JPH04297087A - スルーホール付配線板の製造方法 - Google Patents

スルーホール付配線板の製造方法

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JPH04297087A
JPH04297087A JP6219191A JP6219191A JPH04297087A JP H04297087 A JPH04297087 A JP H04297087A JP 6219191 A JP6219191 A JP 6219191A JP 6219191 A JP6219191 A JP 6219191A JP H04297087 A JPH04297087 A JP H04297087A
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JP
Japan
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hole
insulating substrate
holes
conductive metal
layer
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JP6219191A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Waki
脇 清隆
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スルーホール付配線
板の製造方法に関し、詳しくは、電子部品取付用の部品
リード線挿入孔等として利用されたり、面実装部品の電
気的接続に用いられたり、両面もしくは多層配線板にお
ける層間の電気的接続を果たすために用いられたりし、
配線板を貫通する孔の内壁面に導体金属層を形成してな
るスルーホールを備えた配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スルーホールを有する配線板の製造方法
としては、まず、市販の絶縁基板や銅張り積層板に、ス
ルーホール用の貫通孔をあけた後、無電解メッキあるい
はこれと電解メッキとの併用によって、前記スルーホー
ル用孔の内壁および基板表面に、配線回路となる導体金
属を形成する。
【0003】この導体金属層に回路パターンを形成する
方法としては、たとえば、下記■〜■の方法がある。 ■  印刷等の手段により、耐エッチング用インクから
なる孔埋めインクでスルーホール用孔を埋めて孔壁を保
護した状態で、導体金属層の表面に印刷法や写真法でエ
ッチングレジストをパターニングし、その後、導体金属
層をエッチング処理することによって回路形成する、い
わゆる「孔埋め法」。
【0004】■  スルーホール用孔および導体金属層
表面にドライフィルム等のフィルム状レジストをラミネ
ートし、いわゆる「テンティング法」でエッチングパタ
ーンを形成した後、塩化第2銅、塩化第2鉄、アルカリ
エッチャント等のエッチング液で回路パターン以外の不
要な導体金属層を溶解除去する。次に、有機溶剤あるい
は無機のアルカリ溶液等のレジスト剥離液でエッチング
レジストを除去して回路形成する方法。
【0005】■  フォトレジストをスルーホール用孔
内壁面および導体金属層表面に均一に電着し、写真法に
よってパターニングし、その後、導体金属層をエッチン
グ処理することによって回路形成する、いわゆる「電着
塗装法」。前記の方法が一般的であるが、これら以外の
方法としては、下記■、■の方法等がある(特開昭54
−50872号公報、特開昭60−187095号公報
等参照)。
【0006】■  導体金属からなる回路を得るのに、
回路パターン部のみを異金属メッキして、選択エッチン
グによって回路形成する、いわゆる「パターンメッキ法
」。 ■  絶縁基板に対して、回路として必要な部分のみに
無電解メッキを施す、いわゆる「アディティブ法」。と
ころが、前述した従来方法は、下記(a)〜(e)の欠
点があった。
【0007】(a)■の「孔埋め法」は、比較的低コス
トで生産できる方法であるが、スルーホールの信頼性が
乏しい。 (b)■の「テンティング法」は、スルーホールがある
ため、現在市販されている液状レジストをそのままスル
ーホール用孔内部まで塗布することはできないので、あ
らかじめ製膜されたフィルム状レジスト(通常、ドライ
