JPH06107695A - 新規ヒト血液細胞関連抗原及びそれを認識する単クローン抗体 - Google Patents

新規ヒト血液細胞関連抗原及びそれを認識する単クローン抗体

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JPH06107695A
JPH06107695A JP4946993A JP4946993A JPH06107695A JP H06107695 A JPH06107695 A JP H06107695A JP 4946993 A JP4946993 A JP 4946993A JP 4946993 A JP4946993 A JP 4946993A JP H06107695 A JPH06107695 A JP H06107695A
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cell
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Teruo Kitani
照夫 木谷
Katsuyuki Aozasa
克之 青笹
Shinichi Tagawa
進一 田川
Masaru Shibano
賢 柴野
Masao Mizuki
満佐央 水木
Masashi Matsui
雅司 松井
Toshihiro Nakanishi
俊博 中西
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Suntory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ナチュラルキラー活性を有する顆粒大リンパ球
性白血病細胞を抗原として感作された動物の脾臓細胞と
骨髄腫由来の細胞とを融合してつくられるハイブリドー
マ細胞ラインを培養して得られることを特徴とする新規
単クローン抗体および該抗体によって認識されるヒト血
液細胞関連抗原。 【効果】本発明の単クローン抗体は、LGL白血病およ
び赤芽球癆の診断・治療を確実に行うことができ、さら
にパラフィン包埋組織切片中の抗原も検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト血液細胞関連抗原
および該抗原を認識し、血液関連疾患の診断、治療に利
用できる有用な単クローン抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】末梢血白血球分画中にあるリンパ球で細
胞質/核比が大きく細胞質の中にアズール顆粒を多く含
む顆粒大リンパ球(large granular l
ymphocyte:以下LGLと略す)はナチュラル
・キラー(natural killer:以下NKと
略す)活性および抗体依存性細胞障害活性(antib
ody−dependent cell−mediat
ed cytotoxicity)を有し、ウィルス・
バクテリア・真菌感染に対する防御に働く抗腫瘍免疫監
視機構の主要担当細胞である。ナチュラル・キラー活性
は、特定の抗原で感作されなくても動物種を超えて広範
な腫瘍性標的細胞、なかんづくリンパ腫細胞を殺すこと
ができること、主要組織適合遺伝子複合体(major
histocompatibility compl
ex,MHC)の制約を受けないことが特徴であり、古
典的な細胞障害性T−細胞が有するキラー活性とは明ら
かに異なるとされている。LGLは以上の活性以外に
は、赤血球造血の母細胞たる赤芽球系幹細胞の増殖を抑
制し生体内における赤血球数を一定に保持するのに一役
かっている。
【0003】ところで、T細胞性慢性白血病(T−ch
ronic lymphocytic leukemi
a,T−CLL)患者の末梢血中にこのLGLの形態を
有するものがあることが1975年頃より知られるよう
になってきた。さらに症例を重ねるにつれ、この白血病
の末梢血中の白血球画分は種々のLGLの特徴を備えて
いることが明らかとなり、LGL白血病と呼ばれるよう
になった(田川他、総合臨床33,1311−131
3,1984)。
【0004】一方、赤芽球癆(Pure red ce
ll aplacia:以下PRCAと略すことがあ
る)は、極めて強い貧血を来す疾患で、通常の貧血とは
異なり、現在の医学ではいかなる治療でも改善がみられ
ることは稀で、頻回の輸血以外に有効な治療法がない難
病である。この患者の末梢血の白血球画分中にはLGL
のみが残存していることが特徴であり、次に述べるよう
にこれらの残存LGL細胞が疾患に関与しているらし
い。
【0005】即ち、赤芽球癆患者は骨髄中にも赤芽球が
完全に消失しており、赤芽球コロニーの形成が非常に悪
い。(なお、赤芽球は赤血球へ分化する母細胞であり、
赤血球の生育をみる方法としては、現在赤芽球コロニー
法と呼ばれる方法が一般に用いられている)。ところ
が、この骨髄中からLGLを除去すると赤芽球コロニー
の形成が正常になるところから、上記末梢血中の残存L
GLが病気の原因となっていることが推定されている。
【0006】このLGLはヒト血液細胞関連抗原のうち
