JP2728918B2 - 液体噴射記録ヘッド - Google Patents

液体噴射記録ヘッド

Info

Publication number
JP2728918B2
JP2728918B2 JP1036660A JP3666089A JP2728918B2 JP 2728918 B2 JP2728918 B2 JP 2728918B2 JP 1036660 A JP1036660 A JP 1036660A JP 3666089 A JP3666089 A JP 3666089A JP 2728918 B2 JP2728918 B2 JP 2728918B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
liquid
ink
head
recording head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1036660A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02223451A (ja
Inventor
隆 木村
卓朗 関谷
智昭 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP1036660A priority Critical patent/JP2728918B2/ja
Publication of JPH02223451A publication Critical patent/JPH02223451A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2728918B2 publication Critical patent/JP2728918B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液体噴射記録ヘッドに関する。
従来技術 ノンインパクト記録法は、記録時における騒音の発生
が無視し得る程度に極めて小さいという点において、最
近関心を集めている。その中で、高速記録が可能であ
り、而も所謂普通紙に特別の定着処理を必要とせずに記
録の行える所謂インクジェット記録法は極めて有力な記
録法であって、これまでにも様々な方式が提案され、改
良が加えられて商品化されたものもあれば、現在もなお
実用化への努力が続けられているものもある。
この様なインクジェット記録法は、所謂インクと称さ
れる記録液体の小滴(droplet)を飛翔させ、記録部材
に付着させて記録を行うものであって、この記録液体の
小滴の発生法及び発生さた記録液小滴の飛翔方向を制御
する為の制御方法によって幾つかの方式に大別される。
先ず第1の方式は、例えば米国特許第3060429号明細
書に開示されているもの(Tele type方式)であって、
記録液体の小滴の発生を静電吸引的に行い、発生した記
録液体小滴を記録信号に応じて電界制御し、記録部材上
に記録液体小滴を選択的に付着させて記録を行うもので
ある。
これに就いて、更に詳述すれば、ノズルと加速電極間
に電界を掛けて、一様に帯電した記録液体の小滴をノズ
ルより吐出させ、該吐出した記録液体の小滴を記録信号
に応じて電気制御可能な様に構成されたxy偏向電極間を
飛翔させ、電界の強度変化によって選択的に小滴を記録
部材上に付着させて記録を行うものである。
第2の方式は、例えば米国特許第3596275号明細書、
米国特許第3298030号明細書等に開示されている方式(S
weet方式)であって、連続振動発生法によって帯電量の
制御された記録液体の小滴を発生させ、この発生させた
帯電量の制御された小滴を、一様の電界が掛けられてい
る偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を
行うものである。
具体的には、ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘ
ッドを構成する一部であるノズルのオリフィス(吐出
口)の前に記録信号が印加されている様に構成した帯電
電極を所定距離だけ離して配置し、前記ピエゾ振動素子
に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ振動素
子を機械的に振動させ、前記吐出口より記録液体の小滴
を吐出させる。この時前記帯電電極によって吐出する記
録液体小滴には電荷が静電誘導され、小滴は記録信号に
応じた電荷量で帯電される。帯電量の制御された記録液
体の小滴は、一定の電界が一様に掛けられている偏向電
極間を飛翔する時、付加された帯電量に応じて偏向を受
け、記録信号を担う小滴のみが記録部材上に付着し得る
様にされている。
第3の方式は、例えば米国特許第3416153号明細書に
開示されている方式(Hertz方式)であって、ノズルと
リング状の帯電電極間に電界を掛け、連続振動発生法に
よって、記録液体の小滴を発生霧化させて記録する方式
である。即ちこの方式ではノズルと帯電電極間に掛ける
電解強度を記録信号に応じて変調することによって小滴
の霧化状態を制御し、記録画像の階調性を出して記録す
る。
第4の方式は、例えば米国特許第3747120号明細書に
開示されている方式(Stemme方式)で、この方式は前記
3つの方式とは根本的に原理が異なるものである。
即ち、前記3つの方式は、何れもノズルより吐出され
た記録液体の小滴を、飛翔している途中で電気的に制御
し、記録信号を担った小滴を選択的に記録部材上に付着
させて記録を行うのに対して、このStemme方式は、記録
信号に応じて吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させ
て記録するものである。
つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出する吐出口を
有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振動素子に、
電気的な記録信号を印加し、この電気的記録信号をピエ
ゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って
前記吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させて記録部
材に付着させることで記録を行うものである。
これ等、従来の4つの方式は各々に特長を有するもの
であるが、又、他方において解決され得る可き点が存在
する。
即ち、前記第1から第3の方式は記録液体の小滴の発
生の直接的エネルギーが電気的エネルギーであり、又、
小滴の偏向制御も電解制御である。その為、第1の方式
は、構成上はシンプルであるが、小滴の発生に高電圧を
要し、又、記録ヘッドのマルチノズル可が困難であるの
で高速記録には不向きである。
第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル化が可能で
高速記録に向くが、構成上複雑であり、又記録液体小滴
の電気的制御が高度で困難であること、記録部材上にサ
テライトドットが生じ易いこと等の問題点がある。
第3の方式は、記録液体小滴を霧化することによって
階調性に優れた画像が記録され得る特長を有するが、他
方霧化状態の制御が困難であること、記録画像にカブリ
が生ずること及び記録ヘッドのマルチノズル化が困難
で、高速記録に不向きであること等の諸問題点が存す
る。
第4の方式は、第1乃至第3の方式に比べ利点を比較
的多く有する。即ち、構成上シンプルであること、オン
デマンド(on−demand)で記録液体をノズルの吐出口よ
り吐出して記録を行う為に、第1乃至第3の方式の様に
吐出飛翔する小滴の中、画像の記録に要さなかった小滴
を回収することが不要であること第1乃至第2の方式の
様に、導電性の記録液体を使用する必要性がなく記録液
体の物質上の自由度が大であること等の大きな利点を有
する。而乍ら、一方において、記録ヘッドの加工上に問
題があること、所望の共振数を有するピエゾ振動素子の
小型化が極めて困難であること等の理由から記録ヘッド
のマルチノル化が難しく、又、ピエゾ振動素子の機械的
振動という機械的エネルギーによって記録液体小滴の吐
出飛翔を行うので高速記録に向かないこと、等の欠点を
有する。
更には、特開昭48−9622号公報(前記米国特許第3747
120号明細書に対応)には、変形例として、前記のピエ
ゾ振動素子等の手段による機械的振動エネルギーを利用
する代わりに熱エネルギーを利用することが記載されて
いる。
即ち、上記公報には、圧力上昇を生じさせる蒸気を発
生する為に液体を直接加熱する加熱コイルをピエゾ振動
素子の代りの圧力上昇手段として使用する所謂バブルジ
ュットの液体噴射記録装置が記載されている。
しかし、上記公報には、圧力上昇手段としての加熱コ
イルに通電して液体インクが出入りし得る口が一つしか
ない袋状のインク室(液室)内の液体インクを直接加熱
して蒸気化することが記載されているに過ぎず、連続繰
り返し液吐出を行う場合は、どの様に加熱すれば良いか
は、何等示唆されるところがない。加えて、加熱コイル
が設けられている位置は、液体インクの供給路から遥か
に遠い袋状液室の再深部に設けられているので、ヘッド
構造上複雑であるに加えて、高速での連続繰返し使用に
は、不向きとなっている。
しかも、上記公報に記載の技術内容からでは、実用上
重要である発生する熱で液吐出を行った後に次の液吐出
の準備状態を速やかに形成することは出来ない。
このように従来法には、構成上、高速記録化上、記録
ヘッドのマルチノズル化上、サテライトドットの発生お
よび記録画像のカブリ発生等の点において一長一短があ
って、その長所を利する用途にしか適用し得ないという
制約が存在していた。
更に、特開昭61−249766号公報には、ヘッドの製造方
法とその欠点として、以下のことを述べている。
すなわち、インクジェット記録ヘッドを製造する方法
としては、例えば、ガラス、金属等の平板に切削やエッ
チング等によって、微細な溝を形成し、更にこの溝を形
成した平板に他の適当な板を接合してインク通路を形成
する工程を含む方法、あるいは例えば吐出エネルギー発
生素子の配置された基板上に硬化した感光性樹脂の溝壁
をフォトリングラフィー工程を用いて積層した溝を形成
し、このようにして形成された溝付き板に、他の平板
(覆い)を接合してインク通路を接けた接合体を形成
