JPH0760114A - 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 - Google Patents

低濃度窒素酸化物の吸着除去剤

Info

Publication number
JPH0760114A
JPH0760114A JP5209673A JP20967393A JPH0760114A JP H0760114 A JPH0760114 A JP H0760114A JP 5209673 A JP5209673 A JP 5209673A JP 20967393 A JP20967393 A JP 20967393A JP H0760114 A JPH0760114 A JP H0760114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
titania
performance
carrier
cerium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5209673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2579275B2 (ja
Inventor
Takanobu Watanabe
高延 渡辺
Masayoshi Ichiki
正義 市来
Atsushi Fukuju
厚 福寿
Hideji Kobayashi
秀次 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Zosen Corp filed Critical Hitachi Zosen Corp
Priority to JP5209673A priority Critical patent/JP2579275B2/ja
Publication of JPH0760114A publication Critical patent/JPH0760114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2579275B2 publication Critical patent/JP2579275B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アナターゼ型チタニアより成る担体を保持し
たセラミックペーパーにルテニウムとセリウムを担持し
た吸着除去剤において、セリウム担持後に300〜50
0℃の温度で焼成したことを特徴とする吸着除去剤であ
る。 【効果】 高い初期性能を発揮しかつ共存SO2 により
被毒の恐れの極めて少ないNOx吸着除去剤を提供する
ことができる。再生温度を維持するためのエネルギーを
削減することができる。RuとCeの担持を別工程で行
うことにより、製造工程において廃液からのルテニウム
回収が不要となり、製造工程が簡素化され経済効果が大
きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種道路トンネル、山
岳トンネル、海底トンネル、地下道路、シェルター付道
路等の各種トンネルにおける換気ガス中に含有される低
濃度の窒素酸化物(NOx)を効率よく除去する吸着除
去剤に関するものである。
【0002】
【発明の背景】各種道路トンネル、山岳トンネル、地下
道路、シェルター付道路等(本明細書では、これらのト
ンネルを総称して「道路トンネル等」と呼ぶこととす
る)において、特に長大で自動車交通量の多いものにつ
いては、通行者の健康保護や明視距離の改善を目的に相
当量の換気を行う必要がある。また、比較的短距離のト
ンネルでも都市部あるいはその近郊では、出入口部に集
中する一酸化炭素(CO)、NOx等による大気汚染を
防止する方法として、トンネル内の空気を吸引排気(換
気)する方法がある。
【0003】しかしながら、換気ガスをそのまま周囲に
放散したのでは、地域的な環境改善にはならず、特に自
動車排ガスによる汚染が平面的に拡がっている都市部あ
るいはその近郊では高度の汚染地域を拡大させることに
なりかねない。既設道路の公害対策としてトンネル化、
シェルター設置を図る場合も、前述の事情は全く同じで
ある。
【0004】本発明は、このような道路トンネル等の換
気ガス中に含有される低濃度のNOxを効率よく除去す
る吸着除去剤に関するものである。
【0005】
【従来の技術】各種トンネルの換気ガスは、その中に含
有されるNOxの濃度が約5ppm と低く、ガス温度は常
温で、ガス量は交通量に従って大きく変動することで特
徴付けられる。
【0006】本発明者らは、先に、アナターゼ型チタニ
アを保持したセラミックペーパー担体に、ルテニウムの
ハロゲン化物と、カリウム、ナトリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、マンガン、銅、亜鉛、ルビジウム、ジ
ルコニウム、バリウム、セリウム、モリブデンより成る
群から選ばれた少なくとも1つの金属のハロゲン化物と
が共担持されている低濃度窒素酸化物の吸着除去剤を提
案した(特願平4−10312号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記吸着除去剤は、高
湿分下で機能するとともに、耐SOx性を有し、その上
高温条件下でも高い活性を長時間維持できる点で従来の
吸着除去剤より優れている。しかし、これは、湿分濃度
3%以下ではNOx吸着性は全く低下しないが、共存す
るSO2 により僅かではあるが被毒される欠点を有して
いた。
【0008】また、特願平4−10312号明細書中の
実施例では、浸漬液として塩化ルテニウムと塩化マンガ
ンや塩化セリウムなどの混合水溶液を用いるので、ルテ
ニウム以外に多量の金属を含む浸漬後廃液より、高価な
ルテニウムを回収再利用するためには、ルテニウム以外
の多量の金属を分離除去する工程が必要となり、製造コ
ストが高く付く難点がある。
【0009】本発明の第1の目的は、上記の点に鑑み、
共存SO2 により被毒の恐れのないNOx吸着除去剤を
提供することにある。
【0010】また、本発明の第2の目的は、性能向上だ
けでなく、製造工程において廃液からのルテニウム回収
をコスト的に有利に行うことができるNOx吸着除去剤
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による低濃度窒素
酸化物の吸着除去剤は、上記目的を達成すべく工夫され
たものであって、アナターゼ型チタニアより成る担体を
保持したセラミックペーパーにルテニウムとセリウムを
担持した吸着除去剤において、セリウム担持後に300
〜500℃の温度で焼成したことを特徴とするものであ
る。
【0012】ルテニウム担持後、300℃以下の温度で
焼成を行うことが好ましい。
【0013】セラミックペーパーへのルテニウムとセリ
ウムの担持順序については、セリウム担持焼成後にルテ
ニウムを担持焼成しても、または、ルテニウム担持焼成
後にセリウムを担持焼成してもよい。
【0014】
【実施例】
<比較例1>従来法(Ru・Ce混合水溶液使用) 市販のセラミックペーパー(日本無機(株)製、成分;
シリカ:アルミナ=50:50、厚さ;0.25mm、
坪量:46g/m2 )を所定の寸法(長さ;105m
m、幅;100mm)に切断し、切断片をアナターゼ型
のチタニアゾル(TiO2 含有量;約30重量%)に室
温で浸漬した。
【0015】浸漬後、直ちにこのセラミックペーパーを
平板上に取り出し、ローラー等により余分なチタニアゾ
ルを落とし均一な厚さとすると同時に、熱風により乾燥
した。
【0016】こうして、平板状のチタニア保持セララミ
ックペーパー担体を得た。
【0017】チタニアゾル含浸前の重量と乾燥後の重量
との差より、TiO2 保持量を求めた結果、83.8g
/m2 のTiO2 が保持されていた。
【0018】平板状チタニア保持セラミックペーパー担
体を塩化ルテニウム(RuCl3 )と塩化セリウム(C
eCl3 )を含む混合水溶液(Ru濃度;0.55重量
%、Ce濃度;17.0重量%)に、担体表面積(A;
1m2 当り)に対する浸漬液量(L;リットル数)(以
下、この比をL/Aと呼ぶ)=3リットル/m2 の条件
で室温で3分間浸漬した。
【0019】浸漬後、この担体を約110℃で1時間乾
燥後、電気炉に入れ空気中250℃で3時間焼成して、
Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持量;1.3
1重量%、Ce担持量;28.1重量)を得た。
【0020】この平板状吸着剤を小片(長さ;50m
m、幅;21mm)に切り、この小片8枚(吸着剤表面
積;0.0168m2 )を内寸22mm角のステンレス
製反応管に充填した。
【0021】次に、この吸着剤充填層の一端から他端に
向って調湿空気(湿分;5,000ppm)を流通しな
がら(2.8Nリットル/min)、吸着剤を約130
℃で10分間処理した(「予熱操作」と呼ぶ)後、引き
続いて約250℃で15分間処理した(「再生操作」と
呼ぶ)。再生操作の後、今度は吸着剤充填層の他端より
一端に向かって調湿空気(湿分;5,000ppm)を
吸着剤を通して25分間流通(2.8Nリットル/mi
n)させて放冷した(「冷却操作」と呼ぶ)。
【0022】放冷後、冷却操作と同じガス流れで、吸着
剤充填層に3.5ppmのNOxを含む調湿空気(湿
分;5,000ppm)を流通した(「吸着操作」と呼
ぶ)。
【0023】この1回目の吸着操作において、NOx含
有ガスの流通直後から反応管出口ガス中のNOx濃度を
化学発光式分析計で測定した。ガス流通時間は20分間
で、その間の出口ガス中のNOx濃度の経時変化を図1
に示す。図1中の縦軸には出口ガス中のNOx濃度を入
口ガス中のNOx濃度で除した値(「破過率」と呼ぶ)
が目盛ってある。
【0024】図1の初期性能について見ると、20分後
の出口NOx濃度は0.32ppmで、入口NOx濃度
に対する比率、すなわち破過率は0.09であった。
【0025】吸着操作に引き続き、再び予熱操作および
再生操作により、吸着剤に吸着したNOxを脱離させて
吸着剤を再生した後、冷却操作を行った。
【0026】冷却操作後、2回目の吸着操作として3.
5ppmのNOxと50ppmのSO2 を含む調湿空気
(湿分;5,000ppm)を吸着剤充填層に20分間
流通した。
【0027】このように吸着操作が終わると、予熱操
作、再生操作、冷却操作を行い、冷却操作後、吸着操作
を繰り返した。
【0028】3〜5回目の吸着操作においては、吸着時
に50ppmのSO2 を共存させ、6回目の吸着操作に
おいては、SO2 を含ませずに3.5ppmのNOxの
みを含むガスを流通した。2〜6回目の吸着操作を3サ
イクル繰り返した。
【0029】15回目の吸着操作終了時までに導入した
SO2 供給量は吸着剤1m2 当たり1,800ccに相
当する。
【0030】16回目の吸着操作は、SO2 を導入せず
に行い、SO2 1,800cc/m2 供給後の性能を調
べた。
【0031】16回目吸着時の吸着剤出口ガス中のNO
x濃度を破過率で表わした経時変化を図1に示す。
【0032】図1中のSO2 1,800cc/m2 供給
後の性能について見ると、20分後の出口NOx濃度は
0.71ppmで、破過率は0.20であった。
【0033】<実施例1>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が66.2g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。この担体の浸漬および乾
燥後の焼成を空気中300℃で3時間行う以外は、比較
例1と同様の方法により、Ru・Ce共担持チタニア吸
着剤(Ru担持量;1.24重量%、Ce担持量;3
0.5重量%)を得た。
【0034】この平板状吸着剤を小片(長さ;50m
m、幅;21mm)に切り、この小片8枚(吸着剤表面
積;0.0168m2 )を内寸22mm角のステンレス
製反応管に充填し、比較例1と同様の操作により初期性
能およびSO2 1,800cc/m2 供給後の性能を測
定した。この測定結果を図2に示す。
【0035】図2の初期性能について見ると、20分後
の出口NOx濃度は0.04ppmで破過率は0.01
であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給後の
性能については、20分後の出口NOx濃度は0.35
ppmで、破過率は0.10であった。
【0036】<実施例2>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量67.1g/m2 の平板状チタニア保持セラ
ミックペーパー担体を得た。この担体の浸漬および乾燥
後の焼成を空気中350℃で3時間行う以外は、比較例
1と同様の方法により、Ru・Ce共担持チタニア吸着
剤(Ru担持量;1.25重量%、Ce担持量;30.
2重量%)を得た。
【0037】この平板状吸着剤を小片(長さ;50m
m、幅;21mm)に切り、この小片8枚(吸着剤表面
積;0.0168m2 )を内寸22mm角のステンレス
製反応管に充填し、比較例1と同様の操作により初期性
能およびSO2 1,800cc/m2 供給後の性能を測
定した。この測定結果を図3に示す。
【0038】図3の初期性能について見ると、20分後
の出口NOx濃度は0.03ppmで、破過率は0.0
1であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給後
の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.5
3ppmで、破過率は0.15であった。
【0039】実施例1、2と比較例1の結果より、Ru
・Ce混合水溶液を用いて、RuとCeを共担持する場
合、初期性能およびSO2 1,800cc/m2 供給後
の性能は、浸漬乾燥後の焼成温度の影響を強く受け、好
ましい性能を得るには300℃以上の温度で焼成を行う
必要があることがわかる。
【0040】<実施例3>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量87.1g/m2 の平板状チタニア保持セラ
ミックペーパー担体を得た。
【0041】この平板状チタニア保持セラミックペーパ
ー担体を塩化ルテニウム水溶液(Ru濃度;0.55重
量%)にL/A=3リットル/m2 の条件で室温で3分
間浸漬した。
【0042】浸漬後、この担体を約110℃で1時間乾
燥後、電気炉に入れ空気中250℃で1時間焼成した。
【0043】焼成後、これを引き続き塩化セリウム水溶
液(Ce濃度;17.0重量%)にL/A=3リットル
/m2 の条件で室温で3分間浸漬した。
【0044】浸漬後、これを約110℃で1時間乾燥
後、電気炉に入れ空気中300℃で3時間焼成し、Ru
・Ce共担持吸着剤(Ru担持量;1.33重量%、C
e担持量;31.1重量%)を得た。
【0045】この平板状吸着剤を小片(長さ;50m
m、幅;21mm)に切り、この小片8枚を内寸22m
m角のステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の
操作により初期性能およびSO2 1,800cc/m2
供給後の性能を測定した。この測定結果を図4に示す。
【0046】図4の初期性能について見ると、20分後
の出口NOx濃度は0.10ppmで、破過率は0.0
3であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給後
の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.3
4ppmで、破過率は0.10であった。
【0047】<実施例4>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が87.1g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。この担体を塩化セリウム
水溶液に浸漬し乾燥した後、電気炉に入れ、焼成を空気
中350℃で3時間行う以外は、実施例3と同様の方法
により、Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持
量;1.27重量%、Ce担持量;30.8重量%)を
得た。
【0048】この平板状吸着剤を小片(長さ;50m
m、幅;21mm)に切り、この小片8枚を内寸22m
m角のステンレス反応管に充填し、比較例1と同様の操
作により初期性能およびSO2 1,800cc/m2
給後の性能を測定した。この測定結果を図5に示す。
【0049】図5の初期性能について見ると、20分後
の出口NOx濃度は0.03ppmで、破過率は0.0
1であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給後
の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.4
2ppmで、破過率は0.12であった。
【0050】<比較例2>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量76.2g/m2 の平板状チタニア保持セラ
ミックペーパー担体を得た。この担体を塩化セリウム水
溶液に浸漬し乾燥した後、電気炉に入れ、焼成を空気中
250℃で3時間行う以外は、実施例3と同様の方法に
より、Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持量;
1.29重量%、Ce担持量;29.7重量%)を得
た。
【0051】この平板状吸着剤を小片(長さ;50m
m、幅;21mm)に切り、の小片8枚を内寸22mm
角のステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の操
作により初期性能およびSO2 1,800cc/m2
給後の性能を測定した。この測定結果を図6に示す。
【0052】図6の初期性能について見ると、20分後
の出口NOx濃度は0.25ppmで、破過率は0.0
7であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給後
の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.8
5ppmで、破過率は0.24であった。
【0053】実施例3、4と比較例2の結果により、R
uを担持焼成した後、Ceを担持焼成してRuとCeを
共担持する場合、初期性能SO2 1,800cc/m2
供給後の性能は、塩化セリウム水溶液浸漬、乾燥後の焼
成温度の影響を強く受け、好ましい性能を得るには30
0℃以上の温度で焼成を行う必要があることがわかる。
【0054】<実施例4′>実施例4で調製した平板状
吸着剤を用い、下記のように長時間吸着試験を実施し
た。すなわち、平板状吸着剤より切り出した小片8枚を
内寸22mm角のステンレス製反応管に充填し、比較例
1と同様の操作により、予熱、再生、冷却を行った。
【0055】冷却後、吸着剤充填層に、3.5ppmの
NOxを含む調湿空気(湿分;5,000ppm)を流
通し、7時間の吸着を行った。その間の出口NOx濃度
を破過率で表わした場合の経時変化を図7に示す。
【0056】<比較例2′>比較例2で調製した吸着剤
を用い、実施例4′と同じ操作で長時間吸着試験を実施
した。この結果を図7に示す。
【0057】実施例4′と比較例2′の結果より、比較
例2′の吸着剤をハニカム構造体のローターに成形した
吸着剤ローターを想定する。次にこの吸着剤ローターを
1rph(1時間に1回転させる)で運転し、吸着剤幾
何表面積1m2 当りの処理ガス量(「AV(面積速
度)」と呼ぶ)10Nm/hを処理する場合、すなわ
ち、吸着時間30分間の平均NOx除去率を考える。
【0058】30分間に吸着除去されるNOx量は、図
7の比較例2′の吸着剤出口NOx濃度の経時変化を表
わす曲線(「破過曲線」と呼ぶ)の上部と吸着時間30
分を表わす縦線(ア)とで囲まれる領域(A)で表わさ
れる。
【0059】この領域(A)を吸着時間30分で除した
値は、破過率で表わすと0.92となり、この場合の平
均NOx除去率は92%となる。
【0060】平均NOx除去率が92%に相当する吸着
時間を実施例4′の場合について求めてみる。図7の実
施例4′の破過曲線の上部で縦線(イ)で囲まれる領域
(B)を吸着時間で除した値が0.92になる吸着時間
を求めると320分となる。
【0061】つまり、同じ平均NOx除去率を得るため
に比較例2′の吸着剤では吸着時間は30分間であった
が、実施例4′の吸着剤では約10倍長い時間吸着を行
うことができることになる。言い換えると、比較例2′
の吸着剤を成形した吸着剤ローターは、AV;10Nm
/hとして1時間に1回転させる必要があったが、実施
例4′の吸着剤を成形した吸着剤ローターは約10時間
で1回転させれば良いことになる。
【0062】このことによる効果として次の点が挙げら
れる。
【0063】回転式NOx吸着除去装置において、1時
間当たりの回転数を約1/10にすることは、吸着剤の
再生時間を約10倍長くすることになり、再生温度を維
持するためのエネルギーをかなり削減できることを意味
している。これは吸着剤ローターの顕熱のためである。
【0064】また、同じ性能を得るために、実施例4′
の吸着剤は比較例2′の吸着剤の約1/10の量で良い
ことにもなる。
【0065】再生エネルギーの削減を選ぶか、吸着剤量
の削減を選ぶかは、プロセス全体について総合的に判断
する必要がある。
【0066】<比較例3>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が72.4g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。この担体を塩化ルテニウ
ム水溶液に浸漬し乾燥した後、電気炉に入れ、焼成を空
気中300℃で1時間行う以外は、実施例3と同様の方
法により、Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持
量;1.27重量%、Ce担持量;32.4重量%)を
得た。
【0067】この平板状吸着剤より切り出した小片(長
さ;50mm、幅;21mm)8枚を内寸22mm角の
ステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の操作に
より初期性能およびSO2 1,800cc/m2 供給後
の性能を測定した。この測定結果を図8に示す。
【0068】図8の初期性能について見ると、20分後
の出口NOx濃度は0.21ppmで、破過率は0.0
6であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給後
の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.7
0ppmで、破過率は0.20であった。
【0069】<比較例4>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が68.1g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。この担体を塩化ルテニウ
ム水溶液に浸漬し乾燥した後、電気炉に入れ、焼成を空
気中350℃で1時間行う以外は、実施例3と同様の方
法により、Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持
量;1.28重量%、Ce担持量;30.6重量%)を
得た。
【0070】この平板状吸着剤より切り出した小片(長
さ;50mm、幅;21mm)8枚を内寸22mm角の
ステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の操作に
より初期性能およびSO2 1,800cc/m2 供給後
の性能を測定した。この測定結果を図9に示す。
【0071】図9の初期性能について見ると、20分後
の出口NOx濃度は1.25ppmで、破過率は0.3
6であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給後
の性能については、20分後の出口NOx濃度は1.5
8ppmで、破過率は0.45であった。
【0072】実施例3と比較例3、4の結果より、Ru
を担持焼成後、Ceを担持焼成してRuとCeを共担持
する場合、初期性能およびSO2 1,800cc/m2
供給後の性能は、塩化ルテニウム水溶液浸漬、乾燥後の
焼成温度の影響を強く受け、好ましい性能を得るには3
00℃以下の温度で焼成を行う必要があることがわか
る。
【0073】<実施例5>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が70.0g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。
【0074】この平板状チタニア保持セラミックペーパ
ー担体を塩化セリウム水溶液(Ce濃度;17.0重量
%)にL/A=3リットル/m2 の条件で室温で3分間
浸漬した。
【0075】浸漬後、この担体を約110℃で1時間乾
燥後、電気炉に入れ空気中300℃で3時間焼成した。
【0076】焼成後、引き続きこれを塩化ルテニウム水
溶液(Ru濃度;17.0重量%)にL/A=3リット
ル/m2 の条件で室温で3分間浸漬した。
【0077】浸漬後、これを約110℃で1時間乾燥
後、電気炉に入れ空気中250℃で1時間焼成し、Ru
・Ce共担持吸着剤(Ru担持量;1.30重量%、C
e担持量;31.0重量%)を得た。
【0078】この平板状吸着剤より切り出した小片(長
さ;50mm、幅;21mm)8枚を内寸22mm角の
ステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の操作に
より初期性能およびSO2 1,800cc/m2 供給後
の性能を測定した。この測定結果を図10に示す。
【0079】図10の初期性能について見ると、20分
後の出口NOx濃度は0.03ppmで、破過率は0.
01であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給
後の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.
31ppmで、破過率は0.09であった。
【0080】なお、Ce担持焼成後の吸着剤に、セリウ
ムはCeCl3 (塩化セリウム(III))以外にCeO2
(酸化セリウム(IV))として担持されていることが確認
された。
【0081】<実施例6>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が67.6g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。この担体を塩化セリウム
水溶液に浸漬し乾燥した後、電気炉に入れ、焼成を空気
中350℃で3時間行う以外は、実施例5と同様の方法
により、Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持
量;1.33重量%、Ce担持量;30.1重量%)を
得た。
【0082】この平板状吸着剤から切り出した小片(長
さ;50mm、幅;21mm)8枚を内寸22mm角の
ステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の操作に
より、初期性能およびSO2 1,800cc/min供
給後の性能を測定した。この測定結果を図11に示す。
【0083】図11の初期性能について見ると、20分
後の出口NOx濃度は0.04ppmで、破過率は0.
01であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給
後の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.
24ppmで、破過率は0.07であった。
【0084】<比較例5>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が75.2g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。この担体を塩化セリウム
水溶液に浸漬し乾燥した後、電気炉に入れ、焼成を空気
中250℃で3時間行う以外は、実施例5と同様の方法
により、Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持
量;1.32重量%、Ce担持量;29.9重量%)を
得た。
【0085】この平板状吸着剤から切り出した小片(長
さ;50mm、幅;21mm)8枚を内寸22mm角の
ステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の操作に
より、初期性能およびSO2 1,800cc/m2 供給
後の性能を測定した。この測定結果を図12に示す。
【0086】図12の初期性能について見ると、20分
後の出口NOx濃度は0.11ppmで、破過率は0.
03であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給
後の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.
56ppmで、破過率は0.16であった。
【0087】実施例5、6と比較例5の結果より、Ce
を担持焼成した後、Ruを担持焼成してRuとCeを共
担持する場合、特にSO2 1,800cc/m2 供給後
の性能が、塩化セリウム水溶液浸漬、乾燥後の焼成温度
の影響を強く受け、好ましい性能を得るには300℃以
上の温度で焼成を行う必要があることがわかる。
【0088】<比較例6>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が71.0g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。この担体を塩化ルテニウ
ム水溶液に浸漬し乾燥した後、電気炉に入れ、焼成を空
気中300℃で1時間行う以外は、実施例5と同様の方
法により、Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持
量;1.28重量%、Ce担持量;30.1重量%)を
得た。
【0089】この平板状吸着剤から切り出した小片(長
さ;50mm、幅;21mm)8枚を内寸22mm角の
ステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の操作に
より、初期性能およびSO2 1,800cc/m2 供給
後の性能を測定した。この測定結果を図13に示す。
【0090】図13の初期性能について見ると、20分
後の出口NOx濃度は0.03ppmで、破過率は0.
01であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給
後の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.
64ppmで、破過率は0.28であった。
【0091】<比較例7>比較例1と同様にして、Ti
2 保持量が67.1g/m2 の平板状チタニア保持セ
ラミックペーパー担体を得た。この担体を塩化ルテニウ
ム水溶液に浸漬し乾燥した後、電気炉に入れ、焼成を空
気中350℃で1時間行う以外は、実施例5と同様の方
法により、Ru・Ce共担持チタニア吸着剤(Ru担持
量;1.25重量%、Ce担持量;29.6重量%)を
得た。
【0092】この平板状吸着剤から切り出した小片(長
さ;50mm、幅;21mm)8枚を内寸22mm角の
ステンレス製反応管に充填し、比較例1と同様の操作に
より、初期性能およびSO2 1,800cc/m2 供給
後の性能を測定した。この測定結果を図14に示す。
【0093】図14の初期性能について見ると、20分
後の出口NOx濃度は0.03ppmで、破過率は0.
01であった。また、SO2 1,800cc/m2 供給
後の性能については、20分後の出口NOx濃度は0.
97ppmで、破過率は0.28であった。
【0094】実施例5と比較例6、7の結果より、Ce
を担持焼成した後、Ruを担持焼成してRuとCeを共
担持する場合、特にSO2 1,800cc/m2 供給後
の性能が、塩化ルテニウム水溶液浸漬、乾燥後の焼成温
度の影響を強く受け、好ましい性能を得るには300℃
以下の温度で焼成を行う必要があることがわかる。
【0095】300℃以上の温度で焼成しても、Ru担
持量が減少しないことより、300℃以上で焼成した場
合に性能が低下するのは、吸着剤に担持された塩化ルテ
ニウムの塩素が脱離し、酸化ルテニウムに変わるためと
思われる(NOxに対する吸着活性を有するのは塩化ル
テニウムであると思われる)。
【0096】実施例3と実施例5および実施例4と実施
例6を比較すると、Ceを担持焼成後にRuを担持焼成
して調製したRu・Ce共担持吸着剤の方が、性能が良
く、このことは特に実施例4と実施例6の比較において
顕著である。
【0097】
【発明の効果】アナターゼ型チタニアを保持したセラミ
ックペーパー担体にRuとCeを共担持した吸着除去剤
において、RuあるいはCe担持後の焼成条件および担
持順序を最適化することにより、高い初期性能を発揮し
かつ共存SO2 により被毒の恐れの極めて少ないNOx
吸着除去剤を提供することができる。
【0098】また、再生温度を維持するためのエネルギ
ーを削減することができる。
【0099】さらに、RuとCeの担持を別工程で行う
ことにより、製造工程において廃液からのルテニウム回
収が不要となり、製造工程が簡素化され経済効果が大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図2】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図3】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図4】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図5】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図6】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図7】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図8】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図9】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図10】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図11】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図12】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図13】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図14】時間と破過率の関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 小林 秀次 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立 造船株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナターゼ型チタニアより成る担体を保
    持したセラミックペーパーにルテニウムとセリウムを担
    持した吸着除去剤において、セリウム担持後に300〜
    500℃の温度で焼成したことを特徴とする吸着除去
    剤。
  2. 【請求項2】 ルテニウム担持後に300℃以下の温度
    で焼成を行うことを特徴とする請求項1の吸着除去剤。
  3. 【請求項3】 セリウム担持焼成後にルテニウムを担持
    焼成することを特徴とする請求項1または2記載の吸着
    除去剤。
  4. 【請求項4】 ルテニウム担持焼成後にセリウムを担持
    焼成することを特徴とする請求項1または2記載の吸着
    除去剤。
JP5209673A 1993-08-24 1993-08-24 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤の製造方法 Expired - Lifetime JP2579275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5209673A JP2579275B2 (ja) 1993-08-24 1993-08-24 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5209673A JP2579275B2 (ja) 1993-08-24 1993-08-24 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0760114A true JPH0760114A (ja) 1995-03-07
JP2579275B2 JP2579275B2 (ja) 1997-02-05

Family

ID=16576718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5209673A Expired - Lifetime JP2579275B2 (ja) 1993-08-24 1993-08-24 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2579275B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3493901A4 (en) * 2016-07-29 2020-03-11 BASF Corporation RUTHENIUM-IMPREGNATED CERIUM OXIDE CATALYST

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05200281A (ja) * 1992-01-23 1993-08-10 Kogai Kenko Higai Hoshiyou Yobou Kyokai 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05200281A (ja) * 1992-01-23 1993-08-10 Kogai Kenko Higai Hoshiyou Yobou Kyokai 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3493901A4 (en) * 2016-07-29 2020-03-11 BASF Corporation RUTHENIUM-IMPREGNATED CERIUM OXIDE CATALYST
US10895183B2 (en) 2016-07-29 2021-01-19 Basf Corporation Ruthenium impregnated ceria catalyst

Also Published As

Publication number Publication date
JP2579275B2 (ja) 1997-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2557307B2 (ja) NOx吸着除去法
JPH0760114A (ja) 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤
JP2002079096A (ja) 吸収還元型NOx浄化用触媒
JPH01299642A (ja) 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤
JP2743044B2 (ja) 低濃度NOxおよびSOxの同時吸着除去剤、並びにこれらの同時除去方法
JP2743043B2 (ja) 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤
JP2597252B2 (ja) 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤
JP2563861B2 (ja) 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤
JP3074343B2 (ja) NOx吸着剤の製造方法
JPH1033990A (ja) 窒素酸化物除去用光触媒及びそれを用いた窒素酸化物除去方法
JP2563862B2 (ja) 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤
JPH07275695A (ja) So2吸着剤
JPH1128351A (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤およびその使用方法
JPH0824583A (ja) 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法
JPH09248448A (ja) 窒素酸化物の吸着剤および除去システム
JPH06327967A (ja) ハニカム状吸着体
JP2559337B2 (ja) NOx吸着剤
JP2003103133A (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去方法
JPH10118486A (ja) 希薄窒素酸化物の濃縮方法
JPH06319943A (ja) NOx吸着除去法
JPH1157399A (ja) 二酸化窒素の除去方法
JPH0788328A (ja) 窒素酸化物および硫黄酸化物の浄化装置とそのメンテナンス方法
JPH07256054A (ja) NOx吸着除去装置およびNOx吸着除去方法
JP2563861C (ja)
JPH119957A (ja) 大気中の窒素酸化物の除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960730