CD16(CD番号については後述する)が陽性である
ことが知られている。さらにLGL分画自体は、さらに
多様な表面抗原及び細胞機能を有する亜分画からなりた
っているが、これら健常人の末梢血中の約15%をも占
めるCD16陽性分画がすべて赤芽球系コロニーの抑制
作用を有しているか否かは不明であり、この抑制に特異
的なLGL分画を識別可能な新抗原が探し求められてい
る。今日、細胞分画の解析にはセルソーターなどの細胞
分離装置が利用されるが、それを使用するにしても亜分
画を構成する細胞を有効に識別できる抗体が必要とな
る。
【0007】抗体の品揃えはがんの診断法の進歩にも重
要である。今日、種々のがんの補助診断法が考案され、
それに対応する機器の開発の進歩が著しいが、依然とし
て組織診断が最も確定的な診断方法である。病理組織は
凍結検体が大量に使用可能であれば種々の抗体による染
分けが可能であるが、通常大量の凍結検体は得られな
い。病理組織は通常ホルマリン等で固定した後パラフィ
ン中に包埋され、薄層切片に切りとられ、種々の染色法
で染色される。特定の抗体が使用できれば、対応する抗
原をマーカーとして特定の細胞の存在・分布を調べるこ
とにより、より正しい診断が可能であるが、パラフィン
切片を染色できる抗体はごく少数のものしかない。その
意味から、臨床における診断の確実性の向上のために、
パラフィン包埋した組織を組織染色できるさらに多くの
抗体の提供が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】細胞分類の方法のひと
つに単クローン抗体を用いた膜表面抗原の検索法があ
る。ヒト血液細胞関連抗原として数多くの抗原が知られ
ており、それらはWHOのワークショップの認定に従っ
てCD(cluster of differenti
ation)名として統合されている。現在まで国際規
準に従って80近いCD番号が登録されているが、現在
までに登録されたCD番号のみですべての血液関連の疾
患を説明することは可能ではない。特にLGL白血病細
胞については、CD16、CD56、CD57等の種々
の抗原が発現しているとの報告があり、更に新しい抗原
が見出されれば、LGL白血病および赤芽球癆の診断・
治療を確実に行うことができると期待される。
【0009】かつ赤芽球癆では今まで、その末梢血リン
パ球に特異的な抗原が見出されていないので、そのよう
な抗原が見出されれば診断はもとより原因究明および治
療に極めて有用な手段となると期待される。
【0010】また、現状では未固定の生きている血液細
胞の表面にある血液細胞関連抗原(一般にはCD抗原と
して定義されている)と反応する抗体は種々作製されて
おり、これらを用いて凍結切片を染色することは可能で
ある。しかしながら、ホルマリン固定後のパラフィン切
片と反応する抗体は少数である。一方、保存されている
検体については、パラフィン包埋されたものが大部分を
占める。現在市販されておりパラフィン切片の染色に利
用可能な単クローン抗体は、Bリンパ球細胞を染色する
MB−1、Tリンパ球細胞を染めるUCHL−1、抗C
D−3抗体に限られている。さらに詳しく説明すればM
B−1抗体はCD45RA抗原と反応し、分離した未固
定のリンパ球では、T、B、Null細胞上の抗原と結
合するが、ホルマリン標本ではB細胞だけを染める。U
CHL−1は未固定のリンパ球ではCD45RO抗原と
反応し、ホルマリン標本ではT細胞を染める。また抗C
D−3抗体のホルマリン標本に対する染色性はあまり良
くない。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の諸問題を解決する
ため、本発明者らはNK活性を有するCD16陽性LG
L白血病でありかつ赤芽球癆を併発している患者の白血
病細胞(以下NK−LGL細胞と略す、細胞の特性につ
いてはBlood,68,846,1986;Bloo
d,71,1161,1988に記載されている)に着
目し、この細胞に対する単クローン抗体(mAb)を、
KohlerとMilstein(Nature,25
,495−497,1975)による単クローン抗体
の取得方法にしたがって作製した。
【0012】正常末梢血中のLGL細胞ではなくNK−
LGL細胞を原料とした理由は、KohlerとMil
steinの方法は、特定の抗原を精製せずに細胞表面
に表出している未知の抗原に対する抗体を作製するのに
有益な方法であるとは言え、正常末梢血中のLGL細胞
は均一ではなく特定の抗原を有する細胞のみを大量に調
製するのは困難である。これに比し、がん細胞や白血病
細胞は個々の症例のがん細胞、白血病細胞について言え
ばある単一細胞が単クローン性に増加している。したが
って、ある特定の生物活性を有する抗原を認識する単ク
ローン抗体の作製を意図した場合に、その生物活性を有
している白血病細胞を用いれば、抗原精製の過程を経る
ことなく作製できる利点がある。さらに生物活性がある
ことは判明しているが、いかなる抗原がその活性を発現
しているのか不明の場合には、この方法が唯一無二の方
法でもある。上記の理由を勘案して、白血病細胞自体を
抗原として用いることにした。即ち、KohlerとM
ilsteinによって開発された単クローン抗体の作
製には必ずしも抗原の純度はあげる必要はないが抗原が
存在していれば何でもよいという訳ではない。まず第一
条件としてその抗原が生体内で異物として十分に認識さ
れ得るだけの抗原性および/または抗原量(質と量)が
必要である。mAb LH4926抗原はNK−LGL
細胞のみに特異的ではないが、NK−LGLには特に豊
富に存在した結果本抗体を作製し得たと考えられる。
【0013】さらに、生じた多数のクローンから本発明
の抗体をスクリーニングする段階で、ヒト結腸がん細胞
・肺がん細胞・メラノーマ細胞を用いてこれらに反応す
るクローンを除外した。さらにT−LGL白血病細胞
(NK活性は陰性であるが、その他の既存の共通抗原C
D3・CD4・CD8を表面上にもつ細胞:以下T−L
GLと略す)を用い、これらと反応しないクローンを選
別したのち免疫沈降法・結合阻害試験・二重染色法など
の免疫学実験法を実施し、既存の抗原との異同を明らか
にし本発明の抗体を完成させるにいたった。T−LGL
細胞をスクリーニングに用いたことは重要である。この
方法により既存の抗原と反応する抗体を有効に除外し得
た。
【0014】本発明の単クローン抗体を産生するハイブ
リドーマの一つはhybridoma LH4926
SBM325と命名されて、工業技術院微生物工業技術
研究所に1992年2月25日付けで、ブダペスト条約
の条件下に微工研条寄第3767号(FERM BP−
3767)として寄託された。mAb LH4926
は、NK−LGL画分に対して極めて強い反応を示す
が、さらに、骨髄/マクロファージ系細胞株U937
(99.7%)、HL−60(8.5%)、THP−1
(6.1%)、エプシュタイン・バー・ウイルス陰性バ
ーキット細胞株BM2B(30.1%)とも反応する。
さらに健常者末梢血中のリンパ球30%、T細胞(1
8.9%)、B細胞82.5%、CD56陽性細胞5
9.0%、CD16陽性細胞(72.2%)とも反応す
る。
【0015】本発明の単クローン抗体(例えばmAb
LH4926)および本発明の抗体が認識する抗原(以
下、LH4926抗原と呼ぶ)は、次の事実より新規で
ある。LH4926抗原は、mAb LH4926を用
いた免疫沈降法によりNK−LGL分画およびマクロフ
ァージ系細胞株U−937から単離され、還元状態で分
子量220kDa,180kDaに泳動される。これと
類似の分子量をもつ既存の抗原としては、CD45(分
子量220,205,190,180kDa)およびC
D56(分子量220,135kDa)が知られてい
る。しかしCD45抗原については、公知の抗CD45
抗体、例えばmAb UCHL−1によって認識される
抗原が、mAb LH4926によって認識されないこ
と、およびCD56抗原については、その健常者末梢リ
ンパ球との反応性が、mAb LH4926の過剰な存
在により影響を受けないことから除外し得た。よってL
H4926抗原は新規抗原であると判断される。
【0016】本発明の抗体は血液関連細胞の型分類を一
層細分化することが期待できる。
【0017】例えば、末梢血リンパ球中のLGL細胞の
種々の亜分画を分類するために、本発明の抗体をLGL
細胞を認識する他の種々の抗体(例えば抗CD16、抗
CD56、抗CD57)と組み合わせて用い、容易にL
H4926抗原をもつ細胞と他細胞とを区別することが
可能である。これらの分類で得られた知見をLGL白血
病の型分類に応用すれば的確な治療方針のたて方も可能
となり得る。
【0018】また、本発明の抗体は赤芽球癆の患者末梢
血リンパ球に特異的に反応することから、赤芽球癆の診
断に大いに貢献すると期待される。
【0019】さらに、本発明の抗体の利用としては、螢
光強度を利用した細胞識別・分画装置への応用、本発明
の抗体が認識する抗原を表現している特定血液細胞画分
の除去、また逆にそのような細胞を特異的に補集する目
的に応用可能である。
【0020】さらに、本発明の抗体は、ホルマリン等で
固定した後パラフィン中に包埋した切片中の抗原を識別
することができる。したがって、本発明の抗体を用い、
がん患者組織のパラフィン切片を染色して浸潤している
リンパ球を同定することができ、がんの診断がより簡便
にかつ適切になされるため、正しい治療方法に結びつけ
ることが可能である。パラフィン切片標本の保存は簡便
なために、多くの病院・研究所にも非常に大きなストッ
クがある。したがって、本発明の抗体を用いれば、国や
場所によらず、さらに過去にさかのぼってもがんの正し
い診断が可能である。本発明の抗体でパラフィン包埋組
織切片中の抗原を検出するには、例えば酵素抗体法を用
いることができる。すなわち、本発明の抗体を一次抗体
としてホルマリン固定後のパラフィン切片に反応させ、
次に本発明の抗体を抗原として認識する適切な二次抗
体、例えば酵素標識ヒツジ抗マウス抗体を反応させ、そ
の酵素に対する基質を用いて一次抗体の局在を判定する
ことができる。
【0021】一次抗体及び二次抗体を溶解または希釈す
る緩衝液としては、常法に従って、例えばリン酸緩衝
液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液等を用いることができ
る。
【0022】二次抗体の検出・測定は任意の常法に従っ
て行うことができる。二次抗体自体を例えば放射性核
種、蛍光物質、酵素等により標識しておき、直接または
間接的に検出・測定することが可能である。また、二次
抗体に対して特異的な三次抗体を用い、この三次抗体を
種々の方法により標識して検出・測定してもよい。
【0023】三次抗体としては、二次抗体の調製に用い
た動物の種と異なる種の動物の抗体であって、二次抗体
の調製に用いた動物種の免疫グロブリンに対するもの又
はその断片が用いられる。例えば、二次抗体がウサギを
用いて調製された場合、三次抗体としてウサギ免疫グロ
ブリンに対するヤギの抗体を用いることがてきる。
【0024】二次または三次抗体を標識するため、常用
の標識物質、例えば放射性核種、例えば125I、 3H、14
C;蛍光物質、例えばフルオレッセインイソチオシアネ
ート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド;酵
素、例えば西洋ワサビパーオキシダーゼ、アルカリホス
ファターゼ、ウレアーゼ等を用いることができる。酵素
の検出には、その酵素に対応する基質、好ましくは発色
性の酵素基質が用いられ、例えば酵素としてパーオキシ
ダーゼが用いられる場合、その基質として過酸化水素、
発色試薬として、例えばオルソフェニレンジアミン、
3,3' ,5,5'−テトラメチルベンジジン等が用い
られる。
【0025】本発明は組織のパラフィン包埋切片中の白
血病細胞抗原の検出用キットをも提供し、このキットは
少なくとも本発明の単クローン抗体を含んで成る。単ク
ローン抗体は溶液状又は凍結乾燥品でもよく、あるいは
固体担体に固定されたものでもよい。キットが固体担体
に固定されたモノクローナル抗体を含む場合、この固体
担体は好ましくはブロッキング剤により処理された後の
ものである。
【0026】測定キットはさらに、第二の要素として二
次抗体、場合によっては三次抗体を含むことができる。
また、第三の要素として反応の有無を検出する試薬を含
むことができる。この場合の二次抗体または三次抗体の
標識が酵素である場合は、該酵素の基質を含む発色試薬
をキットに含めることもできる。しかしながら、酵素標
識された抗体及び対応する発色試薬等の検出試薬は市販
品を使用することもでき、本発明のキットの必須要素で
はない。
【0027】本発明の測定キットはまた、任意的要素と
して、各種の試薬希釈用緩衝液、洗浄液等を含むことが
できる。
【0028】本発明の抗体のホルマリン固定後の抗原と
の反応性は、上記抗体中、MB−1と異なる。またUC
HL−1とは異なるエピトープ(抗原決定基)と反応す
る。したがって、組織標本の細分類に大きく貢献するこ
とが期待される。さらには特定の疾病の診断がより的確
になされることも期待される。例えば、白血病の中でも
LGL白血病の形分類への応用が第一に考えられる。
【0029】以下、mAb LH4926を例にして、
本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の抗体はLH
4926抗原を認識する単クローン抗体を全て包含する
ものであり、mAb LH4926のみに限定されるも
のではない。そのような抗体は、本明細書の実施例を追
試することにより、あるいは本発明の抗体を用いてアフ
ィニティークロマトグラフィーで特異抗原を精製しこの
精製抗原を用いて、いずれも当業者の日常的技術で得る
ことが可能であろう。
【0030】
【実施例】実施例1 (A)mAb LH4926の調製 まず、抗原細胞として白血球除去装置により患者静脈よ
り採取した白血病細胞を多く含む末梢血をリン酸塩緩衝
液(phosphate bufferedsalin
e,PBS)で2倍に希釈、1/10〜30量に相当す
る単球除去剤(KAC−2として市販)を添加し一時間
インキュベーション後、浮遊細胞をフィコール溶液(フ
ァルマシア社)に重層し、2000回転、30分間の遠
心処理により中間層に移動するリンパ球を回収した。P
BSにて2回洗浄後、マクロファージ細胞除去のため直
径10cmプラスチックディッシュにまき、2〜3時間
後の浮遊細胞を10%ジメチルスルフォキサイド、50
%ウシ胎児血清添加RPMI1640培地中にて凍結保
存した(5×107/バイアル)。細胞は、用時融解
し、洗浄後感作細胞およびスクリーニング陽性細胞とし
て用いた。感作動物にはBALB/cマウス(6週齢、
雌)を用い、感作細胞(約5×106細胞)を0.2m
lのPBSに懸濁しマウス(BALB/cマウス)の腹
腔内に7〜10日毎に数回(好ましくは3回)注射しマ
ウスを免疫した。最終免疫の3日後該マウスの脾臓の細
胞(脾細胞:抗体産生細胞)1.4×108 個とマウス
ミエローマ細胞(腫瘍細胞)2×107 個とを35%程
度に調整したポリエチレングリコール4000を用いて
融合させ、常法に従いHAT培地(RPMI1640+
10%血清にヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジ
ンを含む培地)による融合細胞(ハイブリドーマ)の選
択的培養した。培養上清についてELISA(enzy
me−linked immunosorbent a
ssay)法を用い標的細胞に対する交叉反応による第
一次スクリーニングを行った。上記のスクリーニングで
陽性(positive)と判定されたハイブリドーマ
を、公知の方法を用いて目的の免疫グロブリンを分泌し
ているハイブリドーマのクローンをひろいあげた。クロ
ーンを徐々にふやし、105 細胞/mlに達した時点で
サブクローニングを行った。ハイブリドーマの単一性を
吟味するため、96穴のマイクロウェルにフィーダーレ
イアー(feeder layer)として正常な脾細
胞をおよそ105 細胞/ウェルまいた上にハイブリドー
マを一穴に1個より多くならないように(一穴平均確立
として0.1個)まき、約1週間培養後生育してくるク
ローンについて再びスクリーニングを行った。このサブ
クローニングをくり返すことにより、単一性のハイブリ
ドーマを得た。単一クローン化されたハイブリドーマの
産生する抗体(mAb)のサブクラスは市販のマウスグ
ロブリン同定キットを用いてIgG1 と同定された。
【0031】次に、本発明の特異的なmAbを製造する
ために、上記で得られたハイブリドーマを動物体内(i
n vivo)で培養した。ハイブリドーマを哺乳動物
の腹腔に摂取し、7〜14日後に腹水を採取し、これよ
りmAbを得た。
【0032】こうして得られた腹水からのmAbの精製
は、protein Aセファロースカラムと公知の方
法を組合わせて行った。抗原の解析は、放射線同位元素
でラベル化された腫瘍細胞の可溶化蛋白との免疫沈降反
応(immuno−precipitation)にひ
きつづいたSDS−ポリアクリルアミド電気泳動(SD
S・PAGE)により行った。
【0033】(B)mAb LH4926の反応特異性 種々ヒトがん細胞(肺がん細胞A549、結腸がん細胞
BM314、ヒトメラノーマ細胞Colo38、ヒト赤
白血病細胞K−562、ヒトB白血病細胞Raji、ヒ
トT白血病細胞Molt−4およびNK−LGL,T−
LGL細胞をパネル細胞としたELISAアッセイを行
った。96穴プレートのウェルあたり105個の細胞
(50μl ,RPMI1640)を加え、10μg /m
lのmAbLH4926(50μl )を添加し、1時間
4℃で反応後、ウシ血清アルブミン(bovine s
erum albumin,BSA)を1 %含むハン
クス緩衝液(Hanks’ balance salt
solution,HBSS)で未吸着の抗体を洗い
出し、次に二次抗体としてペルオキシダーゼ標識ヒツジ
抗マウス抗体(カペル社)を1時間反応させた。HBS
S−PBSにて4回洗浄後o−フェニレンジアミンの発
色をマルチスキャン340(タイターテック社)を用い
405nmの吸光度として測定した。その結果、mAb
LH4926の反応性はNK−LGL細胞に特異的で
あった(図1参照)。
【0034】(C)種々血液関連細胞との反応性 次にLH4926抗原の末梢血血液細胞における局在を
明らかにするため、種々血液関連細胞および末梢血リン
パ球画分をmAb LH4926(10μg /ml)と
4℃,30分間反応させた。二次抗体としてFITC標
識抗マウスIgG特異的ウサギ抗体F(ab)' と4
℃、30分間反応させた。HBSSにて3回洗浄後、
2,500個/μl の懸濁液に調製し、ファクスキャン
(ベクトン・ディキンソン社)にて抗体の結合能を調べ
た。非特異的マウスIgG1抗体を陰性対照とし、それ
より強い螢光強度を有する細胞画分を陽性として、その
割合を%で表した。結果を図2に示す。各種疾患の比較
では、NK−LGL白血病、急性骨髄性白血病(AML
(M3))および赤芽球癆の末梢血リンパ球系細胞に、
LH4926抗原が増加しているが、これに対して、T
−LGL白血病、成人T細胞性白血病(ATL)、慢性
B細胞性白血病(B−CLL)、慢性骨髄性白血病(C
ML)、AML(M5)、急性リンパ球性白血病(AL
L)および鉄欠乏性貧血においてはLH4926抗原は
僅かしか検出されなかった。この結果は本発明の抗体が
診断等に有用であることを裏付けている。
【0035】(D)赤芽球癆患者白血病細胞とmAb
LH4926の反応性 赤芽球癆(PRCA)と診断された患者末梢血単核球
を、HBSSに懸濁(10,000個/mm3)し、前記
(C)と同様の方法にてmAb LH4926と反応さ
せた。結果は図3に示すごとく、PRCA患者末梢血単
核球画分とmAbLH4926の反応(図3中、点線で
表す)は、陰性対照として用いた非感作マウスIgG1
抗体(例えば、MA−9040,コスモバイオ社)の反
応(図3中、実線で示す)に比して明らかに陽性を示し
た。実施した3例中3例ともに同様の結果を示した。
【0036】(E)LH4926抗原の分子量の解析 mAb LH4926の認識する抗原の分子量について
NK−LGL,マクロファージ系株細胞U−937を用
いて解析した。NK−LGLについては標識抗原を用い
た免疫沈降法を実施した。まず、パーオキシダーゼ法に
て細胞の表面蛋白を 125I−Naにて標識した。次に2
%NP−40にて可溶化する画分を集め、抗原として用
いた。一方、10μg /mlのmAb LH4926(5
0μl )はウサギ抗マウス抗体を結合させた20%プロ
テインA−セファロースCL4B(50μl )(ファル
マシア社製)と4℃、30分間反応させた。結合しない
抗体は1%BSAを含むHBSS(HBSS−BSAと
略す)で4回洗浄することにより抗体結合ビーズ(不溶
化抗体)から除去した。次に上記の 125Iで標識された
抗原(1×106 cpm相当、10μl )を加え、60
分間反応後、遠心によるHBSS−BSA洗浄を5回く
り返した。最終的に得られた複合体(ビーズ・抗体・抗
原複合物)を1mM β−メルカプトエタノールを含む
1%SDS緩衝液(100μl )で2分間煮沸後、3%
〜15%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−P
AGE)で展開した。オートラジオグラフィーにより、
抗原分子を調べたことろ、約220kDaに抗原分子の
バンドを認めた(図4,A)。同時にHLA(huma
n leukocyte antigen)クラスIに
対するmAb W6/32(MAS1532c,Ser
a−Lab社)は、45kDa,12kDa抗原を認識
していることから実験手技の安定性が確認できた。
【0037】次にウェスタンブロッティング法を用い
て、マクロファージ系株細胞U−937に存在するLH
4926抗原について検索した。U−937細胞より可
溶化細胞分画を調製し、前述と同様ビーズ結合型mAb
LH4926と反応(4℃,1時間)させた。未反応
の抗原を除去したのち、SDS−PAGE法で抗原の分
子量にしたがって展開し、型のごとくニトロセルロース
膜に転写した。続いて転写後の抗原(SDSにより変性
していると推測される)を再度mAb LH4926と
反応させたのち、 125I−抗マウス抗血清にて単クロー
ン抗体を検出した。結果は図4(B)に示すごとく分子
量約220kDaを主とし、約180kDaの部分にも
抗原分子を認めた。これらの結果からmAb LH49
26は、NK−LGL細胞またはマクロファージ系細胞
株U−937細胞に存在するSDS−PAGE上での見
かけの分子量がそれぞれ約220kDaおよび約180
kDaに移動する分子を認識することがわかった。
【0038】(F)LH4926抗原と既知のCD抗原
との異同の解析 1991年2月までCD(cluster of di
fferentiation)抗原としてCD1aから
CDw78までが登録されている。それらの中で分子量
が220kDaまたは180kDa付近であるものにつ
いては、次の表1に示す抗原があげられる(杉村,Me
dicina,28,1170−1174,1991よ
り抜粋)。
【0039】
【表1】 表1 CD 抗原分子量(kDa) 主な分布 CD15 〜200, 185, 165, 顆粒球 135, 105 CD35 p220 B・単球・顆粒球・赤血球・FDC CD66 180 〜200 顆粒球 CD11a p180 T・B細胞・食細胞・NK・顆粒球 CD45 220, 205, 190, 180 T・B・顆粒球・単球 CD56 220/135 NK・単球・神経外胚葉細胞 以下、各抗原とmAb LH4926の差異について説
明する。 i)CD15抗原:第一に抗原分子量が200kDa近
辺であり220kDaより小さい。また、末梢血白血球
画分における存在についてもCD15抗原は好中球(顆
粒球の分化最終段階であり、顆粒球の代表と考えられ
る)に存在するが、mAb LH4926抗体は好中球
と反応しない(図2参照)ことから区別できる。 ii)CD35抗原:当抗原は赤血球、好中球で陽性で
あるが、mAb LH4926は赤血球、好中球とは反
応しない(図2参照)。 iii)CD66抗原:CD15抗原と同様の理由によ
り区別できる。 iv)CD11a抗原:分子量が180kDa近辺と報
告されており、220kDaを主成分とするmAb L
H4926とは異なる。 v)CD45,CD56抗原:抗原分子量が類似してい
るCD45,CD56抗原との異同については次の実施
例(G)により確認された。
【0040】(G)CD45抗原との異同についての検
討 マクロファージ系株細胞U−937(1×107 細胞)
より2%NP−40可溶化画分を調製(500μl )
し、その一部を過剰量のmAb LH4926結合プロ
テインA−セファロースCL4Bビーズ(不溶化mAb
LH4926)と4℃で1時間反応させ、mAb L
H4926と結合する抗原画分(IIとする,図5中のレ
ーンII)およびLH4926抗原除去抗原画分(IIIと
する,図5中のレーンIII)に分離した。前述の処理を
していない全画分(Iとする,図5中のレーンI,LH4
926抗原およびCD45抗原の両方を含む)および画
分II、画分III各々10μl (2×105 細胞相当)を
SDS−PAGE法で展開した。ゲル中の蛋白を型のご
とく電気的にニトロセルロース膜に転写した(ウェスタ
ン・ブロッティング法)。次に、膜に吸着した蛋白を、
mAb LH4926(図5A)もしくは抗CD45m
Ab(例えば、Hle−1抗体;図5B、両抗体とも1
0μg /mlに調製)と反応させ、 125I標識プロテイン
Aを用いて検出した。
【0041】結果は、図5に示すごとくLH4926抗
原は抗原サンプルI、IIに認められた。一方、CD45
抗原はmAb LH4926抗体にてmAb LH49
26抗原を吸収したサンプルIIIにおいてもIと同様に残
存していた(図中、←CD45で示した)。このことか
らmAb LH4926によって認識される抗原部位は
公知のCD45を認識する抗体、例えばHle−1抗体
によって認識される抗原部位とは異なることが明らかと
なった。なお、図5Aの右端、図5Bの両端には標識分
子量マーカーの一部を追加している。
【0042】(H)CD56抗原との異同についての検
討 第一に、mAb LH4926の作製のための免疫源に
用いたNK−LGL細胞はCD56抗原陰性である。第
二に、次に示す結合阻害実験を実施した。すなわち、健
常人の末梢血リンパ球画分に、過剰のmAb LH49
26(1mg/ml)存在下および非存在下にてFITC標
識抗CD56抗体(leu19,ベクトン・ディキンソ
ン社,10μg /ml)を添加し、4℃で1時間反応させ
た。HBSSで4回洗浄した後、ファクスキャン(ベク
トン・ディキンソン社)にて抗CD56抗体の結合の変
化を調べた。表2に示すごとくmAb LH4926は
抗CD56抗体の結合には影響しなかった。
【0043】
【表2】 表2 各種抗CD抗体の健常人末梢血リンパ球細胞との反応性に及ぼすmAb LH4 926の影響 陽性% 抗原 CD45 CD45RA CD56 抗体 抗Hle−1 抗Leu18 抗Leu19 LH4926a) − 96.9 65.7 19.7 による阻害 + 97.2 66.7 19.2 a)1mg/ml実施例2 NK−LGL白血病患者の剖検時得られた脾臓をホルマ
リン固定後パラフィン切片を作製した。標準的な組織染
色法に従って、一次抗体として本発明のLH−492
6、および対照としてMB−1およびUCHL−1(D
AKOジャパン(株)、M742)と45分間(室温)
反応させ、PBSで洗浄後、二次抗体としてパーオキシ
デース標識ヒツジ抗マウス抗体を反応させた。洗浄後、
基質として0.03%ジアミノベンジジン(0.005
%H22含有Tris−HCl緩衝液pH7.4)を加え
染色した。
【0044】mAb LH−4926は本患者の脾組織
中でも特に赤脾髄に特異的に浸潤する白血病細胞の細胞
膜を染色した(図7A)。MB−1は、脾組織中の白血
病細胞の浸潤している赤脾髄においては殆ど染色され
ず、逆に白血病細胞の浸潤が認められない健常B細胞の
豊富な白脾髄の細胞がよく染まった(図7B)。UCH
L─1は、脾組織中の、極小数の細胞にのみ反応性がみ
られ、赤脾髄の大部分を占める白血細胞とは反応性を示
さなかった(図7C)。これらの結果から、本発明の抗
体mAb LH─4926のパラフィン包埋された組織
における反応特性はMB−1およびUCHL─1抗体と
は異なると結論された。
【0045】参考のため、脾組織中の中心動脈、白脾髄
および赤脾髄の各位置を図6に模式的に示す。
【0046】実施例3 LH−4926抗体の認識する抗原の認識部位(エピト
ープ)とUCHL−1抗体のエピトープの異同について
検討した。まずLH−4926抗体をヒコエリスリン
で、UCHL−1抗体をFITCで直接に標識し、健常
人末梢血リンパ球をこれら2種の抗体と反応させ、フロ
ーサイトメーター(ベクトン・ディッキンソン社、機種
名FACScan)で分析した(二重標識フローサイト
メトリー法)。その結果、リンパ球群はLH−4926
陽性・UCHL─1陰性細胞群(図8A中、左側の細胞
群)と、LH−4926陰性・UCHL─1陽性細胞群
(図8A中、右側の細胞群)に分かれたことから、これ
らの抗体は相互排他的であり、明らかに異なったエピト
ープを認識すると結論された。陰性対照として非感作マ
ウスIgG1抗体(例えばMA−9040,コスモバイ
オ(株))を用いた場合の細胞分布図を図8Bに示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】mAb LH4926の種々がん細胞に対する
反応性のELISA法による検定結果を示す。
【図2】種々血液関連細胞におけるLH4926抗原の
分布を示すグラフである。
【図3】赤芽球癆患者末梢血リンパ球とmAb LH4
926の反応性の結果を示すグラフである。
【図4】mAb LH4926によって認識される可溶
化標識抗原のSDS−PAGE展開像であり、図中
(A)はNK−LGLリンパ球、そして(B)はマクロ
ファージ系細胞株U937についての像である。
【図5】マクロファージ系細胞株U937に存在するL
H4926抗原はCD45抗原とは異なることを示すウ
エスタンブロティングの展開像である。
【図6】脾組織中の中心動脈、赤脾髄および白脾髄の各
部位を説明する図である。
【図7】NK−LGL患者の脾臓をホルマリン固定後パ
ラフィン包埋し、免疫組織染色した結果を示す写真像で
あり、AはLH−4926抗体を用いた場合、BはMB
−1抗体を用いた場合、CはUCHL−1抗体を用いた
場合の結果を示す。
【図8】LH−4926抗体とUCHL−1抗体の認識
するエピトープが異なることを示す健常末梢リンパ球の
二重フローサイトメトリーのチャートであり、Aは標識
した両抗体の特異性の相違を示し、Bは非特異的抗体に
よる細胞分布を示す陰性対照である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/535 8310−2J 33/577 B 9015−2J // C12N 15/06 C12P 21/00 A 8214−4B (C12P 21/00 C12R 1:91) (72)発明者 柴野 賢 大阪府箕面市粟生間谷西2−6−1−206 (72)発明者 水木 満佐央 兵庫県伊丹市柏木町3−20−205 (72)発明者 松井 雅司 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社生物医学研究所内 (72)発明者 中西 俊博 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社生物医学研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナチュラルキラー活性を有する顆粒大リン
    パ球性白血病細胞を抗原として感作された動物の抗体産
    生細胞と腫瘍細胞とを融合してつくられたハイブリドー
    マ細胞ラインLH4926 SBM325(FERM
    BP−3767)を培養して得られる単クローン抗体m
    Ab LH4926によって認識されるヒト血液細胞関
    連抗原。
  2. 【請求項2】分子量が還元状態の電気泳動法にて約22
    0kDaまたは約180kDaのいずれか一方、または
    二成分からなるがmAb UCHL−1によって認識さ
    れるCD45抗原、及びCD56抗原の何れとも異なる
    請求項1記載のヒト血液細胞関連抗原。
  3. 【請求項3】ナチュラルキラー活性を有する顆粒大リン
    パ球性白血病細胞を抗原として感作された動物の抗体産
    生細胞と腫瘍細胞とを融合してつくられるハイブリドー
    マ細胞ラインを培養して得られる単クローン抗体であっ
    て、分子量が還元状態の電気泳動法にて約220kDa
    または約180kDaのいずれか一方、または二成分か
    らなるがmAb UCHL−1によって認識されるCD
    45抗原、及びCD56抗原の何れとも異なるヒト血液
    細胞関連抗原、を認識することを特徴とする単クローン
    抗体。
  4. 【請求項4】請求項1記載の抗原で感作された動物の抗
    体産生細胞と腫瘍細胞とを融合してつくられるハイブリ
    ドーマ細胞ラインを培養して得られる単クローン抗体で
    あって、分子量が還元状態の電気泳動法にて約220k
    Daまたは約180kDaのいずれか一方、または二成
    分からなるがmAb UCHL−1によって認識される
    CD45抗原、及びCD56抗原の何れとも異なるヒト
    血液細胞関連抗原、を認識することを特徴とする単クロ
    ーン抗体。
  5. 【請求項5】認識する抗原が赤芽球癆を惹起するタイプ
    の白血病細胞(赤芽球癆タイプIV)上の抗原である請
    求項3または4記載の単クローン抗体。
  6. 【請求項6】パラフィン包埋した組織切片中の白血病細
    胞抗原と反応し得る請求項3または4記載の単クローン
    抗体。
  7. 【請求項7】白血病細胞抗原と反応し得る請求項6に記
    載の単クローン抗体からなる、組織のパラフィン包埋切
    片中の白血病細胞抗原を検出するためのキット。
  8. 【請求項8】該抗体を認識する第二の抗体であって標識
    されているものをさらに含んでなる請求項7記載のキッ
    ト。
  9. 【請求項9】標識が酵素であり、該酵素の基質および、
    該基質と該酵素との反応を検出するための試薬も含む、
    請求項8記載のキット。
JP4946993A 1992-03-10 1993-03-10 新規ヒト血液細胞関連抗原及びそれを認識する単クローン抗体 Pending JPH06107695A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113777327A (zh) * 2021-09-13 2021-12-10 北京大学人民医院 用于白血病/淋巴瘤免疫分型初筛的抗体组合物及其应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113777327A (zh) * 2021-09-13 2021-12-10 北京大学人民医院 用于白血病/淋巴瘤免疫分型初筛的抗体组合物及其应用
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