JPH0762057B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH0762057B2
JPH0762057B2 JP33971590A JP33971590A JPH0762057B2 JP H0762057 B2 JPH0762057 B2 JP H0762057B2 JP 33971590 A JP33971590 A JP 33971590A JP 33971590 A JP33971590 A JP 33971590A JP H0762057 B2 JPH0762057 B2 JP H0762057B2
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宏文 森
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積水フアインケミカル株式会社
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、硬化性組成物に関するものである。とく
に、この発明は、これに光増感剤及び/又は熱重合開始
剤を加え、光及び/又は熱を加えることにより適当な速
度で硬化して、平坦な表面を形成するとともに、すぐれ
た耐熱性と耐薬品性とを特つた透明な皮膜を形成する組
成物に関するものである。
(従来の技術) 塗布すると、平坦な表面を形成するとともに適当な速度
で硬化して、良好な耐熱性と耐薬品性を持つた透明皮膜
を形成するような組成物は、塗料をはじめ各分野で広く
要求されている。とくに電子材料分野では、上述の諸性
質がさらに厳格な条件の下に要求されている。
例えば、液晶表示素子、電化結合型素子からなるカラー
フィルターの製造工程では、上述の組成物が強く要求さ
れている。液晶表示素子は、一対の偏光板の間に液晶を
薄い層として介在させ、偏光板間に加える電圧の変化に
よつて液晶の配向状態を変え、これによつて画像を表わ
すものである。液晶表示素子によつてカラーを表わすに
は、液晶に接してカラーフィルター層を設けることが必
要とされる。カラーフィルター層は、赤、緑、青の3色
のフィルター部を点状又は線状に形成したものであるか
ら、その表面は凹凸を生じやすい。ところが、表面に凹
凸があると色ムラを生じる。また、カラーフィルター層
の表面に1ミクロン程度の段差があると、これに接して
形成されるインジユウム・錫酸化物(ITO)電極が切断
されやすくなる。だから、カラーフィルタ一層の表面
は、とくに厳格な平坦性が要求される。
液晶表示素子では、硬化性組成物が平坦な表面を形成す
るだけでは足りない。硬化性組成物は、耐熱性と耐薬品
性も必要とされる。それは、液晶表示素子が完成される
までには、硬化した組成物の表面上に、高温でITOスパ
タリシグを行つたのち、不要部分をエッチングにより除
去することが行われるために、これに耐えなければなら
ないからである。
以上は、液晶表示素子において要求される硬化性組成物
についての説明であるが、電荷結合型素子でもカラーを
表わす場合には、赤、緑、青の各色のカラーフィルター
を必要とし、カラーフィルターの下側の素子の表面は平
坦であることが必要とされる。また、素子を完成するま
でには、熱処理を施こす必要があるので、矢張り耐熱性
が必要とされる。従つて、矢張り上に述べたような特性
を持つた硬化性組成物が必要とされる。
これまでは、上述のような硬化性組成物としては、ポリ
イミドや、エポキシ樹脂がそれぞれ単独で用いられて来
た。しかし、それらは何れも欠点があつた。例えば、ポ
リイミドでは塗布表面を平坦にするのに手間がかかり、
また塗布御に塗膜を硬化させるのにも手間がかかるとい
う欠点があつた。詳述すれば、ポリイミドは有機溶媒に
溶解して稀薄な溶液として塗布しなければならず、しか
も1回塗布しただけでは表面が平坦にならないので、数
回にわたつて塗布する必要があり、従つて平坦にするの
に手間がかかることとなつた。また、ポリイミドは、一
般に前駆体溶液として塗布され300℃以上に熱処理され
てイミドとなるが、このときカラーフィルターの劣化を
避けるためになるべく低温で処理しようとするので、イ
ミド化が不充分となる傾向にあり、従つて耐薬品性が低
下することとなつた。
次に、エポキシ樹脂の場合には、何回にもわたつて塗布