フィルムレジストと呼ばれている。)を用いているが、
レジストの厚みの関係から、100μm以下の微細な回
路パターンを形成することが難しい。
【0008】(c)■の「電着塗装法」は、電着液中の
樹脂粒子に電荷移動性を付与しうる樹脂組成であること
の必要性から、必ずしも良好な皮膜特性を得られるとは
限らなかった。また、電着液の管理等が難しい。 (d)■の「パターンメッキ法」は、高密度な回路パタ
ーンを精度良く仕上げるのに適しているが、オーバーレ
イメッキを必要とするため、設備コストが高くつく。
【0009】(e)■の「アディティブ法」は、産業用
用途の分野で最近注目されているが、特殊な接着剤付触
媒入りの積層板を使用しなければならない。以下に、前
述した先行技術のうち、スルーホール付配線板の微細な
回路パターン形成に現在比較的よく使用されている■の
「テンティング法」における問題点をさらに詳しく述べ
る。
【0010】「テンティング法」では、絶縁基板の金属
層表面に直ちに感光性ドライフィルムを貼り付けておき
、紫外線露光・現像を行ってから、レジスト画像を形成
する。このとき、スルーホール部はフィルムのテンティ
ング効果で保護される。しかし、最近では、微小径スル
ーホール用にランドレス構造の配線板も出現し、前記の
テンティング孔被覆効果が期待できないケースが多くな
ってきた。
【0011】従来の「テンティング法」では、スルーホ
ールランド部がパターン幅に比べて大きいので、折角の
微細パターンもランド部近傍でふくらんだようになって
しまい、高密度化を阻害する要因になる。また、感光性
ドライフィルムは、高精度、微細パターン形成用に長年
改良が行われ、品質も改良されているが、100μmを
切る微細パターン形成になると、各種工程、作業条件の
みならず、貼り付けする導体金属面の性状についても細
かな管理が必要となり、難しい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような従来方法の
問題点を解決するための方法として、発明者らは、先に
、図2に示すように、スルーホール用孔10の内面を含
む表面全体に導体金属層2を形成した絶縁基板1を、貯
液槽4に収容した感光性レジスト液3に浸漬して引き上
げることによって、スルーホール用孔10の内部を含む
導体金属層2の表面全体に感光性レジスト液3を付着さ
せてレジスト層を形成する方法を開発し、特許出願して
いる(特願平1−44115号参照)。この方法によれ
ば、極めて簡単な作業で、スルーホール用孔の内部まで
確実に必要充分な厚みのエッチングレジスト層を形成す
ることができる。
【0013】しかし、この先願発明の方法では、作業条
件等によって、図5に示すように、わずかながら、スル
ーホール用孔10の内部に気泡Bをかむという問題があ
った。この気泡Bが、感光性レジスト液3からの引き上
げおよび加熱乾燥工程までスルーホール用孔10の内壁
面あるいは周辺部に局部的にエッチングレジスト層30
の薄い個所やエッチングレジスト層30が途切れた個所
が生じることになる。このように、エッチングレジスト
層30が導体金属層2を充分に被覆していない個所では
、エッチング工程で導体金属層2がエッチング除去され
てしまって、導体回路の断線や回路不良が発生し、スル
ーホール信頼性を低下させる原因となる。
【0014】そこで、この発明の課題は、微細パターン
の形成が可能で、微小径スルーホールへの対応も可能で
あり、簡便かつ低コストで実施できて、しかも、スルー
ホール用孔の内部に気泡が残らないようにすることによ
ってスルーホール信頼性をより一層高め得るスルーホー
ル付配線板の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、この発明にかかるスルーホール付配線板の製造
方法は、スルーホール用孔の内壁面および基板両面に導
体金属層が形成された絶縁基板に対して、前記導体金属
層を所定パターンのエッチングレジスト層で覆った後、
導体金属層をエッチング処理して回路形成を行うスルー
ホール付配線板の製造方法において、エッチングレジス
ト層の形成工程が、絶縁基板全体を低粘度の感光性レジ
スト液もしくは溶媒に浸漬してスルーホール用孔内部の
気泡を脱泡処理した後、絶縁基板を高粘度の感光性レジ
スト液に浸漬してから基板を引き上げることによって、
スルーホール用孔の内壁面を含む絶縁基板の表面全体を
