JPH0614041B2 - 肺表面活性物質の検出方法及びそれに用いる試薬キツト - Google Patents
肺表面活性物質の検出方法及びそれに用いる試薬キツトInfo
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- JPH0614041B2 JPH0614041B2 JP60204322A JP20432285A JPH0614041B2 JP H0614041 B2 JPH0614041 B2 JP H0614041B2 JP 60204322 A JP60204322 A JP 60204322A JP 20432285 A JP20432285 A JP 20432285A JP H0614041 B2 JPH0614041 B2 JP H0614041B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、ヒト肺組織中における肺表面活性物質の存在
を、モノクローナル抗体を用いる酵素抗体法で検出する
方法、及びそのために用いられる試薬キットに関するも
のである。
を、モノクローナル抗体を用いる酵素抗体法で検出する
方法、及びそのために用いられる試薬キットに関するも
のである。
(ロ)従来の技術と問題点 臨床の分野でモノクローナル抗体を用いる診断法には、
血清学的診断やアイソトープ標識抗体によるイメージ診
断の他に、免疫組織診断がある。そして、免疫組織診断
において組織特異性を示すマーカーを用いると、例え
ば、腫瘍の転移が発見されたがその原発巣が不明な場合
や、腫瘍の発生起源が不明な場合に、それらの診断に有
効な場合がある。また、死産児の原因の診断(例えば窒
息死かIRDSか)や法医学上の死因の診断(例えば、
心臓疾患か肺疾患か)等の有効な場合もある。
血清学的診断やアイソトープ標識抗体によるイメージ診
断の他に、免疫組織診断がある。そして、免疫組織診断
において組織特異性を示すマーカーを用いると、例え
ば、腫瘍の転移が発見されたがその原発巣が不明な場合
や、腫瘍の発生起源が不明な場合に、それらの診断に有
効な場合がある。また、死産児の原因の診断(例えば窒
息死かIRDSか)や法医学上の死因の診断(例えば、
心臓疾患か肺疾患か)等の有効な場合もある。
従来、免疫組織診断にポリクローナル抗体でよく利用さ
れているものは、各種ホルモン,免疫グロブリン,前立
腺特異酸フォスファターゼやミオグロビンなどに対する
抗体があげられる。しかし、これら組織特異性抗原の多
くは組織,細胞の文化抗原であるので、腫瘍の悪性化に
伴って形質の脱分化が生ずるために、病理組織学的に低
形成性で、鑑別診断の困難なものほど抗原性が発現され
ない傾向にある。従って、脱分化をきたして分化抗原性
が低下したとしても残り得るような臓器、あるいは組織
特異性抗原に対するモノクローナル抗体の作製が望まれ
ていた。
れているものは、各種ホルモン,免疫グロブリン,前立
腺特異酸フォスファターゼやミオグロビンなどに対する
抗体があげられる。しかし、これら組織特異性抗原の多
くは組織,細胞の文化抗原であるので、腫瘍の悪性化に
伴って形質の脱分化が生ずるために、病理組織学的に低
形成性で、鑑別診断の困難なものほど抗原性が発現され
ない傾向にある。従って、脱分化をきたして分化抗原性
が低下したとしても残り得るような臓器、あるいは組織
特異性抗原に対するモノクローナル抗体の作製が望まれ
ていた。
(ハ)問題点を解決するための手段 本発明者らは、肺表面活性物質が大量蓄積する肺胞蛋白
症患者の気管支洗浄液から、肺表面活性物質のアポ蛋白
を分離精製し、そのアポ蛋白に特異的な2種類のモノク
ローナル抗体を作製し、これらを用いて免疫学的測定法
の検討を行った。その結果、本発明に係る2つのモノク
ローナル抗体は、ヒトの肺表面活性物質のアポ蛋白に特
異的であり、免疫組織診断用試薬として極めて有用であ
ることを知見し、本発明に到達した。
症患者の気管支洗浄液から、肺表面活性物質のアポ蛋白
を分離精製し、そのアポ蛋白に特異的な2種類のモノク
ローナル抗体を作製し、これらを用いて免疫学的測定法
の検討を行った。その結果、本発明に係る2つのモノク
ローナル抗体は、ヒトの肺表面活性物質のアポ蛋白に特
異的であり、免疫組織診断用試薬として極めて有用であ
ることを知見し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、ヒト肺組織中における肺表面活性物質
の存在を、酵素抗体法で検出する方法において、 (1)肺組織に、肺表面活性物質のアポ蛋白を認識するモ
ノクローナルな一次抗体を作用させ、次いで(2)該肺組
織を、一次抗体を認識するビオチン化二次抗体で処理
し、その後(3)酵素標識アビジンを作用させることを特
徴とする方法、又は同方法において、 (1)肺組織に、肺表面活性物質のアポ蛋白を認識する、
モノクローナルなビオチン化一次抗体を作用させ、次い
で、 (2)酵素標識アビジンを作用させることを特徴とする方
法である。
の存在を、酵素抗体法で検出する方法において、 (1)肺組織に、肺表面活性物質のアポ蛋白を認識するモ
ノクローナルな一次抗体を作用させ、次いで(2)該肺組
織を、一次抗体を認識するビオチン化二次抗体で処理
し、その後(3)酵素標識アビジンを作用させることを特
徴とする方法、又は同方法において、 (1)肺組織に、肺表面活性物質のアポ蛋白を認識する、
モノクローナルなビオチン化一次抗体を作用させ、次い
で、 (2)酵素標識アビジンを作用させることを特徴とする方
法である。
肺表面活性物質の約90%はリン脂質や中性脂質等の脂質
であるが、約10%は蛋白であり、これらは脂質と蛋白の
複合体、即ちリポ蛋白として存在している。肺表面活性
物質から脂質を除去すると水不溶性の蛋白が得られ、こ
れをアポ蛋白と呼んでいるが、分子量約36,000(36K)
の糖蛋白が主成分である。リン脂質に比べ、蛋白は特異
性に優れまた高感度に検出し得るので、肺表面活性物質
のマーカーとして適している。本発明において用いられ
るモノクローナル抗体は、このアポ蛋白を特異的に認識
する抗体である。
であるが、約10%は蛋白であり、これらは脂質と蛋白の
複合体、即ちリポ蛋白として存在している。肺表面活性
物質から脂質を除去すると水不溶性の蛋白が得られ、こ
れをアポ蛋白と呼んでいるが、分子量約36,000(36K)
の糖蛋白が主成分である。リン脂質に比べ、蛋白は特異
性に優れまた高感度に検出し得るので、肺表面活性物質
のマーカーとして適している。本発明において用いられ
るモノクローナル抗体は、このアポ蛋白を特異的に認識
する抗体である。
本発明におけるモノクローナル抗体の中で反応性や安全
性の点で特に好ましいのは、分子量が約62,000及び/又
は約34,000〜37,000のアポ蛋白を認識する抗体であり、
しかもIgG2b型のマウス抗体が好ましい。
性の点で特に好ましいのは、分子量が約62,000及び/又
は約34,000〜37,000のアポ蛋白を認識する抗体であり、
しかもIgG2b型のマウス抗体が好ましい。
本発明のモノクローナル抗体は、好ましくは、ヒトの肺
表面活性物質のアポ蛋白で免疫された動物の抗体産生細
胞と、ミエローマ細胞とを融合させることによって、該
アポ蛋白を認識するモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマを得、次いで、該ハイブリドーマ及び/又は
それに由来する細胞株を培養し、培養物からヒトの肺表
面活性物質のアポ蛋白を認識するモノクローナル抗体を
採取することによって得られる。
表面活性物質のアポ蛋白で免疫された動物の抗体産生細
胞と、ミエローマ細胞とを融合させることによって、該
アポ蛋白を認識するモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマを得、次いで、該ハイブリドーマ及び/又は
それに由来する細胞株を培養し、培養物からヒトの肺表
面活性物質のアポ蛋白を認識するモノクローナル抗体を
採取することによって得られる。
本発明における肺表面活性物質は、ヒトの肺及び/又は
気管支の洗浄液から、好ましくは肺胞蛋白症患者の気管
支肺洗浄液から分離・採取される。肺表面活性物質は、
約90%の脂質と約10%の蛋白との複合体(リポ蛋白)で
あり、これから公知の方法、例えばFrosolonoの方法
(J.Lipid Res.11,439-457(1970)参照)によって肺表面
活性物質を得、次いで脂質を除去すると、本発明におけ
るアポ蛋白が得られる。アポ蛋白は分子量約62,000と約
36,000の蛋白が主成分であるが、分子量約36,000の蛋白
は、ソジウムドデシルサルフェート−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)では幅広くバンド
として分離し、この中には分子量約37,000と約34,000の
蛋白も含んでいると考えられる。従って、本発明におけ
るアポ蛋白とは、これらの糖蛋白及びその他のすべての
アポ蛋白又はそれらのフラグメントを意味するものであ
る。なお、蛋白の分子量はSDS−PAGEにより測定
した。
気管支の洗浄液から、好ましくは肺胞蛋白症患者の気管
支肺洗浄液から分離・採取される。肺表面活性物質は、
約90%の脂質と約10%の蛋白との複合体(リポ蛋白)で
あり、これから公知の方法、例えばFrosolonoの方法
(J.Lipid Res.11,439-457(1970)参照)によって肺表面
活性物質を得、次いで脂質を除去すると、本発明におけ
るアポ蛋白が得られる。アポ蛋白は分子量約62,000と約
36,000の蛋白が主成分であるが、分子量約36,000の蛋白
は、ソジウムドデシルサルフェート−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)では幅広くバンド
として分離し、この中には分子量約37,000と約34,000の
蛋白も含んでいると考えられる。従って、本発明におけ
るアポ蛋白とは、これらの糖蛋白及びその他のすべての
アポ蛋白又はそれらのフラグメントを意味するものであ
る。なお、蛋白の分子量はSDS−PAGEにより測定
した。
アポ蛋白を認識するモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマは、手法それ自体は公知である細胞融合法に
よって製造することができる。まず、アポ蛋白でサル,
ウマ,ウシ,ヤギ,ヒツジ,ウサギ,ラット,マウス等
の動物を免疫し、次いでこれらの動物の脾臓やリンパ節
等から抗体産生細胞(リンパ球)を採取し、そして、こ
の細胞をヒト又は動物のミエローマ細胞と融合させる。
ミエローマ細胞としてはマウスのミエローマ細胞を用い
るのが便利であり、これらの例としては、BALB/C
マウスのP3-X63−Ag8,P3-X63−Ag8−U1,P3-
NS1/1−Ag4-1,P3-X63−Ag8-6.5.3,SP2/
O−Ag14,FO,MPC 11-45.6TG1.7などがあ
る。
ブリドーマは、手法それ自体は公知である細胞融合法に
よって製造することができる。まず、アポ蛋白でサル,
ウマ,ウシ,ヤギ,ヒツジ,ウサギ,ラット,マウス等
の動物を免疫し、次いでこれらの動物の脾臓やリンパ節
等から抗体産生細胞(リンパ球)を採取し、そして、こ
の細胞をヒト又は動物のミエローマ細胞と融合させる。
ミエローマ細胞としてはマウスのミエローマ細胞を用い
るのが便利であり、これらの例としては、BALB/C
マウスのP3-X63−Ag8,P3-X63−Ag8−U1,P3-
NS1/1−Ag4-1,P3-X63−Ag8-6.5.3,SP2/
O−Ag14,FO,MPC 11-45.6TG1.7などがあ
る。
細胞融合の条件は、例えば次の通りである。抗体産生細
胞とミエローマ細胞を10:1〜1〜10,好ましくは1:
1〜1:3の比率で混合し、適当な細胞融合用溶液、例
えば約35%ポリエチレングリコール(分子量1,000〜6,0
00程度)および約7.5%ジメチルスルホキシドを含むR
PMI1640を加えて、室温〜37℃で1〜数分間攪拌し、
その後10%FCS加RPMI1640で徐々に希釈し、洗浄
の後HAT(ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジ
ン)選択培養液にて細胞濃度が1〜5×105個/mと
なるように調整する。これを0.2mずつ、例えば96穴
プレートに分注し、5%CO2を含む空気中で35〜38℃
で2〜3時間培養する。HAT培養液中ではハイブリド
ーマのみが存在し、8−アザグアニン耐性のミエローマ
細胞及びミエローマ同士の融合細胞は生存し得ない(未
融合の抗体産生細胞は数日で死滅する)。次に、このハ
イブリドーマ集落から、アポ蛋白に対し特異的なモノク
ローナル抗体を分泌するものだけ選別する。この選別工
程(スクリーニング)は、それぞれのハイブリドーマよ
り産生されたモノクローナル抗体が、目的とするアポ蛋
白と抗原抗体反応をするか否かを酵素抗体法で調べるこ
とによって行なう事ができる。目的とするモノクローナ
ル抗体を分泌するハイブリドーマは、次にクローニング
によりクローン化細胞にしなくてはならない。この工程
は、具体的には限界希釈を用い行う事ができる。約2〜
3週間後、96穴のプレート中で生育したコロニーを拾
い、再び酵素抗体法でアポ蛋白に対する抗体活性を調べ
選別したハイブリドーマを培養して、所望のアポ蛋白に
特異的なモノクローナル抗体を生成させる。
胞とミエローマ細胞を10:1〜1〜10,好ましくは1:
1〜1:3の比率で混合し、適当な細胞融合用溶液、例
えば約35%ポリエチレングリコール(分子量1,000〜6,0
00程度)および約7.5%ジメチルスルホキシドを含むR
PMI1640を加えて、室温〜37℃で1〜数分間攪拌し、
その後10%FCS加RPMI1640で徐々に希釈し、洗浄
の後HAT(ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジ
ン)選択培養液にて細胞濃度が1〜5×105個/mと
なるように調整する。これを0.2mずつ、例えば96穴
プレートに分注し、5%CO2を含む空気中で35〜38℃
で2〜3時間培養する。HAT培養液中ではハイブリド
ーマのみが存在し、8−アザグアニン耐性のミエローマ
細胞及びミエローマ同士の融合細胞は生存し得ない(未
融合の抗体産生細胞は数日で死滅する)。次に、このハ
イブリドーマ集落から、アポ蛋白に対し特異的なモノク
ローナル抗体を分泌するものだけ選別する。この選別工
程(スクリーニング)は、それぞれのハイブリドーマよ
り産生されたモノクローナル抗体が、目的とするアポ蛋
白と抗原抗体反応をするか否かを酵素抗体法で調べるこ
とによって行なう事ができる。目的とするモノクローナ
ル抗体を分泌するハイブリドーマは、次にクローニング
によりクローン化細胞にしなくてはならない。この工程
は、具体的には限界希釈を用い行う事ができる。約2〜
3週間後、96穴のプレート中で生育したコロニーを拾
い、再び酵素抗体法でアポ蛋白に対する抗体活性を調べ
選別したハイブリドーマを培養して、所望のアポ蛋白に
特異的なモノクローナル抗体を生成させる。
モノクローナル抗体を得るためのもう一つの方法は、抗
体産生細胞にエプスタイン・バー・ウイルス(Epstein
−Barr Virus,以下E−Bウイルスと略称する)を
感染させて形質転換細胞を作成し、該形質転換細胞及び
/又はそれに由来する細胞株を培養し、培養物からアポ
蛋白に結合する性質を有するモノクローナル抗体を採取
する方法である。
体産生細胞にエプスタイン・バー・ウイルス(Epstein
−Barr Virus,以下E−Bウイルスと略称する)を
感染させて形質転換細胞を作成し、該形質転換細胞及び
/又はそれに由来する細胞株を培養し、培養物からアポ
蛋白に結合する性質を有するモノクローナル抗体を採取
する方法である。
E−Bウイルスは、バーキットリンパ種や鼻咽頭ガンの
原因ウイルスとされている、ヘルペスウイルス群に属す
るウイルスである。抗体産生細胞をE−Bウイルスに感
染させ、約2〜3週間,5%CO2インキュベータで培
養し、多くの異質集落から成る形質転換細胞(トランス
フォームドセル)を形成させる。次に、この形質転換細
胞から、アポ蛋白に対し特異的なモノクローナル抗体を
分泌するものだけを、前記と同様な方法で選別する。そ
して、前記と同様にして、クローン化された形質転換細
胞を得ることができる。
原因ウイルスとされている、ヘルペスウイルス群に属す
るウイルスである。抗体産生細胞をE−Bウイルスに感
染させ、約2〜3週間,5%CO2インキュベータで培
養し、多くの異質集落から成る形質転換細胞(トランス
フォームドセル)を形成させる。次に、この形質転換細
胞から、アポ蛋白に対し特異的なモノクローナル抗体を
分泌するものだけを、前記と同様な方法で選別する。そ
して、前記と同様にして、クローン化された形質転換細
胞を得ることができる。
次に、本発明においては、選択したハイブリドーマ又は
形質転換細胞を培養して、所望の特異的モノクローナル
抗体を生成させる。クローニングによって選択された、
肺表面活性物質のアポ蛋白を認識する抗体を産生するハ
イブリドーマ又は形質転換は凍結して保存することがで
き、また、これを適当な方法で大量に培養することもで
きる。そして、培養上清からアポ蛋白に特異的に結合す
るモノクローナル抗体を得ることができる。また、かか
る細胞を動物に移植して腫瘍化し、その腹水や血清から
目的とする抗体を得ることもできる。本発明のモノクロ
ーナル抗体の精製は、プロテインA等を用いるアフィニ
ティクロマトグラフィー等の方法によって行なわれる。
形質転換細胞を培養して、所望の特異的モノクローナル
抗体を生成させる。クローニングによって選択された、
肺表面活性物質のアポ蛋白を認識する抗体を産生するハ
イブリドーマ又は形質転換は凍結して保存することがで
き、また、これを適当な方法で大量に培養することもで
きる。そして、培養上清からアポ蛋白に特異的に結合す
るモノクローナル抗体を得ることができる。また、かか
る細胞を動物に移植して腫瘍化し、その腹水や血清から
目的とする抗体を得ることもできる。本発明のモノクロ
ーナル抗体の精製は、プロテインA等を用いるアフィニ
ティクロマトグラフィー等の方法によって行なわれる。
本発明においては、前述の如き方法によって、ヒトの肺
表面活性物質のアポ蛋白を認識する2種類のモノクロー
ナル抗体PC6とPE10が得られる抗原部位を認識する
モノクローナル抗体であった。
表面活性物質のアポ蛋白を認識する2種類のモノクロー
ナル抗体PC6とPE10が得られる抗原部位を認識する
モノクローナル抗体であった。
本発明においては、かかるモノクローナル抗体が一次抗
体として用いられる。一次抗体を認識する二次抗体の種
類及びその製造法に関しては、何らの制限もない。そし
て、ビオチン化二次抗体としては、種々の市販品を利用
することができる。
体として用いられる。一次抗体を認識する二次抗体の種
類及びその製造法に関しては、何らの制限もない。そし
て、ビオチン化二次抗体としては、種々の市販品を利用
することができる。
本発明においては肺組織に一次抗体を作用させ、次いで
ビオチン化二次抗体で処理した後、公知の酵素標識アビ
ジンを作用させる。
ビオチン化二次抗体で処理した後、公知の酵素標識アビ
ジンを作用させる。
アビジンとは卵白中に存在する分子量約68,000の塩基性
蛋白質であり、ビタミンHとして知られるビオチンと極
めて高い親和性(親和性定数10M-1)を有することが知
られている。アビジンは、4個のサブユニットから成る
ことが知られているが、本発明のアビジンとはこれらの
サブユニットも含む。
蛋白質であり、ビタミンHとして知られるビオチンと極
めて高い親和性(親和性定数10M-1)を有することが知
られている。アビジンは、4個のサブユニットから成る
ことが知られているが、本発明のアビジンとはこれらの
サブユニットも含む。
酵素標識剤としては、ホースラディシュパーオキシダー
ゼ,β−D−ガラクトシダーゼ,アルカリフォスファタ
ーゼ等がある。本発明における酵素標識アビジンには、
いわゆる、ABCコンプレックスも含まれる(四価の反
応基をもつアビジンと複数個所でビオチン化されたHR
Pをあらかじめの適当な割合で混合して得られ、多数の
HRPを含み、一部にアビジンの未反応基を残す格子状
のABCコンプレックス)。酵素標識剤の活性を測定す
るためには基質の添加が必要である。基質としては例え
ば、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(HRP)の
基質として、2,2′アジノジ−[3−エチルベンズチア
ゾリンスルホン酸]アンモニウム酸(ABTS)−H2
O2,5−アミノサリチル酸−H2O2,O−フェニレ
ンジアミン−H2O2,4−アミノアンチビリン−H2
O2などが,β−D−ガラクトシダーゼの基質として、
フルオレセイン−ジ−(β−D−ガラクトピラノシ
ド),O−ニトロフェノール−β−D−ガラクトピラノ
シドなどを挙げることが出来る。測定のためには、これ
らの試薬以外にも溶解剤,洗浄剤,反応停止剤等の公知
の試薬が使用される。
ゼ,β−D−ガラクトシダーゼ,アルカリフォスファタ
ーゼ等がある。本発明における酵素標識アビジンには、
いわゆる、ABCコンプレックスも含まれる(四価の反
応基をもつアビジンと複数個所でビオチン化されたHR
Pをあらかじめの適当な割合で混合して得られ、多数の
HRPを含み、一部にアビジンの未反応基を残す格子状
のABCコンプレックス)。酵素標識剤の活性を測定す
るためには基質の添加が必要である。基質としては例え
ば、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(HRP)の
基質として、2,2′アジノジ−[3−エチルベンズチア
ゾリンスルホン酸]アンモニウム酸(ABTS)−H2
O2,5−アミノサリチル酸−H2O2,O−フェニレ
ンジアミン−H2O2,4−アミノアンチビリン−H2
O2などが,β−D−ガラクトシダーゼの基質として、
フルオレセイン−ジ−(β−D−ガラクトピラノシ
ド),O−ニトロフェノール−β−D−ガラクトピラノ
シドなどを挙げることが出来る。測定のためには、これ
らの試薬以外にも溶解剤,洗浄剤,反応停止剤等の公知
の試薬が使用される。
本発明は、また、前述した様な抗体及び試薬類のキット
化したものも、その範囲に含むものである。この好まし
い例は、ヒト肺組織中における肺表面活性物質の存在を
酵素抗体法で検出するための試薬キットであって、(1)
ヒトの肺表面活性物質のアポ蛋白を認識するモノクロー
ナルな一次抗体と、(2)該一次抗体を認識するビオチン
化二次抗体と、(3)酵素標識アビジンと、(4)該酵素に対
する基質を主要構成成分とする試薬キット,又は(1)ヒ
トの肺表面活性物質のアポ蛋白を認識する、モノクロー
ナルなビオチン化一次抗体と、(2)酵素標識アビジン
と、(3)該酵素に対する基質を主要構成成分とする試薬
キットである。
化したものも、その範囲に含むものである。この好まし
い例は、ヒト肺組織中における肺表面活性物質の存在を
酵素抗体法で検出するための試薬キットであって、(1)
ヒトの肺表面活性物質のアポ蛋白を認識するモノクロー
ナルな一次抗体と、(2)該一次抗体を認識するビオチン
化二次抗体と、(3)酵素標識アビジンと、(4)該酵素に対
する基質を主要構成成分とする試薬キット,又は(1)ヒ
トの肺表面活性物質のアポ蛋白を認識する、モノクロー
ナルなビオチン化一次抗体と、(2)酵素標識アビジン
と、(3)該酵素に対する基質を主要構成成分とする試薬
キットである。
(ニ)参考例 (1)肺胞蛋白症患者の肺及び気管支を、治療の目的で、
0.15M塩化ナトリウム溶液で洗浄し、気管支肺洗浄液
(BALF)を3得た。このBALFを300×gで10
分間遠心分離し、細胞及び細胞破片を除去した。次い
で、得られた上清を 48000×gで20分間遠心分離し、沈渣画分を採取した。
0.15M塩化ナトリウム溶液で洗浄し、気管支肺洗浄液
(BALF)を3得た。このBALFを300×gで10
分間遠心分離し、細胞及び細胞破片を除去した。次い
で、得られた上清を 48000×gで20分間遠心分離し、沈渣画分を採取した。
この沈渣画面を、145mMの塩化ナトリウム,1mMのエ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含む10mMのトリ
ス緩衝液(ph7.4)80mに懸濁し、0.25Mと0.65Mの
不連続ショ糖密度勾配による遠心分離を、40000×gで6
0分間行なった。0.25Mと0.65Mのショ糖溶液のIB画
分を採取し、上記緩衝液400mに再懸濁した。そし
て、この懸濁液を、48000×gで30分間遠心分離し、沈
澱物(肺表面活性物質)を得た。
チレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含む10mMのトリ
ス緩衝液(ph7.4)80mに懸濁し、0.25Mと0.65Mの
不連続ショ糖密度勾配による遠心分離を、40000×gで6
0分間行なった。0.25Mと0.65Mのショ糖溶液のIB画
分を採取し、上記緩衝液400mに再懸濁した。そし
て、この懸濁液を、48000×gで30分間遠心分離し、沈
澱物(肺表面活性物質)を得た。
この沈澱物を、1%のトリトンX−100(非イオン界面
活性剤),3mMのEDTA,3mMのフェニルメチル
スルホニルフロリド,0.5mMのジチオスレイトールを
含む5mMのトリス緩衝液(pH7.8,以後トリトン緩衝
液という)27mに静かに分散させた。この分散液を15
0000×gで60分間遠心分離し、沈澱物を得た。
活性剤),3mMのEDTA,3mMのフェニルメチル
スルホニルフロリド,0.5mMのジチオスレイトールを
含む5mMのトリス緩衝液(pH7.8,以後トリトン緩衝
液という)27mに静かに分散させた。この分散液を15
0000×gで60分間遠心分離し、沈澱物を得た。
この沈澱物を、上記トリトン緩衝液4mに再分散し、
この再分散液に4mのブタノール−エタノール混合液
(容量比6:1)を添加し、激しく振とうして、0℃で
10分間放置し脂質を抽出除去した後、2000r.p.m.で15分
間遠心分離し、沈澱物(アポ蛋白)を得た。この操作を
もう3回繰り返し、最終的なアポ蛋白の沈澱を得た。
この再分散液に4mのブタノール−エタノール混合液
(容量比6:1)を添加し、激しく振とうして、0℃で
10分間放置し脂質を抽出除去した後、2000r.p.m.で15分
間遠心分離し、沈澱物(アポ蛋白)を得た。この操作を
もう3回繰り返し、最終的なアポ蛋白の沈澱を得た。
この沈澱物をトリトン緩衝液20mに懸濁し、同じトリ
トン緩衝液に対してセロハン膜を用いて透析し(ブタノ
ール−エタノールの除去)、透析内液を得た。この透析
内液を、150000×gで60分間遠心分離し上清を得た。沈
澱物には再びトリトン緩衝液20mを添加し可溶化した
後、150000×gで60分間遠心分離し上清を得た。この
操作をもう6回行ない上清を集めた。得られた上清は合
算して150mであった。この上清を、トリトン緩衝液
で平衡化したブルーセファロースカラム(直径1.8cm×
3.5cm)に注加し、同緩衝液を用いて溶出し、素通り画
分を採取することによって混在するアルブミンを除去し
た。
トン緩衝液に対してセロハン膜を用いて透析し(ブタノ
ール−エタノールの除去)、透析内液を得た。この透析
内液を、150000×gで60分間遠心分離し上清を得た。沈
澱物には再びトリトン緩衝液20mを添加し可溶化した
後、150000×gで60分間遠心分離し上清を得た。この
操作をもう6回行ない上清を集めた。得られた上清は合
算して150mであった。この上清を、トリトン緩衝液
で平衡化したブルーセファロースカラム(直径1.8cm×
3.5cm)に注加し、同緩衝液を用いて溶出し、素通り画
分を採取することによって混在するアルブミンを除去し
た。
この画分を、トリトン緩衝液で平衡化したDEAE−ト
ーヨーパールカラム(直径1.4cm×19cm)に注加し、ま
ず、同緩衝液200mとを用いて流速15m/hr.で溶出
し、次に、同緩衝液に含まれる塩化ナトリウムの濃度を
0から0.5Mまで直線的に連続的に上げながら溶出し、
塩化ナトリウム濃度が0.30Mと0.35Mの間の画分を得
た。この画分に含まれる蛋白の分子量は約62000と約360
00で糖鎖を有していた。
ーヨーパールカラム(直径1.4cm×19cm)に注加し、ま
ず、同緩衝液200mとを用いて流速15m/hr.で溶出
し、次に、同緩衝液に含まれる塩化ナトリウムの濃度を
0から0.5Mまで直線的に連続的に上げながら溶出し、
塩化ナトリウム濃度が0.30Mと0.35Mの間の画分を得
た。この画分に含まれる蛋白の分子量は約62000と約360
00で糖鎖を有していた。
(2)前記の塩化ナトリウム濃度が0.30Mと0.35Mの間で
溶出された画分に含まれるLSアポ蛋白を、以下の実験
に用いた。
溶出された画分に含まれるLSアポ蛋白を、以下の実験
に用いた。
LSアポ蛋白をフロイント完全アジュバントに乳化し、
BALB/Cマウスの腹腔に投与した。そして、30日後
にマウスに追加免疫を行った。一方、15%の牛胎児血清
を添加したRPMI1640(ギブコ社製)で、ミエローマ
細胞P3−X63−Ag8−UIを維持培養しておいた。追
加免疫3日後,マウスから得た脾臓細胞とP3×−X63
−Ag8−UIを、Oi等の方法(Selective methods i
n cellular immunology 1980,p351-372,参照)によりポ
リエチレングリコール4000を用い細胞融合させ、96穴マ
イクロプレートにまいた。細胞融合後、培地を100μM
ヒポキサンテン,0.4μMアミノプテリン,16μMチミ
ジンを添加したRPMI培地(HAT培地)に置き換え
た。HAT培地で培養中2〜3週間で、脾臓細胞とミエ
ローマ細胞のハイブリドーマのみが生育した。ハイブリ
ドーマの培養液中の抗体活性を、以下に述べるELIS
A法で調べた。
BALB/Cマウスの腹腔に投与した。そして、30日後
にマウスに追加免疫を行った。一方、15%の牛胎児血清
を添加したRPMI1640(ギブコ社製)で、ミエローマ
細胞P3−X63−Ag8−UIを維持培養しておいた。追
加免疫3日後,マウスから得た脾臓細胞とP3×−X63
−Ag8−UIを、Oi等の方法(Selective methods i
n cellular immunology 1980,p351-372,参照)によりポ
リエチレングリコール4000を用い細胞融合させ、96穴マ
イクロプレートにまいた。細胞融合後、培地を100μM
ヒポキサンテン,0.4μMアミノプテリン,16μMチミ
ジンを添加したRPMI培地(HAT培地)に置き換え
た。HAT培地で培養中2〜3週間で、脾臓細胞とミエ
ローマ細胞のハイブリドーマのみが生育した。ハイブリ
ドーマの培養液中の抗体活性を、以下に述べるELIS
A法で調べた。
[抗体のスクリーニング] LSアポ蛋白をELISA用のプレートに付着させ、10
mMリン酸生理食塩液(pH7.4)に3%(w/v)のB
SAを添加した液で、ブロッキングを行った。ブロッキ
ング後、ハイブリドーマ培養液50μをELISAプレ
ートに添加し、室温で2時間又は4℃で一夜培養した。
その後、ビオチン化ウマ抗マウスIgGイムノグリブリ
ン(2μg/m)50μの2次抗体を添加、室温で
1時間反応させ。これに、50μの西洋ワサビパーオキ
シダーゼアビジンD溶液(1μg/m)を加え、LS
アポ蛋白に結合した抗体を、100μの基質溶液(0.1%
O−フェニレンジアミン,0.015%H2O2,0.1Mクエ
ン酸緩衝液,pH4.6)を加える事により検出した。
mMリン酸生理食塩液(pH7.4)に3%(w/v)のB
SAを添加した液で、ブロッキングを行った。ブロッキ
ング後、ハイブリドーマ培養液50μをELISAプレ
ートに添加し、室温で2時間又は4℃で一夜培養した。
その後、ビオチン化ウマ抗マウスIgGイムノグリブリ
ン(2μg/m)50μの2次抗体を添加、室温で
1時間反応させ。これに、50μの西洋ワサビパーオキ
シダーゼアビジンD溶液(1μg/m)を加え、LS
アポ蛋白に結合した抗体を、100μの基質溶液(0.1%
O−フェニレンジアミン,0.015%H2O2,0.1Mクエ
ン酸緩衝液,pH4.6)を加える事により検出した。
(3)LSアポ蛋白に対する抗体を産生するハイブリドー
マを選別し、更に限界希釈法によるクローニングを行な
い、最終的に単一クローンのハイブリドーマ2種が得ら
れた。このハイブリドーマを、それぞれ、プリスタン投
与BALB/Cマウスの腹腔で増殖させ、モノクローナ
ル抗体を含む腹水を得た。得られた腹水に50%飽和硫安
を加え抗体を沈澱させ、この沈澱物を0.1Mリン酸生理
食塩液(pH8.0)に溶解させた。そして透析後、プロテ
インA−セファロースCL4Bカラム(ファルマシア社
製)にかけ、抗体を0.2Mグリシン−塩酸バッファー(p
H3.0)に溶出して精製した。
マを選別し、更に限界希釈法によるクローニングを行な
い、最終的に単一クローンのハイブリドーマ2種が得ら
れた。このハイブリドーマを、それぞれ、プリスタン投
与BALB/Cマウスの腹腔で増殖させ、モノクローナ
ル抗体を含む腹水を得た。得られた腹水に50%飽和硫安
を加え抗体を沈澱させ、この沈澱物を0.1Mリン酸生理
食塩液(pH8.0)に溶解させた。そして透析後、プロテ
インA−セファロースCL4Bカラム(ファルマシア社
製)にかけ、抗体を0.2Mグリシン−塩酸バッファー(p
H3.0)に溶出して精製した。
2種類のハイブリドーマから得られたモノクローナル抗
体を、それぞれPC6,PE10と命名した。
体を、それぞれPC6,PE10と命名した。
(4)モノクローナル抗体の性質 ウエスタン ブロッティング(Western blotting)法
で、PC6とPE10は、肺胞蛋白症患者の気管支肺洗浄
液のIB画分から得られた36Kと62Kの両アポ蛋白を認
識した。また、両抗体はヒト羊水と正常ヒト気管支肺洗
浄液中の、37Kと34K及び62Kアポ蛋白を認識した。36
K蛋白はSDS−PAGEで幅広いバンドとして分離
し、この中に37Kと34K蛋白を含むので、36K蛋白と37
K,34K蛋白は同一の蛋白である。PC6とPE10は、
ドット−免疫結合(dot-immunobinding)法による交叉
反応の結果から、近接する相互に異なったエピトープ
(抗原部位)を認識することが示された。これらの抗体
は、ヒトの肺表面活性物質のアポ蛋白に特異的であり、
ラット,ブタ,ウサギ等の動物の肺表面活性物質のアポ
蛋白とは反応せず、またヒトの血清蛋白とも反応しなか
った。
で、PC6とPE10は、肺胞蛋白症患者の気管支肺洗浄
液のIB画分から得られた36Kと62Kの両アポ蛋白を認
識した。また、両抗体はヒト羊水と正常ヒト気管支肺洗
浄液中の、37Kと34K及び62Kアポ蛋白を認識した。36
K蛋白はSDS−PAGEで幅広いバンドとして分離
し、この中に37Kと34K蛋白を含むので、36K蛋白と37
K,34K蛋白は同一の蛋白である。PC6とPE10は、
ドット−免疫結合(dot-immunobinding)法による交叉
反応の結果から、近接する相互に異なったエピトープ
(抗原部位)を認識することが示された。これらの抗体
は、ヒトの肺表面活性物質のアポ蛋白に特異的であり、
ラット,ブタ,ウサギ等の動物の肺表面活性物質のアポ
蛋白とは反応せず、またヒトの血清蛋白とも反応しなか
った。
また、IgGのサブクラスはPC6,PE10の両者とも
IgG2bであった。
IgG2bであった。
[ウエスタン ブロッティング法] モノクローナル抗体に特異的な抗原を、Towbin等の方
法(Pro.N.A.S.76 4350−4354)に
よるウエスタン ブロッティング法を用いて同定した。
最初に肺表面活性物質のアポ蛋白を有する抗原をSDS
−PAGEにかけた。SDS−PAGE後電解後バッフ
ァーが25mMトリス−塩酸,pH8.3,192mMグリシン,2
0%(v/v)メタノールであり、電圧傾斜が7V/c
m,2時間の条件でスラブ(slab)ゲルからニトロセル
ロースシートへ蛋白を移した。ニトロセルロースシート
の各レーンを切り離した。片一方のシートを、アミドブ
ラックで蛋白染色を行い、他方は次の様な酵素免疫アッ
セイに処した。
法(Pro.N.A.S.76 4350−4354)に
よるウエスタン ブロッティング法を用いて同定した。
最初に肺表面活性物質のアポ蛋白を有する抗原をSDS
−PAGEにかけた。SDS−PAGE後電解後バッフ
ァーが25mMトリス−塩酸,pH8.3,192mMグリシン,2
0%(v/v)メタノールであり、電圧傾斜が7V/c
m,2時間の条件でスラブ(slab)ゲルからニトロセル
ロースシートへ蛋白を移した。ニトロセルロースシート
の各レーンを切り離した。片一方のシートを、アミドブ
ラックで蛋白染色を行い、他方は次の様な酵素免疫アッ
セイに処した。
3%(w/v)BSA/PBSでブロッキング後、1次
抗体としてモノクローナル抗体(PC6又はPE10)を
加えた。2次抗体としてビオチン化ウマ抗マウスIgG
イムノグロブリンを加えた。各シートは0.05%(v/
v)トウィーン(Tween)20を含むPBSで洗浄し
た。西洋ワサビパーオキシダーゼアビジンDでインキュ
ベート後、基質溶液(0.05%ジアミノベンジジン,0.03
%H2O2,0.01MPBS)を加えることにより検出し
同定した。
抗体としてモノクローナル抗体(PC6又はPE10)を
加えた。2次抗体としてビオチン化ウマ抗マウスIgG
イムノグロブリンを加えた。各シートは0.05%(v/
v)トウィーン(Tween)20を含むPBSで洗浄し
た。西洋ワサビパーオキシダーゼアビジンDでインキュ
ベート後、基質溶液(0.05%ジアミノベンジジン,0.03
%H2O2,0.01MPBS)を加えることにより検出し
同定した。
(5)ビオチン化モノクローナル抗体の調製 モノクローナル抗体PE10の1.0mg/mのPBS溶液
を、0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液で透析した後、モ
ノクローナル抗体10容量に対して、N−ヒドロキシサク
シンイミドビオチン(Pierce Chemicals製)の1.0mg
/mジメチルスルホキシド溶液1容量を添加混合し、
室温で4時間インキュベートし、次いで50mMPBS溶
液に対して透析することにより、ビオチン化モノクロー
ナル抗体を得た。
を、0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液で透析した後、モ
ノクローナル抗体10容量に対して、N−ヒドロキシサク
シンイミドビオチン(Pierce Chemicals製)の1.0mg
/mジメチルスルホキシド溶液1容量を添加混合し、
室温で4時間インキュベートし、次いで50mMPBS溶
液に対して透析することにより、ビオチン化モノクロー
ナル抗体を得た。
なお、ビオチン化羊抗ウサギIgG抗体等のビオチン化
二次抗体や、HRP標識アビジンやABCコンプレック
ス等の酵素標識アビジンは、市販品を利用できる。
二次抗体や、HRP標識アビジンやABCコンプレック
ス等の酵素標識アビジンは、市販品を利用できる。
以下、実施例により本発明を詳述する。
(ホ)実施例1 肺の腺癌に対する肺胞II型細胞(肺表面活性物質産生細
胞)の関与についての免疫組織学的検討。
胞)の関与についての免疫組織学的検討。
肺癌の剖検例から肺腺癌15例を選び、これらの組織を参
考例の(3)で得られたモノクローナル抗体PE10を用
い、ABC法にて染色した。即ち、ホルマリン固定パラ
フィン切片の約400mm2の組織にPE10の生理食塩水溶液
0.1m(濃度2.4μg/m)を添加し、次いで抗体を
認識するビオチン二次抗体(市販キット)で処理し、そ
の後ABCコンプレックス(市販キット)を室温で30分
間作用させた。
考例の(3)で得られたモノクローナル抗体PE10を用
い、ABC法にて染色した。即ち、ホルマリン固定パラ
フィン切片の約400mm2の組織にPE10の生理食塩水溶液
0.1m(濃度2.4μg/m)を添加し、次いで抗体を
認識するビオチン二次抗体(市販キット)で処理し、そ
の後ABCコンプレックス(市販キット)を室温で30分
間作用させた。
なお、対照として肺扁平上皮癌と転移性腺癌を同時に染
色した。
色した。
その結果、肺腺癌15例(管状型4例、乳頭型11例、うち
細気管支肺胞型3例)のうち、腫瘍細胞の大部分が陽性
のもの(++):3例、腫瘍細胞の一部が陽性のもの
(+):4例であった。(++)の3例中2例は細気管
支肺胞型、1例は分類上腺管型に入れたが陽性を示すの
は乳頭状増殖を示す部分であった。
細気管支肺胞型3例)のうち、腫瘍細胞の大部分が陽性
のもの(++):3例、腫瘍細胞の一部が陽性のもの
(+):4例であった。(++)の3例中2例は細気管
支肺胞型、1例は分類上腺管型に入れたが陽性を示すの
は乳頭状増殖を示す部分であった。
これら(++)の3例は、肺胞II型細胞が関与してお
り、II型肺胞上皮への分化を示す腺癌であると判断され
る。対照群は陰性であり、本発明の方法は、肺腺癌の組
織発生解明に有用であることがわかった。
り、II型肺胞上皮への分化を示す腺癌であると判断され
る。対照群は陰性であり、本発明の方法は、肺腺癌の組
織発生解明に有用であることがわかった。
なお、(+)の4例は、正常II型肺胞上皮が腫瘍内に残
存していた可能性も考えられ、その発生起源は本発明の
方法のみでは断定できなかった。
存していた可能性も考えられ、その発生起源は本発明の
方法のみでは断定できなかった。
実施例2 肺胞の免疫組織学的検討 モノクローナル抗体PC6又はPE10を用いて、実施例
1と同様な方法で、種々の肺胞の酵素抗体法による免疫
組織学的検討を行なった。
1と同様な方法で、種々の肺胞の酵素抗体法による免疫
組織学的検討を行なった。
その結果、正常ヒト成人肺の肺胞表面および肺胞II型細
胞内では、明らかな陽性を示した。しかし13週胎児肺で
両抗体は反応を示さなかった。またRDS死亡例の肺に
おける両抗体の反応は、認められなかった。以上の結果
からPC6とPE10は、病理組織学上肺表面活性物質の
動態を検索するマーカーとして、従って死因の診断等の
ために使用し得ることが明らかである。
胞内では、明らかな陽性を示した。しかし13週胎児肺で
両抗体は反応を示さなかった。またRDS死亡例の肺に
おける両抗体の反応は、認められなかった。以上の結果
からPC6とPE10は、病理組織学上肺表面活性物質の
動態を検索するマーカーとして、従って死因の診断等の
ために使用し得ることが明らかである。
Claims (6)
- 【請求項1】ヒト肺組織中における肺表面活性物質の存
在を、酵素抗体法で検出する方法において、 (1)肺組織に、肺表面活性物質のアポ蛋白を認識するモ
ノクローナルな一次抗体を作用させ、次いで(2)該肺組
織を、一次抗体を認識するビオチン化二次抗体で処理
し、その後(3)酵素標識アビジンを作用させることを特
徴とする方法。 - 【請求項2】ヒト肺組織中における肺表面活性物質の存
在を、酵素抗体法で検出する方法において、 (1)肺組織に、肺表面活性物質のアポ蛋白を認識する、
モノクローナルなビオチン化一次抗体を作用させ、次い
で(2)酵素標識アビジンを作用させることを特徴とする
方法。 - 【請求項3】ヒト肺組織中における肺表面活性物質の存
在を酵素抗体法で検出するための試薬キットであって、
(1)ヒトの肺表面活性物質のアポ蛋白を認識するモノク
ローナルな一次抗体と、(2)該一次抗体を認識するビオ
チン化二次抗体と、(3)酵素標識アビジンと、(4)該酵素
に対する基質を主要構成成分とする試薬キット。 - 【請求項4】モノクローナル抗体が、分子量約62,000及
び/又は約34,000〜37,000のアポ蛋白を認識するもので
ある特許請求の範囲第3項記載の試薬キット。 - 【請求項5】モノクローナル抗体がIgG2b型のマウス
抗体である、特許請求の範囲第3項又は第4項記載の試
薬キット。 - 【請求項6】ヒト肺組織中における肺表面活性物質の存
在を酵素抗体法で検出するための試薬キットであって、
(1)ヒトの肺表面活性物質のアポ蛋白を認識する、モノ
クローナルなビオチン化一次抗体と、(2)酵素標識アビ
ジンと、(3)該酵素に対する基質を主要構成成分とする
試薬キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60204322A JPH0614041B2 (ja) | 1985-09-18 | 1985-09-18 | 肺表面活性物質の検出方法及びそれに用いる試薬キツト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60204322A JPH0614041B2 (ja) | 1985-09-18 | 1985-09-18 | 肺表面活性物質の検出方法及びそれに用いる試薬キツト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6264956A JPS6264956A (ja) | 1987-03-24 |
JPH0614041B2 true JPH0614041B2 (ja) | 1994-02-23 |
Family
ID=16488566
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60204322A Expired - Lifetime JPH0614041B2 (ja) | 1985-09-18 | 1985-09-18 | 肺表面活性物質の検出方法及びそれに用いる試薬キツト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0614041B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0715469B1 (ja) * | 1987-09-01 | 1995-02-22 | ||
DE69333283T2 (de) * | 1992-06-09 | 2004-08-26 | Yamasa Corp., Chishi | Lungenkrankheiten screening durch messung der HUMANES OBERFLÄCHENAKTIVES APOPROTEIN D DER LUNGE |
US5670328A (en) * | 1992-06-09 | 1997-09-23 | Yamasa Corporation | Monoclonal antibodies to human pulmonary surfactant apoprotein D and use thereof |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5443056B2 (ja) * | 1973-07-20 | 1979-12-18 | ||
GB1451669A (en) * | 1974-01-02 | 1976-10-06 | Radiochemical Centre Ltd | Protein staining |
US4088746A (en) * | 1976-11-11 | 1978-05-09 | Bio-Rad Laboratories, Inc. | Radioimmunoassay for thyroid-stimulating hormone (TSH) |
JPS5510590A (en) * | 1978-05-04 | 1980-01-25 | Wellcome Found | Enzyme immunity quantity analysis |
JPS5830667A (ja) * | 1981-08-05 | 1983-02-23 | エフ・ホフマン−ラ・ロシユ・ウント・コンパニ−・アクチエンゲゼルシヤフト | 標識化免疫学的活性物質 |
JPS58166263A (ja) * | 1982-03-27 | 1983-10-01 | Dai Ichi Pure Chem Co Ltd | アポ蛋白a−i標準品の調製法 |
JPS6015559A (ja) * | 1983-07-06 | 1985-01-26 | Shiraimatsu Shinyaku Kk | アポリポ蛋白−bの酵素免疫測定試薬 |
DE3338836A1 (de) * | 1983-10-26 | 1985-05-09 | Boehringer Mannheim Gmbh | Verfahren zur bestimmung der low density lipoproteine (ldl) und reagenz zu seiner durchfuehrung |
-
1985
- 1985-09-18 JP JP60204322A patent/JPH0614041B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6264956A (ja) | 1987-03-24 |
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