JPH0759542B2 - テレフタル酸ジアニリド類の製造法 - Google Patents

テレフタル酸ジアニリド類の製造法

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JPH0759542B2
JPH0759542B2 JP8499887A JP8499887A JPH0759542B2 JP H0759542 B2 JPH0759542 B2 JP H0759542B2 JP 8499887 A JP8499887 A JP 8499887A JP 8499887 A JP8499887 A JP 8499887A JP H0759542 B2 JPH0759542 B2 JP H0759542B2
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JP
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terephthalic acid
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dianilide
producing
aniline
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正志 稲葉
至良 乾
綾子 恒光
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、テレフタル酸ジアニリド類の製造法に関す
る。
本発明の方法によれば、収率よく高純度で目的とするテ
レフタル酸ジアニリド類が製造できる。
テレフタル酸ジアニリド類は、ポリフエニレンエーテル
系樹脂などの熱可塑性樹脂の流動性改良剤(例えば特開
昭60−44547号公報参照)など有用な物質である。
〔従来の技術〕
カルボン酸エステルを原料としてアミンと反応させて、
相当するカルボン酸アミドを製造する方法においては、
触媒としてナトリウムメチラートを用いる方法(ジヤー
ナルオブオルガニツクケミストリイ(J.Org.Chem.)28,
2915(1963))、n−ブチルリチウムを用いる方法(テ
トラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.),1791(19
70))、水素化ナトリウムを用いる方法(テトラヘドロ
ンレターズ(Tetrahedron Lett.)321(1971))等が提
案されているが、いずれの場合も触媒がアミンと等モル
以上必要であり、工業的には満足のいく方法ではなかつ
た。
一方、カルボン酸エステルとアミンの混合物を加熱して
生成するアルコールを留去する方法(オルガニツクシン
セシス(Org.Synth.)IV,80(1963))も提案されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕 前記の、カルボン酸エステルとアミンの混合物を加熱し
て生成するアルコールを留去する方法を、テレフタル酸
ジメチルエステルとアニリン類との反応に適用した場
合、アニリンの沸点近傍まで反応混合物を加熱しても、
反応の進行が極めて遅い。(比較例参照)従つて原料で
あるテレフタル酸ジメチルエステルを反応で消失させる
には、多大の時間を要し、実質的に効率よく純度の高い
テレフタル酸ジアニリドを得ることはできない。
〔問題を解決するための手段〕
本発明は、テレフタル酸ジアルキルエステルと、アニリ
ン類とを加圧下、200〜350℃で反応させることを特徴と
する上記問題点を解消した、高収率で高純度のテレフタ
ル酸ジアニリド類の製造を提供しようとするものであ
る。
本発明の方法において用いられるテレフタル酸ジアルキ
ルエステルは、一般式、 (式中R1は、C1〜4のアルキル基)で表わされる化合
物であつて、例えば、テレフタル酸ジメチル、テレフタ
ル酸ジノルマルプロピル、テレフタル酸ジイソプロピ
ル、テレフタル酸ジノルマルブチル等が例示される。
本発明の方法において用いられるアニリン類は、一般
式、 (式中R2は水素、C1〜15のアルキル基、アルケニル
基、アリール基を示す。)で表わされる化合物であつ
て、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジ
ン、p−トルイジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジ
ン、4−n−ブチルアニリン、4−n−ヘキシルアニリ
ン、4−n−オクチルアニリン、4−n−デシルアニリ
ン、4−n−ドデシルアニリン、2,5−ジ−t−ブチル
アニリン、2,4,6−トリ−t−ブチルアニリン等が例示
される。
原料のテレフタル酸ジアルキルエステルに対するアニリ
ン類の使用モル比は3/1〜20/1の範囲が好ましく、特に5
/1〜15/1の範囲が好ましい。該モル比が3/1より少な
く、アニリン類の量が少なくなると、原料テレフタル酸
ジアルキルエステルを消失させることが困難になるばか
りでなく、反応の進行につれて、反応混合物の流動性が
低下してくる為に工業的実施において不利になつてく
る。また、該モル比が20/1を超えてアニリン類の量が多
い場合には、反応混合物量が多くなり、釜収率低下によ
り、経済性が悪化するので工業的実施において不利であ
る。
反応温度は、200〜350℃の範囲であるが、230〜320℃の
範囲が好ましい。該温度が200℃以下の場合は、反応速
度が遅く、実質的に原料テレフタル酸ジアルキルエステ
ルを消失させることが困難であり、高純度のテレフタル
酸ジアニリド類を得ることができない。また、該温度
が、350℃以上の場合はアニリン類の熱的劣化が著るし
く、製品の着色等の原因となるので好ましくない。
反応圧力は、アルコールが副生するので加圧条件下で実
施する。用いるアニリン類の沸点が、所定反応温度以下
の場合は、反応混合物が所定反応温度に到達する様、不
活性ガス等を用いて加圧すればよく、又、アニリン類の
沸点が、所定反応温度以上である場合には、自然発生圧
力下で反応を実施する。
反応時間は、反応温度、原料仕込みモル比により異なつ
てくるので一律に規定できないが、通常1時間以上実施
するのが好ましいが、いたずらに反応時間を延長するこ
とは、アニリン類の熱的劣化を起こすので好ましくな
い。
本発明を、具体的に実施する方法としては、テレフタル
酸ジアルキルエステルと、アニリン類とを、所定の温
度、圧力の条件下で反応させる。得られるテレフタル酸
ジアニリド類は、用いられるアニリン類に対応した一般
で表わされる化合物である。反応終了後、反応混合物を
冷却し、テレフタル酸ジアニリド類を晶出させ、別す
ると、粗テレフタル酸ジアニリド類が得られる。このも
のを、メタノール、エタノール等の脂肪族低級アルコー
ル類、又はトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳
香族炭化水素等で洗浄することにより、白色の精製テレ
フタル酸ジアニリド類が得られる。
反応混合物から目的物を晶出させた後の液には、アニ
リン類、テレフタル酸ジアルキルエステル類、テレフタ
ル酸モノアルキルエステルモノアニリド類を含有してい
るので、これを反応工程に循環し、テレフタル酸ジアニ
リド類の原料として再使用が可能である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 テレフタル酸ジメチル19.4g(0.1モル)、アニリン93.0
g(1.0モル)を内容量250mlのステンレス製オートクレ
ーブに仕込み、N2ガスにて置換した後、自然発生圧力
下、反応混合物の温度が280℃で6時間加熱撹拌した。
反応終了後、反応混合物を40℃以下に冷却し、結晶を析
出させた。この結晶を過し、次いで100gのトルエンを
用いて50℃で洗浄した後、別し、減圧下にて乾燥させ
たところ、テレフタル酸ジアニリドが26.6g(仕込みテ
レフタル酸基準で84.2%収率)得られた。
実施例2〜11 表1に示すテレフタル酸ジアルキルエステル及びアニリ
ン類を用いた他は、実施例1と同様の操作を行ない、相
当するテレフタル酸ジアニリド類を得た。結果を表1に
示した。ここで、テレフタル酸ジアニリド収率は、仕込
みテレフタル酸ジアルキルエステル量(mol)に対する
生成テレフタル酸ジアニリド類量(mol)の割合を%で
示したものである。
比較例 テレフタル酸ジメチル38.8g(0.2モル)、アニリン186.
0g(2.0モル)を内容量300mlの三つ口フラスコに仕込
み、生成するメタノールを反応系外に留出させる方法で
加熱したところ、内温186℃近傍で、アニリンが沸騰
し、6時間加熱を続けても、メタノールは留出せず、実
質的に反応は進行しなかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸ジアルキルエステルと、アニ
    リン類とを加圧下、200〜350℃で反応させることを特徴
    とするテレフタル酸ジアニリド類の製造法。
JP8499887A 1987-04-07 1987-04-07 テレフタル酸ジアニリド類の製造法 Expired - Lifetime JPH0759542B2 (ja)

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