JPH0456744B2 - - Google Patents

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JPH0456744B2
JPH0456744B2 JP59082756A JP8275684A JPH0456744B2 JP H0456744 B2 JPH0456744 B2 JP H0456744B2 JP 59082756 A JP59082756 A JP 59082756A JP 8275684 A JP8275684 A JP 8275684A JP H0456744 B2 JPH0456744 B2 JP H0456744B2
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mol
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Description

【発明の詳細な説明】 A 本発明の技術分野 本発明は、可塑剤の表面への移行・滲出の実質
的にない可塑化ポリ塩化ビニル系積層体、より詳
しくは可塑剤を25〜55重量%含有するポリ塩化ビ
ニルからなるフイルムまたはシートの少くとも片
面に特定の組成及び厚さをもつたエチレン酢酸ビ
ニル共重合体けん化物(以下EVOHと記す)の
層を設けた実質的に可塑剤表面滲出のない可塑化
ポリ塩化ビニル系積層体に関する。
B 従来技術およびその問題点 従来一般の軟質ポリ塩化ビニルフイルムまたは
シートは工業的には約25重量%以上、多くの場合
30重量%以上の多量の可塑剤が添加されるのが通
常である。軟質塩化ビニルシート等は極めて広範
囲の用途に、好適な特性を活かして用いられてい
るが、そのために可塑剤が表面に移行・滲出する
という大きな欠点を有している。たとえばデスク
マツトや書類ホルダーに使用すると静電気複写機
でコピーされた書類と接した場合にはきわめて短
時間のうちに印刷インクが軟質ポリ塩化ビニルシ
ートに付着してしまい、書類が破損したり、軟質
塩化ビニルシートが汚染し、該シートを通して印
刷面の文字等を読みとることができなくなるとい
う問題がある。実質的に軟質ポリ塩化ビニルから
なる、所謂、塩ビレザーを材料としてつくられ
た、または該塩ビレザーで被覆されてなる、たと
えば、家屋、自動車等の内装材、家具類、事務用
什器等においても可塑剤の表面への移行・滲出に
起因して汚染し易く、かつ該汚染がとれにくいと
いう解決されねばならない課題がある。さらに軟
質ポリ塩化ビニルフイルムは、ポリオレフインフ
イルム等に比し、保温性に優れるなどの長所を活
かし、農業用被覆フイルムに使用されているが、
比較的長期に亘り、使用すると可塑剤が滲出して
表面が汚れるために光線透過率が低下するという
欠点があり、ここにも解決されねばならない同様
の技術課題がある。該欠点を改善せんとする試み
は幾多みられるが、該目的を達成し、満足に実用
に供せられるものは、未だ見出されておらず、可
塑剤表面滲出のない軟質ポリ塩化ビニル系フイル
ムまたはシートが待望されているのが実情であ
る。
C 本発明の構成、目的および作用効果 本発明者らは、多数の実用に供せられているポ
リ塩化ビニル用可塑剤について、各種熱可塑性樹
脂フイルムの耐可塑剤性、耐可塑剤移行・滲出性
および外部要因に基づく汚染性と該汚染の除去の
難易等に関し、鋭意検討を進めて、前記デスクマ
ツト、書類ホルダー、家屋、自動車等の内装材、
家具類、事務用什器、農業用フイルム、軟質ポリ
塩化ビニル積層合板類などに用いられて全く可塑
剤の表面滲出がなく、耐汚染性に優れた特性を、
少くとも片面に被覆層として設けることによつて
該軟質ポリ塩化ビニル系シートまたはフイルムに
付与することが出来る素材を見出し、本発明を完
成するに至つた。
本発明は可塑剤を全重量に対して25〜55重量%
含有するポリ塩化ビニル系フイルムまたはシート
の少くとも片面にエチレン含量20〜60モル%、酢
酸ビニル成分のけん化度95%以上のEVOHから
なり、厚さ2〜50μの層を有する積層体を提供せ
んとするものである。
D 本発明のより詳細な説明 ポリ塩化ビニル用可塑剤は常温(20℃)で液状
を示す可塑剤と該温度で固体である可塑剤に大別
することができるが、前者については、たとえば
ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフ
タレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデ
シルフタレート、ジデシルフタレート、ジノニル
フタレート、ジラウリルフタレート、ブチルラウ
リルフタレート、ブチルベンジルフタレートなど
のフタレート系可塑剤、トリクレジルホスフエー
ト、トリブチルホスフエート、トリ−2−エチル
ヘキシルホスフエートなどのホスフエート系、塩
素化パラフインなどの含塩素系などの可塑剤があ
り、後者については、たとえばジシクロヘキシル
フタレート、アルコールの炭素数13以上のフタル
酸ジエステル等のフタレート系可塑剤、ジ−ペン
タエリスリトール脂肪酸エステル等の多価アルコ
ール系可塑剤、トリオクチルトリメリテートなど
のトリメリツト酸系の可塑剤などがある。該可塑
剤の添加量が少いとポリ塩化ビニルフイルムまた
はシートの柔軟性が不充分となるなど、所謂、軟
質ポリ塩化ビニルとしての特性の充分な発現が期
待できず、該添加量が多きに過ぎると強度等の物
理的特性の低下等を来たし好ましくない。したが
つて該添加量は25〜55重量%に選定されるが、該
添加量が、かかる領域にある該ポリ塩化ビニルフ
イルムまたはシートの表面への該可塑剤の移行・
滲出は、顕著であり、就中、常温で液状を示す該
可塑剤についての該現象は極めて著しい。
本発明に用いられるEVOHはエチレン含量が
20〜60モル%、好ましくは25〜50モル%であり、
酢酸ビニル成分のけん化度が95%以上のものであ
る。前記可塑剤に対してエチレン含量が60モル%
以下の領域にあり、かつ該けん化度が95%以上の
EVOHは耐可塑剤性および耐可塑剤移行・滲出
性を示す。前述の如く常温で液状を呈する可塑剤
は特に該移行・滲出性が著しく、また、該可塑剤
に対し移行滲出防止性、耐可塑剤性を実用的に満
足するに足る程度に示す熱可塑性樹脂は見出され
ていないが、該EVOHは該可塑剤についても極
めて優れた耐可塑剤性を示し、該極めて著しい移
行・滲出性をも実質的に完全に防止することがで
きる点で極めて特徴的である。就中、エチレン含
量が55モル%以下、より好ましくは50モル%以下
の領域で、EVOHは極めて満足な該特性をもち、
可塑剤透過性を示さない。エチレン含量の増加に
伴つて、耐可塑剤透過性も次第に低下し、60モル
%を越える領域に至ると、所謂、軟質ポリ塩化ビ
ニルシートまたはフイルムに積層された場合、表
面への可塑剤の滲出が次第に認められるに至り、
耐汚染性も低下する。他方エチレン含量の低下と
ともに、耐可塑剤透過性等の特性は、より向上す
るが、20モル%未満の領域では耐水性に乏しいも
のとなり、農業用フイルム等屋外用途分野におい
ては勿論のこと、前記デスクマツト、書類ホルダ
ー、家屋、自動車等の内装材、家具類、事務用什
器等においても、たとえば雑巾等により可塑剤の
滲出に起因しない単なる外部要因による汚染を清
拭し、除去するに際し、該表面の膨潤を惹起した
り、該表面の損傷を来たすので好適でない。さら
にEVOHを設けるに当つて、EVOHフイルム
(未延伸、一軸延伸または二軸延伸EVOHフイル
ム)を該ポリ塩化ビニル系シートまたはフイルム
に積層する方法を採る場合、該領域にある
EVOHの成形性は劣るものとなり、EVOHフイ
ルムを得るに際し、満足に成形加工に供し難くな
る。該エチレン含量は25モル%以上であることが
より好ましい。本発明のEVOHはエチレン含量
が20〜60モル%、より好ましくは25〜50モル%の
領域にあればよく、該領域にある異るエチレン含
量の2種または、それ以上をブレンドしたもので
も、本発明の効果を充分に享受することができ
る。
さらに耐可塑剤性、耐可塑剤移行性により優
れ、しかも該積層体表面の耐水性をより向上させ
得る、より優れた態様の一つとして本発明に用い
るEVOHフイルムを、より高いエチレン含量を
もつEVOH層と、より低いエチレン含量をもつ
EVOH層からなる複合構成とする好適な態様が
ある。すなわち複合EVOH層の表面のうち、該
接着剤層に隣接する位置には耐可塑剤性等により
優れるエチレン含量20〜35モル%のEVOHが、
また外表面には耐水性に、より優れるエチレン含
量40〜60モル%のEVOHが配されてなる、態様
が一層好適である。該複層構成のEVOH層を前
記異なるEVOHの2枚のフイルムを積層させて
得て、該ポリ塩化ビニル系シートまたはフイルム
に積層させてもよいが、就中、該異なる2種の
EVOHを共押出操作にて2層ダイを用いて、ダ
イ内またはダイ外で溶融状態の該2種のEVOH
の樹脂流を一体化させて得た表裏で異なる特性を
有する複合フイルムが、より好適に用いられる。
後者の場合、該2種のEVOH層の間には接着性
樹脂を必要とせず、この点でもより好ましい。
本発明に用いるEVOH層の厚さは前記可塑剤
の移行・滲出を防止するためには、少くとも2μ
の厚さを必要とする。2μ未満の厚さの領域であ
つては、該移行・滲出を抑制することはできる
が、実質上完全に防止することができない。特に
常温で液状を呈する可塑剤に対しては5μ以上で
あることがより好ましい。余りに厚すぎると、経
済的に不利になるばかりか、用途によつては軟質
ポリ塩化ビニル系フイルムシート等の、たとえば
柔軟性などの特性をも損うことになるので、50μ
以下で用いることが好ましく、40μ以下であるこ
とがより好適である。
軟質ポリ塩化ビニル系フイルムまたはシートに
EVOH層を設けるに当つては、先づ所望の厚さ
のEVOHフイルムを得て、それ自体公知のドラ
イラミネーシヨン法、押出ラミネーシヨン法など
の加工操作によつて行うことができる。
またEVOHのそれ自体公知の溶剤−たとえば
アルコール系溶剤としてはメタノール/水系、エ
タノール/水系、n−プロピルアルコール/水
系、イソプロピルアルコール/水系、t−ブチル
アルコール/水系などがあり、これらは軟質ポリ
塩化ビニル系シートまたはフイルムを損わず好適
な溶剤であるが−これらの溶剤のEVOH溶液を
軟質ポリ塩化ビニル系フイルムまたはシートに塗
布し乾燥することによつても好適に該EVOH層
を設けることができる。就中、10μ以下の比較的
薄いEVOH層を設ける場合には、より好適に採
用できる。該溶剤としては前記アルコールの2種
以上と水の混合物も好適に用いることができる。
溶液の塗布はキヤスイングヘツドよりの吐出、ロ
ールコート、ドクターナイフコート、ドクターロ
ールコート、カーテンフローコート、グラビヤコ
ートなどの手段により行うことができる。
前述のより好適なエチレン含量を異にする2種
のEVOH層からなる複合構成のEVOH層を設け
るに当つては、先づエチレン含量35モル%以下の
EVOHの溶液を塗布し、予備的乾燥を行つた後、
40モル%以上のEVOHの溶液をさらに塗布積層
させて、乾燥することにより行うことができる。
EVOHと該ポリ塩化ビニル系フイルムまたは
シートとの接着性は良好ではないので、EVOH
層を設けるに当つてはEVOH層と該フイルムま
たはシートとの間に接着剤を使用する必要があ
る。EVOHと該ポリ塩化ビニルフイルムまたは
シートの両者に接着性を示す好適な接着剤として
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コールとアジピン酸等の二塩基酸とを重縮合して
得られるポリエステル、酢酸ビニルと塩化ビニル
の共重合体の部分けん化物等を分子中に2個以上
のイソシアネート基を有する化合物、たとえば1
モルの1,6−ヘキサメチレングリコールと2モ
ルの2,4−トリレンジイソシアネートとの反応
物とか、1モルのトリメチロールプロパンと3モ
ルのトリレンジイソシアネートとの反応物とを混
合して得られる接着剤等のウレタン系の接着剤、
ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル系接着剤または該系
にたとえば無水マレイン酸などの第3成分を含む
接着剤等がある。これらの中で市販されている接
着剤としては、日進化学(株)製MPR−TM、モー
トン社または東洋モートン社製アドコートAD−
335Aと硬化剤との2液型などがあり、他に大日
本インキ社製EPS−703、EPS−903などと硬化剤
との2液型など数多くのそれ自体公知の接着剤が
使用可能である。さらにポリアクリル酸ないしア
クリル酸を主体とする共重合物を一成分とし、他
の成分が塩化ビニル系樹脂であるグラフトポリマ
ーを接着剤として好適に用いることができる。溶
液コーテイング法によつてEVOH層を設けるに
当つては、AD−335Aと硬化剤等のウレタン系接
着剤がより好適に用いられる。また所望の厚さの
EVOHフイルムを得て公知のドライラミネーシ
ヨン等の加工操作でEVOH層を設けるに際して
は該接着剤のEVOHフイルムまたは軟質ポリ塩
化ビニルフイルムまたはシートへの塗布量として
は1〜3g/m2で用いられ通常約2g/m2が好適で
ある。該接着剤の塗布は、グラビヤコート、ロー
ルコート、ドクターロールコート、ドクターナイ
フコート、バーコート、カーテンフローコートな
どの任意の手段で行われる。またEVOH溶液を
塗布し、EVOH層を設ける場合には、軟質ポリ
塩化ビニルフイルム等に先づ0.2〜0.5g/m2の接
着剤をアンカーコートした後、EVOH溶液を塗
布することにより行われる。
次に本発明を実施例を挙げて説明するが本発明
の範囲を限定するものではない。
実施例 1 エチレン含量30モル%、酢酸ビニル成分のけん
化度99.3%のEVOHの厚さ15μのフイルム(一軸
延伸フイルム)にグラビヤコーターで接着剤とし
て固形分濃度20重量%のウレタン系接着剤AD−
335Aと硬化剤cat−10(東洋モートン社製。混合
比17:1)を塗布量2g/m2(個形分基準)とな
るようにコートし、温度110℃、1分間乾燥後ジ
−2−エチルヘキシルフタレート38重量%含有す
る厚さ0.3mmの軟質ポリ塩化ビニルシートの片面
にドライラミネーシヨン法で110℃の温度条件下
にラミネートした。T型剥離で接着力を測定した
が、該ポリ塩化ビニル層が破壊し、十分な接着力
を有することを認めた。該軟質ポリ塩化ビニルシ
ートのEVOH層を有する表面上に6cm×6cmの
厚さ2mmの無可塑硬質塩ビ板を密着させて置き、
該硬質塩ビ板に2Kgの荷重を加えた状態で該可塑
剤の滲出、移行量を温度70℃の条件下に調べた。
50時間経過後も、該硬質塩ビ板の重量増加は全く
認められず、また該EVOH層表面のベタツキも
全くみられず、可塑剤の滲出は全くなかつた。漏
れ雑巾で清拭操作を行つても、表面が損われるこ
となく、充分な耐水性を示した。
比較のため、メタアクリル酸メチル86モル%、
メタアクリル酸ブチル14モル%の共重合フイルム
を同じ厚さに、一表面にラミネートした軟質ポリ
塩化ビニルシート(厚さは前記に同じ)を同様に
試験に付した。24時間経過後の該硬質塩ビ板の重
量変化は3.2重量%であつた。該重量変化は該可
塑剤の移行に起因していることが確認され、該共
重合体フイルムの表面のベタツキも認めた。
実施例 2 実施例1において、エチレン含量43モル%、酢
酸ビニル成分のけん化度99.3%のフイルム(二軸
延伸フイルム)および接着剤としてEPS−703A
と触媒KP−90(大日本インキ社製。混合比15:
1)を用いた以外は実施例1に準じて行い、該可
塑剤の滲出、移行テストを同様に行つた。該硬質
塩ビ板の重量変化は全く認められず、可塑剤の該
EVOHフイルム表面への滲出も全くみられなか
つた。該層間の接着力は充分であり、接着力をT
型剥離で測定した際、該ポリ塩化ビニル層が破壊
した。濡れ雑巾による清拭操作を行つても表面が
損われることなく、充分な耐水性を示した。
実施例 3 実施例1において、塩素化パラフイン/ジ−n
−オクチルフタレート=50/50(重量比)の混合
物を39重量%含有する軟質ポリ塩化ビニルシート
およびエチレン含量28モル%、酢酸ビニル成分の
けん化度99.5%のEVOHを用いた以外は、実施例
1に準じて行い、該可塑剤の滲出、移行テストを
同様に行つた。該硬質塩ビ板の重量変化は、全く
認められず、可塑剤の該EVOHフイルム表面へ
の滲出によるベタツキも全くみられなかつた。該
層間の接着力は充分であり、接着力をT型剥離で
測定した際該ポリ塩化ビニル層が破壊した。
実施例 4 トリクレジルホスフエート35重量%含む0.15mm
の厚さの可塑化ポリ塩化ビニルシートを得て実施
例1と同様に行い、EVOH被覆層をもつシート
を得て、該可塑剤の滲出、移行テストを行つた。
該硬質塩ビ板の重量変化は全く認められず、可塑
剤の該EVOHフイルム表面への滲出によるベタ
ツキも全くみられなかつた。
実施例 5 n−プロピルアルコール60部と水40部とからな
る溶媒85部にエチレン含量32モル%、酢酸ビニル
成分のけん化度99.6%のEVOH樹脂15部を加え、
80〜85℃の温度下に撹拌しながら溶解し、透明な
塗布溶液を調整した。他方下記組成からなる樹脂
組成物を準備し、スーパーミキサーで10分間撹拌
混合後、165℃に加温ミルロール上で混練し、
0.10mm厚さの農業用ポリ塩化ビニル系フイルムを
得た。
ポリ塩化ビニル(P=1400) 100重量部 ジオフチルフタレート 45重量部 トリクレジルホスフエート 5重量部 エポキシ系樹脂安定剤(商品名EP−828)
1重量部 バリウム−亜鉛複合液状安定剤 1重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ソルビタンモノステアレート 1.5重量部 該ポリ塩化ビニル系フイルムにウレタン系接着
剤AD−335Aと硬化剤cat−10(東洋モートン社
製。混合比17:1)を塗布量0.3g/m2になるよう
にアンカーコートした後、前記調整したEVOH
溶液をグラビヤコーターでコートし、80℃で乾燥
し、6μの該EVOHの被覆層をもつ農業用ポリ塩
化ビニル系フイルムを得た。実施例1に準じ、可
塑剤の滲出移行テストを行つた。該硬質塩ビ板の
重量変化は全く認められず、可塑剤の該EVOH
フイルム表面への該滲出に起因するベタツキも全
く認められなかつた。濡れ雑巾による清拭操作を
行つても、表面は損傷せず、充分な耐水性を示し
た。
また該EVOHコート農業用塩化ビニル系フイ
ルムを農作物栽培用トンネルに展張被覆し、実用
試験を行つたが、可塑剤の表面滲出もなく、空気
中の塵埃による汚染も殆んどなく、未コート農業
用ポリ塩化ビニル系フイルムに比し、耐汚染性に
著しく優れていた。
実施例 5 エチレン含量26モル%、酢酸ビニルのけん化度
99.5%のEVOH(X)とエチレン含量50モル%、
酢酸ビニル成分のけん化度99.3%のEVOH(Y)
とを、2台の押出機に供給して、2層用T−ダイ
を用いて、220℃のダイ内で溶融樹脂を接合させ
て、EVOH(X)層の厚さが6μ、EVOH(Y)層
の厚さが9μの複合フイルムを得た。該複合フイ
ルムのX面をジブチルフタレート38重量%を含む
可塑化ポリ塩化ビニルシートの片面に実施例1に
準じて、ドライラミネートした。T型剥離で接着
力を測定したが、該ポリ塩化ビニル層が破壊し、
充分な接着力を有することを認めた。
該硬質塩ビ板の重量増加は全く認められず可塑
剤の滲出による表面のベタツキも全くみられなか
つた。該清拭時の耐水性は極めて満足なものであ
つた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 可塑剤を25〜55重量%含有するポリ塩化ビニ
    ル系フイルムまたはシートの少なくとも片面にエ
    チレン含有20〜60モル%、酢酸ビニル成分のけん
    化度95%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体け
    ん化物からなり、厚さ2〜50μの層を有すること
    を特徴とする積層体。 2 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物がエ
    チレン含量25〜50モル%である特許請求の範囲第
    1項記載の積層体。 3 可塑剤が20℃で液状である特許請求の範囲第
    1項または、第2項記載の積層体。 4 エチレン−酢酸ビニルけん化物層がエチレン
    含量20〜35モル%の該けん化物層とエチレン含量
    が40〜60モル%の該けん化物層の2層からなり、
    しかも前者が該ポリ塩化ビニル系フイルムまたは
    シートに隣接してなる特許請求の範囲第1項ない
    し第3項のいづれかに記載の積層体。 5 積層体が内装用資材である特許請求の範囲第
    1項ないし第4項のいづれかに記載の積層体。 6 積層体が農業用資材である特許請求の範囲第
    1項ないし第4項のいづれかに記載の積層体。
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JPS5911251A (ja) * 1982-07-12 1984-01-20 出光興産株式会社 積層体

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