JPH0757546B2 - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents
インクジェット記録ヘッドの製造方法Info
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- JPH0757546B2 JPH0757546B2 JP4124983A JP12498392A JPH0757546B2 JP H0757546 B2 JPH0757546 B2 JP H0757546B2 JP 4124983 A JP4124983 A JP 4124983A JP 12498392 A JP12498392 A JP 12498392A JP H0757546 B2 JPH0757546 B2 JP H0757546B2
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- Japan
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- group
- recording
- ink
- recording head
- liquid
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Description
【0001】本発明は、一般にインクと呼ばれる記録液
を微細口(オリフィス)から小滴として吐出、飛翔さ
せ、この小滴の被記録面への付着を以て記録を行うイン
クジェット記録装置の記録ヘッド製造方法に関する。
を微細口(オリフィス)から小滴として吐出、飛翔さ
せ、この小滴の被記録面への付着を以て記録を行うイン
クジェット記録装置の記録ヘッド製造方法に関する。
【0002】現在知られる各種記録方式の中でも、記録
時に騒音の発生がほとんどないノンインパクト記録方式
であって、且つ、高速記録が可能であり、しかも、普通
紙に特別の定着処理を必要とせずに記録の行える所謂イ
ンクジェット記録法は、極めて有用な記録方式であると
認められている。このインクジェット記録法について
は、これ迄にも様々な方式が提案され、改良が加えられ
て商品化されたものもあれば、現在もなお、実用化への
努力が続けられているものもある。
時に騒音の発生がほとんどないノンインパクト記録方式
であって、且つ、高速記録が可能であり、しかも、普通
紙に特別の定着処理を必要とせずに記録の行える所謂イ
ンクジェット記録法は、極めて有用な記録方式であると
認められている。このインクジェット記録法について
は、これ迄にも様々な方式が提案され、改良が加えられ
て商品化されたものもあれば、現在もなお、実用化への
努力が続けられているものもある。
【0003】インクジェット記録法は、要するに、イン
クと称される記録液の小液滴(droplet)を飛翔
させ、それを紙等の被記録部材に付着させて記録を行う
ものである。そして、記録液滴の発生及び生じた液滴の
飛翔方向を制御する為の制御方法等に基づき、このイン
クジェット記録法は、幾つかの方式に大別される。
クと称される記録液の小液滴(droplet)を飛翔
させ、それを紙等の被記録部材に付着させて記録を行う
ものである。そして、記録液滴の発生及び生じた液滴の
飛翔方向を制御する為の制御方法等に基づき、このイン
クジェット記録法は、幾つかの方式に大別される。
【0004】それ等の中で、代表的な方式の一つは、例
えばUSP3596275(Sweet方式)、USP
3298030(Lewis and Brown方
式)等に開示されている方式であって、連続振動発生法
によって帯電量の制御された液滴流を発生させ、この帯
電量の制御された液滴流を、一様の電界が掛けられてい
る偏向電極間を飛翔させることで、液滴の飛翔軌道を制
御しつつ被記録部材上に記録を行うものである。そし
て、この方式は、一般にコンティニアス方式とも略称さ
れている。
えばUSP3596275(Sweet方式)、USP
3298030(Lewis and Brown方
式)等に開示されている方式であって、連続振動発生法
によって帯電量の制御された液滴流を発生させ、この帯
電量の制御された液滴流を、一様の電界が掛けられてい
る偏向電極間を飛翔させることで、液滴の飛翔軌道を制
御しつつ被記録部材上に記録を行うものである。そし
て、この方式は、一般にコンティニアス方式とも略称さ
れている。
【0005】これと対比される代表的な他の方式は、例
えばUSP3747120に開示されている方式(St
emme方式)である。この方式は、記録のための液体
を吐出するオリフィスを有する記録ヘッドに付設されて
いるピエゾ振動素子に、電気的な記録信号を印加し、こ
の電気的記録信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変
え、その機械的振動に従って必要時毎に前記オリフィス
より液滴を吐出飛翔させて被記録部材に付着させること
で記録を行うものである。
えばUSP3747120に開示されている方式(St
emme方式)である。この方式は、記録のための液体
を吐出するオリフィスを有する記録ヘッドに付設されて
いるピエゾ振動素子に、電気的な記録信号を印加し、こ
の電気的記録信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変
え、その機械的振動に従って必要時毎に前記オリフィス
より液滴を吐出飛翔させて被記録部材に付着させること
で記録を行うものである。
【0006】これが、所謂、オンデイマンド方式であ
る。以上にその概要を説明したインクジェット記録技術
に於いて適用される記録ヘッドは、その代表的なものと
して例えば図1に示す様な構造を有している。即ち、例
えばガラス、セラミクス、金属等で形成され、且つ記録
液IKの流路6の一部を形成する、微細な中空を有する
導管2の外周囲には、導管2内に満たされている記録液
IKを吐出オリフィス4より吐出させる為の手段であ
る、例えばピエゾ素子3が付設されて、記録ヘッド1が
構成されている。導管2の一方の端部には別に設けられ
ている不図示の貯蔵槽より導管2内に、矢印Pで示す様
に記録液IKを供給する為に貯蔵槽と導管2との間を連
結し、流路6の一部を構成する例えばポリ塩化ビニール
等で形成されているパイプ5が接続されている。
る。以上にその概要を説明したインクジェット記録技術
に於いて適用される記録ヘッドは、その代表的なものと
して例えば図1に示す様な構造を有している。即ち、例
えばガラス、セラミクス、金属等で形成され、且つ記録
液IKの流路6の一部を形成する、微細な中空を有する
導管2の外周囲には、導管2内に満たされている記録液
IKを吐出オリフィス4より吐出させる為の手段であ
る、例えばピエゾ素子3が付設されて、記録ヘッド1が
構成されている。導管2の一方の端部には別に設けられ
ている不図示の貯蔵槽より導管2内に、矢印Pで示す様
に記録液IKを供給する為に貯蔵槽と導管2との間を連
結し、流路6の一部を構成する例えばポリ塩化ビニール
等で形成されているパイプ5が接続されている。
【0007】今、この様な記録ヘッド1に於いては、導
管2の終端部に設けられた吐出オリフィス4の回りの表
面の物性は、吐出オリフィス4より記録液IKを常時安
定して吐出させる上で極めて重要である。
管2の終端部に設けられた吐出オリフィス4の回りの表
面の物性は、吐出オリフィス4より記録液IKを常時安
定して吐出させる上で極めて重要である。
【0008】即ち、吐出オリフィス4は、例えば図示さ
れている様に、導管2と連続一体的に導管2の終端部を
形成する様に設けられても良いし、或いは、所定径の穴
の設けられた吐出オリフィス板を導管2の終端部に付設
して吐出オリフィス4としても良いが、何れにしても記
録ヘッド1の使用時に吐出オリフィス4の外回り表面に
記録液が回り込んで、吐出オリフィス4付近の一部にで
も液溜りが生ずると、流路6内の記録IKが吐出オリフ
ィス4から吐出される際、その飛翔方向が正規の方向
(所定方向)から、離脱する様になり、更には、液溜り
の状態の不安定さから、吐出される毎に、その飛翔方向
が区区になるという不都合が生じ、安定した液滴吐出が
行えず、良好な記録が行えなくなる。又、更には、吐出
オリフィス4の回り全面が記録液IKの膜で覆われる
と、所謂スプラッシュ現象が生じて記録液の散乱が起
り、これ又、安定した記録が行えなくなる。或いは又、
吐出オリフィス4を覆う液溜りが大きくなると、記録ヘ
ッドの液滴吐出が不能状態に陥ることすらある。
れている様に、導管2と連続一体的に導管2の終端部を
形成する様に設けられても良いし、或いは、所定径の穴
の設けられた吐出オリフィス板を導管2の終端部に付設
して吐出オリフィス4としても良いが、何れにしても記
録ヘッド1の使用時に吐出オリフィス4の外回り表面に
記録液が回り込んで、吐出オリフィス4付近の一部にで
も液溜りが生ずると、流路6内の記録IKが吐出オリフ
ィス4から吐出される際、その飛翔方向が正規の方向
(所定方向)から、離脱する様になり、更には、液溜り
の状態の不安定さから、吐出される毎に、その飛翔方向
が区区になるという不都合が生じ、安定した液滴吐出が
行えず、良好な記録が行えなくなる。又、更には、吐出
オリフィス4の回り全面が記録液IKの膜で覆われる
と、所謂スプラッシュ現象が生じて記録液の散乱が起
り、これ又、安定した記録が行えなくなる。或いは又、
吐出オリフィス4を覆う液溜りが大きくなると、記録ヘ
ッドの液滴吐出が不能状態に陥ることすらある。
【0009】本発明は、上記の点に鑑み成されたもので
あって、使用の際には常時所定の方向に実質的に均一液
体量を以て安定した吐出が行え、高速記録に充分適用さ
れ得る記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とす
る。
あって、使用の際には常時所定の方向に実質的に均一液
体量を以て安定した吐出が行え、高速記録に充分適用さ
れ得る記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】そして、このような目的を達成するための
本願構成は、インク路として細孔を有し、この細孔の一
端を吐出口として前記インクの小滴を吐出、飛翔させ、
前記インク小滴の被記録面への付着をもって記録を行う
インクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記イ
ンク路内に充填剤を充填した状態で前記吐出口の周縁部
に対して撥液処理を行い、その後前記充填剤を除去する
ことを特徴とする。このようにインク路内に充填剤を充
填したことで撥液処理剤がインク路内に混入することが
防げ、不要な部分への撥液処理剤の付着を防止でき、吐
出口の周縁部の所望領域にのみ撥液処理を良好に施すこ
とができる。
本願構成は、インク路として細孔を有し、この細孔の一
端を吐出口として前記インクの小滴を吐出、飛翔させ、
前記インク小滴の被記録面への付着をもって記録を行う
インクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記イ
ンク路内に充填剤を充填した状態で前記吐出口の周縁部
に対して撥液処理を行い、その後前記充填剤を除去する
ことを特徴とする。このようにインク路内に充填剤を充
填したことで撥液処理剤がインク路内に混入することが
防げ、不要な部分への撥液処理剤の付着を防止でき、吐
出口の周縁部の所望領域にのみ撥液処理を良好に施すこ
とができる。
【0011】以下、本発明を図面に従って具体的に説明
する。
する。
【0012】尚、本発明に於いては、吐出オリフィス4
付近に問題の解決が絞られているものであるから、以後
に於いては記録ヘッドの吐出オリフィスを含む部分のみ
を抽出して詳述するが、本発明の主旨の沿うものであれ
ば、例えば図1に示した如き記録ヘッドに限定されるこ
とはなく、如何なるタイプの記録ヘッドでも、吐出オリ
フィスより液体を吐出させるものであれば本発明に適用
されるものである。又、図1に示す様に導管2の終端部
が吐出オリフィス4を形成するタイプだけでなく、導管
2の端部に、所定径の穴の設けられた導管2とは別のオ
リフィス板を付設して、吐出オリフィス4を形成したタ
イプの場合も本発明に包含される。
付近に問題の解決が絞られているものであるから、以後
に於いては記録ヘッドの吐出オリフィスを含む部分のみ
を抽出して詳述するが、本発明の主旨の沿うものであれ
ば、例えば図1に示した如き記録ヘッドに限定されるこ
とはなく、如何なるタイプの記録ヘッドでも、吐出オリ
フィスより液体を吐出させるものであれば本発明に適用
されるものである。又、図1に示す様に導管2の終端部
が吐出オリフィス4を形成するタイプだけでなく、導管
2の端部に、所定径の穴の設けられた導管2とは別のオ
リフィス板を付設して、吐出オリフィス4を形成したタ
イプの場合も本発明に包含される。
【0013】図2には、記録ヘッドの先端部である吐出
オリフィス8の設けられている部分7(吐出オリフィス
部分)の模式的拡大断面図が示される。吐出オリフィス
部分7の吐出オリフィス8をその端部とし、吐出オリフ
ィス8を囲む外壁表面部分には、流路10(図に於いて
は、吐出オリフィス部分7のところのみが示されている
が、実際には、記録液の満たされている貯蔵槽まで続い
ている)を満たす記録液に対して撥液性である物質で表
面処理されて撥液膜9が形成されている。この場合、流
路10の少なくとも一部を形成し、撥液膜9の設けられ
る部材11は形成される流路10の壁面12,13が少
なくとも、記録液に対して親液性であることが望まし
い。
オリフィス8の設けられている部分7(吐出オリフィス
部分)の模式的拡大断面図が示される。吐出オリフィス
部分7の吐出オリフィス8をその端部とし、吐出オリフ
ィス8を囲む外壁表面部分には、流路10(図に於いて
は、吐出オリフィス部分7のところのみが示されている
が、実際には、記録液の満たされている貯蔵槽まで続い
ている)を満たす記録液に対して撥液性である物質で表
面処理されて撥液膜9が形成されている。この場合、流
路10の少なくとも一部を形成し、撥液膜9の設けられ
る部材11は形成される流路10の壁面12,13が少
なくとも、記録液に対して親液性であることが望まし
い。
【0014】図3、図4に、本発明の目的をより効果的
に達成する、夫々、別の好適な実施態様の模式的拡大断
面図を示す。
に達成する、夫々、別の好適な実施態様の模式的拡大断
面図を示す。
【0015】図3に示される記録ヘッドの先端部分14
は、図1の場合と異なる点として、吐出オリフィス8を
囲む外表面に曲率をもたせ、吐出オリフィス8を囲む該
曲率を有する部分に、撥液膜9を形成したものである。
は、図1の場合と異なる点として、吐出オリフィス8を
囲む外表面に曲率をもたせ、吐出オリフィス8を囲む該
曲率を有する部分に、撥液膜9を形成したものである。
【0016】図4に於いては、この曲率をもたせる代り
に、テーパーをつけ、該テーパー部の吐出オリフィス8
を囲む部分に撥液膜9を形成したものである。
に、テーパーをつけ、該テーパー部の吐出オリフィス8
を囲む部分に撥液膜9を形成したものである。
【0017】図3、図4に示すものは、図2に示すもの
と上記の点で異なり、他の点では同様であるが吐出オリ
フィス8を囲む部分にこの様な曲率やテーパーを設ける
ことにより、一層効果的に、記録液滴の吐出安定性と液
滴発生周波数の向上を計ることが出来るものである。
と上記の点で異なり、他の点では同様であるが吐出オリ
フィス8を囲む部分にこの様な曲率やテーパーを設ける
ことにより、一層効果的に、記録液滴の吐出安定性と液
滴発生周波数の向上を計ることが出来るものである。
【0018】次に、図5(a)及びこの図5(a)をA
−B線で切った図5(b)及び図6によって、本発明の
他の実施態様が示される。
−B線で切った図5(b)及び図6によって、本発明の
他の実施態様が示される。
【0019】記録ヘッド16は、インクを通す溝17を
有するガラス、セラミクスと一般に感熱記録に用いられ
る発熱ヘッド部18(図では薄膜ヘッドが示されている
が、これに限定されるものではない)とを接着して得ら
れる。発熱ヘッド部18は酸化シリコン等で形成される
保護膜19、アルミニウム電極201、202、ニクロム
等で形成される発熱抵抗体層21、蓄熱層22、アルミ
ナ等の放熱性の良い基板23より成っている。
有するガラス、セラミクスと一般に感熱記録に用いられ
る発熱ヘッド部18(図では薄膜ヘッドが示されている
が、これに限定されるものではない)とを接着して得ら
れる。発熱ヘッド部18は酸化シリコン等で形成される
保護膜19、アルミニウム電極201、202、ニクロム
等で形成される発熱抵抗体層21、蓄熱層22、アルミ
ナ等の放熱性の良い基板23より成っている。
【0020】インク24は吐出オリフィス25まで来て
おり、メニスカス26を形成している。吐出オリフィス
25を囲む外壁表面には撥液膜9が形成されている。
おり、メニスカス26を形成している。吐出オリフィス
25を囲む外壁表面には撥液膜9が形成されている。
【0021】今、電極201,202に電気信号が加わる
と、発熱ヘッド18のnで示される部分が急激に発熱
し、ここに接しているインク24に気泡が発生し、その
圧力でメニスカス26が破壊されインク24が吐出しオ
リフィス25より小滴27となり、被記録部材28に向
って飛翔する。
と、発熱ヘッド18のnで示される部分が急激に発熱
し、ここに接しているインク24に気泡が発生し、その
圧力でメニスカス26が破壊されインク24が吐出しオ
リフィス25より小滴27となり、被記録部材28に向
って飛翔する。
【0022】図6には図5(a)に示すヘッドを多数並
べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマ
ルチ溝31を有するガラス板29と、図5(a)に説明
したものと同様な発熱ヘッド30を接着してつくられて
いる。この図示例に於いても、マルチ溝31の先端(吐
出オリフィスを包含)の外壁面には撥液膜9が形成され
ている。
べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマ
ルチ溝31を有するガラス板29と、図5(a)に説明
したものと同様な発熱ヘッド30を接着してつくられて
いる。この図示例に於いても、マルチ溝31の先端(吐
出オリフィスを包含)の外壁面には撥液膜9が形成され
ている。
【0023】叙上のように本発明は、吐出オリフィスを
囲む記録ヘッド外表面を本発明に特有の化合物で処理し
て撥液性にすることにより、水系、非水系インクを問わ
ず安定したインクジェット記録を行うことが出来る。ま
た吐出エネルギーの著しい低減およびそれに付随した高
速記録が可能となった。またスプラッシュすることなく
記録液滴(インク小滴)が吐出するのでカブリのない良
好な記録が得られる。従来から吐出オリフィスを囲む外
表面をシリコーンオイル、アラビヤゴム等で処理して撥
水または撥油性にする方法は実公昭48−36188号
公報等によって公知である。しかしこれらの方法は吐出
オリフィスを形成するガラス、金属等の部材との接着性
が悪いために耐久性がなく、目的とする効果は初期的な
ものにすぎなかった。また撥液性も充分ではなく、例え
ばシリコーン系の物質では水系のインクに対して撥液性
を示しても、アルコール系、ケトン系、エステル系等の
有機溶剤系インクに対しては全く撥液性を示さなかっ
た。本発明は上記の点に鑑み成されたものであって、水
系非水系のインクを問わず撥液性に極めて優れ、また吐
出オリフィス形成部材と強固に結合するため、永久的に
撥液性が持続する記録ヘッドの製造方法を提供する。
囲む記録ヘッド外表面を本発明に特有の化合物で処理し
て撥液性にすることにより、水系、非水系インクを問わ
ず安定したインクジェット記録を行うことが出来る。ま
た吐出エネルギーの著しい低減およびそれに付随した高
速記録が可能となった。またスプラッシュすることなく
記録液滴(インク小滴)が吐出するのでカブリのない良
好な記録が得られる。従来から吐出オリフィスを囲む外
表面をシリコーンオイル、アラビヤゴム等で処理して撥
水または撥油性にする方法は実公昭48−36188号
公報等によって公知である。しかしこれらの方法は吐出
オリフィスを形成するガラス、金属等の部材との接着性
が悪いために耐久性がなく、目的とする効果は初期的な
ものにすぎなかった。また撥液性も充分ではなく、例え
ばシリコーン系の物質では水系のインクに対して撥液性
を示しても、アルコール系、ケトン系、エステル系等の
有機溶剤系インクに対しては全く撥液性を示さなかっ
た。本発明は上記の点に鑑み成されたものであって、水
系非水系のインクを問わず撥液性に極めて優れ、また吐
出オリフィス形成部材と強固に結合するため、永久的に
撥液性が持続する記録ヘッドの製造方法を提供する。
【0024】本発明のヘッドの撥液処理剤としては下記
一般式(A)で示される化合物を使用する。
一般式(A)で示される化合物を使用する。
【0025】R・Si・X3…(A) (但し、式中のRは炭素数1〜20のフルオロアルキル
基、フルオロアリル基、フルオロシクロアルキル基、フ
ルオロアルカリル基、フルオロアルキルアリル基の内か
ら選ばれる基で、その基に於けるフッ素とフッ素以外の
元素との元素数での比率が1:1以上の含フッ素基であ
る。Xはハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基、アル
キル基、アシロキシ基から選ばれる加水分解性基または
ヒドロキシ基である。)次に、本発明で使用する一般式
(A)の化合物の好ましい具体例を示す。
基、フルオロアリル基、フルオロシクロアルキル基、フ
ルオロアルカリル基、フルオロアルキルアリル基の内か
ら選ばれる基で、その基に於けるフッ素とフッ素以外の
元素との元素数での比率が1:1以上の含フッ素基であ
る。Xはハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基、アル
キル基、アシロキシ基から選ばれる加水分解性基または
ヒドロキシ基である。)次に、本発明で使用する一般式
(A)の化合物の好ましい具体例を示す。
【0026】
【外1】
【0027】
【外2】
【0028】本発明のヘッドは、あらかじめ作成された
ヘッドを前記の撥液剤の原液または稀釈液中に浸漬する
か、またはスプレー塗布或いは蒸気、スパッタリングな
どの方法により作成することができる。或いはヘッド作
成工程中の適当な段階で撥液処理を行うこともできる。
前者の場合にはインク流路の内壁面に撥液剤が廻りこま
ないように、あらかじめ流路内に撥液剤と混和しない液
体(例えば水)を充填しておくことが好ましい。
ヘッドを前記の撥液剤の原液または稀釈液中に浸漬する
か、またはスプレー塗布或いは蒸気、スパッタリングな
どの方法により作成することができる。或いはヘッド作
成工程中の適当な段階で撥液処理を行うこともできる。
前者の場合にはインク流路の内壁面に撥液剤が廻りこま
ないように、あらかじめ流路内に撥液剤と混和しない液
体(例えば水)を充填しておくことが好ましい。
【0029】以下に実施例にて本発明の記録ヘッドにつ
き更に詳述するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。
き更に詳述するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。
【0030】
【実施例】図5(a)の如き発熱ヘッドをまず作成し
た。アルミナ基板23は厚さ1mmであり、保護層19
はSiO2スパッタリングで作成され、厚み0.5μ
m、電極201,202はアルミニウム蒸着法で作成さ
れ、厚み6000Å、発熱抵抗体層21はZrB2スパ
ッタリングで作成され、厚み600Å、蓄熱層22はS
iO2スパッタリングで作成され、厚み4μmである。
た。アルミナ基板23は厚さ1mmであり、保護層19
はSiO2スパッタリングで作成され、厚み0.5μ
m、電極201,202はアルミニウム蒸着法で作成さ
れ、厚み6000Å、発熱抵抗体層21はZrB2スパ
ッタリングで作成され、厚み600Å、蓄熱層22はS
iO2スパッタリングで作成され、厚み4μmである。
【0031】又、発熱体部分(図5(a)中nの部分)
の大きさは200μm×200μmであり、マルチヘッ
ドに対応して発熱体部分のピッチは250μmである。
次に厚み1.3mmのガラス板をダイヤモンドカッター
で切削し、巾200μm、深さ約200μmの溝17を
作成した。
の大きさは200μm×200μmであり、マルチヘッ
ドに対応して発熱体部分のピッチは250μmである。
次に厚み1.3mmのガラス板をダイヤモンドカッター
で切削し、巾200μm、深さ約200μmの溝17を
作成した。
【0032】これらを図6に示す形に接着し、マルチヘ
ッドを作成した。溝間のピッチは250μmである。次
に吐出オリフィスの外壁面を研摩した後、蒸溜水でよく
洗浄し乾燥した。次に各マルチヘッド内の流路に共通に
水銀を入れた。撥液処理剤としてウンデカフルオロペン
チルトリメトキシシランの1%トリクロロトリフルオロ
エタン溶液を調整した。前記ヘッドのオリフィス面を撥
液処理剤に浸漬し引き上げてドライヤーで熱風を送り乾
燥した。
ッドを作成した。溝間のピッチは250μmである。次
に吐出オリフィスの外壁面を研摩した後、蒸溜水でよく
洗浄し乾燥した。次に各マルチヘッド内の流路に共通に
水銀を入れた。撥液処理剤としてウンデカフルオロペン
チルトリメトキシシランの1%トリクロロトリフルオロ
エタン溶液を調整した。前記ヘッドのオリフィス面を撥
液処理剤に浸漬し引き上げてドライヤーで熱風を送り乾
燥した。
【0033】次に下記組成のインクを作成し、瀘過後、
上記マルチヘッドに下記条件で連続信号印加を行ったと
ころ良好なインク滴吐出の応答が為された。又、ヘッド
作成にあたり撥水処理を行わなかった例では数分後には
スプラッシュ現象が生じ、満足な印字が得られなかっ
た。
上記マルチヘッドに下記条件で連続信号印加を行ったと
ころ良好なインク滴吐出の応答が為された。又、ヘッド
作成にあたり撥水処理を行わなかった例では数分後には
スプラッシュ現象が生じ、満足な印字が得られなかっ
た。
【0034】インク組成 ・黒色染料ソルボンブラックPUL(オリエント化学
製) 10(重量)部 ・エチルアルコール 80(重量)部 ・エチレングリコール 10(重量)部電気条件 ・印加パルス巾 10μsec ・周波数 10KHz ・パルス電圧(発熱体1個当り) 30V
製) 10(重量)部 ・エチルアルコール 80(重量)部 ・エチレングリコール 10(重量)部電気条件 ・印加パルス巾 10μsec ・周波数 10KHz ・パルス電圧(発熱体1個当り) 30V
【0035】なお、撥液処理剤を上記のウンデカフルオ
ロペンチルトリメトキシシランから前記(2)〜(1
4)の化合物に代えて他は上記と同様に実施した結果、
何れも良好なインク滴の吐出状態が観察された。
ロペンチルトリメトキシシランから前記(2)〜(1
4)の化合物に代えて他は上記と同様に実施した結果、
何れも良好なインク滴の吐出状態が観察された。
【発明の効果】このようにインク路内に充填剤を充填し
たことで撥液処理剤がインク路内に混入することが防
げ、不要な部分への撥液処理剤の付着を防止でき、吐出
口の周縁部の所望領域にのみ撥液処理を良好に施すこと
ができる。
たことで撥液処理剤がインク路内に混入することが防
げ、不要な部分への撥液処理剤の付着を防止でき、吐出
口の周縁部の所望領域にのみ撥液処理を良好に施すこと
ができる。
【図1】本発明に係るインクジエット記録ヘッドの典型
的な例を示す模式的説明図である。
的な例を示す模式的説明図である。
【図2】本発明の好適な実施態様を各々示す模式的拡大
断面図である。
断面図である。
【図3】本発明の好適な実施態様を各々示す模式的拡大
断面図である。
断面図である。
【図4】本発明の好適な実施態様を各々示す模式的拡大
断面図である。
断面図である。
【図5】(a)(b)は本発明による記録ヘッドの好適
な一例の要部縦断面図および同横断面図である。
な一例の要部縦断面図および同横断面図である。
【図6】本発明によるマルチ型式の記録ヘッドの外観斜
視図である。
視図である。
1 記録ヘッド 2 導管 3 ピエゾ素子 4,8 吐出オリフィス 5 パイプ 6 流路 7,14,15 記録ヘッド先端部 9 撥液膜 10 流路 11 部材 12,13 流路壁面 17 液室 18 発熱ヘッド部 19 保護層 20 電極 21 発熱抵抗体層 22 蓄熱層 23 基板 32 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/05 (72)発明者 太田 徳也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 松藤 洋治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 インク路として細孔を有し、この細孔の
一端を吐出口として前記インクの小滴を吐出、飛翔さ
せ、前記インク小滴の被記録面への付着をもって記録を
行うインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前
記インク路内に充填剤を充填した状態で前記吐出口の周
縁部に対して撥液処理を行い、その後、前記充填剤を除
去することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製
造方法。 - 【請求項2】 撥液処理に使用される化合物は、一般
式;R・Si・X3 (ただし、Rは炭素数1〜20のフ
ロオロアルキル基、フルオロアリル基、フルオロシクロ
アルキル基、フルオロアルカリル基、フルオロアルキル
アリル基の内から選ばれる基で、その基におけるフッ素
とフッ素以外の元素との元素数での比率が1:1以上の
含フッ素である。Xはハロゲン、炭素数1〜5のアルコ
キシ基、アルキル基、アシロキシ基から選ばれる加水分
解性基又はヒドロキシ基である。)で示される化合物で
あることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項3】 前記充填剤は、前記撥液処理に使用され
る化合物に対して混和しない液体であることを特徴とす
る請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4124983A JPH0757546B2 (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | インクジェット記録ヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4124983A JPH0757546B2 (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | インクジェット記録ヘッドの製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16543779A Division JPS5689569A (en) | 1979-12-19 | 1979-12-19 | Ink jet recording head |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05138889A JPH05138889A (ja) | 1993-06-08 |
JPH0757546B2 true JPH0757546B2 (ja) | 1995-06-21 |
Family
ID=14899027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4124983A Expired - Lifetime JPH0757546B2 (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | インクジェット記録ヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0757546B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001310471A (ja) * | 1999-11-17 | 2001-11-06 | Konica Corp | ノズルプレートの処理方法及びノズルプレートの製造方法並びにノズルプレート |
KR101313974B1 (ko) | 2009-09-02 | 2013-10-01 | 캐논 가부시끼가이샤 | 액체 토출 헤드 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5575291A (en) * | 1978-12-01 | 1980-06-06 | Hitachi Ltd | Photosensittve resin composition for coating hybrid integrated circuit |
JPS5743876A (en) * | 1980-08-29 | 1982-03-12 | Canon Inc | Ink jet head |
-
1992
- 1992-05-18 JP JP4124983A patent/JPH0757546B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5575291A (en) * | 1978-12-01 | 1980-06-06 | Hitachi Ltd | Photosensittve resin composition for coating hybrid integrated circuit |
JPS5743876A (en) * | 1980-08-29 | 1982-03-12 | Canon Inc | Ink jet head |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05138889A (ja) | 1993-06-08 |
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