感光性レジスト液からなるエッチングレジスト層で覆い
、その後、エッチングレジスト層を所定パターンに形成
することからなることを特徴とする。
【0016】このように、この発明のエッチングレジス
ト層形成工程では、まず、絶縁基板全体を低粘度の感光
性レジスト液もしくは溶媒に浸漬して、スルーホール用
孔の内部の導体金属層表面をウェットな状態にしておく
。この処理によって、感光性レジストに対する濡れ性を
良くし、感光性レジスト液に浸漬する工程で、スルーホ
ール用孔内にレジスト液が浸入しやすくなる。この時、
必要に応じて、絶縁基板を低粘度の感光性レジスト液も
しくは溶媒に浸漬した状態で、スルーホール用孔内部の
脱泡処理を行う。この処理で使用する低粘度のレジスト
液としては、たとえば、後工程で使用する感光性レジス
ト液を希釈して粘度を下げたものを用いることができる
し、溶媒としては、感光性レジスト液の希釈液等の有機
溶媒を用いてもよい。同様の作用を果たせば、その他の
適当な薬品を用いることもできる。また、この時必要で
あるならば、前記絶縁基板を低粘度の感光性レジスト液
に浸漬し、引き上げた後、低粘度の感光性レジスト液を
乾燥させて、導体金属層の表面をドライな状態にしても
構わない。
【0017】次に、図2にみるように、絶縁基板1全体
を、後記する粘度やチキソトロピー性値に調整されて適
宜液槽4に収容された高粘度の感光性レジスト液3の中
に浸漬した後、高粘度の感光性レジスト液3を付着させ
たままで引き上げ、高粘度の感光性レジスト液3を乾燥
させることによって、図3にみるように、絶縁基板1の
表面全体に感光性レジスト層30を形成する。レジスト
液3は、この乾燥工程での熱処理で反応し膜化させられ
ることになる。感光性レジスト液3は、絶縁基板1のス
ルーホール用孔10の内部およびその他の表面全体に充
分な厚みでかつ均一に付着させるようにする。この工程
における具体的な作業装置や作業条件は、通常の「ディ
ップ法」と同様である。
【0018】この発明において、絶縁基板としては、た
とえば、紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、
紙基材ポリエステル樹脂、ガラス基材エポキシ樹脂、ガ
ラス基材フッ素樹脂、ガラス基材ポリイミド樹脂、コン
ポジット樹脂等の合成樹脂基板の他、アルミニウムや鉄
等の金属をエポキシ樹脂等で覆って絶縁処理を施した金
属系絶縁基板、あるいは、セラミックス基板等、通常の
配線板に用いられている基板材料が使用でき、特に限定
されない。また、前記のような絶縁基板の表面に予め銅
からなる導体金属が積層された銅張り積層板を用いるこ
ともできる。絶縁基板の材料や構造、導体金属層を構成
する導体金属の材料、導体金属層の形成方法、スルーホ
ール用孔の形状や寸法および加工方法等は、通常のスル
ーホール付配線板と同様に実施することができる。
【0019】感光性レジスト液の成分としては、紫外線
硬化、熱硬化型の樹脂分またはアルカリ可溶性樹脂分、
たとえば、アクリル系モノマー、エポキシ系またはノボ
ラック系の反応物等をベースに、通常の各種光重合開始
剤、光重合促進剤、または、光照射によりアルカリ可溶
となる感光性化合物、有機溶剤等の希釈液、熱硬化剤、
さらには、粘度調整剤、着色剤、チキソトロピー性調整
剤、消泡剤、安定剤等のいくつかを配合してなるもので
ある。同調整剤以外の各配合成分の具体的化合物名等は
、通常の配線板製造に用いられているのと同様のものが
使用される。
【0020】感光性レジスト液には、ポジタイプとネガ
タイプがあり、この発明では、いずれのタイプを使用す
ることもできるが、アスペクトの大きなスルーホールに
対しては、ポジタイプの方が好ましい。低粘度の感光性
レジスト液の粘度は、100cps以下、好ましくは1
0〜80cpsの範囲であり、高粘度の感光性レジスト
液の粘度は、100cps以上、好ましくは120〜3
00cpsの範囲である。また、同様の効果が期待でき
るならば、低粘度の感光性レジスト液を使用する代わり
に、有機溶剤等の溶媒でも構わない。
【0021】ここで、感光性レジスト液の粘度は、B型
粘度計(東京計器製、No.1〜No.3ロータ使用し
、回転数60r.p.m.に設定)で測定された値を基
準にしている。 感光性レジスト液のチキソトロピー性値は、低粘度の感
光性レジスト液では、特に規定はしないが、高粘度の感
光性レジスト液のチキソトロピー性値は、1.2〜9.
0の範囲、好ましくは2.0〜6.0のものを使用する
。前記チキソトロピー性値は、前記した粘度の測定を6
0r.p.m.の高速回転と6r.p.m.の低速回転
で行い、両者の粘度比で表している。すなわち、この発
明におけるチキソトロピー性値とは、下記式で定義され
る値である。
【0022】チキソトロピー性値=(毎分6回転時の粘
度)/(毎分60回転時の粘度)前記の方法により基板
を引き上げることによって、スルーホール用孔の内壁面
を含む絶縁基板の表面全体を感光性レジスト液からなる
エッチングレジスト層で覆う。その後、エッチングレジ
スト層の乾燥工程や紫外線硬化工程等、通常の感光性レ
ジスト液に対するパターン形成工程と同様の方法で、エ
ッチングレジスト層を所定の回路パターンに形成する。 さらに、その後の導体金属層のエッチング工程その他に
ついては、通常のスルーホール付配線板の製造方法と同
様の方法で実施される。
【0023】
【作用】最初に絶縁基板全体を浸漬する液は、低粘度で
あるため、スルーホール用孔内では、空気と液の置換が
起こりやすい。このようにして、絶縁基板全体を低粘度
の感光性レジスト液もしくは溶媒に浸漬し、スルーホー
ル用孔内部の気泡を脱泡処理した後、絶縁基板を高粘度
の感光性レジスト液に浸漬してから基板を引き上げるこ
とによってスルーホール用孔を含む絶縁基板全体に必要
充分な厚みの感光性レジスト液が付着する。こうして形
成されたエッチングレジスト層には、気泡による局部的
な薄層部分や断続部分がなく、導体金属層の表面全体を
充分な厚みで覆っておくことができる。脱泡処理を行わ
ない場合には、たとえば、0.4mmφ以下の小径スル
ーホールやアスペクト比が4以上の細長いスルーホール
では気泡のかみこみが避けられなかったのが、この発明
のように脱泡処理を行うことによって、発生した気泡を
完全に除去することができる。
【0024】
【実施例】次いで、この発明の実施例を、図面を参照し
ながら以下に詳しく説明する。図1は、この発明のスル
ーホール付配線板の製造方法にかかる実施例を示す工程
流れ図であり、この工程流れ図に従って、順次説明する
。また、図2〜4に各工程を説明する図面を示している
が、図面中、前記した図5の従来例と同様の構造部分に
は同じ符号を付けている。
【0025】まず、前記絶縁基板1にスルーホール用孔
10をあける。スルーホール用孔10の加工方法は、ド
リル加工やレーザー加工等、通常の配線板の場合と同様
の方法が用いられる。絶縁基板1としてセラミックス基
板を用いる場合には、焼成前のセラミックグリーンシー
トにパンチング等の手段で孔あけ加工をした後、焼成し
てスルーホール用孔付のセラミックス基板を製造する方
法も採用できる。スルーホール用孔10の孔径は、通常
1mm以下で実施されるが、用途によって、それ以上の
孔径でも実施できる。この孔あけ加工において、切断屑
やスミアが発生する場合があり、これら切断屑等を除去
するには、高圧水洗、サンドブラスト等の物理的処理方
法、あるいは、硫酸法、クロム酸法等の化学的処理方法
を用いてスルーホール用孔10の内部を洗浄する。
【0026】スルーホール用孔10が形成された絶縁基
板1(もしくは銅張り積層板)に対して、表裏両面およ
びスルーホール用孔10の内壁面に、適宜メッキ法等で
導体金属層2を形成する。絶縁基板1にメッキを施す前
には、絶縁基板1の表面およびスルーホール用孔10の
内壁面に対して脱脂およびソフトエッチングを行った後
、金属パラジウムを析出させて、表面の活性化を行って
おく。前記のような前処理を行った絶縁基板1を、たと
えば、化学メッキ浴等に浸漬して、銅、ニッケル、金等
からなる導体金属層2を形成する。
【0027】前記のような化学メッキ法で得られる導体
金属層2は、一般的には、0.1〜数μm程度の薄い層
であるので、もっと厚い導体金属層2を必要とする場合
には、引き続き化学メッキ法を行って、さらに厚い導体
金属層2を形成したり、前記化学メッキ法で形成された
導体金属層2の上に、さらに電解メッキ法で厚い導体金
属層2を形成することもできる。絶縁基板1の代わりに
、銅張り積層板を用いる場合には、導体金属層2の形成
工程の一部を省くことができる。導体金属層2の形成方
法は、前記した方法以外にも、通常の配線板の製造方法
で採用されている各種の導体金属層形成手段を用いるこ
とができる。
【0028】次に、ディップ法によるエッチングレジス
ト層の形成を行うが、必要に応じて、基板の前処理を行
っておく。前処理としては、絶縁基板1すなわち導体金
属層2の表面を物理的または化学的に研磨することであ
る。具体的な研磨手段は、通常の配線板に対する方法と
同様に行われる。研磨量は、0.1〜10μm程度が好
ましく、より好ましくは0.2〜2μm程度で実施され
る。前記前処理は、必要に応じて行われるものであり、
必要がなければ行わなくてもよい。
【0029】次に、絶縁基板1を低粘度の感光性レジス
ト液もしくは溶媒に浸漬して、スルーホール用孔10の
内部の導体金属層2表面をウェットな状態にしておく。 この工程で、スルーホール用孔10内にレジスト液が進
入しやすくなる。このとき、必要に応じて、浸漬した状
態で、脱泡処理を行う。また、必要があれば、絶縁基板
1を引き上げた後、低粘度の感光性レジスト液は、溶媒
を乾燥させて、導体金属層2の表面をドライな状態にし
ても構わない。
【0030】次に、図2に示すように、絶縁基板1全体
を、前記した粘度やチキソトロピー性値に調整されて適
宜貯液槽4に収容された高粘度の感光性レジスト液3の
中に浸漬した後、高粘度の感光性レジスト液3を付着さ
せたままで引き上げ、高粘度の感光性レジスト液3を乾
燥させることによって、絶縁基板1の表面全体に感光性
レジスト層30を形成する。レジスト液3は、この乾燥
工程での熱処理で反応し膜化させられることになる。感
光性レジスト液3は、絶縁基板1のスルーホール用孔1
0の内部およびその他の表面全体に充分な厚みでかつ均
一に付着させるようにする。この工程における具体的な
作業装置や作業条件は、通常の「ディップ法」と同様で
ある。
【0031】このような方法で高粘度の感光性レジスト
液3を絶縁基板1の表面全体に付着させる場合、感光性
レジスト液3の粘度やチキソトロピー性、絶縁基板1の
引き上げ速度等を調整することによって、絶縁基板1に
付着する高粘度の感光性レジスト液3の厚み、すなわち
、形成されるエッチングレジスト層30の厚みを調整す
ることができる。たとえば、前記した範囲内で、粘度と
チキソトロピー性値を調整することによって、エッチン
グレジスト層30の厚みを自由に制御できるのである。
【0032】図3は、エッチングレジスト層30が形成
された状態の絶縁基板1を示しており、感光性レジスト
液3からなるエッチングレジスト層30が絶縁基板1の
両面の導体金属層2表面からスルーホール用孔10の内
壁面までを一様な厚さで覆っており、スルーホール用孔
10のエッジ部11においても、他の個所と同じように
厚いエッチングレジスト層30が覆っている。なお、ス
ルーホール用孔10の内部中央では、両側のエッチング
レジスト層30がつながって連結部31となっている。 これは、感光性レジスト液3の流動性が低いために、ス
ルーホール用孔10に入り込んだ感光性レジスト液3が
つながったままで残ったものであり、エッチングレジス
ト層30としての機能等には影響はない。また、実施条
件によって、このような連結部31が形成されなくても
問題はない。
【0033】この発明においては、前記した粘度および
チキソトロピー性値を有する感光性レジスト液3を用い
ることによって、スルーホール用孔10のエッジ部11
を含む全面に充分な厚みのエッチングレジスト層30を
形成できるのであるが、感光性レジスト液3の粘度およ
びチキソトロピー性値が、この発明の範囲を外れ、感光
性レジスト液3の流動性が高すぎる場合には、スルーホ
ール用孔10のエッジ部11に必要な厚さのエッチング
レジスト層30を形成することができない。すなわち、
スルーホール用孔10のエッジ部11に感光性レジスト
液3を付着させようとしても、表面張力の作用等で感光
性レジスト液3は周囲に引き寄せられてエッジ部11か
ら逃げ去り、この部分のエッチングレジスト層30が薄
くなってしまうのである。このような状態で導体金属層
2のエッチング処理を行うと、エッチングレジスト層3
0の薄いエッジ部11では、エッチングレジスト層30
の下の導体金属層2までエッチング除去されてしまい、
断線や導通不良を起こすことになる。
【0034】前記のようにして、絶縁基板1の表面全体
にエッチングレジスト層30が形成された後、図4に示
すように、適当なマスクパターンを用いて紫外線露光し
、その後現像することによって、不要な個所のエッチン
グレジスト層30を除去する等して、所定パターンのエ
ッチングレジスト層30を形成する。具体的なエッチン
グレジスト層30のパターン形成工程は、通常の感光性
レジストに対するパターン形成方法と同様の、いわゆる
写真法によって行われる。このような写真法でレジスト
パターンの形成を行えば、印刷法等の他の方法では不可
能な線間、線幅30μmという微細パターンの形成も可
能になる。パターン形成の終了したエッチングレジスト
層30は、紫外線照射や加熱乾燥工程で充分に硬化して
いるので、後述のエッチング処理に対して導体金属層2
を良好に保護しておける。
【0035】図4においては、スルーホール用孔10の
周辺部で、スルーホール用孔10のエッジ部11のすぐ
外側にエッチングレジスト層30の端部がくるようにパ
ターン形成している。この発明の場合、エッチングレジ
スト層30がスルーホール用孔10の内壁からエッジ部
11のすぐ外側にパターン形成していても、エッチング
レジスト層30が剥がれたりパターンが破損したりする
ことはない。
【0036】次に、所定パターンのエッチングレジスト
層30で導体金属層2が覆われた絶縁基板1を、適宜エ
ッチング処理液に浸漬またはスプレーする等して、不要
な個所の導体金属層2を除去し、所定の回路パターンを
有する導体金属層2を形成する。この導体金属層2のエ
ッチング工程は、通常の配線板の製造方法と全く同様に
行うことができる。レジスト層30は、通常、エッチン
グ後、除去するようにする。
【0037】以上に説明した工程に従って、この発明に
かかるスルーホール付配線板の製造方法が実施されるが
、エッチングレジスト層30の形成工程において、低粘
度の感光性レジスト液もしくは溶媒に絶縁基板1を浸漬
し、スルーホール用孔10内部の気泡Bを脱泡処理して
から絶縁基板1を引き上げること以外は、前記写真法に
よる回路形成等、通常の配線板の製造方法がそのまま適
用でき、各工程における具体的実施方法は、前記実施例
で説明した方法以外にも、通常の配線板における各種手
段や方法を組み合わせて実施することができる。
【0038】次に、この発明にかかる製造方法を実際に
適用してスルーホール付配線板を製造する具体例につい
て説明する。 −実施例1− 絶縁基板1として、96%アルミナ基板(4mm×4m
m×0.635mm)を用い、レーザー加工で孔径0.
