JPH0759599B2 - 非接触性細胞表面抗原に特異的な抗体を生産するハイブリド−マを選別する方法 - Google Patents

非接触性細胞表面抗原に特異的な抗体を生産するハイブリド−マを選別する方法

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JPH0759599B2
JPH0759599B2 JP61016959A JP1695986A JPH0759599B2 JP H0759599 B2 JPH0759599 B2 JP H0759599B2 JP 61016959 A JP61016959 A JP 61016959A JP 1695986 A JP1695986 A JP 1695986A JP H0759599 B2 JPH0759599 B2 JP H0759599B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/44Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material not provided for elsewhere, e.g. haptens, metals, DNA, RNA, amino acids

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、表面抗原、特にP−グリコプロテインと命名
された多剤耐性に関連した表面抗原の通常完全無傷細胞
の表面からは接触できないドメイン(ジユリアーノ・ア
ール・エル(Juliano,R.L.)及びリング・ブイ(Ling,
V.)、ビオキミカ・ビオフイジカ・アクタ(Biochem.Bi
ophys.Acta)、455巻、152〜162ページ、1976年)に対
して特異的な抗体を生産するハイブリドーマ(例えば不
滅のクローン)を選別する方法に関する。本発明はま
た、そのようなハイブリドーマ及びそれらが生産するモ
ノクローナル抗体にも関する。
複合化学療法に対する臨床的耐性は、癌のような新生物
疾患の治療の成功に対する主な障害となつている。その
ような臨床的耐性の底にある機作の多くはわかつていな
い。現在患者における耐性の性質及び程度を規定し、そ
れによつて合理的な治療の選択を容易にし、またはより
正確な予測の基礎を与えるような診断薬が存在しない。
多くの研究者は、複合化学療法に対する臨床的耐性の機
作について洞察を得る希望を抱きながら、哺乳動物組織
培養及びイン・ビボ(in vivo)における種々な薬剤に
耐性の腫瘍のモデルを開発した。これらのモデルは、今
日多剤耐性フエノタイプと称する物と定義されるものに
共通の幾つかの特徴を持つ(カートナー・エヌ(Kartne
r,N.)、リオルダン・ジエー・アール(Riordan,J.R.)
及びリング・ブイ(Ling,V.)、サイエンス(Scienc
e)、221巻、1285〜1288ページ、1983年;及びリング・
ブイ、ゲルラツハ・ジエー(Gerlach,J.)及びカートナ
ー・エヌ、ブリースト・カンサー・レス・トリート(Br
east Cancer Res.Treat.)、4巻、89〜94ページ、1984
年)、これらの特徴は(i)関連のない薬剤に対する同
時多剤交差耐性、(ii)包含される薬剤の正味蓄積の減
少、及び170,000の細胞表面成分、P−グリコプロテイ
ンの異例な発現である。異なる細胞系において、他の観
察結果も記録されているが、定性的には、上記の多剤耐
性の特徴のみが研究時の初めの薬剤の選択または哺乳動
物の種の如何にかかわらず首尾一貫して残つた。
P−グリコプロテインの発現と多剤耐性フエノタイプの
発現のきわ立つた関係は、P−グリコプロテインが癌患
者における多剤耐性悪性細胞の検出のための診断指標と
して役立つ可能性を生起する。またP−グリコプロテイ
ンは種々な哺乳動物種に見出されるので、哺乳動物細胞
表面において重要な機能的役割を果しているのであろ
う。しかしながら多剤耐性細胞、または正常細織におけ
るこの役割はまだ分つていない。
本発明の目的は、多才な分析試薬、好ましくは異なる種
のP−グリコプロテインの相同領域を認識するそれとし
て役立つモノクローナル抗体を得ることである。この理
由から、P−グリコプロテインに特異的なモノクローナ
ル抗体を選別するための戦略を策定するに際して、幾つ
かの考慮がなされた。第一に、P−グリコプロテイン
は、その分子の大きさの20〜30%に相当し得る炭水化物
の部分を持つ(リング・ブイ、カートナー・エヌ、スド
ー・テイー(Sudo,T.)、シミノビツチ・エル(Siminov
itch,L.)及びリオルダン・ジエー・アール、カンサー
・トリート・レツプ(Cancer,Treat.Rep.)、67巻、869
〜874ページ、1983年)。ポリペプチド部分の細胞外領
域は、極めて限定されているか、または比較的大きな炭
水化物部分によつて隔離されているように見える。それ
故、おそらくポリペプチド部分とにあるであろうP−グ
リコプロテインの保存されている抗原部位は、細胞表面
からは接触できない可能性がある。第2に他のシステム
において、細胞表面に対する結合性で抗体を選択する
と、しばしば糖複合体の炭水化物抗原決定基に対する抗
体が得られた。そのような抗原決定基は分化及び腫瘍性
トランスフォーメーションにより変化し、また種々の糖
タンパク及び糖脂質に共通である可能性がある。更に、
新生物細胞の不安定な環境の中でそれら炭水化物抗原決
定基分布に起る変化は不明のまま残されている。それ
故、P−グリコプロテインの炭水化物抗原決定基、また
は他のゲリコプロテイン抗原に向けられた抗体は、抗原
部位が付着している遺伝子産物を規定する限られた用途
を持つ。第三に、薬剤感受性細胞にP−グリコプロテイ
ン発現の基礎的水準があるように見えるので、P−グリ
コプロテインは哺乳動物表面の正常成分であろう。P−
グリコプロテインの細胞外領域は、若しそれが自己抗原
として認識されるならば、それへの免疫応答に対する制
御があり得るということになる。第四に、天然タンパク
に対するモノクローナル抗体は、しばしば免疫沈殿及び
イムノブロツテイング(immuno blotting)分析の試薬
として不十分であることが観察されている。このことは
膜成分が分析操作の過程でしばしば変性されることを考
えた場合、特に重要な問題である。免疫沈殿及びイムノ
ブロツテイング分析の利点なしに、抗体が特異性を持つ
ている抗原の同一性を適確に決定することは困難であろ
う。最後に、細胞表面結合を選別の基準としてP−グリ
コプロテインに特異的なモノクロナール抗体を調整する
試みは、これまでの所、一般にP−グリコプロテインに
向けられていることが認められている有用な試薬を作り
出すことに失敗している(オハラ・シー・ジエー(O′
Hara,C.J.)及びプライス・ジー・ビー(Price,G.
B.)、イミユノル・レツト(Immunol,Lett.)、5巻、1
5〜18ページ、1982年及びスギモト・ワイ(Sugimoto,
Y.)、スズキ・エツチ(Suzuki.H.)、タナカ・エヌ(T
anaka,N.)、ビオケミカル・アンド・ビオフイジカル・
リサーチ・コミユニケーシヨンズ(Biochem.Biophys.Re
s.Comm.)、114巻、969〜975ページ、1983年)。
これらの理論的な考慮に基づいて、細胞表面結合分析に
頼ることを避け、またイムノブロツテイング用の有用な
試薬として役立つモノクローナル抗体の選別を保障する
不滅のクローン(今後は、ハイブリドーマとも表現す
る)を選別する方法を計画した。
本発明は、哺乳動物種における多剤耐性と関連のあるP
−グリコプロテイン細胞表面抗原のC末端部分に位置す
る保存領域に特異的であり、 異なる哺乳動物種のP−グリコプロテイン細胞表面抗原
に交差反応性を有するものであり、および、 更に多剤耐性細胞の単離した原形質膜と結合することが
でき、また、生きた細胞と結合することができないこと
が明確なモノクローナル抗体であって、 (1) 多剤耐性を示す腫瘍、組織又は細胞系より誘導
した哺乳動物細胞から得られた変性原形質膜で免疫され
ている哺乳動物から得られた不滅な抗体生産性細胞によ
り誘導されたハイブリドーマを得ること、および (2) 多剤耐性細胞の単離した原形質膜と結合するが
生きた細胞とは結合しない抗体の生産のために、ハイブ
リドーマをスクリーニングすること、 の工程により生産されることを特徴とするモノクローナ
ル抗体を提供する。
本発明はまた、そのようなハイブリドーマまたはモノク
ローナル抗体が本発明の前記の方法で生産される場合、
そのようなモノクローナル抗体自身と同様に抗体、例え
ばそのような細胞表面抗原及び特にP−グリコプロテイ
ンに特異的なモノクローナル抗体を生産するハイブリド
ーマが提供される。
本発明の実施例を図面を参考として記載されているがそ
の内、 第1図は本発明により作つたハイブリドーマのスクリー
ニングに使用したドツトイムノブロツト(dotimmunoblo
t)の例を示しており; 第2図は、図Aは薬剤感受性及び耐性細胞の両方からの
細胞質膜に対する8株のクローニングしたハイブリツド
ーマからの抗体を使用するドツトイムノブロツト及び図
Bは薬剤耐性及び感受性細胞の原形質膜のモノクロナー
ル抗体染色を示しており; 第3図は、精製し、放射性ヨード標識抗体に対する8個
のモノクローナル抗体の直接拮抗結合分析のグラフ解析
を示しており; 第4図は、図Aはモノクローナル抗体を使用する薬剤感
受性及び耐性細胞の原形質膜のウエスタンブロツト(We
stern blot)を、図Bはモノクローナル抗体による薬剤
耐性細胞の間接免疫螢光染色を;また図Cは種々な薬剤
耐性細胞系を使用する間接免疫螢光染色のフローサイト
メトリー(flow cytometry)を示しており;また第5図
は種々なモノクローナル抗体を用いた、P−グリコプロ
テインのペプチド断片を含むpCHP1 lacZの融合産物検
出の試験を示す。
本発明の好ましい方法においては、マウスをドデシル硫
酸ナトリウム(SDS)で可溶化した多剤耐性モルモツト
卵巣(CHO)及び人間の細胞系の原形質膜で免疫した。
ハイブリドーマは、マウスから取つた脾臓細胞を適当な
融合パートナー(下の実施例1を参照)と融合すること
により形成された。ニトロセルロース紙片上(filter
test strips)に固定化した界面活性剤可溶化原形質膜
の種間交差パネルを用いて、選別したモノクローナル抗
体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAG
E)の後のタンパクイムノブロット(ウェスタンブロッ
ト)において示されるように、変性した抗原中の保存さ
れかつ薬剤耐性に特有のエピトープと結合することを確
認した。ニトロセルロース試験紙片を用いるハイブリド
ーマ選別の結果を第1図に示す。予期されたように幾つ
かの種々の特異性が観察され、通常の哺乳動物、CHOま
たは人間の抗原(それぞれ第1図におけるf,e及びcで
ある。)に対するそれが含まれている。より重要なこと
は、耐性細胞系(CHOまたはヒトまたは両方)の膜(第
1図のb、d及びaがそれぞれを表す)に対する特異性
が観察された。大部分の紙片は染色が陰性あるいは弱か
つた。第1図に示した以外の特異性はまれにのみ見ら
れ、一般に真に増殖しない。生育が陽性であつた1,007
個の小室のハイブリドーマ上澄液の一次選別で、薬剤耐
性原形質膜に対して陽性を示す71小室が選出された(人
間のみに対しては19、CHOのみに対しては37または両者
に対しては15であつた)。これら小室の拡張及び二次選
別後、21の強く陽性な小室が残つた(人間のみに対して
は2、CHOのみに対しては5及び両者に対しては14であ
つた。)。多剤耐性膜に対して特異的なハイブリドーマ
を、限定した希釈により、特異的抗体産生クローンを選
別する上記選別法を使用し二回クローニングを行つた。
8個の安定なクローンが最終的に単離された(CHOのみ
に対して3、CHO及び人間の両者に対して5であつ
た。)。特異的抗体分泌ハイブリツドの衷失は、恐らく
その遺伝的不安定性によるのであろう。一次選別の結果
は、恐らく偽陽性が多かったというよりも不安定な特異
的抗体生産ハイブリツドか当初の集団の内に存在したこ
とを反映しているのであろう。すべてのそれ以上の特長
付けは最終の2回クローニングしたハイブリドーマを用
いて達成した。
モノクローナル抗体の特徴付け ハイブリドーマの当初の選別の結果は、種々な抗体によ
り認識される結合部位に幾つかの差異が期待されること
を明らかに示している。例えば8個の最終のクローンの
内3個は薬剤耐性人間細胞の膜に対して親和性を示さな
かつた。これらの相異をより正確に特徴付けるため、ク
ローニングしたハイブリドーマの上澄液を、より大きな
薬剤感受性及び耐性原形質膜のパネルでスクリーニング
を行つた。感受性及び耐性CHO細胞の原形質膜をSDS-PAG
E後イムノブロツトするためにも試験紙片を調整した。
第2図(A及びB)はこれら実験の結果を示している。
第2(A)図においてドツトブロツテイングの結果は、
細胞系のより大きなパネルが八つのモノクローナル抗体
を、得られる染色の型によつて三つの顕著な群(I,II及
びIII)に分類することを可能にしていることを示して
いる。如何なる細胞系についても、いずれかの八個のモ
ノクローナル抗体と共に薬剤感受性細胞膜の顕著な染色
は観察されなかつた。I群のモノクローナル抗体は、試
験したすべての薬剤耐性膜を染色するように見える。II
群のそれらは薬剤耐性CHO及びマウスの膜を染色するか
人間の膜の染色は極めて貧弱である。III群の単一メン
バーは薬剤耐性CHO及び人間の膜を染色したマウスのそ
れはしない。他の小さな相異がまたIII群の内で見い出
される。
モノクローナル抗体で染色される抗原の分子の大きさを
決定するために、薬剤感受性及び薬剤耐性原形質膜のウ
エスタンブロツトをハイブリドーマの上澄液と重層し、
放射能でラベルした第二次抗体を用いて現像した。第2
(B)図に見られるように、すべての抗体は約170,000
ダルトンの主要の薬剤耐性に特異的なバンドを染色し
た。低分子量の薄いバンドもまた、染色されたことが興
味のある所である。これらのバンドは、同一の細胞から
調製した原形質膜標品間で変動するので主要な染色バン
ドのタンパク分解断片であろう。これらの小さいバンド
のいずれも薬剤感受性細胞の膜の中には存在しない。同
様の推定の分解産物が多剤耐性原形質膜のP−グリコプ
ロテインに特異的なポリクローナルウサギ抗血清を使用
した場合において、以前に記述されている(カートナー
・エヌ・リオルドン・ジエー・アール及びリング・ブ
イ、サイエンス(Science)221巻、1285〜1288ページ、
1983年)。界面活性剤可溶化の過程での膜に随伴するプ
ロテアーゼの活性化、またはSDSの存在下における加熱
中のタンパク質の化学的分解は普通の現象である。ナイ
マン(Niman)及びエルダー(Elder)は例えば、ネズミ
レトロウイルスの外膜グルコプロテイン、gp 70の天然
の分解断片を詳細に記述しており、一般の反応図におけ
るこれらの断片をgp 70の抗原部位のマツピングに使用
した〔ナイマン・エツチ・エル(Niman,H.L.)及びエル
ダー・ジエー・エツチ(Elder,J.H.)、モノクローナル
・アンチ−ボデイース・アンド・テイ・セル・プロダク
ツ(Monoclonal Antibodies and T Cell Products(カ
ツツ・デイ・エツチ(Katz,D.H.)編集)23〜51ページ
(シー・アール・シー・プレス(CRC Press)、ボカ・
レートン(Boca Raton)、フロリダ(Florida)、1982
年刊)〕。これに関連して、興味深いことは、単一の原
形質膜調整物を異なるモノクローナル抗体と試験する
と、二つの異なる低分子量バンドの型が見られたことで
ある。第2(B)図はI,II及びIII群の代表的抗体につ
いて得られた型を示している。I群の抗体は一つの型を
示したが、II及びIII群は異なる型を示した。このこと
は天然のタンパク分解的分裂部位はI群エピトープをII
及びIII群エピトープから分けていることを示してい
る。エピトープはP−グリコプロテインポリペプチド内
で反復している可能性もあり、また似てはいるが同一で
はないP−グリコプロテイン一族のメンバー上に存在す
る可能性もあるので、これ以上の情報無しにエピトープ
をより正確にマッピングすることは難しい。
種々の原形質膜のパネルに対するペプチドマツプ及び染
色パターンにおける差異は、三つの異なる抗原部位の存
在を示唆する。八つのモノクローナル抗体の間の差異の
より直接の証拠を与え、それらの結合部位の空間的関係
を決定するために、異なるハイブリドーマによる腹水及
び三つの抗体群の代表的抗体を精製し放射能標識したも
のについて拮抗的結合試験を行つた。典型的拮抗分析結
果を第3図に示す。これらの結果は明らかに、三つの空
間的に異つれエピトープに対する結合に基づいて抗体が
三群(I,II及びIII)に分類できることを示している。
第3図に示す精製し放射能でラベルした抗体に対する八
つのモノクローナル抗体の直接のコンペテイテイブ結合
分析において、標的抗原は96小室板中のニトロセルロー
スの上で固定化したCHRB 30から得た原形質膜小曩であ
つた。第3図における横線は放射能でラベルした抗体に
対する標識していないコンペテイング(competing)抗
体の濃度比の対数目盛である。縦線はコンペテイング抗
体の欠除におけるcpmバウンド(bound)にノーマライズ
(normalized)されたcpmバウンドのパーセント目盛り
である。単一の同時実験の結果が明確に示されている。
I図は、八つの異なるハイブリドーマによつて生産され
る抗体を含む腹水液で希釈する、標識したI群の抗体
(C219)のコンペテイシヨンを示している。II群または
III群の抗体はC219とコンピート(compete)しない。C2
19の自己コンペテイシヨン曲線と関連する他のI群の抗
体のコンペテイシヨン曲線における変化は、恐らく結合
の親和性における差異を反映するものであろう。異なる
アイソタイプ(isotype)の抗体の定量化における誤差
もまた、見かけの変化に寄与しているのであろう。II図
はII群抗体(C32)の他の腹水液に対するコンペテイシ
ヨンを示している。I群及びIII群の抗体はC32とコンピ
ートしない。三つのII群抗体の結合力学は極めて類似し
ているように見える。III図はIII群(C494)の単一の代
表例のためのコンペテイシヨンデータを示している。I
群またはII群の抗体はC494とコンピートしない。試験し
た抗体はC11,0;C26;C32、△;C36、▲;C103、▽、C219、
▼;C494,□;及びC699,■で表す。
P−グリコプロテインの特異的検出 上に提示した証拠は研究されているモノクローナル抗体
が多剤耐性細胞のP−グリコプロテインを結合している
ことを強く示唆しており、しかしこの結論を、以前P−
グリフプロテインを定義するのに使用した細胞系上で抗
体を試験することにより確証する必要はない。ドツトブ
ロツトは薬剤耐性細胞膜の差別的染色を示しているが、
各々の場合同一の抗体が結合していることについては明
らかでない。以前の研究において、一貫した分子量の相
同のP−グリコプロテインが試験をした限りにおいてす
べての多剤耐性の細胞系に発現していることが示された
(カートナー(Kartner)他、サイエンス上を参照;ジ
アバジ・アール(Giavazzi,R.)、カートナー・エヌ、
及びハート・アイ・アール(Hart,I.R.)、カンサー・
ケモテル・フアーマコル(Cancer Chemother,Pharmaco
l.)13巻、145〜147ページ、1984年;カートナー・エ
ヌ、シエールス・エム(Shales,M.)、リオルダン・ジ
エー・アール及びリング・ブイ、カンサー・リサーチ
(Cancer Res.)、43巻、4413〜4419ページ、1983
年)。かくして、一連の原形質膜のウエスタンブロツト
は放射能でラベルしたモノクローナル抗体を用いて染色
された。第4(A)図は、増加したコルヒチン耐性の及
び薬剤感受性復帰変異株のCHO細胞からの一連の原形質
膜の染色の結果を示している(レーンa〜d及びf)。
ダウノルビシン(daunorubicin)耐性CHO細胞系につい
ても試験した(レーンe)。その上コルヒチン(colchi
cine)耐性マウス(レーンh)及びビンブラスチン(vi
nblastine)耐性人間細胞(レーンj)のブロツトを試
験した(薬剤感受性の親細胞である、それぞれレーンg
及びiと比較せよ。)。より長時間露出したブロツト
(レーンk〜n)は、それぞれa,f,g及びiにおける感
受性の親及び復帰変異細胞の膜に薄いバンドが現われて
いる。薬剤感受性細胞における低レベルのP−グリコプ
ロテインの発現はすでに報告されている(Kartner et a
l.,Science、上掲)。様々な種における170kバンドの見
かけの相同性が、リン酸塩または共通な炭水化物エピト
ープが検出されているためであるとするような陳腐な説
明は、レーンoからpのコントロールによつて除外され
ている。多数の哺乳動物種における増加するP−グリコ
プロテイン発現と増加する多剤耐性の関係及び薬剤の選
び方の如何にかかわらず抗原分子の大きさが不変である
ことは、モノクローナル抗体によつて結合された抗原は
以前定義したようなP−グリコプロテインである(カー
トナー外、サイエンス上を参照)ことを確証している。
上述の結果は、ニトロセルロース紙上に固定化した界
面活性剤で可溶化し変性したP−グリコプロテインが研
究をしているモノクローナル抗体によつて検出されるこ
とを示している。診断及び研究のための多くの応用にお
いて重要なことは抗体は抗原部位をそれが無傷の細胞及
び細織内に存在する状態で検出できることである。この
点に関して、無傷の多剤耐性細胞の表面に結合するモノ
クローナル抗体は無いことが、放射能をラベルした抗体
及び間接、免疫螢光染色の両者を用いて見出された。そ
れにもかかわらず、第4(B)図に見られるように、固
定し浸透可能にした細胞を用いた場合、モノクローナル
抗体は耐性CHO及び人間細胞の表面膜をラベルする能力
がある。モノクローナル抗体によつて規定されたエピト
ープは隠れているか、または原形質膜の細胞質面に露出
していることが、この研究から明らかである。未変性の
原形質膜小胞をニトロセルロース上にスポットした場
合、8種の抗体すべてがSDS可溶化膜に対するのと同様
にそれらにも結合しており、このことはタンパク質の変
性が多分エピトープの認識に必須ではないことを示して
いる。それ故、抗体は破壊されまたは内部が現われた膜
小曩の中の比較的自然なP−グリコプロテインの露出し
た細胞質領域に結合すると推定される。第4(C)図
は、フローサイトメトリーを用いて、これらのモノクロ
ーナル抗体による細胞の染色の程度は半定量的に測定す
ることができ、細胞の薬剤耐性の程度と関連付けられる
ことを示している。そのような関係は薬剤耐性細胞にお
ける薬剤耐性の程度と、発現したP−グリコプロテイン
の量の間にも存在する(カートナー等、サイエンス、上
を参照;カートナー外、カンサー・リサーチ、上を参
照、ジアバジ等、カンサー・ケモテル・フアーマコル、
上を参照;リオルダン・ジエー・アール、及びリング・
ブイ、ジヤーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー(J.Biol Chem,)、254巻、12701〜12705ページ、197
9年)。
第4(C)図に示した耐性細胞における螢光強度と薬剤
耐性の程度との間で得られる同様な関係は、P−グリコ
プロテインが特異的に染色される強い確実な証拠であ
る。その上第4図(B及びC)は、これらのモノクロー
ナル抗体が真に細胞及び組織を染色するための試薬とし
て有用であることを示している。間接免疫螢光法におけ
る用途の外に、抗体は正常のイムノパーオキシダーゼ染
色法にも使用される。
P−グリコプロテインの保存された領域における3つの
エピトープの局在 I群モノクローナル抗体、C219を使用して、多剤耐性CH
O細胞系、CHRB 30のλgt11発現ライブラリーから700塩
基対(bp)のcDNAプローブpCHP1を得た(J.R.Riordan,
K.Deuchars,N.Kartner,N.Alon,J.Trent & V.Ling,Natu
re,Vol.316,No.6031,pp.817-819、(1985))。cDNAプ
ローブであるλCHP1は以下のようにして得られた。コル
ヒチンに対し高度に耐性である細胞系、CHRB 30からポ
リ(A)+RNAを常法22,23により単離した。cDNAを作成
し、Huynhらの方法24によりバクテリオファージλgt11
中β−ガラクトシダーゼをコードするlac Z遺伝子中に
クローン化した。ライブラリは1.3×106個の組換体を含
み、65%がcDNAインサートを有していた。スクリーニン
グは放射能標識(〜10μCiμg-1)したモノクローナル
抗体C219で行った。プラークを精製した後、陽性クロー
ンの一つλCHP1が有していた600塩基対ほどのインサー
トをプラスミドpUC913にサブクローン化した。この組換
体pCHP1を以後のハイブリダイゼーション分析に用い
た。Y1089細菌にλgt11またはλCHP1を感染させ、イソ
プロピルβ−D−チオガラクトピラノシドを用いてlacZ
遺伝子産物の誘導を行った12。細菌を短期間超音波処理
して溶菌させ、可溶化し、SDS-PAGEをLaemmli23の方法
で行った。
以前述べたように9ウェスタンブロットはTowbinらの方
26で行った。
文献リスト 9.Kartner,N.,Riordan,J.R.& Ling,V.Science 221,128
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Approaches in Biochemistry(ed.Glover,D.)(IRL,Ox
ford,1984) 25.Laemmli,U.K.Nature 227,680-685(1970) 26.Towbin,H.,Staehelin,T.& Gordon,J.Proc.Natol.Ac
ad.Sci,U.S.A.76,4350-4353(1979) pCHP1の1acZとの融合産物は、C219が結合するエピトー
プを含むと推定される。pCHP1をプローブとするゲノムD
NAのサザンブロットにおいて、耐性と遺伝子の増幅が伴
っているという結果をはじめとする独立した証拠は、cD
NAがP−グリコプロテインの断片、おそらくそのC末端
領域をコードしているという考えを強く支持する。多く
の理由から、異なるエピトープを認識する抗体が同一の
1acZ融合産物と結合するか否かを知ることは興味のある
ことである。第一にpCHP1コードするポリペプチド上に
1つ以上のエピトープが存在すれば、cDNAが真にP−グ
リコプロテインの断片をコードしているという極めて強
い確実な証拠を提供する。1つのP−グリコプロテイン
特異的モノクローナル抗体が非P−グリコプロテイン抗
原と結合する可能性はあるが、独立のエピトープに結合
する1つ以上の抗体が同じ非P−グリコプロテインに結
合することはありえない。第二に、pCHP1によりコード
されているようなペプチド断片は、1acZ融合産物と結合
するモノクローナル抗体群のサブグループを決めるため
の試薬として役立つ。最後に結合データから種々のエピ
トープの位置を大体決めることができ、P−グリコプロ
テインの構造に何らかの洞察を与える可能性もある。第
5(A)図において、対照のλgt-11感染細菌及びpCHP1
感染細菌の溶解液をSDS-PAGEで分析した。対照の溶解液
(レーンA)には、濃いβ−ガラクトシダーゼのバンド
がみられる。pCHP1の溶解液においてはこのバンドは消
失し、主要な1acZ融合バンドが約145,000ダルトンにみ
られる。このバンドは、pCHP1挿入物の大部分またはす
べてが、読み取り枠をコードしている場合の大きさにほ
ぼ等しい。主要な1acZ融合バンドより幾分小さい分子量
の多数の新しいバンドも見られる。これらはおそらく1a
cZ融合産物のタンパク分解断片と推定される。pCHP1の1
acZの融合産物のウェスタンブロットで、三群それぞれ
のモノクローナル抗体でプローブした結果を示してい
る。三つのエピトープ全部が同じポリペプチド断片中に
検出される。IおよびII群の抗体は主要な1acZ融合産物
バンドのみを染色するのに対して、III群抗体は多くの
低分子量断片も同様に染色するようにみえる。低分子量
バンドはすべてβ−ガラクトシダーゼよりも大きく、挿
入されたペプチドはβ−ガラクトシダーゼのC末端につ
ながっているので、大まかなエピトープのマッピングを
することができる。タンパク質分解断片と推定されるも
のの染色から、III群エピトープはpCHP1がコードするペ
プチドのC末端からは離れたところにあることが示唆さ
れる。I群及びII群の抗体で染色されるバンドは最大の
ものだけであるので、これらのエピトープはペプチドの
C末端の近くにクラスターとなっているようである。pC
HP1溶解液及びλgt溶解液のドットブロットから、八つ
のモノクローナル抗体全部が1acZ融合産物と結合するこ
とが明きらかである。これは、pCHP1がP−グリコプロ
テインポリペプチドの20%以下しかコードしていないで
あろうことを考えると驚くべきことである。1acZ融合産
物中の三つの独立したエピトープの存在は明らかにpCHP
1がP−グリコプロテインをコードしていることを示し
ている。更にこれからpCHP1のC末端領域に免疫原的で
かつ保存された領域が存在することが示唆される。
要約すると、多剤耐性に関連する保存された抗原をSDS
変性およびニトロセルロース上に固定したのち、それに
結合するモノクローナル抗体を選別する戦略をたてて行
った。本研究において用いられたハイブリドーマ選別の
方法は、広く細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体
を生産するのに有用な技術である。この方法は強力なウ
ェスタンブロッティング法で抗原を同定するのに有用な
試薬を提供する。更に、細胞表面結合分析に伴うかも知
れない問題を回避でき、ハイブリドーマ選別の方法の1
つを提供する。この方法はまた、膜抗原の細胞質にある
領域に対する抗原を作る手段を提供する。これらの領域
は、細胞の細胞質と機能的に関係しているため非常に関
心がもたれているが、詳細なことはまだよくわかってい
ないところである。
多剤耐性細胞の原形質膜に特異的に結合するモノクロー
ナル抗体の生産において、八つの異なる抗体が得られ
た。八つの抗体すべては同じ抗原、P−グリコプロテイ
ンに対して特異的に結合し、P−グリコプロテインの発
現が、多剤耐性細胞表面の主要な変化であるという考え
を支持することは意味のあることである。その上、八つ
の抗体の各々は長さで240個のアミノ酸以下の領域に限
定されている三つの明瞭なエピトープの一つと結合す
る。この領域は、見かけ上原形質膜の細胞質表面上の
み、また恐らくP−グリコプロテインポリペプチドのC
末端領域において接触的である。三つの独立した抗原部
位がこの領域にクラスターとなつているのは興味あるこ
とである。このことは領域が大部分のタンパク質によ
り、比較的免疫原的であることを示唆する。恐らくこの
部分は親水性領域を表し、他の部分は比較的疏水性タン
パク質なのであろう。あるいは最近、ポリペプチドの中
で構造的に流動的である領域は免疫原性が高いことが示
唆されている。それ故ポリペプチドの末端は相対的に抗
原性領域であることが多い。また、P−グリコプロテイ
ンの細胞外領域を結合している、抗体は得られていない
ことは興味のあることである。特に、炭水化物部分は界
面活性剤可溶化により影響されず他のグリコプロテイン
にとつては、この部分はしばしば高い割合で抗原部位と
見なされている。この観察に対する一つの説明は、P−
グリコプロテインの炭水化物抗原決定基は、薬剤感受性
及び薬剤耐性の両方の細胞に存在する他の糖複合体に共
通であり、分別スクリーニングで検出されないというも
のである。あるいは、P−グリコプロテインの細胞外部
分がもし構造的に哺乳動物種間で保存されているならば
自己抗原として認識されてしまうという説明もできる。
P−グリコプロテインの細胞質領域に限定されている、
エピトープは、種々の哺乳動物種に等しく代表されてい
るように見えない。記載されたエピトープの一つ(I
群)は齧歯類及び人間のP−グリコプロテインに、よく
等しく検出され、それ故、高度に保存されているように
見える。II群エピトープは、ハムスター、マウス中には
より少く、人間P−グリコプロテイン中に極めて、わず
か検出されている。この観察はタンパク質のこの領域に
おける構造的相異に関連した種を反映している。一方、
III群のエピトープはハムスター及びより少なく人間の
P−グリコプロテインに検出されるが、マウスでは極め
て僅かである。このエピトープはP−グリコプロテイン
構造のより変動する領域を表わすことができる。P−グ
リコプロテイン多遺伝子族の異なる一員が種々な細胞系
中で発現されるという別な説明も可能である。この可能
性は、通常の親のラインから選別される多剤耐性細胞の
交差耐性の型における変動の可能性のある機作として以
前に提出された。選択された個別の薬剤、及び恐らく親
の細胞系の性質は、特別な遺伝子の増幅及び過剰発現ま
たは遺伝子の特別な組合せに影響するであろう。最近P
−グリコプロテインに特異的なcDNAプローブ(pCHP1
によるゲノムDNAのサウザンブロツト分析により、P−
グリコプロテインの多遺伝子族を支持する強い証拠が提
出された。
本研究に記載された抗体は、人間の癌におけるP−グリ
コプロテインの評価、及び多剤耐性フエノタイプの分子
生物学の説明に利用できる最初の分子プローブである。
治療に耐性の疾患の診断のためのモノクローナル抗体の
臨床適用は本発明の明白な利用である。癌におけるP−
グリコプロテインの上昇した水準の早期検出により通常
の化学療法から離れて多剤耐性フエノタイプの裏をかく
新規な治療の適用を指示することができる。化学療法に
失敗したある卵巣腫瘍の患者におけるP−グリコプロテ
インの上昇した量の予備的な発見は、この目的のための
本発明のモノクローナル抗体の利用を示すものである。
その上、この試薬は、実験系及び正常な哺乳動物組織中
のP−グリコプロテインの高感度且つ特異的検出に有用
であろう。この物は薬剤耐性細胞におけるP−グリコプ
ロテインの生合成及び機能的役割の研究を許すであろ
う。そのような研究は哺乳動物細胞表面における構造及
び機能に関する洞察を与え、また現在対応の無い新生物
疾患の化学療法の改良に導かれ得る理論的基礎を確立す
るであろう。
実施例1 12週令の(BALB/c×C3H)F1マウスをCHRB 30及びCEM/VL
B500細胞系からリオルダン及びリング(リオルダン・ジ
エー・アール及びリング・ブイ・ジエー、ジヤーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー、254巻、12701〜
12705ページ、1979年)の方法により単離し精製した原
形質膜を注射することにより免疫した。膜タンパクをロ
ーリー(Lowry)らの方法(ローリー・オー・エツチ(L
owry,O.H.)、ローズブロー・エヌ・ジエー(Rosebroug
h,N.J.)、フアー・エー・エル(Farr,A.L.)及びラン
ダル・アール・ジエー(Randall,R.J.)、ジヤーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー、193巻、265〜27
5ページ、1951年)の変法(ピーターソン・ジー・エル
(Peterson,G.L.)アナリテイカル・バイオケミストリ
ー(Anal.Biochem.)、83巻346〜356ページ、1977年)
により分析した。膜をSDS-PAGE用の2%SDS含有緩衝液
中でタンパク質:SDS比を1:1.4にして可溶化し、フロイ
ンド(Freund)の不完全アジユバントと共に1:1で乳化
した。200μgのCHRB 30の膜を腹腔内投与する最初の注
射に続いて14日後に二回目の同じ注射を行う。14ケ月後
マウスに各々100μgのCHR 30及びCEM/VLB500原形質膜
の混合物を注射した。この実験系において、同じ注射を
最初の注射から14日後及び21日後に行つた。更に21日目
に各々100μgのCHRB 30及びCEM/VLB500の超音波処理を
した原形質膜小曩を含む混合物を静脈注射した。26日目
に脾臓を無菌的に除去し脾細胞をSP2/0−Ag14融合パー
トナーと3:1で融合した。(シユルマン・エム(Shulma
n,M.)、ウイルデ・シー・デイー(Wilde,C.D.)及びコ
ーラー・ジー(Kohler,G.)、ネーチヤー(Nature)、2
76巻、269〜270ページ、1978年)、細胞を100μMピポ
キサンチン、0.5μMアミノプテリン、30μMチミジ
ン、2mML−グルタミン、50μM2−メルカプトエタノール
及び15%ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地中、小室当
り105ミエローマ細胞で96−小室平板中で培養した。小
室の約1/4がコンフルエントになつた時(典型的には10
〜14日後50〜80%)それらについて、特異抗体生産性ハ
イブリツドの選別を行つた。1μlのSDS可溶化原形質
膜(SDS-PAGE用に調整)を1mg/mlの濃度で5mm×25mmニ
トロセルロース片にスポツトして試験紙片を調整した
(第1図、A図参照)。乾燥したドツトブロツトを3%
ウシ血清アルブミン(BSA)/食塩水中で37°で一時間
ブロツクし、BSA/食塩水で1:10に希釈したハイブリドー
マ上澄液を含む試験管に入れた。4°で一晩保持した
後、紙片をPBSで数回替えながら洗浄し、125Iでラベル
したIgGヤギ抗マウス免疫グロブリン(カツペル(Cappe
l);3%BSA/食塩水中106cpm/ml)と共に25°で6時間展
開した。洗浄乾燥後、試験紙片を堅いプラスチツク板上
に固定し、増感度スクリーンを用い、コダツク(Koda
k)X−AR5フイルム上で−70°で一晩露出した。典型的
には約1000枚の紙片を同時に処理した。有望な小室を増
殖し、限定した希釈で二回クローニングした。陽性クロ
ーンを取り上げるために上のスクリーニング法を繰り返
した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により作つたハイブリドーマのスクリー
ニングに使用したドツトイムノブロツト(dotimmunoblo
t)の例を示す図である。 第2図は、図Aは薬剤感受性及び耐性細胞の両方からの
細胞質膜に対する8株のクローニングしたハイブリドー
マからの抗体を使用するドツトイムノブロツト及び図B
は薬剤耐性及び感受性細胞の原形質膜のモノクローナル
抗体染色を示す図である。 第3図は、精製し、放射性ヨード標識抗体に対する8個
のモノクローナル抗体の直接拮抗結合分析のグラフ解析
を示す図である。 第4図は、図Aはモノクローナル抗体を使用する薬剤感
受性及び耐性細胞の原形質膜のウエスタンブロツト(We
sternblot)を;図Bはモノクローナル抗体による薬剤
耐性細胞の間接免疫螢光染色を;また図Cは種々な薬剤
耐性細胞系を使用する間接免疫螢光染色のフローサイト
メトリー(flowcytometry)を示す図である。 また第5図は種々なモノクローナル抗体とP−グリコプ
ロテインのペプチド断片を含むpCHP1 lac Zの融合産物
の試験を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳動物種の多剤耐性と関連のある細胞表
    面抗原であるP−グリコプロテインのC−末端部分に位
    置する保存領域に特異的に結合するモノクローナル抗体
    であって、異なる哺乳動物種のP−グリコプロテインに
    交差反応性を有し、多剤耐性細胞の単離された原形質膜
    には結合することができるが生細胞には結合することが
    できないことを特徴とするモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】抗体がヒトのP−グリコプロテインのC末
    端部分に位置する保存領域に特異的に結合する、特許請
    求の範囲第1項に記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】抗体がヒトのP−グリコプロテインのC末
    端領域にあるエピトープの1つと結合する特許請求の範
    囲第2項に記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】(1) 多剤耐性を示す腫瘍、組織または
    細胞系に由来する哺乳動物細胞からとって変性させた原
    形質膜で免疫されている哺乳動物から得られた抗体産生
    細胞を不死化してハイブリドーマを得ること、及び (2) 多剤耐性細胞から単離された原形質膜には結合
    するが生細胞には結合しない抗体を生産するハイブリド
    ーマをスクリーニングすること、 の工程により生産されることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】SDS変性原形質膜が好適な哺乳動物の免疫
    に使用される特許請求の範囲第4項記載のモノクローナ
    ル抗体。
  6. 【請求項6】ハイブリドーマにより生産される抗体が、
    固形基質上に固定されたP−グリコプロテインに特異的
    に結合するか否かのスクリーニングにより選別される特
    許請求の範囲第4項に記載のモノクローナル抗体。
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