JPH0760551B2 - テ−プレコ−ダ−のカセツト装着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、テープレコーダーのカセット装着装置に関す
る。

〈従来の技術〉 従来、カセットテープの装填装置においては、カセット
の下面に設けたスライダーをテープレコーダー本体に装
填する前に予め手作業で開けてから、昇降溝に沿って上
下動する装填機構に挿入し、所定位置に格納するように
している。

そして又従来のカセット装着装置ではカセットにローデ
ィンググリップと謂われる掛止孔があり、これにテープ
レコーダー本体の所定位置に設けた爪状片を掛けて位置
決めするようにしている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、上記従来例においてはカセットテープのスライ
ダーを、手作業で予め開いてから装填しなければならず
手数がかかること、及びカセットテープの収納機構部が
上下に向かう案内溝によって構成されている為に動作が
円滑でないこと、そしてテープレコーダー本体内におけ
るカセットテープの位置決め手段が爪状片によっている
為、位置決め精度が悪く、不安定であるなどの欠点があ
り、本発明は拘る欠点に対処し、完全自動化を図ると共
に動作が円滑で、しかも高精度な装置を提供するもので
ある。

〈問題点を解決する為の手段〉 カセットテープをテープレコーダー本体内に自動的に出
し入れするようにした挿脱機構と、カセットテープの保
持機構と、該カセットテープを所定位置に抑止する機構
と、リット開放機構とからなる。

〈作用〉 テープレコーダーの操作キーを押動することにより、カ
セットテープの挿脱機構が動作し、カセットを収容する
トレイレバーが自動的に繰り出され、該トレイレバーに
揺動自由に枢支したカセット保持機構にカセットテープ
を挿入し、引き込み操作キーを押動すると、再び前記ト
レイレバーはテープレコーダー本体内に自動的に装填さ
れる。そして、その装填されたカセットは保持機構によ
って、カセット下面にあるスライダーを摺動させ、次い
で抑止機構が動作して前記保持機構をテープレコーダー
本体内の所定位置に押下げられ、この時前記カセットテ
ープの奥端面に枢着されたリットを、前記抑止機構によ
る押下げ動作と、リット開放機構による動作との共同作
用によって開放し、所定の位置に対応させて、プレイ可
能な状態とするものであり、又上記逆動作によってカセ
ットテープは自動的にテープレコーダー本体から繰り出
される。

〈実施例〉 以下、本発明について図面に示す実施例により詳細に説
明する。

先ずここで使用されるカセットテープの構造について第
12図（ａ）乃至第12図（ｃ）によって述べておくと、カ
セットテープ75のテープレコーダー本体への挿入端側に
開閉可能なリット76が設けられており、該カセットテー
プ75の下面部にはテープレコーダー本体への挿脱方向に
摺動できるスライダー78を設け、該スライダー78は内装
ばねによって常時リット76の方向に弾圧するようにして
おり、しかもスライダー78の前縁から切込んだ２条の割
溝内に臨ませたスライダーロック79₁,79₂によって、該
スライダー78が前後何れかへ移動した時その位置を保持
し、又、スライダーが後退移動した時のみリット76が開
扉可能に構成されている。

そして、リット76には、カセットテープ75の不使用状態
（第12図ａ）においてスライダー78の前縁に設けた当接
片80₁,80₂が不使用時に嵌入する二つの切欠部77₁,77₂が
設けられており、更に該カセットテープ75の下面後部に
は２個のデータホール81₁,81₂が左右に分かれて形成さ
れている。次に本発明装置について図例により順次詳細
に説明する。

先ず、機構的に大きく分けると、カセットテープをテー
プレコーダー本体内に出し入れする為の挿脱機構と、該
挿脱機構内にあってカセットテープを一定条件で支持す
るようにした保持機構と、該カセットテープを一定圧力
で抑圧する為の抑止機構と、カセットテープのリットを
開扉するリット開放機構とからなる。