し、その後、インク通路の下流側の所定の位置で、イン
ク通路に対して垂直に接合体を超薄型のダイヤモンドプ
レードを回転させて切削を行なうダイシング法等によっ
て切削加工して切削面にオリフィスを形成する工程を含
む方法が知られている。
これらのインクジェット記録ヘッドの製造方法のなか
で、感光性樹脂を使用した後者の方法は、(基板に切削
やエッチングによって溝を形成する)前者の方法に対し
て、インク通路を精度良く、かつ歩留り良く微細加工で
き、しかも量産化が容易であるので、品質が良く、より
安価なインクジェット記録ヘッドを提供することができ
るという利点を有している。
ところが、16本/mmを越えるような、より高解像度、
高品質の画像の提供というインクジェット記録方式への
種々の方面からの要請に対応する上で、インクジェット
記録ヘッドには、より良好な着弾点精度やドットの均一
性等のより高度な記録性能が要求されている中で、上述
した感光性樹脂を用いた従来法によって作成した記録ヘ
ッドにおいては、上記のような要求に十分に対応した着
弾点精度が得られない、あるいは記録ヘッドの長期間の
使用に際して、インクの着弾点精度の低下がみられ、初
期の良好な記録状態が得られなくなる場合が多かった。
本発明は、このような従来の記録ヘッドにおける問題
点の要因を鋭意検討したところ、前記したような接合体
の切削工程に際して、特に、形成された切削面にある各
部材の接合部での部材の微細な欠けや割れ、更には感光
性樹脂硬化膜の基板もしくは覆いからの微小な剥離等の
欠陥が生じて、あるいは、これらの欠陥部に更に長期的
にインクが接触すると、そこに感光性樹脂硬化膜の基板
や覆いからの新たな剥離や、すでにある微細な剥離の進
行拡大を誘発して、オリフィスやインク通路の所定形状
に変形を生じさせ、この変形がインクの吐出方向(例え
ばインク溝の直進性)を乱す結果、良好な着弾点精度が
得られなくなることを見い出した。また、特開昭61−24
9766号公報は、以上の欠点を解決する為に切削面をカッ
プリング処理するものであるが、その明細書に述べられ
ているようにピッチ0.125mmのそれ程高密度ではないマ
ルチインクジェットに適用し、効果を見い出したもので
ある。しかしながら、コピア等のような、より高精細な
画像品質を狙うには、16本/mm以上の高密度なノズル配
列が要求され、その場合に、どうなるかという記載は全
くなかった。本発明者らは、16/本mm以上で数種のヘッ
ドを試作し、切削面にカップリング処理を行ない、研磨
平滑化したものについて吐出周波数4.2KHz、記録紙相対
速度26.25cm/sec(16ドット/mmの解像度で4.2kHzの吐出
周波数のプリンターに当たる。)で、20時間印写後の画
像品質を評価したところ、ドッ位置精度に著しい劣化が
見られた。本発明者らは、このヘッドを観察し、要因を
鋭意検討したところ、感光性樹脂と蓋基板、発熱体基板
との接合部における剥離や、ノズル部端部に微細な欠け
が生じ、それにより噴射方向が変化したことが要因であ
った。即ち、16本/mm以上の高密度で配列したマルチノ
ズルの場合には、隣接ノズル間が大変接近している為に
複数の隣接ノズルより吐出されるインク滴、あるいは、
インク柱は、それらが、ほぼ同時に吐出するように場合
には、(1)一般に吐出されるインク滴の大きさが、通
常はオリフィス径よりも大きくなること、(2)上記し
たような剥離や欠けにより、インク滴、あるいは、イン
ク柱が吐出方向が変わってしまうこと等の理由で、イン
ク滴(柱)が併合、合体し、画像品質の劣化を引き起こ
したものである。これは、16本/mm以上の高密度の場
合、ノズル間の流路壁を構成する感光性樹脂の巾Lw(第
4図)が狭い為、特開昭61−249766号公報に開示してい
るようなカップリング処理を施しても、長時間のまたは
繰り返しの記録紙やノズル面清掃用ワイピング部材との
接触に対して十分な強度を得ることができない。即ちカ
ップリング処理により切削加工時の傷は補修されるが、
使用時の衝撃や摩耗による剥離や欠けに対しては、程ん
ど効果を有さず、耐久性の点で十分とは言えなかった。
また、16本/mm以上の高密度ヘッドの場合、上述のよう
にして発生したわずかな傷でも、そこからインクの腐食
がおこり、あるいは、インク流による浸食による欠けや
剥離が進行拡大し、ついには、流路壁を横断するに至り
スプラッシュや吐出不能を引き起こす要因ともなった。
また、特開昭61−249766号公報は、その明細書に述べら
れているように、2KHzの周波数で駆動することにより安
定な吐出が得られるものである。しかしながら、より高
い周波数で駆動(例えば4kHzより上)する場合には、ど
うしたらよいかという記載はなく、欠けや剥離の発生、
進行拡大は、それだけ頻度が増し、特開昭61−249766号
公報の発明では安定吐出ができなかった。すなわち、ノ
ズル部端面はインクによる腐食あるいは記録紙との摩擦
により、かけが生じたり、腐食したりする。そのため、
ノズル端面は耐腐食性や耐摩耗性が要求される。本発明
者らは、ダイヤモンド状カーボンがこれらの要求を満足
する最適な材料であることにいち早く気付き、それをバ
ブルジェット型インクジェットのノズル端面保護材とし
て適用することを提案するものである。
目的 本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもの
で、バブル・ジェット型インクジェットの記録ヘッドに
おいて、ノズル部端面の耐摩耗性や耐インク性を向上さ
せることで長期使用に際し、耐久性にすぐれ信頼性の高
い液体噴射記録ヘッドを提供することを目的としてなさ
れものである。
本発明の他の目的は、より高密度に配列された(例え
ば16本/mm以上で配列された)マルチノズル型ヘッドの
インク滴吐出性能の向上を図ることである。
本発明のさらに他の目的は、より高速で駆動(例えば
4kHzより上)マルチノズル型ヘッドのインク滴吐出性能
の向上を図ることである。
構成 本発明は、上記目的を達成するために、液室内の記録
液に熱エネルギーを作用させるための熱エネルギー発生
手段を有し、該熱エネルギーの作用により前記記録液中
の熱エネルギー作用部に気泡を生じせしめ、該気泡の堆
積増加にともなう作用力で吐出オリフィスより前記記録
液を4kHzより高い頻度で液滴として形成、飛翔させ、被
記録面に付着させて記録を行なう液体噴射記録ヘッドに
おいて、前記オリフィスの配列密度を16本/mm以上と
し、該オリフィスの形成された端部をダイヤモンド状カ
ーボンで被覆したことを特徴としたものである。
なお、本発明は、従来よりある24×24ドットマトリッ
クスで印字するプリンタのように中程度の印字密度(18
0dpi相当)をもつマルチインクジェットに適用できるこ
とはいうまでもないが、より高密度、高精細な品質を要
求されるコピア(例えば、16本/mm以上の高密度)に適
用するのがよい。
また、コピアのように高精細の画像を形成するために
は、画素径が小さくなる為、必然的に紙面に打ち込むド
ット数は多くなり、単純に考えれば一枚の画像を形成す
るのには、時間が多くかかる。従って、高い駆動周波数
ヘッドを駆動するのがよく、その意味からも、本発明は
高い周波数で駆動(例えば4KHzより上)するヘッドにお
いて適用するのがよい。
最初に、第3図に基づいてバブルジェットによるイン
ク噴射の原理について説明する。図中、21は蓋基板、22
は発熱体基板、27は選択(独立)電極、28は共通電極、
29は発熱体、30はインク、31は気泡、32は飛翔インク滴
である。
(a)は定常状態であり、オリフィス面でインク30の
表面張力と外圧とが平衡状態にある。
(b)はヒータ29が加熱されて、ヒータ29の表面温度
が急上昇し隣接インク層に沸騰現象が起きるまで加熱さ
れ、微小気泡31が点在している状態にある。
(c)はヒータ29の全面で急激に加熱された隣接イン
ク層が瞬時に気化し、沸騰膜を作り、この気泡31が生長
した状態である。この時、ノズル内の圧力は、気泡の生
長した分だけ上昇し、オリフィス面での外圧とのバラン
スがくずれ、オリフィスよりインク柱が生長し始める。
(d)は気泡が最大に生長した状態であり、オリフィ
ス面より気泡の体積に相当する分のインク30が押し出さ
れる。この時、ヒータ29には電流が流れていない状態に
あり、ヒータ29の表面温度は降下しつつある。気泡31の
体積の最大値は電気パルス印加のタイミングからややお
くれる。
(e)は気泡31がインクなどにより冷却されて収縮を
開始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では押し出
された速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡の収縮に
伴ってノズル内圧の減少によりオリフィス面からノズル
内へインクが逆流してインク柱にくびれが生じている。
(f)はさらに気泡31が収縮し、ヒータ面しインクが
接しヒータ面がさらに急激に冷却される状態にある。オ
リフィス面では、外圧がノズル内圧より高い状態になる
ためメニスカスが大きくノズル内に入り込んで来てい
る。インク柱の先端部は液滴になり記録紙の方向へ5〜
10m/secの速度で飛翔している。
(g)はオリフィスにインクが毛細管現象により再び
供給(リフィル)されて(a)の状態にもどる過程で、
気泡は完全に消滅している。
以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
第1図は、本発明による記録ヘッドの一実施例を説明
するための斜視図、第2図は、記録ヘッドを構成する蓋
基板(a)と発熱体基板(b)の分解斜視図、図中、20
はノズル部端面、23は記録液体流入口、24はオリフィス
である。蓋基板(a)と発熱体基板(b)は接着され、
第1図の記録ヘッド部が構成される。その後、A−A′
でカットされ端面を研磨してヘッド部が完成される。ま
た別の方法を第4図に示し、それによると、発熱体基板
22にフォトリソ技術で感光性樹脂から成る流路壁41を形
成し、蓋基板42を接着して記録ヘッド部を構成し、その
後、第1図と同様にカットし記録ヘッド部を完成させ
る。いずれの場合も発熱体基板22としてはシリコン、ア
ルミナ、ガラス等が用いられ、特に好適に用いられるシ
リコンは、長期的使用に際し、インクによる腐食、摩耗
によるかけ等が生じてしまう。よって、本発明によりA
−A′でカットした端面部をダイヤモンド状カーボンで
被覆し、ヘッドの寿命、安定性、信頼性を飛躍的に向上
させたものである。
ダイヤモンド状カーボンを合成ずる方法は、これまで
にも各種のものが提案されているが、大別すると、 イオンビーム・デポジション(IBD)法 化学蒸着(CVD)法 ブラズマCVD法 に分けられる。
ここでは、本発明者らが実験的に試作したプラズマCV
D法を例にとって説明する。
まず、真空装置内のRF給電側にサンプルを付け、炭化
水素(CH4,C2H6,C3H6,C4H10,C2H4等)と水素からなるガ
ス雰囲気中で平行平板電極に高周波電界(13.56MHz)を
印加すると、グロー放電が発生し、原料ガスはラジカル
およびイオンに分解されサンプル上に炭素原子と水素原
子とからなる硬質炭素膜(ダイヤモンド状カーボン)が
堆積する、そのダイヤモンド状カーボンの物性は、 比抵抗:106〜1013Ωcm 熱伝導:200〜800W・m-1・K-1 誘電率:〜5 ビッカース硬度:9500kg/mm2 屈折率:1.9〜2.4 欠陥密度:107〜1019cm-3 である。
なお、ダイヤモンド状カーボンは、生成過程からi−
カーボンと呼ばれたり、結晶性から、アモルファスカー
ボンと呼ばれたりすることもある。又、結晶性であり、
格子間隔などから天然ダイヤモンドと近い構造をもつダ
イヤモンド薄膜も本願の明細書においてはダイヤモンド
状カーボンとして含まれるものである。
以下の第1表に本発明者らが前述のダイヤモンド状カ
ーボンの合成法及び、その膜質で実際にヘッドを試作・
評価した結果の1例を示す。なお、試作したヘッドユニ
ットのノズル数は、すべて256個で、流路壁を感光性樹
脂(ドライフィルム)で作製した。また、比較例とし
て、切削面処理を行なわないヘッドと、カップリング処
理(シランカップリング剤による)を行ったものを列記
した。
効 果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、ダ
イヤモンド状カーボンは、耐食性、耐摩耗性に優れてい
る為、ヘッドの寿命を著しく向上させることができ、信
頼性のある長期的に安定なインクジェットヘッドを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による液体噴射記録ヘッドの一実施例
を説明するための斜視図、第2図は、記録ヘッドの分解
構成図で、(a)は蓋基板、(b)は発熱体基板を示す
図、第3図は、記録ヘッドのバブルジェットインクの吐
出を気泡発生・消滅を説明するための原理図、第4図
は、記録ヘッドの他の実施例を示す図である。 20……ノズル部端面、21……蓋基板、22……発熱体基
板、23……記録液体流入口、24……オリフィス、27……
選択(独立)電極、28……共通電極、29……発熱体(ヒ
ータ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−54858(JP,A) 特開 昭61−249766(JP,A) 特開 昭63−4068(JP,A) 特開 昭62−226158(JP,A) 特開 昭62−195744(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液室内の記録液に熱エネルギーを作用させ
    るための熱エネルギー発生手段を有し、該熱エネルギー
    の作用により前記記録液中の熱エネルギー作用部に気泡
    を生じせしめ、該気泡の体積増加にともなう作用力で吐
    出オリフィスより前記記録液を4kHzより高い頻度で液滴
    として形成、飛翔させ、被記録面に付着させて記録を行
    なう液体噴射記録ヘッドにおいて、前記オリフィスの配
    列密度を16本/mm以上とし、該オリフィスの形成された
    端部をダイヤモンド状カーボンで被覆したことを特徴と
    する液体噴射記録ヘッド。
JP1036660A 1988-11-30 1989-02-16 液体噴射記録ヘッド Expired - Fee Related JP2728918B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1036660A JP2728918B2 (ja) 1988-11-30 1989-02-16 液体噴射記録ヘッド

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-302403 1988-11-30
JP30240388 1988-11-30
JP1036660A JP2728918B2 (ja) 1988-11-30 1989-02-16 液体噴射記録ヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02223451A JPH02223451A (ja) 1990-09-05
JP2728918B2 true JP2728918B2 (ja) 1998-03-18

Family

ID=26375740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1036660A Expired - Fee Related JP2728918B2 (ja) 1988-11-30 1989-02-16 液体噴射記録ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2728918B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6155675A (en) * 1997-08-28 2000-12-05 Hewlett-Packard Company Printhead structure and method for producing the same
US6071597A (en) * 1997-08-28 2000-06-06 3M Innovative Properties Company Flexible circuits and carriers and process for manufacture
US6062679A (en) * 1997-08-28 2000-05-16 Hewlett-Packard Company Printhead for an inkjet cartridge and method for producing the same
US6290331B1 (en) 1999-09-09 2001-09-18 Hewlett-Packard Company High efficiency orifice plate structure and printhead using the same

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6054858A (ja) * 1983-09-02 1985-03-29 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk プリント用インクジエツトノズル
JPH0698773B2 (ja) * 1985-04-27 1994-12-07 キヤノン株式会社 インクジェットヘッドの製造方法
JPS62195744A (ja) * 1986-02-21 1987-08-28 Fuji Electric Co Ltd 光磁気記録媒体
JPS62226158A (ja) * 1986-03-27 1987-10-05 Sharp Corp 電子写真感光体
JPS634068A (ja) * 1986-06-23 1988-01-09 Nec Corp ダイヤモンド状カ−ボン膜

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02223451A (ja) 1990-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2836749B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP3339724B2 (ja) インクジェット記録方法及びその装置
JP2708769B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP2728918B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JPH10250110A (ja) インクジェット記録装置
JP2713721B2 (ja) 液体噴射記録方法
JPH0483644A (ja) インクジェット記録方法
JP3048055B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP3072740B2 (ja) バブルジェット方式の液体噴射記録装置
JP2849399B2 (ja) 液体噴射記録装置
JP2698418B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP3217837B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP2716722B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP2698413B2 (ja) 液体噴射記録方法
JP3061188B2 (ja) 液体噴射記録装置
JP2812975B2 (ja) 液体噴射記録装置
JP2763539B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JPH0311902B2 (ja)
JP2790844B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP2790829B2 (ja) 液体噴射記録装置
JP2000127376A (ja) インクジェット記録方法、もしくはインクジェット記録ヘッド、もしくはインクジェット記録装置
JP2956843B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JPH0550612A (ja) 液体噴射記録方法
JP2001353867A (ja) 記録ヘッドとインクジェット記録装置及び記録ヘッドの製造方法
JPH0538810A (ja) インクジエツトヘツド

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees