JPH0760621B2 - 電気的なスイッチに用いられる切換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、切換エレメントの移動によって調節可能な少
なくとも２つの運転モードを有する、ハウジングを備え
た電気的なスイッチの前記運転モードを調節するための
切換装置に関する。

［従来の技術］ 製造時の製造個数を増大させ、かつ保管を簡単にするた
めには、種々の使用可能性のために適したスイッチを構
成することが望ましい。しかしこの場合、それ自体多目
的に使用可能なスイッチを１つの使用可能性にのみ限定
することが必要となってしまう。すなわち、スイッチを
その当該使用に合わせて調節することが必要となる。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の課題は、構造が単純でかつスペース節約的であ
り、しかも簡単に操作可能である、経済的に有利に実現
可能な切換装置を提供することである。

［課題を解決するための手段］ この課題を解決するために本発明の構成では、ハウジン
グの外部から操作可能な錠止体が、ハウジング壁に設け
られた開口に、前記ハウジング壁に対して直角な仮想回
転軸線を中心にして回転可能に支承されており、さらに
前記錠止体が、ハウジング壁に突入して偏心的に配置さ
れた、切換エレメントと協働する調節突起を有してお
り、前記錠止体に設けられたガイドリング部分と、前記
ハウジング壁に設けられたバヨネットつめとが、バヨネ
ット結合式に互いに内外に係合しており、前記回転軸線
を中心にしてアーチ状に延びかつ軸方向でばね弾性特性
を有する、係止個所を有するばねブラケットが、前記ハ
ウジング壁に設けられた係止個所と協働して、前記錠止
体のそれぞれ係止された回転位置が、スイッチの調節可
能な運転モードに対応しているようした。

［発明の効果］ 本発明によれば、スイッチハウジングの外部から操作可
能な錠止体により、切換を簡単かつ迅速に行うことが可
能になる。

ハウジング壁に対して直角な軸線を中心とした錠止体の
回転可能性は、たしかに簡単な操作を可能にするが、そ
れと同時に特に有利には沈められた錠止体配置において
錠止体の不本意な切換をも阻止する。

錠止体に設けられたガイドリング部分とハウジング壁に
設けられたバヨネットつめとのがバヨネット結合式に互
いに内外に係合することにより、錠止体を外部からハウ
ジング壁の開口に挿入することが可能となる。このこと
は組付け技術的に極めて有利であり、自動組付けをも可
能にする。

ハウジング壁に設けられた係止個所と、錠止体のばねブ
ラケットの係止個所とは、工具技術的に有利に構成され
得る。これらの係止個所は組付け時にいわば自動的に互
いに係合することができる。これらの係止個所の数はせ
いぜい寸法設定に基づき制限されるだけなので、２つよ
りも多い係止個所を係止させることができる。

それにもかかわらず、全体的には極めて小さく寸法設定
可能であり、しかも有利にはハウジング壁の標準の厚さ
にまで制限可能である。

開口を備えたハウジング壁と錠止体とは、プラスチック
から慣用のプラスチック精度で一体に製造することがで
き、このことは極めて経済的である。

錠止体は一貫して延びるハブを有していると有利であ
る。このハブの外面には、ばねブラケットが一体成形さ
れている。ハブの真ん中の部分にはガイドリング部分が
一体成形されている。

１つの共通の平面で互いに向かい合って位置しかつそれ
ぞれアーチ状の窓によって部分的に前記ハブから分離さ
れた２つのばねブラケットが、１つの係止リングを形成
していると有利である。この係止リングは錠止体の最大
直径を有している。この係止リングは、ハウジング壁に
設けられた開口の環状の最大開口部分に埋め込まれてい
て、環状の係止底部の上に位置していると有利である。
係止底部は最大開口部分を半径方向で内部に対して制限
していて、所属の係止個所を支持している。この係止個
所は凹部であると有利である。有利には突起として形成
された係止リングの係止個所は、前記係止凹部に向かい
合って位置している。バヨネットつめは係止底部から外
方に向かって軸方向および半径方向で回転軸線に向かっ
て係止リングのアーチ上の窓に突入して、半径方向で錠
止体のガイドリング部分に被さっていると有利である。
ガイドリング部分はガイドリングを形成しており、この
ガイドリングは係止リングよりも小さな直径を有してい
て、ガイド底部に載着している。このガイド底部はハウ
ジング壁に設けられた開口の中間の大きさの開口部分を
軸方向で内方に対して制限している。

これによって、錠止体の安定的な位置を確保することが
できると同時に、外部からの錠止体の組込みをも極めて
簡単にすることができる。

このような組立てを特に簡単に行い、かつそれと同時に
挿入された錠止体が容易に緩められてしまうことを阻止
するためには、係止底部に係止個所の他に制限部も設け
られていると有利である。この制限部はばねブラケット
の係止個所のために錠止体回転時の終端ストッパとして
働く。この終端ストッパは片側で斜めに面取りされてい
て、他方の側で急峻に形成されていてよいので、この終
端ストッパはたしかに開口への錠止体のねじ込み時には
オーバランされ得るが、しかしこの終端ストッパに設け
られた急峻な側面が錠止体の緩み外れを阻止する。

このような構成は、係止底部に終端ストッパによって閉
鎖された環状溝が設けられるように構成されると特に有
利である。この環状溝は個所に応じて係止個所によって
拡張されており、この場合、ばねブラケットは突出した
係止突起を有している。

ハウジング壁に設けられた開口は最も内側に最小開口を
有していると有利である。この開口には、センタリング
部分として形成された最も内側のハブ部分が嵌め込まれ
ている。このハブ部分は錠止体の良好なセンタリングを
生ぜしめるだけではなく、開口の良好な閉鎖をも生ぜし
める。この最も内側の最小直径を有する開口部分はでき
るだけ円形に形成されると望ましい。これによって、こ
の開口部分はそのセンタリング兼閉鎖機能を最も良好に
満たすことができる。しかしバヨネットつめを一層簡単
に形成するためには、この開口部分に工具のための切欠
きを設けることが必要となる。この切欠きはガイドリン
グ部分によって閉鎖することができる。

ハブの最も外側の端部には、工具、たとえばねじ回しの
ための係合個所を設けることができる。これによって、
特に錠止体が壁内に完全に沈められていると、この錠止
体のいかなる不本意な誤操作も回避され得る。

最も内側の錠止体端部には、調節突起、たとえば偏心的
なピン類が設けられていてよい。このピンはスイッチハ
ウジングに突入し、錠止体の回転によって切換を実施す
ることができる。このピンはたとえば引外し位置（Trip
−Stellung）を可能にするか、または解除することがで
き、また別の機能を満たすこともできる。

すなわち、錠止体をバヨネット結合式に外部からハウジ
ング壁の開口に挿入し、この場所で錠止体を位置固定し
た状態で回転可能のままにすることが可能となるので有
利である。

したがって、本発明によれば次のような利点を簡単に得
ることができる： イ）切換装置は種々異なる多数の電気的なスイッチ、た
とえばモータ保護スイッチ、ライン保護スイッチおよび
出力スイッチのために使用可能となる。

ロ）錠止体は極めて短くかつ簡単にプラスチックで形成
可能であり、したがって切換装置はハウジング壁厚さ内
に配置され、操作突起だけでスイッチ内部に突入してお
り、外部では全てが平らに閉じられている。

ハ）錠止体は外部からハウジング壁の開口に挿入するこ
とができ、このことは極めて簡単な組付けを生ぜしめ
る。

ニ）ハウジング壁には、対応する開口を設けるだけです
む。このことは、ハウジング壁をプラスチックから成形
する際に容易に可能となる。

ホ）錠止体はハウジング壁に設けられた開口を閉鎖す
る。

本発明による切換装置は直線運動を実施するためにも簡
単に構成され得る。錠止体はこの場合、運動方向に対し
て平行に延びるばねブラケットを備えたスライダとして
構成され、ハウジング壁は運動方向に対して平行に延び
るバヨネットつめを備えて構成される。

［実施例］ 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

第１図には、スイッチの斜視図が示されており、第２図
には、第１図の矢印IIの方向で見た拡大図が示されてい
る。第３図には、第１図の矢印IIの方向で見た、錠止体
なしの壁部分の拡大図が示されている。

第６図には、符号63で２つの係止凹部と、制限部と、走
入凹部とを備えた壁開口部の一部の展開図が、第３図で
時計回り方向で９時から３時にまで達する角度領域にわ
たって示しており、この場合、バヨネットつめの位置も
一点鎖線で示されており、さらにその上には錠止体の所
属の部分の展開図が、第２図で９時から２時にまで達す
る角度領域にわたって挿入位置60と、両係止位置61,62
とにおいて示されており、この場合、ガイドリング部分
は一点鎖線で示されている。

開口３への錠止体４の挿入は次のようにして行われる： −まず、錠止体が軸方向で部分的に開口３に押し込まれ
る。

−次いで、この錠止体は回転軸線Ａを中心にして逆時計
回り方向で、貫通孔421が正確にバヨネットつめ305上に
位置するまで回転させられる。この回転位置は第６図の
段60,63を対比させることによって明らかとなる。

−次いで、この錠止体は軸方向で完全に押し込むことが
できる。この場合、バヨネットつめ305はガイドリング4
2に設けられた貫通孔421を通って窓411に進入する。

−次いで、この錠止体は逆時計回りの方向で引き続き回
転軸線Ａを中心にして回転させることができる。この場
合、ガイド底部311に載着したガイドリング部分42はバ
ヨネットつめ305に設けられた保持面306の下に滑り込
む。

−引き続き回転軸線Ａを中心にして逆時計回り方向に回
転が行われると、係止突起413が斜面3070を越えて走入
凹部307から制限部304を介して、この制限部に対して最
も近くに設置された係止凹部302内に滑動する。この場
合、ばねブラケット412は軸方向で外方に向かって変向
され、次いで再び内方に向かってばね弾性的に弾発す
る。この回転運動の終了時に得られる回転位置は、第６
図の段61,63の対比から認められる。この回転位置はさ
らに、第２図〜第５図に示されている。この回転位置か
らは錠止体４を時計回り方向に回転させることができな
い。なぜならば、制限部304が係止突起413を通過させな
いからである。すなわち、錠止体は取出しを防止されて
いる。所定の工具を用いて、両ばねブラケット412が軸
方向で外方に変位されられた場合にしか、錠止体の故意
の取出しは可能にならない。

−第６図の段61,63の対比に相当する前記第１の係止位
置から、第６図の段62,63の対比に相当する別の係止位
置に移動させるためには、錠止体４がさらに逆時計回り
の方向で回転させられる。このときに、係止突起413は
斜面3020を越えて係止凹部302から滑り出て、次いで第
２の係止凹部302に突入して係合する。この場合、ばね
ブラケット412は軸方向のばね運動を実施する。

−このとき、時計回り方向における錠止体４の回転によ
り、再び前記係止位置（第６図の段61,63の対比に相当
する）を得ることができる。この係止位置はこうしてさ
らに往復切換することができる。

図面を簡単にするために２つの係止位置しか示していな
いが、さらに別の係止位置を設けることも可能である。

センタリング部分43に偏心的に一体成形された調節突起
44は、錠止体４の全ての回転運動において、スイッチの
内部での、切換のために利用され得る偏心運動を実施す
る。

第７図および第８図には、第２図および第３図に示した
切換装置の斜視図が示されている。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであって、第１図は
スイッチの概略図、第２図は第１図の矢印IIの方向で見
た錠止体を備えた壁部分の拡大図、第３図は第１図の矢
印IIの方向で見た、錠止体なしの壁部分の拡大図、第４
図は第２図のIV−IV線に沿った断面図、第５図は第３図
のＶ−Ｖ線に沿った断面図、第６図は上下に示した展開
図、第７図は第第２図に示した錠止体の斜視図、第８図
は第３図に示したハウジング壁の斜視図である。 １……スイッチ、２……ハウジング、３……開口、４…
…錠止体、20……ハウジング壁、30,31,32……開口部
分、40……ハブ、42……ガイドリング部分、43……セン
タリング部分、44……調節突起、60,61,62,63……段、3
01……係止底部、302……係止凹部、303……溝、304…
…制限部、305……バヨネットつめ、306……保持面、30
7……走入凹部、311……ガイド底部、401……ねじスリ
ット、411……窓、412……ばねブラケット、413……係
止突起、421……貫通孔、422……ガイドリング部分、30
20,3070……斜面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−113876（ＪＰ，Ａ) 米国特許3363070（ＵＳ，Ａ) 米国特許3961145（ＵＳ，Ａ) 米国特許4348569（ＵＳ，Ａ) 米国特許4659889（ＵＳ，Ａ)

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】切換エレメントの移動によって調節可能な
   少なくとも２つの運転モードを有する、ハウジングを備
   えた電気的なスイッチの前記運転モードを調節するため
   の切換装置において、ハウジング（２）の外部から操作
   可能な錠止体（４）が、ハウジング壁（20）に設けられ
   た開口（３）に、前記ハウジング壁（20）に対して直角
   な仮想回転軸線（Ａ）を中心にして回転可能に支承され
   ており、さらに前記錠止体（４）が、ハウジング壁（2
   0）に突入して偏心的に配置された、切換エレメントと
   協働する調節突起（44）を有しており、前記錠止体
   （４）に設けられたガイドリング部分（422）と、前記
   ハウジング壁（20）に設けられたバヨネットつめ（30
   5）とが、バヨネット結合式に互いに内外に係合してお
   り、前記回転軸線（Ａ）を中心にしてアーチ状に延びか
   つ軸方向でばね弾性特性を有する、係止個所（413）を
   有するばねブラケット（412）が、前記ハウジング壁（2
   0）に設けられた係止個所（302）と協働して、前記錠止
   体（４）のそれぞれ係止された回転位置が、スイッチ
   （１）の調節可能な運転モードに対応していることを特
   徴とする、電気的なスイッチに用いられる切換装置。
2. 【請求項２】一体の錠止体（４）が、一貫して延びるハ
   ブ（40）を有しており、該ハブの外面に前記ばねブラケ
   ット（412）が設けられており、前記ハブ（40）の真ん
   中の範囲が、ガイドリング部分（422）を支持してい
   る、特許請求の範囲第１項記載の切換装置。
3. 【請求項３】１つの共通の平面で互いに向かい合って位
   置しかつそれぞれアーチ状の窓（411）によって部分的
   に前記ハブ（40）から分離された２つのばねブラケット
   （412）が、１つの係止リング（41）を形成しており、
   該係止リングが最大開口部分（30）内に沈められて配置
   されており、該最大開口部分（30）が、内部で係止底部
   （30）によって軸方向で制限されており、該係止底部
   （30）に、前記ハウジング壁（20）に設けられた係止個
   所（302）と、前記バヨネットつめ（305）とが設けられ
   ており、該バヨネットつめ（305）が、前記係止リング
   （41）に設けられた窓（411）によって軸方向外側に向
   かって前記ガイドリング部分（422）に半径方向で被さ
   っており、前記ガイドリング部分（422）が、ガイド底
   部（311）に軸方向で接触しており、該ガイド底部が、
   中間の大きさの開口部分（31）を内部で軸方向に制限し
   ている、特許請求の範囲第２項記載の切換装置。
4. 【請求項４】前記係止底部（301）に前記係止個所（30
   2）の他に制限部（304）も設けられており、該制限部
   （304）が、前記ばねブラケット（412）に設けられた係
   止個所（413）のために終端ストッパとして働き、前記
   開口（３）内への前記錠止体（４）の挿入時にのみ前記
   ばねブラケット（412）の係止個所（413）によってオー
   バラン可能である、特許請求の範囲第３項記載の切換装
   置。
5. 【請求項５】前記係止底部（301）に環状溝（303）が設
   けられており、該環状溝に沿って前記係止個所（302）
   と前記制限部（304）とが配置されている、特許請求の
   範囲第４項記載の切換装置。
6. 【請求項６】前記ハブ（40）が、その最も内側の端部で
   円筒状のセンタリング部分（43）として形成されてお
   り、該センタリング部分が、最小開口部分（32）に沈め
   られて配置されている、特許請求の範囲第２項から第５
   項記載の切換装置。
7. 【請求項７】前記ハブ（40）が、その最も外側の端部に
   工具のための係合個所（401）を有している、特許請求
   の範囲第２項から第６項記載の切換装置。
8. 【請求項８】前記錠止体（４）が、外部から前記ハウジ
   ング壁（20）の開口（３）にバヨネット結合式に挿入さ
   れている、特許請求の範囲第１項から第７項記載の切換
   装置。