JPH075774B2 - 積層体の製法 - Google Patents
積層体の製法Info
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- JPH075774B2 JPH075774B2 JP5214071A JP21407193A JPH075774B2 JP H075774 B2 JPH075774 B2 JP H075774B2 JP 5214071 A JP5214071 A JP 5214071A JP 21407193 A JP21407193 A JP 21407193A JP H075774 B2 JPH075774 B2 JP H075774B2
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- JP
- Japan
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- plasticizer
- evoh
- polyvinyl chloride
- film
- mol
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可塑剤の表面への移行
・滲出の実質的にない可塑化ポリ塩化ビニル系積層体、
より詳しくは可塑剤を25〜55重量%含有するポリ塩
化ビニルからなるフィルムまたはシートの少なくとも片
面に特定の組成をもったエチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物(以下EVOHと記す)の層を設けた実質的に
可塑剤の表面滲出のない可塑化ポリ塩化ビニル系積層体
の製法に関する。
・滲出の実質的にない可塑化ポリ塩化ビニル系積層体、
より詳しくは可塑剤を25〜55重量%含有するポリ塩
化ビニルからなるフィルムまたはシートの少なくとも片
面に特定の組成をもったエチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物(以下EVOHと記す)の層を設けた実質的に
可塑剤の表面滲出のない可塑化ポリ塩化ビニル系積層体
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般の軟質ポリ塩化ビニルフィルム
またはシートは工業的には約25重量%以上、多くの場
合30重量%以上の多量の可塑剤が添加されるのが通常
である。軟質塩化ビニルシート等は極めて広範囲の用途
に、好適な特性を活かして用いられているが、そのため
に可塑剤が表面に移行・滲出するという大きな欠点を有
している。実質的に軟質ポリ塩化ビニルからなる、所
謂、塩ビレザーを材料としてつくられた、または該塩ビ
レザーで被覆されてなる、たとえば、家屋、自動車等の
内装材、たとえば壁紙においては可塑剤の表面への移行
・滲出に起因して汚染し易く、かつ該汚染がとれにくい
という解決されねばならない課題がある。さらに軟質ポ
リ塩化ビニルフィルムは、ポリオレフィンフィルム等に
比し、保温性に優れるなどの長所を活かし、農業用被覆
フィルムに使用されているが、比較的長期に亘り、使用
すると可塑剤が滲出して表面が汚れるために光線透過率
が低下するという欠点があり、ここにも解決されねばな
らない同様の技術課題がある。該欠点を改善せんとする
試みは幾多みられるが、該目的を達成し、満足に実用に
供せられるものは、未だ見出されておらず、可塑剤表面
滲出のない軟質ポリ塩化ビニル系フィルムまたはシート
が待望されているのが実情である。
またはシートは工業的には約25重量%以上、多くの場
合30重量%以上の多量の可塑剤が添加されるのが通常
である。軟質塩化ビニルシート等は極めて広範囲の用途
に、好適な特性を活かして用いられているが、そのため
に可塑剤が表面に移行・滲出するという大きな欠点を有
している。実質的に軟質ポリ塩化ビニルからなる、所
謂、塩ビレザーを材料としてつくられた、または該塩ビ
レザーで被覆されてなる、たとえば、家屋、自動車等の
内装材、たとえば壁紙においては可塑剤の表面への移行
・滲出に起因して汚染し易く、かつ該汚染がとれにくい
という解決されねばならない課題がある。さらに軟質ポ
リ塩化ビニルフィルムは、ポリオレフィンフィルム等に
比し、保温性に優れるなどの長所を活かし、農業用被覆
フィルムに使用されているが、比較的長期に亘り、使用
すると可塑剤が滲出して表面が汚れるために光線透過率
が低下するという欠点があり、ここにも解決されねばな
らない同様の技術課題がある。該欠点を改善せんとする
試みは幾多みられるが、該目的を達成し、満足に実用に
供せられるものは、未だ見出されておらず、可塑剤表面
滲出のない軟質ポリ塩化ビニル系フィルムまたはシート
が待望されているのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、多数の
実用に供せられているポリ塩化ビニル用可塑剤につい
て、各種熱可塑性樹脂フィルムの耐可塑剤性、耐可塑剤
移行・滲出性および外部要因に基づく汚染性と該汚染の
除去の難易等に関し、鋭意検討を進めて、前記デスクマ
ット、書類ホルダー、家屋、自動車等の内装材(壁紙な
ど)、家具類、事務用什器、農業用フィルム、軟質ポリ
塩化ビニル積層合板類などに用いられて全く可塑剤の表
面滲出がなく、耐汚染性に優れた特性を、少なくとも片
面に被覆層として設けることによって該軟質ポリ塩化ビ
ニル系シートまたはフィルムに付与することが出来る素
材を見出し、本発明を完成するに至った。
実用に供せられているポリ塩化ビニル用可塑剤につい
て、各種熱可塑性樹脂フィルムの耐可塑剤性、耐可塑剤
移行・滲出性および外部要因に基づく汚染性と該汚染の
除去の難易等に関し、鋭意検討を進めて、前記デスクマ
ット、書類ホルダー、家屋、自動車等の内装材(壁紙な
ど)、家具類、事務用什器、農業用フィルム、軟質ポリ
塩化ビニル積層合板類などに用いられて全く可塑剤の表
面滲出がなく、耐汚染性に優れた特性を、少なくとも片
面に被覆層として設けることによって該軟質ポリ塩化ビ
ニル系シートまたはフィルムに付与することが出来る素
材を見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、可塑剤を全重
量に対して25〜55重量%含有するポリ塩化ビニル系
フィルムまたはシートの少なくとも片面にエチレン含量
20〜60モル%、酢酸ビニル成分のけん化度95%以
上のEVOHの溶融物を押出すか、または前記EVOH
の溶液をコーティングすることを特徴とする積層体の製
法である。
量に対して25〜55重量%含有するポリ塩化ビニル系
フィルムまたはシートの少なくとも片面にエチレン含量
20〜60モル%、酢酸ビニル成分のけん化度95%以
上のEVOHの溶融物を押出すか、または前記EVOH
の溶液をコーティングすることを特徴とする積層体の製
法である。
【0005】ポリ塩化ビニル用可塑剤は常温(20℃)
で液状を示す可塑剤と該温度で固体である可塑剤に大別
することができるが、前者については、たとえばジブチ
ルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
イソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジ
デシルフタレート、ジノニルフタレート、ジラウリルフ
タレート、ブチルラウリルフタレート、ブチルベンジル
フタレートなどのフタレート系可塑剤、トリクレジルホ
スフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチ
ルヘキシルホスフェートなどのホスフェート系、塩素化
パラフィンなどの含塩素系などの可塑剤があり、後者に
ついては、たとえばジシクロヘキシルフタレート、アル
コールの炭素数13以上のフタル酸ジエステル等のフタ
レート系可塑剤、ジ−ペンタエリスリトール脂肪酸エス
テル等の多価アルコール系可塑剤、トリオクチルトリメ
リテートなどのトリメリット酸系の可塑剤などがある。
該可塑剤の添加量が少ないとポリ塩化ビニルフィルムま
たはシートの柔軟性が不充分となるなど、所謂、軟質ポ
リ塩化ビニルとしての特性の充分な発現が期待できず、
該添加量が多きに過ぎると強度等の物理的特性の低下等
を来たし好ましくない。したがって該添加量は25〜5
5重量%、好適には30〜55重量%に選定されるが、
該添加量が、かかる領域にある該ポリ塩化ビニルフィル
