JPH075831Y2 - 遠心脱水機用内蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は衣類等の被脱水物の脱水を行うとともに脱水か
ご内ですすぎをも行う遠心脱水機用内蓋に関するもので
ある。

従来の技術 従来、この種の遠心脱水機の内蓋は、第７図のような構
成になっていた。

すなわち、脱水かご１の上部を覆う脱水受けカバー２内
に内装された内蓋３は、図に示すように中央部に注水口
４より注水された水を溜める凹部５を有し、凹部５には
複数の透穴６が設けられており、注水された水を透穴６
を通して脱水かご１内の洗濯物に供給し、その後脱水す
ることにより洗濯物をすすぐ構成となっている。

考案が解決しようとする課題 しかし、このような構成のものでは、注水を中止すると
溜った水は透穴６を通って流れてゆくが最終的には水の
表面張力により透穴６に膜が形成され、全ての水が完全
に内蓋３の凹部５より流れ出すことはない。したがっ
て、脱水後、内蓋３を開けた時、残っていた水および透
穴６に張った膜が破れた際の水滴が脱水した洗濯物の上
に落下し、不具合であった。

また、注水中に内蓋３を開放すると、凹部５に溜ってい
た水が一度に後方へと押しやられるため、水が機外へ飛
散し、床面をぬらすという課題を有していた。

そこで、本考案は注水中に内蓋を開放しても床面をぬら
すことのない内蓋の構成を得ることを第１の目的として
いる。

第２の目的は水膜の張らない透穴の構成を得ることにあ
る。

課題を解決するための手段 そして上記第１の目的を達成するために本考案は脱水か
ご上部を覆い、かつ上面中央に水を溜める凹部と、この
凹部底面に溜めた水を流す透穴を複数個設け、後面中央
部に下方へ凹なる段部を仕切リブにより形成し、この仕
切リブの手前には、注水口方向への溝部を形成するとと
もに、この溝底を注水方向側が低くなるような傾斜状に
設定したものである。

また第２の目的を達成するために、本考案は水抜き用透
穴の穴縁が面一に位置しないように同穴縁に段部を形成
したものである。

作用 本考案の遠心脱水機用内蓋は、上記構成により、注水中
に内蓋を開けた際には、下方へ凹なる段部により、脱水
受けカバーと内蓋との隙間が大となり、多量の水をタン
ク内に落とし込み、機外への飛散を防止する。

また後面に形成した注水口への溝部は、注水終了後凹部
に残った水滴を、内蓋を開いた時に仕切リブ上に溜め、
内蓋を閉じた時に溝部内に落とし、溝部の傾斜を利用
し、注水口よりタンク内へ導き、内蓋開放時における洗
濯物への水滴落下を防止する。

さらに透穴の穴縁に段部を設けることにより、透穴に水
膜の張るのを防ぎ、水膜の破れによる水滴の落下を防止
するものである。

実施例 以下、本考案の一実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。

第１図，第２図において、６はタンク７を内装する本体
外箱で、上部前面に制御部を有する前面カバー８を、後
面には操作部を有する後面パネル９を装着している。ま
た脱水側上部は脱水蓋10により覆われており、その下に
は脱水受カバー11が装着されており、脱水受カバー11に
は内蓋12が内装され、脱水かご13の上面を覆い、脱水時
の水の飛散を防止している。

内蓋12は中央部に水を溜める凹部14を有し、注水口15よ
り注水された水を溜める。また前記凹部14は段部を有す
る透穴16へと傾斜する底面を有している。

また内蓋12の後部には仕切リブ17により形成された凹な
る段部18が設けられている。前記仕切リブ17の前面に
は、注水口15へと傾斜する溝部19が設けられており、溝
部19に溜った水を注水口15へと導くようになっている。

次に、上記構成における作用を説明する。先ず注水口15
より注水された水は内蓋12の凹部14に溜まりながら透穴
16より下へと落下し、脱水かご13内の洗濯物へと給水さ
れ、給水後脱水かご13を回転させ、脱水することによ
り、洗剤分を脱水される水をともに絞り出すことにより
すすぐ。

ここで注水時に内蓋12を開放すると、内蓋凹部14に溜ま
った水が後面へ一度に流れ出すが、仕切リブ17により整
流されると同時に、第３図に示すように、内蓋12開放時
には段部18と脱水受カバー11との隙間はＹからＹ′へと
拡張され、多量の水を機外へ飛散させることなく、タン
ク内へ導くことができる。

次に、注水を停止すると、凹後14に溜った水は透穴16へ
と傾斜した底面に沿って流れ出すが、若干の水は内蓋12
の凹部14の表面に水滴20となって残る。残った水滴20は
第４図に示すように溝部19へと集められ注水口15よりタ
ンク内へ導びかれる。詳しく説明すると、第４図ａが注
水を終了した時点であり、凹部の表面に水滴20残ってい
る。次に、内蓋12を開放した状態がｂであり、表面の水
滴20が仕切リブ17の表面に集められている。次に、ｃに
示すように、内蓋12を閉めると仕切リブ17にあった水滴
20は内蓋12を閉めることにより溝部19に集められ、溝部
19の傾斜によって注水口15へと流れてゆく。このように
して、表面に付着した水滴20を仕切リブ17で内蓋12外へ
流出するのを防ぎ、集めて溝部19よりタンク内へ流入す
るため、脱水した後の洗濯物の上への水滴の滴下を防止
できる。

また、注水を停止すると、凹部に溜った水は透穴16から
流出してゆくが、最終段階になると第５図ａに示すよう
に平面状に透穴16を設けていると穴表面に水膜が形成さ
れる。しかしながら、第５図ｂおよび第６図に示すよう
に段部21を透穴16に設けることにより、平面部だけでな
く水垂部をも有することになり、水膜の形成を阻止する
ことができる。これにより、凹部14内の水をスムーズに
流出することができ、水膜の落下による脱水後の洗濯物
をぬらすことはない。

考案の効果 以上のように本考案は、内蓋の後面に仕切リブによる下
方へ凹なる段部を、また、仕切リブの前面に溝部を設け
ることにより、注水時の内蓋開放による水の機外への飛
散を防止するとともに、脱水後の洗濯物への水滴の落下
を防止するものである。

また、本考案は、透穴の穴縁に段部を設けることによ
り、透穴への水膜の形成を阻害し、注水された水のスム
ーズな流出を実現するとともに、水膜の落下による洗濯
物のぬれを防止するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す脱水機の要部斜視図、第
２図は同外観斜視図、第３図および第４図は同内蓋の要
部断面図、第５図は透穴の断面図、第６図は本考案の実
施例を示す透穴の斜視図、第７図は従来の内蓋周辺の斜
視図である。 ６……本体外箱、11……脱水受カバー、12……内蓋、13
……脱水かご、14……凹部、16……透穴、17……仕切リ
ブ、19……溝部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】脱水かご上部を覆い、かつ上面中央に水を
   溜める凹部と、この凹部底面に溜めた水を流す透穴を複
   数個設け、後面中央部に下方へ凹なる段部を仕切リブに
   より形成し、この仕切リブの手前には、注水口方向への
   溝部を形成するとともに、この溝底を注水方向側が低く
   なるような傾斜状に設定してなる遠心脱水機用内蓋。
2. 【請求項２】水抜き用透穴の穴縁が面一に位置しないよ
   うに同穴縁に段部を形成した請求項１記載の遠心脱水機
   用内蓋。