JP2001353867A - 記録ヘッドとインクジェット記録装置及び記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

記録ヘッドとインクジェット記録装置及び記録ヘッドの製造方法

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JP2001353867A
JP2001353867A JP2000181298A JP2000181298A JP2001353867A JP 2001353867 A JP2001353867 A JP 2001353867A JP 2000181298 A JP2000181298 A JP 2000181298A JP 2000181298 A JP2000181298 A JP 2000181298A JP 2001353867 A JP2001353867 A JP 2001353867A
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diaphragm
pattern
electrode
liquid chamber
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Nobuaki Kondo
信昭 近藤
Yoichiro Miyaguchi
耀一郎 宮口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高画質の画像を形成することができるとともに
インク吐出の高速化と低電圧化を図る。 【解決手段】電極基板14に、アレイ状に配列されたノ
ズル15の配列方向で深さが徐々に変化する傾斜面で形
成された個別電極20を設ける。振動板19と個別電極
20の間隙が微小間隙から連続的に大きく変化するよう
にして振動板19と個別電極20の間に加える電位差を
変え、振動板20の変位量を精度良く可変するようにし
てインク滴の吐出特性を多様化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インク液滴をノ
ズルから吐出させる記録ヘッドとインクジェット記録装
置及び記録ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録装置は記録時の騒音
発生が無視できる程度に小さい点でオフィス用等として
注目されている。そのうち高速記録可能で、かつ普通紙
に特別の定着処理を要せずに記録できるインクジェット
記録装置が近年多く使用されている。このインクジェッ
ト記録装置のなかで特にオンデマンド方式は従来のイン
パクト方式の記録装置などと比べると、動作音が小さい
ことや、高精細な画像を出力できることなどの特徴を有
し、近年は急速に普及している。
【0003】このオンデマンド方式の記録装置は、その
駆動方法からアクチュエータ方式と熱エネルギによりイ
ンク滴を吐出する方式に分類される。アクチュエータ方
式は圧電振動子などのアクチュエータでインク流路の壁
の一部を振動板として変形させることによりインクを押
し出す方式であり、インクを噴射する複数のノズルと加
圧液室をアレイ状に設け、共通液室から流体抵抗路を介
して各加圧液室に供給して充満しているインクの圧力を
加圧液室の一面に配置された振動板に圧電振動子を接合
し、圧電振動子により振動板を変位させ、この振動板の
変位によりノズルからインクを吐出させて記録紙等の記
録媒体に印字する。熱エネルギを利用した方式は薄膜の
抵抗加熱体によりインクを局所的に加熱して気泡を発生
させ、気泡の体積増大によりインクを吐出させて記録紙
等の記録媒体に印字する。
【0004】近年、出力画像の高品質化と出力速度の高
速化が要求されており、より小滴なインク滴をより高い
周波数で安定して吐出させることができる高密度の記録
ヘッドの開発が要望されている。しかしながら圧電振動
子を用いた記録ヘッドを高密度化するためには加圧液室
の幅も高密度化に対応した微少寸法にするため振動板の
板厚も数ミクロンと薄くする必要がある。この振動板を
研磨等の方法により数ミクロンの板厚に形成することは
加工精度上極めて困難である。また、熱エネルギを利用
した記録ヘッドは駆動手段が薄膜の抵抗加熱体により形
成されるため、上記のような問題はないが、薄膜の抵抗
加熱体が急速な加熱と冷却の繰り返すため、抵抗加熱体
が損傷して記録ヘッドの寿命が短くなってしまう。
【0005】これらの短所を解消するために、ノズルを
有する加圧液室の一面に設けた振動板と個別電極の間に
電圧を印加して正又は負の電荷をそれらに与えて振動板
を個別電極側に静電的吸引又は反発させて変形させ、加
圧液室のインクをノズルから吐出させて記録紙に印字す
る静電気力を利用した記録ヘッドが特開平6−1269
56号公報や特開平9−20007号公報等に開示され
ている。このインクをノズルから吐出させるための振動
板と個別電極の構成は、薄く加工された振動板に対して
個別電極を一定間隔をおいて平行に配置し、振動板と個
別電極の短絡を防止するため個別電極に絶縁層を設けて
いる。この静電気力を利用した記録ヘッドは小型高密度
化がはかれるとともに高印字品質で長寿命であるという
利点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら振動板と
個別電極の間の間隙を平行にしている場合、振動板と個
別電極間の間隙を高精度に形成することはプロセス上容
易でなく、振動板と個別電極の平行度を精度良く出すの
は困難である。このため振動板は個別電極との間隙が最
短距離の部分から変位を開始してしまい、変位開始点や
変位量が変動してインクを安定して吐出できず高品質の
画像を形成しにくい。また、インク吐出の多様化や高速
化あるいは低電圧化が図れない等の問題がある。この問
題を解消するために、特開平9−39229号公報や特
開平9−39235号公報に示された記録ヘッドは、振
動板と個別電極間の長手方向の間隙を大中小の段状に
し、振動板と個別電極の間の電位差を変えて振動板の変
位量を変化させて高画質の画像を形成するようにしてい
る。しかしながら振動板と個別電極間の長手方向の間隙
を大中小の段状にする場合も、各段階で振動板と個別電
極間の平行度を出す必要があり、振動板と個別電極間の
間隙を精度良く形成することは困難であった。
【0007】この発明はかかる短所を改善し、高画質の
画像を形成することができるとともにインク吐出の高速
化と低電圧化を図ることができる記録ヘッドとインクジ
ェット記録装置及び記録ヘッドの製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る記録ヘッ
ドは、複数のノズルがアレイ状に設けられた液室基板と
振動板基板と電極基板が積層され、液室基板と振動板基
板でノズルに連通する加圧液室を形成し、加圧液室の一
面には振動板を有し、電極基板には振動板と対向して個
別電極が設けられた記録ヘッドにおいて、電極基板に、
アレイ状に配列されたノズルの配列方向で深さが徐々に
変化する傾斜面で形成された個別電極を設けたことを特
徴とする。この個別電極の表面に絶縁材料からなる保護
膜を有すると良い。
【0009】この発明に係るインクジェット記録装置は
上記記録ヘッドを有することを特徴とする。
【0010】この発明に係る記録ヘッドの製造方法は、
複数のノズルがアレイ状に設けられた液室基板と振動板
基板と電極基板が積層され、液室基板と振動板基板でノ
ズルに連通する加圧液室を形成し、加圧液室の一面には
振動板を有し、電極基板には振動板と対向して個別電極
が設けられた記録ヘッドの製造方法において、平坦な絶
縁基板の表面上に導電層を形成し、導電層の表面にフォ
トレジスト層を形成する。フォトレジスト層を濃度が変
化するグラデ−ションパタ−ンを有するフォトマスクを
用い露光し現像して傾斜を有するフォトレジストパター
ンを形成し、フォトレジストパターンをマスクとして導
電層をエッチングして傾斜面を有する個別電極を形成し
て電極基板を作製することを特徴とする。
【0011】上記個別電極が形成された電極基板の表面
に可動性アルカリイオンを1〜15重量%含むガラス保
護膜を形成すると良い。
【0012】また、記録ヘッドを製造するときに、第1
のパターン部と第2のパターン部と第3のパターン部を
有し、第1のパターン部は黒100%のパターンで形成さ
れ、第3のパターン部は黒0%のパターンで形成されて
いる。第2のパターン部は第1のパターン部との境界か
ら第3のパターン部の境界との間で黒100%の状態から
黒0%の状態に濃度が変化し、第1のパターン部との境
界側から第3のパターン部の境界側にかけて次第に黒10
0%の面積が小さくなる複数の黒パターンを有するグラ
デ−ションパタ−ンで形成されているフォトマスクを使
用してフォトレジストパターンを形成し、形成したフォ
トレジストパターンをマスクとして導電層をエッチング
して個別電極の傾斜面を形成すると良い。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の記録ヘッドは、液室基
板と振動板基板と電極基板が接合されて積層されてい
る。液室基板には複数のノズルがアレイ状に設けられて
いる。この記録ヘッドは各ノズル毎に、液室基板と振動
板基板で個々のノズルに連通する加圧液室と流体抵抗路
を形成し、流体抵抗路は共通液室に連通している。加圧
液室の一面には振動板を有する。電極基板にはアレイ状
に配列されたノズルの配列方向に沿って振動板との間隔
が徐々に変化する傾斜面を有する個別電極を有し、その
上に保護膜が設けられている。
【0014】この電極基板を製作するときは、平面基板
からなる絶縁基板の表面に、金属又は導電性セラミック
ス等の導電材料で導電層を形成し、導電層の表面にフォ
トレジスト層を形成する。このフォトレジスト層を濃度
が変化するグラデ−ションパタ−ンを有するフォトマス
クを用い露光し現像して、傾斜を有するフォトレジスト
パターンを形成する。このフォトレジストパターンをマ
スクとして導電層をエッチングして傾斜面を有する個別
電極を形成する。
【0015】この傾斜面を有する個別電極が設けられた
電極基板に振動板基板を接合する。この電極基板に振動
板基板を接合するとき、個別電極の上端面に振動板基板
を接合することにより、振動板を個別電極に対して精度
良く配置することができる。また、振動板と個別電極の
間隙が微小間隙から連続的に大きく変化するから、振動
板と個別電極の間に加える電位差を変えることにより振
動板の変位量を精度良く可変することができ、ノズルか
らインクを吐出させるときのインク滴の大きさや吐出量
との吐出特性を多様化できる。
【0016】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の構成図である。
図に示すように、インクジェットプリンタ1はシアン
C,マゼンタM、イェロY,ブラックBkの各色のイン
クをそれぞれ収納した4個のインクカートリッジ2と、
複数のノズルを有し各インクカートリッジ2からインク
が供給される4個の記録ヘッド3と、インクカートリッ
ジ2と記録ヘッド3を搭載したキャリッジ4と、記録紙
を収納した給紙トレイ5a,5bや手差しテーブル6か
ら記録紙を印字部7に搬送する搬送ローラ8と、印字し
た記録紙を排紙トレイ9に排出する排出ローラ10を有
する。そしてホスト装置から送られる画像データを記録
紙に印字するときは、キャリッジ4をキャリッジガイド
ローラ11に倣って走査しながら、搬送ローラ8により
印字部7に送られた記録紙に記録ヘッド3のノズルから
画像データに応じてインクを噴射して文字や画像を記録
する。
【0017】記録ヘッド3は、図2の斜視図に示すよう
に、液室基板12と振動板基板13と電極基板14が接
着剤や陽極接合などにより接合されて積層されている。
液室基板12には複数のノズル15がアレイ状に設けら
れている。この記録ヘッド3は各ノズル15毎に、図2
の長辺A−A方向に沿う図3の断面図に示すように、液
室基板12と振動板基板13でノズル15に連通する加
圧液室16と流体抵抗路17を形成し、流体抵抗路17
は共通液室18に連通している。加圧液室16の一面に
は振動板19を有する。電極基板14には振動板19と
対向して個別電極20が設けられ、個別電極20の上に
保護膜21を有する。各個別電極20にはコンタクト部
22が設けられ、コンタクト部22にはプリント配線板
であるFPCが接続されている。この各個別電極20
は、アレイ状に配列されたノズル15の配列方向である
図2の短辺B−B方向に沿う図4の断面図に示すよう
に、振動板19と対向する面に、振動板19との間隔が
徐々に変化する傾斜面23と、傾斜面23の上端部に設
けられた平面部24を有し、各個別電極20の傾斜面2
3の下端部には各個別電極20を区画する平面部25が
形成され、個別電極20と平面部25の上に保護膜21
が設けられている。
【0018】この傾斜面23を有する個別電極20が設
けられた電極基板14の製造方法を説明するにあたり、
まず個別電極20の傾斜面23を形成するためのフォト
マスクについて、図5を参照して説明する。
【0019】個別電極20の傾斜面23を形成するフォ
トマスク30には、図5(a)の平面図に示すように、
