JP3313107B2 - ヒトの生物学的流体中のneu関連タンパク質の検出及び定量 - Google Patents
ヒトの生物学的流体中のneu関連タンパク質の検出及び定量Info
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Description
06/871,102号の一部継続出願である1988
年4月18日出願の米国特許出願第07/182,50
1号の一部継続出願である1989年1月13日出願の
米国特許出願第07/297,188号の一部継続出願
である。
p100に結合することが可能なモノクローナル抗体を
使用するヒトの生物学的流体中のp100の検出及び/
又は定量に係る。
ト神経/多形性神経膠芽細胞腫は、マウスNIH 3T
3細胞へのトランスフェクションにより検出可能な腫瘍
遺伝子を有する(Shih et al., Natu
re (London) 290: 261−264
(1981), Schubert et al.,
Nature (London) 249: 224−
227(1974))。この遺伝子はneuと命名され
た(Schechter etal., Nature
(London) 312: 513−516 (1
984))。neu遺伝子は上皮成長因子レセプター
(EGFR)をコードする遺伝子と異なるが、これに関
連することが知見された。トランスフェクトしたNIH
3T3細胞は、他の腫瘍遺伝子により形質転換した場
合には検出されない新規の185000ダルトンの腫瘍
抗原(p185)を示した(Padhyet al.,
Cell 28: 865−871 (198
2))。
離され、ヒトEGFレセプター遺伝子(c−erbB−
1遺伝子としても知られる)との密接な関係に基づいて
c−erbB−2又はHER−2と命名された(Yam
amoto et al.,Nature 319:
230−234 (1986), Coussens
et al., Science 230: 1132
−1139 (1985))。ヒトneuタンパク質は
約190000ダルトンのやや大きい見かけの分子量を
有することが報告されている(Gullick et
al., Int. J.Cancer 40: 24
6−254 (1987))。単離されたラット及びヒ
トクローンのDNA配列に基づき、共直線性であり且つ
EGFレセプターの予想アミノ酸配列に約50%一致す
るneu遺伝子の1260アミノ酸タンパク質産物が予
想される。ヒトEGFR及びc−erbB−2の細胞外
領域の配列相同性のレベルは約43%である。
染色体7のバンドp11−p13に位置するのに対して
染色体17のバンドq21に見いだされるという点にお
いてEGFRと異なる。HER−2/neu遺伝子は、
EGFR遺伝子の5.8−10kb転写産物と異なる
4.8kbのメッセンジャーRNA(mRNA)を生成
する。最後に、HER−2/neu遺伝子によりコード
されるタンパク質は、EGFR遺伝子によりコードされ
る170000ダルトンタンパク質に比較して約185
000〜約190000ダルトンの範囲の分子量を有す
ることが知見された。
物は、約650アミノ酸のシステイン高含有細胞外領域
と、トランスメンブラン領域と、部分的にチロシンキナ
ーゼ領域から構成される約580アミノ酸の細胞内部分
とから構成されるトランスメンブランタンパク質である
と考えられる。
グリコシル化されており、また、無傷の細胞においては
抗血清を容易に受容することができ、これは該タンパク
質がその細胞表面に局在することと一致することが判明
した。p185は従来未同定のリガンドのレセプターで
あると考えられる。
タンパク質のトランスメンブラン領域に生じる単一の点
突然変異はラットneu腫瘍遺伝子の活性化に関与する
が、このような突然変異はヒトneu遺伝子では生じる
ことが認められていない。ヒトneu遺伝子のトランス
メンブラン領域で同一の突然変異を形成するためには2
つの隣接するヌクレオチド変異が必要であるので、この
ような突然変異がヒト相同体で生じることは統計的には
考えられない。しかしながら、ヒト相同体で二重突然変
異が誘導されると、腫瘍遺伝子活性が誘導される。従っ
て、他の点突然変異がヒト相同体を活性化させる可能性
を否定することはできない。
突然変異以外のメカニズムにより得られる。突然変異し
ない場合には如何なる発現レベルでも非形質転換性であ
るラットneu遺伝子と異なり、ヒトneu遺伝子は突
然変異の不在下でも過剰発現時には形質転換性である。
発現の制御の改変は、既存遺伝子の発現の増加又は遺伝
子のコピーの数を増加(遺伝子増幅)させることにより
達せられる。c−erbB−2の遺伝子増幅は、原発性
乳腺癌及び唾液腺癌で同定されている。研究者は、ヒト
neu遺伝子がヒト乳癌細胞系で比較的高頻度で増幅さ
れることを知見した。neuは乳房腫瘍の30%で2〜
20倍以上まで増幅された。neu増幅の存在は、全生
存時間及び再発までの時間の両方の重要な指標であった
(Slamon et al., Science 2
35: 177−182 (January 9, 1
987))。このように、これらの知見は、neu過剰
発現が増幅によるか又は何らかの他のメカニズムによる
かに関係なく新生物増殖に寄与する可能性を示唆してい
る。
関与すると考えられるので、研究者はヒト組織における
その発現及び構造を研究することを試みた。
er Research 48:1238−1243
(1988)は、c−erbB−2遺伝子増幅及びタン
パク質発現を、リンパ節状態、核の類別、及び腋窩リン
パ節関与に相関させることを試みた。c−erbB−2
オープンリーディングフレームの残基1215−125
5に対応する合成ペプチドから産生されたc−erbB
−2特異抗体を使用して、51個の原発性ヒト乳房腫瘍
でc−erbB−2腫瘍原遺伝子(proto−onc
ogene)の増幅を分析した。 Drebin et
al.,Nature 312: 545−548
(1984)は、1群のラット神経芽細胞腫腫瘍遺伝子
(ラットneu腫瘍遺伝子)でトランスフェクトするこ
とにより形質転換したNIH 3T3細胞で見いだされ
る細胞表面抗原決定基と特異的に反応するモノクローナ
ル抗体の産生について記載している。
41:695−706 (July 1985)は、
ラットneu遺伝子産物と反応性のモノクローナル抗体
に暴露されたラットneu腫瘍遺伝子で形質転換したN
IH 3T3細胞の細胞表面及び全細胞のp185の両
方の迅速且つ可逆的消失を記載している。
ene 2: 273−277 (1988)は、in
vivoで相乗的抗腫瘍効果を発揮するラットneu
腫瘍遺伝子でコードされたp185分子の別々の領域と
反応性のモノクローナル抗体を記載している。
gene 2: 387−394(1988)は、ラッ
トneu遺伝子でコードされた産物の細胞表面領域に結
合するモノクローナル抗体を記載している。
B−2タンパク質の発現は、Gullick et a
l., Int.J.Cancer 40: 246−
254 (1987)により、ヒトc−erbB−2タ
ンパク質の予想配列からの2種の合成ペプチドに対して
産生された抗血清及びラットneuタンパク質に特異的
なモノクローナル抗体を使用して検討された。
The Lancet, ii,pages 69−7
2 (July 11, 1987)は、免疫組織学的
染色及びウェスタンブロッティングにより測定した、c
−erbB−2タンパク質の発現レベルの増加と結びつ
いた、ヒト乳房腫瘍の36例のうちの12例におけるヒ
ト原腫瘍遺伝子c−erbB−2の増幅を記載してい
る。免疫組織学的染色では、c−erbB−2タンパク
質のオープンリーディングフレームの残基1215〜1
225から構成されるペプチドに対するアフィニティー
精製ウサギ抗体が使用された。
nal of ClinicalOncology,
pages 1120−1128, Vol.7, N
o.8 (August 1989)は、潜在的予後重
度を調べるためにウェスタンブロット分析を使用して7
28個のヒト乳房腫瘍試料でHER−2/neuタンパ
ク質レベルを定量する方法を記載している。この研究で
使用するために、HER−2/neuタンパク質のカル
ボキシ末端合成ペプチド(予想アミノ酸配列からの残基
GTPTAENPEYLGLDVPV)に対するウサギ
ポリクローナル抗血清が調製された。
cience, pages 1644−1646,
Vol. 232 (June 27, 1986)
は、ヒトc−erbB−2ヌクレオチド配列からの予想
アミノ酸配列のカルボキシ末端の14アミノ酸残基に対
応する合成ペプチドに対する抗体の作製について記載し
ている。抗体は、MKN−7腺癌細胞から185000
ダルトン糖タンパク質を免疫沈降させることが報告され
ている。
結合部位を含む100キロダルトンの截頭(trunc
ated)レセプターによる上皮成長因子レセプターの
チロシンキナーゼ活性の調節が、Basu et a
l., Molecularand Cellular
Biology, pages 671−677(F
ebruary 1989)により報告されている。こ
の文献によると、血小板由来成長因子レセプター、イン