そこで上記挿脱機構は、第１図、第５図乃至第７図に示
すように、前面板４と左右の側板２₁,2₂とからなる略コ
字状のトレイレバー１を、外部フレーム74に枢着した複
数個の案内ローラ71₁,71₂,72₁,72₂,73₁,73₂によって出
没自由に支持する。又、案内ローラの代わりに外部フレ
ームに形成した案内溝によって摺動するようにしても良
い。そして、該トレイレバー１の前面板４の裏側即ち内
側下縁には片方にストッパー取付片５と、その側方に前
面板４と平行な切込溝６₁を有する案内支持片６を突設
し、ストッパー取付片５にカセットの下降制止片８₁と
弾性片９とを有するカセットストッパー11を回動自由に
螺軸12にて枢着し、上記弾性片９の先端を該切込溝６₁
内に挿入して、該弾性片９の端部に設けた折曲片10を案
内支持片６の上面に載せて該弾性片９の端部が移動して
も案内支持片６より離脱しないように保持する。

そして、該下降制止片８₁の先端部には、後述する外部
フレーム74に内向突設した解除突片47と当接する受動片
８を屈曲形成しており、該受動片８を解除突片47との出
合によって前記弾性片９の弾力に抗して回動せしめ、そ
の際の弾性片９の湾曲変形に伴う先端部の移動を折曲片
10と切込溝６₁によって保つようにしている。そして前
面板４の上縁には横長の当たり部材７を内向突設して、
後述するカセットホルダー21の不本意な跳ね上がりの防
止を図っている。

又、上記トレイレバー１は、ラック３₁,3₂、歯車板64、
ラックプレート66等からなるトレイ移動機構によって外
部フレーム74に対して出没するように構成されている。
すなわち該トレイレバー１の両側板２₁,2₂の後端寄り内
側には、ラック３₁,3₂を対向定着して、該ラック３₁,3₂
には前記外部フレーム74に軸63₁,63₂にて枢設したギャ
ー61₁,61₂を夫々噛み合わせる。そして該ギャー61₁,61₂
の間には、両側縁の一部にラック部67₁,67₂を有するラ
ックプレート66と、上下両面に夫々カム溝65を有する歯
車板64と、シフトプレート54とを順次重ねて、ラックプ
レート66の長孔68から歯車板64の中央を通り、シフトプ
レート54の長孔58を経て挿通した軸70により外部フレー
ム74上に取付け、該歯車板64には、その上位に隣接する
前記ラックプレート66の長孔68の長手方向線上に、歯車
板64の上面に設けたカム溝65に嵌入するピン69を下向突
設すると共に、該ラックプレート66のラック部67₁,67₂
を夫々前記ギャー61₁,61₂の各ピニオンギャー60₁,60₂と
噛み合わせ、又該歯車板64の下位に隣接するシフトプレ
ート54の上面には、該歯車板64の下面にあるカム溝へ嵌
入するピン59を立設しており、そして該歯車板64は操作
キー（図示せず）を押動することにより駆動する駆動源
と噛み合い連動させており、該歯車板64を回動すること
により、カム溝65との連係によりラックプレート66を所
定の方向に移動せしめ、これに噛み合うピニオンギャー
60₁,60₂、ギャー61₁,61₂を介してトレイレバー１を自動
的に出没するようにしてなる。

次にカセットテープ保持機構は、前記トレイレバー１の
側板２₁,2₂の前端基部即ち前面板４の近くに穿設した左
右の取付孔13₁,13₂間に、門形の揺動枠14の前部寄り基
部に穿設した取付孔16₁,16₂を対応せしめ、各対応部間
にキックばね17₁,17₂を介在させて一端より取付軸18を
挿通することにより、該揺動枠14を常時反時計回り方向
に弾圧枢支せしめて揺動自由となし、該揺動枠14の両側
にあるアーム15₁,15₂の先端間には夫々キックばね20₁,2
0₂を介してカセットホルダー21の屈曲取付片24₁,24₂を
対置し、夫々各取付片24₁,24₂に穿設した取付孔25₁,25₂
をアーム15₁,15₂の先端にある取付孔18₁,18₂へ螺軸19₁,
19₂にて取付けることにより、該カセットホルダー21を
揺動枠14に対し時計回り方向に弾圧枢支する。

そして該カセットホルダー21には、その前縁上面にカセ
ットテープに設けたデータホール81₁,81₂（第12図a,b,
c）が嵌入する位置決めピン22₁,22₂を突設すると共に、
その中間位置に内端に広がりをもったＴ字状の摺動孔23
を形成し、更に該ホルダー21の奥部寄り両方に、前記摺
動孔23と同様の摺動孔23₁,23₂を設け、その中央部にば
ねかけ片26を下向きに抜き起こして設けており、該カセ
ットホルダー21の上位には、該カセットホルダー21上の
摺動孔23,23₁,23₂と夫々一致嵌合する摺動片29,29₁,29₂
を夫々抜き起し形成したスライダー受け板28を、夫々の
摺動片29,29₁,29₂と摺動孔23,23₁,23₂とを嵌合して重ね
合わせ、スライダー受け板28の中央部に設けた長孔31か
らビス32を挿通して前記カセットホルダー21の螺孔32₁
に締付け、カセットホルダー21とスライダー受け板28と
を互いに連結すると共に、カセットホルダー21のばねか
け片26と、スライダー受け板28の摺動片29との間に引き
ばね27を張設し、該スライダー受け板28がカセットホル
ダー21に対し、各摺動孔の範囲で摺動するようになし、
該スライダー受け板28の奥部端縁両側には、外部フレー
ム74に内向突設したストッパー48₁,48₂と当接する制止
突片34₁,34₂と、カセットテープ75のスライダー78を受
け止める為の受爪33₁,33₂とを上向きに屈曲形成すると
共に、カセットテープ75の下面にあるスライダーロック
79₁,79₂を押動する為の解除用突起30₁,30₂を夫々設け
て、その上面にカセットテープ75を保持するように構成
している。

次にカセットテープの抑止機構はシフトアーム38,42、
シフトプレート54、ばね57等からなる移動機構によって
構成されており、具体的には、一枚のカセット抑え板35
の両側縁前部の連結片36₁,36₂に、シフトアーム38の両
側縁前部の連結片39₁,39₂を夫々螺子41₁,41₂にて枢着連
結すると共に、該カセット抑え板35の両側縁奥部の連結
片37₁,37₂に、他のシフトアーム42の両側縁前部の連結
片44₁,44₂を螺子46₁,46₂によって枢着連結する。

そして、上記各シフトアーム38,42の両側縁奥部の連結
片40₁,40₂、45₁,45₂を夫々外部フレーム74に枢設するこ
とにより、カセット抑え板35と２個のシフトアーム38,4
2と、外部フレーム74とによって四リンク機構を形成す
るようにし、更に前記シフトアーム42奥部中央に抜き起
し片43₁と、一側縁奥部即ち連結片45₂の下部に突片43₂
とを下向突設し、該抜き起し片43₁を、前記挿脱機構の
説明において述べたシフトプレート54の前部側面に開放
形成した切欠部56に係合すると共に該シフトプレート54
の左右中央前寄り位置に形成した抜き起し片55と、前記
抜き起し片43₁との間に引きばね57を張設することによ
りシフトアーム42とシフトプレート54との安定結合を図
り、該シフトプレート54を先に述べた歯車板64の回動に
よって前後に一定長さだけ摺動させ、その動作を切欠部
56と抜き起し片43₁との結合によって前記シフトアーム4
2を揺動せしめ、該シフトアーム42の動作によってカセ
ット抑え板35を、略水平を保って上下動するように構成
するものである。

次にカセットテープのリット開放機構は、上記シフトア
ーム42の奥部に突設した前記下向突片43₁の後縁を、外
部フレーム74上の支持片49に枢支したオープンレバー50
のピン51と係合するようにし、前記シフトプレート54の
右方向への移動によりシフトアーム42を反時計方向に回
動させると同時に、該オープンレバー50を時計方向に回
動し、この時該レバー50の一方に突設したオープンアー
ム52にてカセットテープ75のリット76を蹴り上げて開扉
する。これと並行して、前記スライダー受け板28、カセ
ットホルダー21等によって支持されたカセットテープ75
を抑え板35にて抑えて所定位置に押下収納するようにし
てなる。

次に上記発明装置の一連動作について述べると、ここで
対象となるカセットテープの構造は、冒頭で述べた通り
のものであり、カセットテープを装填するに当たり、先
ずテープレコーダーの装填操作キー（図示せず又、リモ
コンによるも可能）を押動することにより、該レコーダ
ー内に設置した駆動装置が始動し、歯車板64が回動して
挿脱機構の動作が開始される。そして、この時の回動方
向を実線ａの方向とすると、該歯車板64のカム溝65に嵌
入しているラックプレート66上のピン69はラックプレー
ト66を従えて長孔68の許す範囲でｃ方向に移動し、ラッ
ク部67₁,67₂によってこれにかみ合うピニオン歯車60₁は
時計回り方向、ギヤー60₂は反時計回り方向に夫々回動
し、各ピニオンギヤー60₁,60₂の同軸上にある各ギヤー6
1₁,61₂を夫々のピニオンギヤーと同一方向に回動させ、
側板２₁,2₂上にあるラック３₁,3₂とのかみ合いによって
トレイレバー１がｅ方向、即ち繰り出し方向に移動が開
始される。

