JPH0336209Y2 - - Google Patents

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JPH0336209Y2
JPH0336209Y2 JP1986195735U JP19573586U JPH0336209Y2 JP H0336209 Y2 JPH0336209 Y2 JP H0336209Y2 JP 1986195735 U JP1986195735 U JP 1986195735U JP 19573586 U JP19573586 U JP 19573586U JP H0336209 Y2 JPH0336209 Y2 JP H0336209Y2
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【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、例えば小形コンピユータ等の電源
として用いられる整流器負荷に対し電力を供給
し、商用電源が正常な場合は、商用電源電力を負
荷に直送し、商用電源の停電時に、蓄電池の直流
出力をインバータで交流に変換して負荷へ供給す
る待機式無停電電源装置に関する。
「従来の技術」 一般に、小形無停電電源装置としては、構成が
簡単なことから、第8図に示す浮動充電方式が多
く用いられてきた。第8図において商用電源11
からの商用交流電力は入力端子12より充電器1
3へ供給されて直流電力とされ、その直流電力
は、蓄電池14へ供給されて蓄電池14を充電す
るとともに、インバータ15へも供給され、イン
バータ15で交流電力に変換され、その交流電力
は出力端子16を通じて負荷17へ供給される。
しかしながら、この従来の装置は、商用電力を
受電中は、充電器13はインバータ15への入力
電力と、蓄電池14への充電電力とを合計した電
力を供給せねばならず、充電器13を小形化する
ことが難しい。また商用電力を受電中に出力され
る出力電力は、充電器13とインバータ15との
2つの変換器を通されるために、これらの2つの
変換器における電力損失が多く、それだけ入力電
力が大きくなる問題があつた。
この対策として、省エネルギーと小形化をねら
つた待機式無停電電源装置が採用されるようにな
つてきた。この待機式無停電電源装置は、小形コ
ンピユータを初めとするほとんどの商用電力によ
り動作する機器が、10ms以下の電源瞬断では何
の影響もなく運転続行が可能な点に着眼したもの
である。すなわち、第9図に示すように、商用電
力を受電中は、入力端子12からの商用交流電力
は、高速切換可能な交流スイツチ18を通じて出
力端子16へ直送されるとともに、入力端子12
の商用交流電力は、充電器13を通じて蓄電池1
4に充電され、インバータ15は、商用電源に同
期して無負荷運転、又はその制御部のみ動作して
いる。商用電源電力の瞬断、又は電圧低下に対し
ては、交流スイツチ18をオフとして、1/4サイ
クル(5ms)程度でインバータ15の出力交流電
力を出力端子16に切換え、供給して負荷の運転
続行を可能としている。
この待機運転方式では、充電器13は、インバ
ータ15の無負荷電力又はインバータ15の制御
部の動作電力と、蓄電池14への充電分とのみを
供給すればよく、充電器13の電力容量が、第8
図に示した浮動充電方式の場合の約1/5以下とな
り、小形化と省エネルギーとの効果が大きかつ
た。
「考案が解決しようとする問題点」 小形コンピユータ等の電源が負荷17として用
いられる場合は第9図に示すようにコンデンサイ
ンプツト形整流器負荷の特性を示すものが多く、
負荷17に流れる電流には多くの高調波成分が含
まれる。このような負荷17で発生した高調波
は、系統商用電源に歪を与え、さらに、この高調
波が商用電力の電力供給線に流出し、この電力供
給線を共用している他機器がその高調波により悪
影響を受けることがある。また、整流器負荷は基
本波力率は1.0であるが、総合力率は0.7〜0.8と悪
く、商用電力の力率低下の原因になつている。
このため従来においては、そのような高調波を
除去するためにLCフイルタを特に設けていた。
しかしそのLCフイルタの定数によつては系統商
用電源インピーダンスとの並列共振現象をおこし
たり、発生高調波の周波数が変動すると高調波除
去効果が低下するなどの問題があつた。
前記高調波を除去するために、半導体電力変換
装置を使用した能動形フイルタ(電力用アクテイ
ブフイルタ)を使用する事も知られている。これ
は、第10図に示すように商用電源11と高調波
を発生する負荷17との間に電力用アクテイブフ
イルタ19を並列に接続し、負荷17が商用電源
側からとる負荷電流IL(第11図A)中の高調波
電流を、アクテイブフイルタ19が商用電源11
に替わつて補償電流IC(第11図B)として供給
し、商用電源系統に流れる電流IS(第11図C)
を基本波成分だけにしようとするものである。
この方式では、負荷電流を検出し、負荷電流に
含まれる高調波成分を演算・算出して、補償対象
とする高調波周波数よりも速い周波数応答で補償
電流を発生させる必要がある。そのためこの装置
は高周波のスイツチング動作と高速の演算算出が
できる制御回路を必要とし、複雑で高価な装置と
なり、実用化がはばまれている。
また、充電器13としては第12図に示すよう
に商用電源入力がトランス1の一次側へ供給さ
れ、トランス1の二次側中点を蓄電池14の負側
に接続し、両端に得られた電圧をサイリスタ2,
3を通じて両波整流し、その整流出力を平滑回路
4を通じて蓄電池14へ供給充電し、サイリスタ
2,3の流通角を制御する位相制御方式のものが
多く用いられている。第12図において第13図
Aに示す商用電源電圧波形に対し、平滑回路4の
入力電圧波形は第13図Bに示すようになり、こ
れと対応して商用電源入力電流波形は第13図C
になるようになり、商用電源電圧に対し、入力電
流には位相遅れがあり、高調波成分も多く含まれ
ている。このため入力力率が悪い。
この考案の目的は、商用電力受電中に休止して
いるインバータを高調波抑御装置(アクテイブフ
イルタ)として、また、蓄電池の充電器として有
効に使用し、商用電力線への高調波の流出を抑御
することができる待機式無停電電源装置を提供す
ることにある。
「問題点を解決するための手段」 この考案によれば待機式無停電電源装置におい
て、商用電源及びインバータの接続点とコンデン
サ入力形整流器負荷との間に限流リアクトル(商
用電源の内部インピーダンスより大きいインピー
ダンスのインダクタ)が直列に挿入され、また商
用電源電圧と同期した正弦波電流が同期正弦波発
生器により発生され、この正弦波電流と電流検出
手段で検出された商用電源電流との差が瞬時比較
器で検出され、その検出によりこれがゼロになる
ようにインバータが制御される。つまりこの考案
では、理想補償状態においては商用電源電流IS
正弦波になることに着目し、前記検出手段で商用
電源電流ISを商用電源電圧VSに同期した正弦波電
流IS *に瞬時に追従するようにインバータを制御
する。
さらに、インバータの入力側のコンデンサの直
流電圧と充電電流とが検出され、そのコンデンサ
電圧が一定になるようにかつその充電電流が一定
値以下で垂下するように商用電圧に同期した正弦
波電流の振幅を制御して、インバータを充電器と
して作用させ、蓄電池を充電する。
なお、この考案ではコンデンサ入力形整流器負
荷を対象としている。すなわち、負荷に電流が流
れる場合は、商用電源のインピーダンスがこれと
並列に接続されているインバータのインピーダン
スよりも小さいため、商用電源より負荷に急峻な
ぴーク電流が流れ、インバータから負荷に流れる
電流が少なくなる。これは負荷に流れる電流の立
上りが急に変化するため、インバータの制御遅れ
により、インバータからの電流供給が間に合わな
くなるからで、つまり商用電源から高調波成分の
大きい電流が流れ易くなり、これに反してインバ
ータから負荷に供給する電流は少なくなり、商用
電源に生ずる高調波成分の補償が小さくなり、イ
ンバータの補償効果が減少する。
そこで、この考案では、負荷の直前に前記限流
リアクトル(インダクタ)が直列に挿入され、商
用電源側のインピーダンスは従来よりも大きくさ
れている。従つて、負荷の急峻な変化に対しても
負荷に流れる電流は以前よりも減り、しかも電流
の立上りは限流リアクトルにより鈍くなり、通電
時間も長くなる。よつて負荷に流れる商用電源の
電流とインバータから負荷に供給する電流との差
が小さくなり、高調波成分の補償をするインバー
タ側の制御が追従し易くなり、インバータからの
補償電流の供給が容易になる。この限流リアクト
ルのインピーダンスは、商用電源の内部インピー
ダンスよりも大きく選ばれるが、その限流リアク
トルのインダクタンスによる電圧降下が負荷端で
問題にならない程度、例えば100V電源で2〜3V
の電圧低下以下になるように選ばれる。インバー
タの出力容量が大きくなり、インバータ内部イン
ピーダンスが小さくなるほど、挿入する限流リア
クトルのインピーダンスは小さくてよい。
「実施例」 基本構成 第1図にこの考案による待機式無停電電源装置
の実施例の基本構成を示す。商用電源11が接続
される入力端子12は高速交流スイツチ18、限
流リアクトル(インダクタ)21を通じて出力端
子16に接続される。蓄電池14は抵抗器22、
インバータ15を通じて、交流スイツチ18と限
流リアクトル21との接続点に接続される。
入力端子12に停電検出回路23が接続され、
停電検出回路23が商用電源11の停電を検出す
るとその出力により交流スイツチ18をオフにす
る。この状態では、蓄電池14の直流電力はイン
バータ15で交流電力に変換されて限流リアクト
ル21を通じて出力端子16へ供給される。この
インバータ15が直流電力を交流電力へ変換動作
している間においては、従来と同様に、インバー
タ15の出力電圧V及び出力電流ICの変動がイ
ンバータ変動検出部24で検出され、その検出出
力は切替回路25を通じてインバータ15の制御
部26に入力され、制御部26はその変動検出出
力により制御され、インバータ15の出力電圧V
が一定になり、かつ過負荷時の出力電流ICを抑
圧するようにされる。
この考案においては、交流スイツチ18を流れ
る電流つまり商用電源電流ISが検出器27にて検
出される。また同期正弦波発生器28から商用電
源11の電圧と同期した正弦波電流IS *が発生さ
れ、この正弦波電流IS *と検出商用電源電流ISとが
瞬時比較器29で比較され、両者の差が検出さ
れ、その差が、切替回路25に通じて制御部26
へ供給され、この差がなくなるように制御部26
が制御される。この例ではインバータ15の入力
のコンデンサの直流電圧(蓄電池14の電圧とほ
ぼ等しい)が電圧検出器31で検出され、また、
蓄電池14の充放電電流が充放電電流検出器30
で検出され、その検出出力により同期正弦波発生
器28の出力正弦波電流IS *の振幅を振幅制御回
路32で制御してその制御された正弦波電流IS *
を瞬時比較器29へ供給した場合である。切替回
路25は停電検出器23の検出出力により切替え
られて停電時はインバータ変動検出部24が制御
部26に接続される。
具体的構成 次にこの考案の具体例を第2図に示す。第2図
はインバータ15のスイツチング回路34と、ト
ランス35、波形整形フイルタ用コイル36、コ
ンデンサ37及び交流スイツチ18、限流リアク
トル21、蓄電池14、抵抗器22の接続例を示
す。すなわち、蓄電池14の両端は抵抗器22を
通じてインバータ15の入力コンデンサ38に接
続され、入力コンデンサ38の両端は、トランジ
スタQ1〜Q4がブリツジ接続されたスイツチング
回路34の直流入力側に接続され、トランジスタ
Q1〜Q4にそれぞれダイオードD1〜D4が逆極性で
並列に接続されている。スイツチング回路34の
交流出力側はトランス35の1次側に接続され、
トランス35の2次側の一端はフイルタ用コイル
36を通じて、交流スイツチ18及び限流リアク
トル21の接続点に接続され、他端は入力端子1
2b及び出力端子16bに接続され、交流スイツ
チ18及び限流リアクトル21の接続点と、入力
端子12b及び出力端子16bとの間にフイルタ
用コンデンサ37が接続される。
入力端子間12a,12bに商用電源11の電
圧ESを検出するトランス41が接続され、商用電
源11の電流ISを検出する電流トランス42が交
流スイツチ18及び限流リアクトル21間の商用
電力給電線43に設けられ、インバータ出力電流
ICを検出する電流トランス44がトランス35の
2次側に設けられ、負荷端電圧Vを検出するト
ランス45が出力端子16a,16b間に接続さ
れ、これら各検出電流・電圧は制御装置46に供
給される。また、直流コンデンサ38の電圧信号
VC、及び蓄電池14の充放電電流信号ICHも制御
装置46に供給され。
第3図に制御装置46の具体例を示す。この例
は商用電力とインバータ出力とを互いに同期状態
で切替えるようにすると共に、インバータ15と
してパルス幅変調方式を用いた場合である。
トランス41で検出された商用電源電圧VS
所定値電圧以下となると停電検出回路23にて停
電とみなされ、これより高レベルHの信号が発生
し、切替回路25,47は1側に切替えられる。
さらに、交流スイツチ駆動回路49に対する駆動
停止されて交流スイツチ18はオフにされる。
停電時は発信器51の信号は位相同期回路
(PLL同期回路)52へ供給され、PLL同期回路
52よりの正弦波出力は、インバータ変動検出部
24内の振幅制御回路54で誤差増幅器53の出
力により振幅が制御され、その正弦波出力と検出
した負荷電圧Vとの差が誤差増幅器55で検出
され、その誤差増幅信号がインバータ変動検出出
力として切替回路25を通じて比較器56へ供給
され、発振器57の三角波形と比較され、その比
較器56の出力はパルス発生器58へ供給され、
そのパルス発生器58の出力により駆動回路59
を通じてインバータ15のスイツチ素子(トラン
ジスタQ1〜Q4)がスイツチング制御される。検
出したインバータ電流ICはインバータ変動検出部
24内で回路50で整流平滑され、電源61の設
定基準値と誤差増幅器53で比較され、ICが設定
基準値より大きくなると誤差増幅器53の出力に
よりPLL同期回路52からの正弦波の振幅が小
さく制御される。また負荷電圧Vが大きくなる
と誤差増幅器55の出力振幅が小さくなり、トラ
ンジスタQ1〜Q4をオンにするパルス幅が狭くな
りインバータ15の出力電圧も下がる。
商用電源電力を受電中は、検出された商用電源
電圧VSが波形整形回路62にも供給され、その
出力は矩形波に整流され、その矩形波出力は切替
回路47を通して位相同期回路52内の位相比較
器63へ供給され、電圧制御発振器(VCO)6
4の出力と位相比較される。その位相比較器63
の出力はループフイルタ65を通じて発振器64
の制御端子へ供給され、発振器64の出力は、入
力商用電源電圧に位相同期している。この発振器
64の出力は正弦波であり、商用電源電力受電中
は位相同期回路52は商用電源電圧VSに同期し
た正弦波を出力する同期正弦波発生器として動作
する。
インバータ入力コンデンサ38の検出電圧VC
は平滑回路66で平滑された後、基準電源67の
設定基準値と誤差増幅器68で差が検出され、そ
の出力により発振器64の正弦波出力の振幅が振
幅制御回路32で制御される。さらに、蓄電池1
4の充放電電流ICHは平滑回路72で平均化され
た後、基準電源73の垂下設定値と誤差増幅器7
4で差が検出されるとともに、ICHの平均化され
た電流は、誤差増幅器76で基準電源75(ICH
=0となる電圧)との差が検出され、以上3つの
誤差増幅器68,74,76の出力により、発振
器64の正弦波出力の振幅が振幅制御回路32で
制御されて目標正弦波IS *とされる。
この正弦波電流IS *と検出した商用電源電流IS
の瞬時誤差が誤差増幅器の瞬時比較器29で検出
され、その誤差出力は切替回路25を通じて比較
器56へ供給され、発振器57の三角波と比較さ
れ、比較器56の出力によりインバータ15を制
御するパルスが発生する。
コンデンサ電圧VCが高くなるか、充電中(ICH
が正極性)で充放電電流が垂下領域であれば目標
正弦波IS *の振幅が小さくなるように制御される。
また、放電中(ICHが負極性)であれば目標正弦
波IS *の振幅が大きくなるように制御される。
以上の構成により、コンデンサ電圧VCが一定
電圧に保たれ、蓄電池14は準定電圧で充電され
る。
動作原理 動作についてまず蓄電池14が接続されていな
い状態について説明する。
第2図に示すように負荷17がコンデンサイン
プツト形整流器負荷が主となる場合には、商用電
源から電力を供給された時に、限流リアクトル2
1の作用により商用電源電圧(第4図A)の尖頭
部で負荷コンデンサ71の電圧より大となつて負
荷電流ILは第4図Bに示すように滑らかなピーク
電流が流れる(商用電源電流IS=負荷電流IL、イ
ンバータ電流IC=0)。このため商用電源電流IS
高調波が発生する。商用電源電圧VSも歪むが、
これと同期した目標正弦波電流IS *(第4図C)
を作り、この目標正弦波電流IS *に商用電源電流IS
が瞬時に追従するようにインバータ15を制御ス
イツチング動作をさせると、負荷電流ILが流れて
いない又は流れていても目標正弦波電流IS *より
負荷電流ILの小さい期間モード1(第4図D)|IS
|>|IL|の状態)には、商用電源よりインバ
ータ15へ第4図Eに示すように電流ICが流れ込
み、コンデンサ38を充電する。目標正弦波電流
IS *より負荷電流ILが大きくなるモード2(|IS *
|<|IL|)では、商用電源電流ISをおぎなうよ
うにインバータ15が動作し、コンデンサ38よ
り負荷17に放電電流ICが流れだす。
このように|IS *|>|IL|ではその差の電流が
インバータ15に電流が流れ込み、|IS *|<|IL
|ではその差の電流がインバータ15から負荷へ
流れるため、商用電源電流ISは第4図Fに示すよ
うに目標正弦波電流IS *とほぼ一致した正弦波状
となり、商用電源系に高調波を発生させない。
インバータ15の直流入力側にはコンデンサ3
8があるだけで電力の損失とならないので、イン
バータ15に入りこんだ有効電力は、インバータ
損失と等しくなり平衡するまで、コンデンサ38
の電圧VCが上昇する。コンデンサ38の電圧VC
が高くなる程、モード2において、インバータ1
5から負荷17にピーク電流を供給しやすくな
り、商用電源電流ISも正弦波形に近づく。
この無停電電源装置においては、目標正弦波電
流IS *は、商用電源と同期した正弦波形であり、
コンデンサ38の電圧が設定値になるようにその
振幅を変えることで、制御を行う。
今、目標正弦波電流IS *適当である場合、イン
バータ15に入りこんだ有効電力でコンデンサ3
8の平均電圧VCが設定値となり、この電圧で、
インバータ損失と平衡している。一方、1サイク
ル内では、モード1で一時的に蓄積された無効電
力は、モード2で放出され、インバータ15は高
調波補償電流発生源として動作し、商用電源電流
ISの低次の高調波をへらし、次の関係が成り立つ
ている。
商用有効電力PS=負荷有効電力PL+インバー
タ有効電力PC、インバータ有効電力PC=インバ
ータ損失 目標正弦波電流IS *が一定(PSも一定)の状態
で、負荷電流IL、負荷有効電力PLが減少すると、
インバータ15に流入する有効電力PCが増え、
コンデンサ38の電圧VCが上昇する。インバー
タ15は、コンデンサ38の電圧が一定になるよ
うに働き目標正弦波電流IS *の振幅を小さくする
ため、商用有効電力PSも減少した状態で平衡す
る。
負荷電流ILが急増した場合、一時的にインバー
タに入る有効電力は少なくなり、コンデンサ38
の電圧が低下し、商用電源電流の高調波補償効果
が減少するが、目標正弦波電流IS *の振幅が大き
くなるように制御され、コンデンサ電圧VCは設
定値にもどる。
次に蓄電池14が接続された状態について説明
する。
インバータ15の入力に蓄電池14が接続され
ると、インバータ15の有効電力の一部が充電電
力PCHとなり、コンデンサ38の電圧VCが低下す
る。この電圧VCを一定に保つために、先に述べ
たように振幅制御回路32における制御で目標正
弦波IS *が振幅がより大きくなり、次の関係式で
平衡する。
商用有効電力PS=負荷有効電力PL+インバー
タ有効電力PC インバータ有効電力PC=インバータ損失+充
電電力PCH 蓄電池14の充電初期において充電電流が垂下
設定値をこえれば、IS *は小さくなり、VCも低下
する。
負荷電流ILが急増した場合、一時的にインバー
タに入る有効電力が少なくなり、VCが低下し蓄
電池14から高調波補償電力が供給され、蓄電池
14が放電するが、放電電流が流れると目標正弦
波電流IS *の振幅が大きくなるように制御され、
コンデンサ38の電圧VCは設定値にもどり放電
電流もなくなる。
具体的動作 モード1(IS *>IL)におけるコンデンサ38へ
の充電動作の説明を簡単にするため、トランス3
5の巻比が1:1で等価的に直結されているもの
として考える。その時の回路のコンデンサ38に
充放電に関連する部分を第5図に示す。第6図に
示す期間では、インバータ電流ICは第7図Aに
示すように商用電源11→フイルタ用コイル36
→トランジスタQ4→ダイオードD2→商用電源1
1に流れる。次にトランジスタQ4がOFFになる
と、コイル36に蓄積されたエネルギーが、期間
で第7図Bに示すように商用電源11→コイル
36→ダイオードD3→コンデンサ38→ダイオ
ードD2→商用電源11と流れ、コンデンサ38
に電荷が蓄積される。他の位相においても同様の
動作により、コンデンサ38に電力が蓄積され、
蓄電池14への充電が行われる。コイル36に蓄
積されるエネルギが商用電源11の電圧に加算し
てコンデンサ38に充電される。そのため常にコ
ンデンサ38は商用電源電圧よりも高い電圧に保
たれている。
モード2(IS *<IL)におけるコンデンサ38の
放電動作は、負荷電流ILが流れはじめると、イン
バータ15に対するコンデンサ38への充電が
徐々に減少し、IS *=ILになると、コンデンサ38
の放電が開始し、負荷電流ILの一部をインバータ
15が供給し始める。
なお、動作説明では負荷17が純整流器負荷と
したが、負荷17が整流器負荷だけでなく、他の
負荷が含まれる場合も同様の動作となる。
以上の動作により商用電源11の商用電源電流
に含まれる低次の高調波は1/10程度まで減らすこ
とが可能となる。
「考案の効果」 この考案によれば、商用電力受電時において従
来は休止又は無負荷待機していたインバータを有
効に利用して、負荷電流に含まれる高調波成分を
除去でき、高調波成分を除去するための特別のフ
イルタを用いる必要もなく、蓄電池の充電も可能
である。また、高調波成分の除去が、従来の無停
電電源装置に限流リアクトル21、瞬時比較器2
9、商用電源電流ISの検出手段、振幅制御回路3
2、充放電電流検出器30、誤差増幅器74,7
6などを追加するだけでよく、安価に構成するこ
とができる、目標正弦波電流IS *を作り、これに
検出電流ISが追従するように、インバータ15を
制御するものであり、その制御も停電時にインバ
ータ15を安定化制御するための制御信号の代り
に、IS *とISとの誤差信号を用いればよく、高調波
成分をいちいち演算する必要がなく、かつ高調波
成分の変動が生じても、これを自動的に抑圧する
ことができる。
なお限流リアクトル21、コイル36の各イン
ダクタンスを1mH,8mH、負荷17の抵抗値を
24Ω、コンデンサ71,38,37の各容量をそ
れぞれ4700μF,4700μF,30μFとし、インバータ
15のスイツチングを3.2kHzとし、トリクル充
電を行つた時の実験結果における商用電源電流IS
と負荷電流ILとの各スペクトルを第14図に示
す。この図より第3、第5高調波を大幅に低減で
きたことが理解され、更に総合力率も約1に改善
された。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案による待機式無停電電源装置
の一例を示すブロツク図、第2図はそのインバー
タのスイツチ回路を主とした具体例を示す接続
図、第3図は第2図中の制御装置46の具体例を
示すブロツク図、第4図は商用電源受電時の各部
動作波形図、第5図は高調波補償時のモード1動
作における接続図、第6図はその各部の波形図、
第7図はインバータのスイツチングにもとずく電
流の流れを示す図、第8図は従来の浮動充電式無
停電電源装置を示すブロツク図、第9図は従来の
待機式無停電電源装置を示すブロツク図、第10
図は従来のアクテイブフイルタを用いた高調波除
去装置を示すブロツク図、第11図はその動作を
説明するための図、第12図は充電器13を示す
図、第13図は充電器の動作説明図、第14図は
この考案装置の実験結果におけるスペクトルを示
す図である。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 商用電源の電力を受電中は、その商用電力をコ
    ンデンサ入力形整流器負荷へ供給し、停電中は、
    商用電力供給線を遮断し、インバータを動作さ
    せ、そのインバータにより蓄電池の電力を交流電
    力に変換して、上記負荷へ供給する待機式無停電
    電源装置において、 上記商用電源及び上記インバータの接続点と上
    記コンデンサ入力形整流器負荷との間に直列に挿
    入され、商用電源の内部インピーダンスより大き
    いインピーダンスの限流リアクトルと、 上記商用電源電力供給線に流れる電流を検出す
    る電流検出手段と、 上記商用電源電圧と同期した正弦波電流を発生
    する同期正弦波発生器と、 その同期正弦波発生器より正弦波電流と上記電
    流検出手段の検出電流との瞬時的差を検出する瞬
    時比較器と、 その瞬時比較器の出力により、これがゼロにな
    るように上記インバータを制御して、商用電源に
    流れる電流の高調波成分を抑圧する制御手段と、 上記インバータの直流入力コンデンサの電圧を
    検出するコンデンサ電圧検出器と、 上記蓄電池に対する充放電電流を検出する充放
    電電流検出器と、 上記検出した入力コンデンサの電圧と、上記検
    出した充放電電流とにより上記正弦波電流の振幅
    を制御して上記インバータを充電器として動作さ
    せ、上記蓄電池を充電する制御手段とを具備する
    待機式無停電電源装置。
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