シュリンレセプター及びneuレセプターのような構造
的に関連するレセプターキナーゼは、100kDaの截
頭レセプターにより阻害されないことが記載されてい
る。
に対応する約97000ダルトン〜約115000ダル
トンの範囲の分子量を有し、生物学的流体で検出可能
な、ヒトneu関連タンパク質である実質的に精製され
たp100を検出するためのアッセイに係る 。
発現ベクターに挿入することにより作製されるプラスミ
ドベクターpLJΔneuの概略説明図である。
モノクローナル抗体がヒトneu関連タンパク質を認識
することを示す免疫沈降結果を示す。
B3のイムノブロットの結果を示す。
結果を示す。
計測の結果を示す。
合させるためにTA−1及びNB−3を使用した場合の
結合曲線を示す。
合させるためにTA−1及びNB−3を使用した場合の
結合曲線を示す。
て種々のヒト乳癌細胞系からの溶解物をneu関連タン
パク質の存在に関して試験した捕獲イムノアッセイの結
果を示す。抗ヒトneuモノクローナル抗体(TA−
1)を使用してneu関連タンパク質を捕獲し、抗ヒト
neuモノクローナル抗体NA−3をビオチニル化し、
ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(S
A−HRP)を用いて検出した。
瘍の細胞溶解物(X−3−5)と、neu陰性腫瘍の腫
瘍溶解物(3T3/ras)との比較の結果(腫瘍溶解
物μgと光学密度の関係)を示す。アッセイは捕獲試薬
として抗ヒトneuモノクローナル抗体NB−3を用い
て実施し、抗ヒトneuモノクローナル抗体TA−1を
ビオチニル化し、SA−HRPを用いて検出した。
747−01−050)又は乳癌(2747−01−0
50)から調製し、捕獲フォーマットを使用してneu
関連タンパク質の存在を試験した細胞溶解物の捕獲イム
ノアッセイの結果を示す。アッセイは捕獲試薬として抗
ヒトneuモノクローナル抗体TA−1を用いて実施
し、モノクローナル抗体BD−5をビオチンに結合し、
SA−HRPを用いて検出した。
遺伝子で形質転換され且つ細胞表面にp185タンパク
質を発現するNIH 3T3細胞)、3T3ras細胞
(ras遺伝子で形質転換され且つ細胞表面にヒトp1
85タンパク質を発現しないNIH 3T3細胞)、及
びSK−BR−3ヒト乳癌細胞からの上清流体、並びに
10%ウシ胎児血清を補充した培養培地DMEMの捕獲
イムノアッセイの結果を示す。捕獲イムノアッセイで
は、抗neuモノクローナル抗体NB−3を捕獲試薬と
して使用し、ビオチニル化した抗ヒトneuモノクロー
ナル抗体TA−1を検出システムの一部として使用し
た。
得た活性化ras遺伝子に由来するras形質転換NI
H 3T3細胞系であるT144に由来する腫瘍を有す
るマウスから採取した血清、p185タンパク質を発現
する腫瘍を有するマウス(18−3−7マウス)から採
取した血清、及びp185タンパク質を発現しない腫瘍
を有するマウス(3T3(ras))から採取した血清
を使用した捕獲イムノアッセイの結果を示す。捕獲抗体
として抗ヒトneuモノクローナル抗体TA−1を使用
してこれらの血清をアッセイし、ビオチニル化した抗ヒ
トneuモノクローナル抗体BD−5を検出システムの
一部として使用した。
体TA−1を捕獲試薬として使用し、ビオチニル化BD
−5を検出システムの一部として使用した捕獲イムノア
ッセイの結果を示す。分析用サンプルは、正常ヒト血漿
と2人の乳癌患者から採取した血漿とした。
す免疫沈降結果を示す。
者から採取したヒト血漿サンプルにおけるp100の検
出を示すイムノブロットの結果を示す。
て、12305 Parklawn Drive,Rockville,Maryland,208
52のAmerican Type Culture Collection(ATCC)に下記の
受託番号で寄託した。
8日にATCC受託番号HB 9689で寄託。
にATCC受託番号HB10204で寄託。
日にATCC受託番号HB 10205で寄託。
日にATCC受託番号HB 10206で寄託。
本明細書では互換性をもって使用される。
は、何等かの形であるいは何等かのメカニズムによっ
て、正常細胞から癌細胞への変換に関与するように変化
した遺伝子を意味する。例えば、ラットneu腫瘍遺伝子
は、トランスメンブラン領域で発生する点変異を通して
ラットの悪性腫瘍に関与すると思われる。一方、ヒトne
u腫瘍遺伝子という用語は、何等かの方法で、ヒトneu遺
伝子産物の過剰発現(over-expression)を通してヒトの
悪性腫瘍に関与するように変えられると考えられるヒト
neuプロト腫瘍遺伝子(proto-oncogene)をさすのに使用
されてきた。正常なヒトc-erbB-2タンパク質の過剰発現
はNIH/3T3細胞の形質転換につながることが判明してい
る(Di Fioreら、Science,237:178-182(1987))。
胞内チロシンキナーゼ領域とトランスメンブラン領域と
細胞外領域とを有しヒトneu遺伝子によって産生される
成長因子レセプター様糖タンパク質を意味する。このタ
ンパク質は約185又は190キロダルトンの分子量を有する
と報告されている。本明細書では、略号“p185”をヒト
neu遺伝子産物と互換的に使用する。
は随伴している他の細胞成分を含まないように合成した
こと、又は天然のものであれば単離したことを意味す
る。
erbB-2タンパク質の機能は未知であるが、ヒトc-erbB-2
遺伝子でコードされた成長因子レセプター様タンパク質
の発現の増加は、腫瘍(新生物)の発生又は進行で重要
な役割を果たすように思われる。
学的流体(biological fluid)、例えば血液、血清、血
漿、尿、脳脊髄液、正常細胞溶解物の上清、前腫瘍性(p
reneoplastic)細胞溶解物の上清、腫瘍細胞溶解物の上
清、組織培養状態に維持されている癌細胞系の上清及び
胸部吸引物(breast aspirates)の中に検出できるヒトne
u関連タンパク質に関する。
子産物の細胞外領域に実質的に対応する約97,000ダルト
ン〜約115,000ダルトンの範囲の分子量を有するヒトneu
関連タンパク質である実質的に精製したp100の検出及び
/又は定量に関する。このタンパク質は前述のような生
物学的流体中で検出できる。
の付加、欠失及び/又は置換を配慮したものである。
られる。しかしながら、p100は独立して合成することも
可能である。p100は更に修飾及び/又は開裂することも
可能である。
トフォーマット又は免疫沈降フォーマットを用いて測定
した。
胞の検出方法に関する。この方法は、ヒトに由来する生
物学的流体中のp100の存在を検査するために、 (a)前記タンパク質と結合できる少なくとも1つのモ
ノクローナル抗体に前記流体を接触させ、且つ (b)抗体結合が生起したか否かを調べることからな
る。
を検出又は定量するためのイムノアッセイに関する。こ
のイムノアッセイは、(a)p100に結合できる少なくと
も1つの第1のモノクローナル抗体に前記流体を反応さ
せ、(b)ステップ(a)の産物を、第1の抗体が結合
したエピトープとは異なるエピトープでp100に結合でき
る少なくとも1つの検出可能なように標識した第2のモ
ノクローナル抗体と反応させ、(c)ステップ(b)の
産物を検出又は定量する操作を含む。
本発明の実施に使用できる。
反応性フラグメントは、後述のようにp185の細胞外領域
に特異的なものである。簡単に説明すれば、これらの抗
体は、NIH 3T3細胞系、シクロホスファミド及び完全な
長さを有するヒトneu遺伝子産物を発現したトランスフ
ェクションしたNIH 3T3細胞系を投与することからなる
プロトコルを用いてマウスを免疫することにより産生し
た。この方法は後でより詳細に説明する。
使用できる。これらの抗体は、一般的な方法を用いて、
レポーターで直接標識するか又は特異的結合対(specifi
c binding pair)の一員で間接的に標識し得る。
プであってよい。免疫性の特異的結合対は例えばハプテ
ン/抗ハプテンシステムの抗原−抗体システムである。
具体例としては、フルオレセイン/抗フルオレセイン、
ジニトロフェニル/抗ジニトロフェニル、ビオチン/抗
ビオチン、ペプチド/抗ペプチド等が挙げられる。特異
的結合対の抗体員(anti-body member)は当業者に良く
知られた一般的方法によって産生できる。これらの方法
は、特異的結合対の抗原員(antigen member)で動物を免
疫するものである。特異的結合対の抗原員が免疫原性で
ない場合、例えばハプテンの場合には、これを担体タン
パク質に共有結合して免疫原性にすることができる。
が互いに対して生来の親和性を示すが抗体ではないよう
なシステムである。非免疫性結合対の具体例としては、
ビオチン-ストレプタビジン、内因子-ビタミンB12、
葉酸-葉酸塩結合タンパク質等が挙げられる。
に標識するための方法は色々ある。これらの方法は、特
異的結合対の構成員の性質、所望の結合のタイプ、及び
種々の結合に際しての化学作用(conjugation chemistr
y)に対する抗体の耐性に基づいて選択する。ビオチンは
市販の活性誘導体を用いて抗体に共有結合することがで
きる。これらの誘導体の具体例としては、タンパク質上
のアミン基に結合するビオチン-N-ヒドロキシ-スクシン
イミド;カルボジイミド結合を介して炭水化物部分、ア
ルデヒド及びカルボキシル基に結合するビオチンヒドラ
ジド;並びにスルフヒドリル基に結合するビオチンマレ
イミド及びヨードアセチルビオチンが挙げられる。フル
オレセインはフルオレセインイソチオシアネートを用い
てタンパク質アミン基に結合できる。ジニトロフェニル
基は2,4-ジニトロベンゼンスルフェート又は2,4-ジニト
ロフルオロベンゼンを用いてタンパク質アミン基に結合
できる。特異的結合対の一員にモノクローナル抗体を結
合するためには、ジアルデヒド、カルボジイミド結合、
同種官能性(homofunctional)架橋及び異種二官能性(het
erobifunctional)架橋を含む他の標準的結合方法を使用
し得る。カルボジイミド結合は、ある物質上のカルボキ
シル基を別の物質上のアミン基に結合させるのに有効な
方法である。カルボジイミド結合は、市販の試薬1-エ
チル-3-(ジメチル-アミノプロピル)-カルボジイミド(ED
AC)を用いれば容易に実施できる。
ドロキシ-スクシンイミドエステルを含む同種二官能性
架橋剤は市販されており、ある物質上のアミン基を別の
物質上のアミン基に結合するのに使用される。異種二官
能性架橋剤は異なる官能基を有する試薬である。最も一
般的な市販の異種二官能性架橋剤は、1つの官能基とし
てアミン反応性N-ヒドロキシスクシンイミドエステルを
有すると共に第2の官能基としてスルフヒドリル反応基
を有する。最も一般的なスルフヒドリル反応基はマレイ
ミド、ピリジルジスルフィド及び活性ハロゲンである。
これらの官能基の1つは、照射によって種々の基と反応
する光活性アリールニトレンであってよい。
た抗体、又は特異的結合対の検出可能な標識を付した構
成員は、放射性アイソトープ、酵素、蛍光発生物質(flu
orogenic material)、化学ルミネセント物質又は電気化
学物質からなり得るリポーターに結合する。一般的に使
用されている2つの放射性アイソトープは125I及び
3Hである。標準的な放射性アイソトープ標識方法は例
えば、125Iの場合がクロラアミンT、ラクトペルオ
キシダーゼ及びBolton-Hunter法、3Hの場合が還元メ
チル化である。
的具体例としては、ホースラディッシュペルオキシダー
ゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β-ガラクトシダー
ゼ、グルコースオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、β-ラ
クタマーゼ、ウレアーゼ及びリゾチームが挙げられる。
酵素標識は、抗体を特異的結合対の一員と結合するため
の前述のようなジアルデヒド、カルボジミド結合法、同
種二官能性架橋剤及び異種二官能性架橋剤を用いて容易
に実施できる。
き物質上に存在し得る官能基と、結合条件に対する両者
の耐性とに依存する。本発明で使用する標識方法は、限
定的ではないが、一般に使用されている任意の公知の方
法、例えばImmuno-chemistry8,871(1971)に記載のEngva
ll及びPearlmannの方法、Immunochemistry 8,1175(197
5)に記載のAvrameas及びTernynckの方法、J.Immunoassa
y 4(3):209-327(1983)に記載のIshikawaらの方法、並び
にAnal.Biochem.148:199(1985)に記載のJablonskiの方
法の1つであってよい。
構成員を用いるような間接的方法によって実施し得る。
その一例としては、非標識ストレプタビジン及びビオチ
ニル化酵素でのビオチニル化抗体の検出が挙げられる。
ストレプタビジン及びビオチニル化酵素は逐次加えるか
又は同時に加える。このように、本発明では、検出に使
用する抗体をリポーターで直接的に検出可能なように標
識するか、又は特異的結合対の第1の構成員で間接的に
検出可能なように標識し得る。抗体を特異的結合対の第
1の構成員に結合する場合は、抗体と特異的結合対の第
1の構成員との複合体を、前述のような標識した又は標
識していない第2の結合対構成員と反応させることによ
って検出を行う。
y)は、この非標識抗体を該非標識抗体に特異的な標識抗
体と反応させることによって検出できる。このような抗
抗体は、前述の方法のうち任意の方法を用いて直接に又
は間接的に標識し得る。例えば、前述のストレプタビジ
ン-ホースラディッシュペルオキシダーゼシステムと反
応させることによって検出されるビオチンにこの抗抗体
を結合することができる。
チンを使用する。ビオチニル化した抗体はストレプタビ
ジン-ホースラディッシュペルオキシダーゼ複合体と反
応させる。発色検出(chromogenic detection)を行うた
めには、オルトフェニレンジアミン、4-クロロ-ナフト
ール又はテトラメチルベンジジン(TMB)を使用し得る。
ッセイフォーマットは、通常の方法でキャプチャー試薬
(capture reagent)を支持体の表面に固定しておくフォ
ーワードサンドイッチアッセイ(forward sandwitch ass
ay)である。
は、ポリプロピレン、ポリスチレン、置換ポリスチレ
ン、例えばアミノ化もしくはカルボキシル化ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルクロ
リド等のような合成ポリマー支持体、ガラスビーズ、ア
ガロース、ニトロセルロース等が挙げられる。
詳細に説明する。
現する生存細胞(後述する18−3−7細胞系)でマウスを免
疫感作することによって、後述するハイブリドーマを生
じさせた。上記生存細胞がもたらす完全なタンパク質を
免疫原として用いると、該タンパク質の細胞外ドメイン
全体に対して特異性を有するモノクローナル抗体の集団
を生じさせることができる。このことは、元のタンパク
質から限られた数のエピトープしかもたらさず、従って
限られた特異性の免疫応答しか惹起しないペプチド免疫
原、もしくは原核細胞系が産生する短いポリペプチドを
用いる場合とは対照的である。そのうえ、上記タンパク
質抗原をその自然状態に有ると考えられるものに与える
ことによって免疫系を、後に抗体を診断または治療に適
用した場合に認められる抗原にきわめて類似する抗原に
対して応答性にできる。
る、トランスフェクションしたNIH 3T3細胞系である。
ヒトneu遺伝子をマウス白血病ウイルスLTRで発現させる
(プロモーター及びエンハンサー)。この細胞系は、形質
転換したNIH 3T3細胞のあらゆる特徴を示す。前記細胞
は軟質寒天中で成長し、ヌードマウスに腫瘍を発生さ
せ、かつ変化した形態的特徴を現わす。上記細胞系を、
抗ヒトneu特異的モノクローナル抗体単離のための免疫
原として用いた。
リオーマ初期領域を除去し、それによってpLJベクター
の内因性形質転換活性を排除した。改変ベクターの構成
を第1図に示す。改変は、pLJをApaIで制限し、6300塩
基対フラグメントを単離してからT4リガーゼで環を回復
することによって行なった。得られたプラスミド(第1図
に示したpLJΔもしくはpAbT5009)を唯一のBamHI部位で
消化し、Klenowを組み込み、かつ、完全なヒトneuタン
パク質コード領域を含むKlenow処理済みのNcoI−HindI
IIフラグメントに連結した。得られたプラスミド(第1図
に示したpLJΔneuもしくはpAbT577)をカルシウムホスフ
ェート沈澱法でトランスフェクションして、NIH 3T3細
胞とした。トランスフェクションした細胞をG418におい
て選択した(pLJΔはsv40をプロモーターとするneoR遺
伝子を有する)。コロニーを、RNAドットブロットにより
neu発現に関してスクリーニングした。18−3−7は、ス
クリーニングした約50の発現細胞系のなかで最高のもの
の一つであった。
生存NIH 3T3細胞を腹腔内(IP)注射して免疫感作した。
その直後に、H2O中のシクロホスファミド30mg/kgをIP
注射した。このシクロホスファミド処理を、最初の処理
の24時間後及び48時間後に繰り返した。免疫感作から14
日目に、1.5×106個の生存18−3−7細胞をマウスにIP
注射した。その後14日間マウスを休ませてから再びNIH
3T3細胞、シクロホスファミド及び18−3−7細胞を逐次
注射した。18−3−7細胞を2度目に注射した4日後にマウ
スを殺し、その脾臓を第一の融合のために取得した。同
じ実験を4匹の雌のBalb/cマウス及び4匹の雌のCB6(Balb
/c×C57BL/6)マウスでも行ない、その際免疫感作の第1
ラウンドでは1匹当たり1.8×106個のNIH 3T3細胞と4.8
×106個の18−3−7細胞とを、また第2ラウンドでは1匹
当たり8.5×106個のNIH 3T3細胞と2.7×106個の18−3
−7細胞とを用いた。
CRL 1518)とポリエチレングリコール(PEG)法で融合させ
てハイブリドーマを形成した。免疫感作したマウスから
脾臓を無菌状態下に取り出し、この脾臓を無血清培地(D
ME)で灌流することによって脾臓細胞の単一細胞懸濁液
を得た。脾臓細胞とSP2/O細胞(対数増殖期の培養物から
収穫)とを、脾臓細胞対ミエローマ細胞比を5:1として
混合した。細胞を4℃で10分間200×gで遠心分離し、上
澄み液を吸引によって除去した。試験管底を穏やかに叩
いて細胞ペレットをほぐした後、PEG10%含有の無菌37
℃DMEを1ml滴下し加えた。PEGを1.5分間にわたって添加
している間、試験管を穏やかに振り動かした。その後更
に10mlの37℃無血清培地DMEを滴下し加え、続いて20ml
の培地を追加した。得られた懸濁液を室温で10分間200
×gで遠心分離した。細胞ペレットから培地を吸引して
から、20%ウシ胎児血清、0.2mMヒポキサンチン、0.4μ
Mアミノプテリン及び0.032mMチミジンの存在下に腹膜マ
クロファージ(2×104細胞/ml)を含有する培地(HAT培
地)を用いて細胞ペレットを再懸濁させた(腹膜マクロフ
ァージは免疫感作していないマウスから取得したが、こ
のマウスをBalb/cとするかCB6とするかは融合にいずれ
のマウスに由来する脾臓細胞を用いたかに依った。この
細胞の取得は、安楽死させたマウスの腹膜に無血清培地
を注射し、この培地を直ちに回収することによって行な
った)。融合完了細胞を再び懸濁させて、最終細胞濃度
(腹膜マクロファージは含まず)を5×105細胞/mlとし
た。この細胞混合物1mlを、24個のウェルプレートの各
ウェルに分配した。
の細胞溶解物におけるELISAアッセイによって抗ヒトneu
抗体の分泌に関してスクリーニングした。細胞溶解物
は、新たに収穫した18−3−7細胞を低張溶解緩衝液(10m
M Tris、10mM KCl、5mM EDTA、pH8.0)の存在下にインキ
ュベートし、その後Triton X100を添加して最終濃度を1
%とすることによって製造した。負の対照として用いる
べく、NIH3T3細胞の溶解物も同様に製造した。マイクロ
タイタープレート(NuncのImmunoplate II)を室温で一
晩、全タンパク質濃度500μg/mlの細胞溶解物50μlで被
覆した。結合しなかった抗原を吸引除去後にELISAを実
施し、その際まず抗原で覆われたマイクロタイターウェ
ル内の生存ハイブリドーマコロニーから得られる培養上
澄み液50μlをインキュベートした。37℃で3時間インキ
ュベート後、洗浄緩衝液(0.05%Tween 20、20mM Tris、
pH7.6)で3回洗浄してから、セイヨウワサビペルオキシ
ダーゼ50μlで標識したヤギ抗マウスIgG+IgA+IgM(HRP
−GAM−GAM)と共に37℃で1時間インキュベートした。再
びウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄し、50μlのテトラメチ
ルベンジジン(TMB)溶液を添加することによって評価を
行なった。TMB溶液は、10mgのTMBを1mlのジメチルスル
ホキシド(DMSO)に溶解させ、得られた溶液100μlを5ml
のTMB緩衝液(0.1Mクエン酸でpH6.0以下とした0.1M酢酸
ナトリウム)に10μlの3%過酸化水素と共に添加するこ
とによって製造した。5分間発色させた後、50μlの2N H
2SO4を添加することによって酵素反応を停止させた。
得られた黄色の光学密度(OD)は、マイクロタイタープレ
ート読み取り機で450nmにおいて読み取った。18−3−7
細胞で覆われたウェルにおいて発色した黄色の方がNIH
3T3細胞で覆われたウェルにおいて発色した黄色より濃
いことが正の反応の生起を示唆し、それによって培養上
澄み液中にヒトneu遺伝子産物を識別する抗体が存在す
ることが判明した。
ドーマを、細胞及び得られる抗体が真にモノクローナル
となることを確実にするべく限界希釈法で希釈及びクロ
ーニングした。まず、免疫感作していない6週齢マウス
から胸腺リンパ球を得、これをHAT培地中に懸濁させて
濃度2×104細胞/mlの単一細胞懸濁液を製造することに
よって支持細胞集団を形成した。ヒトneu遺伝子産物に
対する抗体の存在についての試験結果が正であったハイ
ブリドーマコロニーを胸腺リンパ球含有培地で希釈し
て、濃度を5ハイブリドーマ細胞/mlとした。この希釈液
200μlを、96個のウェルマイクロタイタープレートの各
ウェルに分配した。コロニーが成長したところで、今度
もまた上澄み液をヒトneu遺伝子産物に対する抗体の存
在について試験した。先に述べたようなELISAアッセイ
で試験して、その結果が正であれば再度コロニーを限界
希釈法でクローニングした。
現することによって得られたハイブリドーマは、BD5-2
d、TA-1-1c、RC1-4c、NA3-6a及びOD3-10jと呼称されて
いるモノクローナル抗体を分泌する。第二の融合後に
は、PB3、RC6-2、NB-3、ID5及びIB3-4と呼称される抗体
を分泌するハイブリドーマが得られた。
定 ELISAアッセイを実施して、ハイブリドーマが産生する
抗体のイソタイプ及びL鎖クラスの確定と、IgGサブクラ
スの確定とを行なった。そのために、必要な免疫試薬を
総て含有したキットをBoehringer Mannheim(Indianapol
is, IN)から購入した。クローニングしたハイブリドー
マコロニーから得られた組織培養上澄み液を、先に述べ
たように18−3−7細胞の溶解物上でインキュベートし
た。続いて、マウスの免疫グロブリンイソタイプ、L鎖
クラス及びIgGサブクラスに特異的なヤギ抗血清と共に
インキュベートし、その後第二の抗体としてセイヨウワ
サビペルオキシダーゼで標識したブタ抗ヤギIgGを加え
てインキュベートした。製造者の指示によりABTS[2,2′
−アジノ−ビス−(3−エチルベンズチアゾリン−6−ス
ルホン酸)]を用いて評価を行ない、得られた緑色のODを
405nmで読み取った。
る3種のモノクローナル抗体BD5-2d、RC1-4c及びTA-1-1c
はIgG1/Κ抗体であり、またNA3-6a及びOD3-10jはIgM/Κ
抗体であることを確定した。第二の融合から得られるモ
ノクローナル抗体RC6-2、NB-3、ID5及びIB3-4はIgG1/Κ
であり、抗体PB3はIgG2a/Λである。
子量の蛋白質を識別したかどうかを検出するために、各
モノクローナル抗体を用いて放射活性標識18-3-7細胞を
免疫沈降した。10cmペトリ皿内の18-3-7細胞(またはNIH
3T3)の近似集密的細胞単層を、35S-標識システイン
500μCiを含む培地内で一晩インキュベートした。翌
朝、細胞を集め、プロテアーゼ阻害剤PMSF及び大豆トリ
プソン阻害剤を含む界面活性剤緩衝液(IP緩衝液:1%
Triton X-100,1% デオキシコール酸ナトリウム、0.1%
SDS、10mM Tris、0.65M NaCl、pH7.2)に溶解させた。
標識細胞調製物約1μCiを、各ハイブリドーマ由来の培
養上清500μlと4℃で一晩インキュベートした。このイ
ンキュベーション中に、精製したウサギ抗-マウスIgG
(Kirkegaad&Perry Labs)50μgを、プロテインA-セフ
ァロース(Pharmacia)のIP懸濁液中1:1スラリー50μ
lと一晩4℃で混合した。プロテインA-セファロースを
一度IP緩衝液で洗浄することにより、過剰のウサギ抗体
を除去し、このスラリーを、標識細胞とモノクローナル
抗体を含むインキュベーション混合物に添加した。この
混合物を、一晩4℃で反応させた。プロテインA-セフ
ァロースを遠心分離してペレットとし、IP緩衝液で4
回、次いでTBS(10mM Tris、150mMNaCl、pH8.2)で1回洗
浄し、ペレットを乾燥させた。各ペレットをSDSゲル(1
0mM Tris、4% SDS、20% グリセロール、10% 2-メルカ
プトエタノール、0.04% ブロムフェノールブルー)用に
サンプル緩衝液50μl中に再び懸濁させた。各サンプル
の2分の1を、4.5% アクリルアミドスタッキングゲル
及び7%分離ゲルを含むSDSポリアクリルアミドゲルにか
けた。このゲルを乾燥させ、次いでオートラジオグラフ
にかけた。免疫沈降法の結果は、モノクローナル抗体の
総てが、NIH 3T3細胞内には存在しない、18-3-7細胞内
の約185kdの分子量の蛋白質(p185)を識別したことを示
した。これは、標準蛋白質マーカーにより表されるよう
に、オートラジオグラフ上の185kd分子量の蛋白質に対
応する距離をゲル中移動した濃いバンドがあることによ
り決定した。SKBR-3細胞(ヒト乳癌)及びA431細胞(ヒト
表皮癌)を用いて同様の実験を実施した。SKBR-3細胞
は、高レベルのヒトneu遺伝子産生物を発現し、上述の
モノクローナル抗体を用いる免疫沈降法により確実な結
果が出ることは他の研究者により明らかにされている。
検出バンドは、標識18-3-7細胞から沈降したバンドと同
一距離に移動した。これらの実験及び以下に記載する免
疫ブロット分析を元にすると、18-3-7細胞に対して産生
されたモノクローナル抗体は、ヒトneu遺伝子産生物に
特異的で、且つヒトEGFRと交差反応しなかったと結論で
きる。
法の結果を示す。
いた18-3-7及びNIH/3T3細胞溶解物の免疫沈降を示すパ
ネルAである。レーン1は、分子量基準を含む。レーン
2、4、6、8、及び10は、18-3-7溶解物を含み、レー
ン3、5、7、9及び11は、NIH/3T3溶解物を含んでい
る。レーン2及び3は、TA1で沈降させたものである。
レーン4及び5は、BD5で沈降させたものである。レー
ン6及び7は、NB3で沈降させたものである。レーン8
及び9は、PB3で沈降させたものである。レーン10及び1
1は、MOPC-21で沈降させたものである。
8-3-7及びNIH/3T3細胞溶解物の免疫沈降を示すパネルB
である。レーン1は、分子量基準を含む。レーン2、4
及び6は、18-3-7溶解物を含む。レーン3、5及び7
は、NIH/3T3溶解物を含む。レーン2及び3は、OD3で沈
降させたものである。レーン4及び5は、NA3で沈降さ
せたものである。レーン6及び7は、TEPC183で沈降さ
せたものである。図2Cは、IgGモノクローナルを用い
たSKBR-3及びA-431細胞溶解物の免疫沈降を示すパネル
Cである。レーン1は、分子量基準を含む。レーン2、
4、6、8、10及び12は、SKBR-3溶解物を含む。レーン
3、5、7、9、11及び13は、A-431溶解物を含む。レ
ーン2及び3は、TA1で沈降させたものである。レーン
4及び5は、BD5で沈降させたものである。レーン6及
び7は、PB3で沈降させたものである。レーン8及び9
は、NB3で沈降させたものである。レーン10及び11は、M
OPC21で沈降させたものである。レーン12及び13は、ウ
サギ抗-EGFRで沈降させたものである。
KBR-3及びA-431細胞溶解物の免疫沈降を示すパネルDで
ある。レーン1は、分子量基準を含む。レーン2、4、
6及び8は、SKBR-3溶解物を含む。レーン3、5、7及
び9は、A-431溶解物を含む。レーン2及び3は、OD3で
沈降させたものである。レーン4及び5は、NA3で沈降
させたものである。レーン6及び7は、TEPC183で沈降
させたものである。レーン8及び9は、ウサギ抗-EGFR
で沈降させたものである。 I.免疫ブロット 4.5%スタッキングゲルを用いて、SKBR-3細胞(ATCC HTB
30)及びA-431細胞(ATCC CRL 1555)の溶解物を、1.5
mm厚さのSDS-ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動にか
けた。分離した蛋白質を、BioRadトランスブロット装置
を用いてニトロセルロース(Schleicher&Schuell)上
に移した。次いでニトロセルロースフィルターをBlotto
(PBS中3% ドライミルク、2% 正常ヤギ血清、0.1% Twe
en-20)中で1時間ブロックし、0.5μg/ml OD3若しくは
2μg/ml PB3(両方ともBlottoで希釈)、または20μg/
ml 291-3A(培養上清中)を用いて室温で3時間インキ
ュベートした。291-3Aは、EGFRのチロシンキナーゼドメ
インから誘導したペプチドを用いて産生した抗-EGFRモ
ノクローナル抗体である。(291-3Aは、Randall Schatz
mann,Syntex Reserch,Palo Alto,CA.より贈呈されたも
のである。)フィルターを高濃度塩洗浄緩衝液(20mM T
ris-HCl、1M NaCl、0.05% Tween-20、pH7.6)で3回濯
ぎ、次いでアルカリ性ホスファターゼ標識ヤギ抗-マウ
スIgG+IgA+IgM(Kirkegaad&Perry Labs)と、室
温で1時間インキュベートした。これらを再び高濃度塩
緩衝液で3回濯ぎ、バンドをBCIP NBT基質キット(Kirke
gaad&Perry Labs)を使用して視覚化した。
リルアミドゲル上でSDS-PAGEにより分離し、次いでニト
ロセルロースに電気泳動により移動させた、SKBR-3細胞
溶解物80μgをレーン1に含み、A-431溶解物80μgをレ
ーン2に含む。免疫ブロットの結果を図3に示す。パネ
ル(a)は、0.5μg/ml 精製OD3を用いて検出した結果で
ある。パネル(b)は、2μg/ml 精製PB3を用いて検出し
た結果である。パネル(c)は、20μg/ml 精製291-3Aを
用いて検出した結果である。 J.免疫蛍光検査法 細胞系を8-チャンバLab Tek組織培養スライド(Miles S
cientific)上で一晩成長させて集密とした。これらを
ダルベッコのPBS(Ca++及びMg++を含む)でかる
く洗浄し、次いで室温で30分間3% ホルマリンで固定し
た。TA-1腹水液の1:50希釈液(50% 正常ヤギ血清中で希
釈)を、室温で1時間この細胞とインキュベートした。
スライドを再びPBSで洗浄し、次いでフルオレセイン標
識ヤギ抗-マウスIgG(Cappel)を用いて室温で1時間イ
ンキュベートした。
4C及び4Dに示した。パネル(a)は、18-3-7細胞であ
る。パネル(b)は、NIH3T3細胞である。パネル(c)は、
SKBR-3細胞であり、パネル(d)は、A-431細胞である。
陽性の蛍光染色が、18-3-7細胞及びSKBR-3細胞で観察さ
れた。NIH3T3及びA-431細胞に於いては、染色は観察で
きなかった。
中のサンプル当たり生存細胞2×106個の濃度に再び懸
濁させた。これらを精製TA-1 1μgまたはイソタイプに
合わせた対照MOPC-21と、4℃で1時間インキュベート
した。この細胞をPBSで3回洗浄し、ヤギ抗-マウスIg-
FITC 1μgと、4℃で1時間インキュベートした。この
インキュベート後、さらにPBSで3回洗浄した。細胞
を、488nmに調整したアルゴンレーザーを備えたEPICS
V流動細胞計測器を用いて分析した。細胞の<5%がイ
ソタイプに合わせた対照抗体に対し陽性であるように、
弁別器をセットした。陽性細胞の割合及び各ヒストグラ
ム毎の平均蛍光強度を、Easy 88 ソフトウェア(Coulte
r)を用いて測定した。総てのパネルに於いて、MOPC21(M
21)は……で、TA1は――で表した。
5C及び5Dに示した。左上の図5Aは、NIH/3T3/ra
s、即ちラス腫瘍遺伝子でトランスフェクトしたNIH/3T3
細胞系である。上右の図5Bは、17-7-8、即ちラス及び
ヒトneu腫瘍遺伝子で共-トランスフェクトしたNIH/3T3
細胞系である。下左の図5Cは、X-3-5、即ちras及びヒ
トneu腫瘍遺伝子で共-トランスフェクトしたNIH/3T3細
胞系である。下右の図5Dは、18-3-7、即ちヒトneu腫
瘍遺伝子のみでトランスフェクトしたNIH/3T3細胞系で
ある。p185-陽性細胞系は、バックグラウンドよりも約1
0倍以上平均蛍光強度を示した。
とめたものである。
子上の別個のエピトープを認識することの証明 抗ヒトneuモノクローナル抗体TA−1及びNB−3
がp185の細胞外ドメイン上の異なるエピトープに結
合することを示すために、競合酵素免疫測定法を実施し
た。これは、2種の抗体をp185と一緒に同時インキ
ュベートし、いずれも他方の特異的結合を阻害し得ない
ことを示すことにより明らかにした。
用した17−3−1−3細胞の溶解物50μlを用い、
全タンパク質濃度10μg/mlで被覆した(Mcke
nzie et al.,1989 Oncogene
4:543−548)。17−3−1−3細胞系は、全
長ヒトneu遺伝子で安定にトランスフェクトされたN
IH 3T3細胞系である。プレートを室温で一晩被覆
しておき、次いでELISA洗液(リン酸緩衝溶液中の
0.05% Tween 20,pH7.4)で3回洗浄し
た。競合抗体を2倍ずつ段階的に4μg/ml〜0.0
3μg/mlに希釈した液をウェルに加え、37℃で1
時間インキュベートした。プレートを3回洗浄し、ビオ
チニル化試験抗体を各ウェルに加えた。1mg/mlビ
オチニル化TA−1の1:800希釈液または1mg/
ml ビオチニル化NB−3の1:500希釈液を使用
した。37℃で3時間インキュベートした後、プレート
を再びELISA洗液で3回洗浄し、アビジン標識西洋
ワサビペルオキシダーゼ(アビジン−HRP;Sigm
a)の1:4000希釈液を加え、37℃で1時間イン
キュベートした。最後にプレートを3回洗浄し、テトラ
メチルベンジジン(TMB;Sigma;1mlのジメ
チルスルホキシド中の10mgTMBを50mlの0.
1M 酢酸緩衝液,pH6.0に加え、更に100μlの
3%H2O2を加えたもの)を使用して発色させ、5分
後に2.5N H2SO4を使用して反応を停止させた。
得られた黄色を、ELISAプレート読取り装置で45
0nmにおいて読取った。
の結合と競合させたときの結合曲線を示す。OD 45
0シグナルの低下によって示されるように、非標識TA
−1の量が増大するとビオチニル化TA−1の結合は完
全に阻害されることが判る(白い四角形)。NB−3の
量が増えても影響はない(黒い三角形)。図7は、TA
−1及びNB−3をビオチニル化NB−3と競合させた
ときの曲線を示す。この場合、NB−3の量が増大する
とビオチニル化NB−3の結合を完全に阻害するが(黒
い三角形)、TA−1は影響しない(白い四角形)。
産物上の2つの別個のエピトープを認識したことを示し
た。
ことの証明 SKBR−3細胞系は、ヒト乳腺腫瘍に由来する連続細
胞系であり、高レベルのヒトneu遺伝子産物p185
を発現することが公知である(Kraus,et al.
(1987),Embo J.6:605−610)。
上述のごときp185に特異的なモノクローナル抗体
は、かかる細胞から採取された培地中で約100,00
0ダルトンのタンパク質を検知することが判っている。
p100がヒトneu遺伝子産物p185に関連するこ
とを確認するために競合結合アッセイを実施した。
の溶解物中に存在するp185を使用し、SKBR−3
上清中で放射性標識p100と結合する抗体と競合させ
た。下記の2点を立証するために、競合アッセイに使用
する抗neu抗体の量を力価測定した。
(limiting reagent)であって、非標
識p185及び放射性標識p100は実際に結合におい
て競合する。
ラフィーに従って放射性標識p100のバンドを可視化
するのに十分である。
胞(ATCC HTB 30)を含む1つの10cmペト
リ皿を、システインを含まない培地中で500μCiの
35S−システイン(Du Pont)と一緒に37
℃、5%CO2で一晩インキュベートした。培養上清を
放射性標識p100の資源として使用した。
ェクトしたNIH 3T3細胞系を17−3−1−3と
称し、これをp185の資源として使用した。10個の
(15cm)ペトリ皿から10mlのリン酸緩衝溶液
(PBS)中に細胞を掻き集めることにより、細胞溶解
物を調製した。200×gで10分間遠心分離すること
により細胞をペレット化し、このペレットを5mlの低
張溶解緩衝液(10mMTris,10mM KCl,
5mM EDTA,pH8.0)中に再懸濁させ、次いで
Dounceホモジナイザーを用いてホモジナイズし
た。ホモジネートを200×gで10分間遠心分離し、
得られた上清を15秒間超音波処理した。残り全ての細
胞砕片をマイクロ遠心機中で遠心分離することにより除
去し、最終的な上清を細胞溶解物として使用した。同様
に、トラスフェクトしていないNIH3T3細胞の溶解
物も調製した。各溶解物の全タンパク質濃度を、Bra
dford法(BioRad)に基づくキットを使用
し、BSAを標準として用いて測定した。17−3−1
−3溶解物の全タンパク質濃度は2.69mg/mlで
あり、NIH 3T3溶解物は1.01mg/mlである
と決定された。17−3−1−3溶解物は、かかるアッ
セイにおいては1:3に希釈して使用した。
解物中に存在するヒトneu関連タンパク質の量をEL
ISAによって決定した。モノクローナル抗体TA−1
を使用してNuncイムノプレートのウェルを被覆し
た。次いで、上清または溶解物と一緒にインキュベート
し、更にビオチニル化PB3抗体(IgG2κ)と一緒
にインキュベートした。最後に、アビジン標識西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ(HRP)及びHRPのための比色
基質としてのテトラメチルベンジジン(TMB)と一緒
にインキュベートすることによりアッセイを発色させ
た。この捕獲ELISAによって、SKBR−3細胞由
来の培養上清中では3.72 OD単位/mlの、また1
7−3−1−3溶解物中では1295 OD単位/ml
のneu関連タンパク質が検出された。NIH 3T3
細胞溶解物における活性はゼロであった。
acia)を免疫沈降緩衝液(IP緩衝液:1% Tr
iton X−100、1% デオキシコール酸ナトリウ
ム,0.1%ドデシル硫酸ナトリウム,10mM Tri
s,650mM NaCl,pH7.2)で膨潤させ且つ
洗浄し、IP緩衝液中に1:1(vol/vol)で再
懸濁させた。
(1:3希釈物;約45 OD単位のneu活性)を1
μg、0.3μg、0.01μgまたは0.003μgの
精製PB3抗体と混合することにより試料を調製し、そ
れらを混合しながら4℃で一晩インキュベートした。2
77μlのNIH 3T3溶解物をPB3と一緒に前記
同様にインキュベートすることにより、対照試料を調製
した。一晩インキュベートした後、1.028mlの放
射性標識SKBR−3上清(約4 OD単位のneu及
び4μCiの標識材料全量)を各試料に加えた。次いで
全ての試料をもう一度、静かに混合しながら4℃で一晩
インキュベートした。この2回目のインキュベーション
後、50μlのプロテインA−セファローススラリーを
各試料に加え、各々を混合しながら4℃で1時間インキ
ュベートした。マイクロ遠心機内で1分間遠心分離する
ことによりセファロースをペレット化し、セファロース
を1mlのIP緩衝液中に再懸濁し、簡単に撹拌し、マ
イクロ遠心機内で30秒間遠心分離することにより4回
洗浄した。最後に試料をTBS(Tris緩衝溶液,p
H7.5)中で洗浄した。試料を空気乾燥し、30μl
のSDS−PAGE試料緩衝液中に再懸濁させ、100
℃で5分間インキュベートした。試料全体を7%SDS
−ポリアクリルアミドゲル上に負荷し、泳動させた。ゲ
ルを固定し、それをEn3Hance(Du Pon
t)で濯ぎ、乾燥した。X−OMAT ARフィルム
(Kodak)を乾燥ゲルに増感スクリーンの存在下に
−70℃で6日間暴露することによりオートラジオグラ
ムを作製した。
SKBR−3上清 レーン2: 0.3μgのPB3+17−3−1−3溶解
物+SKBR−3上清 レーン3: 0.1μgのPB3+17−3−1−3溶解
物+SKBR−3上清 レーン4: 0.03μgのPB3+17−3−1−3溶
解物+SKBR−3上清 レーン5: 0.01μgのPB3+17−3−1−3溶
解物+SKBR−3上清 レーン6: 0.003μgのPB3+17−3−1−3
溶解物+SKBR−3上清 レーン7: 1μgのPB3+SKBR−3上清 レーン8: 0.003μgのPB3+SKBR−3上清 レーン9: 1μgのPB3+NIH 3T3溶解物+S
KBR−3上清 レーン10: 0.3μgのPB3+NIH 3T3溶解物
+SKBR−3上清 レーン11: 0.1μgのPB3+NIH 3T3溶解物
+SKBR−3上清 レーン12: 0.03μgのPB3+NIH 3T3溶解
物+SKBR−3上清 レーン13: 0.01μgのPB3+NIH 3T3溶解
物+SKBR−3上清 レーン14: 0.003μgのPB3+NIH 3T3溶
解物+SKBR−3上清
3T3溶解物の存在下のPB3抗体の力価測定を示す。
3T3溶解物中に存在する分子とp100タンパク質と
の間に競合はないはずなので、抗体が力価測定されたと
きに100,000ダルトンにおけるバンドが消失した
ことは、抗体が制限試薬になっていることを示してい
る。
物の存在下のPB3抗体の力価測定を示す。1μgのP
B3試料を除く全てのレーンにおいて、p100のバン
ドは不在であった。これは特に、NIH 3T3溶解物
を競合物質として使用したときの比較試料中に尚明らか
なバンドが存在することから、0.3μg及び0.1μg
のPB3を含むレーンにおいては重要である。1μgの
PB3試料中にp100が幾らか存在することは、抗体
が、放射性標識材料と、加えられた非標識p185とに
結合し得るほど過剰であることを示している。
100バンドの消失は、p100分子が実際にp185
に関連していることを示している。このサイズは、ヒト
neu遺伝子産物の細胞外ドメインの推定分子量と相関
した。
血清中のヒトneu関連タンパク質の検出を示す。
抗neuモノクローナル抗体(Mab)、抗neuMa
bの組合せ、または種々の生物試料由来のヒトneuタ
ンパク質を捕獲するためのポリクローナル抗体で被覆し
た。Mabは0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)で希釈
し、100μlをマイクロタイタープレートの各ウェル
に加えた。次いでプレートを4℃で一晩インキュベート
した。
トからデカントし、250μlのブロック用緩衝液(2
%ウシ血清アルブミン(BSA)、10% β−ラクト
ース及び0.01%チメロサール(thimerosa
l)を含むPBS)を各ウェルに加えた。ブロック用緩
衝液をデカントし、抗ヒトneu抗体で被覆されていな
いマイクロタイターウェルの部位をブロックするため
に、250μlの新しいブロック用緩衝液を各ウェルに
加え、プレートを室温で2時間インキュベートした。ブ
ロック用緩衝液をデカントし、プレートをペーパータオ
ルで吸い取って乾かした。プレートを室温のフード内で
一晩乾燥し、次いで、使用するまで覆いをして4℃に保
管した。
試料は、正常、腫瘍発現前もしくは腫瘍細胞から調製し
た溶解物、または、血清、血漿もしくは尿といったヒト
体液からなった。試料からヒトneuタンパク質を捕獲
するために、試料を抗体被覆ウェルに加えた。プレート
を室温で一晩インキュベートした。インキュベーション
後、プレートをDu Pont Plate Wash B
uffer(PBS,0.05% Tween 20)及
びDynatech Plate Washerを用いて
6回洗浄して未結合の生物試料を除去した。
abを各ウェルに加え、室温で30分間インキュベート
した。次いでプレートをDu Pont Plate W
ash Bufferで6回洗浄した。ビオチニル化抗
neu Mabを検出するために、ストレプトアビジン
−西洋ワサビペルオキシダーゼを1:2500希釈液で
加え、室温で15分間インキュベートした。次いでプレ
ートをDu Pont Plate Wash Buffe
rで6回洗浄した。反応を完了させるため、基質のオル
トフェニレンジアミン(OPD)を室温で1時間かけて
加えた。硫酸を用いて反応を停止させ、Molecul
ar Devices Plate Readerを使用
して波長490nmにおける光学密度を測定した。
腫瘍溶解液からのp185の検出 生物学的材料に対してこのアッセイが有効であるか否か
を判断するために、いくつかの捕獲イムノアッセイを実
施した。図8は、TA−1を第1抗体として用いビオチ
ニル化NA−3を第2抗体として用いた捕獲イムノアッ
セイの結果を示す。いくつかのヒト腫瘍細胞系から細胞
溶解液を調製した。これらの細胞系のいくつか(SK−
BR−3、ZR−75−1、MCF−7)に関しては、
夫々のneuRNAレベルが公表されている。このアッ
セイによって検出されたヒトneuの相対レベルは、公
表されているRNAデータと一致する。既知レベルのヒ
トneuを含む細胞系を用いたこのアッセイ及び(図示
しない)別のアッセイの結果から、このアッセイを使用
して、細胞溶解液中のヒトneuの相対レベルを決定し
得ることが判明した。また、図8に示すように、ヒトn
eu関連タンパク質の発現の違いを利用して癌細胞系を
識別できることも判明した。
を検出できるか否かを判断するために、ヒトneuを発
現した腫瘍細胞(X−3−5)及びヒトneuを発現し
なかった腫瘍細胞(3T3 ras)をヌードマウスで
増殖させた。NIH 3T3由来の2つの細胞系は、X
−3−5がヒトneu遺伝子を発現させたこと以外は同
質遺伝子系であった。図9は、NB−3を捕獲抗体とし
て用いビオチニル化TA−1を検出抗体として用いた捕
獲イムノアッセイの結果を示す。ヒトneu関連遺伝子
産物は、X−3−5腫瘍細胞の溶解液中で検出された
が、3T3−ras腫瘍細胞の溶解液中で検出されなか
った。これは、アッセイが腫瘍溶解液中のヒトneuを
特異的に検出し得ることを示す。
ヒトneuを高レベルで発現することを示した。ヒトn
euがヒト乳腺腫瘍中で検出されるか否かを判断するた
めに、1人の人間に由来の2つのサンプルを調製した。
1人の患者から採取したヒト乳腺腫瘍(2747−01
−050)及び正常乳組織(2747−01−050)
の溶解液を調製した。このアッセイでは、TA−1を第
1抗体として用いビオチニル化BD−5を検出抗体とし
て用いた。図10は腫瘍中でヒトneuが検出されたこ
とを示す。
ッセイによって、細胞溶解液または腫瘍溶解液からヒト
neu関連遺伝子産物が特異的に検出され得ることを示
した。これらのデータはまた、該アッセイによって、サ
ンプル間の相対的なneuレベルを決定し得ることを示
す。
正常乳組織(2747−01−050)の溶解液をイム
ノブロット法で評価した。イムノブロットの結果は、乳
癌溶解液から検出されたneu関連タンパク質がp18
5であることを示した。
トの血清及び血漿中のヒトneuの検出を示す。
的に検出できるか否かを判断するために、いくつかの対
照実験を行なった。これらの実験では、高レベルのヒト
neuを発現する細胞系の培養上清中及び腫瘍を有する
ヌードマウスの血清中のヒトneuを検出した。
い、ビオチニル化TA−1を検出抗体として用いた細胞
系の培養上清中のヒトneu捕獲イムノアッセイの結果
を示す。これらの結果は、ヒトneu関連遺伝子産物
は、高レベルのヒトneuを発現するマウス細胞系(1
8−3−7)またはヒト細胞系(SK−BR−3)の上
清中で検出されるが、ヒトneuを発現しない細胞系
(3T3−ras)の上清中または培地単独中では検出
されないことを示す。これらの細胞系のうちの2つ(1
8−3−7及び3T3−ras)はヌードマウスで腫瘍
として増殖し得る。これらの細胞系をヌードマウスに皮
下注射して生じさせた腫瘍を有するマウスを瀉血させ、
TA−1を捕獲抗体として用いビオチニル化BD−5を
検出抗体として用いた捕獲イムノアッセイによってその
血清中のヒトneuの存在を分析した。このアッセイの
結果を図12に示す。このアッセイでも、細胞または腫
瘍の溶解液並びに細胞の培養上清と同様に、ヒトneu
を発現した腫瘍を有するヌードマウスの血清だけが反応
した。正常ヌードマウス血清及びヒトneuを発現しな
い腫瘍を有するヌードマウスの血清は反応しなかった。
質が、ヒトneuを発現する腫瘍を有するヌードマウス
の血清及びヌードマウス腫瘍を生じさせる細胞系中で検
出され得ることを示した。ヒトneuは、neuを発現
するヒト細胞系(SK−BR−3)の上清中で検出され
た。
する患者がヒトneu関連タンパク質を含む血清を有す
るであろうという仮説を試験するためのアッセイを設計
し該アッセイを実施した。一連のアッセイでは、抗ne
u Mab TA−1を捕獲試薬として用い、ビオチニ
ル化BD−5を検出試薬として用いた。分析用サンプル
として、正常ヒト血漿、及び2人の乳癌患者の血漿を使
用した。結果は、正常血漿及びAJAC患者の血漿はこ
の特定アッセイに対して実質的に非反応性であったが、
PSUL患者の血漿はこのアッセイに対して有意な反応
性を示した。これは、PSUL乳癌患者の血漿中にヒト
neu関連タンパク質が存在することを示唆する(図1
3)。
た)Mab NB−3を用い、検出試薬としてビオチニ
ル化MAB TA−1を用いて多数の患者にこの実験を
繰り返した。約225の異なる血漿サンプルのneu特
異的モノクローナル抗体に対する反応性をこのアッセイ
で評価した。サンプルは、Dana−Farber C
ancer InstituteのDr.Daniel
Hayes及びDr.Don Kufeから提供され
た。正常被験者の血漿サンプルと、良性乳腺症患者の血
漿サンプルと、乳癌患者の血漿サンプルと、胃癌患者の
血漿サンプルと、卵巣癌患者血漿サンプルとから試験試
料を構成した。この特定試験におけるヒトneuの平均
値は、正常血漿サンプル即ち正常被験者及び正常(良
性)乳腺症患者のサンプルでは約600であった。表2
は各サンプル毎に得られた個々のデータを示す。表3
は、neu特異的モノクローナル抗体に対する反応性を
評価した卵巣癌患者の約66の血漿サンプルに関する追
加データを示す。表中のヒトneu値をfmol/ml
に代えてもよい。
かを、OD−3と命名された抗ヒトneu関連モノクロ
ーナル抗体を用いたイムノブロット法によって以下のご
とく標価した。図15〜17に示すイムノブロットの結
果を、ヒトneuELISAによって測定した対応する
ヒトneu値と共に表4に示す。
た。
ウスプロテインAアガロースと共に、回転盤(rota
ting wheel)または揺動器(rocker)
に4℃で30分間維持して予め清澄化した。サンプルを
エッペンドルフ遠心管で遠心した。上清を傾瀉して保存
した。約50μlのドデシル硫酸ナトリウム還元バッフ
ァ(サンプルローディングバッファ、SLB)をメチル
グリーンと共に各サンプルに添加した。50μlのSL
Bを高分子量標準に添加した。次いで、サンプルを高温
油浴中で100℃で5分間加熱した。
5mmまたは3.0mm厚の5%SDS−ポリアクリル
アミドゲルでサンプルを電気泳動させた。BioRad
Trans−blot装置を用いて、分離したタンパ
ク質をニトロセルロースに移した。次に、Blotto
(PBS中の3%ドライミルク、2%正常ヤギ血清、
0.1%Tween−20)中でニトロセルロースフィ
ルターを1時間ブロックし、約10μg/mlのOD
3、または、50mlのBlottoによって10μg
/mlに希釈した同クラスの対照と共に室温で3時間イ
ンキュベートした。高塩分洗浄バッファ(20mMのT
ris−HCl、1MのNaCl、0.05%のTwee
n−20、pH7.5)中でフィルターを3回洗浄し、
次いでアルカリホスファターゼ標識したヤギ抗マウスI
gM(Kirkegaard & Perry Lab
s)と共に室温で1時間以上インキュベートした。これ
らを、高塩分洗浄バッファで3回洗浄し、BCIP N
BT基質キット(Kirkegaard & Perr
y Labs)を用いてバンドを可視化した。
女性、良性乳腺症患者及び乳癌患者から得られたヒト血
漿中で、概算分子量約100,000ダルトンを有する
ヒトneu関連タンパク質をレーン2、4、6及び8に
検出したことを示す。レーン3、5、7及び9ではかか
るタンパク質(p100)が全く検出されなかった。レ
ーン1は、分子量マーカーを含んでいた。レーン2及び
3は、授乳中の女性の血漿を含んでいた。レーン4及び
5は対照を含んでいた。レーン6及び7は乳癌患者#1
09の血漿を含んでいた。(患者#109から採取した
血漿は、ELISAで測定したヒトneu値1,877.
8を示した)。レーン8及び9は乳癌患者#283の血
漿を含んでいた。(患者#283から採取した血漿はE
LISAで測定したヒトneu値1,515.5を示し
た)。レーン2、4、6及び8に、モノクローナル抗体
OD3をブロットした。レーン3、5、7及び9に同ク
ラスの陰性の対照モノクローナル抗体TEPC 183
(Litton Bioneticsから購入したミエ
ローマIgM)をブロットした。
症患者及び乳癌患者から得られたヒト血漿中で概算分子
量約100,000ダルトンを有するneu関連タンパ
ク質をレーン1、5及び7に検出したことを示す。レー
ン2、3、4、6及び8ではかかるバンドが全く検出さ
れなかった。レーン1及び2は、良性乳腺症患者の血漿
を含んでいた。レーン3及び4は、胃癌患者の血漿を含
んでいた。レーン5及び6は、乳癌患者#2661の血
漿を含んでいた。(患者#2661から採取した血漿は
ELISAで測定したヒトneu値21,668.5を示
した)。レーン7及び8は、乳癌患者#2904の血漿
を含んでいた。(患者#2904から採取した血漿はE
LISAで測定したヒトneu値31,008.0を示し
た)。レーン10は分子量マーカーを含んでいた。レー
ン1、3、5及び7にモノクローナル抗体OD3をブロ
ットした。レーン2、4、6及び8に陰性の対照抗体T
EPC 183をブロットした。
症患者及び乳癌患者から得られたヒト血漿中で概算分子
量約100,000ダルトンを有するヒトneu関連タ
ンパク質をレーン4、6及び8に検出したことを示す。
レーン2、3、5、7及び9ではかかるバンドが全く検
出されなかった。レーン1は分子量マーカーを含んでい
た。レーン2及び3は、胃癌患者の血漿を含んでいた。
レーン4及び5は、良性乳腺症患者の血漿を含んでい
た。レーン6及び7は、乳癌患者#140の血漿を含ん
でいた。(患者#140から採取した血漿は、ELIS
Aで測定したヒトneu値81,915.0を示した)。
レーン8及び9は、乳癌患者#305の血漿を含んでい
た。(患者#305から採取した血漿はELISAで測
定したヒトneu値175,573.3を示した)。レー
ン2、4、6及び8に、抗ヒトneuモノクローナル抗
体OD3をブロットした。レーン3、5、7及び9に、
陰性の対照モノクローナル抗体TEPC 183をブロ
ットした。
者から得られたヒト血漿中で、概算分子量約100,0
00ダルトンを有するヒトneu関連タンパク質を、レ
ーン2、3、6及び7に検出したことを示す。レーン
4、5、8、9及び10にはかかるバンドが全く検出さ
れなかった。レーン2、4、6及び8は、卵巣癌患者#
45の血漿を含んでいた。(患者#45から採取した血
漿はELISAで測定したヒトneu値>10,000
を示した)。レーン3、5、7及び9は、卵巣癌患者#
35の血漿を含んでいた。(患者#35から採取した血
漿はELISAで測定したヒトneu値1,703を示
した)。レーン10は血漿サンプルを含んでいなかっ
た。レーン10は、ヒトneu p185を含むことが
分かっている細胞系17−7−8由来の電気泳動した腫
瘍抽出物から成る対照を含んでいたと言ったほうがよ
い。レーン2及び3に、抗ヒトneuモノクローナル抗
体OD3を1時間ブロットした。レーン4及び5に、陰
性の対照モノクローナル抗体TEPC 183を1時間
ブロットした。レーン6及び7に、抗ヒトneuモノク
ローナル抗体OD3を3時間ブロットした。レーン8及
び9に、陰性の対照抗体TEPC 183を3時間ブロ
ットした。レーン10には、腫瘍抽出物中でヒトneu
関連遺伝子産物p185を検出したOD3をブロットし
た。
発現ベクターに挿入することにより作製されるプラスミ
ドベクターpLJΔneuの概略説明図である。
クローナル抗体がヒトneu関連タンパク質を認識する
ことを示す免疫沈降結果を示す。
ブロットの結果を示す。
を示す。
にTA−1及びNB−3を使用した場合の結合曲線を示
す。
にTA−1及びNB−3を使用した場合の結合曲線を示
す。
乳癌細胞系からの溶解物をneu関連タンパク質の存在
に関して試験した捕獲イムノアッセイの結果を示す。
物(X−3−5)と、neu陰性腫瘍の腫瘍溶解物(3
T3/ras)との比較の結果(腫瘍溶解物μgと光学
密度の関係)を示す。
−050)又は乳癌(2747−01−050)から調
製し、捕獲フォーマットを使用してneu関連タンパク
質の存在を試験した細胞溶解物の捕獲イムノアッセイの
結果を示す。
転換され且つ細胞表面にp185タンパク質を発現する
NIH 3T3細胞)、3T3ras細胞(ras遺伝
子で形質転換され且つ細胞表面にヒトp185タンパク
質を発現しないNIH 3T3細胞)、及びSK−BR
−3ヒト乳癌細胞からの上清流体、並びに10%ウシ胎
児血清を補充した培養培地DMEMの捕獲イムノアッセ
イの結果を示す。
as遺伝子に由来するras形質転換NIH 3T3細
胞系であるT144に由来する腫瘍を有するマウスから
採取した血清、p185タンパク質を発現する腫瘍を有
するマウス(18−3−7マウス)から採取した血清、
及びp185タンパク質を発現しない腫瘍を有するマウ
ス(3T3(ras))から採取した血清を使用した捕
獲イムノアッセイの結果を示す。
捕獲試薬として使用し、ビオチニル化BD−5を検出シ
ステムの一部として使用した捕獲イムノアッセイの結果
を示す。
果を示す。
血漿サンプルにおけるp100の検出を示すイムノブロ
ットの結果を示す。
血漿サンプルにおけるp100の検出を示すイムノブロ
ットの結果を示す。
血漿サンプルにおけるp100の検出を示すイムノブロ
ットの結果を示す。
血漿サンプルにおけるp100の検出を示すイムノブロ
ットの結果を示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 ヒトの前腫瘍性細胞又は腫瘍細胞を検出
する方法であって、 (a)被験者に由来する生物学的流体をp100と結合でき
る少なくとも1つのモノクローナル抗体と接触させ、且
つ (b)抗体結合が生起したか否かを調べることによっ
て、前記生物学的流体中のp100の存在を検査することか
らなり、 ここでp100がヒトneu遺伝子産物の細胞外領域に実質的
に対応する約97,000ダルトン〜約115,000ダルトンの範
囲の分子量を有するヒトneu関連タンパク質である、前
記方法。 - 【請求項2】 癌が卵巣癌、乳癌、胃癌、膵癌、結腸癌
又は肺癌である請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 生物学的流体を、血液、血清、血漿、
尿、脳脊髄液、正常細胞溶解物の上清、前腫瘍性細胞溶
解物の上清、腫瘍細胞溶解物の上清及び胸部吸引物から
選択する請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 ヒト由来の生物学的流体中のp100の存在
を検出又は定量するアッセイ法であって、 (a)p100に結合できる少なくとも1つの第1のモノク
ローナル抗体を前記流体と接触させ、 (b)ステップ(a)の産物を、第1の抗体が結合した
エピトープとは異なるエピトープでp100に結合できる少
なくとも1つの検出可能な標識を付した第2のモノクロ
ーナル抗体と反応させ、且つ (c)ステップ(b)の産物を検出又は定量する操作を
含み、 ここでp100がヒトneu遺伝子産物の細胞外領域に実質的
に対応する約97,000ダルトン〜約115,000ダルトンの範
囲の分子量を有するヒトneu関連タンパク質である、前
記アッセイ法。 - 【請求項5】 免疫反応性フラグメントを使用する請求
項4に記載のアッセイ法。 - 【請求項6】 検出可能な標識を、放射性アイソトー
プ、酵素、蛍光発生物質、化学ルミネセント物質及び電
気化学物質から選択する請求項4に記載のアッセイ法。 - 【請求項7】 第2の抗体をビオチンに結合する請求項
4に記載のアッセイ法。 - 【請求項8】 ビオチニル化複合体をまずストレプタビ
ジン-ホースラディッシュペルオキシダーゼと反応さ
せ、次いでオルトフェニレンジアミンと反応させること
によってビオチン結合抗体を検出する請求項7に記載の
アッセイ法。 - 【請求項9】 第1の抗体を、ATCC受託番号HB 10205及
びHB 10206のハイブリドーマ細胞系によって産生される
抗体から選択する請求項4に記載のアッセイ法。 - 【請求項10】 第2の抗体を、ATCC受託番号HB 10205
及びHB 10206のハイブリドーマ細胞系によって産生され
る抗体から選択する請求項4に記載のアッセイ法。
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