ムまたはシートの表面への該可塑剤の移行・滲出は、顕
著であり、就中、常温で液状を示す該可塑剤についての
該現象は極めて著しい。
で液状を示す可塑剤と該温度で固体である可塑剤に大別
することができるが、前者については、たとえばジブチ
ルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
イソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジ
デシルフタレート、ジノニルフタレート、ジラウリルフ
タレート、ブチルラウリルフタレート、ブチルベンジル
フタレートなどのフタレート系可塑剤、トリクレジルホ
スフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチ
ルヘキシルホスフェートなどのホスフェート系、塩素化
パラフィンなどの含塩素系などの可塑剤があり、後者に
ついては、たとえばジシクロヘキシルフタレート、アル
コールの炭素数13以上のフタル酸ジエステル等のフタ
レート系可塑剤、ジ−ペンタエリスリトール脂肪酸エス
テル等の多価アルコール系可塑剤、トリオクチルトリメ
リテートなどのトリメリット酸系の可塑剤などがある。
該可塑剤の添加量が少ないとポリ塩化ビニルフィルムま
たはシートの柔軟性が不充分となるなど、所謂、軟質ポ
リ塩化ビニルとしての特性の充分な発現が期待できず、
該添加量が多きに過ぎると強度等の物理的特性の低下等
を来たし好ましくない。したがって該添加量は25〜5
5重量%、好適には30〜55重量%に選定されるが、
該添加量が、かかる領域にある該ポリ塩化ビニルフィル
ムまたはシートの表面への該可塑剤の移行・滲出は、顕
著であり、就中、常温で液状を示す該可塑剤についての
該現象は極めて著しい。
【0006】本発明に用いられるEVOHはエチレン含
量が20〜60モル%、好ましくは25〜50モル%で
あり、酢酸ビニル成分のけん化度が95%以上のもので
ある。前記可塑剤に対してエチレン含量が60モル%以
下の領域にあり、かつ該けん化度が95%以上のEVO
Hは耐可塑剤性および耐可塑剤移行・滲出性を示す。前
述の如く常温で液状を呈する可塑剤は特に該移行・滲出
性が著しく、また、該可塑剤に対して移行滲出防止性、
耐可塑剤性を実用的に満足するに足る程度に示す熱可塑
性樹脂は見出されていないが、該EVOHは該可塑剤に
ついても極めて優れた耐可塑剤性を示し、該極めて著し
い移行・滲出性をも実質的に完全に防止することができ
る点で極めて特徴的である。
量が20〜60モル%、好ましくは25〜50モル%で
あり、酢酸ビニル成分のけん化度が95%以上のもので
ある。前記可塑剤に対してエチレン含量が60モル%以
下の領域にあり、かつ該けん化度が95%以上のEVO
Hは耐可塑剤性および耐可塑剤移行・滲出性を示す。前
述の如く常温で液状を呈する可塑剤は特に該移行・滲出
性が著しく、また、該可塑剤に対して移行滲出防止性、
耐可塑剤性を実用的に満足するに足る程度に示す熱可塑
性樹脂は見出されていないが、該EVOHは該可塑剤に
ついても極めて優れた耐可塑剤性を示し、該極めて著し
い移行・滲出性をも実質的に完全に防止することができ
る点で極めて特徴的である。
【0007】就中、エチレン含量が55モル%以下、よ
り好ましくは50モル%以下の領域で、EVOHは極め
て満足な該特性をもち、可塑剤透過性を示さない。エチ
レン含量の増加に伴って、耐可塑剤透過性も次第に低下
し、60モル%を越える領域に至ると、所謂、軟質ポリ
塩化ビニルシートまたはフィルムに積層された場合、表
面への可塑剤の滲出が次第に認められるに至り、耐汚染
性も低下する。他方エチレン含量の低下とともに、耐可
塑剤透過性等の特性は、より向上するが、20モル%未
満の領域では耐水性に乏しいものとなり、農業用フィル
ム等屋外用途分野においては勿論のこと、前記デスクマ
ット、書類ホルダー、家屋、自動車等の内装材、家具
類、事務用什器等においても、たとえば雑巾等により可
塑剤の滲出に起因しない単なる外部要因による汚染を清
拭し、除去するに際し、該表面の膨潤を惹起したり、該
表面の損傷を来すので好適でない。
り好ましくは50モル%以下の領域で、EVOHは極め
て満足な該特性をもち、可塑剤透過性を示さない。エチ
レン含量の増加に伴って、耐可塑剤透過性も次第に低下
し、60モル%を越える領域に至ると、所謂、軟質ポリ
塩化ビニルシートまたはフィルムに積層された場合、表
面への可塑剤の滲出が次第に認められるに至り、耐汚染
性も低下する。他方エチレン含量の低下とともに、耐可
塑剤透過性等の特性は、より向上するが、20モル%未
満の領域では耐水性に乏しいものとなり、農業用フィル
ム等屋外用途分野においては勿論のこと、前記デスクマ
ット、書類ホルダー、家屋、自動車等の内装材、家具
類、事務用什器等においても、たとえば雑巾等により可
塑剤の滲出に起因しない単なる外部要因による汚染を清
拭し、除去するに際し、該表面の膨潤を惹起したり、該
表面の損傷を来すので好適でない。
【0008】さらにEVOHを設けるに当って、EVO
Hフィルム(未延伸、一軸延伸または二軸延伸EVOH
フィルム)を該ポリ塩化ビニル系シートまたはフィルム
に積層する方法を採る場合、該領域にあるEVOHの成
形性は劣るものとなり、EVOHフィルムを得るに際
し、満足に成形加工に供し難くなる。該エチレン含量は
25モル%以上であることがより好ましい。本発明のE
VOHはエチレン含量が20〜60モル%、より好まし
くは25〜50モル%の領域にあればよく、該領域にあ
る異なるエチレン含量の2種または、それ以上をブレン
ドしたものでも、本発明の効果を充分に享受することが
できる。
Hフィルム(未延伸、一軸延伸または二軸延伸EVOH
フィルム)を該ポリ塩化ビニル系シートまたはフィルム
に積層する方法を採る場合、該領域にあるEVOHの成
形性は劣るものとなり、EVOHフィルムを得るに際
し、満足に成形加工に供し難くなる。該エチレン含量は
25モル%以上であることがより好ましい。本発明のE
VOHはエチレン含量が20〜60モル%、より好まし
くは25〜50モル%の領域にあればよく、該領域にあ
る異なるエチレン含量の2種または、それ以上をブレン
ドしたものでも、本発明の効果を充分に享受することが
できる。
【0009】さらに耐可塑剤性、耐可塑剤移行性により
優れ、しかも該積層体表面の耐水性をより向上させ得
る、より優れた態様の一つとして本発明に用いるEVO
Hフィルムを、より高いエチレン含量をもつEVOH層
と、より低いエチレン含量をもつEVOH層からなる複
合構成とする好適な態様がある。すなわち複合EVOH
層の表面のうち、該接着剤層に隣接する位置には耐可塑
剤性等により優れるエチレン含量20〜35モル%のE
VOHが、また外表面には耐水性に、より優れるエチレ
ン含量40〜60モル%のEVOHが配されてなる、態
様が一層好適である。該複層構成のEVOH層を前記異
なるEVOHを該ポリ塩化ビニル系シートまたはフィル
ムに積層させる方法としては異なる2種のEVOHを共
押出操作にて2層ダイを用いて、ダイ内またはダイ外で
溶融状態の該2種のEVOHの樹脂流を押出しラミネー
トする方法がより好適に用いられる。この場合該2種の
EVOH層の間に接着性樹脂を必要とせず、この点でも
より好ましい。
優れ、しかも該積層体表面の耐水性をより向上させ得
る、より優れた態様の一つとして本発明に用いるEVO
Hフィルムを、より高いエチレン含量をもつEVOH層
と、より低いエチレン含量をもつEVOH層からなる複
合構成とする好適な態様がある。すなわち複合EVOH
層の表面のうち、該接着剤層に隣接する位置には耐可塑
剤性等により優れるエチレン含量20〜35モル%のE
VOHが、また外表面には耐水性に、より優れるエチレ
ン含量40〜60モル%のEVOHが配されてなる、態
様が一層好適である。該複層構成のEVOH層を前記異
なるEVOHを該ポリ塩化ビニル系シートまたはフィル
ムに積層させる方法としては異なる2種のEVOHを共
押出操作にて2層ダイを用いて、ダイ内またはダイ外で
溶融状態の該2種のEVOHの樹脂流を押出しラミネー
トする方法がより好適に用いられる。この場合該2種の
EVOH層の間に接着性樹脂を必要とせず、この点でも
より好ましい。
【0010】本発明に用いるEVOH層の厚さは前記可
塑剤の移行・滲出を防止するためには、少なくとも2μ
の厚さを必要とする。2μ未満の厚さの領域であって
