JPH0550612A - 液体噴射記録方法 - Google Patents

液体噴射記録方法

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JPH0550612A
JPH0550612A JP20710191A JP20710191A JPH0550612A JP H0550612 A JPH0550612 A JP H0550612A JP 20710191 A JP20710191 A JP 20710191A JP 20710191 A JP20710191 A JP 20710191A JP H0550612 A JPH0550612 A JP H0550612A
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recording
ink
liquid
ejection
pulse
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JP20710191A
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Inventor
Takuro Sekiya
卓朗 関谷
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、液体噴射記録方法に関し、与えら
れた画素情報に応じて画素径を所望の大きさに変化させ
ながら諧調記録を行って、高画質な画像を得ることを目
的とする。 【構成】 インクを液滴として飛翔させると共に、その
液滴の吐出量を変化させて形成する画素径を変えながら
諧調記録を行う場合に、図(a)、(b)に示す2値記
録時の駆動パルスにより与えられるインクの吐出頻度よ
りも、図(d)、(e)、(f)のように駆動パルスの
周波数を低くして遅い頻度でインクを吐出させて画像を
形成する。インクの吐出量の大小に関わらずインクメニ
スカスが定常状態に戻ってから、次の吐出動作が行われ
る。吐出されるインク滴は画像情報に応じた画素径とな
り、これを飛翔させて画像を形成するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体噴射記録方法に関
し、特に画像情報に応じて記録液体の吐出量を変えて画
素径を制御することにより階調記録を行う液体噴射記録
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ノンインパクト記録方法は、記録
時における騒音が無視し得る程度に小さいという点にお
いて関心を集めており、その中でも、高速印字が可能
で、しかもいわゆる普通紙に特別な定着処理を施さずに
記録が行えるインクジェット記録(液体噴射記録)法
は、極めて有力な記録方法であって、これまでにも様々
な方式が提案され、また改良が加えられている。
【0003】この種の液体噴射記録法は、インクなどの
記録液体の小滴(droplet)を飛翔させ、記録部材に付着
させて記録を行うものであり、この記録液体の小滴の発
生方法及び発生された記録液体小滴の飛翔方向を制御す
る方法によって次に述べるいくつかの方式に大別され
る。まず、第1の方式は、例えば米国特許3.060.429 に
開示されているようなもの(Tele type方式) であり、記
録液体の小滴の発生を静電吸引的に行い、発生した記録
液体小滴を記録信号に応じて電界制御し、記録部材上に
記録液体小滴を選択的に付着させて記録を行うものであ
る。
【0004】この方式では、ノズルと加速電極間に電界
を掛けておき、一様に帯電した記録液体の小滴をノズル
から吐出させ、その吐出した小滴を記録信号に応じて電
気制御可能なように構成されたxy偏向電極間を飛翔さ
せ、電界の強度変化によって記録液体小滴を選択的に記
録部材状に付着させることにより記録を行うようにして
いる。
【0005】第2の方式は、例えば米国特許3.596.275
に開示されているようなもの(Sweet方式)であり、連続
振動発生法によって帯電量の制御された記録液体の小滴
を発生させ、この小滴を、一様な電界の掛けられている
偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上へ記録を行
うものである。この方式では、ピエゾ振動素子の付設さ
れている記録ヘッドの一部であるノズルのオリフィス
(以下、吐出口という)の前に、記録信号が印加される
ように構成した帯電電極を所定距離だけはなして配置
し、前記ピエゾ振動素子に一定周波数の電気信号を印加
することで、ピエゾ振動素子を機械的に振動させて、前
記吐出口より記録液体の小滴を吐出させるようにしてい
る。
【0006】第3の方式は、例えば米国特許3.416.153
に開示されているようなもの(Hertz方式)であり、ノズ
ルとリンク状の帯電電極間に電界を掛け、連続振動発生
法により記録液体の小滴を発生霧化させて記録する方式
である。この方式では、ノズルおよび帯電電極間に掛け
る電界強度を記録信号に応じて変調することで、前記小
滴の霧化状態を制御し、記録画像の階調性を出して記録
するようにしている。
【0007】第4の方式は、例えば米国特許3.747.120
に開示されているようなもの(Stemme方式)である。こ
の方式は上述した3方式とは根本的に原理が異なってお
り、上述の各方式が何れもノズルにより吐出された記録
液体の小滴を飛翔している途中で電気的に制御し、記録
信号を担った小滴を選択的に記録部材上に付着させて記
録を行うものであるのに対して、このSweet 方式では、
記録信号に応じて吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔
させて記録する。つまり、この方式では、記録液体の吐
出口を有する記録ヘッドにピエゾ振動素子を付設してお
き、このピエゾ振動素子に電気的な記録信号を印加し
て、この電気的記録信号をピエゾ振動素子の機械的な振
動に変え、この機械的振動により前記吐出口から記録液
体の小滴を吐出飛翔させて記録部材上に付着させること
で、記録を行うようにしている。
【0008】これら従来の4方式は、各々特長を有する
ものではあるが、問題を残していた。すなわち、第1か
ら第3の方式では、記録液体の小滴を発生させる直接的
エネルギーが電気的エネルギーであり、その小滴の偏向
制御も電界制御であるため、第1の方式にあっては、構
成上はシンプルであるが、小滴の発生に高電圧を要し、
記録ヘッドのマルチノズル化が困難なために、高速記録
には不向きであった。
【0009】また、第2の記録方式にあっては、記録ヘ
ッドのマルチノズル化が可能で高速記録に向いている
が、構成が複雑であり、記録液体小滴の電気的制御が困
難であること、記録部材上にいわゆるサテライトドット
が生じ易いこと等の問題点があった。第3の記録方式に
あっても、記録液体小滴を霧化することで階調性に優れ
た画像記録ができるが、霧化状態の制御が困難であるこ
と、記録画像にいわゆるカプリが生じること、並びに記
録ヘッドのマルチノズル化が困難で高速記録には不向き
であること等の問題点があった。
【0010】第4の記録方式は、上述の3方式より利点
が多い。すなわち、構成上シンプルであること、オンデ
マンド(on-demand) で記録液体をノズルの吐出口より吐
出して記録を行うので、前記3方式のように吐出飛翔す
る小滴の中で画像記録に要さなかった小滴を回収するこ
とが不要であり、第1、第2の方式のように導電性の記
録液体を使用する必要がなく、記録液体の物質上の自由
度が大きい。
【0011】しかしながら、第4の記録方式にあって
も、記録ヘッドの加工に難点があること、所望の共振周
波数を有するピエゾ振動素子の小型化が困難で記録ヘッ
ドのマルチノズル化が難しいこと、並びに、ピエゾ振動
素子の機械的振動という機械的エネルギーによって記録
液体小滴の吐出飛翔を行うため、高速記録に向かない等
の問題点があった。
【0012】このように従来の液体噴射記録方式には、
装置の構成、高速記録、マルチノズル化、画像品質とい
った点で一長一短が有り、その長所を利する用途にしか
適用し得ないのが実情であった。しかし、このような不
都合は、本願の出願人が先に提案したインクジェット記
録方式(特公昭56−9429号公報参照)を採用する
ことによって解消することができる。このインクジェッ
ト記録方式は、要約すれば、液室内のインクを加熱して
気泡を発生させ、インク圧力を上昇させて、微細な毛細
管ノズルからインクを飛び出させて記録するというもの
であった。この方式の提案後、この原理を利用する多く
の発明がなされた。その中の1つとしては、例えば特公
昭61−59914号公報に記載のものがある。これ
は、液体を所定の方向に吐出させるための吐出口を通過
する記録液体の一部を熱して膜沸騰させることにより、
吐出口より吐出される飛翔液滴を形成し、この液滴を被
記録体に付着させて記録させるものである。
【0013】具体的には、ノズル状の液路部分に設けら
れた熱作用部分において、記録液体に急激な状態変化を
受けることにより、その状態変化に基づく作用力によっ
て、記録液体が吐出口より吐出飛翔するようにしたもの
である。この従来の液体噴射記録方法の原理を図8各図
を用いて説明する。 同図(a)は定常状態であり、ノズル1の吐出口面2に
おいてインク層3の表面張力と外圧とが平衡状態にあ
る。図中4は共通電極、5は制御電極、6はヒータであ
る。
【0014】(b)はヒータ6が加熱されて、ヒータ6
の表面温度が急上昇し隣接するインク層3に沸騰現象が
現れるまで加熱され、微小気泡7が点在する状態にあ
る。 (c)はヒータ6の全面で急激に加熱された隣接インク
層3が瞬時に気化し、気泡7が生長した状態である。こ
のとき、ノズル1内の圧力は、気泡が生長した分だけ上
昇し、吐出口面2での外圧とのバランスが崩れ、吐出口
よりインク滴が生長し始める。
【0015】(d)は気泡7が最大に生長した状態であ
り、吐出口面より気泡の体積に相当する分のインク層3
が押し出される。このとき、ヒータ6には電流が流れて
いない状態にあり、ヒータ6の表面温度は低下しつつあ
る。気泡7の体積が最大となる時点は電気パルス印加の
タイミングからやや遅れる。 (e)は気泡7がインク層3などにより冷却されて収縮
を開始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では押し
出された速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡の収縮
に伴ってノズル内圧の減少により吐出口面からノズル内
へインクが逆流してインク柱にくびれ9が生じている。
【0016】(f)はさらに気泡7が収縮して減少し、
ヒータ6にインク層3が接しヒータ6面がさらに急激に
冷却される状態にある。吐出口面では、外圧がノズル内
圧より高い状態になるため、液の膨らみが大きくノズル
1内に入りこんできている。インク柱の先端部は、図示
のように液滴8になり、記録紙の方向へ5〜10m/sの
速度で飛翔する。
【0017】(g)は吐出口面2にインク層3が毛細管
現象により再び供給(リフィル)されて(a)の状態に
戻る過程で、気泡は完全に消滅している。図9は、以上
に説明したバブルジェット型インクジェット記録ヘッド
の要部切断図で、これは、一般に、EDGE SHOO
TERと呼ばれるものである。図10は、前記EDGE
SHOOTERに対して、SIDE SHOOTERと
呼ばれるものの要部断面図である。図11はその動作原理
を示す図で、図8で説明したのと同様に、(a)図の状
態から(d)図の状態に至り、その後、(a)図と同じ
状態の(e)図に戻り、その間に、液滴8が噴出され
る。
【0018】この方式の特長は、図8の(b)〜(d)
又は図10の(b)〜(c)の過程における膜沸騰現象を
利用している点にある。記録手段として応用するには、
いかに規則正しく膜気泡の発生、消滅をコントロールで
きるかにかかっている。膜沸騰現象は、次の2つの場合
に発生する。 高温に加熱された物体を液滴中に漬ける。
【0019】液体と接する物体の表面温度を急激に上
げる。 ヒータ6上で膜沸騰現象を再現させるためには、の方
法を用いる。図12各図はヒータ6に印加するパルス波形
と気泡7の発生状態を示す。図(d)に示すような20μ
s程度、特に10μs以下のごく短いパルスを与えると、
ヒーターが急激に加熱され、あらかじめ存在する発泡核
が活性化する前に、インクが過熱限界に到達し、図
(a)に示すようなきれいな膜気泡7が得られる。この
泡は、計算では15〓/〓程度の内圧を持って断熱膨張
し、インクをノズル外へ押し出す。気泡が最大になる時
点では加熱を停止しており、熱をうばわれた蒸気泡は自
然と消滅する。
【0020】ところが、図(e)に示すように、1ms
程度のパルスを印加して加熱を除々に行うと、ヒータ6
面に存在する発泡核から、通常の沸騰が始まり、図
(b)に示すような不特定の気泡や、図(c)に示すよ
うな固定泡が発生し、繰返し特性、泡の大きさ及び消滅
のコントロールができなくなってしまう。 そこで、上
記したような膜沸騰をヒータ6表面で実現することによ
り、(1) バブルの大きさが均一で安定化し(いつも同じ
大きさのバブルが、同じタイミングで出来る。)(2) イ
ンクへの熱損失が少なく(インクがあまり加熱されない
ので冷却手段を必要としない。)(3) バブルが最大体積
に達したとき、既にバブル周辺のインクが冷たくなって
いるので、気泡は急激に収納する。(周波数応答性が良
く、高温でバブルの発生、消滅が繰返せる)。このよう
にオン・デマンド型のインクジェットの吐出原動力とし
て理想的な手段を得ることができる。また、この方式で
は、バブルの大きさが吐出特性を左右する要因であり、
原理から明らかなようにバブルの大きさが電圧によらな
いことがこのような特性をもたらせている。すなわち、
バブルの大きさは、ヒーターサイズ、ノズル構造で決ま
る。従って、1度設計がきまると、安定したドットを得
ることが可能になり、ディジタルタイプの記録手段とし
ては最適である。つまり、この方式は、液滴が飛び出す
か、飛び出さないかといういわゆる2値記録技術に関す
るものである。
【0021】これに対して、近年高画質記録への要求が
高まってきており、従来の2値記録ではあきたらず、多
値情報に基づいてインクの吐出量を変えて画素径を変
え、階調記録を行う方法がいくつか提案されてきてい
る。その中の1つとして、たとえば、特公昭59−31
943号公報がある。これは、発熱調整構造を有する発
熱部を具備する電気熱変換体を階調情報を有する信号を
印加し、発熱部に信号に応じた熱量を発生させることに
より階調記録を行う事を特徴とするものであった。具体
的には、保護層、蓄熱層、あるいは発熱体層の厚さが除
々に変化するような構造としたり、あるいは発熱体層の
パターン巾が除々に変化するような構造としたものであ
る。
【0022】一方、特開昭63−42872号公報にも
類似の階調記録技術の開示がある。これも特公昭59−
31943号公報の技術と同様に発熱体層に3次元構造
をもたせることを特徴としている。その他の階調記録技
術としては、特公昭62−46358号公報、特公昭6
2−46359号公報、特公昭62−48585号公報
などが知られている。それらは、それぞれ1つの流路に
配列した複数個の発熱体より、所定数の発熱体を選択し
たり、あるいは、発熱量の異なる複数の発熱体の中から
1つを選択して、発生する気泡の大きさを変えたり、複
数の発熱体への駆動信号の入力タイミングのズレを可変
制御して吐出量を変えたりするものであった。
【0023】また、特開昭59−124863号公報、
特開昭59−124864号公報では、吐出のための発
熱体とは別の発熱体及び気泡発生部を有し、吐出量制御
を行う技術の開示がある。さらに、特開昭63−428
69号公報には、抵抗体に通電する時間を変えることに
よって気泡の発生回数を変更して、吐出量を制御する技
術が開示されている。
【0024】また、米国特許4.503.444 号公報には、非
常に高い駆動周波数で微小インク滴を発生させ、画像濃
度情報に応じて1画素を形成する微小インク滴の数を変
えて、画素径を変える技術が開示されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の液体噴射記録方法では、階調記録を行うために各種の
試みがなされてきているが、必ずしも所望の画素径変化
が得られていないという問題があった。このように、画
素径を適宜変化させて階調記録を行う技術は、未だ確立
されていない状況にある。その理由の1つとして、上記
従来より検討されてきている個々の技術自体は優れてい
るが、その使用方法において上記技術の持つ特徴を十分
に活かしきれないということが挙げられる。
【0026】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たものであり、与えられた画素情報に応じて画素径を所
望の大きさに変化させながら階調記録を行うことによ
り、高画質の画像が得られる液体噴射記録方法を提供す
ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
記録液体を収納し、その記録液体を熱によって気泡を発
生させて、気泡の体積増加に伴う作用力を発生させる熱
エネルギー作用部を付設した流路を備え、その流路と連
絡して記録液体を作用力によって吐出口より吐出させる
際に、記録する画像情報に応じて前記熱エネルギー作用
部より発生させる気泡の大きさ、気泡の数、又は複数の
気泡を発生させるタイミングを変えて記録液体の吐出量
を変える液体噴射記録方法において、先行する吐出動作
によって移動した吐出口部の記録液体面がほぼ定位置に
戻ってから次の吐出動作を行うようにしたことを特徴と
し、請求項2記載の発明は、請求項1記載の液体噴射方
法において、多値情報からなる画像情報に基づいて、記
録液体の吐出量を変えて階調記録を行う場合の記録液体
の吐出頻度を、2値情報からなる画像情報に基づいて、
ほぼ一定量の記録液体を吐出して2値記録を行う場合の
記録液体の吐出頻度よりも低くして記録することを特徴
とするものである。
【0028】請求項3記載の発明は、前記多値情報が、
1つのパルスに対して情報が与えられている場合は、パ
ルス電圧もしくはパルス幅を変えることにより与えら
れ、パルス数を変えることによって情報が与えられてい
る場合は、連続する複数のパルスが少なくとも200μ
s以内で与えられて、1つの画素を形成するようにした
ことを特徴とするものである。
【0029】
【作用】請求項1記載の発明では、熱エネルギー作用部
による先の駆動動作によって記録液体を吐出した後、ノ
ズルの吐出口における記録液体の液面が定位置に戻って
から次の駆動動作を行うようにした。このため、画像情
報に忠実な記録液体の吐出量変化により、所望の画素径
が得られる。
【0030】請求項2記載の発明では、多値の画像情報
に応じて熱エネルギー作用部を駆動させて、記録液体の
吐出量を変えながら階調記録を行う。この場合の熱エネ
ルギー作用部の駆動周波数は、2値の画像情報により一
定量の記録液体を吐出する場合よりも低い周波数を用い
る。このため、記録液体の吐出量によって吐出口の液面
が定位置に戻る時間が異なる階調記録であっても、低い
駆動周波数とすることにより、吐出量に左右されること
なく常に定位置から吐出動作が開始され、画像情報に忠
実に記録液体の吐出量を変化させて、所望の画素径が得
られる。
【0031】請求項3記載の発明では、多値の画像情報
に基づいて記録液体の吐出量を変える場合に、1つのパ
ルスに対して情報が与えられるときは、パルス電圧やパ
ルス幅を変えて行い、パルス数を変えて行うときは、連
続する複数のパルスを200 μs以内で与える。このた
め、不要な蓄熱が発生せず、画像情報に忠実な記録液体
の吐出量制御が可能となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明に係わる液体噴射記録方法の一実施例に用い
たサーマルインクジェットヘッドの発熱部の平面図であ
り、図2は図1の発熱部の断面図である。まず、その構
成及びその製作方法について簡単に説明する。
【0033】図1に示される発熱体19及び放熱体20を備
えたサーマルインクジェットヘッドは、図2に示される
ように、表面研磨したシリコン基板(Si)10上に熱酸化に
よってシリコン酸化膜(SiO2)11を15000Å成長させる。
このシリコン酸化膜11は、後述の発熱層12で発生する熱
の蓄熱層として作用する。そのシリコン酸化膜11上には
発熱層12として(Ta2N)を3000Å、さらにその上に制御電
極13としてAlを9000ほどスパッタリングによってそれ
ぞれ堆積させ、フォトリソグラフィ技術とエッチング技
術とを用いて、所望のパターン形状とする。さらに、そ
の上に絶縁層14としてSiO2をスパッタリングによって10
000Å堆積し、その絶縁層14の一部にフォトリソグラフ
ィ技術とエッチング技術とを用いてコンタクトホールを
形成し、前記制御電極13と同様にAlを9000Å程度スパ
ッタリングによって堆積させ、パターニングして共通電
極15を形成する。前記共通電極15と制御電極13とは、コ
ンタクトホールを介して接続されており、共通電極15に
は熱伝導率の高いAlが使用され、放熱体を兼ねてい
る。
【0034】この図1で示す長方形の発熱体19(発熱層
12)の上には、図2に示す絶縁層14を介して三角形状に
共通電極15の電極パターンがフォトリソグラフィ技術と
エッチング技術とを用いてパターニングされ、その部分
で図1に示すような通電方向に熱勾配ができるように形
成されている。図1において、右下がりのハッチング部
分が発熱体19であり、左下がりのハッチング部分が放熱
体20である。つまり、発熱領域は、長方形状であるが、
その上の放熱体20の作用によって、すぐに熱が逃げるの
で、熱勾配ができる。このため、実際にインクに接触す
る面では、高温となる領域が長方形状にならない。従っ
て、これにより、発生する気泡は、発熱体19の形状、つ
まり長方形に沿った形状の気泡とはならず、図1のよう
な熱勾配が形成されることにより、その熱勾配に沿った
形状の気泡となる。
【0035】さらに、放熱体である共通電極15を形成し
た後、保護膜16としてSiO2をスパッタリングにより1000
0Å堆積させ、さらにその上に耐キャビテーション膜17
として、Taをスパッタリングによって4000Å程度堆積さ
せる。また、電極部には、電極保護膜18としてフォトニ
ース(東レ株式会社製)を15000Å形成して、図1及び
図2に示すような発熱体基板が完成する。
【0036】以上のようにして形成された発熱体基板
は、ノズルの吐出付近に配置されて、記録液体であるイ
ンクの吐出量が制御可能な吐出量制御型ヘッド(放射体
構造ヘッド)とすることができる。図3及び図4各図は
吐出量制御型ヘッドの飛翔原理説明図である。図3は発
熱体19への入力エネルギーが小さい場合であり、この吐
出量制御型ヘッドには(a)図に示すように、気泡発生
部で熱勾配ができるような形状に放熱体20が形成されて
いる。このような構造をもつ発熱体19は、入力エネルギ
ーを変えることによって、膜沸騰が生じる高温領域の広
さを容易に変えることができる。
【0037】図3(a)に示すように、入力エネルギー
が小さいときには、高温領域、つまり膜沸騰領域は狭く
なる。そのため、生成される気泡23のサイズは小さくな
り、図(b)に示すように、液滴22の吐出量が少なくな
り、その結果得られる印写画素径は小さくなる(図
(c))。一方、図4に示すように、発熱体19への入力
エネルギーが大きいときには、高温領域、つまり膜沸騰
領域は大きくなる。そのため、気泡23のサイズ(図
(a)参照)が大きくなるため、液滴22の吐出量(図
(b))及び印写画素径(図(c))も大きくなる。
【0038】このように、吐出量制御型ヘッドは、入力
エネルギーの大きさによって、気泡サイズを変え、それ
に対応した吐出液滴量を得る方法である。しかしなが
ら、このような吐出量制御型ヘッドを使って、画像情報
に応じて発熱体へ入力するエネルギーの大きさをを変え
ただけでは、必ずしも所望の画素径が得られず、高画質
の画像形成を行うことができなかった。
【0039】その理由を図5及び図6各図を用いて説明
する。図5各図は吐出量制御型ヘッドにおいて、発熱体
19への入力エネルギーが小さい場合のノズル24の吐出口
部におけるインク液面の挙動を示す図であり、図6各図
はその発熱体19への入力エネルギーが大きい場合であ
る。図5(a)に示されるように、発熱体19への入力エ
ネルギーが小さい場合は、インク21中に生成される気泡
23も小さく、図(b)、(c)を経て図(d)で飛翔す
る液滴22の吐出量が少ない。このため、図(d)、
(e)に見られるように、吐出口部におけるインク液面
の後退量は小さく、従って、図(f)、(g)のように
定常状態への復帰も早い。
【0040】これに対して、図6(a)示されるよう
に、発熱体19への入力エネルギーが大きい場合は、イン
ク21中に生成される気泡23も大きくなり、図(b)、
(c)を経て、図(d)で飛翔する液滴22の吐出量が多
い。このため、図(d)、(e)に見られるように吐出
口におけるインク液面の後退量が大きく、従って図
(f)、(g)のように定常状態への復帰も遅くなる。
【0041】上記したように、吐出量制御型ヘッドを使
って多値の画像情報に基づいて階調記録を行う場合は、
インクを吐出すか否かの2値の画像情報に基づく2値記
録の場合と異なり、発熱体19へ入力される信号が画素毎
に変化する。つまり、小さい液滴を吐出したり、大きい
液滴を吐出したりする順序には規則性がないため、ノズ
ル24の吐出口部におけるインク液面の後退量や定常状態
への復帰時間が一定にならない。
【0042】これと比較して、吐出量を変えることな
く、インクを吐出するか否かで画像を形成するいわゆる
2値記録の場合は、メニスカスの後退量や定常状態への
復帰時間が一定であるため、連絡した駆動パルスを入力
しても、一定のインク吐出量を得ることができる。つま
り、一定の画素径が得られるので、適正な2値記録が行
える。
【0043】従来は、上述した階調記録の場合も2値記
録と同じ吐出頻度で駆動パルスが入力されていたため、
吐出動作毎に吐出口部のインク液面の位置が常に同じで
あるという可能性が少なく、従って、必ずしも所望のイ
ンク吐出量(画素径)が得られるとは限らなかった。従
来から種々検討されているインクの吐出量を変えて、記
録を行う方法は、この点の検討が不十分であったため、
高画質の階調記録ができていなかった。
【0044】図7各図はサーマルインクジェットヘッド
の発熱体に印加するパルス波形図である。横軸は時間
で、縦軸は駆動電圧である。図7(a)は2値記録によ
るベタ印写時のパルス波形であって、ベタ印写を最も効
率良く印写するために、ヘッドで駆動できる最大駆動周
波数(fmax ) で入力パルスが入力される。図(b)は
2値記録により文字などの画像情報に応じて入力される
駆動パルスの波形である。この図(b)の場合も、画像
情報が連続する時の駆動周波数は図(a)の場合と同じ
fmax で駆動される。
【0045】図(c)は画像情報に応じて駆動電圧を変
えてインクの吐出量を変える、いわゆる多値記録の場合
に入力される駆動パルスの波形である。この波形は、上
記図5及び図6を用いて説明した所望の画素径が得られ
ない階調記録法の駆動パルスである。すなわち、図
(a)および(b)の2値記録の場合と同じ頻度(fma
x)で一定の連続した駆動パルスを入力する場合であ
る。
【0046】これに対して、図(d)、(e)、(f)
は、本実施例における多値記録の場合に入力される駆動
パルスの波形である。図(d)と(c)とを比較する
と、両者は同じパターンの画像情報について印写する場
合であるが、図(c)が2値記録の場合と同じ頻度(f
max )で駆動しているのに対して、図(d)ではfmax
よりも遅い駆動周波数でパルスが入力されている点が異
なる。
【0047】このように、多値情報により階調記録を行
う場合は、2値記録を行う場合のインクの吐出頻度(f
max )、すなわち駆動パルスの周波数よりも遅くするこ
とにより、先のインク吐出動作による吐出口部のインク
液面が完全に定常状態になってから次の吐出動作を行う
ことができる。このため、入力される駆動パルスの大小
に応じて正確に吐出量を変化させることが可能となり、
所望の画素径が得られるので、高品位な階調記録を行う
ことができる。
【0048】また、図(d)は、画像情報に応じて駆動
電圧を変える例を示したものであるが図(e)は駆動パ
ルス幅を変える例である。このように、このように発熱
体19への駆動エネルギーの入力変化は、駆動電圧だけで
なく、駆動パルス幅を変えることによっても実現するこ
とができる。ただし、駆動パルス幅を変える場合には、
安定した膜沸騰気泡を発生するために、できるだけ短時
間に大きなエネルギーを入力することが望ましい。この
ため、パルス幅は長くても50μs以内、より好ましくは
30μs以内の範囲で変化させるのが望ましい。
【0049】また、図(f)では、1つの画素も得るた
めの入力エネルギーの変化として、パルス数を変化させ
ることによっても実現することができる。このようにパ
ルス数を変える場合は、1つのパルス群内で発生させる
パルスの頻度を適当に選ぶことにより、微小な複数の飛
翔液滴22を発生させたり、あるいは、飛翔液滴22を1つ
だけにすることも可能となる。例えば、1つのパルス群
内における駆動パルス発生頻度を30〜50khz で駆動させ
ると、米国特許4.503.444 号公報に記載されているよう
に、駆動パルス数に応じた微小なインクの液滴、あるい
は、それらがつながって駆動パルス数に応じた節が形成
されたインク柱を得ることができる。さらに、図(f)
のように、パルス幅を長くして入力エネルギーを変える
場合で、単に1つの長いパルスを2〜3個に分割したよ
うな場合は、発熱体19上では1つの気泡が発生し、ノズ
ル24の吐出口より1つの飛翔液滴22を吐出することがで
きる。このように、1つの駆動パルスを分割することに
よってパルス数を変化させる利点は、長い駆動パルスを
入力するより、分割した複数のパルスを入力して、トー
タルのエネルギーをほぼ同じにすることにより、発熱体
の耐久性を向上させることができる点である。
【0050】以上述べたように、本実施例の液体噴射記
録方法は、画像情報に応じてインクの吐出量を変える、
いわゆる多値記録時において、同じサーマルインクジェ
ットヘッドを用いて2値記録を行う場合のインクの吐出
頻度よりも低くすることにより、ノズルの吐出口部のイ
ンク液面を定常状態に安定させてから次の吐出動作を行
うようにしたものである。従って、所望の吐出量で液滴
を飛翔させることにより、画像情報に忠実な画素径が得
られ、高品位な階調記録を実現することができる。
【0051】また、上記図(d)、(e)、(f)以外
の液体噴射記録方法としては、例えば、1つの吐出口に
対して複数の発熱体を配設し、その複数の発熱体で発生
する複数個の気泡の発生タイミングをコントロールする
ことによって、インクの吐出量を変えるというような方
法においても、本発明を好適に適用することができる。
【0052】以下の各実施例では、さらに具体的な作用
及びその効果について説明する。 第1実施例 図1に示すような構造の発熱体基板を用い、インクを吐
出するノズルが形成された流路板として、感光性ガラス
をエッチングしたものを使用して両者を接合し、図9に
示すようなEDGE SHOOTERタイプのヘッドを
形成する。このような構成のヘッドを用いて、従来法に
よる図7(c)の駆動パルスと、本発明による図7
(d)の駆動パルスとを入力して、比較を行った。
【0053】本第1実施例における発熱体19は、24μm
×160μmの大きさで、その抵抗値は、120 Ωのものが
用いられている。ノズルの吐出口サイズは、28μm×28
μmであり、吐出口から発熱体の先端部までの距離は18
0 μmである。そして、使用インクはヒューレット・パ
ッカード社製の「Desk Jet」を用いて、三菱製紙製の
マットコート紙NMに印写した。画素径の測定サンプル
数はn=10とした。上記ヘッドを使い、駆動電圧25V、
駆動パルス幅6μs、連続駆動周波数4.2 khzで駆動パ
ルスを発生させる。
【0054】まず、図7(a)のパルス波形の場合(た
だし、図(a)の場合は全面ベタ印写され、そのままで
は画素径が測定できないので、紙を通常より速く移動さ
せて各画素が独立するようにした。)、得られた画素径
は約105 μmであった。次に、図7(b)のパルス波形
を入力したところ、約106 μmであって、図(a)と略
同じ画素径が得られた。
【0055】また、図7(c)のように、駆動電圧を画
像情報に応じて23V〜30Vまで変えて印字したところ、
各画素径は60μm〜150μmまで変化していることがわ
かったが、それらは、必ずしも入力パルスに応じた変化
ではなかった。つまり、駆動電圧が低い時には小さく、
高い時には大きい画素が得られたわけではなく、大小さ
まざまな画素が得られただけであった。
【0056】さらに、図7(d)のパルス波形を入力す
る。つまり図(c)の場合((c):fmax =4.2 KH
z)よりも若干駆動周波数を落として入力したものであ
る((d):fmax =3KHz)。このようにして印写
したところ、得られた画素径は、82μm〜150 μmまで
変化し、さらに、その画素径の大小は入力電圧の変化に
対応した大きさになっていることがわかった。つまり、
一番低い23Vの時には82μmの画素が得られ、一番高い
30Vの時には、150 μmの画素が得られた。このよう
に、画像情報に応じて所望の画素径が得られるので、従
来の駆動パルス印加時よりも高品位な画像を形成するこ
とができた。
【0057】第2実施例 本第2実施例では、上記第1実施例と同じヘッドを用い
て、駆動電圧を25Vに固定し、図7(e)のような駆動
パルス波形を加えた。つまりパルス幅を画像情報に応じ
て3〜10μs変化させ、連続駆動部におけるfmax は3
KHzとしたところ、得られた画素径は76μm〜165 μ
mという具合に変化し、パルス幅の大小に応じて忠実に
画素径が変化することがわかった。このため、第1実施
例と同様に高品位の画質が得られた。
【0058】第3実施例 本第3実施例では、図10に示すような、SIDE SH
OOTERタイプのヘッドを試作し、図7(f)のよう
な駆動パルス波形を加えた。本第3実施例における発熱
体19は、40μm×40μmの大きさで、その抵抗値は32Ω
である。ノズルの吐出口のサイズは、φ35μmの円形
で、吐出口から発熱体面までの距離が25μmである。使
用インク、用紙及び画素径測定サンプル数は、第1実施
例と同様のものを用いた。
【0059】上記ヘッドを用いて、駆動電圧を15Vと
し、駆動パルス幅を4μs、連続駆動周波数が5KHz
で駆動した場合において、まず、図7(a)のようなパ
ルス波形を印加した場合は、全面ベタ印写されるため、
第1実施例と同様に用紙の移動速度を通常より速くして
実施した。ここで得られた画素径は、約75μmであっ
た。
【0060】次に、図7(f)に示すように、1つの画
素を形成するための入力パルスが複数のパルス群から構
成されており、各パルス群の発生頻度、すなわち各パル
ス群を連続して発生させる時の周波数を、前記の連続駆
動周波数7KHzよりも遅い4KHzに設定し、画像情
報に応じて1つの画素を形成するためのパルス数を変え
て印写したところ、パルス数に応じた忠実な画素径の変
化を得ることができた。この時、各パルス群内における
1つのパルスは、駆動電圧が20Vで、パルス幅を1μs
とし、各パルス群内の隣接パルスの周波数を50KHzと
して発生させたものである。つまり、パルスを発生した
後に次のパルスは20μs後に発生させる。この時、各パ
ルスの数を1〜10パルスまで変化させたところ、そのパ
ルス数に応じて画素径を28μm〜256 μmまで変化させ
ることができた。また、さらにパルス数を11パルス以上
に増加させたところ、安定した飛翔が得られなくなり、
インクを液滴として吐出することが不可能となった。そ
こで、本発明者らは、11パルス以上加えた場合にどのよ
うな現象が発生したのかを確認するために、上記の発熱
体基板をインクから塗料成分を除去した透明な溶液(Ve
hicle 溶液)中にしずめて、発生する気泡を観察したと
ころ、11パルス以上の場合には、発生した気泡がそのま
ま発熱体上に残ったまま消滅しないでいる状態が観察さ
れた。つまり、発熱体の放熱が間に合わなくなり、蓄熱
現象が発生するものと推測される。
【0061】以上の結果に基づいて、駆動パルスの周波
数を変えて1つの画素径を変化させる場合の連続する複
数のパルスは、少なくとも 200μs以内で与えられるこ
とが必要であることが分かった。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、先のイン
ク吐出動作により吐出口のインク液面が定位置に戻って
から、次の吐出動作が開始するようにした。このため、
先のインクの吐出量に関わらず、次のインク吐出量を正
確に制御することが可能となり、所望の画素径が得られ
るので、高品位の画像形成が行える。
【0063】請求項2記載の発明によれば、2値記録を
行う場合よりも多値情報に基づいて諧調記録を行う場合
に、発熱体へ印加する駆動パルスの周波数を低くして、
インクの吐出頻度を低下させている。これにより、イン
クの吐出量が変化しても吐出口部のインク液面が戻らな
いうちに次の吐出動作が開始されることがなくなり、画
像情報に忠実な画素径を実現して、高品位な画像を形成
することができる。
【0064】請求項3記載の発明によれば、画像情報に
基づいてインクの吐出量を変える際に、1つのパルスに
与えられる情報としては、パルス電圧やパルス幅を変え
ることによって与えられ、パルス数を変えて行う場合は
連続する複数のパルスを 200μs以内で与えるようにす
る。これにより、適正な画素径の制御が可能となり、高
品位の画像形成が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体噴射記録方法の一実施例に用
いられる発熱部の平面図である。
【図2】図1の発熱部の断面図である。
【図3】吐出量制御型ヘッドにおいて印加エネルギーの
小なる場合のインク飛翔原理説明図であり、(a)は平
面図、(b)断面図、(c)は画素径を示す図である。
【図4】吐出量制御型ヘッドにおいて印加エネルギーの
大なる場合のインク飛翔原理説明図であり、(a)は平
面図、(b)断面図、(c)は画素径を示す図である。
【図5】吐出量制御型ヘッドにおいて印加エネルギーの
小なる場合の吐出口部のインク液面の挙動を示す図であ
り、(a)〜(g)の各図はそのインクの吐出動作を順
に説明する図である。
【図6】吐出量制御型ヘッドにおいて印加エネルギーの
大なる場合の吐出口部のインク液面の挙動を示す図であ
り、(a)〜(g)の各図はそのインクの吐出動作を順
に説明する図である。
【図7】サーマルインクジェットヘッドの発熱体に印加
するパルス波形図であり、(a)〜(c)は従来までの
パルス波形図であり、(d)〜(f)は本発明に係るパ
ルス波形図である。
【図8】従来の液体噴射記録方法におけるインクの飛翔
原理を説明する図であり、(a)〜(g)の各図はイン
クの吐出動作を各段階毎に説明する図である。
【図9】エッジシュータ型インクジェット記録ヘッドの
要部切断図である。
【図10】サイドシュータ型インクジェット記録ヘッドの
要部切断図である。
【図11】図10におけるインクの飛翔原理を説明する図で
あり、(a)〜(e)の各図はインクの吐出動作を各段
階毎に説明する図である。
【図12】ヒータに印加するパルス形状とこれによって生
成される気泡の形状を示す図であり、(a)〜(c)は
気泡の形状を横から見た図、(d)〜(e)はその印加
パルス形状を示す図である。
【符号の説明】
19 発熱体(熱エネルギ作用部) 20 放熱体 21 インク(記録液体) 22 液滴 23 気泡 24 ノズル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録液体を収納し、その記録液体を熱によ
    って気泡を発生させて、気泡の体積増加に伴う作用力を
    発生させる熱エネルギー作用部を付設した流路を備え、
    その流路と連絡して記録液体を作用力によって吐出口よ
    り吐出させる際に、記録する画像情報に応じて前記熱エ
    ネルギー作用部より発生させる気泡の大きさ、気泡の
    数、又は複数の気泡を発生させるタイミングを変えて記
    録液体の吐出量を変える液体噴射記録方法において、 先行する吐出動作によって移動した吐出口部の記録液体
    面がほぼ定位置に戻ってから次の吐出動作を行うように
    したことを特徴とする液体噴射記録方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液体噴射方法において、 多値情報からなる画像情報に基づいて、記録液体の吐出
    量を変えて階調記録を行う場合の記録液体の吐出頻度
    を、2値情報からなる画像情報に基づいて、ほぼ一定量
    の記録液体を吐出して2値記録を行う場合の記録液体の
    吐出頻度よりも低くして記録することを特徴とする液体
    噴射記録方法。
  3. 【請求項3】前記多値情報が、 1つのパルスに対して情報が与えられている場合は、パ
    ルス電圧もしくはパルス幅を変えることにより与えら
    れ、 パルス数を変えることによって情報が与えられている場
    合は、連続する複数のパルスが少なくとも200μs以
    内で与えられて、 1つの画素を形成するようにしたことを特徴とする請求
    項2記載の液体噴射記録方法。
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