JPH0761537B2 - 金属凝固組織の微細化方法 - Google Patents

金属凝固組織の微細化方法

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JPH0761537B2
JPH0761537B2 JP61296588A JP29658886A JPH0761537B2 JP H0761537 B2 JPH0761537 B2 JP H0761537B2 JP 61296588 A JP61296588 A JP 61296588A JP 29658886 A JP29658886 A JP 29658886A JP H0761537 B2 JPH0761537 B2 JP H0761537B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鉄鋼、非鉄金属を問わず鋳塊を製造する際の金
属凝固組織の微細化方法に関する。
[従来の技術] 鋳塊の凝固組織はミクロ偏析、マクロ偏析、ポロシティ
ー、割れ等の欠陥を防止する上で微細であることが好ま
しい。また、一般に、最終製品の性質、特に靱性や延性
等も凝固組織が微細な方が良好である。そこで、これま
でに凝固組織を微細化するために、次のような方法が試
みられている。
合金添加法 例えば、SUS430鋼にTiを添加し、凝固組織を微細化する
例が伊藤幸良らにより鉄と鋼、第66巻(1980年)No.6の
第710頁に開示されている。この文献には、Tiの添加に
より生成するTiNの核作用により組織が微細化するとの
説明がなされている。また、純鉄にTi、Nb、Pなどを添
加して微細な結晶を得る例が大野篤美の日本鉄鋼協会凝
固部会提出資料、凝固14−I−1に開示されている。
接種法 例えば、SUS430鋼にコバルト−ボレート(CoOとB2O3
混合物)等を添加して凝固組織を微細化する例(例え
ば、鉄と鋼、第66巻、No.6の第710頁)がある。
振動・撹拌法 この方法は例えば伊藤幸良らの鉄と鋼、第66巻(1980
年)No.8、第1093頁等の多数の報告例があり、振動、撹
拌源も音波、機械エネルギー、電気エネルギーと多岐に
わたっている。しかし、これらの方法はいずれも凝固過
程中に金属に外的な力を作用させて凝固組織を微細化さ
せることでは共通している。微細化のムカニズムとして
は鋳型表面から中心に向かって発達するデンドライト結
晶(樹枝状晶)が外部からの力により分断されるか、あ
るいは溶融金属表面に生成するデンドライト結晶が沈降
(いわゆるシャワリング)するために結晶が等軸晶化
し、組織が細かくなるとの説明がなされている。
[発明が解決しようとする問題点] 上述の従来技術のうち、の合金元素添加法では、Ti添
加の例で示したように、TiN等の非金属介在物を生成し
て金属の清浄度を低下させる場合がある。また、合金元
素の中には非常に高価なものや、合金させると不純物と
して金属の性能を劣化させるものがあり、適用範囲が限
定される。
また、接種法の例では、酸化物の添加による酸素含有
量の上昇及びそれに伴う清浄度の低下が心配される。
次に、の振動、撹拌法では、凝固組織が微細になる一
方で、溶融金属の表面に浮かぶスカムやスラグを巻き込
む確立が高くなり、また、振動、撹拌条件によっては逆
に偏析が生じたり、鋳塊の鋳肌あるいは表層部が不健全
になる場合がある。
従って、本発明の目的は外部から合金元素や接種剤等の
添加物を加えず、また、凝固中の金属に外部から力を加
えることなしに微細な凝固組織を得る方法を提供するこ
とにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は鋳塊の製造において、溶融状態の主金属に1種
または2種以上の主金属とは異種の金属あるいは組成の
異なる合金よりなる半溶融状態の副金属を、混合後の金
属温度TM、混合後の新組成の平衡液相線温度をTEとする
と、TE−TM>0すなわち過冷条件下で混合し、該混合金
属を鋳型内で凝固させることを特徴とする金属凝固組織
の微細化方法にある。
[作用] 本発明方法は溶融金属から鋳塊を製造する際に、主金属
(Primary melt)に1種または2種以上の副金属(Sub
melt)を混合し、エンタルピーの差を利用して混合後の
金属を過冷状態とし、結晶の析出を均一且つ急速に行な
わせて凝固組織を微細にするものである。ただし、ここ
で主金属と副金属は意趣の金属、あるいは同一種の合金
の場合には組成が異なるものとする。また、主金属は常
にその平衡液相線温度(凝固開始温度)より高温にして
混合するが、副金属は平衡液相線温度より低温で混合す
る。
次に、本発明方法の原理を主金属(P)に1種類の副金
属(S)を混合する場合を例にして以下に説明する: 副金属(S)が平衡液相線温度以下の場合 (副金属が1部固相を含む半溶融状態の場合) 主金属(P)をその平衡液相線温度TPよりΔTP高い温度
で、また、副金属(S)をその平衡液相線温度TSよりΔ
TS低い温度で混合するとする。この場合、副金属(S)
にはΔTSの量に応じた量の固相が含まれるが、この時の
固相率をfSとする。(fSは金属中の固相の割合を分率で
示したもので、fS=0は完全液体を表す)。混合後の金
属の温度をTMとすると、混合前後のエンタルピーの保存
則から(1)式が成立する。
M(P){TP+ΔTP−TM}・CL(P)= M(S){TM−TS+ΔTS}・C+L・M(S)・fS−Δ