は、該移行・滲出を抑制することはできるが、実質上完
全に防止することができない。特に常温で液状を呈する
可塑剤に対しては5μ以上であることがより好ましい。
余りに厚すぎると、経済的に不利になるばかりか、用途
によっては軟質ポリ塩化ビニル系フィルムシート等の、
たとえば柔軟性などの特性をも損なうことになるので、
50μ以下で用いることが好ましく、40μ以下である
ことがより好適である。
塑剤の移行・滲出を防止するためには、少なくとも2μ
の厚さを必要とする。2μ未満の厚さの領域であって
は、該移行・滲出を抑制することはできるが、実質上完
全に防止することができない。特に常温で液状を呈する
可塑剤に対しては5μ以上であることがより好ましい。
余りに厚すぎると、経済的に不利になるばかりか、用途
によっては軟質ポリ塩化ビニル系フィルムシート等の、
たとえば柔軟性などの特性をも損なうことになるので、
50μ以下で用いることが好ましく、40μ以下である
ことがより好適である。
【0011】軟質ポリ塩化ビニル系フィルムまたはシー
トにEVOH層を設けるに当っては、EVOH溶融物を
押出しラミネートするか、またはEVOH溶液をコーテ
ィングすることが重要である。
トにEVOH層を設けるに当っては、EVOH溶融物を
押出しラミネートするか、またはEVOH溶液をコーテ
ィングすることが重要である。
【0012】EVOH溶液をコーティングする方法とし
ては、EVOHの溶剤、たとえばアルコール系溶剤とし
てはメタノール/水系、エタノール/水系、n−プロピ
ルアルコール/水系、イソプロピルアルコール/水系、
t−ブチルアルコール/水系などがあり、これらは軟質
ポリ塩化ビニル系シートまたはフィルムを損わず好適な
溶剤であるが、これらの溶剤にEVOHを溶解しこれを
軟質ポリ塩化ビニル系フィルムまたはシートに塗布し乾
燥する方法があげられる。就中、10μ以下の比較的薄
いEVOH層を設ける場合には、より好適に採用でき
る。該溶剤としては前記アルコールの2種以上と水の混
合物も好適に用いることができる。溶液の塗布はキャス
ティングヘッドよりの吐出、ロールコート、ドクターナ
イフコート、ドクターロールコート、カーテンフローコ
ート、ぐらびやコートなどの手段により行うことができ
る。
ては、EVOHの溶剤、たとえばアルコール系溶剤とし
てはメタノール/水系、エタノール/水系、n−プロピ
ルアルコール/水系、イソプロピルアルコール/水系、
t−ブチルアルコール/水系などがあり、これらは軟質
ポリ塩化ビニル系シートまたはフィルムを損わず好適な
溶剤であるが、これらの溶剤にEVOHを溶解しこれを
軟質ポリ塩化ビニル系フィルムまたはシートに塗布し乾
燥する方法があげられる。就中、10μ以下の比較的薄
いEVOH層を設ける場合には、より好適に採用でき
る。該溶剤としては前記アルコールの2種以上と水の混
合物も好適に用いることができる。溶液の塗布はキャス
ティングヘッドよりの吐出、ロールコート、ドクターナ
イフコート、ドクターロールコート、カーテンフローコ
ート、ぐらびやコートなどの手段により行うことができ
る。
【0013】前述のより好適なエチレン含量を異にする
2種のEVOH層からなる複合構成のEVOH層を設け
るに当っては、先づエチレン含量35モル%以下のEV
OHの溶液を塗布し、予備的乾燥を行った後、40モル
%以上のEVOHの溶液をさらに塗布積層させて、乾燥
することにより行うことができる。
2種のEVOH層からなる複合構成のEVOH層を設け
るに当っては、先づエチレン含量35モル%以下のEV
OHの溶液を塗布し、予備的乾燥を行った後、40モル
%以上のEVOHの溶液をさらに塗布積層させて、乾燥
することにより行うことができる。
【0014】EVOHと該ポリ塩化ビニル系フィルムま
たはシートとの接着性は良好ではないので、EVOH層
を設けるに当ってはEVOH層と該フィルムまたはシー
トとの間に接着剤を使用する必要がある。EVOHと該
ポリ塩化ビニルフィルムまたはシートの両者に接着性を
示す好適な接着剤としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコールとアジピン酸等の二塩基酸と
を重縮合して得られるポリエステル、酢酸ビニルと塩化
ビニルの共重合体の部分けん化物等を分子中に2個以上
のイソシアネート基を有する化合物、たとえば1モルの
1,6−ヘキサメチレングリコールと2モルの2,4−
トリレンジイソシアネートとの反応物とか、1モルのト
リメチロールプロパンと3モルのトリレンジイソシアネ
ートとの反応物とを混合して得られる接着剤等のウレタ
ン系の接着剤、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル系接着剤ま
たは該系にたとえば無水マレイン酸などの第3成分を含
む接着剤等がある。これらの中で市販されている接着剤
としては、日進化学(株)製MPR−TM、モートン社
または東洋モートン社製アドコートAD−335Aと硬
化剤との2液型などがあり、他に大日本インキ社製EP
S−703、EPS−903などと硬化剤との2液型な
ど数多くのそれ自体公知の接着剤が使用可能である。
たはシートとの接着性は良好ではないので、EVOH層
を設けるに当ってはEVOH層と該フィルムまたはシー
トとの間に接着剤を使用する必要がある。EVOHと該
ポリ塩化ビニルフィルムまたはシートの両者に接着性を
示す好適な接着剤としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコールとアジピン酸等の二塩基酸と
を重縮合して得られるポリエステル、酢酸ビニルと塩化
ビニルの共重合体の部分けん化物等を分子中に2個以上
のイソシアネート基を有する化合物、たとえば1モルの
1,6−ヘキサメチレングリコールと2モルの2,4−
トリレンジイソシアネートとの反応物とか、1モルのト
リメチロールプロパンと3モルのトリレンジイソシアネ
ートとの反応物とを混合して得られる接着剤等のウレタ
ン系の接着剤、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル系接着剤ま
たは該系にたとえば無水マレイン酸などの第3成分を含
む接着剤等がある。これらの中で市販されている接着剤
としては、日進化学(株)製MPR−TM、モートン社
または東洋モートン社製アドコートAD−335Aと硬
化剤との2液型などがあり、他に大日本インキ社製EP
S−703、EPS−903などと硬化剤との2液型な
ど数多くのそれ自体公知の接着剤が使用可能である。
【0015】さらにポリアクリル酸ないしアクリル酸を
主体とする共重合物を一成分とし、他の成分が塩化ビニ
ル系樹脂であるグラフトポリマーを接着剤として好適に
用いることができる。溶液コーティング法によってEV
OH層を設けるに当っては、AD−335Aと硬化剤等
のウレタン系接着剤がより好適に用いられる。該接着剤
の塗布は、グラビヤコート、ロールコート、ドクターロ
ールコート、ドクターナイフコート、バーコート、カー
テンフローコートなどの任意の手段で行われる。またE
VOH溶液を塗布し、EVOH層を設ける場合には、軟
質ポリ塩化ビニルフィルム等に先づ0.2〜0.5g/
m2の接着剤をアンカーコートした後、EVOH溶液を
塗布することにより行われる。
主体とする共重合物を一成分とし、他の成分が塩化ビニ
ル系樹脂であるグラフトポリマーを接着剤として好適に
用いることができる。溶液コーティング法によってEV
OH層を設けるに当っては、AD−335Aと硬化剤等
のウレタン系接着剤がより好適に用いられる。該接着剤
の塗布は、グラビヤコート、ロールコート、ドクターロ
ールコート、ドクターナイフコート、バーコート、カー
テンフローコートなどの任意の手段で行われる。またE
VOH溶液を塗布し、EVOH層を設ける場合には、軟
質ポリ塩化ビニルフィルム等に先づ0.2〜0.5g/
m2の接着剤をアンカーコートした後、EVOH溶液を
塗布することにより行われる。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例を挙げて説明するが本発
明の範囲を限定するものではない。
明の範囲を限定するものではない。
【0017】実施例1 n−プロピルアルコール60部と水40部とからなる溶
媒85部にエチレン含量32モル%、酢酸ビニル成分の
けん化度99.6%のEVOH樹脂15部を加え、80
〜85℃の温度下に撹拌しながら溶解し、透明な塗布溶
液を調整した。他方下記組成からなる樹脂組成物を準備
し、スーパーミキサーで10分間撹拌混合後、165℃
に加温ミルロール上で混練し、0.10mm厚さの農業
用ポリ塩化ビニル系フィルムを得た。 ポリ塩化ビニル(P=1400) 100 重量部 ジオフチルフタレート 45 〃 トリクレジルホスフェート 5 〃 エポキシ系樹脂安定剤(商品名EP−828) 1 〃 バリウム−亜鉛複合液状安定剤 1 〃 ステアリン酸バリウム 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノステアレート 1.5 〃
媒85部にエチレン含量32モル%、酢酸ビニル成分の
けん化度99.6%のEVOH樹脂15部を加え、80
〜85℃の温度下に撹拌しながら溶解し、透明な塗布溶
液を調整した。他方下記組成からなる樹脂組成物を準備
し、スーパーミキサーで10分間撹拌混合後、165℃
に加温ミルロール上で混練し、0.10mm厚さの農業
用ポリ塩化ビニル系フィルムを得た。 ポリ塩化ビニル(P=1400) 100 重量部 ジオフチルフタレート 45 〃 トリクレジルホスフェート 5 〃 エポキシ系樹脂安定剤(商品名EP−828) 1 〃 バリウム−亜鉛複合液状安定剤 1 〃 ステアリン酸バリウム 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノステアレート 1.5 〃
【0018】該ポリ塩化ビニル系フィルムにウレタン系
接着剤AD−335Aと硬化剤cat−10(東洋モー
トン社製。混合比17:1)を塗布量0.3g/m2に
なるようにアンカーコートした後、前記調整したEVO
H溶液をグラビヤコーターでコートし、80℃で乾燥
し、6μの該EVOHの被覆層をもつ農業用ポリ塩化ビ
ニル系フィルムを得た。実施例1に準じ、可塑剤の滲出
移行テストを行った。該硬質塩ビ板の重量変化は全く認
められず、可塑剤の該EVOHフィルム表面への該滲出
に起因するベタツキも全く認められなかった。濡れ雑巾
による清拭操作を行っても、表面は損傷せず、充分な耐
水性を示した。
接着剤AD−335Aと硬化剤cat−10(東洋モー
トン社製。混合比17:1)を塗布量0.3g/m2に
なるようにアンカーコートした後、前記調整したEVO
H溶液をグラビヤコーターでコートし、80℃で乾燥
し、6μの該EVOHの被覆層をもつ農業用ポリ塩化ビ
ニル系フィルムを得た。実施例1に準じ、可塑剤の滲出
移行テストを行った。該硬質塩ビ板の重量変化は全く認
められず、可塑剤の該EVOHフィルム表面への該滲出
に起因するベタツキも全く認められなかった。濡れ雑巾
による清拭操作を行っても、表面は損傷せず、充分な耐
水性を示した。
【0019】また該EVOHコート農業用塩化ビニル系
フィルムを農作物栽培用トンネルに展張被覆し、実用試
験を行ったが、可塑剤の表面滲出もなく、空気中の塵埃
による汚染も殆どなく、未コート農業用ポリ塩化ビニル
系フィルムに比し、耐汚染性に著しく優れていた。
フィルムを農作物栽培用トンネルに展張被覆し、実用試
験を行ったが、可塑剤の表面滲出もなく、空気中の塵埃
による汚染も殆どなく、未コート農業用ポリ塩化ビニル
系フィルムに比し、耐汚染性に著しく優れていた。
【0020】実施例2 ジ−2−エチルヘキシルフタレート38重量%含有する
厚さ0.3mmの軟質ポリ塩化ビニルシートの片面に、
ウレタン系接着剤AD−335Aと硬化剤cat−10
(東洋モートン社製。混合比17:1)を塗布量0.3
g/m2になるようにアンカーコートした後、実施例1
で用いたEVOH溶液をグラビヤコーターでコートし、
80℃で乾燥し、6μのEVOH層を有する軟質塩化ビ
ニル積層シートからなる内装材(壁紙)を得た。
厚さ0.3mmの軟質ポリ塩化ビニルシートの片面に、
ウレタン系接着剤AD−335Aと硬化剤cat−10
(東洋モートン社製。混合比17:1)を塗布量0.3
g/m2になるようにアンカーコートした後、実施例1
で用いたEVOH溶液をグラビヤコーターでコートし、
80℃で乾燥し、6μのEVOH層を有する軟質塩化ビ
ニル積層シートからなる内装材(壁紙)を得た。
【0021】この内装材のEVOH層を有する表面上に
6cm×6cmの厚さ2mmの無可塑硬質塩ビ板を密着
させて置き、該硬質塩ビ板に2kgの荷重を加えた状態
で該可塑剤の滲出、移行量を温度70℃の条件下に調べ
た。50時間経過後も、該硬質塩ビ板の重量増加は全く
認められず、また該EVOH層表面のベタツキも全くみ
られず、可塑剤の滲出は全くなかった。濡れ雑巾で清拭
操作を行っても、表面が損われることなく、充分な耐水
性を示した。
6cm×6cmの厚さ2mmの無可塑硬質塩ビ板を密着
させて置き、該硬質塩ビ板に2kgの荷重を加えた状態
で該可塑剤の滲出、移行量を温度70℃の条件下に調べ
た。50時間経過後も、該硬質塩ビ板の重量増加は全く
認められず、また該EVOH層表面のベタツキも全くみ
られず、可塑剤の滲出は全くなかった。濡れ雑巾で清拭
操作を行っても、表面が損われることなく、充分な耐水
性を示した。
【0022】
【発明の効果】可塑剤の表面移行・滲出のない、しかも
耐汚染性の優れた積層体を得ることができる。
耐汚染性の優れた積層体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 27:06
Claims (1)
- 【請求項1】 可塑剤を25〜55重量%含有するポリ
塩化ビニル系フィルムまたはシートの少なくとも片面に
エチレン含量20〜60モル%、酢酸ビニル成分のけん
化度95%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物の溶融物を押出すか、または前記けん化物の溶液をコ
ーティングすることを特徴とする積層体の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5214071A JPH075774B2 (ja) | 1984-04-23 | 1993-08-30 | 積層体の製法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8275684A JPS60224542A (ja) | 1984-04-23 | 1984-04-23 | 内装材 |
JP5214071A JPH075774B2 (ja) | 1984-04-23 | 1993-08-30 | 積層体の製法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8275684A Division JPS60224542A (ja) | 1984-04-23 | 1984-04-23 | 内装材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184335A JPH06184335A (ja) | 1994-07-05 |
JPH075774B2 true JPH075774B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=26423771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5214071A Expired - Fee Related JPH075774B2 (ja) | 1984-04-23 | 1993-08-30 | 積層体の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH075774B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2647660A1 (de) * | 2012-04-02 | 2013-10-09 | Sika Technology AG | PVC-Membran mit verringerter Weichmachermigration |
-
1993
- 1993-08-30 JP JP5214071A patent/JPH075774B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06184335A (ja) | 1994-07-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |