JPH0758512A - 無線周波数フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無線周波数フィルタに関し、従来の無線周波
数フィルタにおける表面の真直性及び組立上に係る課題
を解決して、様々な電気的特性のフィルタを精度良く容
易に提供することを目的とする。 【構成】 誘電性物質で作られたブロック１と、その側
面に取り付けられる絶縁シート２とを備える無線周波数
フィルタにおいて、ブロックの上面から下面にかけて導
電体で被覆された穴３，４，５を延ばす。一方の側面を
除くブロックの表面及び各穴の表面を導電層で被覆し、
各穴に対して１つの伝送ライン共振器を形成する。そし
て金属性の電極により形成される結合パターンを対向す
る各面に形成する。結合パターンの電極の一部１４，１
５，１６，１７，１１５を絶縁シートの非被覆面に形成
し、結合パターンの電極の残り７，８，９，１０，１
１，１３，１１４をブロックの一方の面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、誘電性物質のブロック
と、絶縁シートとを有するタイプの無線周波数フィルタ
に関する。本発明に係る無線周波数フィルタは、例え
ば、係るブロックの表面が、上面と、これに対向する下
面と、前記各面に規定される対向する２つの側面と、対
向する２つの端面とを備えている。上記ブロックの上面
から下面にかけては少なくとも２つの穴が導電性材料で
覆われて延びている。係る本体表面の少なくとも大部分
は、一方の側面を除いて導電層で被覆され、これにより
各穴に対して伝送ライン共振器が形成される。上記絶縁
シートは、被覆されていない側面に対して取り付けられ
ており、上記ブロックに対向しない面が導電層で被覆さ
れる。

【０００２】

【従来の技術】従来において知られている誘電性のフィ
ルタには、一般的にセラミックフィルタがあり、このよ
うなフィルターは上面を除く全面が導電性の材料で被覆
されている。被覆された穴の被覆が下面の被覆と接続さ
れる場合、係る穴はそこで短絡されている。また、その
上面は、少なくとも上記穴の近傍にあり、被覆されてな
いので穴はその端部で開放状態にある。ここでは構造と
して１／４波長の伝送ライン共振器を形成する。係る構
造内に任意の周波数の電磁波、つまり共振周波数で電磁
波を導入する場合、上記穴の方向に１つの定在波が発生
される。容量性の場の最大値は上記穴の開放端で決定さ
れ、一方、誘導性の場の最大値が穴の短絡端にて決定さ
れる。もしも、被覆されていない上面で種々の導電性の
パターンが配置されると、個々の共振器の共振周波数
と、各共振器間の結合との両方が影響され得る。そのブ
ロックの最も離れた共振器の開放端に隣接する導電性の
パッドが位置決めされ、これがブロックの側面の被覆か
ら絶縁されることにより、信号は、共振器と容量的に結
合されることで共振器内に運ばれ、同様に、容量的な結
合により共振器から出力される。この共振器の上面開放
端の被覆と、そのセラミックブロックの上面側端の被覆
との間ではキャパシタンス値が与えられるので、このキ
ャパシタンスは、上面側端の穴の近傍に何らかの被覆を
加えて、この被覆が上記側面の被覆と結合されることに
より変えられるか、あるいは、上記上部側面で何らかの
被覆を上記穴の被覆と結合して加えることにより変えら
れ得る。これは、共振周波数が作用される一つの方法で
ある。導電性のパターンの支援を用いた場合、キャパシ
タ及び送信ラインは、上記上面上の更に各共振器間で構
成され、これにより各共振器間での結合が変えられ得
る。

【０００３】各共振器間の誘導性的な結合は、係るセラ
ミックブロックを加工すること、例えば穴を穿孔した
り、ある程度材料を除去したりしすることにより変えら
れ得る。

【０００４】ところが、このようなセラミックブロック
の上面に導電性のパターンを設けることは非常に難し
く、なぜならば、有効な表面積が極めて少ないので、導
電性パターンを精度を以て配置する場合、極くわずかな
誤差があってもフィルタの電気的な特性に影響を与えて
しまうからである。加えて、上面に導電性のパターンを
単に配置すると、容量性的な場だけが変化可能となり、
結合が容量性的になってしまうからである．

【０００５】上記一般的に用いられる方法の改善例とし
ては、本出願人であるツルーネンら（Turunen et al.）
によるヨーロッパ特許出願第４０１８３８号に開示され
ている。ここで開示されているフィルタにおいて、フィ
ルタの電気的な特性は、その側面が実質的に被覆されて
おらず、導電性のパターン及び各結合線がフィルタ・ブ
ロックの側面に配置されているという点で広い範囲に作
用され得る。上面に導電パターンを設けるよりも広い領
域が利用できるだけでなく、共振器の誘導性結合も、変
化させることが可能となる。誘導性場は、共振器の短絡
下端で最大となる。側面に導電パターンを設けることに
より、共振器間の結合を、一つの同一フィルタブロック
にて、容量性、誘導性、及び容量性、誘導性の食い合わ
せにすることが可能である。フィルタに対する結合は、
叉、誘導性、容量性又はそれらの組み合わせとすること
が可能である。フィルタの電気的特性は、導電パターン
が小さい面積の上面に配置される場合のそれに比較し、
ブロックの側面上に導電パターンを配置する上での若干
のばらつきにたいしてそれほど過敏でない。このヨーロ
ッパ出願によれば、導電パターンが設けられる側面は、
最終的に金属被覆される。以上のフィルタ構造は、実際
に少数の標準化した大きさのフィルタブロックを使用す
るだけで、共振器の帯域幅及び平均周波数を変化可能と
なり、フィルタ設計者にかなりの自由度をもたらし、即
ち、異なった導電パターンを使用することによって、異
なった種類のフィルタが構成できる。

【０００６】このヨーロッパ出願においては、もう一つ
の実施例が説明されている。これによれば、ブロックの
側面は、叉、実質的にに被覆されていない。絶縁シート
は、側面に対して配置され、ブロックの前記面に対向し
ない面及びシートの縁は、被覆されている。この被覆
は、ブロックの被覆と電気的に接続されている。導電パ
ターンは、従ってセラミックブロックの被覆されていな
い側面に対面して配置された絶縁シート上に配置され
る。これは、回路が必要とする他の部品が配置される基
板の部分を絶縁シートが形成する場合に特に好適であ
る。そのような個別部品は、例えば、コイルや表面実装
の抵抗等である。導電パターンにより高いインダクタン
ス値を得るのは困難なので、個別のコイルが種々のフィ
ルタで、例えば異なった共振器の間で一つの共振器から
他の共振器へ信号が通過する帯域消去フィルタで必要と
される。個別部品が、フィルタブロックの側面を通じて
延びる絶縁シートの部分上に配置される。フィルタへ信
号の印加及びフィルタからの信号の出力は、突出部分の
導電ストリップによりなされる。

【０００７】

【本発明が解決しようとする課題】上記説明したヨーロ
ッパ出願による構成、つまり側面に対して配置される絶
縁シート上に導電性のパターン並びに結合用部材が配置
される特定の実施例は、このような効果があるにもかか
わらず幾つかの課題がある。その第１の課題は、その表
面の真直度についての要求条件である。係るブロックの
側面と、これに対向して配置される絶縁シートは極めて
平らであることが要求され、これらの両平面が互いに位
置決めされるとき、これらの間に空気のギャップが全く
残らないように平らであることが要求されることにあ
る。第２の問題は、絶縁シートを調整する際に係る要求
条件である。上記複数のパターンが絶縁シートに位置決
めされ、これらが上記ブロックの側面に対して規定のパ
ッドに正確に位置合わせされる必要があるとき、位置合
わせに僅かな偏りがあると最終製品の電気的な特性にバ
ラツキを発生し、許容公差を越えてしまうかも知れない
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明の第１の
形態によれば、誘電性物質で作られており、この物質本
体の対向する側面には上面と下面とが配置され、この上
面及び下面間には対向する各端面、及び対向する側面が
配置されているブロック１と；上記ブロックを貫通して
上記上面から下面に伸びる少なくともの２つの穴と；上
記本体の下面、各端面及び第１の側面の両方、及び上記
各穴の内部表面に設けられ、上記各穴に対して送信ライ
ンを形成する導電層と；上記ブロックの一方の側面に対
して取り付けられ、該ブロックの表面が上記一方の表面
を除いて実質的に導電層に被覆されている絶縁シート
と；導電性の電極によって形成され、上記絶縁シートと
上記ブロックとの間に位置決めされるときに上記共振器
に結合される結合パターンと；を備える無線周波数フィ
ルタにおいて、上記絶縁シートの取り付けに先立って、
上記結合パターンの上記電極の一部が、上記絶縁シート
の被覆されていない側面に配列されており、上記結合パ
ターンの上記電極の残りの部分が、上記本体の他の側面
に配置されていることを特徴とする無線周波数フィルタ
が提供される。

【０００９】また、本発明に係る第２の形態によれば、
軸上に位置合わせされており、対向する各端面との間で
延びる複数の共振穴を有し、該各共振穴がその内面で導
電層により被覆され、該各穴に対して外側の導電層と共
に送信ラインが設けられている誘電体ブロックと；上記
誘電体ブロックの１つの側面に隣接して設けられる絶縁
層と；を有する無線周波数フィルタにおいて、上記誘電
体ブロックの側面に隣接して設けられ各共振器との間で
結合を与える導電領域が、上記誘電体ブロックの各第２
の面、及び上記絶縁層に対向する面に配置される第１及
び第２の導電性パターンによって提供されることを特徴
とする無線周波数フィルタが提供される。

【００１０】

【作用】上記構成によれば、ヨーロッパ特許出願に記述
されている利点を有するフィルタが上記欠点なく提供す
ることができる。本発明は、セラミックブロックにおけ
る被覆されていない側面に導電性のパターンの一部を設
けると共に、絶縁シートの側面に上記導電性のパターン
に対向して設定される導電性のパターンの一部を設ける
ことにより実現される。加えてこれら導電性パターンの
一部は、最終的な組立時に、これらが一方の上部に他方
が少なくとも部分的に位置合わせされ得ることを可能に
する。

【００１１】本発明は、各導電パターン及びパッドをセ
ラミックのブロックの側面に設け、その位置決め作業に
おいてズレが許容され得るので、組立精度に関する要求
条件が緩和される。係るフィルタの平均周波数は影響を
受けるが、これは、側面のパターンは同様に保たれる
が、当該側面に対向して位置決めされるべき絶縁シート
のパターンは変化するところの同じブロックが用いられ
るようにして行われる。これにより、異なる電気的特性
をもつ各フィルタが、１つの同じセラミックブロックを
用いて、大部分のカップリングが行われているパターン
を通して、また絶縁シートを変えることにより、生成さ
れ得る。

【００１２】

【実施例】以下、本発明に係る実施例について図面を用
いて説明する。図１は、３極フィルタ ( a three-pole
filter )を示している。このフィルタは、図１（Ａ）で
示すように２つの部分を備えて構成されており、誘電性
のブロック１と、絶縁シート２とを備えている。上記ブ
ロックは、実質的に矩形状であり、上面及び下面と、２
つの端面と、２つの側面とを備えている。上記ブロック
には３つの穴３，４，５が設けられており、これらの穴
は、上記上面から下面にかけて延び且つ導電性の材料で
コーティング（以下「被覆」という）されているが、図
１にはその上面で開いたときの状態が示されている。係
るブロックの各端面，一方の側面，及び下面もまた導電
材料によって被覆される。これら被覆される面はハッチ
ング線で示される。係るブロックの他方の側面は、その
全体が図１（Ａ）に示されるように被覆されない。各穴
の下方端部の被覆は、係る本体下面の被覆と結合される
一方、上記穴の上部端の被覆は、係る本体側面の被覆と
絶縁される。これにより、各穴に対して１つの伝送ライ
ン共振器が形成され、その長さは、係るフィルタの所望
の応答曲線に従って選択される。図２に示されるよう
に、穴５に対しては共振器ＲＥＳ１、穴４に対してはＲ
ＥＳ２、そして穴３に対してはＲＥＳ３がそれぞれ形成
される。

【００１３】上記ブロックにおける実質的に被覆されて
いない側面には、各伝送ライン共振器との結合、及び各
共振器間の結合のために金属箔膜によって形成された複
数の回路パターンが設けられている。以下、図１（Ｃ）
のフィルタの応答結合を示す図２を参照して上記結合パ
ターンの意味を説明する。パッド７，８は、絶縁スペー
ス１１３により、その側面の被覆から絶縁されている。
パッド８に１つの信号が供給されると、その信号は、共
振器ＲＥＳ１に容量性的に結合される。それぞれフィル
タ処理された信号はパッド７から得られ、これは最後の
共振器ＲＥＳ３に結合されるが、これもまた容量的な結
合によって得られる。これにより、図２においては、パ
ッド８と、共振器ＲＥＳ１の穴５の上部端被覆との間で
キャパシタンスＣ１が存在する。加えて上記側面には、
共振器ＲＥＳ２の上部端でパッド１１４が設けられ、且
つ、係る共振器の各々の下部端にパッド９，１０，及び
１１が設けられている。更に、共振器ＲＥＳ１とＲＥＳ
２との間、及び共振器ＲＥＳ２とＲＥＳ３との間には、
それぞれストリップ１２，１３が設けられており、これ
らの一方の端部は下面の被覆と結合状態にある。

【００１４】図１（Ａ）に示される絶縁シートの表面積
及び形状は、本体側面の面積及び形状に対応する。係る
シートの他の側面並びに各端部は、全体的に導電材料で
被覆されている。上記他の側面においては、図からその
全体がわかるように、複数の回路パターンが構成され
る。係る被覆並びに金属回路パターンはハッチングによ
って示される。パッド１６，１７は係る被覆から絶縁さ
れるが、パッド１１５及びストリップ１４，１５は、そ
の一方の端部で被覆に接続されている。

【００１５】フィルタを組み立てる場合、絶縁シート
は、上記回路パターン面と一致するようにセラミックブ
ロックと対向して位置決めされるが、この場合、パッド
１７と７とが互いに対面し、且つ同様に、パッド１６と
８とが互いに対面するように対向して位置決めされる。
１つの信号は、パッド８と１６との間、例えば導体スト
リップ導体（図示せず）に運ばれる。係るパッドから見
た場合、本フィルタとの結合は、上記コンデンサのパッ
ド８と、共振器ＲＥＳ１の穴５の被覆によって提供され
るコンデンサＣ１とを介して実行される（図２参照）。
加えて、上記パッドの接地は、パッド１６と、絶縁シー
ト２の被覆によって提供されるコンデンサＣ３とによっ
て実行される（図２参照）。それぞれ、上記パッド７，
１７間の一点から見た場合、キャパシタンスＣ２及びＣ
３が形成され、その間でフィルタされた信号が１つのス
トリップライン（図示せず）の支援により伝導される。
上記ブロックの側面上のパッド１１４は、上記絶縁シー
トのパッド１１５を通じて接地されており、これにより
パッド１１４は、一方で第２のキャパシタ電極を形成す
るので共振器ＲＥＳ２を容量的に充電し、その結果、係
る共振器周波数は、非充電時に比べて低くなる。互いに
対向するストリップ１２，１５、及びストリップ１３，
１４は、２つの共振器間に配置され、これら共振器間で
誘導性結合を及ぼす。パッド９，１０，及び１１は、ど
こにも接続されることはないので、これらはフィルタに
何も影響を及ぼさない。上記ブロックのパッド７，８の
サイズを大きくすると容量が大きくなり、これにより、
係るフィルタの帯域幅を広くする一方、絶縁シート上の
パッド１６，１７のサイズを大きくすると帯域幅を狭く
する。

【００１６】上記ブロックと絶縁シートとを対向して位
置決めし、例えば、半田付けにより互いに結合すると、
例えば図１（Ｃ）に示されるようなフィルタが得られ
る。上記結合パターンにおいて、これは３回路のバンド
パスフィルタである。ここで分かることは、係る結合パ
ターンの形態又は量が本発明に於いて重要な意味を持た
ないことにある。

【００１７】図１（Ａ）のブロック上において、図１
（Ａ）で示される絶縁シートの代わりに図１（Ｂ）の絶
縁シートが取り付けられてもよい。これら各シート間の
差異は、後者のシートが、端部の被覆に結合される金属
ストリップ１８，１９，及び２０を更に備えていること
にある。係るシートが上述のように本体に対して対向し
て位置決めされると、係るブロックにおける共振器の誘
導性端部上でパッド９，１０，１１が接地される。従っ
て、係る共振器の共振周波数は高くなり、フィルタ全体
が高い周波数にて同調される。

【００１８】図３は、本発明の技術的思想に基づき、係
るブロックの側面上、及び絶縁シートの表面上の両方で
複数の結合パターンが採用された３極の帯域消去フィル
タ (a three-pole stop band filter )を示しており、
図４は、係るフィルタの応答回路 ( response circuit
) である。係るフィルタは、そのブロック及び絶縁シ
ートのディメンジョンが上記３極のバンドパスフィルタ
のものと同様であるが、単に上記回路パターン及び２つ
のディスクリートな要素によって構成され得る。ブロッ
ク１の側面上にはパッド３１，３２，及び３３が係る共
振器の上部端部で位置決めされており、そこから各共振
器に対して結合が作られている。各共振器のストリップ
３４，３５は、その側面全長に延び、一方の端において
下面の被覆に接続されている。図３（Ｂ）に示されるよ
うに、絶縁シート２の被覆されていない表面上には、パ
ッド３８，３９，及び３１０を含む結合パターンが配置
され、且つ、２つのストリップ３６，３７が係る表面の
一方の端部から他方の端部にまで延びており、これらの
両端部が上記シートの端部の被覆に結合されている。係
る絶縁シートは、同時にコイルＬ１及びＬ２（図３
（Ｃ）参照）のための結合シートとして機能するが、こ
の場合、これらコイルは、図示のようにパッド３８，３
９，及び３１０に半田付けされる。係る絶縁シートは、
例えば半田付けにより、その結合パターン面にあわせて
互いに対向して上記ブロックに固着され、係るシート上
のパッド３８，３９，３１０の指状突出部 ( a finger-
like projection ) が本体の同様なパッド３１，３２，
３３の上部に重なる。長手方向のストリップ３６，３７
は、本体の同様なストリップ３２，３５上に位置決めさ
れる。完成したフィルタは図３（Ｃ）に示される。この
絶縁シートの一部は、係る共振器の方向において、寸法
上、上記本体よりも長いので、図３（Ｃ）に示されるよ
うにフランジとして残り、図において主にパッド３８，
３９，及び３１０が確認できる。これにより、上記パッ
ド上のコイルＬ１，Ｌ２、及びその入力接続線（図示せ
ず）をパッド３１０に固着したり、その出力接続線をパ
ッド３８に固着したりすることが容易である。

【００１９】図４は、フィルタの応答回路を示してい
る。上記長手方向のストリップの対３４及び３７、３５
及び３６は、そのストリップで電磁場を打ち消すことに
より、係るセラミックブロックを通して互いに共振器の
完全な分離を提供するので、信号は、コイルＬ１を介し
てのみ共振器ＲＥＳ１から共振器ＲＥＳ２に移動し、コ
イルＬ２を介してのみ共振器ＲＥＳ２から共振器ＲＥＳ
３に移動する。キャパシタンスＣ４，Ｃ５，及びＣ６
は、パッド３８，３９，３１０と、上記絶縁シートの一
方の側面の被覆とにより形成されるキャパシタから形成
される。各コンデンサＣ１，Ｃ２，及びＣ３は、パッド
３３，３２，及び３１と、穴５，４，及び３とにより形
成されるキャパシタから構成される。これにより、係る
共振器との結合は容量的に実行される。

【００２０】図４に示した実施例は、係るフィルタに応
じて絶縁シート２のブロック１から突起するフランジ面
に各種ディスクリートな構成要素が容易に配置され得る
ので非常に有効である。尚、これにより当業者において
は、１つのセラミックブロックを用いてデュープレック
スフィルタを構成することが容易に理解されるであろ
う。また、表面上に延びる対応のストリップを利用する
同様な方法により、例えば図３に示されるように設計
上、個々の共振器が分離されることで、受信部及び送信
部からなる複数のフィルタが分離される。このとき必要
とされるディスクリートな構成要素はフランジ上に設け
られ得る。尚、当業者においては、必要に応じて係るフ
ランジ部が別個の金属カバーで覆われ得ることが容易に
分かるであろう。

【００２１】

【発明の効果】本発明の教示のように複数の結合パター
ンが上記ブロックの側面と、上記フランジの両方に配置
されるならば、様々な利点の効果が得られる。同様なブ
ロックを使用しても、それに取付けられる絶縁シートを
変更することにより、係るフィルタの応答曲線を容易に
変えることができる。また、絶縁シートの表面積が、係
る本体の一方の側面の表面積よりも大きいならば、上記
各ディスクリートな構成要素の挿入にも容易である。

【００２２】本発明の範囲内を逸脱することなく、様々
な形態のフィルターが実現され得る。例えば、回路パタ
ーンの形状及び数、又は、使用可能な外部の構成要素に
ついて適用するための必要条件に対し制限は設定される
ことはない。上記絶縁シートは、回路基板の一部分とし
て構成され、これに無線装置の無線周波数部分が取り付
けられていてもよい。更に、係る本体の側面の表面積よ
りも表面積が小さいものであってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る無線周波数フィルタの第１の実施
例を示す分解斜視図。

【図２】図１のフィルタの応答回路を示す回路図であ
る。

【図３】本発明に係る無線周波数フィルタの第２の実施
例を示す分解斜視図。

【図４】図２のフィルタの応答回路を示す回路図であ
る。

【符号の説明】

１…誘電体のブロック ２…絶縁シート ３，４，５…穴 ７，８，９，１０，１１，１６，１７，１１４，１１５
…パッド １２，１３，１４，１５，１８，１９，２０…ストリッ
プ １１３…絶縁スペース

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 誘電性物質で作られており、該物質本体
   の対向する側面に上面と下面とが配置され、且つ、該上
   面と下面との間に対向する各端面及び対向する側面が配
   置されたブロック（１）と、 前記ブロックを貫通して前記上面から下面に伸びる少な
   くともの２つの穴（３，４，５）と、 前記本体の下面、各端面及び第１の側面の両方、及び前
   記各穴の内部表面に設けられ、前記各穴に対して送信ラ
   インを形成する導電層と、 前記ブロック（１）の一方の側面に対して取り付けら
   れ、該ブロックの表面が前記一方の表面を除いて実質的
   に導電層で被覆されている絶縁シート（２）と、 導電性の電極によって形成され、前記絶縁シート（２）
   と前記ブロック（１）との間で位置決めされるときに前
   記共振器に結合される結合パターンと、 を備える無線周波数フィルタにおいて、 前記絶縁シート（２）の取り付けに先立ち、前記結合パ
   ターンの前記電極の一部（１４，１５，１６，１７，１
   １５）が、前記絶縁シート（２）の被覆されていない側
   面に配列されており、前記結合パターンの前記電極の残
   りの部分（７，８，９，１０，１１，１２、１３，１１
   ４）が、前記本体の他の側面に配置されていることを特
   徴とする無線周波数フィルタ。
2. 【請求項２】 前記絶縁シートの表面積、並びに前記ブ
   ロックにおける前記他の側面の表面積及び形状が本質的
   に同じであることを特徴とする請求項１に記載のフィル
   タ。
3. 【請求項３】 前記絶縁シートの表面積が、前記本体に
   おける前記他の側面の表面積よりも大きいことを特徴と
   する請求項１に記載のフィルタ。
4. 【請求項４】 前記ブロックにおける前記他の側面にわ
   たり交差する前記絶縁シートの一部がフランジ状の突出
   部を形成し、該突出部上の前記結合電極に当該フィルタ
   のディスクリートな構成要素が取り付けられること特徴
   とする請求項３に記載のフィルタ。
5. 【請求項５】 前記絶縁シートの電極の少なくとも一部
   が一方に対して他方に位置決めされており、前記ブロッ
   クにおける前記他方の側面で前記各電極と接触状態にあ
   ることを特徴とする請求項１に記載のフィルタ。
6. 【請求項６】 軸上に位置合わせされており、対向する
   各端面との間で延びる複数の共振穴を有し、該各共振穴
   がその内面で導電層により被覆され、該各穴に対して外
   側の導電層と共に送信ラインが設けられている誘電体ブ
   ロックと、 前記誘電体ブロックの１つの側面に隣接して設けられる
   絶縁層とを有する無線周波数フィルタにおいて、 前記誘電体ブロックの側面に隣接して設けられ各共振器
   との間で結合を与える導電領域が、前記誘電体ブロック
   の各第２の面、及び前記絶縁層に対向する面に配置され
   る第１及び第２の導電性パターンによって提供されるこ
   とを特徴とする無線周波数フィルタ。
7. 【請求項７】 前記絶縁層が、前記誘電体ブロックを越
   えて前記対向された端面の一方に隣接して延びているこ
   とを特徴とするする請求項６に記載のフィルタ。
8. 【請求項８】 前記誘電体ブロックの端面の一方が、前
   記外側の導電層によって覆われ、該端面の他方が非導電
   性であることを特徴とする請求項６又は７のいずれか１
   項に記載のフィルタ。
9. 【請求項９】 前記第１及び第２の導電性パターンは、
   これらがオーバーラップして前記導電領域を提供するよ
   うに配置されることを特徴とする請求項６乃至８のいず
   れか１項に記載のフィルタ。
10. 【請求項１０】 前記外部の導電層が、一方の端面と前
    記側面とを除いて前記誘電体ブロックを完全に被覆して
    いることを特徴とする請求項６乃至９のいずれか１項に
    記載のフィルタ。