H (1) 式中、M(P):主金属の重量 M(S):副金属の重量 CL(P):主金属の液体での定圧比熱 CL(S):副金属の液体での定圧比熱 CS(S):副金属の固体での定圧比熱 L:副金属の融解熱 ΔH:混合エンタルピー C=CS(S)・fS+CL(S)(1−fS) :固体共存状態の副金属の定圧比熱 従って、混合後の金属の温度TMは(1)式を変形した
(2)式で表される。
TMが混合後の新組成の金属の平衡液相線温度TEより低い
場合には、金属はTE−TMだけ過冷した状態となる。この
場合、副金属内に含まれている固相が混合時に再溶解
し、溶解熱が奪われることから、TMは低目となり、それ
だけ過冷し易くなる。
次に、(2)式を使った計算例を示す。第1図は主金属
としてAl−2重量%Cu合金1000g、副金属としてAl−8
重量%Cu合金を500gを混合した場合の例であるが、第1
図の横軸は副金属の固相率、縦軸は温度を示す。第1図
中、実線は(2)式から求めた混合後の金属の温度TM
あるが、ここでは混合前の主金属の過熱度ΔTPが25℃と
50℃の2通りの場合について計算した。また、第1図
中、破線TEは混合後の金属(Al−4重量%Cuとなる)の
平衡液相線温度である。第1図に示されるように、混合
後の金属の過冷度(TE−TM)は混合前の主金属の過熱度
ΔTPが小さいほど、また、副金属の固相率fSが高いほど
大きくなるが、本計算例の場合には、ΔTP=25℃の時の
fSが約0.15以上で過冷が生ずることになる。
[実施例] 以下に実施例を挙げ、本発明を更に説明する。
実施例 本発明方法を第2図に示す装置を用いて実施する。第2
図に示す主金属用電気炉(2)及び副金属用電気炉
(8)でそれぞれ主金属(6)と副金属(7)を所定の
温度に加熱保持する。この際、温度の管理は各電気炉内
に設置した熱電対(1)により行なう。その後、主金属
用電気炉(2)及び副金属用電気炉(8)の底部のスト
ッパー(3)を開き、両金属を注入桶(4)で混合し、
黒鉛モールド内(5)で凝固させる。なお、第2図に記
載する装置は主金属と1種の副金属を使用する場合に使
用するものであり、2種以上の副金属を使用する場合に
は、副金属用電気炉(8)を必要に応じて増設すること
ができることを理解されたい。
副金属(S)が平衡液相線温度以下の場合 主金属用電気炉(2)内で主金属Al−2重量%Cu合金10
00gを679℃に過熱、保持し(過熱度25℃)、また、副金
属用電気炉(8)内で副金属Al−8重量%Cu合金500gを
636℃に保持して固相率を0.2とし、注入桶(4)で主金
属と副金属を混合し、次に、黒鉛モールド(5)中で凝
固させた。なお、混合後の合金組成はAl−4重量%Cuで
あった。
比較材として主金属用電気炉(2)でAl−4重量%Cu合
金1500gを684℃で加熱、保持し(過熱度25℃)、その
後、他の金属との混合を行わず、そのまま黒鉛モールド
(5)に鋳込んで凝固させた。
第3図(a)及び(b)は上述のようにして得られた鋳
塊の軸心縦断面のマクロ腐食組織の写真である。第3図
(a)は本発明方法によるものであり、極めて微細な凝
固組織が得られることがわかる。一方、第3図(b)は
通常鋳込により得られた比較鋳塊の凝固組織である。両
鋳塊を比較すると、本発明方法による凝固組織の微細化
効果が明らかである。
また、第3図(a)及び(b)の両鋳塊を更に詳細に調
査すると、凝固組織のみならず、結晶粒の大きさにも大
きな差があることが判明した。すなわち、本発明方法に
よる鋳塊の結晶粒の平均値は130μmであり、通常鋳込
方法による鋳塊の結晶粒の平均値は1600μmであり、本
発明方法により鋳塊の結晶粒も極めて微細化しているこ
とが示された。
[発明の効果] 本発明方法により外部から合金元素や接種剤等を添加す
ることなしに、また、凝固中の金属に外部から力を加え
ることなしに、凝固の原理に基づいて金属の凝固組織及
び結晶粒の大きさを微細にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は主金属としてAl−2重量%Cu合金1000g、副金
属としてAl−8重量%Cu合金を500gを混合した場合の
(2)式の計算例を示す図であり、第2図は本発明方法
を行なうための装置を示す図であり、第3図(a)及び
第3図(b)は鋳塊の軸心縦断面のマクロ腐食組織の写
真である。 図中:1……熱電対、2……主金属用電気炉、3……スト
ッパー、4……注入樋、5……黒鉛モールド、6……主
金属、7……副金属、8……副金属用電気炉。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩渕 義孝 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所室蘭製作所内 (56)参考文献 特開 昭53−2340(JP,A) 特開 昭61−235047(JP,A) 特開 昭57−54235(JP,A) 特開 昭50−14539(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳塊の製造において、溶融状態の主金属に
    1種または2種以上の主金属とは異種の金属あるいは組
    成の異なる合金よりなる半溶融状態の副金属を、混合後
    の金属温度をTM、混合後の新組成の平衡液相線温度TE
    すると、TE−TM>0すなわち過冷条件下で混合し、該混
    合金属を鋳型内で凝固させることを特徴とする金属凝固
    組織の微細化方法。
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