JPH0759769A - 超音波探触子 - Google Patents

超音波探触子

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JPH0759769A
JPH0759769A JP5232220A JP23222093A JPH0759769A JP H0759769 A JPH0759769 A JP H0759769A JP 5232220 A JP5232220 A JP 5232220A JP 23222093 A JP23222093 A JP 23222093A JP H0759769 A JPH0759769 A JP H0759769A
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acoustic
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JP5232220A
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Toshiro Kondo
敏郎 近藤
Jun Kubota
純 窪田
Hiroshi Kanda
浩 神田
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被検体の体表への密着が良く、しかも高周波の
超音波に対しても高感度の超音波探触子を提供する。 【構成】背面吸音材4と圧電振動子1と音響整合層2と
を少なくとも積層して成る超音波送受信部の圧電振動子
1と音響整合層2とをある曲率で湾曲形成し、音響整合
層2の湾曲面上に、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に
て中央部が凸状に形成された超音波伝播体6を固着す
る。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は音響インピーダ
ンスと音速が生体とほぼ同じため、音響整合層の凹部空
間は生体組織とほぼ同じ物質で埋められたと等価とな
り、また、中央部凸部は被検体との密着性を良くする。 【効果】高い周波数での感度が向上し、かつ被検体との
良好な密着性を維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波診断装置等に用い
られる超音波探触子に係り、特に高周波数の超音波の送
受信に好適な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波探触子は図3に示す振動子部分を
ケースに収納するとともに、引出し線5の各々をケーブ
ルとして纏めて引き出して構成される。振動子部分は、
細長い棒状の、かつ多数配列された圧電振動子1aと、
圧電振動子1aの超音波送受信面側に生体との音響的な
整合をとるために設けられた一層あるいは二層の音響整
合層2aと、この音響整合層2aの上部に設けられ、超
音波を圧電振動子1aの配列方向と直交する面内(短軸
方向)で集束させるための音響レンズ3aと、圧電振動
子1aの背面に設けられた背面吸音材4aとを有し、ま
た、圧電振動子1aの両面には焼付け等によって電極
(図示省略)が形成されており、この電極に対し引出し
線5が接続されて構成されている。
【0003】ここで、音響レンズ5aとしては従来よ
り、生体とほぼ音響インピーダンスが等しく、かつ生体
より音速が遅いシリコンゴムを断面形状で中央部が凸状
に、すなわち蒲鉾状にしたものが良く用いられている。
また、他の方法として、生体より音速が速く、かつ生体
と音響インピーダンスがほぼ等しく、伝播損失の少ない
材料、例えば、ポリメチルペンテン(Polymethyle pente
ne)を用い、断面形状で中央部が凹状に形成したものも
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような音響レン
ズにおいて、前者は材質がシリコンゴムであるので伝播
損失はやや大きいが、中央部が凸状であるので被検体の
体表に密着し易く、また後者は中央部が凹状であるので
被検体の体表に密着させ難いが、伝播損失は小さいとい
う長所と短所を併せ持つものであった。なお、後者にお
いて、被検体の体表と音響レンズとの密着性の改善は脱
気水等を探触子前面に封止して成る音響カプラーを介す
ことで対応は可能である。
【0005】一方、近年超音波診断装置では、使用する
超音波の周波数が例えば5MHz以上への高周波化が要
望されている。実際に5MHz以上の超音波探触子は市
販されてはいるが、感度が低く、3.5MHz 以下のも
のと比較した場合良好な画像が得られず音響レンズでの
超音波伝播損失をいかにして小さくするかが感度向上の
ための課題となっている。超音波の伝播損失の点ではシ
リコンゴムは、その係数が6〜14dB/cm・MHzで
あり、高周波化に対しては不向きな材質である。
【0006】本発明は、上記に鑑みて成されたもので、
被検体への密着性に優れ、かつ高周波の超音波の伝播損
失も少ない、すなわち高感度の超音波探触子を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、少なくとも背面吸音材と圧電振動子と音響
整合層との積層体を備えた超音波探触子において、超音
波送受信面を凹面形状とするとともに、その凹面形状の
超音波送受信面の上に材質がエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂より成り中央部が凸状の超音波伝播体を設けたも
のである。そしてまた、本発明は前記超音波伝播体を外
方に凸状に形成することにより前記目的を達成するもの
である。
【0008】
【作用】背面吸音材と圧電振動子と音響整合層とを少な
くとも積層して成る積層体の超音波送受信面を凹面状に
形成し、その凹面形状部へエチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂の中央部が凸状をした超音波伝播体を設けると、エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂は音速が生体とほぼ同じ
であるため、探触子を生体へ当接したときに、超音波送
受信部の凹面の空間は生体組織で埋まったことと等価で
あり、また、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は高周波
超音波においても損失が小さいので、探触子の高感度化
が計れる。
【0009】また、超音波伝播体を中央部で外方に凸形
状とすることにより、探触子と生体との密着性が向上す
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明の第一の実施例の超音波探触子の超音
波送受信部の構成を示す。図において、1は多数の細長
い棒状の振動子素子を配列して成る超音波振動子で、こ
の例では各素子が配列方向と直交する方向に湾曲して形
成されている。2は音響整合層で、これも圧電振動子1
の湾曲形状に沿って湾曲して形成されている。4は背面
吸音材で振動子の背面側への超音波を吸収減衰させるも
のである。
【0011】ここで本実施例においては、音響整合層2
の上面に音響伝播体6が設けてある。この音響伝播体6
は音響インピーダンスが1.62×103kg/m-2・s
-1で、音速(音の伝播速度)が1708m・s-1と生体
のそれらとほぼ等しく、伝播損失の少ないエチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂を用いて、中央部が両凸に形成され
ている。その中央部の凸形状の一面は前記音響整合層2
の湾曲面と同一形状に形成され、その面が音響整合層2
へ接合されている。なおエチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂は下記の如き化学式で表わされる物質をいう。
【0012】
【化1】
【0013】本実施例では上記説明から理解されるよう
に、従来の探触子に設けられている音響レンズは設けら
れていない。この音響レンズの機能は圧電振動子1の湾
曲形状が果している。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
にて形成された音響伝播体6の果す役割は何かと言う
と、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は生体と音響イン
ピーダンスがほぼ等しく、かつ音速も生体の音速(約1
530m・s-1と言われている。)に近似しているの
で、この性質を利用して被検体の表面へ探触子を密着さ
せ得るようにしているのである。また、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂は損失も少なく、例えば、従来のシリ
コンゴムによる音響レンズによる損失とを比較して見る
と、シリコンゴムの音響レンズの平均厚みを3mm、使用
する超音波周波数を7.5MHz とした場合、送受信で
6mm厚のシリコンゴムを超音波が通るため27〜63d
Bの感度低下をもたらすのに対し、本実施例ではエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂の厚みを6mmとしても損失は
12dB程度となり、大幅な感度向上を計れる。
【0014】次に、図2により本発明の第二の実施例を
説明する。この第二の実施例は第一の実施例と対比する
と、圧電振動子1A及び音響整合層を2A短軸方向に湾
曲させずに直線的にした点、及び音響整合層2Aと音響
伝播体6Aとの間に音響レンズ3Aを設けた点にある。
この音響レンズ3Aは生体よりも音速が速いポリメチル
ペンテンを用いたもので、音速が生体よりも速いために
凹レンズ状に形成されている。そして、この音響レンズ
3Aの上には第一の実施例と同様に、両凸の超音波伝播
体6Aが固着されている。この第二の実施例での損失を
従来のシリコンゴム方式と比較すると、ポリメチルペン
テンの音響レンズ3Aでの損失は約10dB程度に見込
まれ、それに音響伝播媒体6Aの損失を加えてもシリコ
ンゴム方式よりは改善の効果は著しいと言える。
【0015】なお、上記第一の実施例,第二の実施例に
おいて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂にて形成され
る超音波伝播体は、超音波の集束機能を負担していない
ので、形状は任意に設定することができるという効果も
もたらされる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
は、超音波探触子を滅菌処理する際に用いるエチレンオ
キサイドガスをほとんど透過させない性質を有してお
り、従来のシリコンゴムの音響レンズ方式での滅菌処理
が原因の振動子劣化の問題も改善される。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、凹
面形状の超音波送受信面の上にエチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂より成る中央部が凸状の超音波伝播体を設けた
ので、超音波の送受信面は凹面でも被検体の体表と探触
子との密着性は良く、かつ高周波の超音波に対しての損
失が少なくなるので、探触子の感度が向上でき、良好な
超音波像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の超音波探触子の超音波
送受信部の構成を示す図。
【図2】本発明の第二の実施例の超音波探触子の超音波
送受信部の構成を示す図。
【図3】従来の超音波探触子の超音波送受信部の構成を
示す図。
【符号の説明】
1 圧電振動子 1A 圧電振動子 2 音響整合層 2A 音響整合層 3 音響レンズ 3A 音響レンズ 4 背面吸音材 4a 背面吸音材 6 超音波伝播体 6A 超音波伝播体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも背面吸音材と圧電振動子と音響
    整合層との積層体を備えた超音波探触子において、超音
    波送受信面を凹面形状とするとともに、その凹面形状の
    超音波送受信面の上に材質がエチレン−酢酸ビニル共重
    合樹脂より成り中央部が凸状の超音波伝播体を設けたこ
    とを特徴とする超音波探触子。
  2. 【請求項2】前記超音波伝播体は外方に凸状に形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触
    子。
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