第1のパターン部31と第2のパターン部32と第3の
パターン部33を有する。第1のパターン部31は個別
電極20の上端の平面部24を形成する部分であり、図
5(b)の濃度変化特性図に示すように、黒100%のパ
ターンで形成されている。第3のパターン部33は個別
電極20を区画する傾斜面23の下端部に設けられた平
面部25を形成する部分であり、黒0%のパターンで形
成されている。第2のパターン部32は個別電極20の
傾斜面23を形成する部分であり、図5(b)の濃度変
化特性図に示すように、第1のパターン部31との境界
34から第3のパターン部33の境界35との間で黒10
0%の状態から黒0%の状態に濃度が変化し、第1のパ
ターン部32との境界35側から第3のパターン部33
の境界35側にかけて次第に黒100%の面積が小さくな
る複数の黒パターン36を有するグラデ−ションパタ−
ンで形成されている。
【0020】このフォトマスク30を用いてフォトレジ
スト40を露光して現像すると、図5(c)に示すよう
に、フォトマスク30の第1のパターン部31に対応し
た部分41にはフォトレジストが平坦に残り、第2のパ
ターン部32に対応した部分42には第2のパターン部
32のグラデ−ションパタ−ンに応じてフォトレジスト
が除去されて傾斜を帯び、第3のパターン部33に対応
した部分43のフォトレジストは全て除去されたフォト
レジストパターン44が形成される。このフォトレジス
トパターン44をマスクとして導電材料45をエッチン
グすることにより、図5(d)に示すように、導電材料
45を平面部25で分離して傾斜面23と傾斜面23上
端の平面部24を形成することができる。なお、フォト
マスク30は図5(a),(b)に示すようにグラデ−
ションパタ−ンで形成されたもののほかに光透過率を変
えていくタブレットマスクや、一定の寸法の開口窓数を
変えていくマスク等を使用しても良い。
【0021】このフォトマスク30を用いて電極基板1
4を製造する方法を図6の工程図を参照して説明する。
【0022】まず、図6(a)に示すように、表面を精
密に研磨して洗浄した、例えば厚さが0.7mmの低ア
ルカリガラス(日本電気硝子製)からなる絶縁基板51
の表面に、例えばNi−CrやAl,W,Ti,Cr,
Ni,Mo等の金属又はSiC,BCの導電性セラミッ
クス等の導電材料をスパッタリング又は蒸着により付着
させて導電層52を成膜する。この導電層52の表面に
フォトレジストをスピンコ−ト法で塗布して、図6
(b)に示すようにフォトレジスト層53を形成する。
このフォトレジスト層53を、図5(a),(b)に示
すグラデ−ションパタ−ンを有するフォトマスク30を
用い露光して現像する。このグラデ−ションパタ−ンを
有するフォトマスク30を用い露光して現像すると、図
6(c)に示すように、導電層52の表面に傾斜を有す
るフォトレジストパターン44が形成される。このフォ
トレジストパターン44をマスクとして導電層52をイ
オンビ−ムエッチング又はリアクティブイオンエッチン
グ等のドライエッチングを適用し、エッチングガスとし
て塩素系ガスと酸素の混合ガスを用いてエッチング加工
する。このエッチングにより、図6(d)に示すよう
に、フォトマスク30の黒0%の第3のパターン部33
に相当する導電層52が全て除去され絶縁基板51の表
面が表れる。その後、残っているフォトレジストパター
ン44を剥離すると、図6(e)に示すように、フォト
マスク30の第2のパターン部32に対応した傾斜面2
3と第1のパターン部31に対応して傾斜面23の上端
部に設けられた平面部24を有する各個別電極20が分
離して形成される。この各個別電極20と絶縁基板51
の表面に、例えば可動性アルカリイオンを10重量%含
むガラス膜をスパッタ装置を用いて例えば0.2μm成
膜して、図6(f)に示すように保護膜21を形成す
る。そして各個別電極20のコンタクト部22の保護膜
21をフォトリソグラフィとBHF(バッファ−フッ
酸)により除去して電極基板14を完成する。この保護
膜21を形成するときに可動性アルカリイオンの範囲は
1〜15重量%、好ましくは5〜10重量%が望まし
い。これは可動性アルカリイオンが少ないと陽極接合に
時間を要し、逆に性アルカリイオンが多い場合には膨張
率が大きくなり良好な接合が得られなくなるからであ
る。
【0023】この短辺方向に形成された傾斜面23を有
する個別電極20が設けられた電極基板14に振動板基
板13を接合するときは、電極基板14と振動板基板1
3を250℃〜400℃に加熱し、振動板基板13側を
プラスの電位とし、電極基板14の各個別電極20をマ
イナスの同電位にして300V〜1KV程度の電荷をか
けて陽極接合にて接合する。この電極基板14に振動板
基板13を接合するとき、個別電極20の上面の平面部
24に振動板基板13を接合することにより、振動板1
9を個別電極20に対して精度良く配置することができ
る。また、振動板10と個別電極20の間隙が微小間隙
から連続的に大きく変化するから、振動板10と個別電
極20の間の電位差を変えることにより振動板10の変
位量を精度良く可変することができる。したがって振動
板19を変位させてノズル15からインクを吐出させる
ときのインク滴の大きさや吐出量との吐出特性を多様化
でき、高品質な画像を安定して形成することができる。
例えば、図4に示すように、個別電極20の高さMgが
0.3μmになるように個別電極20を形成し、その上
に膜厚0.2μmの保護膜21を形成して、192個の
記録ヘッド3を作製した。この記録ヘッド3の振動板1
9と個別電極20の間の最大実効ギャップは0.5μm
±10%の範囲に分布し、実際の印字試験において良好
な印字を行なうことができた。
【0024】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、電極基
板に、アレイ状に配列されたノズルの配列方向で深さが
徐々に変化する傾斜面で形成された個別電極を設けるこ
とにより、振動板と個別電極の間隙が微小間隙から連続
的に大きく変化するから、振動板と個別電極の間に加え
る電位差を変えることにより振動板の変位量を精度良く
可変することができ、ノズルからインクを吐出させると
きのインク滴の大きさや吐出量との吐出特性を多様化す
ることができる。
【0025】また、個別電極の表面に絶縁材料からなる
保護膜を設けるこにより、振動板が個別電極に接触する
ことを防いで安定してインクを吐出させることができ
る。
【0026】この記録ヘッドをインクジェット方式のプ
リンタや複写機,ファクシミリ等の記録装置に使用する
ことにより、安定した噴射特性でインク滴をノズルから
吐出させることができ、高画質の画像を安定して形成す
ることができる。
【0027】また、電極基板を作製するときに、平坦な
絶縁基板の表面上に導電層を形成し、導電層の表面にフ
ォトレジスト層を形成する。フォトレジスト層を濃度が
変化するグラデ−ションパタ−ンを有するフォトマスク
を用い露光し現像して傾斜を有するフォトレジストパタ
ーンを形成し、フォトレジストパターンをマスクとして
導電層をエッチングして傾斜面を有する個別電極を形成
することにより、簡単な工程で傾斜面を有する個別電極
を精度良く形成することができる。
【0028】さらに、個別電極が形成された電極基板の
表面に可動性アルカリイオンを1〜15重量%含むガラ
ス保護膜を形成することにより、振動板と個別電極の短
絡を確実に防止するとともに電極基板と振動板基板を低
温で陽極接合により精度良く接合することができる。ま
た、スペーサを使用せずに振動板と電極基板を間隔を保
護膜で精度良く保持することができるから、電極基板と
振動板基板の接合工程を簡略化することができる。
【0029】また、記録ヘッドを製造するときに、第1
のパターン部と第2のパターン部と第3のパターン部を
有し、第1のパターン部は黒100%のパターンで形成さ
れ、第3のパターン部は黒0%のパターンで形成されて
いる。第2のパターン部は第1のパターン部との境界か
ら第3のパターン部の境界との間で黒100%の状態から
黒0%の状態に濃度が変化し、第1のパターン部との境
界側から第3のパターン部の境界側にかけて次第に黒10
0%の面積が小さくなる複数の黒パターンを有するグラ
デ−ションパタ−ンで形成されているフォトマスクを使
用してフォトレジストパターンを形成し、形成したフォ
トレジストパターンをマスクとして導電層をエッチング
して個別電極の傾斜面を形成するから、個別電極の傾斜
面を簡単な工程で精度良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のインクジェットプリンタの
構成図である。
【図2】記録ヘッドの斜視図である。
【図3】図2のA−A方向に切断した断面図である。
【図4】図2のB−B方向に切断した電極基板の断面図
でる。
【図5】フォトマスクの構成とその作用を示す説明図で
ある。
【図6】電極基板の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1;インクジェットプリンタ、2;インクカートリッ
ジ、3;記録ヘッド、4;キャリッジ、12;液室基
板、13;振動板基板、14;電極基板、15;ノズ
ル、16;加圧液室、19;振動板、20;個別電極、
23;傾斜面、24,25;平面部、30;フォトマス
ク、44;レジストパターン、51;絶縁基板、52;
導電層、53;フォトレジスト層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルがアレイ状に設けられた液
    室基板と振動板基板と電極基板が積層され、液室基板と
    振動板基板でノズルに連通する加圧液室を形成し、加圧
    液室の一面には振動板を有し、電極基板には振動板と対
    向して個別電極が設けられた記録ヘッドにおいて、 電極基板に、アレイ状に配列されたノズルの配列方向で
    深さが徐々に変化する傾斜面で形成された個別電極を設
    けたことを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記個別電極の表面に絶縁材料からなる
    保護膜を有する請求項1記載の記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の記録ヘッドを有
    することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 複数のノズルがアレイ状に設けられた液
    室基板と振動板基板と電極基板が積層され、液室基板と
    振動板基板でノズルに連通する加圧液室を形成し、加圧
    液室の一面には振動板を有し、電極基板には振動板と対
    向して個別電極が設けられた記録ヘッドの製造方法にお
    いて、 平坦な絶縁基板の表面上に導電層を形成し、導電層の表
    面にフォトレジスト層を形成する。フォトレジスト層を
    濃度が変化するグラデ−ションパタ−ンを有するフォト
    マスクを用い露光し現像して傾斜を有するフォトレジス
    トパターンを形成し、フォトレジストパターンをマスク
    として導電層をエッチングして傾斜面を有する個別電極
    を形成して電極基板を作製することを特徴とする記録ヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記個別電極が形成された電極基板の表
    面に可動性アルカリイオンを1〜15重量%含むガラス
    保護膜を形成する請求項4記載の記録ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の記録ヘッドの製造
    方法において、 第1のパターン部と第2のパターン部と第3のパターン
    部を有し、第1のパターン部は黒100%のパターンで形
    成され、第3のパターン部は黒0%のパターンで形成さ
    れている。第2のパターン部は第1のパターン部との境
    界から第3のパターン部の境界との間で黒100%の状態
    から黒0%の状態に濃度が変化し、第1のパターン部と
    の境界側から第3のパターン部の境界側にかけて次第に
    黒100%の面積が小さくなる複数の黒パターンを有する
    グラデ−ションパタ−ンで形成されているフォトマスク
    を使用してフォトレジストパターンを形成することを特
    徴とする記録ヘッドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062546A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの駆動方法、及び液滴吐出装置
JP2017019188A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドの製造方法
JP2017019190A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドの製造方法

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