3mmのスルーホール用孔10を形成した。このアルミ
ナ焼結絶縁基板1の表面およびスルーホール用孔10の
内壁面を熱リン酸に浸漬して均一に粗化した。粗化処理
された絶縁基板1を充分に洗浄乾燥した後、絶縁基板1
の表面およびスルーホール用孔10の内壁面に化学メッ
キ法で厚み10μmの銅層を形成して、導体金属層2と
した。
【0039】次に、エッチングレジスト層形成の前処理
として、オシュレーション研磨を用いて、絶縁基板1の
導体金属層2の表面を0.4〜0.6μm程度研磨した
。その後、絶縁基板1を低粘度の感光性レジスト液に浸
漬し、絶縁基板1を振動させることによって、スルーホ
ール用孔10内部の気泡Bを脱泡処理した。この基板を
80℃で15分間乾燥させ溶媒を除去した後、さらに、
絶縁基板1を高粘度の感光性レジスト液3に浸漬するデ
ィップ法によって、スルーホール用孔10を含む導体金
属層2の表面全体にエッチングレジスト液層を形成した
。この時使用した低粘度の感光性レジスト液の粘度は1
0cpsであり、高粘度の感光性レジスト液3の粘度お
よびチキソトロピー性値は、160cpsおよび4.5
であった。
【0040】感光性レジスト液からなるエッチングレジ
スト液層を90℃で乾燥させた後、ポジ型のマスクパタ
ーンを用いて紫外線露光し現像することによって、所定
のパターンを有するエッチングレジスト層30を形成し
た。このとき、スルーホール用孔10の内部に、気泡B
は全く残存しておらず、スルーホール用孔10の内壁面
および周辺部にエッチングレジスト層30が被覆されて
いない個所は全くないことも確認できた。
【0041】次に、通常のエッチング処理方法で導体金
属層2のエッチングを行い、線幅、線間80μmの配線
回路を形成した。エッチング工程終了後、エッチングレ
ジスト層30を全て3%NaOH溶液によって剥離除去
し、スルーホール付配線板を得た。このようにして製造
されたスルーホール付配線板に対して、スルーホール導
通試験を行ったところ、断線等の不良発生率は50pp
m以下であり、スルーホール用孔に対し垂直な方向に浸
漬しそのまま引き上げる従来の「ディップ法」で製造さ
れたスルーホール付配線板に比べて、スルーホール信頼
性が極めて高いことが実証された。
【0042】−実施例2− 鉄等の金属材料をエポキシ樹脂等で被覆して絶縁処理を
施した金属系絶縁基板からなる銅張り積層板を用いた。 この銅張り積層板に、ドリル加工で孔径0.4mmのス
ルーホール用孔10を形成した後、サンドブラスト等で
スルーホール用孔10を洗浄した。次に、リン酸で銅張
り積層板の表面および内壁面をソフトエッチングした後
、化学メッキ法で銅層を形成し、さらに電解メッキ法で
金属銅の厚付けを行って、厚み35μmの導体金属層2
を形成した。
【0043】次に、エッチングレジスト層形成の前処理
として、オシュレーション研磨を用いて、絶縁基板1の
導体金属層2の表面を0.8〜1.2μm程度研磨した
。その後、絶縁基板1を有機溶剤のエチレングリコール
モノエチルエーテルアセテートに浸漬し引き上げた後、
この絶縁基板1を高粘度の感光性レジスト液3に浸漬す
るディップ法によって、スルーホール用孔10を含む導
体金属層2の表面全体にエッチングレジスト液層を形成
した。この時使用した高粘度の感光性レジスト液3の粘
度およびチキソトロピー性値は、それぞれ180cps
および4.5であった。
【0044】感光性レジスト液からなるエッチングレジ
スト液層を90℃で乾燥させた後、ポジ型のマスクパタ
ーンを用いて紫外線露光し現像することによって、所定
のパターンを有するエッチングレジスト層30を形成し
た。この時、スルーホール用孔10の内部に、気泡は全
く残存しておらず、スルーホール用孔10の内壁面およ
び周辺部にエッチングレジスト層30が被覆されていな
い個所は全くないことも確認できた。
【0045】次に、通常のエッチング処理方法で導体金
属層2のエッチングを行い、線幅、線間100μmの配
線回路を形成した。エッチング工程終了後、エッチング
レジスト層30を全て3%NaOH溶液によって剥離除
去し、スルーホール付配線板を得た。このようにして製
造されたスルーホール付配線板に対して、スルーホール
導通試験を行ったところ、断線等の不良発生率は30p
pm以下であり、スルーホール用孔に対し垂直な方向に
浸漬しそのまま引き上げる従来の「ディップ法」で製造
されたスルーホール付配線板に比べて、スルーホール信
頼性が極めて高いことが実証された。
【0046】−実施例3− 絶縁基板1としてセラミックス基板を用いた。まず、A
l2 O3粉末96重量部と、SiO2 、CaO、M
gO等の焼結補助剤4重量部とを混合するとともに、こ
の混合物に対して12重量部の有機物(結合剤、可塑剤
)を添加して、さらに全体を混合した。この混合物をド
クターブレード法でシート状に形成してセラミックグリ
ーンシートを得た。このグリーンシートを加熱して半硬
化状態にした後、金型でプレス加工して孔径0.4mm
のスルーホール用孔10を形成した。前記グリーンシー
トを150℃で乾燥した後、1600℃で焼成すること
によって、スルーホール用孔10を有するセラミックス
基板からなる絶縁基板1を得た。
【0047】絶縁基板1の表面をフッ酸を用いて粗化処
理した後、化学メッキ法を施した後で、電解メッキ法に
より厚み35μmの銅層を形成して導体金属層2とした
。低粘度レジスト液浸漬後の乾燥を省いた他の実施条件
は、実施例1と同様の工程でスルーホール付配線板を製
造したところ、前記各実施例と同様に断線等の不良は見
られず、優れたスルーホール信頼性を有するものであっ
た。
【0048】−比較例− 実施例1において、絶縁基板1を低粘度の感光性レジス
ト液に浸漬せずに、直接、高粘度の感光性レジスト液に
浸漬した以外は実施例1と同様の工程でスルーホール付
配線板を製造した。このようにして製造されたスルーホ
ール付配線板に対して、スルーホール導通試験を行った
ところ、断線等の不良発生率は1000ppm程度であ
り、実施例1に比べて不良発生率が大きいことがわかっ
た。この結果より、低粘度の感光性レジスト液もしくは
溶媒に浸漬して製造されたスルーホール付配線板は、直
接、高粘度の感光性レジスト液に浸漬する場合に比べて
、スルーホール信頼性が高いことが実証された。
【0049】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかるスルー
ホール付配線板の製造方法によれば、低粘度の感光性レ
ジスト液もしくは溶媒に浸漬し、スルーホール用孔内部
の気泡を脱泡処理した後、絶縁基板を高粘度の感光性レ
ジスト液に浸漬してから基板を引き上げるので、スルー
ホール用孔の内部を含む絶縁基板の表面全体に確実にエ
ッチングレジスト層を形成することができる。
【0050】特に、絶縁基板全体を感光性レジスト液に
浸漬した状態で、スルーホール用孔の内部に残存する気
泡を脱泡処理しておくので、気泡によって局部的にエッ
チングレジスト層の薄い個所や途切れた個所等が形成さ
れるのを確実に防止することができ、得られたエッチン
グレジスト層は、スルーホール用孔の内壁面や周辺部を
含む全体が、必要かつ充分な厚みを有するものとなる。 その結果、導体金属層のエッチング工程で配線回路とし
て必要な個所の導体金属層までがエッチングされてしま
うような問題が起こらず、得られた配線回路は、スルー
ホール部分での断線や回路不良等がなくなり、スルーホ
ール信頼性が極めて高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる実施例の工程流れ図である。
【図2】製造工程のうち、感光性レジスト液の付着工程
を示す断面図である。
【図3】感光性レジスト液が付着された絶縁基板の要部
拡大断面図である。
【図4】エッチングレジスト層がパターン形成された状
態の断面図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1  絶縁基板 2  導体金属層 3  感光性レジスト液 4  貯液層 10  スルーホール用孔 11  エッジ部 30  エッチングレジスト層 B  気泡

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  スルーホール用孔の内壁面および基板
    両面に導体金属層が形成された絶縁基板に対して、前記
    導体金属層を所定パターンのエッチングレジスト層で覆
    った後、導体金属層をエッチング処理して回路形成を行
    うスルーホール付配線板の製造方法において、エッチン
    グレジスト層の形成工程が、絶縁基板全体を低粘度の感
    光性レジスト液もしくは溶媒に浸漬してスルーホール用
    孔内部の気泡を脱泡処理した後、絶縁基板を高粘度の感
    光性レジスト液に浸漬してから基板を引き上げることに
    よって、スルーホール用孔の内壁面を含む絶縁基板の表
    面全体を感光性レジスト液からなるエッチングレジスト
    層で覆い、その後、エッチングレジスト層を所定パター
    ンに形成することからなることを特徴とするスルーホー
    ル付配線板の製造方法。
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