JPH0757754B2 - ビオプテリン,ネオプテリン及び天然プテリジンの酵素免疫測定法及びそのための支持体 - Google Patents

ビオプテリン,ネオプテリン及び天然プテリジンの酵素免疫測定法及びそのための支持体

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JPH0757754B2
JPH0757754B2 JP22778789A JP22778789A JPH0757754B2 JP H0757754 B2 JPH0757754 B2 JP H0757754B2 JP 22778789 A JP22778789 A JP 22778789A JP 22778789 A JP22778789 A JP 22778789A JP H0757754 B2 JPH0757754 B2 JP H0757754B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,種々の病態解析及び診断に有効なビオプテリ
ン,ネオプテリン及び天然プテリジンの酵素免疫測定法
及び前記測定法に用いる支持体に関する。
[従来の技術] ビオプテリンは神経伝達物質であるカテコールアミン類
の生合成律速段階に必須なビオプテリン補酵素の酸化体
であり,また,病理生化学的観点ではパーキンソン病患
者の黒質線状体において著しいビオプテリンの減少が起
きていることが報告されている。ネオプテリンは癌患者
などの尿に特有に増加していることが報告されており,
このような低分子有機化合物であるビオプテリンやネオ
プテリンは生体内では極微量にしか存在しておらず,こ
のような有機化合物の定量方法の確立が望まれてきてお
り,現在までに多くの報告がなされてきている。
特開昭56-8383号公報には,次の定量方法が開示されて
いる。
「一般式 (式中,Qはアルキレン基を意味し,アルキルもしくはヒ
ドロキシアラルキルが置換することがある。R6およびR7
はそれぞれH,アルキルまたはヒドロキシアルキルを意味
する。R′は放射性ヨウ素で標識したチラミン,ヒスタ
ミンまたはチロシンメチルエステルを意味する。)で表
されるプテリン誘導体をトレーサーとして用いるプテリ
ン類のラジオイムノアッセイ法」 [発明が解決しようとする課題] 前記ラジオイムノアッセイ法は,アイソトープを用いな
ければならないため,種々の問題点を有している。例え
ば,放射性廃棄物の発生,放射能の人体への影響,放射
性試薬の不安定性等の問題点を有している。そのため,
アイソトープを用いない定量方法も報告されているが,
前記ラジオイムノアッセイ法と同等の測定感度を有する
定量方法は,未だ知られていなかった。
本発明の目的は,上記従来技術の問題点を解決したビオ
プテリン,ネオプテリン及び天然プテリジンの酵素免疫
測定法及びそのための支持体を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば,次のビオプテリン,ネオプテリン及び
天然プテリジンの酵素免疫測定法及びそのための支持体
により,上記目的を達成できる。
ビオプテリン及び支持体に固定したビオプテリン誘
導体をビオプテリン抗体と反応させ,支持体に吸着され
た抗体量を測定することにより,検体中のビオプテリン
を定量するビオプテリンの酵素免疫測定法。
ネオプテリン及び支持体に固定したネオプテリン誘
導体をネオプテリン抗体と反応させ,支持体に吸着され
た抗体量を測定することにより,検体中のネオプテリン
を定量するネオプテリンの酵素免疫測定法。
支持体に固定した、プテリジンのアルキル誘導体,
ヒドロキシアルキル誘導体,ポリヒドロキシアルキル誘
導体,アミノアルキル誘導体,ヒドロキシル誘導体,ア
ミノ誘導体の1以上を,夫々の抗体と反応させ,支持体
に吸着された抗体量を測定することにより,検体中の夫
々のプテリジンを定量するプテリジンの酵素免疫測定
法。
プテリジンのアルキル誘導体、ヒドロキシアルキル
誘導体、ポリヒドロキシアルキル誘導体、アミノアルキ
ル誘導体、ヒドロキシル誘導体、アミノ誘導体の1以上
が、免疫反応に供する表面上に所定量固定されているプ
テリジンの酵素免疫測定法のための支持体。
尚、前記プテリジン誘導体は、次式で表わされるものか
ら選択されるのが好ましい。
R1=(CH2)n−NH2 n=2〜6 または R1=(CH2)n−CHO n=2〜6 R2,R3=H、−OH、−NH2、アルキル基、ヒドロキシアル
キル基、 ポリヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基 ビオプテリン誘導体が免疫反応に供する表面上に所
定量固定されているビオプテリンの酵素免疫測定法のた
めの支持体。
ネオプテリン誘導体が免疫反応に供する表面上に所
定量固定されているネオプテリンの酵素免疫測定法のた
めの支持体。
[好適な実施態様及び作用] 前記プテリジン誘導体が固定された支持体は、概ね次の
ような要領で作製される。例えば,支持体にポリ−L−
リジンをコーティングし,そこへグルタルアルデヒドを
介して所定濃度のプテリジン誘導体を含有する溶液で処
理すれば、所望量のプテリジン誘導体を支持体に固定さ
せることができる。支持体は,好ましくはプレート(例
えばポリスチレン製)を用いる。支持体に固定された前
記プテリジンの誘導体の1以上を,夫々の抗体と反応さ
せると,抗体がプテリジンの誘導体を介して支持体に吸
着される。支持体に吸着された抗体量を測定することに
より,検体中のプテリジンを定量することができる。
ビオプテリン抗体に,ビオプテリン及びビオプテリン誘
導体の過剰の抗原を競合反応させると,前記抗体にビオ
プテリンが結合し,その後にビオプテリン誘導体が結合
し,未反応のビオプテリン誘導体が残る。そのため,ビ
オプテリン抗体,ビオプテリン及びビオプテリン誘導体
の各量を適宜設定し,未反応のビオプテリン誘導体を定
量することにより(相対的な定量で良い),未反応のビ
オプテリン誘導体の量と反応前のビオプテリンの量との
相関関係を得ることができる。
検体中のビオプテリンの量を求める場合には,検体中の
ビオプテリン及びビオプテリン誘導体をビオプテリン抗
体に競合反応させ,未反応のビオプテリン誘導体を定量
し(相対的な定量で良い),前記相関関係により検体中
のビオプテリンの量を求めることができる。
上記ビオプテリン,ビオプテリン誘導体及びビオプテリ
ン抗体の代りに,夫々,ネオプテリン,ネオプテリン誘
導体及びネオプテリン抗体を用いた場合,及び,プテリ
ジン,プテリジンの前記誘導体及び夫々の抗体を用いた
場合も上述の方法と同様に,検体中のネオプテリン又は
プテリジンの量を求めることができる。
ビオプテリン誘導体及びネオプテリン誘導体は,例えば
ポリスチレン製プレート等の支持体にポリ−L−リジン
をコーティングし,そこへグルタルアルデヒドを介して
固定して,固定化ビオプテリン誘導体又は固定化ネオプ
テリン誘導体にすることが好ましい。ビオプテリン誘導
体及びネオプテリン誘導体は,例えばビオプテリン又は
ネオプテリンの夫々プテリン環の2位のアミノ基の1水
素原子をプロピルアミンに置き換えたものにする。ビオ
プテリン及びネオプテリンの2位のアミノ基は求核性に
乏しくアルデヒド基とシッフ塩基を形成しにくい。その
ため,前記固定化ビオプテリン誘導体及び固定化ネオプ
テリン誘導体を均一量で得ることができる。
ビオプテリン及びビオプテリン誘導体をビオプテリン抗
体に競合反応させた後に残存する未反応のビオプテリン
誘導体を定量する手段,及び,ネオプテリン及びネオプ
テリン誘導体をネオプテリン抗体に競合反応させた後に
残存する未反応のネオプテリン誘導体を定量する手段と
しては,例えば,前記競合反応後に残存する未反応のビ
オプテリン誘導体又はネオプテリン誘導体に1以上の抗
体を反応させ,得られた反応生成物を発色せしめて比色
分析により定量する手段がある。例えばPAP法やHRP法が
ある。これによって,ビオプテリン(又はネオプテリ
ン)の量と残存する未反応のビオプテリン誘導体(又は
未反応のネオプテリン誘導体)の量(例えば吸光度の比
等により表わされた相対的な量)との相関関係(例え
ば,ビオプテリンの量に対する未反応のビオプテリン誘
導体の吸光度の比を示す検量線)を得ることができる。
プテリジンの誘導体の定量も同様にして行なうことがで
きる。
検体中の未知量のビオプテリンは,検体中のビオプテリ
ン及びビオプテリン誘導体をビオプテリン抗体に競合反
応させ,例えば前述の未反応のビオプテリン誘導体の定
量と同様にして吸光度の比を求め,前記検量線により定
量することができる。
以上と同様にして検体中の未知量のネオプテリン,プテ
リジンも定量することができる。
[実施例] (ビオプテリン誘導体又はネオプテリン誘導体を固定化
した支持体プレートの準備) 次の手順によりビオプテリン誘導体又はネオプテリン誘
導体を固定化した支持体プレートを準備した。
(1)ポリ−L−リジン1mgを蒸留水10mlに溶かしこの
溶液を150μlずつプレート(Falcon3072マイクロプレ
ート,96のウェル(well,くぼみ)を有する。)のウェル
に入れ4℃で一夜放置した。
(2)ウェル内溶液を捨てウェルにPBS(phosphate buf
fer saline)(−)洗浄液(含0.05% tween20)を200
μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液を捨て
た。この操作を3回行った。
(3)10%グルタルアルデヒド水溶液を200μlずつウ
ェルに加え,室温で1時間放置した。
(4)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄液
を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液を
捨てた。この操作を3回行った。
(5)固定化用ビオプテリン誘導体又はネオプテリン誘
導体のPBS(−)溶液を100μl(1000pmol)ずつウェル
に入れ,室温で1時間(または4℃で一夜)放置した。
(6)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄液
を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液を
捨てた。この操作を3回行った。
(7)1%NaBH4のPBS(−)溶液を200μlずつウェル
に加え,室温で1時間放置した。
(8)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄液
を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液を
捨てた。この操作を3回行った。
(9)10%NSS(正常羊血清)のPBS(−)溶液を200μ
lずつウェルに入れ,4℃で一夜(または室温で1持間)
放置した。
(10)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄液
を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液を
捨てた。この操作を3回行った。
このようにして準備された,プレートに固定化したビオ
プテリン誘導体及びネオプテリン誘導体は,その特性の
変化なしに数週間のあいだ冷蔵庫に貯蔵することができ
る。
(PAP法による検量線の作成) PAP法による定量の具体的手順の一例を次に示す。前記
ビオプテリン誘導体又はネオプテリン誘導体を固定化し
た支持体プレートの準備(1)〜(10)に引き続き,次
の手順で行なった。
(11)ビオプテリンの量と未反応のビオプテリン誘導体
の量との相関関係,及びネオプテリンの量と未反応のネ
オプテリン誘導体の量との相関関係を得るために,あら
かじめ含有量を設定したビオプテリン又はネオプテリン
のPBS(−)溶液20μlとビオプテリンあるいはネオプ
テリン抗血清(10%NSSにて2000倍希釈)のPBS(−)溶
液130μlとを混合させ室温で1時間放置した。そし
て,この混合液を150μlずつ前記ウェルに加え,室温
で1時間放置した。
(12)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄液
を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液を
捨てた。この操作を3回行った。
(13)第2抗体(goat anti rabit IgG)のPBS(−)溶
液(500倍希釈)を150μlずつウェルに入れ,室温で1
時間放置した。
(14)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄液
を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液を
捨てた。この操作を3回行った。
(15)第3抗体PAP(PEROXIDASE ANTI PEROXIDASE)のP
BS(−)溶液(2000倍希釈)を150μlずつウェルに加
え,室温で1時間放置した。
(16)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄液
を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液を
捨てた。この操作を3回行った。
(17)0.1M−クエン酸−0.2M−リン酸二ナトリウム水溶
液20mlにo-phenylendiamine4mgを溶かし,使用直前に10
%H2O220μlを加え,この溶液を200μlずつウェルに
加え,室温で数分放置した。
(18)ウェルに6N−H2SO4を50μlずつ加え,5〜10分室
温で放置した。
(19)Immuno-readerにより波長490nmにて吸光度を測定
した。
(HRP法による検量線の作成) HRP法による具体的手順の一例を次に示す。前記固定化
ビオプテリン誘導体及び固定化ネオプテリン誘導体の準
備(1)〜(10)に引き続き,次の手順で行なった。
(11′)ビオプテリンの量と未反応のビオプテリン誘導
体の量との相関関係,及びネオプテリンの量と未反応の
ネオプテリン誘導体の量との相関関係を得るために,あ
らかじめ含有量を設定したビオプテリン又はネオプテリ
ンのPBS(−)溶液20μlとビオプテリンあるいはネオ
プテリン抗血清(Kaolin処理後(文献1)参照),10%N
SSにて2000倍希釈)のPBS(−)溶液130μlとを混合さ
せ室温で1時間放置した。そして,この混合液を150μ
lずつ前記ウェルに加え,室温で1時間放置した。
(12′)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄
液を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液
を捨てた。この操作を3回行った。
(13′)Horseradish-PeroxidaseのPBS(−)溶液(1/2
000希釈)を150μlずつウェルに入れ,室温で1時間放
置した。
(14′)ウェル内溶液を捨て,ウェルにPBS(−)洗浄
液を200μlずつ加え5分間放置し,再びウェル内溶液
を捨てた。この操作を3回行った。
(15′)0.1M−クエン酸−0.2M−リン酸二ナトリウム水
溶液20mlにo-phenylendiamine8mgを溶かし,使用直前に
35%H2O220μlを加え,この溶液を200μlずつウェル
に加え,室温で数分放置した。
(16′)ウェルに6N−H2SO4を50μlずつ加え,5〜10分
室温で放置した。
(17′)Immuno-readerにより波長490nmにて吸光度を測
定した。
なお,前記(17)及び(15′)におけるo−フェニレン
ジアミンと過酸化水素は,反応生成物を発色させるため
に使用されている。
前記PAP法又はHRP法により,ビオプテリンの量の変化に
対する前記吸光度比の変化を示す検量線(即ち,ビオプ
テリンの量と未反応のビオプテリン誘導体の量との相関
関係),及びネオプテリンの量の変化に対する前記の吸
光度比の変化を示す検量線(即ち,ネオプテリンの量と
未反応のネオプテリン誘導体の量との相関関係)を得
た。これらの検量線を図1−1,1−2,1−3及び1−4に
示す。
なお,ビオプテリン抗血清及びネオプテリン抗血清は後
記参考文献3),4)により準備した。ビオプテリン誘導
体及びネオプテリン誘導体としては,ビオプテリン又は
ネオプテリンの夫々のプテリン環の2位のアミノ基の1
水素原子をプロピルアミンに置き換えたものを用いた。
これらの誘導体は,後記参考文献5)に記載の方法と同
様にして合成された。
(検体の調整) 検体として尿を用いる場合は,次のようにして調整し
た。
任意量の尿に尿の1/10量の2M−塩酸と2%ヨウ素−4%
ヨウ化カリウム水溶液を加え,室温,暗所で1時間放置
した。1時間後,尿の1/10量の4%アスコルビン酸を加
え,凍結乾燥を行った。凍結乾燥した尿にPBS(−)を
加え,この溶液20μl中に尿1.2μlを含むように調整
した。本発明の測定法にはこの20μlを用い12人の尿と
同時測定について行った。
尿中のクレアチニンの定量はJaffe反応を利用した定量
法(文献2)参照)を用いた。水で希釈した尿に0.04N
−ピクリン酸と0.75N−水酸化ナトリウムを加え,25分間
放置後,波長490nmにて比色定量を行った。
ラットの肝臓・腎臓を検体として用いる場合は,次のよ
うにして調整した。
用いた組織にその量の4倍量の0.1M−Na2HPO4‐NaH2PO4
緩衝液pH7.5を加え氷中でホモジュネートした。この組
織ホモジュネート液に2M−トリクロロ酢酸,5M−塩酸,2
%ヨウ素/4%ヨウ化カリウム水溶液をそれぞれ用いたホ
モジュネート液の1/4,1/10,1/10量ずつ加え,室温,暗
所で1時間放置した。1時間後,そのけんだく液に4%
アスコルビン酸をホモジュネート液の1/10量を加え,遠
心分離(3000回転,10分,室温)した。上澄み(カラム
を処理しなかった腎臓はこの上澄みをそのまま凍結乾燥
して用いた。)をDowex50−H+(0.5×1cm)に通し水で1
0mlで洗浄,そして最後に1M−アンモニア水1mlを通し
た。その時の溶出液を凍結乾燥した。凍結乾燥した組織
にホモジュネート液の1/10量のPBS(−)を加え,この
溶液を肝臓では1.2μl(4.8mg)を取りPBS(−)を18.
8μl加え,腎臓では3μl(6mg)を取りPBS(−)を1
7μlを加えた。このように調整した溶液20μlに抗血
清を加えて本発明の方法に用いた。
(検体中のビオプテリン又はネオプテリンの定量) 検体中のビオプテリン又はネオプテリンの量を求める場
合は,前記(11)及び(11′)の手順において,「あら
かじめ含有量を設定したビオプテリン又はネオプテリン
のPBS(−)溶液20μl」のかわり,「検体20μl」を
用いる以外は前記PAP法及びHRP法の夫々の手順と同様に
して吸光度を測定し,検体の吸光度比を得て,前記検量
線からビオプテリン又はネオプテリンを定量した。
検体として尿を用いた場合の結果を表1に示す。同時測
定(Intraassey,Interassey)は,表1中のNo.11の尿を
用いた。その結果を表2〜5に示す。
検体としてラットの肝臓・腎臓を用いた場合の結果を表
6,7−1及び7−2に示す。表6はラット肝臓のビオプ
テリンの定量結果,表7−1はラット腎臓中のビオプテ
リンの定量結果,表7−2はカラム処理なしの場合のラ
ット腎臓中のビオプテリンのの定量結果を夫々示す。こ
れらによれば,肝臓,腎臓等の組織においても定量可能
であり,しかもカラム処理をしなくても定量可能である
ことを示している。
(高性能液体クロマトグラフィーによる定量) 前記夫々の検体について,高性能液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)による定量結果を表1,6,7−1及び7−2に
合わせて示す。これらの結果によれば,本発明の測定法
による値はHPLCによる値とよく一致していることがわか
る。
HPLCによる尿やラット組織中のビオプテリンあるいはネ
オプテリンの定量は蛍光(日本分光,EP−110 Spectrofl
uorometer)を用いて行った。HPLCの条件は,流速1.0ml
/min,蛍光の励起波長は355nm,エミッション波長は450nm
である。尿と肝臓は溶出溶媒に30mMリン酸二水素アンモ
ニウム緩衝液pH3.5,カラムはNecleosil(φ4.6×250m
m)を用いた。腎臓(カラム処理したものとしないもの
両方とも)は溶出溶媒に100mMリン酸二水素アンモニウ
ム緩衝液pH4.4,カラムはDevelosil ODS−5(φ4.6×25
0mm)を用いた。
試料は前記と同様に調整した。試料の液性は約pH7であ
る。
(交叉性) 本発明の測定法により,ビオプテリン抗血清及びネオプ
テリン抗血清に対するプテリンリガンドとの交叉性,即
ち,ビオプテリン及びネオプテリンの6位側鎖の立体異
性体,7位に側鎖を持つ位置異性体及び種々のプテリン誘
導体との交叉性を調べた。その結果を表8に示す。これ
らの結果によれば,本発明の測定法は抗体の特異性が非
常に高く,従来のラジオイムノアッセイと同程度ないし
100倍程度低い交叉性を示すことがわかる。
(直線性及び回収率) 検体として尿を選択し,これに対する直線性及び回収率
を調べた。具体的手順は夫々次のとおりである。
直線性 凍結乾燥した尿をPBS(−)にて3倍に希釈し,この3
倍希釈尿144μlにPBS(−)56μlを加えた。更に,こ
の溶液を2,4,8,16倍にそれぞれ希釈し,この溶液20μl
を本発明の測定法に用い,尿はそれぞれ4.8,2.4,1.2,0.
6μlの量となる。又,3倍希釈尿108μlにPBS(−)92
μlを加え,この溶液を2,4,8,16倍にそれぞれ希釈し,
この溶液20μlを本発明の測定法に用い尿はそれぞれ3.
6,1.8,0.9,0.45μlの量となる。
回収率 ビオプテリンあるいはネオプテリン250,125,68,34,17,
9,4.5pmol/PBS(−)100μlのそれぞれの溶液と凍結乾
燥した尿を5倍に希釈し,この5倍希釈尿240μlにPBS
(−)560μlを加え,この溶液100μlとの混合液から
20μlをを本発明の測定法に用いた。この時用いた20μ
lの溶液中に尿は0.6μl,ビオプテリンあるいはネオプ
テリンは25pmolから倍々に希釈した量となる。
これらの結果によれば,尿1〜4μlの間で直線関係が
見られ,回収率もほぼ100%を示した。
参考文献 1)E.J.Shillitoe,Journal of Virological Methods,1
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agatsu.1984.Clin.Chim.Acta,138,275. [発明の効果] 本発明のビオプテリン,ネオプテリン及び天然ブテリジ
ンの酵素免疫測定法は,0.1pmolの測定感度でビオプテリ
ン,ネオプテリン及び天然プテリジンを簡易に定量する
ことができ,また抗体に対する特異性が高く,ビオプテ
リン,ネオプテリン及び天然プテリジンの夫々を正確に
定量することができる。
本発明の夫々の酵素免疫測定法は,アイソトープを用い
る必要がないので,アイソトープを用いた場合に生じる
種々の問題点を有することなく高い測定感度を有する。
本発明の前記特定のプテリジン誘導体は,夫々の抗体に
対する特異性が高いので,本発明の酵素免疫測定法に用
いることができる。
本発明の測定法によれば,エイズ,癌等の種々の病気を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
図1−1はPAP法によるビオプテリンの検量線,図1−
2はHRP法によるビオプテリンの検量線,図1−3はPAP
法によるネオプテリンの検量線,図1−4はHRP法によ
るネオプテリンの検量線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 正雄 愛知県岡崎市矢作町尊所9―3 (72)発明者 永津 郁子 愛知県名古屋市緑区鳴丘2―827 (72)発明者 藤田 啓介 愛知県豊明市栄町南舘12―1

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビオプテリン及び支持体に固定したビオプ
    テリン誘導体をビオプテリン抗体と反応させ、支持体に
    吸着された抗体量を測定することにより、検体中のビオ
    プテリンを定量することを特徴とするビオプテリンの酵
    素免疫測定法。
  2. 【請求項2】ネオプテリン及び支持体に固定したネオプ
    テリン誘導体をネオプテリン抗体と反応させ、支持体に
    吸着された抗体量を測定することにより、検体中のネオ
    プテリンを定量することを特徴とするネオプテリンの酵
    素免疫測定法。
  3. 【請求項3】支持体に固定した、プテリジンのアルキル
    誘導体、ヒドロキシアルキル誘導体、ポリヒドロキシア
    ルキル誘導体、アミノアルキル誘導体、ヒドロキシル誘
    導体、アミノ誘導体の1以上を、夫々の抗体と反応さ
    せ、支持体に吸着された抗体量を測定することにより、
    検体中の夫々のプテリジンを定量することを特徴とする
    プテリジンの酵素免疫測定法。
  4. 【請求項4】プテリジンのアルキル誘導体、ヒドロキシ
    アルキル誘導体、ポリヒドロキシアルキル誘導体、アミ
    ノアルキル誘導体、ヒドロキシル誘導体、アミノ誘導体
    の1以上が、免疫反応に供する表面上に所定量固定され
    ていることを特徴とする、プテリジンの酵素免疫測定法
    のための支持体。
  5. 【請求項5】前記プテリジン誘導体が R1=(CH2)n−NH2 n=2〜6 または R1=(CH2)n−CHO n=2〜6 R2,R3=H、−OH、−NH2、アルキル基、ヒドロキシアル
    キル基、 ポリヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、 で表わされることを特徴とする、特許請求の範囲第4項
    記載の支持体。
  6. 【請求項6】ビオプテリン誘導体が免疫反応に供する表
    面上に所定量固定されていることを特徴とする、ビオプ
    テリンの酵素免疫測定法のための支持体。
  7. 【請求項7】ネオプテリン誘導体が免疫反応に供する表
    面上に所定量固定されていることを特徴とする、ネオプ
    テリンの酵素免疫測定法のための支持体。
JP22778789A 1989-09-02 1989-09-02 ビオプテリン,ネオプテリン及び天然プテリジンの酵素免疫測定法及びそのための支持体 Expired - Lifetime JPH0757754B2 (ja)

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