JPH076035B2 - 熱間加工性のすぐれた高炭素合金工具鋼 - Google Patents

熱間加工性のすぐれた高炭素合金工具鋼

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JPH076035B2
JPH076035B2 JP61200570A JP20057086A JPH076035B2 JP H076035 B2 JPH076035 B2 JP H076035B2 JP 61200570 A JP61200570 A JP 61200570A JP 20057086 A JP20057086 A JP 20057086A JP H076035 B2 JPH076035 B2 JP H076035B2
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JP
Japan
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hot workability
tool steel
high carbon
carbon alloy
alloy tool
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JP61200570A
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義数 丸野
篤 後藤
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
発明の目的
【産業上の利用分野】
本発明は、熱間加工性を改善した高炭素合金工具鋼に関
する。
【従来の技術】
たとえば冷間加工ダイスの材料として主に使用されるSK
D11鋼のような高炭素工具鋼は、高Cかつ高Crの合金組
成のため、M7C3型の一次炭化物が粒界に析出しており、
これが圧延などの熱間加工を困難にする。熱間加工性の
低さは、圧延工程における高いワレ発生率を招き、歩留
りを低くしている。 このようなわけで、高炭素合金工具鋼の熱間加工性を改
善することが久しく要望されていたが、これまでは効果
的な方策が見当らなかった。
【発明が解決しようとする問題点】
本発明の目的は、上記の要望にこたえて、高炭素合金工
具鋼のその他の特性を損うことなく、熱間加工性を高め
たものを提供することにある。 発明の構成
【問題点を解決するための手段】
本発明の熱間加工性のすぐれた高炭素合金工具鋼は、基
本的には、C:0.20〜3.0%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以
下、Cr:4.0〜18.0%、ならびにCa:0.0005〜0.050%、好
ましくは0.0010%〜0.050%およびZr:0.01〜0.20%のい
ずれか一方または両方を含有し、P:0.05%以下、S:0.01
%以下、好ましくは0.001%以下、O:0.01%以下であっ
て、残部が実質的にFeからなる合金組成を有する。 上記の基本組成に加えて、Mo:0.10〜5.0%、W:0.10〜5.
0%、V:0.10〜5.0%およびCo:0.10〜5.0%のいずれか1
種または2種以上を含有させてもよい。
【作 用】
上記いずれの合金組成においても、成分C,Si,MnおよびC
rの含有量の範囲は、在来の高炭素合金工具鋼のそれと
同様である。 本発明の特徴は、ひとつは特定量のCa,およびZrからえ
らんだ一方または両方の添加であり、いまひとつは不純
物P,SおよびOの量を規制したことである。 これらの特徴が熱間加工性の改善をもたらす理由は、発
明者らにとっても必らずしも明確ではないが、介在物の
形態の変化にあると思われる。これを、代表的にCaを添
加した場合について説明する。 後記する実施例No.1のインゴットのミドル中心部に見出
された介在物を、EPMA法により分析したところ、Mg,Ca,
Al,SおよびSiが検出された。介在物の中心にはMgOがあ
り、その外側はCaO−Al2O3がとり囲んでいる。Sは、上
記のように検出はされたが、本発明では微量におさえた
こともあって特性X線像にはあらわれず、またMnが検出
されなかったから、SはMnSでなくCaSとして存在してい
ると思われる。酸化物系介在物は、Oの量を規制したた
め、全量が少い。結局、少量存在する介在物はCaO−Al2
O3−CaS系の複合介在物として、鋼中に微細に分散して
いることがわかる。その形状は球形であって、MnSのよ
うに延伸された形をとらないから、この鋼の熱間加工性
は良好になるのである。 前記したCaおよびZrの量の下限および不純物の許容量
は、このような機構による熱間加工性改善効果を得るた
めに必要な限界であり、Caなどの量の上限は、添加効果
が飽和して不経済になるとともに、これを超えると巨大
介在物が発生するなどの弊害があらわれる限界として決
定したものである。
【実施例】
表に示す組成の鋼を溶製し、1.3トンのインゴットに鋳
造した。 No.1(実施例)およびNo.6(比較例)のインゴットを、
鋳造のままと1150℃×15時間のソーキングを行なったも
のとについて、インゴットのミドル部分の表層および
(1/4)Dつまり中心と表層との中間の部分からサンプ
ルを採取し、グリーブル試験を行なって絞り値を求め、
熱間加工性の指標とした。 結果は、第1図〜第4図に示すとおりであって、本発明
に従うものは、従来技術によるものと比較して絞り値が
高く、その表層と(1/4)D部との差が小さいことがわ
かる。 また、本発明に従うときは、ソーキングによって、絞り
値のレベルを維持したまま、熱間加工に適する温度の範
囲が拡大することが明らかである。 次に、No.1とNo.6の材料の特性を比較するため、焼戻し
硬さをしらべた。上記の圧延材から表層5mmを除いて試
験片を採取し、 850℃×10分間→1000℃(または1050℃)×20分間→空
冷または油冷の条件で焼入れし、種々の温度で焼戻し
て、焼戻し硬さ曲線をえがいた。 焼入れを1000℃から空冷で行なった場合と、1050℃から
油冷で行なった場合について、第5図および第6図にデ
ータを示す。No.1とNo.6の焼戻し硬さ曲線はほぼ一致し
ており、本発明の鋼と従来材との間に差異は認められな
い。 このほか、衝撃強度の測定および摩耗試験を行なった
が、本発明の鋼と既存の材料とで、別段ちがいは見出せ
なかった。 実際の熱間加工性を確認するため、実施例(No.1〜5)
および比較例(No.6〜9)のインゴットを、加熱温度11
50〜1300℃、圧下率7〜13%、20〜40パスの条件で圧延
して、ワレ発生の状況をしらべた。結果を、表にあわせ
て記す。従来技術では2%またはそれ以上のワレが避け
難かったが、本発明によるときは、ゼロまたは高々1.5
%程度にワレが少くなる。 発明の効果 本発明の高炭素合金工具鋼は、Caをはじめとする合金成
分の特定量の添加とSをはじめとする不純物の規制とに
より、熱間加工性が著しく改善されている。従って、イ
ンゴットを圧延する際のワレ発生による仕損や製品の損
耗が少く、歩留りが向上する。 一方、焼戻し硬さなどの工具鋼に要求される諸特性は、
従来のものと変りはない。任意添加元素を含有する好ま
しい態様では焼戻し硬さが高く、工具鋼としていっそう
すぐれたものとなる。
【図面の簡単な説明】 第1図ないし第4図は、いずれも高炭素合金工具鋼のグ
リーブル試験の結果をあらわしたグラフであって、第1
図は実施例(No.1)の鋳造まま、第2図はそのソーキン
グ後、第3図は比較例(No.7)の鋳造まま、そして第4
図はそのソーキング後のデータをそれぞれ示す。 第5図および第6図は、ともに実施例(No.1)および比
較例(No.7)の圧延材の焼戻し硬さ曲線のグラフであっ
て、第5図は焼入れを1000℃から空冷により行なった場
合、第6図は1050℃から油冷により行なった場合を、そ
れぞれ示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.20〜3.0%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%
    以下、Cr:4.0〜18.0%、ならびにCa:0.0005〜0.050%お
    よびZr:0.01〜0.20%のいずれか一方または両方を含有
    し、P:0.05%以下、S:0.01%以下、O:0.01%以下であっ
    て、残部が実質的にFeからなる熱間加工性のすぐれた高
    炭素合金工具鋼。
  2. 【請求項2】C:0.20〜3.0%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%
    以下、Cr:4.0〜18.0%、ならびにCa:0.0005〜0.050%お
    よびZr:0.01〜0.20%のいずれか一方または両方に加え
    て、Mo:0.10〜5.0%、W:0.10〜5.0%、V:0.10〜5.0%お
    よびCo:0.10〜5.0%のいずれか1種または2種以上を含
    有し、P:0.05%以下、S:0.01%以下、O:0.01%以下であ
    って、残部が実質的にFeからなる熱間加工性のすぐれた
    高炭素合金工具鋼。
JP61200570A 1986-08-27 1986-08-27 熱間加工性のすぐれた高炭素合金工具鋼 Expired - Lifetime JPH076035B2 (ja)

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JPS6357743A JPS6357743A (ja) 1988-03-12
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6059053A (ja) * 1983-09-09 1985-04-05 Daido Steel Co Ltd 熱間工具鋼
JPS60224754A (ja) * 1984-04-19 1985-11-09 Daido Steel Co Ltd 合金工具鋼
JPS61213349A (ja) * 1985-03-16 1986-09-22 Daido Steel Co Ltd 合金工具鋼

Also Published As

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JPS6357743A (ja) 1988-03-12

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