この時、前記歯車板64にはシフトプレート54がピン59を
介して係合しているが、該歯車板64の上面にあるカム溝
65と下面に設けたカム溝（図示せず）とは同一ではな
く、従ってシフトプレート54はトレイレバー１の引込動
作終了時直前の時期を除いては動作しないで、長孔58の
許容範囲だけ前方に移動した状態即ち第２図、第３図の
状態で保たれている。

そしてトレイレバー１が第２図、第３図のように前方へ
繰り出された時、揺動枠14はキックばね17₁,17₂によっ
て反時計回り方向、カセットホルダー21はキックばね20
₁,20₂によって時計回り方向に回動弾圧されているが、
カセットホルダー21の前端部が前面板４の当たり部材７
に制止されるのでスライダー受け板28、カセットホルダ
ー21の姿勢は共に第３図に示すように傾斜状態となり、
これに第12図（ａ）状態にあるカセットテープ75を、リ
ツト76を内方にして前記スライダー受け板28上に載架挿
填（点線状態）すると、カセットテープのデータホール
81₁,81₂が夫々カセットホルダー21上の位置決めピン2
2₁,22₂に嵌合し、安定が図られる。

そして各連結部に介装したばねの弾力がカセットテープ
75の重さに耐えられる時は、傾斜状態で、引き込まれカ
セット抑え板35と接して滑りながら挿入するが、もし上
記ばねの弾力が弱くカセットテープの重さが過大な時に
は、該ホルダー21は回動降下するので、このような位置
におけるカセットホルダー21の落ち込みはトレイレバー
１の引き込動作の障害となるのでこれを防止する為に、
カセットストッパー11の下降制止片８₁によって、カセ
ットの引込動作中におけるレベルを規制する。

そしてこの状態においてテープレコーダー本体の引込操
作キー（図示せず）を押動すると、前記駆動装置は逆転
を開始し、歯車板64をｂ方向に回動し、該歯車板64に係
合したラックプレート66をｄ方向に移動せしめ、これに
伴ってピニオンギヤー60₁並びに同軸上のギヤー61₁を反
時計回り方向へ、又ピニオンギヤー60₂並びに同軸上の
ギヤー61₁を時計回り方向へ夫々回動する。

従って、上記ギヤー61₁,61₂と夫々にかみ合う各ラック
３₁,3₂をトレイレバー１の側板２₁,2₂と共にｆ方向、つ
まり引き込み方向に移動を開始する。そしてこの時も前
記シフトプレート54はそのままの状態をしばらく保って
いる。

そして他方では、第４図に示すようにスライダー受け板
28の奥端縁にある制止突片34₁,34₂が外部フレーム74に
突設したストッパー48₁,48₂に当接して、スライダー受
け板28のこれ以上の進入を阻止するので、カセットホル
ダー21のみが夫々の摺動孔23,23₁,23₂の許容範囲だけば
ね27に抗して、更に内方へ移動せしめられ、これと共に
カセットテープ75もカセットホルダー21の位置決めピン
22₁,22₂によって保持されたまま移動し、カセットテー
プ75の下面にあるスライダーロック79₁,79₂は解除用突
起30₁,30₂に押されてスライダー78のロックを解除した
状態にあるために、リツト76の切欠部77₁,77₂内に嵌入
しているスライダー端縁の当接部80₁,80₂に、スライダ
ー受け板28の奥端縁にある受爪33₁,33₂が押当して、ス
ライダー78の進行を制止し、他の部分が移動して相対的
にスライダー78とリツト76との間には第12図（ｂ）に示
すような間隙が形成され、リツト76の開扉が可能な状態
となる。

そして最後の動作即ち、トレイレバー１を完全に外部フ
レームの所定最終位置へ引き込む時の終わりの動作で、
第５図乃至第６図に示すトレイレバー１の前面板４の裏
面に取り付けたカセットストッパー11の受動片８が外部
フレーム74上の解除突片47と当接して、下降制止片８₁
を弾性片９に抗して螺軸12を起点に時計回り方向に押動
することによりカセットホルダー21との係止状態が釈放
され、カセットホルダー21は下降可能な状態となる（第
８図、第９図）。

この状態でカム溝65は同心円弧の部分で対応し、ラック
プレート66の移動は停止するが、その反面下面にあるカ
ム溝は非同心円弧の部分に対応してシフトプレート54を
前記歯車板64の終り近くの動作で極く短時間ではあるが
トレイレバー１の引き込み方向と同方向すなわちｆ方向
に移動する。

これによって、シフトアーム42は下向突片43₂にてシフ
トプレート54と係合している為に、外部フレーム74への
枢着部を起点として第10図、第11図に示すように反時計
方向に回動し、カセット押え板35を上記シフトアーム42
とシフトアーム38とによって略平行に下降させ、カセッ
トホルダー21及びスライダー受け板28上に支持されたカ
セットテープ75の上面を適度な圧力を以って抑圧するこ
とにより、所定のプレイ可能位置へカセットテープを挿
入する。

これと同時に他方では、上記抑止機構の動作と連動して
前記シフトアーム42の下向突片43₂が、外部フレーム74
上の支持片49に枢着したオープンレバー50のピン51に作
用して、該レバー50を時計回り方向に回動せしめ、これ
によって一方に突出するオープンアーム52がカセットテ
ープのリツト76の下縁に係合して、カセットテープの下
降動作と相まってリツト76を反時計回り方向に蹴り上げ
て完全に開扉状態（第12図ｃ）にすることによりプレイ
可能にするものである。

このようにしてカセットテープを挿填するには上記一連
の動作によって行なわれるが、テープレコーダー本体か
らカセットテープを取り出すには上記動作の逆手順によ
って行なわれる。

即ち、取り出し操作キーを押動することにより、歯車板
64はａ方向に始動し、その初期動作でこれまでのシフト
プレート54の動作方向を切り換えてオープンレバー50を
反時計回り方向に回動復帰させると共に、カセット押え
板35を上昇させながらカセットテープ75を釈放し、同時
にリツト76を自動的に閉蓋し、更に歯車板64は回動して
ラックプレート66をｃ方向に移動し、各ピニオンギヤー
60₁,60₂と、同軸上のギヤー61₁,61₂を介してトレイレバ
ー１を外方に繰出しする。

そして走行動作中、カセットホルダー21は引きばね27の
弾力によってスライダー受け板28をストッパー48₁,48₂
に向かって弾圧しているので摺動孔の長さ分だけスライ
ダー受け板28の移動は遅れ、カセットホルダー21が摺動
孔23,23₁,23₂の許容範囲だけ移動したところでカセット
テープのスライダー78は内装ばねによって、第12図
（ｂ）の状態から同図（ａ）の状態に移行し、完全にカ
セットテープを装填前の状態にして取出可能ならしめる
ものである。

〈発明の効果〉 本発明は上述のように、カセットホルダーの上側にスラ
イダー受け板を摺動自由に沿わせて、両者間に引きばね
を張設し、該カセットホルダーを電動によって出没する
トレイレバーと共に外部フレーム内に出入りするように
すると共に、該トレイレバーの収納完了直前にスライダ
ー受け板の先端部が外部フレーム上のストッパーにて制
止され、その後のカセットホルダーの進入動作で、該ホ
ルダーとスライダー受け板との間で摺動を生じさせるこ
とによって、カセットテープのスライダーを自動的に移
動するようにしているので、これまでのカセットテープ
のように、カセットに装着されているスライダーを予め
手作業で移動させてから装填するのと異なり、カセット
テープを事前に全く操作することなく、そのまま装填す
れば良いので取り扱いが頗る簡単である。

又カセットテープは、外部フレーム内に出没するトレイ
レバーに揺動枠を介して枢設したカセットホルダーによ
って保持され、しかもトレイレバーを外部フレーム内か
ら引き出した時、該カセットホルダーはトレイレバーの
上縁部まで浮上し、該トレイレバーを挿入することによ
り、カセット抑え板がカセットテープ上面を抑えて押し
下げ所定位置に保持するように構成されているので、こ
れまでのように案内溝によってカセットテープを所定位
置へ導くのと異なり、揺動枠とカセットホルダーの２段
揺動運動によって誘導するようにしているので、動作が
滑り運動によるよりはるかに円滑であり、摩耗や、僅か
な遊びによって生じる片寄りなどで動作しづらくなるこ
とがなく、軽快な動作ができる。

更にカセットホルダー内でのカセットテープの位置決定
手段が２本の位置決めピンによって行われるので、これ
までのように爪状片によってカセットテープを位置決め
するのと異なり、位置決めが容易確実で安定しているな
どの顕著な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第11図は本発明実施例を示す。 第１図は、本発明カセット装着装置の要部分解斜視図、 第２図、同上装置のカセットテープ受け入れ時の状態を
示す要部斜視図、 第３図は、第２図の中央縦断側面面、 第４図は、カセットテープ引き込み完了直前の状態を示
す同上の部分縦断面図、 第５図は、トレイレバーの部分切欠斜視図、 第６図は、第５図の他の状態を示す部分切欠斜視図、 第７図は、第６図の部分平面図、 第８図は、カセットテープの引き込み完了状態を示す斜
視図、 第９図は、第８図の中央縦断側面図、 第10図は、カセットテープをレコーダー本体内の所定位
置に挿填し終えた状態の斜視図、 第11図は、同上の中央縦断側面図、 第12図（ａ）は、挿填前のカセットテープの下面斜視
図、 第12図（ｂ）は、挿填後スライダーの摺動状態を示すカ
セットテープの下面斜視図、 第12図（ｃ）は、リツトを開放し、プレー可能状態を示
すカセットテープの下面斜視図である。 １……トレイレバー、14……揺動枠 21……カセットホルダー 28……スライダー受け板 35……抑え板 38,42……シフトアーム 50……オープンレバー、74……外部フレーム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外部フレーム（74）に摺動自在に支持さ
   れ、該摺動動作により少なくとも前端部を外部フレーム
   （74）外に出没するトレイレバー（１）と、 駆動源から駆動力を得て上記トレイレバー（１）を摺動
   動作させるトレイ移動機構（３₁）（３₂）（64）（66）
   と、 上記トレイレバー（１）の前端部に前端側が揺動自在に
   軸支され、後端側を持ち上げる方向に常時ばね（17₁）
   （17₂）により付勢された揺動枠（14）と、 該揺動枠（14）の後端に後端側が揺動自在に軸支される
   と共に前端側を持ち上げる方向に常時ばね（20₁）（2
   0₂）により付勢され、上面上にカセットテープ（75）を
   載荷装填するカセットホルダー（21）と、 該カセットホルダー（21）の上面上にあってばね（27）
   により常時上記カセットホルダー（21）と一定の関係に
   保持され、上記ばね（27）に抗する上記カセットホルダ
   ー（21）との相対的な摺動動作により上記カセットテー
   プ（75）のスライダー（78）を動作させるスライダー受
   け板（28）と、 上記外部フレーム（74）内の上部にシフトアーム（38）
   （42）により上下方向に揺動自在に支持されて常時は上
   方位置に保持され、上記トレイレバー（１）が前端部を
   外方に突出した位置から内方に引き込まれる際にカセッ
   トテープ（75）と当接して該カセットテープ（75）をカ
   セットホルダー（21）及び揺動枠（14）とともに上記ば
   ね（17₁）（17₂）（20₁）（20₂）に抗して所定位置まで
   押し下げるカセット抑え板（35）と、 上記外部フレーム（74）にあって、上記トレイレバー
   （１）が引き込み完了位置に達する直前に上記スライダ
   ー受け板（28）の移動を阻止して該スライダー受け板
   （28）と上記カセットホルダー（21）との相対的な摺動
   によりカセットテープ（75）のスライダー（78）を動作
   させるストッパー（48₁）（48₂）と、 上記トレイレバー（１）が引き込み完了位置に達した
   後、上記駆動源の駆動力を得て上記カセット抑え板（3
   5）を下方に揺動させることにより上記カセットテープ
   （75）をカセット抑え板（35）とカセットホルダー（2
   1）で挟着した状態で降下させるカセット移動機構（5
   4）（57）（64）と、 該カセット移動機構によりカセットテープ（75）が降下
   する際にカセットテープ（75）のリット（76）に係合し
   該リット（76）を開放させるリット開放機構とを備えた
   ことを特徴とするテープレコーダーのカセット装着装
   置。