する必要はないものの、樹脂自体の粘度が大きいので、
表面を平坦にすることが困難であり、さらに硬化に長い
時間が必要だという欠点があつた。また、エポキシ樹脂
は、接着性、耐薬品性にすぐれているものの、平坦化材
に要求されている水準から見ると、耐熱性が充分である
とは云えなかつた。
また、ジアリリデンペンタエリスリットのような不飽和
アセタール化合物と、ヒドロキシル基を有するアクリレ
ート又はメタクリレートとの反応生成物が、硬化性組成
物として提供された。この組成物は、特公昭57−60362
号公報に記載されている。この公報は、組成物を硬化さ
せるのに、光増感剤と熱重合開始剤を使用すべきことを
あわせて記載している。しかし、この組成物は、耐薬品
性の良好な皮膜を生成しなかつた。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、液晶表示素子および電荷結合型素子の製造
において必要とされる、上述のような要求を満たした硬
化性組成物を提供しようとして、なされたものである。
すなわち、この発明は、適当な速度で硬化して表面が平
坦な皮膜を形成し、形成された皮膜が充分な耐熱性と耐
薬品性とを持つて、強く固着しているような塗料を提供
することを目的としている。さらに詳しく云えば、この
発明は、粘度が小さく凹部へ容易に流入し、溶媒の使用
量が少なくて済み、しかも溶媒の揮発による体積の収縮
が小さく、従つて表面の高低差を無くして平坦な表面を
形成し、数拾分ないし数時間のうちに硬化して皮膜を形
成し、形成された皮膜は強く固着していて、しかも充分
な耐熱性と耐薬品性とを持つている、という厳格な要件
に適つた硬化性組成物を提供することを目的としてい
る。
(課題解決のための手段) この発明者は、光の照射及び/又は熱の付与によつて化
学反応を起こして硬化するタイプの樹脂を作り、上述の
課題を解決しようと企てた。そして、種々実験の結果、
1分子中にアリル基を2個以上持つたトリアジン化合物
と、1分子中にアリル基とアクリロイル基とを持つたス
ピロアセタール化合物と、1分子中にマレイミド基を2
個以上含んでいるN−置換マレイミド化合物とを混合し
て用いると、上述の要求を満たす組成物の得られること
を見出した。すなわち、上述のものを選んで用いると、
細かいかど部にも隅なく流入して、凸部と面一の表面を
形成しやすく、適度の時間内に硬化して皮膜を形成し、
得られた皮膜は強固に接着し、しかも充分な耐熱性と耐
薬品性とを持つていることを確認した。この発明は、こ
のような確認に基づいてなされたものである。
(発明の構成) この発明は、(a)1分子中にアリル基を2個以上持つ
たトリアジン化合物と、(b)1分子中にアリル基とア
クリロイル基とを持つたスピロアセタール化合物と、
(c)1分子中にマレイミド基を2個以上持つたN−置
換マレイミド化合物とを混合してなる、硬化性組成物を
要旨とするものである。
(各要件の説明) この発明では、硬化性組成物を構成するのに、3種の不
飽和化合物の使用を必要としている。3種の不飽和化合
物とは、(a)1分子中にアリル基を2個以上持つたト
リアジン化合物(以下、これをTAという)と、(b)1
分子中にアリル基とアクリロイル基とを持つたスピロア
セタール化合物(以下、これをSAと云う)と、(c)1
分子中にマレイミド基を2個以上持つたマレイミド化合
物(以下、これをMIと云う)とである。
上記(a)に属するTAとしては、次のような化合物を用
いることができる。
トリアリルイソシアヌレート(TAICという) 但し、 を表わし、この中のYは水素又はメチル基であつて、Y
が水素の場合はXはアリル基を表わし、Yがメチル基の
場合はXはメタリル基を表わす。
トリアリルシアヌレート(TACという) 但し、Xは上と同じくアリル基又はメタリル基である。
TAは、TAIC単独であつても、またはTAC単独であつても
よいが、またTAICとTACとを混合して用いることもでき
る。TAICとTACとは、何れも粘度の低い液体であつて、
流動しやすい。だから、TAICとTACとは、被塗布面上の
小さな凹部へもよく侵入し、平坦な自由表面を形成しや
すく、従つて、平坦化の効果が大きい。また、TAは、重
合によつて生成される皮膜の耐熱性を高め、また耐薬品
性をも高める効果を持つている。従つて、TAは組成物中
で10重量%以上を占めるように配合することが望まし
い。上記(b)に属するSAは、2種の化合物の付加反応
によつて生成される反応生成物である。すなわち、ジア
リリデンペンタエリスリット に、ヒドロキシル基を持つたアクリレート又はメタクリ
レートを付加させて得られた化合物である。SAは、1つ
の化学式で表現することのできない一群の化合物の総称
である。SAは、特公昭57−60362号公報に記載されてい
る化合物である。
SAは、生成する皮膜の接着性を高めるとともに、耐熱性
を向上させる効果を持つている。しかし、SAが多くなり
過ぎると、皮膜の耐薬品性を低下させることとなる。
上記(c)に属する化合物MIは、下記の一般式で表わさ
れる化合物である。
但し、nは2〜10の整数を表わし、Rは、1分子中にn
個以上の一NH2基を持つたアミン又は有機アミンの残基
を表わす。MIに属する化合物の具体例を挙げると、キシ
リレンビスマレイミド、フエニレンビスマレイミド、ジ
フェニルエーテルビスマレイミド、シクロヘキシルビス
マレイミド、3,3′−ジメチル−(1,1′−ビフェニル)
−4,4′−ビスマレイミド、3,3′−ジメチル−ジフェニ
ルメタン−4,4′−ビスマレイミド、トルイレンビスマ
レイミド、アニリン・ホルムアルデヒド樹脂のマレイミ
ド化物などである。
これらの中で、m−キシリレンビスマレイミドは、重合
反応性が良好で、硬化物の耐熱性も耐薬品性もよい。ま
た、フェニル基のような芳香核に直結したマレイミド
は、一般に黄色または黄褐色に着色しているのに比べ
て、上記の置換マレイミドは、メチレン基を介して芳香
核と結合しているので、殆んど着色しておらず、従つて
無色の硬化膜が求められている場合に好適である。ま
た、多価マレイミド類は、一般に通常の有機溶媒に難溶
であるが、上記のアニリン・ホルムアルデヒド樹脂をマ
レイミド化した材料は、比較的溶解性がよい。
TA、SA及びMIの3種の化合物の配合にあたつては、TA、
SAを向れも30重量%(以下、重量%を単に%という)以
上用いることが必要とされる。TAは、耐熱性に寄与する
だけでなく、MIの溶媒としての硬化もあるが、被接着面
への接着性を考慮すると、30−60%が好ましい。
SAは、硬化性、接着性にすぐれ、耐熱性も良好である
が、耐薬品性を考慮すると30−60%が望ましい。また、
MIは、耐熱性の改良に極めて効果的であるが、通常は溶
媒に難溶であり、均一溶液になつたとしても、溶媒が僅
かに蒸発すると析出する傾向がある。また、MIが多いと
耐薬品性が低下する。このようなことを考えると、MIは
5〜20とするのが好ましい。
光重合開始剤としては、従来公知のものを用いることが
できる。それらの中では、以下に掲げる水素引抜き形又
は開裂形の芳香族カルボニル化合物が好適である。例示
すると、ベンゾフエノン、ミヒラーケトン、アントラキ
ノン、2−メチルアントラキノン、2−クロロアントラ
キノン、キサントン、チオキサントン、ナフトキノン、
カンフアキノン、アセトフエノン、2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフエノン、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフエニルケトンなどである。光重合開始剤
の使用量は、上記(a)〜(c)の総重量に対して1−
20%とする。その中では2−10%が好ましい。
熱重合開始剤としては、従来公知のものを用いることが
できる。熱重合開始剤としては、パーオキサイドと呼ば
れている化合物を使用することができる。例を挙げれ
ば、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)
バレレート、キユメンハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド等である。これらの熱重合開始剤は、単独
で又は混合して用いることができる。熱重合開始剤の使
用量は、上記(a)ないし(c)の化合物の総重量に対
して1−15%の割合とする。
上記の必須成分のほか、この発明の組成物は、これに溶
剤を加えて用いることができ、また、そのほか種々の添
加剤を加えて用いることができる。溶剤は、この組成物
の粘度をさらに低下させて塗布しやすくするために用い
る。また、添加剤は、例えば他の反応性成分や、被塗布
面への接着性をさらに向上させるための接着性改良剤
や、流動性を改良するための流動性改良剤のようなもの
である。使用できる溶媒を例示すると、メチルセロソル
ブ、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、メチルセロソルブアセ
テート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどであ
る。
接着性改良剤としては、アミノシラン、エポキシシラ
ン、アクリルシランなどのシランカップリング剤を用い
ることができる。溶液の界面張力を下げ、流動性を高め
る目的で、界面活性剤を添加することができる。その界
面活性剤としては、弗素を含む化合物が有効であり、例
えばパーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノー
ル、弗素化アルキルエステル(住友スリーエム社製、商
品名フロラード)が有効である。
そのほか、反応性添加剤を用いることもできる。反応性
添加剤は、上記(a)ないし(c)の化合物と反応して
硬化するものである。反応性添加剤は、アクリレート、
メタクリレート、アリルエステル類例えばジアリルフタ
レート、芳香族炭化水素類例えばスチレンである。この
成分が多くなると、耐熱性及び耐薬品性が低下する。そ
こで、反応性添加剤は、上記(a)ないし(c)の化合
物の総重量に対して20%以下とする。
上記(a)ないし(c)の化合物、光重合開始剤、熱重
合開始剤、溶剤及び添加剤の混合順序には、格別の限定
がない。すなわち、どれを先にしどれをあとにしてもよ
い。しかし、これらのうち固体状を呈するものは、溶剤
その耐液体状を呈するものにまず溶解してから混合する
のが好ましい。
この発明の組成物を使用するには、まず被塗布面を水平
に置き、この上にこの発明の組成物を塗布する。こうし
て、組成物が一様に広がり隅々までも浸透したのち、組
成物に光とくに紫外線を照射し、それも同時に又はその
前又は後にこれを加熱する。塗布の手段には格別限定が
ないが、薄い平坦な被膜を形成するには、スピンコーテ
ィング、ロールコーティング、オフセット印刷、スクリ
ーン印刷などが有効である。そのうちではスピンコーテ
ィングが望ましい。紫外線の照射は、常温で高圧水銀灯
を照射するなど、従来の手段をそのまま用いる。露光量
は、200−500mj/cm2の範囲内にするのがよく、その中で
は300mj/cm2程度が望ましい。加熱は、150〜230℃の温
度範囲内で1時間程度行うのが好ましく、とりわけ150
℃位から徐々に昇温して行くのが望ましい。
(発明の効果) この発明では、(a)1分子中にアリル基を2個以上持
つたトリアジン化合物と、(b)1分子中にアリル基と
アクリロイル基とを持つたスピロアセタール化合物と、
(c)1分子中にマレイミド基を2個以上持つたN−置
換マレイミド化合物とを混合した組成物を用いるので、
これら3種の化合物は何れも光重合開始剤及び/又は熱
重合開始剤の作用により容易に重合する性質を持つため
に、組成物を塗布して、光及び/又は熱を加えてこれを
重合させることができ、従つて強固な皮膜を形成させる
ことができる。その際、(a)ないし(b)の3種の化
合物を混合して作られた組成物は、互いに溶解し合つて
均一な、しかも粘度の低い液体又は溶液を形成するの
で、被塗布面上の小さな凹所へもよく浸透し、平坦な自
由表面を形成することとなり、従つて平坦な表面を持つ
た透明な皮膜を形成することができる。また、この組成
物は、アリル基、アクリロイル基及びマレイミド基の重
合によつて硬化するので、硬化を適度の速さで進行させ
ることができ、重合の結果強固な皮膜を形成する。とく
に、この組成物は、1分子中にアリル基を2個以上持つ
たトリアジン化合物と、1分子中にアリル基とアクリロ
イル基とを持つたスピロアセタール化合物と、1分子中
にマレイミド基を2個以上持つたN−置換マレイミド化
合物とで作られ、これら化合物は何れも環状構造を持つ
ているので、これらのものが互いに重合して作られた硬
化物は、耐熱性と耐薬品性とにすぐれている。とくに硬
化物中には、エステル結合が少ないので、酸及びアルカ
リに対する抵抗性が大きい。従つて、この発明の組成物
は一般の塗料として有用であるばかりでなく、液晶表示
素子、電荷結合型素子のカラーフィルター表面の平坦化
剤、カラーフィルター基板の製造などに有用なものとな
る。
(実施例) 次に、実施例と比較例とを挙げて、この発明に係る組成
物のすぐれている所以を具体的に明らかにする。以下で
単に部と云うのは重量部を表わし、また%と云うのは特
別のことわりのない限り重量%を意味する。
実施例1. この実施例では、(a)の化合物として、TAIC、すなわ
ちトリアリルイソシアヌレートを用い、(b)の化合物
としてジアリリデンペンタエリスリツトとヒドロキシル
基を有するアクリレート化合物との反応生成物であるス
ピラックU−3000(昭和高分子社製)を用い、(c)の
化合物としてメタキシリレンビスマレイミドを用いるこ
ととした。そして、これから作つた硬化性組成物を液晶
表示素子に相当する表面の平坦化材として用いた。
(レリーフ画像の作成) 10%のカゼイン水溶液に、カゼインに対して10%の重ク
ロム酸アンモニウムを溶解し、得られた溶液をガラス板
上にスピンコートした。これを70℃で3分間乾燥した
後、この上に画線幅と画線間隔が何れも50μmのフォト
マスクを重ね、マスクアライナー(SUSS MJB 3 HP)で
紫外線を照射した。次いで、水で現象し、乾燥して透明
画像を得た。
こうして得られたカゼイン層の厚さを、表面粗さ計(小
板研究所製、サークコーダ SE 30H)で測定したとこ
ろ、膜厚は2.05μmであつた。
(硬化性組成物の調製と塗布) 下記の混合物を硬化性組成物とした。
トリアリルイソシアヌレート 40部 スピラックU−3000 50部 メタキシリレンビスマレイミド 10部 光増感剤(メルク社製、ダロキュア1116) 5部 光重合開始剤(ジクミルパーオキサイド) 2部 弗素系界面活性剤(住友スリーエム社製、フロラードFC
430) 0.5部 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 40部 上記の硬化性組成物を前述のカゼイン画像の上に注ぎ、
1000γpmでスピンコートした。次いで、この塗布板を露
光機のベルトに乗せ、80w/cmの高圧水銀灯で250mJ/cm2
の紫外線を照射した。塗布面のベタつきはなかつたが、
念のために150℃のオープンに入れ、1時間かけて230℃
まで昇温させて加熱し、硬化させた。
その後、表面の凹凸を表面粗さ計で測定したところ、表
面の凹凸は0.07μmであり、表面は充分平坦化されてい
ると認められた。また、ガラス面から硬化膜の最高面ま
での厚さは、3.83μmであつた。
上で得られた硬化板を200℃に保ち、ITOスパタリングを
行い、厚さ2800オングロームのITO層を形成させたが、
膜面に曇りは発生しなかつた。
また、スパタリングする前の硬化板に幅0.5mmの傷をつ
け、下記3種の薬品中に、それぞれ下記の温度で10分間
浸漬して、耐薬品性を調べた。
5%苛性カリ 60℃ 18%塩酸+2%硝酸 60℃ N−メチルピロリデン 25℃ 浸漬後、傷口を顕微鏡で観察したが、全く変化を認めな
かつた。次に硬化膜を乾燥して、浸漬前後の膜厚の変化
を測定したが、変化は全く認められなかつた。従つて、
耐熱性も耐薬品性も良好であると認められた。
実施例2. この実施例では、(a)及び(b)の化合物として実施
例1と同じものを用い、(c)の化合物としてはメタキ
シリレンビスマレイミドの代わりにジフエニルメタンビ
スマレイミドを用い、これを実施例1で用いたと同じカ
ゼイン画像上に塗布した。
具体的には、下記の化合物を下記の割合に混合して硬化
性組成物とした。
トリアリルイソシアヌレート 43 部 スピラック U−3000 45 部 ジフェニルメタンビスマレイミド 12 部 光増感剤(ダロキュア 1116) 5 部 熱重合開始剤(ジクミルパーオキサイド) 3 部 弗素系界面活性剤(フロラード FC 430) 0.5部 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル)40 部 この硬化性組成物を実施例1と全く同様にして、カゼイ
ン画像の上に塗布し、その後も実施例1と全く同様に紫
外線で照射し、加熱して硬化させた。
得られた硬化皮膜について、その表面の凹凸を表面粗さ
計で測定したところ、表面の凹凸は0.15μmであり、ガ
ラス面から硬化膜表面までの厚みは3.68μmであつた。
これをもとの段差が2.05μmであつたのに比べと、表面
は充分平坦化されていると認められた。
また、この表面にITOスパタリングをしても、曇りは発
生しなかつた。さらに、実施例1と全く同様にして耐熱
性と耐薬品性を調べたところ、3種の薬品の何れによつ
ても全く浸漬されていないことを認めた。従つて耐熱性
も耐薬品性も優れていると認めた。
比較例1 この比較例では、硬化性組樹脂として、アクリル共重合
物を用いて、実施例1で用いたと同じ凹凸表面上に塗布
し硬化させた。
アクリル共重合物としては、グリシジルメタクリレート
60%と、ヒドロキシベンザルアセトフェノンのメタクリ
レート40%から成る共重合物で、重量平均分子量が7.1
×105で、且つ数平均分子量が3.5×105のものを用い
た。
上記アクリル共重合物に、さらに下記のものを下記の割
合に混合して、硬化性組成物とした。
上記アクリル共重合物 10部 溶剤(エチルセロソルブアセテート) 90部 上記の組成物を、実施例1で用いたと同じカゼイン画像
上に1500rpmでスピンコートした。次いで、この塗布板
を90℃で10分間乾燥し、その後、これを露光機のベルト
乗せ、80W/cmの高圧水銀灯で400mj/cm2の紫外線を照射
した。引き続いてさらに170℃のオーブン中で20分間加
熱し、硬化させた。
その後、表面の凹凸を表面粗さ計で測定したところ、表
面の凹凸は0.7μmであつた。これにより平坦化する硬
化が劣ることが認められた。また、実施例1の方法でス
パタリング性、耐薬品性を試験したところ、不良であつ
た。
実施例3 下記混合物を用い、実施例1と同様の手順で硬化膜を作
成し、耐薬品試験を行つた。
トリアリルシアヌレート 40 部 スピラック U−3000 45 部 多官能マレイミド(三井東圧社製、BMI−M−20) 15
部 ダロキユア 1116 5 部 γ−ブチロラクトン 40 部 フロラード FC 430 0.2部 実施例1と同様の試験を行つたところ、平坦化性、耐ス
パタリング性、耐薬品性は、何れも良好であつた。
なお、上記のBMI−M−20は、下記の構造式を持つもの
であつた。
比較例2 実施例3で用いた多官能マレイミドを添加せず、スピラ
ック U−3000を100部とする以外は、実施例3と同じ
条件で試験を行つた。
硬化膜面の平坦化性は良好であつたが、耐薬品試験後、
膜厚変化を測定したところ、N−メチルピロリドンでは
0.32μm減少、塩酸、硝酸水溶液では0.25μm減少した
上、点状剥離を生じた。苛性カリ水溶液では0.30μm減
少と共に、多数の亀裂を生じた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)1分子中にアリル基を2個以上持つ
    たトリアジン化合物と、(b)1分子中にアリル基とア
    クリロイル基とを持つたスピロアセタール化合物と、
    (c)1分子中にマレイミド基を2個以上持つたN−置
    換マレイミド化合物とを混合してなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】(a)1分子中にアリル基を2個以上持つ
    たトリアジン化合物と、(b)1分子中にアリル基とア
    クリロイル基とを持つたスピロアセタール化合物と、
    (c)1分子中にマレイミド基を2個以上持つたN−置
    換マレイミド化合物と、(d)光重合開始剤及び/又は
    熱重合開始剤とを混合してなる、光及び/又は熱硬化性
    組成物。
  3. 【請求項3】スピロアセタール化合物が、ジアリリデン
    ペンタエリスリットと、ヒドロキシル基を持つたアクリ
    レート又はメタクリレートとの反応生成物である、特許
    請求の範囲第1項又は第2項に記載する硬化性組成物。
  4. 【請求項4】N−置換マレイミド化合物が、キシレンビ
    スマレイミドである、特許請求の範囲第1−3項の何れ
    か1つの項に記載する硬化組成物。
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