JPH0756910B2 - スルーホール付配線板の製造方法 - Google Patents

スルーホール付配線板の製造方法

Info

Publication number
JPH0756910B2
JPH0756910B2 JP4343190A JP4343190A JPH0756910B2 JP H0756910 B2 JPH0756910 B2 JP H0756910B2 JP 4343190 A JP4343190 A JP 4343190A JP 4343190 A JP4343190 A JP 4343190A JP H0756910 B2 JPH0756910 B2 JP H0756910B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
insulating substrate
photosensitive resist
layer
etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4343190A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03268384A (ja
Inventor
清隆 脇
昇 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP4343190A priority Critical patent/JPH0756910B2/ja
Publication of JPH03268384A publication Critical patent/JPH03268384A/ja
Publication of JPH0756910B2 publication Critical patent/JPH0756910B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、スルーホール付配線板の製造方法に関し、
詳しくは、電子部品の取り付け用リード線の挿入孔とし
て利用されたり、面実装部品の電気的接続用や両面もし
くは多層配線板における層間の電気的接続用等に利用さ
れたりする、配線板を貫通するスルーホールを備えた配
線板の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
スルーホールを備えた配線板を製造するには、まず、市
販の絶縁基板や銅張積層板等に、スルーホールとなる貫
通孔をあけた後、無電解めっき法あるいはこれと電解め
っき法との併用によって、上記スルーホール用孔の内壁
および基板表面全体に、配線回路となる導体金属層を形
成する。
この導体金属層を所定の配線回路パターンに形成するの
であるが、この回路形成方法には、従来、以下のような
方法が採用されていた。
(1) 第7図に示すように、スルーホール用孔10の内
壁を含む表面全体に導体金属層2が形成された絶縁基板
1に対して、印刷等の手段でスルーホール用孔10を耐エ
ッチング性インクからなる孔埋めインク90で埋めて孔壁
を保護した後、この孔埋めインク90の上から、絶縁基板
1の表面の導体金属層2をエッチングレジスト層91で覆
い、このエッチングレジスト層91を印刷法あるいは写真
法でパターンニングした後、導体金属層2をエッチング
処理することによって回路形成を行う、いわゆる「孔埋
め法」。
(2) 第8図に示すように、スルーホール用孔10の開
口面を塞いで、絶縁基板1の導体金属層2の表面に感光
性ドライフィルム等のフィルム状レジスト92をラミネー
トした後、適宜マスクを通して紫外線を露光現像する等
してフィルム状レジスト92を所定パターンに形成する、
いわゆる「テンティング法」でエッチングパターンを形
成した後、塩化第2銅,塩化第2鉄等のエッチング液で
回路パターン以外の不要な導体金属層2を溶解除去して
回路形成を行う。ついで、有機溶剤あるいは無機のアル
カリ溶液等からなるレジスト剥離液でエッチングレジス
ト92を除去する方法。
上記ふたつの方法が一般的な方法であるが、それ以外の
方法として、(3)導体金属層の回路パターン部のみを
異金属めっきして、選択エッチングによって回路形成す
る、いわゆる「パターンめっき法」、あるいは、(4)
絶縁基板に対して、回路として必要な部分のみに無電解
めっき法で導体金属を析出させる、いわゆる「アディテ
ィブ法」等がある。これらの方法は、例えば、特開昭54
-50872号公報,特開昭60-187095号公報等に開示されて
いる。この他に、(5)フォトレジストをスルーホール
用孔内壁面および導体金属層表面に均一に電着し、写真
法によってパターンニングし、その後、導体金属層をエ
ッチング処理することによって回路形成する、いわゆる
「電着塗装法」もある。
上記した従来方法のうち、(3)の「パターンメッキ
法」は、高密度な回路パターンを精度良く仕上げるには
適しているが、オーバーレイめっきを必要とするため、
製造設備が非常に高価につく欠点がある。また、(4)
の「アディティブ法」は、産業用用途の分野等で最近注
目されているが、特殊な接着剤付き触媒入りの積層板を
用いる必要があるため、やはり製造の手間やコストがか
かるという欠点がある。そして、(5)の「電着塗装
法」は電着液中の樹脂粒子に電荷移動性を付与しうる樹
脂組成であることの必要性から良好な皮膜形成が困難で
ある、電着液の管理等が困難であるという欠点がある。
そのため、従来は、比較的簡単かつ低コストで製造でき
る前記した(1)の「孔埋め法」や(2)の「テンティ
ング法」が一般的に採用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、(1)の「孔埋め法」はスルーホールの信頼性
に乏しいという欠点がある。これは、第7図に示すよう
に、スルーホール用孔10を埋めた孔埋めインク90を乾燥
硬化させる際に寸法収縮を起こすことや、孔埋めインク
90に含まれる溶剤でエッチングレジスト層91が溶解され
ること等によって、スルーホール用孔10の開口チッジ部
Cを覆うエッチングレジスト層91が薄くなり、断線や導
通不良等を起こし易いためである。また、孔埋めインク
90の充填硬化およびエッチングレジスト層91の形成の2
段階の工程が必要で、作業時間が長くかかるという問題
もある。
(2)の「テンティング法」は、感光性ドライフィルム
と呼ばれているフィルム状レジスト92を使用している
が、このフィルム状レジスト92は生産性や取り扱い性の
点から、かなりの厚みを有しており、回路パターンを形
成する際に、100μm以下の微細な回路パターンを形成
することが難しいという欠点がある。フィルム状レジス
ト92の品質改良も行われているが、100μm以下の微細
パターン形成を行おうとすると、各種工程や作業条件の
みならず、フィルム状レジスト92を貼付する導体金属層
2の表面の性状についても細かな管理が必要となり、適
用が困難であった。
また、中空状のスルーホール用孔10の開口面をテント状
に覆った状態でフィルム状レジスト92が形成される、い
わゆるテンティング効果でスルーホール用孔10を覆って
いるので、フィルム状レジスト92のパターン形成を行う
際には、スルーホール用孔10の開口面からかなり外側ま
での広い範囲をフィルム状レジスト92で覆って、フィル
ム状レジスト92を導体金属層2の表面に十分に貼付支持
させておかなければ、前記テンティング効果が発揮でき
ず、スルーホール用孔10を覆うフィルム状レジスト92が
剥がれたり、スルーホール用孔10の内部の導体金属層2
がエッチングされてしまう問題が起きる。
スルーホール用孔10の周囲の広い範囲をフィルム状レジ
スト92で覆った状態で導体金属層2の回路形成を行う
と、例えば、第9図に示すような配線回路パターンにお
いて、絶縁基板両面の導体回路20,20(裏面側の導体回
路は点線で表す)を連結するスルーホール部21では、ス
ルーホール部21の周囲に、導体回路20の線幅よりもはる
かに大きなランド部22が形成されることになる。このよ
うに大きなランド部22があると、その側を通る導体回路
20はランド部22を迂回してパターンニングしなければな
らず、配線回路の微細化,高密度化を大きく阻害する原
因となっていた。
そこで、この発明の課題は、上記した各先行技術の問題
点を解消し、微細パターンの形成が可能で、しかもスル
ーホールの信頼性が高いスルーホール付配線板を、簡単
かつ低コストに製造する方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、この発明にかかるスルーホ
ール付配線板の製造方法は、絶縁基板におけるスルーホ
ールを含む導体金属層のパターンニングを行うための所
定パターンのエッチングレジスト層の形成工程におい
て、絶縁基板全体を、粘度30〜1500cpsであってチキソ
トロピー性値1.2〜9の感光性レジスト液に浸漬し引き
上げることによって、スルーホール用孔の内壁面を含む
絶縁基板の表面全体を感光性レジスト液層で覆い、その
後、この感光性レジスト液層から所定パターンのエッチ
ングレジスト層を形成するようにしている。
請求項2記載のスルーホール付配線板の製造方法は、加
えて、感光性レジスト液が、固形分濃度が60wt%以下で
あってチキソトロピー性調節剤が添加されている。
絶縁基板の材料や構造、導体金属層を構成する導体金属
の材料、導体金属層の形成方法、スルーホール用孔の形
状や寸法および加工方法等は、通常のスルーホール付配
線板と同様に実施できる。
感光性レジスト液に絶縁基板を浸漬し引き上げることに
よって絶縁基板をエッチングレジスト液層で覆う方法
は、通常の合成樹脂形成等において、いわゆる「ディッ
プ法」と呼ばれている方法と同様の方法であり、具体的
な使用装置や工程は、このような通常の「ディップ法」
と同じもので実施できる。例えば、感光性レジスト液に
浸漬する絶縁基板の前処理として、絶縁基板の表面を研
磨したり、濡れ性を向上させる薬品に浸漬したりする場
合がある。また、絶縁基板を感光性レジスト液に浸漬し
た後、脱泡処理してスルーホール用孔の内部に気泡が残
るのを防ぐこと等が行われる場合もある。
感光性レジスト液の成分としては、紫外線硬化および熱
硬化型の樹脂分、例えば、アクリル系モノマー、エポキ
シ系またはノボラック系の反応物等をベースに、通常の
各種光重合開始剤、光重合促進剤、有機溶剤等の希釈
液、熱硬化剤、さらには、下記に述べるチキソトロピー
性調節剤などを配合してなるものである。同調節剤以外
の各配合成分の具体的化合物名等は、通常の配線板製造
に用いられているのと同様のものが使用される。
この発明で使う感光性レジスト液は、固形分濃度が60wt
%以下(好ましくは15〜50wt%)であり、普通、粘度と
チキソトロピー性値が前記数値範囲にあるものを使う。
なお、上記固形分濃度とは、感光性レジスト液層を形成
後に乾燥し溶剤等を除去した樹脂膜からなる感光性レジ
スト層にするが、樹脂膜として残る割合が、感光性レジ
スト液100wt%のうちの何wt%であるかをあらわするも
のである。
固形分濃度が60wt%を越えると粘度やチキソトロピー性
値を適切な範囲し難くなる傾向が見られる。
感光性レジスト液の粘度は、30〜1500cps、好ましく
は、40〜400cpsで実施される。粘度が30cps未満では形
成されるエッチングレジスト層の厚みが薄くなり、導体
金属層のエッチングの際に、回路パターン部やスルーホ
ールエッジ部で断線や回路不良が生じ易くなり、粘度が
1500cpsを越えると、スルーホール用孔の内部のレジス
ト層に気泡が残ったり、回路パターン部のレジスト層に
ピンホールが生じたり、あるいは、レジスト層の厚みが
絶縁基板表面全体にわたって均一にならず厚すぎる個所
や薄過ぎる個所が局所的にできるようになるという不都
合がある。
なお、上記の粘度の数値は、B型粘度計(東京計器製
NO.1ないしNO.3ロータを用い回転数60rpmに設定)で測
定された値を基準にしている。
感光性レジスト液のチキソトロピー性値は、後述する測
定方法を基準にして、1.2〜9.0の範囲、好ましくは2.0
〜6.0の範囲のものを使用する。上記チキソトロピー性
値は、前記した粘度の測定を60rpmの高速回転と6rpmの
低速回転で行い、両者の粘度比で表している。すなわ
ち、この発明におけるチキソトロピー性値とは下式で定
義される値である。
上記チキソトロピー性値が1.2未満では、スルーホール
用孔のエッジ部分でのエッチングレジスト層の厚みを十
分に確保できず、例えば、通常のエッチング方法で必要
とされるエッチングレジスト層の厚み2μmもくしは最
低1μmの確保が難しくなる。チキソトロピー性値が9.
0を越えると、回路パターン形成部分でのエッチングレ
ジスト層の厚みのバラツキが大きくなり過ぎる。
チキソトロピー性値を、上記数値範囲にするには、請求
項2のように、チキソトロピー性調節剤を用いると容易
である。
チキソトロピー性調節剤(以下、適宜「調節剤」と言
う)としては、微粉末シリカ、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、酸
化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化
ケイ素、ガラス、ケイソウ土、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、さらには、脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリ
エチレン等の有機物などが挙げられる。調節剤は、微細
な粒径の粉末であることが好ましく、特に粒径が0.001
〜数μm(例えば0.001〜1μm)程度であることが好
ましい。微粉末シリカ等では、一次粒子が凝集し2次粒
子を形成するが、1次粒子の粒径は、0.005〜0.5μm程
度である。
調節剤は、普通、感光性レジスト液中に溶解するわけで
はないため、十分にかく拌して均一に分散させたり、調
節剤に適当な分散剤を併用したりする。また、チキソト
ロピー性値の調整を、調節剤を用いずに行ってもよい。
感光性レジスト液用の溶剤としては、沸点が100℃以上
の主溶剤と、同主溶剤と相溶性があり、75〜150℃の沸
点を有する溶剤からなることが好ましい。例えば、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、キシレ
ン、メチルイソブチルケトン、トルエン、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール等
の化合物を主成分とすることが好ましい。感光性レジス
ト液には、ポジタイプとネガタイプがあり、何れのタイ
プを使用することもできるが、アスペクト比の大きなス
ルーホールに対しては、ポジタイプの方が好ましい。こ
れは、スルーホールのアスペクト比が大きくなると、ス
ルーホールの内部深くまで紫外線を照射して感光性レジ
スト液を硬化させる必要のあるネガタイプは使い難いた
めである。
前記のように、絶縁基板を感光性レジスト液に浸漬し引
き上げる「ディップ法」で、絶縁基板の表面およびスル
ーホール用孔の内壁の全体を感光性レジスト液層で覆っ
た後、乾燥工程や紫外線硬化工程等、通常の感光性レジ
ストに対するパターン形成手段と同様の方法で、所定パ
ターンのエッチングレジスト層が形成される。その後の
導体金属層のエッチング工程その他については、通常の
スルーホール付配線板の製造方法と同様の方法で実施さ
れる。
〔作用〕
感光性レジスト液に絶縁基板を浸漬し引き上げることに
よって、スルーホール用孔の内部まで感光性レジスト液
が浸入して、スルーホール用孔を含む絶縁基板の表面全
体に感光性レジスト液が付着するので、スルーホール用
孔の内壁とスルーホール用孔以外の表面とに対するエッ
チングレジスト層の形成が同時に1工程で行える。
感光性レジスト液の粘度とチキソトロピー性値を適切に
設定することによって、スルーホール用孔等に対する感
光性レジスト液の付着性が良好になり、スルーホール用
孔の内部およびスルーホール用孔のエッジ部分にも、十
分な厚みのエッチングレジスト層を確実に形成すること
ができるとともに、絶縁基板のスルーホール用孔以外の
表面にも均一な厚みのエッチングレジスト層を形成でき
る。すなわち、感光性レジスト液の粘度およびチキソト
ロピー性が大きくなるほど、感光性レジスト液の流動性
が抑えられることになり、スルーホール用孔のエッジ部
等、感光性レジスト液が周囲に流れて逃げてしまい易い
個所にも、十分な厚みの感光性レジスト液が付着するこ
とになるのである。但し、感光性レジスト液の流動性が
低くなり過ぎると、スルーホール用孔の内部に気泡が残
ったり、絶縁基板表面に均一に付着せず厚みにバラツキ
が生じるので、前記したような粘度およびチキソトロピ
ー性値の範囲に限定する必要があるのである。
この発明の方法で形成されたエッチングレジスト層は、
絶縁基板の表面からスルーホール用孔の内壁の全面に沿
って密着して形成されているので、スルーホール用孔の
エッジ部の直ぐ外側にエッチングパターンを形成して
も、エッチングレジスト層が剥がれたり、エッチングパ
ターンが破損することはない。したがって、従来の「テ
ンティング法」のように、スルーホール用孔のエッジ部
よりも外側に大きく離れた位置にエッチングパターンを
形成する必要がない。
また、チキソトロピー性調節剤を用いる場合、チキソト
ロピー性値の調整が非常に容易である。
〔実施例〕
ついで、この発明を、実施例を示す図面を参照しなが
ら、以下に詳しく説明する。
第1図は、この発明のスルーホール付配線板の製造方法
にかかる実施例を示す工程流れ図であり、この工程流れ
図に従って順次説明する。また、第2図〜第5図に工程
途中の配線板の構造を示しているが、図面中、前記した
従来例と同様の構造部分には同じ符合を付けている。
配線板の材料のうち、絶縁基板1は、紙基材フェノール
樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材ポリエステル樹脂、
ガラス基材エポキシ樹脂、ガラス基材テフロン樹脂、ガ
ラス基材ポリイミド樹脂、コンポジット樹脂等の合成樹
脂基板や、アルミニウム、鉄等の金属をエポキシ樹脂等
で覆って絶縁処理を施した金属系絶縁基板、あるいは、
セラミック基板等、通常の配線板に用いられている材料
が使用される。上記のような絶縁基板1の表面に、予
め、銅からなる導体金属層2が積層された銅張積層板を
用いることもできる。
絶縁基板1にスルーホール用孔10をあける。スルーホー
ル用孔10の形成方法は、ドリル加工やレーザー加工等、
通常の配線板の場合と同様の手段が用いられる。絶縁基
板1としてセラミック基板を用いる場合には、焼成前の
セラミックグリーンシートにパンチング等の手段で孔あ
け加工した後、焼成する方法も採用できる。スルーホー
ル用孔10の孔径は、通常は0.1mm以下で実施されるが、
用途によっては、それ以上の孔径でも実施できる。この
孔あけ加工において、切断屑およびスミアが発生する場
合があり、これらの切断屑等を除去するには、高圧水
洗、サンドブラスト等の物理的処理方法、あるいは、硫
酸法、クロム酸法等の化学的処理方法を用いて、スルー
ホール用孔10を洗浄する。
スルーホール用孔10が形成された絶縁基板(もしくは銅
張積層板)1に対して、表裏両面およびスルーホール用
孔10の内壁面に、適宜めっき法等で導体金属層2を形成
する。絶縁基板1にめっきを施す前には、必要に応じ
て、絶縁基板1の表面およびスルーホール用孔10の内壁
面に対して脱脂およびソフトエッチングを行ったのち、
金属パラジウムを析出させて、表面の活性化を行ってお
く。上記のような前処理を行った絶縁基板1を、例え
ば、化学めっき浴等に浸漬し、銅、ニッケル、金等から
なる導体金属層2を形成する。
上記のような化学めっき法で得られる導体金属層2は、
一般的には0.1〜数μm程度の薄い層であるので、もっ
と厚い導体金属層2を必要とする場合には、引き続き化
学めっき法を行って、さらに厚い導体金属層2を形成し
たり、前記化学めっき法で形成された導体金属層2の上
に、さらに電解めっき法で厚い導体金属層2を形成する
ことができる。絶縁基板1の代わりに銅張積層板2を用
いる場合には、導体金属層2の形成工程の一部を省略す
ることができる。このような導体金属層2の形成方法
は、上記した以外にも、通常のスルーホール付配線板の
製造方法において採用されている、各種の導体金属層形
成手段に変更することができる。
つぎに、ディップ法によるエッチングレジスト層の形成
を行うが、その前に必要に応じて、基板の前処理を行
う。基板の前処理としては、下記に示す2つの処理に大
きく分類される。まず、第1の処理は、絶縁基板1の表
面を物理的および化学的に研磨することである。具体的
な研磨手段は、通常の配線板の場合と同様に行われる。
研磨量は、0.1〜10μm程度が好ましく、より望ましく
は0.2〜2μm程度で実施される。第2の処理は、絶縁
基板1を薬品中に浸漬して、スルーホール用孔10の内部
をウェットな状態にしておくことである。この処理によ
って、感光性レジスト液に対する濡れ性を良くし、感光
性レジスト液に浸漬する工程でスルーホール用孔10内に
気泡が入るのを防ぐことができる。この処理において絶
縁基板1を浸漬する薬品としては、例えば、後工程で使
用する感光性レジスト液を希釈して粘度を下げたものを
用いることができるが、同様の作用が果たせれば、その
他の適当な薬品を用いることもできる。上記した各前処
理は、必要に応じて行われるものであり、必要がなけれ
ば行わなくてもよい。
つぎに、第2図に示すように、絶縁基板1全体を、前記
した粘度やチキソトロピー性値に調節されて適宜貯液槽
4に収容された感光性レジスト液3の中に浸漬した後、
感光性レジスト液3を付着させたままで引き上げ、感光
性レジスト液3を乾燥させることによって、絶縁基板1
の表面全体に感光性レジスト層30を形成する。レジスト
液3は、この乾燥工程での熱処理で反応し膜化させられ
ることになる。このとき必要であれば、絶縁基板1を感
光性レジスト液3に浸漬した状態で、スルーホール用孔
10内部の脱泡処理を行う。感光性レジスト液3は、絶縁
基板1のスルーホール用孔10の内部およびその他の表面
全体に十分な厚みでかつ均一に付着させるようにする。
この工程における具体的な作業装置や作業条件は、通常
の「ディップ法」と同様である。
このような方法で感光性レジスト液3を絶縁基板1の表
面全体に付着させる場合、感光性レジスト液3の粘度や
チキソトロピー性、絶縁基板1の引き上げ速度等を調節
することによって、絶縁基板1に付着する感光性レジス
ト液3の厚み、すなわち、形成される感光性レジスト層
30の厚みを調整することができる。例えば、前記した範
囲内で、粘度とチキソトロピー性値を調節することによ
って、感光性レジスト層30の厚みを自由に制御できるの
である。
第3図は、感光性レジスト層30が形成された状態の絶縁
基板1を示しており、感光性レジスト液3からなる感光
性レジスト層30が、絶縁基板1の両面の導体金属層2表
面から、スルーホール用孔10の内壁面までを、一様な厚
さで覆っており、スルーホール用孔10のエッジ部11にお
いても、他の個所と同じように厚い感光性レジスト層30
が覆っている。なお、スルーホール用孔10の内部中央で
は、両側の感光性レジスト層30がつながって連結部31と
なっている。これは、感光性レジスト液3の流動性が低
いために、スルーホール用孔10に入りこんだ感光性レジ
スト液3がつながったままで残ったものであり、エッチ
ングレジスト層としての機能等には影響はない。また、
実施条件によって、このような連結部31が形成されなく
ても問題はない。
この発明においては、前記した粘度およびチキソトロピ
ー性値を有する感光性レジスト液3を用いることによっ
て、スルーホール用孔10のエッジ部11を含む全面に十分
な厚さのレジスト層30を容易に形成できるのであるが、
感光性レジスト液3の粘度およびチキソトロピー性値
が、この発明の範囲を外れ、感光性レジスト液3の流動
性が高すぎる場合には、第6図に示すような状態の感光
性レジスト層30″が形成される。すなわち、スルーホー
ル用孔10のエッジ部11に感光性レジスト液3を付着させ
ようとしても、表面張力の作用等で感光性レジスト液3
は周囲に引き寄せられてエッジ部11から逃げ去り、結果
として、この部分のエッチングレジスト層は厚みの薄い
ものになってしまうのである。このような状態では、導
体金属層2のエッチング処理の際、感光性レジスト層3
0″の薄いエッジ部11では、感光性レジスト層30″の下
の導体金属層2までエッチング除去されるようなエッチ
ングレジスト層になってしまい、断線や導通不良が生じ
てしまう。
上記のようにして、絶縁基板1の表面全体に感光性レジ
スト層30が形成された後、第4図に示すように、適当な
マスクパターンを用いて紫外線露光し、その後現像する
ことによって、不要な個所のレジスト層を除去する等し
て、所定パターンのエッチングレジスト層30′を形成す
る。具体的なエッチングレジスト層30′のパターン形成
工程は、通常の感光性レジストに対するパターン形成方
法と同様の、いわゆる写真法によって行われる。このよ
うな写真法でレジストパターンの形成を行えば、印刷法
等の他の方法では不可能な線間,線幅30μmという微細
パターンの形成も可能になる。所定パターン化されたエ
ッチングレジスト層30′は、紫外線照射や加熱乾燥工程
で十分に硬化しているので、後述のエッチング処理に対
して導体金属層3を良好に保護しておける。
第4図においては、スルーホール用孔10の周辺部分で、
スルーホール用孔10のエッジ部11の直ぐ外側にエッチン
グレジスト層30′の端部がくるようにパターン形成して
いる。この発明の場合、エッチングレジスト層30′がス
ルーホール用孔10の内壁からエッジ部分11に沿ってぴっ
たりと密着して確実に覆っているので、このように、エ
ッジ部11の直ぐ外側にパターン形成していても、エッチ
ングレジスト層30′が剥がれたりパターンが破損したり
することはない。
つぎに、所定パターンのエッチングレジスト層30′で導
体金属層2が覆われた絶縁基板1を、適宜エッチング処
理液に浸漬またはスプレーする等して、不要な個所の導
体金属層2を除去し、所定の回路パターンを有する導体
金属層2を形成する。この導体金属層2のエッチング工
程は、通常の配線板の製造方法と全く同様に行うことが
できる。レジスト層30′は、通常、エッチング後、除去
するようにする。
第5図は、上記のようにして製造されたスルーホール付
配線板の、配線回路パターンの1例を示しており、配線
板の表裏面に形成された導体回路20,20(裏面の導体回
路は点線で示す)をスルーホール21で連結している。こ
のスルーホール21を形成するためのエッチングレジスト
層30′は、前記第4図で説明したように、スルーホール
用孔10のエッジ部11の直ぐ外側でパターン形成されてい
るので、このエッチングレジスト層30′にしたがって導
体金属層2をパターン形成してなる配線回路パターン
は、スルーホール21部分の幅が、その他の部分の導体回
路20とほとんど同じに形成されていて、ランド部がまっ
たくない、いわゆるランドレス構造となっている。この
第5図に示した配線回路パターンを、前記第9図に示
す、従来例の「テンティング法」による配線回路パター
ンと比較すれば、ランド部を無くしたことによって、配
線回路の高密度化もしくは微細化を大きく進め得ること
が明らかである。
以上に説明した工程にしたがって、この発明にかかるス
ルーホール付配線板の製造方法が実施されるが、エッチ
ングレジスト層30′の形成工程において、前記した粘度
およびチキソトロピー性値を有する感光性レジスト液を
用い、いわゆる「ディップ法」で絶縁基板1の表面全体
を覆うこと以外は、前記写真法による回路形成方法等の
通常の配線板の製造方法が適用でき、各工程における具
体的実施方法は、前記実施例で説明した以外にも、通常
の配線板の製造方法における手段や方法を組み合せて実
施することができる。
つぎに、この発明にかかる製造方法を実際に適用してス
ルーホール付配線板を製造した具体例について説明す
る。
−実施例1− 絶縁基板1として、96%アルミナ基板を用い、レーザー
加工で孔径0.3mmのスルーホール用孔10を形成した。こ
のアルミナ焼結絶縁基板1の表面およびスルーホール用
孔10の内壁面をリン酸で均一に粗化した。粗化処理され
た絶縁基板1を十分に洗浄乾燥した後、絶縁基板1の表
面およびスルーホール用孔10の内壁面に化学めっき法で
厚み10μmの銅層からなる導体金属層2を形成した。
つぎに、エッチングレジスト層形成の前処理として、オ
シュレーション研磨を用いて、絶縁基板1の導体金属層
2の表面を0.4〜0.6μm程度研磨した。その後、絶縁基
板1を感光性レジスト液3に浸漬するディップ法によっ
て、スルーホール用孔10を含む導体金属層2の表面全体
にエッチングレジスト液層を形成した。このとき使用し
た感光性レジスト液3の粘度およびチキソトロピー性値
を前記した測定方法で測定したところ、粘度50cps、チ
キソトロピー性値3.0であった。
感光性レジスト液3からなる感光性レジスト液層を90℃
で乾燥させた後、ポジ型のマスクパターンを用いて紫外
線露光し現像することによって、所定のパターンを有す
るエッチングレジスト層30′を形成した。
このようなエッチングレジスト層30′が形成された絶縁
基板1の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、ス
ルーホール用孔10のエッジ部11におけるエッチングレジ
スト層30′の厚みは2.0〜2.3μmと十分な厚みを有する
とともに、回路パターン部分のエッチングレジスト層3
0′の厚みも9.7〜10.0μmと十分かつ均一な厚さに形成
されていることが分かった。
つぎに、通常のエッチング処理方法で導体金属層2のエ
ッチングを行い、線間,線幅80μmの配線回路を形成し
た。エッチング工程終了後、エッチングレジスト層30′
を3%NaOH溶液で剥離除去し、スルーホール付配線板を
得た。
−実施例2− 鉄等の金属基材をエポキシ樹脂等で被覆して絶縁処理を
施した金属系絶縁基板からなる銅張積層板を用いた。こ
の銅張積層板に、ドリル加工で孔径0.4mmのスルーホー
ル用孔10を形成した後、サンドブラスト等でスルーホー
ル用孔10を洗浄した。つぎに、リン酸で銅張積層板の表
面および内壁面をソフトエッチングした後、化学めっき
法で銅層を形成し、さらに電解めっき法で金属銅の厚付
けを行って、厚み35μmの導体金属層2を形成した。
エッチングレジスト層形成の前処理として、オシュレー
ション研磨で銅張積層板の導体金属層2の表面を0.8〜
1.2μm程度研磨した後、硫酸でソフトエッチングし
た。
その後、前記したディップ法で、ポジ型感光性レジスト
液3を銅張積層板の導体金属層2の全面に付着させた。
このときの感光性レジスト液3の粘度は80cps,チキソト
ロピー性値は4.0であった。
感光性レジスト液3を80℃で乾燥させた後、ポジ型のマ
スクパターンを用いて紫外線露光し現像することによっ
て、所定のパターンを有するエッチングレジスト層30′
を形成した。この状態で、前記同様に走査型電子顕微鏡
を用いて、スルーホール用孔10のエッジ部11におけるエ
ッチングレジスト層30′の厚みを測定したところ、3.0
〜4.0μmと十分な厚さであった。回路パターン部分で
のエッチングレジスト層30′の厚みも14.0〜15.0μmと
良好であった。
つぎに、通常のエッチング処理方法で導体金属層2をエ
ッチングし、線間,線幅80μmの配線回路を形成した。
エッチング工程終了後、エッチングレジスト層30′を2
〜3%NaOH溶液で剥離除去し、スルーホール付配線板を
得た。
−実施例3− 絶縁基板1としてセラミック基板を用いた。まず、Al2
3粉末96重量部と、SiO2,CaO,MgO等の焼結補助剤4重
量部とを混合するとともに、この混合物に対して12重量
部の有機物(結合剤,可塑剤等)を添加して、さらに全
体を混合した。この混合物をドクターブレード法によっ
てシート状に成形してセラミックグリーンシートを得
た。このグリーンシートを加熱して半硬化状態にした
後、金型でプレス加工して孔径0.4mmのスルーホール用
孔10を形成した。上記グリーンシートを150℃で乾燥し
た後、1600℃で焼成することによって、スルーホール用
孔10を有するセラミック基板からなる絶縁基板1を得
た。
上記絶縁基板1の表面をリン酸で粗化処理した後、化学
銅めっき法で厚み8μmの銅層からなる導体金属層2
を、基板表面およびスルーホール用孔10の内壁面に形成
した。以下、実施例1と同様の工程を経て、セラミック
基板からなるスルーホール付配線板を製造した。
−実施例4− 絶縁基板1として、ガラス基材エポキシ樹脂基板を使用
した以外は、前記実施例2と同様の工程でスルーホール
付配線板を製造した。
−実施例5− 絶縁基板1として、焼結窒化アルミ基板を使用した以外
は、実施例1と同様の工程でスルーホール付配線板を製
造した。
−実施例6− 実施例1において、スルーホール用孔10をレーザー加工
によって孔径0.5mmに形成したこと、リン酸による粗化
処理を行なわなかったこと、および、スパッタリング法
で厚み10μmの銅層を形成したこと以外は、実施例1と
同様の工程でスルーホール付配線板を製造した。
−実施例7− 絶縁基板1として、96%アルミナ基板を用い、レーザー
加工で孔径0.3mmのスルーホール用孔10を形成した。こ
のアルミナ焼結絶縁基板1の表面およびスルーホール用
孔10の内壁面をリン酸で均一に粗化した。粗化処理され
た絶縁基板1を十分に洗浄乾燥した後、絶縁基板1の表
面およびスルーホール用孔10の内壁面に化学めっき法で
厚み10μmの銅層からなる導体金属層2を形成した。
つぎに、レジスト層形成の前処理として、オシュレーシ
ョン研磨を用いて、絶縁基板1の導体金属層2の表面を
0.4〜0.6μm程度研磨した。その後、絶縁基板1をチキ
ソトロピー性調節材であるステアリン酸カルシウムを添
加した感光性レジスト液3に浸漬するディップ法によっ
て、スルーホール用孔10を含む導体金属層2の表面全体
にエッチングレジスト液層を形成した。
感光性レジスト液の組成は、以下の通りである。
ノボラック系樹脂組成物、感光剤 …約40wt% 溶剤−エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート …約48wt% 溶剤−酢酸エチル、トルエン等 …約10wt% チキソトロピー性調節剤−ステアリン酸カルシウム…約
1.5wt% その他(着色剤等) …約0.5wt% このチキソトロピー性調節剤を添加した感光性レジスト
液3の粘度およびチキソトロピー性値を前記した測定方
法で測ったところ、粘度180cps、チキソトロピー性値3.
0であった。また、感光性レジスト液3の固形分濃度は
約38wt%であった。
感光性レジスト液3からなる感光性レジスト液層を90℃
で乾燥させた後、ポジ型のマスクパターンを用いて紫外
線露光し現像することによって、所定のパターンを有す
るエッチングレジスト層30′を形成した。
このようなエッチングレジスト層30′が形成された絶縁
基板1の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、ス
ルーホール用孔10のエッジ部11におけるエッチングレジ
スト層30′の厚みは2.0〜2.3μmと十分な厚みを有する
とともに、回路パターン部分のエッチングレジスト層3
0′の厚みも9.7〜10.0μmと十分かつ均一な厚さに形成
されていることが分かった。
つぎに、通常のエッチング処理方法で導体金属層2のエ
ッチングを行い、線間,線幅80μmの配線回路を形成し
た。エッチング工程終了後、エッチングレジスト層30′
を3%NaOH溶液で剥離除去し、スルーホール付配線板を
得た。
−実施例8− 鉄等の金属基材をエポキシ樹脂等で被覆して絶縁処理を
施した金属系絶縁基板からなる銅張積層板を用いた。こ
の銅張積層板に、ドリル加工で孔径0.4mmのスルーホー
ル用孔10を形成した後、サンドブラスト等でスルーホー
ル用孔10を洗浄した。つぎに、リン酸で銅張積層板の表
面および内壁面をソフトエッチングした後、化学めっき
法で銅層を形成し、さらに電解めっき法で金属銅の厚付
けを行って、厚み35μmの導体金属層2を形成した。
エッチングレジスト層形成の前処理として、オシュレー
ション研磨で銅張積層板の導体金属層2の表面を0.8〜
1.2μm程度研磨した後、硫酸でソフトエッチングし
た。
その後、前記したディップ法で、ポジ型感光性レジスト
液3を銅張積層板の導体金属層2の全面に付着させた。
感光性レジスト液の組成は、以下の通りである。
ノボラック系樹脂組成物、感光剤 …約40wt% 溶剤−エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート …約48wt% 溶剤−酢酸エチル、トルエン等 …約10wt% チキソトロピー性調節剤−微粉末シリカ …約1.5wt% その他(着色剤等) …約0.5wt% このチキソトロピー性調節剤として微粉末シリカを微量
添加した感光性レジスト液3の粘度は200cps、チキソト
ロピー性値は4.0であった。また、感光性レジスト液3
の固形分濃度は約40wt%であった。
感光性レジスト液3を80℃で乾燥させた後、ポジ型のマ
スクパターンを用いて紫外線露光し現像することによっ
て、所定のパターンを有するエッチングレジスト層30′
を形成した。この状態で、前記同様に走査型電子顕微鏡
を用いて、スルーホール用孔10のエッジ部11におけるエ
ッチングレジスト層30′の厚みを測定したところ、3.0
〜4.0μmと十分な厚さであった。回路パターン部分で
のエッチングレジスト層30′の厚みも14.0〜15.0μmと
良好であった。
つぎに、通常のエッチング処理方法で導体金属層2をエ
ッチングし、線間,線幅80μmの配線回路を形成した。
エッチング工程終了後、エッチングレジスト層30′を2
〜3%NaOH溶液で剥離除去し、スルーホール付配線板を
得た。
−実施例9− 絶縁基板1としてセラミック基板を用いた。この絶縁基
板1の表面をリン酸で粗化処理した後、化学銅めっき法
で厚み8μmの銅層からなる導体金属層2を、基板表面
およびスルーホール用孔10の内壁面に形成した。以下、
実施例7と同様の工程を経て、セラミック基板からなる
スルーホール付配線板を製造した。
−実施例10− 絶縁基板1として、ガラス基材エポキシ樹脂基板を使用
した以外は、前記実施例8と同様の工程でスルーホール
付配線板を製造した。
−実施例11− 絶縁基板1として、焼結窒化アルミ基板を使用した以外
は、実施例7と同様の工程でスルーホール付配線板を製
造した。
−実施例12− 実施例7において、スルーホール用孔10をレーザー加工
によって孔径0.5mmに形成したこと、リン酸による粗化
処理を行わなかったこと、および、スパッタリング法で
厚み10μmの銅層を形成したこと以外は、実施例7と同
様の工程でスルーホール付配線板を製造した。
−実施例13− 感光性レジスト液として下記のものを用いた他、実施例
7と同様にしてスルーホール付配線板を製造した。
感光性レジスト液の組成は、以下の通りである。
ノボラック系樹脂組成物、感光剤 …約24wt% 溶剤−エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート …約44.5wt% 溶剤−酢酸エチル、トルエン …約28wt% (内トルエン…約19wt%) チキソトロピー性調節剤−微粉末シリカ …約3.5wt% なお、粘度は80cps、チキソトロピー性値は4.0である。
また、スルーホール用孔10のエッジ部11におけるエッチ
ングレジスト層30′の厚みは3.0〜4.0μmと十分な厚み
を有していた。
−実施例14− 感光性レジスト液として下記のものを用いた他、実施例
8と同様にしてスルーホール付配線板を製造した。
感光性レジスト液の組成は、以下の通りである。
ノボラック系樹脂組成物、感光剤 …約25wt% 溶剤−エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート …約43wt% 溶剤−酢酸エチル、トルエン …約28wt% (内トルエン…約19wt%) チキソトロピー性調節剤−微粉末シリカ …約4wt% なお、粘度は120cps、チキソトロピー性値は4.5であ
る。
また、スルーホール用孔10のエッジ部11におけるエッチ
ングレジスト層30′の厚みは4.0〜5.0μmと十分な厚み
を有していた。
−実施例15− 感光性レジスト液が実施例13で用いたものである他は、
実施例9と同様にしてスルーホール付配線板を製造し
た。
−実施例16− 感光性レジスト液が実施例14で用いたものである他は、
実施例10と同様にしてスルーホール付配線板を製造し
た。
−実施例17− 感光性レジスト液が実施例13で用いたものである他は、
実施例11と同様にしてスルーホール付配線板を製造し
た。
−実施例18− 感光性レジスト液が実施例13で用いたものである他は、
実施例12と同様にしてスルーホール付配線板を製造し
た。
−実施例19− 感光性レジスト液として下記のものを用いた他、実施例
7と同様にしてスルーホール付配線板を製造した。
感光性レジスト液の組成は、以下の通りである。
ノボラック系樹脂組成物、感光剤 …約52wt% 溶剤−エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート …約38wt% 溶剤−酢酸エチル、トルエン …約8wt% チキソトロピー性調節剤−微粉末シリカ …約1.5wt% なお、粘度は1200cps、チキソトロピー性値は3.0であ
り、固形分濃度は約49wt%である。た、スルーホール用
孔10のエッジ部11におけるエッチングレジスト層30′の
厚みは4.0〜5.0μmと十分な厚みを有するとともに、回
路パターン部分のエッチングレジスト層30′の厚みも1
4.0〜15.0μmと十分かつ均一な厚さに形成されている
ことが分かった。
なお、実施例19においては、粘度が比較的高いため、減
圧脱泡処理をも用いるとともに、絶縁基板1の引き上げ
速度を遅くして、感光性レジスト液が厚くなり過ぎない
ようにした。
実施例1〜19で製造されたスルーホール付配線板に対し
て、スルーホール導通試験を行ったところ、断線等の不
良はみられず、従来のサブトラクト法等に比べて、スル
ーホール信頼性が極めて高いことが実証された。
−比較例1− 実施例7において、ステアリン酸カルシウムを添加しな
い感光性レジスト液を用いた他は、実施例7と同様にし
て、スルーホール付配線板を製造した。同感光性レジス
トのチキソトロピー性値は1.1であった。エッチングレ
ジスト層の厚みが1μmに達しない個所があり、配線板
には断線不良個所が発見された。
〔発明の効果〕
以上に述べた、この発明にかかるスルーホール付配線板
の製造方法によれば、感光性レジスト液に絶縁基板を浸
漬して引き挙げるだけという、いわゆるディップ法を用
いて、スルーホール用孔の内部を含む絶縁基板の表面全
体に感光性レジスト層を形成しているので、極めて簡単
な作業で確実にエッチングレジスト層を形成することが
できる。また、絶縁基板を感光性レジスト液から引き挙
げる際の引き上げスピードを適当にコントロールするこ
とによって、絶縁基板に付着する感光性レジスト液層、
つまりは、エッチングレジスト層の厚みを自由に調整で
きる。
特に、感光性レジスト液として、レジスト粘度およびチ
キソトロピー性値が特定の範囲に入るものを用いること
によって、感光性レジスト液の流動性を適切な範囲に調
整することができ、絶縁基板に感光性レジスト液を付着
させたときに、スルーホール用孔の内部やエッジ部に確
実かつ十分な厚みの感光性レジスト液を付着させること
ができる。すなわち、感光性レジスト液層から形成され
るエッチングレジスト層の厚みを、例えば、スルーホー
ル用孔のエッジ部でも、2μm以上少なくとも1μm以
上に形成することができるのである。そのため、導体金
属層のエッチング処理を行う際に、前記エッジ部も、十
分な厚みのエッチングレジスト層で良好に保護されるこ
とになり、エッジ部の導体金属がエッチングされてしま
うのを確実に防止できることになる。
したがって、従来の「孔埋め法」等の場合に問題となっ
ていた、スルーホールエッジ部でエッチングレジスト層
が薄くなるため、その部分の導体金属層がエッチングさ
れて断線等の回路不良を起こすという問題を解消してス
ルーホール信頼性を向上させることができる。
感光性レジスト液からなるエッチングレジスト層は、従
来の「テンティング法」における感光性ドライフィルム
に比べて、はるかに薄く形成することができるので、上
記従来法では困難であった100μm以下の微細パターン
を形成することも可能になる。特に、エッチングレジス
ト層が、スルーホール用孔のエッジ部から内壁面に沿っ
てぴったりと密着するように形成されるので、スルーホ
ール個所に従来のような大きなランドを設定しておく必
要がなく、スルーホール用孔のエッジ部のすぐ側に回路
パターンを形成する微小スルーホールやランドレス・ス
ルーホールの形成も可能になり、配線回路の一層の微細
化および高密度化を図ることができる。
また、感光性レジスト液のチキソトロピー性値の調整も
チキソトロピー性調節剤を用いることにより容易に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる実施例の製造工程を示す工程
流れ図、第2図は、製造工程のうち感光性レジスト液の
付着工程を示す断面図、第3図は感光性レジスト液が付
着された絶縁基板の要部拡大断面図、第4図はエッチン
グレジスト層がパターン形成された状態の断面図、第5
図は回路パターンの1例を示す概略平面図、第6図は比
較例を示す断面図、第7図および第8図はそれぞれ従来
例を示す断面図、第9図は従来法による配線回路パター
ンを示す概略平面図である。 1……絶縁基板、2……導体金属層、3……感光性レジ
スト液、10……スルーホール用孔、11……エッジ部、30
……感光性レジスト層、30′……所定パターンのエッチ
ングレジスト層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルーホール用孔の内壁面および基板両面
    に導体金属層が形成された絶縁基板に対して、前記導体
    金属層を所定パターンのエッチングレジスト層で覆った
    後、エッチング処理して回路形成を行うスルーホール付
    配線板の製造方法において、所定パターンのエッチング
    レジスト層の形成工程が、絶縁基板全体を、粘度30〜15
    00cpsであってチキソトロピー性値1.2〜9.0の感光性レ
    ジスト液に浸漬し引き上げることによって、スルーホー
    ル用孔の内壁面を含む絶縁基板の表面全体を感光性レジ
    スト液層で覆い、その後、この感光性レジスト液層から
    所定パターンのエッチングレジスト層を形成することか
    らなることを特徴とするスルーホール付配線板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】感光性レジスト液は、固形分濃度が60wt%
    以下であってチキソトロピー性調節剤が添加されている
    請求項1記載のスルーホール付配線板の製造方法。
JP4343190A 1989-02-23 1990-02-23 スルーホール付配線板の製造方法 Expired - Lifetime JPH0756910B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4343190A JPH0756910B2 (ja) 1989-02-23 1990-02-23 スルーホール付配線板の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4411589 1989-02-23
JP2-17378 1990-02-16
JP1-44115 1990-02-16
JP4343190A JPH0756910B2 (ja) 1989-02-23 1990-02-23 スルーホール付配線板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03268384A JPH03268384A (ja) 1991-11-29
JPH0756910B2 true JPH0756910B2 (ja) 1995-06-14

Family

ID=26383192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4343190A Expired - Lifetime JPH0756910B2 (ja) 1989-02-23 1990-02-23 スルーホール付配線板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0756910B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05273760A (ja) * 1992-03-26 1993-10-22 Matsushita Electric Works Ltd レジスト膜形成方法
WO2008123049A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Jsr Corporation 被膜形成方法及びそれに用いる樹脂組成物、絶縁膜を有する構造体及びその製造方法並びに電子部品
JP2009133924A (ja) * 2007-11-28 2009-06-18 Jsr Corp 被膜形成方法及びそれに用いるポジ型感光性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03268384A (ja) 1991-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3698940A (en) Method of making additive printed circuit boards and product thereof
US4529477A (en) Process for the manufacture of printed circuit boards
US3854973A (en) Method of making additive printed circuit boards
US4888450A (en) Circuit board fabrication leading to increased capacity
EP0096701B1 (en) Circuit board fabrication leading to increased capacity
CN113056116A (zh) 一种镀孔铜的方法及电路板的加工方法
TW200407057A (en) Method for the manufacture of printed circuit boards with integral plated resistors
JPS58206192A (ja) プリント回路板の製造方法及び装置
JPH0756910B2 (ja) スルーホール付配線板の製造方法
JPH0964538A (ja) プリント配線板の製造方法
JP2713037B2 (ja) プリント配線板及びその製造方法
JP3174474B2 (ja) プリント配線板の製造方法
JPH04297087A (ja) スルーホール付配線板の製造方法
JPH04297088A (ja) スルーホール付配線板の製造方法
JPH02144988A (ja) スルーホール付配線板の製造方法
JPH0621648A (ja) 印刷配線板の製造方法
JPH029195A (ja) スルーホール付印刷配線板の製造方法
CN108391380A (zh) 柔性印制电路板的制备方法
JP3191686B2 (ja) 印刷配線板の製造方法
JPS5843920B2 (ja) 印刷配線板の製造方法
JPH02143584A (ja) スルーホール付配線板の製造方法
JPS60167493A (ja) 回路基板の製造方法
JPH0864930A (ja) プリント配線板の製造方法
JPH05267841A (ja) アディティブ法用ドライフィルム接着剤
JPS647517B2 (ja)