JPH0762213B2 - 塗膜密着性に優れた熱延h形鋼 - Google Patents

塗膜密着性に優れた熱延h形鋼

Info

Publication number
JPH0762213B2
JPH0762213B2 JP1187526A JP18752689A JPH0762213B2 JP H0762213 B2 JPH0762213 B2 JP H0762213B2 JP 1187526 A JP1187526 A JP 1187526A JP 18752689 A JP18752689 A JP 18752689A JP H0762213 B2 JPH0762213 B2 JP H0762213B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scale
rolled
section steel
hot
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1187526A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0356639A (ja
Inventor
信行 近藤
綽久 田畑
昭三郎 中野
隆文 橋本
幹夫 河野
Original Assignee
川崎製鉄株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 川崎製鉄株式会社 filed Critical 川崎製鉄株式会社
Priority to JP1187526A priority Critical patent/JPH0762213B2/ja
Publication of JPH0356639A publication Critical patent/JPH0356639A/ja
Publication of JPH0762213B2 publication Critical patent/JPH0762213B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱間圧延のままで用いられる建築用H形鋼に関
し、特に塗装密着性に優れたH形鋼に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
一般に圧延H形鋼はブレークダウン圧延機、粗ユニバー
サル圧延機、エッジャー圧延機及び仕上ユニバーサル圧
延機によって所定形状に圧延され、冷却床で自然冷却
後、ローラ矯正機又はプレス矯正機で矯正される。
その後、最終構造物に使用される過程において、穴あ
け、溶接及び塗装等の加工を受ける。塗装して使用する
場合、ゴバン目テストや塩水噴霧テストにより耐食性、
耐久性を評価している。
しかし、従来の圧延H形鋼では、スケール面上に塗装し
て使用する場合、ゴバン目テストや塩水噴霧テストによ
る評価が低く、塗装して実際に建物に使用されると美観
上に問題があった。
これは従来の圧延H形鋼は、スケールと地鉄界面にファ
イヤライト層が生成し、熱間でのスケールの剥離を不利
にし、そのため、熱間圧延後のH形鋼の表面スケールは
厚さが厚くなる。そのうえ、常温におけるスケールの剥
離性を容易にするファイヤライト、FeS等の界面物質を
残存したままであり、スケールの地鉄への密着性が弱い
ためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記の問題点を解消し、塗膜密着性に優れた
H形鋼を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
前記問題点を解決するため鋭意研究し、特定成分系の鋼
を用いて熱間圧延し、スケール厚さ及び表面粗度を適正
な範囲に調整したH系鋼が、スケール面上に塗装した塗
膜の密着性に優れていることを見出し本発明を構成し
た。すなわち、本発明は、素材として、 C:0.05〜0.20重量%、 Si:0.05重量%以下、 Mn:0.20〜1.50重量%、 S:0.015重量%以下、 Al:0.005〜0.060重量% を含有し、あるいはさらに Cr:0.05〜1.00重量% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなる鋼を用
いて熱間圧延し、冷却後のスケール厚さが20μm以下で
表面粗度(Rz)が10〜40μmであることを特徴とする塗
膜密着性の優れたH形鋼である。
〔作用〕
次に、本発明の限定理由について説明する。
Cは強度を確保するために添加するが、41〜52kgf/mm2
程度の強度を得るために0.05重量%以上を必要とする
が、多量に添加すると溶接性を劣化させるので0.20重量
%を上限とする。
Siは脱酸及び強度付与のために有効な元素であるが、加
熱中にスケールと地鉄の界面にファイヤライトを生じる
ため、熱間圧延中あるいは熱間でのデスケーリングによ
るスケールの剥離性を劣化させ、また、冷却後はかえっ
て剥離性を大きくする元素なので、0.05重量%以下にす
る必要がある。
Mnは強度、靭性を付与するのに必要な元素であり、か
つ、硫化物MnSを形成し、熱間で FeS+Mn→MnS+Fe の反応を進行させることにより、鋼材の表面及び鋼中で
のFeSの生成量と残存量を減少させる。そのためには0.2
0重量%以上を必要とするが、1.50重量%以上では溶接
性及び機械加工性を低下させるので1.50%を上限とす
る。
Sはスケールと地鉄の界面にFeSを形成し、熱間のスケ
ール成長を助長して、スケール量を増加させることによ
りスケールの密着性を劣化させるので0.015重量%以下
とする。
Alは脱酸剤として有効な元素であり、Si量を制限した本
発明鋼の場合、表面欠陥および内部欠陥を防止するため
に必要な元素であり、そのために0.005〜0.060重量%と
する。
Crはスケールの生長抑制に有効な元素であり、また、ス
ケールと地鉄の界面にCr酸化物として存在することによ
ってスケールの密着性を向上させる。そのために0.05重
量%以上を必要とするが、多量に添加すると製造コスト
が高くなり経済性を失うので、1.00重量%を上限として
必要に応じて添加する。
スケール厚さと表面粗度は良好なスケール密着性と塗装
後の耐食性を得るために適正範囲がある。スケール厚さ
が厚くなると、塑性変形能が低下するため冷却後の矯正
工程においてクラックが入りやすく、剥離や脱落を生じ
る。また、塗装工程における化成処理において皮膜生成
量が不足し、塗装後の耐食性の低下をもたらす。このた
めスケール厚さは20μm以下にする必要がある。スケー
ル厚さ制御は圧延パス間及び仕上圧延前のデスケーリン
グ回数及びデスケーリング水圧の調節により行うことが
できる。
表面粗度はスケールの密着性と強い相関関係がある。密
着性は表面粗度(Rz)が大きくなるにつれて上昇し、ゴ
バン目テストで100/100を得るにはRzが10μm以上であ
ることが必要である。塗装して使用する場合、Rzが40μ
mを越えると塗膜の厚い部分と薄い部分ができることと
なり、圧延H形鋼を塗装後使用する際、この薄い部分か
ら劣化が始まり、錆の発生が早くなる。従って、薄い塗
膜の部分を通しての錆発生が多くなる。この表面粗度
は、ユニバーサル圧延機のロール粗度の調整により得る
ことができる。
したがって、スケールの密着性を確保し、塗装後の耐食
性を発揮させるために、スケール厚さは20μm以下でRz
は10〜40μmの範囲にする必要があり、このことによ
り、従来技術では、スケール厚さが10μmを越えるとス
ケール密着性が劣化していたが、本願では、スケール密
着性を劣化しない範囲ででスケール厚さを20μm以下と
することが可能となった。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例について説明する。
第1表に供試材の化学成分を示す。供試材A、B、C、
Dは本発明鋼、E、Fは従来鋼である。
各供試材を用いて、200×150×3.2×4.5mmのH形鋼にデ
スケーリング条件及びロール表面粗度を調整して熱間圧
延し、その後放冷した。各供試材製品のフランジより採
取した試験片に化成処理−カチオン電着塗装を行い、塗
膜の密着性を評価した。その結果を第2表に示す。
本発明の鋼を用いて、スケール厚さ及び表面粗度(Rz)
を本発明の範囲にすることにより(No.1〜6)、塗装密
着性に優れたH形鋼を得ることができることがわかる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明法によれば、スケール厚さを従来
技術の2倍としても、スケール密着性は劣化せず剥離し
ないようになり、そのためスケール面上に塗装した塗膜
の密着性が優れた経済的なH形鋼を得ることができ、こ
れを建築用に広く適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 隆文 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 河野 幹夫 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平1−159348(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.05〜0.20重量% Si:0.05重量%以下、 Mn:0.20〜1.50重量%、 S:0.015重量%以下、 Al:0.005〜0.060重量% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、熱間
    圧延冷却後のスケール厚さが20μm以下、表面粗度(R
    z)が10〜40μmであることを特徴とする塗膜密着性に
    優れた熱延H形鋼。
  2. 【請求項2】上記鋼成分にさらに、 Cr:0.05〜1.00重量% を含有したことを特徴とする請求項1記載の塗膜密着性
    に優れた熱延H形鋼。
JP1187526A 1989-07-21 1989-07-21 塗膜密着性に優れた熱延h形鋼 Expired - Fee Related JPH0762213B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1187526A JPH0762213B2 (ja) 1989-07-21 1989-07-21 塗膜密着性に優れた熱延h形鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1187526A JPH0762213B2 (ja) 1989-07-21 1989-07-21 塗膜密着性に優れた熱延h形鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0356639A JPH0356639A (ja) 1991-03-12
JPH0762213B2 true JPH0762213B2 (ja) 1995-07-05

Family

ID=16207627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1187526A Expired - Fee Related JPH0762213B2 (ja) 1989-07-21 1989-07-21 塗膜密着性に優れた熱延h形鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0762213B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3390584B2 (ja) * 1995-08-31 2003-03-24 川崎製鉄株式会社 熱延鋼板およびその製造方法
TW338729B (en) * 1996-09-30 1998-08-21 Kawasaki Steel Co Hot roll stainless steel tape and the manufacturing method
JP4505966B2 (ja) * 2000-09-08 2010-07-21 Jfeスチール株式会社 耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼およびその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01159348A (ja) * 1987-12-16 1989-06-22 Kawasaki Steel Corp タイトなスケールを有するh形鋼及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0356639A (ja) 1991-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2684801C1 (ru) Листовая сталь с нанесенным металлическим покрытием на основе алюминия
JP2005528519A5 (ja)
JP2008240046A (ja) 熱間プレス時のスケール密着性に優れた高強度鋼板およびその製造方法
JP2003201547A (ja) 深絞り性、耐二次加工脆性および耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
CN113348259A (zh) 高强度热浸镀锌钢板和其制造方法
JP4534362B2 (ja) 化成処理性および耐食性に優れる熱延高張力鋼板およびその製造方法
GB2108016A (en) Process for preparing strips or sheets of high strength austenitic steel having improved fatigue strength
JP3447233B2 (ja) 熱処理硬化能に優れた薄鋼板及び高強度プレス成形体の製造方法
JPH0762213B2 (ja) 塗膜密着性に優れた熱延h形鋼
JPH02197528A (ja) 良加工性高強度冷延鋼板の製造方法
JP3875818B2 (ja) 耐疲労性、および化成処理性に優れた高強度鋼板の製造方法
JP2004124123A (ja) 加工性と形状凍結性に優れた低降伏比型高強度冷延鋼板及びその製造方法
JPH0860243A (ja) 耐食性に優れた自動車排気系機器用フェライトステンレス鋼板の製造方法
JP3027011B2 (ja) 耐食性および加工性に優れたクロム含有鋼板
JP3358938B2 (ja) 化成処理性と加工性にすぐれる高強度熱延鋼板
JP2000073192A (ja) フェライト系ステンレス鋼板の製造方法
JP3550729B2 (ja) 成形加工性,耐食性,焼付硬化能に優れた熱延鋼板の製造方法
JP3241075B2 (ja) 高強度めっき鋼板
JP2002363692A (ja) 加工性および耐食性に優れた冷延鋼板
JPH10121141A (ja) 耐つまとび性、スケールおよびほうろう密着性に優れた熱延鋼板の製造方法
JP3362943B2 (ja) 耐孔あき腐食性に優れた鋼板
JP3288456B2 (ja) 耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法
JP3323676B2 (ja) 耐孔あき腐食性にすぐれる冷間圧延鋼板の製造方法
JP2733423B2 (ja) 二次加工性および溶接性に優れためっき原板およびその製造方法
JP3477896B2 (ja) 耐食性に優れる加工用冷延鋼板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees