JPH0759274A - 無停電電源装置 - Google Patents

無停電電源装置

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JPH0759274A
JPH0759274A JP5200739A JP20073993A JPH0759274A JP H0759274 A JPH0759274 A JP H0759274A JP 5200739 A JP5200739 A JP 5200739A JP 20073993 A JP20073993 A JP 20073993A JP H0759274 A JPH0759274 A JP H0759274A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常時は商用電源から給電し、異常発生時にバ
ッテリ電源をインバータにより交流に変換して給電する
無停電電源装置において、入力商用電源に異常が発生す
ると無瞬断で切り替えるようにする。また定常運転時に
はインバータを介して充電することを可能にし、また定
常運転時にインバータにアクティブフィルタ機能をもた
せて、商用電源側が高力率の正弦波となるように制御で
き、さらに負荷側での過電流発生に対して商用電源スイ
ッチのオンオフによるスイッチング素子の破損が生ずる
ことを防止する。 【構成】 常時商用電源を給電する無停電電源装置にお
いて、制御手段に、定常時に入力側が高力率になるよう
に、インバータの電力を演算し入力交流電源との差分電
流を求めて、インバータのスイッチを制御する。また入
力交流電源に異常が発生すると、入力電源側スイッチを
高速でオフし、インバータから交流電源を給電し、入力
交流電源が正常に復帰し、入力電圧が零クロスとなる時
点で入力電源側スイッチをオンさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常時商用電源給電型の
無停電電源装置に関する。本発明は特に、無瞬断で商用
電源からインバータ給電に切り替えられ、しかも高力率
電力を実現する無停電電源装置に関する。
【0002】なお、この無停電電源装置は、インバータ
の直流電源が発電機である場合にはインバータから変換
された交流を商用電源側に給電する装置としても利用で
きる。
【0003】
【従来の技術】従来、コンピュータ等のオフィス機器に
用いられる無停電電源装置としては、常時インバータ給
電型の無停電電源装置が用いられてきた。
【0004】その常時インバータ給電型の無停電電源装
置の構成例を図8に示す。この常時インバータ給電型の
無停電電源装置は、定常時は、商用電源をAC/DCコ
ンバータ81で直流に変換し、これをDC/ACインバ
ータ82で交流に変換し、フィルタ83を介して交流出
力として負荷に供給し、入力商用電源に異常が発生する
と、バッテリBAの直流電源をDC/ACインバータ8
2で交流に変換して負荷に供給し、インバータが故障し
た場合はACSW84にて、商用電源に切り替えて負荷
に供給する構成であった。
【0005】このような常時インバータ給電型無停電電
源装置が使用されている理由の一つは、無瞬断で商用電
源からインバータ電源に切り替える技術が難しく信頼性
が十分でなかった点が挙げられる。例えばインバータお
よび商用電源切替用のスイッチ素子としてサイリスタを
用いると、そのスイッチをオフにするのに交流の半サイ
クルの遅れが必要であるため、入力商用電源に異常が生
じた場合に瞬時にインバータに切り替えることができな
かった。このことが瞬時に電源断が生じたときの防護策
をこうずる必要のあるコンピュータなどのオフィス用機
器の電源装置としては常時商用電源供給型無停電電源装
置の採用をためらう理由の一つとなっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の常時イ
ンバータ給電方式では、商用電源を一旦AC/DCコン
バータで直流に変換し、再びインバータで交流に変換す
る必要があり、常時商用電源を給電する方式に比べて効
率が悪化し、装置が大きく高価である問題がある。
【0007】本発明の目的は、高速のスイッチ素子を用
いることにより商用電源からインバータへの瞬時切り替
えを可能として、電力効率の良い常時商用電源給電型の
無停電電源装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、インバータをアクテ
ィブフィルタとして動作させることにより、定常運転時
は、負荷電流が負荷の種類により種々の電流の力率や波
形であっても商用電源電流を高力率の正弦波とした無停
電電源装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、高速のスイッチ素子
を用い入力商用電源の異常検出によりインバータ給電に
切り替えた後に商用電源給電に復帰するときに入力電圧
が零クロスする点で商用電源給電に復帰させることによ
り、サージ電流等を生じないように制御できる無停電電
源装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、出力電流に過電流が
発生し、インバータおよび商用電源の給電を停止して出
力電流の垂下制御を行う場合に、商用電源側スイッチを
急激にオフしたとき、出力側に存在するリアクトルに発
生するサージ電流を吸収してスイッチ素子を保護するこ
とができる無停電電源装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点は、
インバータをアクティブフィルタとして機能させて高力
率運転を可能とする常時商用電源給電型無停電電源装置
に係る発明であり、交流電源が接続される交流スイッチ
(S1 、S2 )を含む第一電源装置と、直流電源が接続
されるインバータを含む第二電源装置と、前記交流電源
が停止すると第二電源装置を動作させる制御部とを備え
た無停電電源装置において、前記第一電源装置の出力電
流を検出する第一電流検出手段と、前記第二電源装置の
出力電流を検出する第二電流検出手段とを備え、前記制
御部は、前記第二電流検出手段の出力に基づいて前記イ
ンバータの出力電力を求め、その出力電力に基づいて正
弦波の基準電流を生成する手段と、定常運転時にはこの
求めた基準電流と前記第一電流検出手段の検出した交流
出力電流とが一致するように交流電源出力電流との差分
電流を前記インバータが与えるように制御する手段とを
備えることを特徴とする。
【0012】なお、基準電流を生成する手段は、インバ
ータの出力電力が直流電源としてのバッテリに充電電流
を与えるように基準正弦波のレベル制御を行う手段を含
むことが好ましい。
【0013】本発明の第二の観点は、定常運転復旧をソ
フトスタートできるようにした常時商用電源給電型の無
停電電源装置に係るもので、交流電源が接続される交流
スイッチ(S1 、S2 )を含む第一電源装置と、直流電
源が接続されるインバータを含む第二電源装置と、入力
交流電圧を検出する入力電圧検出手段と、前記交流電源
が停止を検出すると第二電源装置を動作させる制御部と
を備えた無停電電源装置において、前記制御部は、前記
入力電圧検出手段が前記交流電源の異常を検出すると前
記第一電源装置を停止させ、前記第二電源装置を基準正
弦波に対応した出力交流電圧を与える電圧モード制御に
する手段と、前記交流電源の異常が回復したときは、前
記入力電圧検出手段の検出する入力電圧が交流の各サイ
クルの上で零となる時点で定常運転モード制御にする手
段とを備えたことを特徴とする。
【0014】本発明の第三の観点は、交流スイッチをサ
ージ電流から保護する構成に係るもので、交流電源端子
が接続される第一の交流スイッチの負荷側に、コンデン
サ(C2 )が出力側回線間に第二の交流スイッチ
(S3 、S4 )を介して接続され、前記第二の交流スイ
ッチは、前記第一の交流スイッチと逆相でオンオフ制御
されることを特徴とする。
【0015】なお、インバータの出力電流が所定のレベ
ルを越え過電流が発生したときには、前記インバータの
スイッチ素子を全てまたは一部をオフして動作を停止さ
せる手段と、交流電源出力電流が所定のレベルを越え過
電流が検出されたときには、前記第一の交流スイッチを
オフにするとともに、前記第二の交流スイッチをオンに
する手段とを備えたことが好ましい。
【0016】
【作用】まず、定常運転時には交流電源から給電される
が、ここでインバータをアクティブフィルタとして機能
させて、交流電源電流を正弦波としその高力率化を図る
ようにインバータの電流モード制御を行う。これは、イ
ンバータの出力電力に基づいて正弦波の基準電流を生成
し、この基準電流と交流電源出力電流との差分をインバ
ータが供給するように制御するモードである。この正弦
波の基準電流は、出力電圧とインバータの出力電流とか
らインバータの平均電力を演算し、このインバータの平
均電力を元に基準正弦波をレベル制御して生成する。な
お、この際にインバータの電力が常に0(インバータの
損失分のみ)になるように制御すれば、インバータは余
分の電力を消費することなく交流電源の入力交流の力率
を1とすることができる。またこのインバータの電力消
費をマイナス側になるように制御すれば、インバータの
直流側にエネルギを蓄積できるため、そのまま直流電源
としてのバッテリを充電することができる。
【0017】入力交流電源に異常が発生すると、これを
検出して、瞬時にインバータ側にスイッチを切り替えて
インバータ給電を行う電圧モード制御になる。このと
き、商用電源側のスイッチをオフとしておき、入力交流
電源が回復すると、入力交流電圧が交流サイクル上の零
クロスする時点で交流電源側が給電するように制御す
る。これにより、交流電源給電はソフトスタートするこ
とができ、サージ電流等を発生させない。
【0018】過電流を検出し、所定のしきい値を越えた
場合には、インバータ、交流電源側のスイッチ素子の全
てまたは一部をオフして、出力電流を垂下させる垂下制
御を行う。このとき、交流電源側スイッチの負荷側には
サージ吸収用コンデンサが設けられており、交流電源入
力端子と負荷とを結合するスイッチをオフするときは、
サージ吸収用コンデンサを接続するスイッチをオンし
て、出力側ACフィルタのリアクトルによって生ずるサ
ージ電圧を吸収するように動作させる。
【0019】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
【0020】図1は、本発明一実施例の無停電電源装置
の接続形態の概要を説明する図であり、図2はこの無停
電電源装置の制御部の構成の概要を示す図である。
【0021】この図1において、本実施例無停電電源装
置は、常時商用電源を負荷に供給する交流スイッチ部
(ACSW)1と、バッテリを備えたインバータ部(I
NVSW)2と、ACフィルタとして機能するフィルタ
部(FIL)3とから構成される。
【0022】交流スイッチ部1は、商用電源の負荷への
供給を制御するスイッチとして、スイッチS1 、S2
設けられており、また、このスイッチS1 、S2 の負荷
側には、サージ電流吸収用のコンデンサCがスイッチS
3 、S4 を介して負荷側出力回線間に接続されている。
インバータ部2はスイッチS5 、S6 、S7 、S8 によ
り、バッテリBAの電源を交流に変換し負荷に供給す
る。フィルタ部3は、交流スイッチ部1とインバータ部
2の負荷側に設けられたリアクトルLS1, S2とコンデ
ンサCにより構成されている。なお、本無停電電源装置
では、商用電源の出力電流IC を検出する電流検出器C
1 およびインバータの出力電流II を検出する電流検
出器CT2 がそれぞれ設けられ、また、商用電源の入力
電圧VC およびこの無停電電源装置の出力電圧VO を検
出している。
【0023】図2により、本無停電電源装置の制御部の
構成を説明する。
【0024】この制御部は、入力商用電源に同期して基
準正弦波を発生する基準正弦波発生回路が設けられてお
り、その発生した基準正弦波に基づいて種々の制御を行
う。この制御部は、その動作制御モードから、大まかに
分けると定常運転時にインバータをアクティブフィルタ
としてその出力制御を行う電流モード制御部と、商用電
源異常発生時のインバータおよび交流スイッチ部の制御
を行う電圧モード制御部と、過電流発生時のインバータ
および交流スイッチ部の過電流制御を行う過電流制御部
とに分けられる。
【0025】まず電流モード制御部に対応するのは、イ
ンバータ出力電流II および出力電圧VO が入力される
インバータ電力演算部10と、このインバータ電力演算
部10の出力と基準正弦波とが入力される基準正弦波の
レベル制御を行って基準電流値を演算する基準電流演算
部11と、入力される商用電源出力電流IC とこの基準
電流値との差分出力をとって電流モード制御信号(電流
モードAVR)を出力する比較部12とである。ここ
で、インバータ電力演算部10はインバータ出力電流I
I と出力電圧VO とからインバータの電力を演算する電
力演算部101と、その出力電力の平均をとる平均回路
102と、さらに別途設けられたバッテリBAの充電制
御回路からの充電基準とを比較して、インバータの消費
電力値を出力する比較部103を含んでいる。
【0026】また電圧モード制御部に対応するのは、出
力電圧VO と基準正弦波とを比較してインバータの出力
電圧を制御する電圧モード制御信号(電圧モードAV
R)を発生する比較部13が対応する。
【0027】なお、電流モード制御信号と電圧モード制
御信号は、入力商用電源電圧VC の異常を検出する比較
判定部14のモード切替信号によって、切替スイッチ1
5によって切り替えられてインバータ部のスイッチS5
〜S8 に搬送波である三角波発生回路17の出力に基づ
いてパルス幅変調信号がPWMロジック回路16を介し
て与えられる。また、モード切替信号は交流スイッチ部
1のスイッチS1 〜S4 の切替信号を出力するACSW
切替ロジック回路18に入力され、入力商用電源に異常
が発生した場合はスイッチS1 〜S4 の切替信号を出力
する。
【0028】過電流制御部に対応するのは、インバータ
の出力電流II が所定のしきい値を越えたかを検出し
て、しきい値を越えたときはインバータ垂下信号を出力
する過電流検出部19と、商用電源出力電流IC が所定
のしきい値を越えたかを検出して、しきい値を越えたと
きはACSW垂下信号を出力する過電流検出部20に対
応する。インバータ垂下信号は、PWMロジック回路1
6に入力され、スイッチS5 〜S8 をオフさせる。また
ACSW垂下信号は、交流スイッチ部1のスイッチS1
〜S4 の切替信号を出力するACSW切替ロジック回路
18に入力されてスイッチS1 〜S4 の切替信号を出力
する。
【0029】さらに具体的に本実施例の無停電電源装置
の構成を図3および図4に示して説明する。
【0030】図3に示すように、商用電源側端子には入
力商用電源電圧VC を検出する端子が設けられている。
そして、交流スイッチ部に対して商用電源側にコンデン
サC1 が接続されている。交流スイッチ部のスイッチ素
子はIGBT( Insulated Gate Bipolar Transistor)
を用いており、このトランジスタQ1 、Q2 は、商用電
源と負荷との間のオンオフを制御する。またこのトラン
ジスタQ1 、Q2 の負荷側には、トランジスタQ3 、Q
4 を介して、コンデンサC2 と抵抗R1 の並列回路が接
続されている。さらに、トランジスタQ1 側の出力線に
はリアクトルL1 が設けられ、トランジスタQ2 側の出
力線には商用電源出力電流IC を検出する電流検出器C
1 が設けられている。さらに負荷側にはコンデンサC
3 が接続されている。
【0031】インバータの出力はコンデンサC3 の接続
点に接続されており、インバータは、そのスイッチ素子
としてIGBTのトランジスタQ5 〜Q8 が用いられて
おり、このトランジスタQ5 〜Q8 にはコンデンサC5
を介してバッテリBAが接続されている。また、このス
イッチング部のトランジスタQ5 、Q7 側の出力線には
リアクトルL2 が、トランジスタQ6 、Q8 の出力線に
はインバータ出力電流II を検出する電流検出器CT2
が設けられている。
【0032】図4は、制御部の構成を示すもので、この
制御部は、基本的にはACSW制御部と、インバータ共
通部と、電流モード部と、電圧モード部とから構成され
ている。実質的には図2に示す制御部の構成と同じであ
り、その構成をアナログ回路で実現したものである。
【0033】まず、インバータ共通部には、各種制御用
の交流基準正弦波を発生する基準正弦波発生回路30が
設けられており、この基準正弦波発生回路30は、位相
同期回路31により、商用電源周波数に同期するように
制御される。この基準正弦波発生回路30は基準正弦波
波形を記憶するROMを用い、位相同期回路31で商用
電源周波数に同期して読み出すことで基準正弦波を生成
する。また、インバータ共通部は、電流モード制御信号
と、電圧モード制御信号とを切り替える切替スイッチ1
5と、この切替スイッチ15の入力を三角波発生回路1
7の発生する搬送波を変調してパルス幅変調信号を生成
し、トランジスタQ5 〜Q8 に与えるPWMロジック回
路16を備える。この三角波発生回路17およびPWM
ロジック回路16の回路構成は従来のインバータのPW
M制御と同じである。また基準正弦波発生回路30およ
び位相同期回路31も従来と同様の回路を用いることが
できる。
【0034】電流モード部は、出力電圧VO とインバー
タ出力電流II とを掛けてインバータ電力値を生成する
乗算器33と、この乗算器33の出力の平均をとる平均
値回路34と、この平均値回路34の出力と充電基準信
号とを比較する比較回路35と、この比較回路35の出
力と基準正弦波とを乗算する乗算器36と、この乗算器
36の出力と入力された商用出力電流IC とを比較して
電流モード制御信号を切替スイッチ15に出力する比較
回路37とを備える。また、過電流検出部19に対応す
るものとして、商用出力電流IC と垂下レベルとを比較
して垂下レベルを越えた場合にCS垂下信号を出力する
比較回路41とを備える。さらに、電流モード制御と電
圧モード制御を切り替えるための比較判定部14に対応
するものとして、基準正弦波と入力商用電源電圧VC
を比較して、入力電圧異常を高速に検出する比較回路3
9と、この比較回路の出力の高低を判定してモード切替
信号を出力するHL判定回路40とを備える。
【0035】また電圧モード部は、基準正弦波と出力電
圧VO とを比較して電圧制御信号を切替スイッチ15に
出力する比較回路38と、インバータ出力電流II と垂
下レベルとを比較して、インバータ出力電流II が垂下
レベルを越えたときはインバータ垂下信号を出力する比
較回路42を備える。
【0036】さらにACSW部は切替ロジック回路18
を備え、入力商用電源電圧異常および過電流検出により
トランジスタQ1 〜Q4 のオンオフ制御を行う。
【0037】次に本実施例の動作を図5ないし図7の動
作波形図を参照して説明する。
【0038】まず定常状態の電流モードによる制御動作
を図5を参照して説明する。図5は定常動作時の波形図
を示すものであり、図5の(イ)〜(ニ)がインバータ
の電力制御途中の波形、(ホ)〜(ト)がインバータの
電力制御を行った後の定常時の波形を示している。
【0039】まず、定常時は、トランジスタQ1 および
2 はオン状態であり、商用電源が負荷に供給されてい
る。このような状態で電流モード制御は、出力電流は負
荷インピーダンスより種々の電流力率や波形となるが、
インバータをアクティブフィルタとして動作させること
により、交流波形の各サイクルごとで入力交流電流を常
に正弦波とし、入力の力率を常に1となるように制御す
るものである。
【0040】例えば負荷インピーダンスによって(ロ)
のbに示すような負荷電流波形となり、入力商用電源の
入力電圧は(イ)の実線a、制御途中の電流波形は
(ロ)の点線cの波形であったとする。制御の初期に
は、インバータの出力電流II は0であり、負荷電流は
トランジスタQ1 、Q2 を通過する電流であり、電流検
出器CT1 で検出される電流IC と同じである。
【0041】インバータの電力は、電流検出器CT2
検出されたインバータ出力電流と出力電圧VO とを乗算
器33で掛けることにより得られる。インバータ出力電
流は(ハ)に示すように負荷電流から商用電源電流を引
いたb−cの波形dであり、これに出力正弦波電圧(入
力正弦波電圧と等しい電圧波形)aを掛けることでeの
波形が得られる。この得られたインバータ電力を平均値
回路34により平均してインバータの平均電力を得る。
本実施例では、基本的にはこのインバータの平均電力が
常に0となるように制御する。
【0042】このインバータ電力の平均値と基準正弦波
出力とを乗算器36により乗算することにより正弦波の
基準電流値を得て、この正弦波の基準電流値と商用電源
出力電流IC とを比較回路37で比較し、その差分電流
をインバータで供給するように電流モード制御信号を出
力する。この電流モード制御信号によりPWMロジック
回路16はPWM信号をインバータのトランジスタQ5
〜Q8 に与える。この電流モード制御により、商用電源
出力電流IC は、(ニ)波形c′のcs電流に見られる
ように、正弦波波形となるため、この電源装置の電力は
力率1とすることができる。このことは、インバータが
余分の電力を蓄積または放出しないで、インバータをア
クティブフィルタとして動作させることである。
【0043】なお、実際にはインバータ回路による損失
があるので、その分だけインバータ電力はマイナス側に
でる。また、このインバータ電力をさらにマイナス側に
大きくすると、インバータの直流側のエネルギが蓄積さ
れることにより、バッテリBAへの充電ができる。この
ため、このインバータの平均電力とバッテリBAの充電
基準値とを比較回路35で比較することにより、この充
電基準値を越えない分だけマイナス側にして、バッテリ
BAを充電させる。なお、この充電基準は別途設けられ
るバッテリ監視回路によりバッテリの充電状態を監視
し、その充電状態に従って充電要のときに与えられる。
【0044】このように、定常動作時には、電流モード
でインバータを制御することにより、本電源装置を高力
率の装置として使用することができ、しかもインバータ
によりバッテリの充電も可能とすることができる。
【0045】次に、図6を参照して、入力商用電源に異
常が生じた場合の電圧モード制御動作を説明する。
【0046】例えば図6(イ)の入力電圧波形にaに見
られるような波形異常が発生したとする。入力電圧VC
は、比較回路39により基準正弦波と比較されており、
その比較結果はHL判定回路40により判定されて、入
力波形の異常が判定される。このHL判定回路40の出
力が図6(ロ)のfに表される波形となる。
【0047】このときの動作は基本的には従来のインバ
ータ給電と同じであり、トランジスタQ1 、Q2 をオフ
にし、出力電圧波形が正弦波波形となるように、出力電
圧VO と基準正弦波とを比較回路38で比較し、その差
分であるインバータAVR信号により、インバータのト
ランジスタQ5 〜Q8 をPWM制御するものである。
【0048】ここで、本実施例の特徴とする点は、入力
電圧異常による電流モード制御から電圧モード制御への
切替にある。すなわち、本実施例では、電圧モードへの
変換は入力電圧の異常を検出すると瞬時(もちろんトラ
ンジスタのスイッチング遅れ、入力電圧検出の遅れはあ
るがきわめて短い)にインバータに切り替えられ、イン
バータは瞬時にその前から継続する正弦波電圧出力の動
作を行う。他の本実施例の特徴は入力電圧復旧による電
圧モード制御から電流モード制御への切替にある。すな
わち制御部では、入力電圧Vc を検出しており、その切
替タイミングを入力電圧VC の零クロス点で行うように
制御する。これより、トランジスタQ1、Q2 をオンと
し、インバータの制御モードを電流モード制御に移行さ
せる。したがって、図6(ホ)のGの斜線で示した分を
インバータより給電することになる。このように制御す
ることにより商用電源の給電が入力電圧が零の時点でト
ランジスタQ1 、Q2 がオンとなるから、負荷側に急激
な突入電流が発生することはない。
【0049】次に過電流発生時の垂下制御動作を図7を
参照して説明する。
【0050】一般に負荷電流に過電流が発生したとき
は、インバータおよび交流スイッチのスイッチ素子の破
損を防止するために、そのスイッチ素子を全てオフにし
て出力電流を低下させ、一定レベルの電流値に制御する
垂下制御が行われる。
【0051】まず、インバータの垂下制御を説明する。
【0052】インバータ出力電流II は、ヒステリシス
特性を有する比較回路42に入力され、その上限が垂下
レベルを越えると比較回路42の出力が反転してインバ
ータの動作を停止させるインバータ垂下信号を出力す
る。これによりインバータの動作が停止し、ACフィル
タのリアクトルの影響でインバータ出力電流II は徐々
に低下する。比較回路42のヒステリシスの下限になっ
たところで、比較回路42の出力は反転し、インバータ
を再運転する。これより、インバータ電流II は一定レ
ベルの垂下状態となる。
【0053】次に交流スイッチ部の垂下制御を説明す
る。この交流スイッチの垂下制御も基本的にはインバー
タ制御と同じであり、商用電源電流IC が垂下レベルを
越えたときは、比較回路42と同じ機能を有する比較回
路41により垂下信号が出力され、トランジスタQ1
2 がオンオフ制御される。
【0054】ここにおいて、本実施例の特徴とする点
は、トランジスタQ1 、Q2 の負荷側に設けられたコン
デンサC2 とトランジスタQ3 、Q4 との直列回路と、
商用電源側に設けられたコンデンサC1 が設けられた点
にある。
【0055】商用電源をスイッチングするトランジスタ
1 、Q2 のラインについて検討してみると、商用電源
入力側には電源インダクタンスが、出力側にはACフィ
ルタのリアクトルL1 がある。このとき、商用電源のス
イッチを急激にオフにすると、そのスイッチの両端には
インダクタンスによる大きなサージ電圧が発生する。し
たがって急激にトランジスタQ1 、Q2 に大きなサージ
電圧がかかり、トランジスタQ1 、Q2 が破損するおそ
れがある。
【0056】そこで、本実施例では、コンデンサC1
よりトランジスタQ1 、Q2 のオフ時の電源インダクタ
ンスによるサージ電圧を吸収する。また、トランジスタ
1、Q2 をオフするときは、トランジスタQ1 、Q2
に与える制御信号と逆相の制御信号をトランジスタ
3 、Q4 に与えてオンとし、リアクトルL1 により生
ずるサージ電圧をコンデンサC2 により吸収する。この
コンデンサC2 の容量はリアクトルL1 のインダクタン
スにより決定されるがその容量は小さいものでよい。
【0057】なお、上述の電圧モード制御から電流モー
ド制御への移行の場合は零クロス制御が行われるため、
トランジスタQ1 、Q2 の両端子間には電位差がないた
め、トランジスタQ3 、Q4 による逆相のスイッチング
は不要である。しかし、過電流による垂下制御の場合、
トランジスタQ1 、Q2 のスイッチングは、随時オンオ
フ制御されるため、トランジスタQ1 、Q2 の端子間に
は電位差が生じる。このため、もし、トランジスタ
3 、Q4 の逆相のスイッチングなしに、トランジスタ
1 、Q2 をオンすると、コンデンサC1 、C2 に対す
る突入電流が発生してしまいトランジスタQ1 、Q2
破損するおそれがある。このため、トランジスタQ3
4 を設け、トランジスタQ1 、Q2 のオンと同時にト
ランジスタQ3 、Q4 をオフして、コンデンサC2 をト
ランジスタQ1 、Q2 のラインと切り離すようにしてい
る。なお、抵抗R1 はコンデンサC2 の放電用として使
用される。
【0058】なお、上述の図4に示す制御部の構成はア
ナログ回路で構成したが、ディジタル回路で構成するこ
とができることは勿論である。
【0059】また、上記実施例は単相給電による例で説
明したが、3相交流電源の無停電電源装置で実現できる
ことも自明である。また、上記実施例では交流スイッチ
部1にそれぞれの回線ごとにスイッチS1 、S2 を設け
てそれぞれの回線の開閉を行うことで説明したが、一方
の回線にのみ交流スイッチを設けることでも本発明は実
現できる。
【0060】さらに、上記実施例のバッテリBAに代え
て、直流電源として、各事業所ごとに設けられた燃料電
池装置あるいは太陽電池を使用する場合は、常時はイン
バータによる給電を行うことができ、負荷の消費電力以
上の起電力がある場合にはインバータ給電モードで商用
電源側に給電(売電)することが可能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、次の効
果が生ずる。 高速スイッチングが可能なIGBTをスイッチ素子
として用いることにより瞬時波形制御が可能で消費電力
の小さい常時商用電源給電型無停電電源装置を提供でき
る。 インバータをアクティブフィルタとして機能させる
ようにその出力電流を制御することにより交流電流を正
弦波化し高力率を実現することができる無停電電源装置
を提供できる。 インバータの直流側にエネルギを蓄積するようにイ
ンバータの電力制御を行うことによりインバータを介し
て定常運転時に特別な充電装置を用いることなくバッテ
リの充電が可能である。 商用電源に異常が発生したときに瞬時にインバータ
給電に切り替えることができ、しかも復旧時には入力電
圧の零クロスタイミングで復帰させる制御をするので、
サージ電圧等を生じさせることなく復旧制御が可能であ
る。 負荷側に過電流が発生したときも、出力電流を一定
レベルに制御する垂下制御が可能である。 過電流発生時の垂下制御において、交流スイッチ部
のスイッチングによって生ずるサージ電圧を吸収するよ
うに制御するため、交流スイッチ部のスイッチ素子の破
損の防止を図ることができる。 直流電源として直流発電装置を使用し、負荷消費電
力以上の起電力がある場合はインバータ給電モードで交
流スイッチ部を介して商用電源側に給電する装置として
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の無停電電源装置の構成の概略を
説明する図。
【図2】本発明実施例の無停電電源装置の制御部の構成
の概略を説明する図。
【図3】本発明一実施例無停電電源装置の具体的な接続
構成を示す図。
【図4】本発明一実施例の無停電電源装置の制御部のさ
らに具体的な構成を示す図。
【図5】実施例の電流モード制御を説明する波形図。
【図6】実施例の電圧モード制御を説明する波形図。
【図7】実施例の垂下特性制御を説明する波形図。
【図8】従来の常時インバータ給電型無停電電源装置の
構成を示す図。
【符号の説明】
1 交流スイッチ部 2 インバータ部 3 フィルタ部 10 インバータ電力演算部 11 基準電流演算部 12、13、103 比較部 14 比較判定部 15 切替スイッチ 16 PWMロジック回路 17 三角波発生回路 18 ACSW切替ロジック回路 19、20 過電流検出部 30 基準正弦波発生回路 31 位相同期回路 33、36 乗算器 34 平均値回路 35、37、38、39、41、42 比較回路 40 HL判定回路 81 AC/DCコンバータ 82 DC/ACインバータ 83 フィルタ 84 ACSW CT1 、CT2 電流検出器 BA バッテリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源が接続される交流スイッチ(S
    1 、S2 )を含む第一電源装置と、 直流電源が接続されるインバータを含む第二電源装置
    と、 前記交流電源が停止すると第二電源装置を動作させる制
    御部とを備えた無停電電源装置において、 前記第一電源装置の出力電流を検出する第一電流検出手
    段と、 前記第二電源装置の出力電流を検出する第二電流検出手
    段とを備え、 前記制御部は、 前記第二電流検出手段の出力に基づいて前記インバータ
    の出力電力を求め、その出力電力に基づいて正弦波の基
    準電流を生成する手段と、 定常運転時にはこの求めた基準電流と前記第一電流検出
    手段の検出した交流出力電流とが一致するように交流電
    源出力電流との差分電流を前記インバータが与えるよう
    に制御する手段とを備えたことを特徴とする無停電電源
    装置。
  2. 【請求項2】 前記基準電流を生成する手段は、前記イ
    ンバータの出力電力が直流電源としてのバッテリに充電
    電流を与えるように基準正弦波のレベル制御を行う手段
    を含む請求項1記載の無停電電源装置。
  3. 【請求項3】 交流電源が接続される交流スイッチ(S
    1 、S2 )を含む第一電源装置と、 直流電源が接続されるインバータを含む第二電源装置
    と、 入力交流電圧を検出する入力電圧検出手段と、 前記交流電源が停止を検出すると第二電源装置を動作さ
    せる制御部とを備えた無停電電源装置において、 前記制御部は、 前記入力電圧検出手段が前記交流電源の異常を検出する
    と前記第一電源装置を停止させ、前記第二電源装置を基
    準正弦波に対応した出力交流電圧を与える電圧モード制
    御にする手段と、 前記交流電源の異常が回復したときは、前記入力電圧検
    出手段の検出する入力電圧が交流の各サイクルの上で零
    となる時点で定常運転モード制御にする手段とを備えた
    ことを特徴とする無停電電源装置。
  4. 【請求項4】 交流電源が接続される第一の交流スイッ
    チ(S1 、S2 )を含む第一電源装置と、 直流電源が接続されるインバータを含む第二電源装置
    と、 前記交流電源が停止を検出すると第二電源装置を動作さ
    せる制御部とを備えた無停電電源装置において、 前記第一電源装置は、 前記第一の交流スイッチの負荷側に、コンデンサ
    (C2 )が出力側回線間に第二の交流スイッチ(S3
    4 )を介して接続され、 前記第二の交流スイッチは前記第一の交流スイッチと逆
    相でオンオフ制御されることを特徴とする無停電電源装
    置。
  5. 【請求項5】インバータの出力電流が所定のレベルを越
    え過電流が発生したときには、前記インバータのスイッ
    チ素子の全てまたは一部をオフして動作を停止させる手
    段と、 交流電源出力電流が所定のレベルを越え過電流が検出さ
    れたときには、前記第一の交流スイッチをオフにすると
    ともに、前記第二の交流スイッチをオンにする手段とを
    備えた請求項4記載の無停電電源装置。
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