JPH075827B2 - 芳香族ポリカーボネートの安定化方法及びその安定化組成物 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの安定化方法及びその安定化組成物

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JPH075827B2
JPH075827B2 JP2214420A JP21442090A JPH075827B2 JP H075827 B2 JPH075827 B2 JP H075827B2 JP 2214420 A JP2214420 A JP 2214420A JP 21442090 A JP21442090 A JP 21442090A JP H075827 B2 JPH075827 B2 JP H075827B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエンジニアリングプラスチックである芳香族ポ
リカーボネートの安定化方法、特に耐熱水性の改良方法
及びそれによって得られた安定化された芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
芳香族ポリカーボネートは、一般にホスゲン法もしくは
メルト法により合成され透明性、耐衝撃性、自己消化性
に優れたエンジニアリングプラスチックとして広く使用
されている。しかしながら耐熱水性については必しも十
分ではなく、これを改良するためにリン系安定剤とエポ
キシ化合物又はシリコーン化合物を併用使用する方法
(エンサイクロフィディア オブ ポリマー サイエン
ス アンド エンジニアリング(第2版)vol.11.p665
(1985))が提案されている。ところがポリカーボネー
トの溶融成形時に必要となるリン系安定剤は、耐熱水性
には逆に悪い影響を及ぼすことが知られている。しか
し、リン系安定剤を減らしたり、使用しないと溶融成形
時にポリカーボネート自体が劣化し、耐熱水性が悪くな
ってしまうという問題点がある。
一方、リン系安定剤として亜リン酸ジエステルを添加す
る方法も知られており、特公昭37−13775号公報には芳
香族ポリカーボネートと亜リン酸ジエステルの組成物が
報告されている。これによれば、好ましい添加量はポリ
カーボネート100重量部に対して0.02〜5重量部となっ
ている。又、特開昭47−12993号公報にも芳香族ポリカ
ーボネートと亜リン酸ジエステルとの組成物が報告され
ている。この場合の好ましい添加量はポリカーボネート
100重量部に対して0.01〜2.0重量部の範囲であり、実施
例では0.02〜0.1重量部の範囲となっている。先に述べ
たようにこれらリン酸エステル系熱安定剤は、溶融加工
成形時の熱安定性には顕著な効果を有するものの、成形
物の耐熱水性や耐スチーム性、あるいは長期耐熱老化時
のポリマー着色には悪い影響を与えるという問題点を有
している。これらの悪い影響は添加量に依存し、添加量
が多い程上記耐熱水性やポリマー着色が悪くなるという
問題点を有していた。以上のように従来のホスゲン法又
はメルト法によって合成されたポリカーボネート樹脂の
組成物で成形時の耐熱性に優れしかも耐熱水性の優れた
ポリマーは現在まで得られていなかったのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、安定性、特に耐熱水性(耐スチーム性)の優
れた新規な芳香族ポリカーボネート組成物及びその安定
化法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、固相重合法により合成された芳香族ポリ
カーボネートに、従来では考えられないような少量の亜
リン酸ジエステルを添加することにより上記課題を解決
できることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完
成した。
すなわち本発明は、結晶性芳香族ポリカーボネートプレ
ポリマーを固相重合して得られる芳香族ポリカーボネー
ト100重量部に亜リン酸ジエステルを0.0005〜0.015重量
部混合することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの
安定化方法、及び芳香族ポリカーボネート100重量部と
亜リン酸ジエステルを0.0005〜0.015重量部からなる安
定化された芳香族ポリカーボネート組成物を提供するも
のである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリ
マーの末端基はヒドロキシル基とアリールカーボネート
基からなっている。この末端基の組合せは特に固相重合
速度が速く、その比率は10:90〜90:10、特に20:80〜80:
20の範囲が望ましい。この範囲を越えると固相重合速度
が低下する。
該プレポリマーは通常ビスフェノールAユニットを主体
とする芳香族ポリカーボネートであって、下記の一般式
で記載することができる。
Xは または−ArOHであり、 Yは−OHまたは 基を示す。ここでRはアルキル基、Arは芳香族残基を表
わす。例を挙げると、 R=−H,−CH3, である。又、本発明の結晶性プレポリマーの結晶化度に
ついては特に制限はないが、結晶化度は通常5〜55%の
範囲(X線回折法)である。結晶化度が低いと融着しや
すく、高すぎると重合速度が遅くなる。
上記結晶性芳香族ポリカーボネートポリマーパウダーを
製造する方法としては、種々の方法をとりうるが、好ま
しい方法は対応する分子量を有する高比表面積形態を有
する非晶性プレポリマー溶融物を結晶化溶媒に浸漬し、
結晶化させるとともに、粉砕して、パウダーをつくる方
法である。
ここで、高比表面積の溶融物とは、ストランド状、繊維
状、微粒子状、フィルム状等である。
結晶化のために使用される溶媒としては、例えばクロロ
メタン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ク
ロロエタン、ジクロロエタン(各種)トリクロロエタン
(各種)3トリクロロエチレン、テトラクロロエタン
(各種)等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;クロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これら
の溶媒は1種用いてもよいし、2種以上を混合して用い
てもよい。
このうち、本発明の表面積の大きいプレポリマーを合成
するにはアセトンがもっとも好ましい。
又、上記溶媒に貧溶媒として水やメタノール等を混合し
て使用することも可能である。
固相重合は上記結晶性プレポリマーのガラス転移温度以
上、融点以下の温度で行われ、150℃〜260℃の範囲であ
る。150℃以下では重合速度が遅く、260℃以上ではポリ
マーパウダー同志の融着が激しくなり好ましくない。
固相重合時は減圧条件もしくは、不活性ガスの流通条件
下に行い、縮合副生成物であるフェノール等の芳香族モ
ノヒドロキシ化合物あるいはジアリールカーボネートを
系外に除去しながら重合する。
固相重合のプロセスとしては各種の方法が知られている
がいずれの方法も使用できる。
例えば、タンブラー型、キルン型、パドルドライヤー
型、スクリューコンベア型、振動型、流動床型、固定床
型、移動床型等が挙げられる。
固相重合して得られる芳香族ポリカーボネートの数平均
分子量としては通常4,000〜100,000の範囲、重量平均分
子量としては通常10,000〜200,000の範囲である。
なお、固相重合は、溶媒の存在下もしくは不存在のどち
らも可能であるが、無触媒重合の方が得られるポリマー
のカラー、耐熱性、耐熱水性が格段に優れるので好まし
い。
重合触媒としてはポリカーボネートあるいはポリエステ
ルに使われる公知の各種のエステル交換触媒等の重合触
媒が使用できる。例えばビスフェノールAのアルカリ金
属塩、スズや鉛の化合等が挙げられる。
本発明の出発物質である非晶性芳香族ポリカーボネート
プレポリマーの合成方法としては特に限定はなく、下記
の種々の方法で合成される。
一つは、エステル交換法により、ビスフェノールA等の
ビスフェノールとジアリールカーボネートのメルト重合
による合成、一つは末端停止剤としてフェノールやター
シャリ−ブチルフェノール等芳香族モノヒドロキシ化合
物の存在下にビスフェノールとホスゲンを界面重縮合さ
せて合成する方法、一つは、ビスフェノールとジアリー
ルカーボネートのモル比1:2の縮合物をあらかじめ合成
しておき、これとビスフェノールを溶融重合する方法、
一つは界面重縮合においてビスフェノールに対して過剰
のホスゲンとフェノールを反応させて得られるフェニル
カーボネート末端ポリカーボネートオリゴマーに新たに
ビスフェノールを加えて溶融重合する方法等が挙げられ
る。
エステル交換法により、プレポリマーをつくった場合は
全く塩素を含まない芳香族ポリカーボネートの合成が可
能であるし、ホスゲン等を使用した場合でも本発明に使
用するプレポリマーは低分子量であるので、ポリマーの
精製が容易で、塩素化合物を実質的に含まない高純度に
することができる。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネートはこのよう
にホスゲン法に比べ、塩化メチレン、ホスゲン、重合触
媒、副生食塩等をプロセス上使用せず、又プロダクト中
にも存在しない極めて純粋なポリマーであって、特にポ
リマーの劣化や成形機の腐食の原因となる塩化メチレン
と遊離塩素を含まないポリマーである。又本発明の芳香
族ポリカーボネートはガスクロマトグラフィーによる塩
化メチレンの分析、及び硝酸銀溶液を滴定液とした電位
差滴定法による遊離塩素の分析でそれらのいずれもが検
出限界以下のものである。さらに、該ポリマーは従来の
メルト法に比べて、固相重合法を用いているため重合温
度が低く、メルト法ではさけられない分岐等の副反応が
ほとんどない。したがって本発明の芳香族ポリカーボネ
ートはメルト法に比べて分子量分布がシャープとなる。
一般に分子量が大きくなるにつれて、分子量分布は広く
なる傾向にあり、固相重合法、メルト法とも同じ傾向を
示す。重合平均分子量28,000前後では、固相重合法では
Mw/Mnで表わされる分子量分布は、Mw/Mn=2.35〜2.45で
あり、メルト法ではMw/Mn=2.6〜2.8である。固相重合
法の方が分子量分布がシャープである。固相重合法ポリ
カーボネートの分子量分布は、通常Mw=16,000の時Mw/M
n=2.20〜2.25、Mw=25,000の時Mw/Mn=2.30〜2.40であ
り、Mw=28,000の時Mw/Mn=2.35〜2.45である。いずれ
の分子量においても、固相重合法ポリカーボネートはメ
ルト法ポリカーボネートよりも分子量分布がシャープで
ある。したがって本発明に使用される芳香族ポリカーボ
ネートは、ホスゲン法やメルト法ポリマーに比べクリー
ンで不純物を含まず、しかも異種結合のないポリマーと
なっていて本質的に熱安定性のすぐれたポリマーであ
る。
又、固相重合ポリカーボネートは分子量分布がシャープ
でオリゴマーが少ないという特徴を有している。
本発明の組成物の主成分である芳香族ポリカーボネート
は高い結晶融点と鋭い融点ピーク有する高結晶性ポリマ
ーであることから、従来のホスゲン法やメルト法の芳香
族ポリカーボネートと明確に区別される。
本発明の芳香族ポリカーボネートは結晶性芳香族ポリカ
ーボネートプレポリマーを固相重合するため、固相重合
の加熱時にポリマーがアニールされるため、示差走査熱
量計(DSC)で測定した融点がアップし、又融点ピーク
がシャープである。
結晶融点(DSCのピークトップ)は230℃〜300℃、融点
ピークの半値巾は3〜8℃である。DSCの測定は不活性
雰囲気下、10℃/minの昇温速度、試料量5〜10mgの条件
で測定した。
本発明に使用される亜リン酸ジエステルは、亜リン酸
(H2PHO3)の2個の水素原子が炭化水素基に置換された
構造を持つものであり、例として、 (式中R,R′はアルキル基、アリール基、又はアルキル
アリール基を示す。)で表わされる亜リン酸ジエステル
がある。
上式に於てアルキル基の例としては、エチル基、ブチル
基、オクチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエ
リスリトール基、ステアリル基等が挙げられる。又、ア
リール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。
アルキルアリール基としては、トリル基、パラターシャ
リ−ブチルフェニル基、2,4−ジターシャリ−ブチルフ
ェニル基、2,6−ジターシャリ−ブチルフェニル基、パ
ラ−ノニルフェニル基、ジノニルフェニル基等が挙げら
れる。
好ましい具体例としては、ジフェニルハイドロゲンホス
ファイト(R,R′≡フェニル)、ビス(ノニルフェニ
ル)ハイドロゲンホスファイト(R,R′≡ノニルフェニ
ル)、ビス(2,4−ジターシャリ−ブチルフェニル)ハ
イドロゲンホスファイト、ジクレジルハイドロゲンホス
ファイト、ビス(p−ターシャリ−ブチルフェニル)ハ
イドロゲンホスファイト、ビス(p−ヘキシフェニル)
ハイドロゲンホスファイト等が挙げられる。
本発明に使用される亜リン酸ジエステルは上記一般式で
表わされるもの以外にも、例えば のようなリン原子を2つ含む(ただし式中R″はアルキ
レン、アリレン、又はアリールアルキレンを示す。)亜
リン酸ジエステルも使用できる。
さらに、 (R″は上記と同じ)の一般式で表わされるものも使用
できる。
これらの亜リン酸ジエステル中で、芳香族亜リン酸ジエ
ステルが好ましい。特に好ましいものの例としては、ジ
フェニルハイドロゲンホスファイト、ビス(ノニルフェ
ニル)ハイドロゲンホスファイト、ビス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ハイドロゲンホスファイト等が挙げ
られる。
これらの亜リン酸ジエステルは、単独で使用しても良い
し、混合物で使用しても良い。
本発明に使用される亜リン酸ジエステルの添加量は0.00
05〜0.015重量部、さらに好ましくは0.0005〜0.009重量
部の範囲である。0.0005重量部以下では熱安定性が悪
く、0.015重量部以上では耐熱水性(耐スチーム性)が
悪くなる。
本発明の芳香族ポリカーボネートと亜リン酸ジエステル
は均一に混合することが重要で、ヘンシェルミキサー、
ナルターミキサー、タンブラー等であらかじめよく均一
にすることが好ましい。
混合物は通常、押出機を通してペレット化し、均一な芳
香族ポリカーボネート組成物が製造される。
なお、亜リン酸ジエステルの添加量が少ないので添加剤
をいったんアセトン等溶媒に希釈し、ポリマーに添加し
た後、アセトンを乾燥除去してもよい。このようにして
得られた本発明の芳香族ポリカーボネート組成物は耐熱
水性に優れており、その耐熱水性は105℃,300時間で重
量平均分子量保持率80%以上である。
〔発明の効果〕
本発明の安定化方法によって安定化された樹脂組成物
は、固相重合芳香族ポリカーボネートと亜リン酸ジエス
テルからなる組成物であって、従来のホスゲン法やメル
ト法の芳香族ポリカーボネートに比べ優れた耐熱水を有
しており、各種成形材料として、使用できるものであ
り、優れた効果を有するものである。
〔実 施 例〕
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが本発
明はこれらの例によって限定されるものではない。
なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)で測定した数平均分子量(以下Mnと略す)と
重量平均分子量(Mwと略す)であり、 プレポリマー中の末端基は高速液体クロマトグラフィー
による分析又はNMRによる分析によった、又、表面積は
島津製作所製アキュアソーブ2100−02型を使用してクリ
プトンガスを用いて測定した。
射出成形はモダンマシナリー製 MJEC−10射出成形機を
用い、樹脂温度300℃、金型90℃の条件でASTM4号型ダン
ベルを作製した。引張試験は50mm/minの引張速度を行っ
た。
実施例 1 ビスフェノールAとジフェニルカーボネートより合成し
た数平均分子量4,100で末端ヒドロキシル基34%、末端
フェニルカーボネート基66%の末端基を有する表面積1.
5m2/gの結晶性プレポリマー11kgを、70のタンブラー
型固相重合器を用いて固相重合を行った。重合条件とし
て少量のチッソを系内にもれこませながら、真空ポンプ
で1〜2torrの減圧条件下、180℃から220℃まで6時間
かけて昇温し、その後220℃に5時間保持して重合を行
ったところ、Mn=12,500,Mw=28,000のポリマーが得ら
れた。
このポリマーの融点は271℃、半値巾は4.3℃であった。
DSCチャートを第1図に示す。
この芳香族ポリカーボネート10kgに対して、ビス(ノニ
ルフェニル)ハイドロゲンホスファイト0.3gをヘンシェ
ルミキサーで混合した後、300℃で射出成形し、ダンベ
ルを作製した。このダンベルを105℃の熱水中に浸漬
し、耐熱水性テストを実施した。結果を表1に示す。
実施例 2 実施例1と同様にして得られた芳香族ポリカーボネート
を用いて、ビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスフ
ァイトのかわりにビス(フエニル)ハイドロゲンホスフ
ァイト0.25gを用いて、実施例1と同様にして射出試験
片を得た。耐熱水性テストの結果を表1に示す。
実施例 3 実施例1と同様にして、ビス(ノニルフェニル)ハイド
ロゲンホスファイトを0.3gのかわりに0.2gを用いヘンシ
ェルミキサーで混合した後、射出成形し、試験片を得
た。射出成形ダンベルの耐熱水性テスト結果を表1に示
す。
実施例 4 実施例1と同様にして、ビス(ノニルフェニル)ハイド
ロゲンホスファイトのかわりにビス(2,4−ジターシャ
リ−ブチルフェニル)ハイドロゲンホスファイトを0.3g
用い、実施例1と同様にして射出試験片を得た。耐熱水
性テストの結果を表1に示す。
比較例 1 ホスゲン法により合成された芳香族ポリカーボネート
[数平均分子量10,800、重量平均分子量28,000、塩化メ
チレン残留量50ppm(ガスクロマト分析法)、遊離塩素1
2ppm(硝酸銀溶液を用いた電位差滴定法)、結晶融点22
9℃、ピーク半値巾15℃であった。]のパウダー10kgに
ビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスファイト0.3g
をヘンシェルミキサーで混合した後、300℃で射出成形
し、ダンベルを作製した。このダンベルを105℃の熱水
中に浸漬し、耐熱水性テストを実施した。結果を表1に
示す。
比較例 2 ビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスファイト0.3g
のかわりに0.025gの使用する以外は実施例1と同様にし
て、ダンベルを作製した。耐熱水性テスト結果を表1に
示す。
比較例 3 ビス(ノニルフェニル)ホスファイト0.3gのかわりに4g
を使用した以外は実施例1と同様にして射出成形ダンベ
ルを合成した。耐熱水性テスト結果を表1に示す。
実施例 5 ビスフェノールAとジフェニルカーボネートより合成し
た数平均分子量4,200で、末端ヒドロキシル基36%、末
端フェニルカーボネート基64%の末端基を有する表面積
1.2m2/gの結晶性プレポリマーで、触媒としてナトリウ
ムイオンが0.1ppm含まれているものを用いて、実施例1
と同様に固相重合を行い、Mn=14,000,Mw=35,000のポ
リマーを得た。実施例1と同様にして耐熱水性テストを
したところ、300時間後の破断伸度91%、分子量(Mw)
保持率92%で良好であった。
比較例 4 ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを用いてメ
ルト法によりポリカーボネートを合成した。触媒はビス
フェノールAのナトリウム塩をビスフェノールAに対し
て5ppm添加した。縮合物のフェノールを抜きながら、重
合温度を180℃より徐々に昇温しながら、最終的に310℃
まで昇温した。得られた芳香族ポリカーボネートの数平
均分子量は10,500、重量平均分子量は28,300でMw/Mnは
2.7であった。この芳香族ポリカーボネート10kgにビス
(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスファイト0.3gをヘ
ンシェルミキサーで混合した後、300℃で射出成形し、
ダンベルを作製した。物性評価結果を表1に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたポリマーのDSCチャートで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−223035(JP,A) 特開 昭64−4617(JP,A) 特開 平1−158033(JP,A) 特開 昭37−13775(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマ
    ーを固相重合して得られる芳香族ポリカーボネート100
    重量部に亜リン酸ジエステルを0.0005〜0.015重量部混
    合することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの安定
    化方法。
  2. 【請求項2】芳香族ポリカーボネート100重量部と亜リ
    ン酸ジエステル0.0005〜0.015重量部からなる安定化さ
    れた芳香族ポリカーボネート組成物。
  3. 【請求項3】芳香族ポリカーボネートが高結晶性芳香族
    ポリカーボネートである請求項2記載の安定化された芳
    香族ポリカーボネート組成物。
JP2214420A 1989-08-17 1990-08-15 芳香族ポリカーボネートの安定化方法及びその安定化組成物 Expired - Lifetime JPH075827B2 (ja)

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