレン/α−オレフィンコオリゴマーは、
前記エチレン/α−オレフィンコオリゴマーを不飽和脂
肪酸またはその無水物によってグラフト変性することに
よって得られる。
グラフト変性に用いる不飽和脂肪酸またはその無水物
としては、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エ
ン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、ならび
に無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和
カルボン酸の無水物が例示される。
このような不飽和カルボン酸または無水物によるグラ
フト変性は、酸価が前記範囲となるような量でグラフト
変性される。
グラフト変性はそれ自体公知の方法で行うことがで
き、例えば特開昭57−123205号公報に開示された方法に
準拠して行うことができる。
第2のタイプの酸化変性エチレン/α−オレフィンコ
オリゴマーは、前記未変性のエチレン/α−オレフィン
コオリゴマーを、分子状酸素含有ガスおよび/またはオ
ゾン含有ガスを用いて酸化することによって得られる。
この場合、酸化により形成された含酸素官能基として
は、カルボキシル基の他に、オキシカルボニル基(エス
テル結合)、ホルミル基、カルボニル基、ヒドロキシル
基等を含む。
また酸化変性に使用する分子状酸素含有ガスとして
は、酸素、空気などの他に、酸素を窒素、アルゴン、炭
酸ガスなどの不活性ガスで適宣の濃度に希釈した混合ガ
スなどを例示することができる。またオゾンガスとして
は、オゾンおよびオゾンと酸素または空気の混合ガスの
他に、オゾンおよび/または酸素、あるいは空気を窒
素、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガスで適宣の濃度
に希釈した混合ガスを例示することができる。またオゾ
ン含有ガスとしては、オゾンおよびオゾンと酸素または
空気との混合ガスの他に、オゾンおよび/または酸素も
しくは空気を窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガ
スで適宣希釈した混合ガスを例示することができる。
酸化反応において使用されることのある不活性炭化水
素媒体として具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油、軽油、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどを例示することができる。
前記未変性のエチレン/α−オレフィンコオリゴマー
の酸化は通常触媒の不存在下に実施されるが、ラジカル
開始剤または酸化触媒の存在下に実施してもよい。ラジ
カル開始剤として具体的には、ベンゾイルペルオキシ
ド、ジターシャリーブチルペルオキシド、ターシャリー
ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,
5−ジメチル−2,5(ペルオキシベンゾエート)ヘキセン
−3などの有機ペルオキシドを例示することができ、酸
化触媒として具体的には、酢酸コバルト、塩化マンガ
ン、銅、酸化ニッケル、二酸化マンガン、ナフテン酸コ
バルトなどの無機化合物を例示することができる。
上記酸化反応の際の温度は100ないし250℃、好ましく
は120ないし230℃、特に好ましくは130ないし200℃であ
り、酸化反応に要する時間は10分ないし20時間、好まし
くは30分ないし10時間である。この酸化反応は常圧また
は加圧のいずれの圧力条件下で行ってもよい。酸化反応
終了後の混合物を常法によって処理することにより、酸
化変性エチレン/α−オレフィンコオリゴマーが得られ
る。
本発明の潤滑油用増粘剤は、こうして得られる100℃
における動粘度が40〜10000cSt、数平均分子量が1000〜
5000、かつ酸価が0.1〜50mgKOH/gのカルボキシル基また
は酸無水基含有エチレン/α−オレフィンコオリゴマー
からなるものである。
次に本発明の潤滑油は、(A)成分として、上記のカ
ルボキシル基または酸無水基含有エチレン/α−オレフ
ィンコオリゴマーから選ばれる1種以上の増粘剤と、
(B)成分として、100℃における動粘度が1〜20cStの
鉱物油、合成炭化水素油およびエステルから選ばれる1
種以上のベースオイルとを含有する潤滑油である。
本発明で使用する(B)成分のベースオイルは100℃
における動粘度が1〜20cSt、好ましくは3〜10cStの鉱
物油、合成炭化水素油または(および)エステルであっ
て、従来より使用されているものが使用できる。例えば
100℃における動粘度が1〜20cStの鉱物油としてはパラ
フィン系、ナフテン系あるいは混合のパラフィン系/ナ
フテン系型の溶剤精製あるいは酸精製された鉱物性潤滑
油などがあげられる。
100℃における動粘度が1〜20cStの合成炭化水素油と
しては、α−オレフィンオリゴマー、アルキルベンゼン
類、アルキルナフタレン類などがあげられ、これらはそ
れぞれ単独でまたは2種以上混合して使用される。
このうちα−オレフィンオリゴマーとしては、C8(オ
クテン)〜C12(ドデセン)またはこれらのオレフィン
の混合物からなるα−オレフィンの低分子量オリゴマー
が使用できる。低粘度α−オレフィンオリゴマーは、チ
ーグラー触媒、熱重合、フリーラジカルを触媒とする重
合、またはBF3を触媒として使用する重合によって製造
できる。これらの重合方法は例えば米国特許第4,045,50
8号に記載されている。
アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類として
は、ベンゼンまたはナフタレンとオレフィンとのフリー
デル・クラフツアルキル化によって製造され、このよう
なアルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類は、
通常大部分がアルキル鎖長が炭素原子6〜14個のジアル
キルベンゼンまたはジアルキルナフタレンである。アル
キルベンゼン類またはアルキルナフタレン類の製造にお
いて使用されるアルキル化オレフィンは線状もしくは枝
分れ鎖のオレフィンまたはこれらの組合せでもよい。こ
れらの製造方法は例えば米国特許第3,909,432号に示さ
れている。
100℃における動粘度が1〜20cStの低粘度エステルと
しては、例えばペラルゴン酸のような一塩基酸とアルコ
ールとから製造されるモノエステル;二塩基酸とアルコ
ールとから、またはジオールと一塩基酸または酸混合物
とから製造されるジエステル;ジオール、トリオール
(例えばトリメチロールプロパン)、テトラオール(例
えばペンタエリスリトール)、ヘキオール(例えばジペ
ンタエリスリトール)等と一塩基酸または酸混合物とを
反応させて製造したポリオールエステルなどがあげられ
る。これらのエステルの例としては、トリデシルペラル
ゴネート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2
−エチルヘキシルアゼレート、トリメチロールプロパン
トリヘプタノエート、ペンタエリスリトールテトラヘプ
タノエートなどがあげられる。
本発明の潤滑油は通常、前記(A)成分0.2〜50重量
部、好ましくは5〜40重量部、および(B)成分50〜9
9.8重量部、好ましくは60〜95重量部を含むものが好ま
しく、(A)成分および(B)成分の配合比は組成物の
動粘度が所定の値になるよう設定される。(A)成分お
よび(B)成分の配合比が上記範囲内にあると、せん断
安定性に優れ、粘度指数が高く、低温粘度が低く、耐荷
重性能および分散性に優れた経済的な潤滑油組成物が得
られる。
本発明の潤滑油は前記成分以外に各種添加剤等の他の
成分を配合してもよい。配合可能な添加剤としては、中
性、塩基性のスルホネートおよびフェネート(金属塩
型)等の清浄剤;こはく酸イミド、エステルおよびベン
ジルアミン、共重合系ポリマー(無灰型)等の分散剤;
塩素化パラフィンとナフタリンまたはフェノールの縮合
物、ポリアルキルアクリレートおよびメタアクリレー
ト、ポリブテン、ポリアルキルスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル等の流動点降下剤;チオりん酸亜鉛、トリアルキルフ
ェノール等の酸化防止剤;硫酸、スルホン酸およびりん
酸エステル、脂肪酸誘導体、アミン誘導体、第四アンモ
ニウム塩、ポリオキシエチレン系の活性剤等の乳化剤;
第四アンモニウム塩、硫酸化油、りん酸エステル等の抗
乳化剤;フェノール系化合物、ホルムアルデヒド供与体
化合物、サリチルアニリド系化合物等のかび防止剤;ス
ティン防止剤;アンチチャッター剤;アンチスコーク
剤;イオウーリン系等の極圧剤があげられる。
極圧剤は配合しなくても耐荷重性能が優れているが、
配合して使用してもよい。
本発明の潤滑油は前記(A)、(B)成分および必要
により配合される他の成分を混合することにより得られ
る。本発明の潤滑油は、そのまま潤滑油または潤滑油ベ
ースとして、従来のものと同様に使用することができ、
特に自動車または工業用のギヤ油;自動車、航空機、ロ
ボット、成形機等の作動油:エンジン油などに好適に使
用される。
本発明の潤滑油用増粘剤は増粘性が高く、増粘剤の使
用量が少なくて、優れた特性を有する潤滑油が得られ
る。
本発明の潤滑油は次のような特性を有する。
(1)粘度指数が高い。
粘度指数が高い潤滑油は、100℃における粘度が同じ
である粘度指数が低いものと比べて、−40℃における粘
度がより低い。即ち、粘度の温度依存性の少ない潤滑油
である。
(2)低温粘度が低い。
特に高剪断速度下での低温粘度が低く(クラッキング
特性に優れる)、エンジン油の低温始動性に優れ、エネ
ルギーロスを軽減できる。
(3)剪断安定性に優れる。
本発明の潤滑油を構成するカルボキシル基または酸無
水基含有エチレン/α−オレフィンコオリゴマーの代り
に各種増粘剤(例えばオレフィンコポリマー系、ポリメ
タアクリレート系など)を使用すると、使用経時により
粘度が低下し、潤滑性が低下するという欠陥があるが、
この組成物は剪断安定性が極めて優れ、剪断により逆に
増粘作用を有する。
(4)耐荷重性能に優れる。
このため極圧剤を使用しなくても優れた耐荷重性能を
有する。
(5)分散性能に優れる。
ガソリンおよびディーゼルエンジンのクランクケース
油では燃料の不完全燃焼または潤滑油の酸化により発生
するスラッジを油中に微粒子状に安定分散させるため清
浄剤、分散剤なる添加剤が併用されるが、本発明の潤滑
油は清浄剤、分散剤を用いなくても優れた分散性能を有
する。この性能は従来のα−オレフンオリゴマーおよび
エチレン/α−オレフィンコオリゴマーにはないもので
あり、製品配合時の分散剤の削減、またこれら分散剤と
の相乗効果による更に優れた分散性能が期待できる。ま
た極圧剤を用いると従来品では白濁が生じるが、本発明
の潤滑油では、極圧剤を用いても白濁しない。
〔発明の効果〕
本発明の潤滑油用増粘剤は、増粘性が高いため、少な
い使用量で優れた潤滑油が得られる。
また本発明の潤滑油は、上記増粘剤を含むため、粘度
指数が高くて、低温粘度が低く、せん断安定性、耐熱
性、耐酸化性に加え、耐荷重性能および分散性が優れて
いる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。本発明にお
ける測定方法は表1の通りである。
実施例1 エレチン/プロピレンコオリゴマーA(エチレン組成
49モル%、100℃動粘度102cSt、n1240、Q値1.74、σ
値0.1以下)100重量部を窒素雰囲気で160℃で加熱し、
撹拌下に変性剤としての無水マイレン酸を6.25重量部
と、さらに別のノズルから開始剤としてのジターシャリ
ーブチルペルオキシド1.25重量部とを5時間かけて滴下
した。次いで180℃で真空下に未反応無水マイレン酸を
除去してマイレン酸変性エチレン/プロピレンコオリゴ
マーからなる増粘剤を得た。
得られた増粘剤の物性を表2に示す。
実施例2 エチレン/プロピレンコオリゴマーB(エチレン組成
55モル%、100℃動粘度576cSt.n1950、Q値2.3、σ値
0.1以下)100重量部を用いた以外は実施例1と同様にし
て、マレイン酸変性エチレン/プロピレンコオリゴマー
からなる増粘剤を得た。
得られた増粘剤の物性を表2に示す。
実施例3 実施例2で使用したエチレン/プロピレンコオリゴマ
ーB100重量部を、空気吹込み管、排気口および温度計を
装着した撹拌機付ガラス製反応容器(運転容量1.5)
に仕込み、1000rpmの回転速度で撹拌しつつ、150℃まで
昇温した。次に乾燥空気を100/hrの速度で空気吹込み
管から8時間吹込んだ。その後空気の吹込みを停止し、
代りに窒素を窒素吹込み管より吹込みつつ室温まで冷却
し、酸化変性エチレン/プロピレンコオリゴマーからな
る増粘剤を得た。
得られた増粘剤の物性を表2に示す。
実施例4〜6 実施例1のマイレン酸変性エチレン/プロピレンコオ
リゴマー、実施例2のマイレン酸変性エチレン/プロピ
レンコオリゴマー、実施例3の酸化変性エチレン/プロ
ピレンコオリゴマーと1−デセンオリゴマーの水添物PA
O−4(ガルフ社製、Synfluid 4cSt、商品名、100℃に
おける動粘度3.7cSt、粘度指数124)を表3の割合で100
℃で30分間混合して潤滑油を得、その特性を評価した。
実施例7 実施例5でPAO−4の代りにジイソデシルアゼレート
(大八化学(株)製、商品名、100℃における動粘度3.5
cSt、粘度指数138)を表3の割合で混合して評価した。
実施例8 実施例4でPAO−4の代りに鉱物油100ニュートラルオ
イル(富士興産(株)製、100℃における動粘度40cSt、
粘度指数102)を表3の割合で混合して評価した。
比較例1〜2 エチレン/プロピレンコオリゴマーB、エチレン/プ
ロピレンコポリマー(エチレン60モル、n65000、Q値
1.51[η]1.0dl/g)型粘度指数向上剤(以下VIIと略称
する)とPAO−4を表3の割合で混合し、評価した。
以上の結果をまとめて表3に示す。
実施例9〜10、比較例3 実施例2のマレイン酸変性エチレン/プロピレンコオ
リゴマー、実施例3の酸化変性エチレン/プロピレンコ
オリゴマーおよびエチレン/プロピレンコオリゴマーB
を使用して表4の割合で潤滑油を調製し評価した。ただ
し、極圧剤はアングラモル99(日本ルブリゾール社製、
商品名)を使用した。
以上の結果をまとめて表4に示す。
実施例11、比較例4 実施例2のマイレン酸変性エチレン/α−オレフィン
コオリゴマーおよびエチレン/プロピレンコオリゴマー
Bを表5の条件で調製し評価した。
以上の結果をまとめて表5に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C10M 169/04 101:02 105:36 105:32 107:10 143:06 143:08 145:16 143:04) C10N 20:02 30:00 30:08 40:04 40:08 40:25

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100℃における動粘度が40〜10000cSt、数
    平均分子量が1000〜5000、かつ酸価が0.1〜50mgKOH/gの
    カルボキシル基または酸無水基含有エチレン/α−オレ
    フィンコオリゴマーからなる潤滑油用増粘剤。
  2. 【請求項2】(A)100℃における動粘度が40〜10000cS
    t、数平均分子量が1000〜5000、かつ酸価が0.1〜50mgKO
    H/gのカルボキシル基または酸無水基含有エチレン/α
    −オレフィンコオリゴマーから選ばれる1種以上の増粘
    剤と、 (B)100℃における動粘度が1〜20cStの鉱物油、合成
    炭化水素油およびエステルから選ばれる1種以上のベー
    スオイルと を含有する潤滑油。
  3. 【請求項3】(A)成分0.2〜50重量部および(B)成
    分50〜99.8重量部を含有する請求項(2)記載の潤滑
    油。
JP63043515A 1988-02-26 1988-02-26 潤滑油用増粘剤および潤滑油 Expired - Lifetime JP2546320B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63043515A JP2546320B2 (ja) 1988-02-26 1988-02-26 潤滑油用増粘剤および潤滑油

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63043515A JP2546320B2 (ja) 1988-02-26 1988-02-26 潤滑油用増粘剤および潤滑油

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01217098A JPH01217098A (ja) 1989-08-30
JP2546320B2 true JP2546320B2 (ja) 1996-10-23

Family

ID=12665877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63043515A Expired - Lifetime JP2546320B2 (ja) 1988-02-26 1988-02-26 潤滑油用増粘剤および潤滑油

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2546320B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0816230B2 (ja) * 1988-10-20 1996-02-21 日本石油株式会社 2サイクルエンジン油組成物
JP5173289B2 (ja) * 2007-07-06 2013-04-03 出光興産株式会社 2サイクルエンジン用潤滑油組成物
JP6496523B2 (ja) * 2014-10-30 2019-04-03 三井化学株式会社 潤滑油組成物およびその用途

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4517104A (en) * 1981-05-06 1985-05-14 Exxon Research & Engineering Co. Ethylene copolymer viscosity index improver-dispersant additive useful in oil compositions
CA1208196A (en) * 1982-03-10 1986-07-22 Raymond F. Watts Lubricating composition

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01217098A (ja) 1989-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4877557A (en) Lubricating oil composition
US4161452A (en) Polyolefinic copolymer additives for lubricants and fuels
JP2630987B2 (ja) 潤滑油流動性を向上させるための特定c▲下1▼▲下4▼−カルボキシレート/ビニルエステル重合体含有の組成物
JPH02160888A (ja) 改良末端キャップト多官能性粘度指数向上剤
US6475963B1 (en) Carboxylate-vinyl ester copolymer blend compositions for lubricating oil flow improvement
JP2015061928A (ja) 改良された低温特性を潤滑油に賦与する粘性改良剤組成物
CA2522959A1 (en) Grafted functionalized olefin polymer dispersant and uses thereof
JP2593264B2 (ja) イミド基含有低分子量エチレン共重合体、その製造方法およびその利用
JP2546320B2 (ja) 潤滑油用増粘剤および潤滑油
JPH027359B2 (ja)
EP0946690A1 (en) Two-cycle lubricating oil composition
JP2503536B2 (ja) 潤滑油組成物
US6300290B1 (en) Two-cycle lubricating oil
JPH07286189A (ja) 潤滑油添加剤及び潤滑油
JP3287085B2 (ja) 潤滑油添加剤組成物およびその製造方法
JP2684314B2 (ja) 重合体組成物および潤滑油組成物
EP0817823B1 (en) Two-cycle lubricating oil
US5807815A (en) Automatic transmission fluid having low Brookfield viscosity and high shear stability
CN1344784A (zh) 提高主传动系统性能的齿轮油组合物
JP2627725B2 (ja) 粘度指数向上剤及び潤滑油
JPH07292377A (ja) 潤滑油添加剤及び潤滑油
EP1121402A1 (en) Lubricating oil compositions and fuels for two-cycle engines
JP2002155292A (ja) 無段変速機用潤滑油組成物
JPH0762373A (ja) 潤滑油添加剤および潤滑油組成物
JP2750814B2 (ja) 粘度指数向上剤および潤滑油

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080808

Year of fee payment: 12