JPH0759522B2 - 徐放性製剤の製造法 - Google Patents

徐放性製剤の製造法

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JPH0759522B2
JPH0759522B2 JP29129886A JP29129886A JPH0759522B2 JP H0759522 B2 JPH0759522 B2 JP H0759522B2 JP 29129886 A JP29129886 A JP 29129886A JP 29129886 A JP29129886 A JP 29129886A JP H0759522 B2 JPH0759522 B2 JP H0759522B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は薬効を有する成分と、生体内分解性で毒性の少
ない物質から選ばれた1種または2種以上の混合物から
なる徐法性製剤の製造方法に関するものである。
最近薬物療法において、薬物を病巣部に効率よく作用さ
せて含作用を抑えるため、病巣部に埋没させて薬物を徐
々に放出させる種々の徐放性製剤の研究開発が行なわれ
ている。なかでも、コラーゲンやゼラチンという生体内
分解性を有し、かつ、生体内埋め込み可能な担体を用い
た徐放性製剤、特にファイバースコープ鉗子針あるいは
留置針により投与可能な針状または棒状の形をしたミニ
ペレット(径0.5〜1.5mm、長さ5〜15mm程度)の製剤が
臨床上有用な製剤として期待されている(例えば特開昭
60−126217)。
しかしながら、コラーゲンやゼラチンは後述する如く、
ミニペレット状にするには製法上障害となる種々の性質
を有しており、薬物が全体に均一に分布し、かつ重量お
よび寸法等が全体に一様なミニペレットを製造するには
多くの制約がある。例えば、薬物を含有した混合液を押
し出し成形するには、均質である程度の粘度を有する混
合液を調製しなければならないが、コラーゲンやゼラチ
ンに混入する薬物が、適当な無機塩水溶液に溶解または
懸濁されたタンパク室製剤である場合には、この溶液ま
たは懸濁液のpHや塩濃度の影響でコラーゲンが繊維状と
なり、これらの混合物を均質な溶液状とすることができ
ないことがある。更に、押し出し成形したものを単に室
温で風乾するだけでは、表面が先に乾燥して形がいびつ
になり、望んだ均一なペレットを得ることができない。
このため、従来は薬効成分とコラーゲンの低濃度の混合
液をスプレードライまたは凍結乾燥した後、粉砕した微
粒子を型に入れて圧縮成形するか、あるいは予め型に入
れてから凍結乾燥し、圧縮成形する方法が行なわれてき
た。その結果、この従来法で作製されたミニペレット
は、もろい上に薬効成分放出の持続時間が比較的短いと
いう欠点があった。この様に、従来はコラーゲンまたは
ゼラチンを用いて長期持続型の徐法性製剤を得ることは
困難であった。
本発明者らはこの点に関し鋭意検討した結果、コラーゲ
ンおよび/またはゼラチンに、水あるいは水と親水性有
機溶媒の混液を混合して均質な高濃度の混合液を調製
し、これを徐々に脱溶媒すれば、重量および寸法が全体
に一様なミニペレットが得られることを見い出した。本
発明は、かかる知見に基づき完成されたものである。
即ち本発明は、薬効成分(薬物)、コラーゲンおよび/
またはゼラチン、および要すれば添加されることもある
製剤用担体と、水または水と親水性有機溶媒の混液を混
合してコラーゲンおよび/またはゼラチンについて高濃
度の均質な混合液を調製し、次いでこの混合液を成形
し、得られた成形体から徐々に脱溶媒することを特徴と
する徐放性製剤の製造方法を提供するものである。
本明細書中、コラーゲンおよび/またはゼラチンについ
て高濃度の混合液とは、混合液中にコラーゲンおよび/
またはゼラチンを10〜40、好ましくは20〜30w/w%の割
合で含有しているものをいう。この様な混合液を調製す
るには、以下のいずれかの方法をとることができる。
イ)pH5以下の酸性条件下で、混合液の塩濃度を繊維化
濃度以下にする。この様な条件化では、コラーゲンおよ
び/またはゼラチンの濃度が高くなってもこれらが繊維
状となることはなく、均質な混合液が得られる。
ロ)サクシニル化またはメチル化などの化学的修飾を施
したコラーゲンおよび/またはゼラチンを使用する。こ
の方法は、薬物の安定性の面から、混合液のpHを調節す
る必要がある場合に有効である。
ハ)混合液にグルコースを添加する。グルコースの添加
により、コラーゲンおよび/またはゼラチンの溶解性が
上昇するので、混合液がほぼ中性の場合に特に有効な方
法である。
本発明において使用するコラーゲンは動物の結合組織の
主たる蛋白質であり、抗原性の少ない蛋白質として既に
手術糸等に繁用されている安全な物質である。本発明に
於いては、安全性を高める目的でコラーゲンの主たる抗
原性部位であるテロペプチドを除き、抗原性を極めて低
くしたアテロコラーゲンを用いてもよい。更に、本発明
方法に於いてはこれらを化学修飾したサクシニル化コラ
ーゲンまたはメチル化コラーゲン等をも使用し得ること
は既述した通りである。一方、ゼラチンはコラーゲンを
熱変性させたものであり、医療上全く安全な物質であ
る。ゼラチンについても、コラーゲンと同様の化学的修
飾が可能である。本発明に於いては、コラーゲンおよび
ゼラチン、あるいはこれらの上記の誘導体をそれぞれ単
独あるいは適当な割合に配合して使用することができ
る。本明細書においては、コラーゲンまたはその誘導
体、ゼラチンまたはその誘導体のそれぞれ単独、または
それらの混合物を、便宜上、「コラーゲンおよび/また
はゼラチン」という用語で表すこととする。尚コラーゲ
ン、ゼラチン、およびそれらの誘導体は全て市販のもの
を入手することができる。
本発明は、薬物をコラーゲンおよび/またはゼラチンの
様な生体内分解性担体中に包括した徐放性製剤の製造方
法に関するものであり、その特徴とするところはコラー
ゲンおよび/またはゼラチンについて高濃度の混合液を
調製すること、およびこの混合液に徐々に脱溶媒するこ
とに存するので、薬物の種類については特に限定はな
い。しかしながら本発明の製造方法は、従来持続性注射
剤とすることが難しかった水溶性薬物、例えばプロスタ
グランジン、プロスタサイクリン、各種生体ホルモン、
テスパミン、インターフェロン、インターロイキン、腫
瘍壊子因子等、あるいはアドリアマイシンのような水に
やや難溶性であっても微量で有効なものに特に有用であ
る。その他、一般的医療品である各種抗生物質、化学療
法剤、生物学的製剤、老化防止剤、成長ホルモン、抗炎
症剤等も好適な応用例として挙げられる。
本発明の製造方法は、工程中で加熱溶融等の加工処理を
行なわない極めて緩和な条件で行なわれるので、一般的
に熱に不安定な薬物の徐放性製剤を製造するのに特に好
適である。熱に不安定な薬物としては、例えば高分子薬
物ではペプタイド、蛋白質、糖蛋白質、多糖類等が挙げ
られる。特に適するのは微量で活性が強く長時間持続的
に投与することが望ましい高分子薬物であり、例えば成
長促進作用、骨代謝関連作用、血栓溶解作用、免疫調節
作用等を有する薬物が挙げられる。さらにその具体的な
例を以下に示す。
成長促進作用を有する薬物としては、例えば成長ホルモ
ン(GH)、成長ホルモン放出因子(GRF)またはソマト
メジン(SM)が挙げられる。GRFはGH放出活性を示すペ
プタイドであり、アミノ酸数が44、40、37または29から
なる数種類のペプタイドそれぞれについて活性が認めら
れているが、本発明に用いる場合はいずれでもよく、ま
たこれらの混合物でもよい。SMはソマトメジングループ
として認められているものであり、SM−A、SM−B、SM
−CおよびIGF(インスリン様成長因子)−IとIGF−II
のほかMSA(マルチプリケーションスティミュレイティ
ングアクティビティー)などが挙げられる。さらにSM−
CがIGF−Iと同一物質であるという報告もあるが、本
発明に用いる物質としてはいずれでもよく、またこれら
の混合物でもよい。骨代謝関連作用を有する薬物として
は、例えばカルシトニンが挙げられる。また血栓溶解作
用を有する薬物としては、例えば組織プラスミノーゲン
活性化因子(TPA)が挙げられる。免疫調節作用を有す
る薬物としては、例えばインターフェロン(IFN)、イ
ンターロイキン(IL)、コロニー刺激因子(CSF)、マ
クロファージ活性化因子(MAF)、マクロファージ遊走
阻止因子(MIF)が挙げられる。なお、ここで言うイン
ターフェロンとは、α、β、γその他のいずれのインタ
ーフェロンでもよく、またそれらの組み合わせでもよい
ことはもちろんである。同様にインターロイキンはIL−
1、IL−2あるいはIL−3その他のいずれでもよく、コ
ロニー刺激因子は、multi−CSF(多能性CSF)、GM−CSF
(顆粒球−単球マクロファージCSF)、G−CSF(顆粒球
−CSF)またはM−CSF(単球マクロファージCSF)その
他のいずれのCSFでもよく、またこれらの混合物でもよ
い。MAFおよびMIFについても、今後の研究により精製、
分離が期待される各サブクラスは、それぞれ同様の分子
量をもつ糖蛋白質または蛋白質であると予想され、本発
明の適用によりいずれも徐放化が可能であると考えられ
る。また本発明に用いるペプタイド、蛋白質および糖蛋
白質等は、その製法によらず生体からの抽出物質、人工
合成物質また遺伝子組み換え法によって得られたものの
いずれでもよい。
本発明方法で使用される親水性有機溶媒としては、メタ
ノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトン等
のケトン系溶媒等があげられる。本発明においてはこの
ような親水性有機溶媒と水との混合溶媒を用いることが
できるが、混合溶媒中に占める有機溶媒の割合は通常70
重量%以下とする。
本発明を実施するには、まず薬物を含有するコラーゲン
および/またはゼラチンの均質な高濃度溶液をつくる。
すなわち、例えば薬物を含む溶液とコラーゲンおよび/
またはゼラチン溶液をできる限り泡のたたないように均
一に混合撹拌し、必要に応じて低温で濃縮するか、ある
いは場合によりスプレードライまたは凍結乾燥する。次
いでこれに少量の注射用蒸留水を加えて膨潤させる。膨
潤時間は約0.1〜48時間であり、温度は任意でよいが冷
蔵庫内で膨潤させるのが好ましい。膨潤させた後、pH5
以下になるまで酸、例えば塩酸を加えてコラーゲンおよ
び/またはゼラチンを溶解し、乳鉢等を用いて十分に練
合する。練合する時間は約0.1〜12時間であり、温度は
任意でよいが室温でも十分である。
以上の説明は、薬物が溶液または懸濁液の形で取り扱わ
れている場合の調製法であるが、薬物が粉末である場
合、あるいは添加すべき薬物の溶液または懸濁液が極く
少量である場合は、上記の方法に代え、コラーゲンおよ
び/またはゼラチンの粉末を少量の蒸留水で膨潤させた
のち酸、例えば塩酸を加えて溶解し、これに薬物を加え
て乳鉢で練合してもよい。この際、加える塩酸の量はコ
ラーゲンおよび/またはゼラチン1gに対して1N−塩酸で
0.5〜0.8mlで十分である。このようにして最終的にコラ
ーゲンおよび/またはゼラチンの濃度が10〜40w/w%、
より好ましくは20〜30w/w%になるような均質で高濃度
の混合液を調製する。
上に述べた調製に於いて、コラーゲンおよび/またはゼ
ラチンの繊維化を防ぐために前記のイ)、ロ)および
ハ)のいずれかの方法をとる。
即ち、可能な場合は混合液の塩濃度を繊維化濃度以下に
する。薬物が粉末の場合は、この条件を満たすことは容
易である。ここで言う塩とは、通常、等張化剤、緩衝
剤、安定化剤等として薬物に含まれる塩であり、例えば
塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。本発明に於
いて、「繊維化濃度」とは、アテロコラーゲン粉末1gを
少量の蒸留水で膨潤させたのち、塩酸を加えて溶解し、
これに上記塩溶液を加えて乳鉢でよく練合する時、アテ
ロコラーゲンが繊維状とならない混合液の上限の塩濃度
を意味する。この繊維化濃度は薬物から混入する塩の種
類、アテロコラーゲン濃度、pHによってそれぞれ求めら
れる値であり、例えば塩化ナトリウムの場合はアテロコ
ラーゲン濃度20w/w%、pH3.0のとき0.17モルである。
次に、塩濃度を繊維化濃度以下にすることが不可能な場
合は、薬物を含むコラーゲンおよび/またはゼロチン溶
液を膨潤させ、次いで酸性にした後、グルコースを0.1
〜2モル/となる様に加えて乳鉢で練合する。その
後、アンモニア水または水酸化ナトリウム水溶液などを
加えてpHを中性に上げ、次いで必要に応じ緩衝液を加
え、乳鉢で練合することによって均質な溶液状とするこ
とができる。例えば20w/w%アテロコラーゲンに1.0モル
のグルコースを混合すれば、0.75モルのNaClを混合して
も均質な溶液状となる。この場合必ずしも酸性で練合す
る必要はないが、予め酸性で練合したのち、混合液を中
性にした方が均質な溶液状にしやすい。また加える順序
についても任意であり、特に限定はない。ここで使用す
る緩衝液の成分としては、通常塩濃度を上げる物質、例
えば塩化ナトリウム、リン酸塩等のほか尿素等が用いら
れる。
上記の方法にかえ、コラーゲンおよび/またはゼラチン
の代わりに化学修飾したコラーゲンおよび/またはゼラ
チンを使用してもよい。例えばサクシニル化アテロコラ
ーゲン20w/w%溶液には2モル以上のNaClを混合しても
均質な溶液状とすることができる。
このようにして得られた均質で高濃度な混合液を、一定
の口径を有するシリンジ等に入れ遠心脱泡した後押し出
し成形し、徐々に脱溶媒する。シリンジの口径は任意で
あるが、目的とするミニペレットの大きさによって決め
られる。例えば直径1mmのミニペレットを得たいならば
約2mmの口径を有するシリンジから押し出せばよい。ま
た遠心脱泡は5,000〜15,000Gで10〜60分間、20〜35℃の
温度で行えばよい。
ミニペレットから徐々に脱溶媒する方法としては以下の
方法が優れている。
(A)相対湿度50〜80%の環境下、ミニペレットを24〜
72時間室温または冷所に放置することにより風乾する。
この操作はデシケーター中で行うのが好ましい。
(B)親水性有機溶媒の比率が漸次高くなっていく一連
の水−親水性有機溶媒混液にミニペレットを一定時間づ
つ浸漬していくことにより、ミニペレット中の水を親水
性溶媒で置き換え、最後に親水性有機溶媒を風乾して除
去する。
本明細書に於いて、「徐々に脱溶媒する」の「徐々に」
とは、成形時の形を維持したまま脱溶媒できる状態をい
う。具体的には、たとえば(A)の場合には相対湿度が
5%以下であったり、あるいは成形品の表面近くでかな
りの空気の流れがあると、乾燥速度が速くなり、表面だ
けが先に乾燥して形がいびつになり、望んだ均一な形が
得られないので、たとえば乾燥速度を1mg/mm2/24時間以
下にすることをいう。しかしながら、相対湿度が80%以
上になると乾燥速度が遅くなり過ぎて、十分に乾燥でき
なくなるので好ましくない。この様にして徐々に脱溶媒
した後であれば、必要に応じ乾燥空気中、例えばシリカ
ゲル入りデシケーター内で更に乾燥することもできる。
また実験室で小スケールで行なう場合は成形体をペトリ
皿に入れ、フタをして室温に放置して乾燥させても目的
は達せられる。(B)の場合には、たとえば50%、70
%、80%、90%、95%、100%と順次に高濃度にした含
水親水性有機様媒に浸漬することにより水を親水性有機
溶媒で置換し、最後に親水性有機溶媒を風乾等により除
去する。(B)の場合の親水性有機溶媒としてはメタノ
ール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトン等の
ケトン系溶媒等、水と自由に混和するものであればよ
い。この親水性有機溶媒は、先の混合工程に使用する溶
媒が水と親水性有機溶媒との混合溶媒であるときは、そ
の親水性有機溶媒と同一であることが望ましい。
このようにして、成形品から徐々に脱溶媒することによ
り、薬物が全体に均一に分布しており、かつ重量および
寸法等が全体に一様なミニペレットを得ることができ
る。
上記の方法で得られたペレットは必要に応じてアンモニ
アガス雰囲気中に入れたり、アンモニアまたはリン酸二
ナトリウムの入ったエタノール中に浸漬することにより
中和することができる。この様にして処理したミニペレ
ットの徐放速度などを更に調節するために、ペレット中
のコラーゲンおよび/またはゼラチンに架橋を入れた
り、また薬物の性質によっては、薬物をコラーゲンおよ
び/またはゼラチンに直接または橋かけ剤で共有結合ま
たはイオン結合させることもできる。架橋は、例えばホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グルタールアルデ
ヒドなどのアルデヒド類あるいはポリエポキシ類の水溶
液、またはヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイ
ソシアネート類のアルコール溶液中にペレットを浸漬す
るか、あるいはこれらの架橋剤の蒸気が充満している雰
囲気中にペレットを置くことで達成することができる。
薬物とコラーゲンおよび/またはゼラチンとを結合させ
る場合も、上気のアルデヒド類、ポリエポキシ類または
ジイソシアネート類を橋かけ剤として使用し、上と同様
の方法で処理すればよい。これらの処理法は、当業者に
はよく知られており、本発明方法を特徴づけるものでは
ない。
以上、手術を伴わずに生体内に簡便に投与することが可
能な針状または棒状の形をしたミニペレットの製法につ
いて述べたが、本発明によって得られる製剤の形状は球
状、半球状、円柱状、チューブ状、ボタン状、シート状
など任意であり、使用する部位に適合した形に成形し皮
下投与、生体内埋め込みまたは体腔内挿入などの方法で
投与することができる。さらにこれらを液体窒素等によ
り冷却下粉砕してマイクロビーズ状となし、注射用溶媒
に懸濁して持続性の懸濁型注射剤とすることもできる。
本発明の製造方法に於いては、薬学上許容される安定化
剤、防腐剤、無痛化剤など、および成形性や徐放性を調
節するための添加剤などの製剤用担体を必要に応じて加
えることができることはいうまでもない。
次に本発明を実験例および実施例によって、より詳細に
説明するが、これらの例はいずれも本発明を限定するも
のではない。
実施例1 アテロコラーゲン2gに、脱塩したα型インターフェロン
(20MU/ml)を含む水溶液5mlを加え、冷蔵庫内で20時間
膨潤させる。これに1N−HCl1.6mlと蒸留水を加えて全量
を10gとし、乳鉢で十分に溶解練合し、均質な混合液と
する。これを10mlのディスポーザブルのシリンジに入
れ、10,000Gで30分間遠心脱泡する。このシリンジに内
径2mmのノズルを付けて押し出し、出てくるコラーゲン
の速度に合わせてシリンジを動かし、直線状に丸溝を切
ったアクリル板の溝の上に押し出した。これを湿度65%
に保ったデシケーターに入れ24時間乾燥した。得られた
乾燥品をアンモニアガス雰囲気中に入れて中和し、風乾
した後、適当な長さに切断することにより1本当たり0.
1MUのインターフェロンを含む直径1mm±2%の均一な針
状ペレットを得た。
実施例2 実施例1の脱泡した混合液を直径1.7mmの球形の割型に
入れる。実施例1と同様にして乾燥した後、成形品を型
から取り出し、0.02MNa2HPO4・50%エタノール溶液に浸
漬して中和する。50、70、80、90、次いで95%エタノー
ルに順次浸漬し、最後に100%エタノールに入れて十分
平衡にしてから取り出し、風乾によりエタノールを除
く。この様にして直径1mm±2%、重さ0.75mg±10%の
均一な球状ペレットを得た。
実施例3 アテロコラーゲンを熱変性して得られたゼラチンの30w/
w%水溶液(pH3.5)とアテロコラーゲンの30w/w%水溶
液(pH3.5)を2:8の割合で練合し、シリンジにつめて遠
心脱泡した後直径1.5mmの球形の割型に入れる。ここま
での操作を33〜35℃で行う。30℃以下に冷却した後、成
形体を型から取り出し、0.1%アンモニア水に浸漬して
中和した後十分に水洗し、実施例2と同様にしてエタノ
ールで脱水する。最後に0.1%ヘキサメチレンジイソシ
アネートエタノール溶液に12時間浸漬して架橋した後、
エタノールで洗浄し、次いで風乾することにより直径1m
mの均一な球状ペレットを得た。
実施例4 アテロコラーゲンの2w/w%水溶液(pH3.5)100gと成長
ホルモン放出因子(GRF)(20mg/ml)を含む水溶液5ml
をできる限り泡の立たないように均一に混合撹拌し、凍
結乾燥した後少量の蒸留水を加えて膨潤させ、蒸溜水を
加えて全量を10gとし、乳鉢で十分に練合し、均質な混
合液とする。これを実施例1と同様に成形処理すること
により均一なミニペレットを得た。
実施例5 サクシニル化アテロコラーゲン25w/w%水溶液にグルコ
ースを0.5Mとなるように混合し、さらにNaClを1.9Mとな
るように添加した(pH7.2)。これを実施例1と同様に
成形処理し均一なミニペレットを得た。
実施例6 アテロコラーゲン20gに少量の蒸留水を加えて膨潤させ
たのち、これに1N−HCl16ml、グルコース9g、α型イン
ターフェロン(1MU/ml)を含む食塩水溶液(0.15MのNaC
lを含む)1を加えて撹拌し、混合溶解する。これを
減圧濃縮して100mlとする。これをよく混練し、エクス
トゥルーダーにより内径2.0mmのノズルから押し出し、
それに同調した板の上に押し出した。温度20℃、湿度60
%の恒温恒湿で24時間乾燥させることにより、均質な直
径1mmのミニペレットを得た。
実施例7 アテロコラーゲンの2w/w%水溶液(pH3.5)50gとマウス
GM−CSF(1×107U/ml)を含む0.1%ヒト血清アルブミ
ン溶液1mlをできる限り泡の立たないように均一に混合
撹拌し、凍結乾燥した後少量の蒸留水を加えて膨潤さ
せ、蒸留水を加えて全量を5gとし、乳鉢で十分に練合
し、均質な混合液とする。これを5mlのディスポーザブ
ルのシリンジに入れ、10000Gで30分間遠心脱泡する。こ
のシリンジに内径2mmのノズルを付けて押し出し、出て
くるコラーゲンの速度に合わせてシリンジを動かし、直
線状に丸溝を切ったアクリル板の溝の上に押し出した。
これを湿度75%に保ったデシケーターに入れ、冷蔵庫内
で72時間乾燥した。得られた乾燥品を更にシリカゲル入
りデシケーター内で24時間乾燥した後、適当な長さに切
断することにより均一なミニペレットを得た。
実施例8 アテロコラーゲンの2w/w%水溶液(pH3.5)5gとIGF−I
(4mg/ml)を含む水溶液5mlをできる限り泡の立たない
ように均一に混合撹拌し、凍結乾燥した後、少量の蒸留
水を加えて膨潤させ、蒸留水を加えて全量を0.5gとし、
乳鉢で十分に練合し、均質な混合液とする。これを1ml
のディスポーザブルのシリンジに入れ、実施例7と同様
に成形処理することにより均一なミニペレットを得た。
実験例1 実施例1で作った針状型ミニペレットと、対照としてα
−インターフェロンの水性注射剤をそれぞれマウスの皮
下に投与し、血中濃度の時間的推移を放射免疫分析法に
より観察した。マウスはそれぞれ3匹ずつ用い、投与量
はマウス1匹当たりそれぞれ0.1MUになるように投与し
た。結果を第1図に示す。第1図に於いて縦軸はα−イ
ンターフェロンの血中濃度(3匹の平均、単位:ユニッ
ト/ml)を、横軸は時間(単位:時間)を表す。○は本
発明のコラーゲン針状ペレット(本発明)を、●はα−
インターフェロンの水性注射剤(対照)を表す。第1図
から明らかな様に、本発明のミニペレットは長時間の持
続化傾向を示し、投与後3時間から72時間までほぼ一定
の血中濃度が維持されるという持続性製剤の理想的な放
出挙動を示した。
【図面の簡単な説明】 第1図はマウス皮下投与後の血中濃度の推移を示したも
のであり、本発明のコラーゲン針状ペレットと、対照と
してのα−インターフェロン水性注射剤を比較したグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 慶雄 大阪府茨木市蔵垣内1丁目3番45号 住友 製薬株式会社内 (72)発明者 宮田 暉夫 東京都新宿区下落合3丁目6−29、314号 (72)発明者 古瀬 正康 神奈川県相模原市南台3−8−9 (72)発明者 内藤 丈己 東京都目黒区中根2−11−21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)薬効成分、(ロ)コラーゲンおよび
    /またはゼラチン、および(ハ)水または水と親水性有
    機溶媒の混液、を混合してコラーゲンおよび/またはゼ
    ラチンについて高濃度の均質な混合液を調製し、次いで
    この混合液を成形し、得られた成形体から徐々に脱溶媒
    することを特徴とする徐放性製剤の製造法。
  2. 【請求項2】コラーゲンおよび/またはゼラチンについ
    て高濃度の均質な混合液の調製を、pH5以下の酸性条件
    下、混合液の塩濃度を繊維化濃度以下に保持することに
    より達成する特許請求の範囲第(1)項に記載の方法。
  3. 【請求項3】コラーゲンおよび/またはゼラチンについ
    て高濃度の均質な混合液の調製を、化学修飾を施したコ
    ラーゲンおよび/またはゼラチンを使用することにより
    達成する特許請求の範囲第(1)項に記載の方法。
  4. 【請求項4】コラーゲンおよび/またはゼラチンについ
    て高濃度の均質な混合物の調製を、混合液にグルコース
    を添加することによって達成する特許請求の範囲第
    (1)項に記載の方法。
  5. 【請求項5】混合液のコラーゲンおよび/またはゼラチ
    ン濃度が10〜40w/w%であるように調製された特許請求
    の範囲第(1)項記載の方法。
  6. 【請求項6】成形体から徐々に脱溶媒する方法が、相対
    湿度50〜80%の環境下で成形体を風乾することからなる
    特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  7. 【請求項7】成形体から徐々に脱溶媒する方法が、成形
    体を漸次含水率が減少していく複数の親水性有機溶媒に
    順次浸漬していくことにより成形体中の水を親水性有機
    溶媒で漸次置換し、最後に成形体中の親水性有機溶媒を
    風乾することからなる特許請求の範囲第(1)項記載の
    方法。
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